わきだ整形外科新聞H30.1.4 発行 No.19

はじめに

新年明けましておめでとうございます。平成 29年も多くの患者様に、わきだ整形外科を受診していただき、誠にありがとうございました。平成 30 年も多くの患者様にわきだ整形外科を受診していただける様、理事長 楊 昌樹をはじめ、スタッフ一同、力を合わせて頑張っていきたいと思います。 また、平成 30年 4月より、診療報酬と介護報酬の改定が行われる予定です。それに伴い、4月以降、受診料が変わる可能性があります。ご不明な点がございましたら、受付スタッフの方へお尋ね下さい。

外反母趾

外反母趾は、足の母趾（親指）が、小指側に「くの字」に曲がる状態を言います。初期の頃は、痛みはほぼありませんが、外反母趾が進行するにつれ、腫れや発赤、疼痛が出現します。人によっては、親指が人差し指の上に乗ったり、下に潜る まで変形することもあります。 また、足裏の指の付け根にたこができたり、小指が薬指側へ曲がる（内反小趾）こともあります。

外反母趾の症状

軽度

重度

親指が少し「くの字」に曲がるが、腫れや発赤、痛み等の症状はほとんど無い。

親指がだいぶ「くの字」に曲がり、腫れや発赤が出現する。また、靴などで親指の付け根が擦れると痛みが走る。

親指が他の指に乗ったり、潜るまで変形する。腫れや発赤が酷く、安静の状態でも痛みが走る。また、「立つ」「歩く」の動作に支障が出てくる。

①靴

外反母趾の原因

自分の足に合っていない靴を履くことが、外反母趾の一番の原因です。自分の足に合っていない靴を履くと、指が外側からおされるためです。 また、ヒールが高い靴もよくありません。ヒールが高くなるほど、足先への負担が大きくなります。それを支えるため、指は開張位（足の指が横に開く）になりますが、ヒールが高い靴は足先が細くなっていることが多く、外側からかなりの力でおされることになります。

②女性

外反母趾は、男性より女性の方がなりやすいと言われています。女性はヒールが高い靴や先が細い靴を履く機会が多いというのもありますが、男性に比べて関節が柔らかく、筋力が弱いことも関係していると言われています。

③生活習慣と扁平足

近年では、裸足でいる機会が少ない、車などの発達により歩く時間が短いなどで、足の筋力の低下や、足のアーチが小さくなる扁平足になる方が増えています。 特に、扁平足になると足の重心が踵側になるため、指を使わずに立つ・歩くといった動作を行うようになります。それにより、少しずつ足の筋力が衰え、外反母趾になると言われています。

外反母趾の予防

①自分の足にあった靴を履きましょう

外反母趾の 1 番の原因は、自分の足にあっていない靴を履くことです。靴選びの際は、以下の事に気を付けましょう。

・靴は小さすぎず、大きすぎず 靴が小さいと、靴の両端から圧迫され、足の指が押しつぶされる状況になります。また、靴が大きいと靴の中で足が滑り、靴先へ足が押し込まれるため、よくありません。

・夕方、実際に靴を履いて選ぶ 夕方になると足がむくみ、足のサイズが少し大きくなります。そのため、夕方の足のサイズにあわせた靴を選ぶ方が良いと言われています。

②正しい歩き方をしましょう

歩くときはなるべく歩幅を広くすることを意識しましょう。足を踏み出すときは、最初に踵を上げ、足の指でしっかり地面をけるイメージで親指に力を入れます。そして足を地面につけるときは踵を最初につけてから徐々に足の底全体をつけていくようにしましょう。立っているときは足の指を軽く地面に押し付けるようにして力を使うようにしましょう。 ③足の筋力を付けましょう 足のアーチを改善しましょう

外反母趾の予防として、足の筋力を付ける・足のアーチを改善することが大切です。そのための足のトレーニングを紹介します。

椅子に座った状態で行います。足元にタオルを敷いてそれを指の動きだけで引き寄せます。足は踵までしっかりつけましょう。タオルをすべて引き寄せるのを一回として 10回ほどしましょう。

複数のビー玉を足の指で持ち上げて運ぶトレーニングです。こちらも椅子に座った状態で行います。運ぶのは一個ずつ、すべてのビー玉を運ぶのを一回として両足二回ずつ行いましょう。

足の指のぐーぱー運動です。こちらは単純に指を広げたり閉じたりするだけです。余裕があるなら、親指だけ他の指とは逆の動きをしましょう（他の指を広げるときは親指を閉じる、閉じるときは広げる）。

外反母趾の治療

①装具

患者様の足にあわせた足底板（靴底に敷くもの）や、外反母趾の状況に合わせた装具を使用します。

②手術

外反母趾がかなり進行した場合に行います。親指の中足骨を切った後に矯正を行い、プレートやスクリューで固定する手術が一般的です。 また、外反母趾に対する手術の後は、手術後のリハビリが大変重要です。リハビリを怠ってしまうと、変形治癒や、足の趾が動かない、上手く歩けないなど問題が起きる可能性があります。まずは、むくみや足部の管理を徹底して行い、車いすでの生活

最後に 外反母趾は進行すると、親指の付け根の発赤や疼痛だけでなく、「立つ」「歩く」の動作に支障をきたし、転倒のリスクが高くなる病気です。外反母趾を軽く考えず、整形外科を受診しましょう。

を行います。つぎに、傷口が落ち着いてきたら(約２週間)、装具療法を行いながら松葉杖で歩行を開始して行きます。また、時期に応じて、足の趾の可動域訓練、筋力訓練動作指導などを行っていきますが、外反母趾の原因にもあるように、姿勢改善などもあわせて行っていきます。

うがい・手洗い

寒い時期は、インフルエンザやノロウイルスなどの感染性胃腸炎にかかりやすい時期です。予防のために、正しいうがい・手洗いをしましょう。

正しいうがいの仕方 正しい手洗いの仕方