教 育 研 究 業 績 書 -...

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教育研究業績書 氏名 吉岡 英二 研 究 分 野 研究内容のキーワード 動物学、海洋生物学 無脊椎動物、潮汐リズム 教育上の能力に関する事項 年月日 1 教育方法の実践例 熱帯域生物圏での探検的体験学習プログラム 平成19年4月- 私立大学の教育研究に対する特別補助として標記の プログラムを立案し、22年3月まで実施した。沖縄,八 重山諸島での体験学習を軸に、サンゴ礁・マングロー ブ・離島での生活実態の調査を行い、その一部を報 告・教材化した。 神戸 宇治川に生息するゲンジボタルの教材化 平成16年4月- 大学に隣接する神戸宇治川の河川敷に発生するゲ ンジボタルの室内飼育を行い、羽化のための条件な どについて研究する教材として用いた。また、近隣の 小学校などに幼虫・成虫を配布するとともに、野外の 生息場所で学生を主体に観察会を実施して、社会教 育の実践の場として活用した。 2 作成した教科書,教材 教科書 「生物と環境-ヒトと自然を考えるために-」 平成7年11月20日 「第Ⅱ章 生態系の構造 1.生態系の理解のために (3)炭素循環と窒素循環」「第Ⅱ章 3.水圏の生態系 (1)海洋生態系と海洋環境の区分,(2)海浜域,(3)陸水 生態系」「第Ⅲ章 生物群集と種間関係 1.5.」を担 (24-25,30-35,36-61)教材 「宇治川のホタル Watching Guide」 平成19-22年 学生による社会教育の実践のための資料として、また一般 の見学者への資料として作成。 教材 「ホタルの棲む川の生き物たち」 平成21年3月 神戸 宇治川の河川敷で調査を行い、生息する動植物をま とめて、フィールドワーク等の学習資料としている。 教材 「マングローブの生き物たち」 平成22年3月 熱帯域生物圏での探検的体験学習プログラムでの成 果として、および今後のマングローブでの学習の資料 として作成し、博物館などを通じて一般にも配布して いる。

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教 育 研 究 業 績 書

氏名 吉岡 英二

研 究 分 野 研究内容のキーワード

動物学、海洋生物学 無脊椎動物、潮汐リズム

教育上の能力に関する事項 年月日 概 要

1 教育方法の実践例

熱帯域生物圏での探検的体験学習プログラム

平成19年4月-

私立大学の教育研究に対する特別補助として標記の

プログラムを立案し、22年3月まで実施した。沖縄,八

重山諸島での体験学習を軸に、サンゴ礁・マングロー

ブ・離島での生活実態の調査を行い、その一部を報

告・教材化した。

神戸 宇治川に生息するゲンジボタルの教材化 平成16年4月- 大学に隣接する神戸宇治川の河川敷に発生するゲ

ンジボタルの室内飼育を行い、羽化のための条件な

どについて研究する教材として用いた。また、近隣の

小学校などに幼虫・成虫を配布するとともに、野外の

生息場所で学生を主体に観察会を実施して、社会教

育の実践の場として活用した。

2 作成した教科書,教材

教科書 「生物と環境-ヒトと自然を考えるために-」 平成7年11月20日 「第Ⅱ章 生態系の構造 1.生態系の理解のために

(3)炭素循環と窒素循環」「第Ⅱ章 3.水圏の生態系

(1)海洋生態系と海洋環境の区分,(2)海浜域,(3)陸水

生態系」「第Ⅲ章 生物群集と種間関係 1.~5.」を担

当(24-25,30-35,36-61頁)。

教材 「宇治川のホタル Watching Guide」 平成19-22年 学生による社会教育の実践のための資料として、また一般

の見学者への資料として作成。

教材 「ホタルの棲む川の生き物たち」 平成21年3月 神戸 宇治川の河川敷で調査を行い、生息する動植物をま

とめて、フィールドワーク等の学習資料としている。

教材 「マングローブの生き物たち」 平成22年3月 熱帯域生物圏での探検的体験学習プログラムでの成

果として、および今後のマングローブでの学習の資料

として作成し、博物館などを通じて一般にも配布して

いる。

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3 当該教員の教育上の能力に関する大学等の評価

4 実務家教員についての特記事項 なし

5 その他 なし

職務上の実績に関する事項 年 月 日 概 要

1 資格,免許

潜水士免許

昭和57年9月

熱帯域生物圏での探検的体験学習プログラムの引率

・指導

国会議員政策秘書資格試験合格

平成14年9月

環境文化学概論1の授業において環境問題について

の諸課題に対応するため、資格取得とともに研修を受

ける

消費生活アドバイザー審査に合格 平成20年4月 課題研究等において消費生活と環境問題について

の研究・考察をおこなった

2 特許等 なし

3 実務家教員についての特記事項 なし

4 その他 なし

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

(著書)

1.沖縄海中生物図鑑第5巻

-貝

2.生物と環境

-ヒトと自然を考える

た めに-

(学術論文)

1.ナメクジは銅イオンを

忌 避する

共著

共著

共著

昭和63年8月

平成7年11月

昭和58年4月

(財)海中公園センター監

新星図書出版刊

学術図書出版刊

関西病虫研報第25号

沖縄沿岸に分布する貝類のうちヒザラ

ガイ類10種の形態・生態及び分類学上

の知見について記述した(161-172頁)

本シリーズは沖縄の海洋生物全般を対

象にした最初の図鑑であり、第5巻は

ヒザラガイ類以外に二枚貝類・巻貝類

について、主としてその生態写真とと

もに分類群毎に掲載・記載したもので

ある。

共同執筆者:岡本一志、中嶋康裕、

野田泰一、野村恵一、吉岡英二。

(B6判,229頁)

「第Ⅱ章 生態系の構造 1.生態系の理

解のために(3)炭素循環と窒素循環」「

第Ⅱ章 3.水圏の生態系(1)海洋生態系

と海洋環境の区分,(2)海浜域,(3)陸水

生態系」「第Ⅲ章 生物群集と種間関係

1.~5.」を担当(24-25,30-35,36-61頁)

地球環境を考えるにあたって、まず生

物とヒトの位置づけを学ぶことを念頭

において編集されたテキスト。宇宙の

歴史・地球の歴史と進化から個々の生

物個体の環境との関わりまで、内容は

きわめて広範囲に及ぶ。

共同執筆者:新井哲夫、服部昭尚、

菊江佳世子、日高明、渡康彦、

井上寛、吉岡英二、石井実。

(B5判,189頁)

吉岡が実験・分析・論文の粗稿の執筆を

担当、奥谷がその指導と論文の最終稿

を調えた。

神戸周辺でふつうに見られるチャイロ

コウラナメクジが、銅板および銅イオ

ンにどのように反応するかを実験的に

調べ、どの程度の濃度の銅イオンで忌

避の効果があるかについてを確認した

。その結果、忌避の効果があるのはか

なりの高濃度であり、農地に散布する

場合にも、現実的な濃度では忌避剤と

して効果がないことを明らかにした。

共同執筆者:奥谷禎一、吉岡英二。

(1-3頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

2.ヒザラガイの垂直分布

と サイズ組成

3.潮汐周期を与えること

が できる飼育装置の一

4.A preliminary note on

the pelagic eggs of

marine invertebrates.

5.ESSという言葉について

6.ヒザラガイの生殖腺と

配 偶子形成に関する組

織学 的研究

7.種分化における‘潮だ

ま り効果’

-分断平衡説の下での

一 仮説

単著

単著

共著

単著

単著

単著

昭和58年5月

昭和60年2月

昭和60年12月

昭和61年5月

昭和61年7月

昭和61年8月

南紀生物25巻1号

南紀生物同好会刊

日本ベントス研究会誌28

日本ベントス研究会刊

Special Publication of

the Mukaishima Marine

Biological Station,1985

.

広島大学理学部付属向島

臨海実験所刊

生物科学38巻2号

岩波書店刊

貝類学雑誌45巻2号

日本貝類学会刊

生物科学38巻3号

岩波書店刊

和歌山県白浜町沿岸で、ヒザラガイが

大きさに応じてどのように分布してい

るかを調べた。その結果、大型の個体

は生息域の上下に広く分布しており、

小型の個体は生息域の比較的下方に分

布していることを明らかにした。これ

は、小型の個体が干潮時の乾燥に耐え

られないことと、幼生の定着場所が限

定されていることに由来する旨の考察

をした。

(126-129頁)

光が入らないように設計した水槽の上

面に蛍光灯を設置し、入水と出水の両

方を制御する電磁バルブを設計し製作

した。さらに、それらをパーソナルコ

ンピュータによって制御して、野外の

潮汐周期や日周期を人工的に再現する

ことと、ずらせることを可能にした。

(63-66頁)

ヒザラガイの卵の形態と、その表面構

造の変異についてを担当(228-230頁)

主として、広島大学理学部付属臨海実

験所で採集された種々の浮遊卵の形態

とその出現状況などについて記載した

総説。表面構造などに特徴を持つもの

は、その種まで同定可能である旨の確

認をした。

共同執筆者:大塚攻、吉岡英二。

(225-235頁)

ESS(進化的に安定な戦略)という語の

なかで、基本的には変化・進歩を念頭

にした「進化的」という部分と、変化し

ないことを示す「安定」という部分の不

整合について述べた。

むしろGSS(遺伝的に・・・)あるいはDSS(

ダーウィニズム的に・・・)という用語の

ほうが適切である旨の指摘をした。

(88-89頁)

ヒザラガイの雌雄の生殖腺の組織と、

卵形成・精子形成に至る組織の変化に

ついて観察し記載した。雌雄同体の個

体は観察されず、卵形成・精子形成の

過程は、いくつかの段階に分けて理解

することができることを示した。

(109-115頁)

S.J.グールド、N.エルドリッジの提唱

した「分断平衡説」のもとでは、種の分

化・新種の形成は、起源種の分布範囲

の退縮期に、主たる個体群の縁辺部で

起こるであろうという仮説を述べた。

また、そのようすが潮間帯での潮だま

りの形成の過程と似ていることから「

潮だまり効果」と名付けた。

(128-134頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

8.種の交替について

9.磯のヒザラガイ類

10.多板類の歯と殻

11.A deformed gonad in

the chiton

Acanthopleura japonica.

12.7枚の殻を持つヒザラ

ガ イの異常個体

13.A method of measurin

g the volume of soft

tissue.

単著

共著

単著

単著

共著

単著

昭和61年11月

昭和62年4月

昭和62年4月

昭和62年4月

昭和62年5月

昭和62年8月

生物科学39巻4号

岩波書店刊

遺伝41巻4号

裳華房刊

遺伝41巻4号

裳華房刊

貝類学雑誌46巻1号

日本貝類学会刊

ちりぼたん(日本貝類学会

研究連絡誌)18巻1号

日本貝類学会刊

Zoological Science4巻4

日本動物学会刊

ある種がすでに特定の生態的地位を占

有している状況下で、それとは系統的

な類縁関係がない種が前の種を押し退

けて新しく占有する状況(交替)につい

て、単純な環境適応の原理/動力学か

らでは説明できないことを述べた。さ

まざまな状況に照らして、前の種が絶

滅せざるを得ない状況が生じる必然性

があるのではないかと主張した。

(222-223頁)

野田が写真を、吉岡は解説文の執筆を

担当した。

和歌山県白浜町沿岸で見られるヒザラ

ガイ類の写真と、それらについての解

説。

共同執筆者:野田泰一、吉岡英二

(ii-iii頁)

軟体動物の中でも、多板類(ヒザラガ

イ類)だけの特徴であるマグネタイト

を含む歯舌と、キチン質・原形質を含

む殻について解説した。とくに歯舌は

、磁石に引き寄せられるほど多量のマ

グネタイトを持つことを紹介した。ま

た、殻については、他の軟体動物と異

なり、光感覚細胞など原形質などを含

む「生きた」構造物であることを解説し

た。

(72-73頁)

繁殖周期の調査をするために採集した

ヒザラガイの生殖腺を摘出したところ

、何らかの奇形と思われるものが見ら

れたので報告した。また、組織切片の

観察からは、卵形成の過程と精子形成

の過程をうかがわせる組織像が見られ

、それらの顕微鏡写真を掲載した。

(46-48頁)

共同作業で執筆したので、担当頁の抽

出は不可能。

ふつう8枚の殻を持つはずのヒザラガ

イで、7枚の殻しか持たない異常個体

を確認した報告。おそらくは殻板の癒

合によって殻板数が減少しているもの

と思われる。

共同執筆者:吉岡英二、野田泰一。

(18頁)

柔らかい組織の体積の測り方について

、とくにヒザラガイの生殖腺の体積を

測ることを念頭においてその測定方法

を考案した報告。一定の隙間のガラス

板の間に生殖腺をはさんで、上部から

その面積を計測することによって、重

量をミリグラムの精度で測定するより

もはるかに簡便に同水準のマイクロリ

ットルの精度で組織の体積を測定でき

ることを、乾燥重量との相関関係から

証明した。

(747-749頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

14.動機と説得の論理

15.ヒザラガイの配偶子形

成の開始を支配する

要 因

16.Annual reproductive

cycle of the chiton

Acanthopleura japonica.

17.室内で観察されたヒザ

ラガイの配偶子放出

18.ヒザラガイの生息位置

の安定性

単著

単著

単著

単著

単著

昭和62年8月

昭和62年10月

昭和62年11月

昭和63年4月

昭和63年5月

生物科学39巻3号

岩波書店刊

貝類学雑誌46巻3号

日本貝類学会刊

Marine Biology96巻3号

Springer-Verlag刊

貝類学雑誌47巻1号

日本貝類学会刊

南紀生物30巻1号

南紀生物同好会刊

血液循環の発見者であるウィリアム・

ハーヴェイは、後代には近代生理学の

始祖として位置づけられる人物である

が、血液循環を明らかにしようとした

衝動の背景には、旧態依然とした「ミ

クロコズム・マクロコズム・アナロジー

」という当時の世界観があった。その

ことから、現在でも 論文を書く動機

となる論理と、その内容を説得するた

めの論理は、しばしば一致しないこと

を述べた。

(127,134頁)

ヒザラガイは5-6月頃に配偶子形成が

開始するが、それを支配する環境要因

が温度と日長のいずれであるかを明ら

かにするため、飼育水槽の温度と日長

を制御して配偶子形成の成否を調べた

。その結果、短日でも長日でも温度が

上がったときに配偶子形成が始まるこ

とが明らかになった。

(173-177頁)

ヒザラガイの年間の繁殖周期を、雌雄

の生殖腺の経時的な変化を通じて調べ

た。ヒザラガイの繁殖期は7-10月であ

り、その配偶子放出は満月・新月の前

後に起こっていることを明らかにした

。以上のように、ヒザラガイの繁殖の

年周期と半月周期が明らかした。

(371-374頁)

実験室内に持ち込んだヒザラガイの配

偶子放出を観察した。室内でも、野外

での産卵時刻と概ね同期的に配偶子(

卵・精子)の放出が見られ、体内時計に

よる測時機構の存在が示唆された。ま

た、同一個体が連続した複数の日に配

偶子を放出していることも確認された

(51-56頁)

一年間にわたって野外の高さ毎の個体

数と同一個体の生息状況を追跡し、そ

の生息位置がどの程度安定であるかを

調査した。一年間を通じて、個体群全

体としての生息する高さはきわめて安

定であり、同時に個体毎の位置もほと

んど変化しないことが確認された。

(54-56頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

19.Spawning

periodicities

coinciding with

semidiurnal tidal

rhythms in the chito

n Acanthopleura japonica.

20.Phase shift of

semilunar spawning

periodicity of the

chiton Acanthopleura japonica(Lischke) by

artificial regimes o

f light and tide.

21.Experimental analysi

s of the diurnal and

tidal spawning rhyth

m in the chiton

Acanthopleura japonica(Lischke) by manipulating

conditions of light

tide.

22.反射テープを用いた潮

間帯貝類の標識法

23.パーソナル・コンピュ

ータを利用した自動活

動記録装置の設計

24.An occurrence of

Acanthopleura tenuispinosa (Leloup,1939)

(Polyplacophora:

Chitonidae) from

Amami and Okinawa

Island in referrence

to taxonomic

evaluation.

単著

単著

単著

単著

単著

共著

昭和63年6月

平成元年8月

平成元年12月

平成4年9月

平成4年12月

平成5年6月

Marine Biology98巻3号

Springer-Verlag刊

Journal of Experimental

Marine Biology and

Ecology129巻2号

Elsevier刊

Journal of Experimental

Marine Biology and

Ecology133巻1/2合併号

Elsevier刊

くろしお(南紀生物同好会

誌)11号

南紀生物同好会刊

神戸山手女子短期大学紀

要第35号

神戸山手女子短期大学刊

国立科学博物館研究報告

A-19巻2号

国立科学博物館刊

ヒザラガイの産卵が一日の中でどの時

刻に起こっているかについて、生息域

近傍の海水中のプランクトンに出現す

るヒザラガイの卵の出現を手がかりに

調べた。その結果多くの受精卵は満月

・新月の日の周辺の明け方の最満潮時

刻の直後に多く採集されることから、

その採集時刻に放卵・放精が起こって

いると推定された。

(381-385頁)

日周期と潮汐周期を制御することがで

きる飼育水槽を用いて、配偶子放出の

半月周期性がどのように変化するかを

調べた。その結果、配偶子放出の周期

性を支配する要因は、潮汐周期と日周

期の位相関係であることを明らかにし

た。

(133-140頁)

ヒザラガイは、主として大潮の頃の明

け方の最満潮時刻に産卵する。それら

の周期性を支配する要因を、日周期と

潮汐周期を制御することができる飼育

水槽を用いて実験的に調べた。その結

果、明け方に産卵することを支配して

いるのは明/暗の周期、産卵時刻その

ものを支配しているのは水没/干出の

周期であることを明らかにした。

(81-91頁)

ヒザラガイをはじめとした潮間帯の貝

類の行動を観察するために、反射テー

プを用いてその個体と位置を区別する

方法を記述した。また、実際にその方

法を初学者に行わせることによって、

その利点と問題点について検討した。

(15-16頁)

タイマー・カウンターIC-8253を使って

多くの個体の個別の活動記録を長期間

に記録するシステムの設計と製作につ

いての報告。また、PIOやPPIを使わず

にTTL出力を得る簡便な回路によって

、飼育箱別の明暗の周期を制御するこ

とを可能にした。

(83-88頁)

共同作業で執筆したので、担当頁を抽

出するのは不可能。

種名不祥だったウニヒザラガイ属の1

種について、1939年にLeloupによって

記載された標本と特徴が一致すること

から、分類名を整理して再記載した。

また、その分布がシャム湾から奄美大

島まで広がっていることを確認した。

共同執筆者:斎藤寛、吉岡英二。

(45-50頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

25.沖縄産多板類3種の卵

の 形態

26.海産動物の繁殖現象に

おける周期性と同期性

27.The parachute effect

of chiton egg hulls

in sea water

28.魚類の透明骨格標本作

成法

29.Distribution of four

species of

Acanthopleura (Polyplacophora:

Chitonidae) in Sesok

o Island, Okinawa

共著

単著

単著

単著

共著

平成5年6月

平成6年12月

平成7年7月

平成7年12月

平成8年4月

貝類学雑誌52巻6号

日本貝類学会刊

神戸山手女子短期大学紀

要第37号

神戸山手女子短期大学刊

貝類学雑誌54巻2号

日本貝類学会刊

神戸山手女子短期大学紀

要第38号

神戸山手女子短期大学刊

貝類学雑誌55巻1号

日本貝類学会刊

共同作業で執筆したので、担当頁抽出

は不可能。

オニヒザラガイ・キクノハナヒザラガ

イ・リュウキュウヒザラガイの卵の形

態を記載し、それらが相互に識別可能

であることを示した。また、卵を識別

することによってその種の産卵時刻を

確認することが可能であることを示唆

した。

共同執筆者:吉岡英二、布施敏昭。

(161-165頁)

主にヒザラガイの生殖周期の事例から

、繁殖現象などの「周期性」(=一定間

隔で起こること)と「同期性」(=同時に

起こること)という概念の混乱を指摘

し、その混乱の原因を、現象の側面と

用語法の側面の双方から考察した。こ

れらの概念を適切に整理し把握するこ

とが、環境と生物の関係をとらえるた

めに必要であることを指摘した。

(33-54頁)

ヒザラガイ類の卵の特徴的な表面構造

である‘hull’の機能について実験的

に確認した。hullが卵の浮遊時間を長

くするためのものであることを確認す

るために、hullを取り除いた卵と、通

常の卵の沈降速度を比較した。その結

果、実際にhullが存在することによっ

て浮遊時間が長くなっていることが確

認された。また、それらが配偶子の受

精過程に関係する可能性を考察した。

(157-159頁)

魚類の透明骨格標本の作成法として知

られる2つの方法(アルカリを用いる

方法・酵素を用いる方法)を実際に比

較し、とくに教育用の標本としてはど

ちらが適切な手技であるかを検討した

。また、酵素を用いる方法に際しては

、通常の処方に加えて、油脂の多寡に

かかわらず必ず「脱脂」の手順を踏む

ことによって、透明度の高い標本がで

きる点を指摘した。

(157-164頁)

吉岡が調査全般から論文の執筆までの

すべてを主導した。中嶋は、とくに瀬

底島北西岸の調査を行った。

沖縄本島に近い瀬底島でのヒザラガ

イ類4種の、水平・垂直の分布につい

て記載した。その結果、瀬底島に分布

する種は、オニヒザラガイ・リュウキ

ュウヒザラガイ・キクノハナヒザラガ

イ・コザネヒザラガイの4種で、それ

ぞれが垂直・水平の座標軸上で相互に

排他的に分布していることを明らかに

した。

共同執筆者:吉岡英二、中嶋康裕。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

30.沖縄産コザネヒザラガ

イ(新称)の卵の形態

31.Distribution of

Acanthopleura spp. (Polyplacophora,

Chitonidae) in

Iriomote,Ishigaki an

d Miyako Islands,

Okinawa

32.環境ボランティア序論

-重油流出と重油ボラ

ン ティアをめぐって

33.日本沿岸に産するウニ

ヒザラガイ属(多板綱:

ヒザラガイ科)とその

分 布

34.入学式における新入生

の着席時刻と服装の

色 との関係

単著

単著

単著

単著

共著

平成9年9月

平成9年10月

平成9年10月

平成9年12月

平成9年12月

ちりぼたん(日本貝類学会

研究連絡誌)28巻1号

日本貝類学会刊

貝類学雑誌56巻3号

日本貝類学会刊

環境文化研究所紀要第1号

神戸山手女子短期大学刊

神戸山手女子短期大学紀

要第40号

神戸山手女子短期大学刊

神戸山手女子短期大学紀

要第40号

神戸山手女子短期大学刊

これまでその形態が知られなかったコ

ザネヒザラガイの卵の形態を確認し記

載した。他の近縁種の卵とは色彩・形

態とも異なり、相互に区別可能である

ことがわかった。また、卵が採取され

た時刻から鑑みて、コザネヒザラガイ

の産卵時刻が夜半の満潮時刻であろう

と推定される点を加えて述べた。

(9-10頁)

南西諸島の宮古島・石垣島・西表島の

沿岸でのヒザラガイ類の分布を調べ

た。前報(上述の学術論文29.)にも挙

げた4種は、そこで明らかにしたとお

りの垂直・水平の分布を示したが、八

重山の2島においては、調査した範囲

ではキクノハナヒザラガイ・コザネヒ

ザラガイが見られなかった。おそらく

何らかの生態的・歴史的状況から、そ

れらの分布が見られないのであろうと

考えられる旨の考察をした。

(253-257頁)

これまでの大きなタンカー事故・重油

流出事故の歴史的な経過を踏まえて、

平成9年1月に起こったロシア船籍ナホ

トカ号による重油流出事故について考

察した。また、その際に、兵庫県竹野

町の沿岸でどのようなボランティア活

動が行われたかを現地で調査し、環境

ボランティアの意義と問題点について

指摘した。

(75-83頁)

日本沿岸のウニヒザラガイ属5種の分

類上の確実性と分布について、これま

での歴史的な経過を踏まえて記載・記

述し、それらの特徴を比較した。また

、疑問の多い種名として、これまで曖

昧に扱われてきたオオヒザラガイは、

キクノハナヒザラガイを指していた可

能性が高い旨の指摘をした。

(145-154頁)

色彩の嗜好性は、パーソナリティを反

映すると言われている。入学式は、現

代の社会生活で数少なくなった時間に

制約された儀式の一つである。そこで

の自由な着席時刻は、入学生のパーソ

ナリティの現われと見られる。この両

者の関係を検討した結果、早期着席者

は暗い色を、後期着席者は明るい色を

好む傾向が見られ、両要因に関連性が

あることが示唆された。

吉岡は、調査全般と分析を担当。

共同執筆者:岩城万里子、吉岡英二、

井上道雄。

(51-55頁)

Page 10: 教 育 研 究 業 績 書 - withinc.kobe-yamate.ac.jpwithinc.kobe-yamate.ac.jp/info/pdf/u_yoshioka.pdf · 発行又は発表 の年月 発行所,発表雑誌等又は 発表学会等の名称

著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

35.女子の名前における

‘姓と名’の拍数

-2拍の姓でのバイア

36.神戸周辺におけるナメ

クジ類の分布

37.和歌山県白浜産2種の

ヒザラガイ類(軟体動物

門,多板綱)の中間板上

に着生・成長した大型の

付着生物

38.Localization of the

Photoreceptor and

Pacemaker the Circadian

Activity Rhythm in the

Band-legged Ground

Cricket,Dianemobius nigrofasciatus.

39.Distribution of

Acanthopleura spp.

(polyplacophora:

Chitonidae)in the west

part of Iriomote Islan

d,

Aragusuku and kuroshima

Islands, Okinawa.

40.「沖縄群島産貝類目録

」所属の多板綱ウニヒザ

ラガイ(Acanthopleura)

単著

共著

共著

共著

共著

単著

平成10年3月

平成10年3月

平成10年5月

平成11年4月

平成11年6月

平成11年12月

環境文化研究所紀要第2号

神戸山手女子短期大学刊

環境文化研究所紀要第2号

神戸山手女子短期大学刊

南紀生物 40巻1号

Zoological Science

16巻2号

貝類学雑誌 58巻2号

日本貝類学会

神戸山手大学紀要 1号

女子の名付けの際に、その上に置かれ

る姓がどのような影響を及ぼしている

かについて、現在の学生名簿から調査

し、とくに2拍の姓の場合に2拍の名が

避けられる傾向と、○○子・○○美と

いう名が避けられる傾向があることを

明らかにした。このような傾向は、2

拍の姓の存在感の不足を補おうとする

心理がその背景にあるのではないかと

考察した。

(11-17頁)

本報告は、入江・有働の卒業研究の成

果として提出された卒業論文に、吉岡

が加筆・修正して調えたものである。

調査の実施は入江・有働が行い、研究

計画の策定・研究全般の指導は吉岡が

行った。

本学学生の住居近辺でナメクジ類を採

集するように依頼し、その標本から神

戸周辺に見られるナメクジ類の分布に

ついて調べた。その結果、神戸市街地

を中心に都市化の進んだ地域には帰化

種のコウラナメクジが、周辺(都市部

から隔たった地域)からは在来種のナ

メクジが採集された。

共同執筆者:入江美加、有働絵里子、

吉岡英二。

(19-23頁)

和歌山県白浜で確認されたヒザラガイ

の殻板上に付着したカンザシゴカイ・

イワフジツボについて報告した。

共同執筆者:久保田信,吉岡英二

(137-138頁)

マダラスズの概日リズムを制御するペ

ースメーカーと光受容器の位置を明ら

かにするために、外科的処置を施した

虫の活動リズムを計測した。その結果

、視葉の部分にペースメーカーがある

ことが示唆された。

共同執筆者:志賀向子,沼田英治,吉

岡英二(193-201頁)

八重山諸島、西表西部・新城島・黒島

における、オニヒザラガイ属4種の分

布を調べた。八重山諸島全般に、キク

ノハナヒザラガイは見られないことが

わかった。

共同執筆者:吉岡英二、池辺裕子、藤

谷絵里加、奥田夏樹(79-82頁)

黒田徳米氏によって編纂された「目録

」に記されている種名不詳の種につい

て。現在の知見からその種の確定を試

みた。(69-77頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

41.沖縄・水納島の潮間帯岩礁の生物相

42.日本沿岸のウニヒザラ

ガイ属とその分布

43.沖縄県瀬底島における

イソアワモチの活動リズ

ム,帰家行動,繁殖行動

44.自動販売機の路上観察

―駅周辺の季節変化につ

いて―

45.宇治川でのゲンジボタ

ルの出現

46.都市でのゲンジボタル

の出現と河川環境

47.Effect of temperature on circadian rhythm controlling the crepuscular activity of the buryingbeetle Nicrophorus quadripunctatus Kraatz (Coleoptera: Silphidae).

48.石敢當の高さとその地域

比較

49.Activity and homing behavior of two species ofAcanthopleura (Mollusca:Poluplacophora) on a subtropical shore in Japan.

共著

単著

共著

単著

単著

単著

共著

単著

共著

平成11年12月

平成13年6月

平成14年6月

平成15年12月

平成16年12月

平成17年1月

平成17年8月

平成17年12月

平成18年6月

神戸山手大学紀要 1号

うみうし通信 31号

貝類学雑誌 61巻1-2合併

号 日本貝類学会

神戸カフェ物語

神戸新聞総合出版センタ

神戸山手大学紀要 6号

給排水設備研究 21巻4号

Entomological Science (2005) 8

神戸山手大学人文学部紀

要 7号

貝類学雑誌65巻1-2合併号

沖縄本島北部にある水納島の貝類およ

びサンゴの生息状態を調べた。

共同執筆者:吉岡英二,山本拓良

(79-88頁)

日本沿岸のウニヒザラガイ属について

、とくに南方日本および北太平洋まで

の生息範囲を示した。(2-3頁)

潮間帯に生息する軟体動物であるイソ

アワモチの活動リズムと活動などを2

週間にわたって個体識別して観察し、

昼間および夜間の干潮時に活動してい

ることを明らかにした。また、体内時

計の存在も示唆した。

共同執筆者:濱口寿夫,吉岡英二

(49-60頁)

大学のキャンパスに隣接して流れる宇

治川河川敷に出現したゲンジボタルの

出現状況を報告し、その原因について

考察した。(139-144頁)

宇治川河川敷で見られるゲンジボタル

の発生状況から、都市環境でのホタル

の保護のありかたと河川管理の問題を

考察した。(26-30頁)

薄明薄暮型の活動周期を持つヨツボシ

モンシデムシの活動周期について、飼

育下での活動記録から解析した。薄明

薄暮型の活動リズムは日長にかかわら

ず双峰的であることから、約24時間の

体内リズムに制御されていることが示

唆された。また、温度を変化させるこ

とによって夕方側の活動のピークが変

動することから、温度に適応した行動

を制御するキーになっているものと考

えた。

共同執筆者:西村知良, 沼田英治,吉

岡英二(331-338頁)

沖縄および周辺の島嶼で見られる石敢

當の高さが、その地域でイメージされ

「魔」の大きさと対応しているという

仮説のもとに高さを比較した。とくに

宮古島において有意に高いことがわか

った。(59-66頁)

沖縄に生息するオニヒザラガイ・キク

ノハナヒザラガイの2種の活動リズム

と帰家行動について、30分ごと合計30日以上にわたって調査した。両種とも

強い帰家行動を持つ。また、主として

夜間の干潮時期に活動していること、

「家」の取り合いなどの行動が見られ

ることなど、かなり明確な地理的認識

を持つことが示唆された。

共同執筆者:吉岡英二,藤谷絵里加

(123-139頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

50.Circatidal activity rhythm in the mangrove cricket Apteronemobius asahinai.

51.Entrainment of the circatidal activity rhythm of the mangrove cricket, Apteronemobius asahinai, to periodic inundations.

(発表)

Ⅰ.学会発表

1.ヒザラガイの生殖周期

2.ヒザラガイの卵の形態

3.ヒザラガイの産卵時刻

共著

共同

発表

共同

発表

単独

発表

平成20年4月

平成21年3月

昭和58年5月

昭和59年1月

昭和59年3月

Biol. Lett. (2008) 4, 233-236, 2008.

Animal Behaviour 78 (2009) :189-194, 2009.

日本貝類学会

創立55周年大会

日本貝類学会

58年度総会

日本生態学会

第32回大会

明暗と潮汐が制御できる水槽を用いて

、マングローブの泥地に生息するスズ

ムシの一種であるマングローブスズの

活動リズムを解析した。マングローブ

スズはconstant conditionでも12.4時間の潮汐周期にほぼ同期した活動周期

を持ち、24時間の明暗の周期の中の明

期に抑制されていることが示唆された

共同執筆者:佐藤綾,沼田英治、吉岡

英二(233-236頁)

明暗と潮汐が制御できる水槽を用いて

、マングローブの泥地に生息するスズ

ムシの一種であるマングローブスズの

活動リズムを解析した。とくに、体内

の概潮汐リズムの振動体の性質を解析

するために、満潮時刻を調整し、Phas

eResponceCurveを得て、そのタイプに

ついて考察した。

共同執筆者:佐藤綾,沼田英治、吉

岡英二(189-194頁)

原田の研究指導の下、調査計画とその

実施・発表まで吉岡が行った。

ヒザラガイの年間の繁殖周期を、雌雄

の生殖腺の経時的な変化を通じて調べ

た。ヒザラガイの繁殖期は7-10月であ

り、その配偶子放出は満月・新月の前

後に起こっていることを発表した。

共同発表者:原田英司、吉岡英二。

本報告に関わる実験は吉岡・大塚の共

同でおこない、報告は吉岡が行った。

ヒザラガイの卵の表面に存在する特徴

的構造であるhullについて報告し、そ

れらが強い機械的な衝撃によって容易

に離脱することを実験的に確認した旨

報告した。また、実験室内で放卵した

卵は、hullが屈曲していることも観察

し報告した。

共同発表者:吉岡英二、大塚攻。

ヒザラガイの産卵が一日の中でどの時

刻に起こっているかについて、生息域

近傍の海水中のプランクトンに出現す

るヒザラガイの卵の出現を手がかりに

調べた。その結果多くの受精卵は満月

・新月の日の周辺の明け方の最満潮時

刻の直後に多く採集されることから、

その採集時刻に放卵・放精が起こって

いると推定された。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

4.ヒザラガイの産卵の半

月周期を支配する要因

5.ヒザラガイの産卵に対

す る潮汐と日周の影響

6.ヒザラガイは温度で産

卵 期を知る

7.ヒザラガイの産卵の半

月 周期性の維持機構

8.ヒザラガイはなぜ雄が

多 いか?

単独

発表

単独

発表

単独

発表

単独

発表

共同

発表

昭和60年2月

昭和60年11月

昭和61年10月

昭和61年10月

昭和61年12月

日本貝類学会

59年度総会

日本生態学会

近畿地区会大会

日本動物学会

第57回大会

生物リズム研究会

日本動物行動学会

第5回大会

日周期と潮汐周期を制御することがで

きる飼育水槽を用いて、配偶子放出の

半月周期性がどのように変化するかを

調べた。その結果、配偶子放出の周期

性を支配する要因は、潮汐周期と日周

期の位相関係であることを明らかにし

た。

ヒザラガイは、主として大潮の頃の明

け方の最満潮時刻に産卵する。それら

の周期性を支配する要因を、日周期と

潮汐周期を制御することができる飼育

水槽を用いて実験的に調べた。その結

果、明け方に産卵することを支配して

いるのは明/暗の周期、産卵時刻その

ものを支配しているのは水没/干出の

周期であることを明らかにした。

この報告では、とくに潮汐周期との関

係について発表した。

ヒザラガイは5-6月頃に配偶子形成が

開始するが、それを支配する環境要因

が 温度と日長のいずれであるかを明

らかにするため、飼育水槽の温度と日

長を制御して配偶子形成の成否を調べ

た。その結果、短日でも長日でも温度

が上がったときに配偶子形成が始まる

ことが明らかになった。

日本沿岸の通常の潮汐周期が及ぶ海岸

では、潮汐周期と日周期の位相関係は

半月周期的に変化する。飼育水槽によ

る実験の結果、配偶子放出の半月周期

性を支配する要因は、水没・干出をも

たらす潮汐周期と明暗の日周期の位相

関係であることを明らかにした。

ヒザラガイ類は一般に雌より雄のほう

が数が多いことが知られている。しか

し、これまで調べられた多くの研究例

は、大型個体のみでその性比を調べて

いるため、厳密な性比については小型

個体も含めて調べ、実際に性比のずれ

があるかどうかを見極める必要がある

旨の主張をし、ヒザラガイの例で確認

した。

吉岡が実際のデータとり、原田が文献

に沿った理論的な考察を行った。

共同発表者:吉岡英二、原田泰志。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

9.ヒザラガイのサイズ組

成 と繁殖戦略

10.ヒザラガイの繁殖周期

: 日周期と潮汐周期を

支 配する要因

11.ヒザラガイと混同され

ていた南西諸島産多

板 類の一種、キクノハ

ナ ヒザラガイ(新称)

12.沖縄産ヒザラガイ類3

種 の卵の形態比較

13.Experimental analysi

s of the reproductive

periodicity of the

chiton Acanthopleura japonica.

共同

発表

単独

発表

共同

発表

単独

発表

単独

発表

昭和62年4月

昭和63年10月

平成元年1月

平成元年1月

平成元年7月

日本生態学会

第34回大会

日本動物学会

第59回大会

日本貝類学会

63年度総会

日本貝類学会

63年度総会

5th International

congress of invertebrat

ereproduction

ヒザラガイ類は一般に雄の個体数が多

いと考えられてきたが、実際に小型個

体までの性比を調べると、その偏りは

大型個体でしか見られない。これは、

おそらく雌の成長が雄の成長よりも抑

制される社会構造と繁殖戦略が成立し

ているのではないかと考えた。そこで

、その背景としてRMCが成立している

ことを前提に理論的考察をおこなった

吉岡が実際のデータをとり、原田がRM

Cに基づく理論的考察をおこなった。

共同発表者:吉岡英二、原田泰志。

ヒザラガイは、主として大潮の頃の明

け方の最満潮時刻に産卵する。それ

ら の周期性を支配する要因を、日周

期と潮汐周期を制御することができる

飼育水槽を用いて実験的に調べた。そ

の結 果、明け方に産卵することを支

配しているのは明/暗の周期、産卵時

刻そのものは水没/干出の周期によっ

て支配されていることを明らかにした

この報告では、とくに日周期との関係

について発表した。

かつてLeloupによて記載された

A. japonica forma tenuispinosaは、

Ferreiraではその記述どおりヒザラガ

イの地域変種として扱われているが、

実際に形態を調べると別種とするにふ

さわしい違いがあることを報告した。

また、その種をA. tenuispinosaとし

て追記載する旨予告した。

分類学上の文献調査と報告を斎藤が、

地理学的な実地調査・最終は吉岡が行

った。

共同発表者:斎藤寛、吉岡英二。

オニヒザラガイ・キクノハナヒザラガ

イ・リュウキュウヒザラガイの卵の形

態を記載し、それらが相互に識別可能

であることを示した。また、卵を識別

することによってその種の産卵時刻を

確認することが可能であることを示唆

した。

ヒザラガイは、主として大潮の頃の明

け方の最満潮時刻に産卵する。それ

ら の周期性を支配する要因を、日周

期と潮汐周期を制御することができる

飼育水槽を用いて実験的に調べた。そ

の結 果、明け方に産卵することを支

配して いるのは明/暗の周期、産卵時

刻そのものは水没/干出の周期によっ

て支配されていることを明らかにした

この報告ではとくに測時機構全体のス

キームを提示して、その生理的背景を

論じた。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

14.沖縄産ヒザラガイ類3

種 の放卵・放精時刻

15.Spawning

periodicities of

three species

of chitons in Okinaw

a Island, JAPAN.

16.Reproductive

periodicities in a

polyplacophoran-shel

l fish Acanthopleura japonica.

17.沖縄産ヒザラガイ2種

間 の自然条件下での種

間 受精の可能性

18.沖縄産ヒザラガイ3種

は なぜ産卵時刻が異な

る のか?

19.Time-sharing of

spawning periods of

three chiton species

in Okinawa, JAPAN.

単独

発表

単独

発表

単独

発表

単独

発表

単独

発表

単独

発表

平成2年11月

平成3年12月

平成4年9月

平成5年10月

平成7年1月

平成7年8月

日本ベントス学会

第4回大会

First International

Chiton Symposium

Symposium on Biological

Rhythms (Satellite of

11th international

congress on

photobiology)

日本ベントス学会

第7回大会

日本貝類学会

平成7年度大会

7th International

congress of invertebrat

ereproduction

沖縄産の3種のヒザラガイの卵は、そ

の形態によって種を識別することが可

能である。その特徴を根拠に沿岸プラ

ンクトンの経時的採集をおこなって3

種の産卵時刻の確認を試みた。その結

果、リュウキュウヒザラガイは午前の

最満潮時刻に・キクノハナヒザラガイ

は夕方の最満潮時刻に・オニヒザラガ

イは深夜の最満潮時刻前後に産卵して

いることが明らかになった

沖縄産のヒザラガイ類3種の産卵時刻

について、それらの卵が採集される時

刻を根拠に推定し報告した。また、そ

れらの時刻が相互に異なるのは、お互

いの種間の受精を避けるためではない

かと推察した。

ヒザラガイは、主として大潮の頃の明

け方の最満潮時刻に産卵する。それ

ら の周期性を支配する要因を、日周

期と潮汐周期を制御することができる

飼育水槽を用いて実験的に調べた。そ

の結果、明け方に産卵することを支配

して いるのは明/暗の周期、産卵時刻

そのものは水没/干出の周期によって

支配されていることを明らかにした。

この報告ではとくに光生理

学的な側面からその適応適意義を論じ

た。

キクノハナヒザラガイとオニヒザラガ

イはいずれも夕方および夜半の最満潮

時刻前後に産卵していると推定される

。それでは、それら相互に異種の精子

によって受精させられている可能性に

ついて、それらの野外での異常発生の

頻度から推定した。調査の結果、キク

ノハナヒザラガイはオニヒザラガイの

産卵時刻と重なる日に異常発生の頻度

が高くなることが確認され、種間受精

が実際に起こっている可能性が示唆さ

れた。

沖縄産のヒザラガイ類3種の産卵時刻

について、それらの卵が採集される時

刻を根拠に推定し報告した。また、そ

れらの時刻が相互に異なるのは、お互

いの種間の受精を避けるためではない

かと考え、実際に種間受精の実験を行

って野外でもその可能性があることを

明らかにした。

沖縄産のヒザラガイ3種の産卵時刻が

それぞれ異なることを、プランクトン

中にあらわれるそれぞれの卵の経時的

変化から述べ、それらの適応的背景に

ついて論じた。

とくにこの報告では、排他的な産卵時

刻を持つに至った進化の経過として、

allochronic speciation(異時的種分

化)という用語を用いて論じた。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

20.マダラスズの光周反応

と概日活動リズムに

お ける光受容器

21.沖縄産ヒザラガイ3種

の 放卵・放精時刻は種

間 の相互作用によって

決 まっている

22.瀬底島のウニヒザラガ

イ属4種の分布

23.マダラスズの光周期受

容器

-概日時計の場合

共同

発表

単独

発表

共同

発表

共同

発表

平成7年9月

平成7年9月

平成8年1月

平成8年7月

日本動物学会

第66回大会

日本動物学会

第66回大会

日本貝類学会

平成8年度大会

日本比較生理生化学会

第7回大会

昆虫の主たる光受容器としてこれまで

考えられてきたものとしては、脳と複

眼が挙げられる。それらの中で、マダ

ラスズの光周反応と概日活動周期を支

配する測時機構のZeit-Geber(与時因

)の光受容器としてはどちらが機能し

ているかを実験的に確かめるため、さ

まざまな光条件の下での休眠解除と活

動周期を調べた。

この発表ではとくに目の切除を行わな

い状態での自律的な活動周期を調べる

実験について述べた。

志賀が実験全体を主導し、沼田はそれ

を補助した。吉岡は飼育装置と計測装

置の制作と分析プログラムの作成を行

った。

共同発表者:志賀向子、沼田英治、

吉岡英二。

沖縄産のヒザラガイ3種の産卵時刻が

それぞれ異なることを、プランクトン

中にあらわれるそれぞれの卵の経時的

変化から述べ、それらの適応的背景に

ついて論じた。

とくにこの報告では、排他的な産卵時

刻を持つに至った進化の経過として、

進化過程における種間の相互作用の結

果であるという点を主題にして報告し

た。

吉岡が調査全般から発表までのすべて

を主導した。共同発表者の中嶋は、と

くに瀬底島北西岸の調査を行った。

沖縄本島に近い瀬底島でのヒザラガイ

類4種の、水平・垂直の分布について

報告した。その結果、瀬底島に分布す

る種は、オニヒザラガイ・リュウキュ

ウヒザラガイ・キクノハナヒザラガイ

・コザネヒザラガイの4種で、それぞ

れが垂直・水平の座標軸上で相互に排

他的に分布していることを明らかにし

た。

共同発表者:吉岡英二、中嶋康裕。

マダラスズの光周反応と概日活動周期

を支配する測時機構のZeit-Geberの光

受容器を実験的に確かめるため、さま

ざまな光条件の下での休眠解除と活動

周期を調べた。

この発表ではとくに目の切除手術によ

って概日時計がどのような影響を受け

るかを調べた実験について述べた。

志賀が実験全体を主導し、沼田はそれ

を補助した。吉岡は飼育装置と計測装

置の制作と分析プログラムの作成を行

った。

共同発表者:志賀向子、沼田英治、

吉岡英二。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

24.マダラスズの歩行活動

リズムを形成する概

日 時計と光周受容器

の所 在

25.兵庫県竹野町沿岸の重

油汚染の現状報告

26.マダラスズの光周反応

・概日時計に関与する

光 受容器

27.沖縄産多板類4種

(Acanthopleura spp.)の 地理的分布と繁殖時

刻設 定

共同

発表

単独

発表

共同

発表

単独

発表

平成8年9月

平成9年2月

平成9年4月

平成9年5月

日本動物学会

第67回大会

日本貝類学会

平成9年度大会

日本応用動物昆虫学会

第41回大会

東京大学海洋研究所シン

ポジウム

「ヒザラガイの生物学」

マダラスズの光周反応 と概日活動周

期を支配する測時機構のZeit-Geberの

光受容器を実験的に確かめるため、さ

まざまな光条件の下での休眠解除と活

動周期を調べた。

この発表ではとくに目の切除手術によ

って歩行活動リズムとそれを支配す

る概日時計がどのような影響を受ける

かを調べた実験について述べた。

志賀が実験全体を主導し、沼田はそれ

を補助した。吉岡は飼育装置と計測

装 置の制作と分析プログラムの作成

を行 った。

共同発表者:志賀向子、沼田英治、

吉岡英二。

平成9年1月に起こったロシア船籍ナホ

トカ号による重油流出事故による生物

相への影響について、とくにその直後

の状態について、実地に赴いた上での

現状を報告した。また、その際に、兵

庫県竹野町の沿岸でどのようなボラン

ティア活動が行われたかも確認し、環

境ボランティアの意義と問題点につい

ても指摘した。

マダラスズの光周反応 と概日活動周

期を支配する測時機構のZeit-Geberの

光 受容器を実験的に確かめるため、

さま ざまな光条件の下での休眠解除

と活動 周期を調べた。

この発表ではとくに目の切除手術によ

って光周反応を支配する概日時計が

どのような影響を受けるかを調べた実

験について述べた。

志賀が実験全体を主導し、沼田はそれ

を補助した。吉岡は飼育装置と計測

装 置の制作と分析プログラムの作成

を行 った。

共同発表者:志賀向子、沼田英治、

吉岡英二。

現在沖縄に分布していることが確認さ

れたオニヒザラガイ属の4種について

、その太平洋沿岸における分布を過去

の文献により確認し、それらの分布特

性について論じた。また、それらの繁

殖時刻設定について、これまでの調査

結果に沿って報告した。

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

28.西表島・石垣島・宮古

島のウニヒザラガイ属

4種の分布

29.ヒザラガイの卵の表面

構造をめぐって―異種間

受精を阻むtrapとしての

役割

30.イソアワモチの活動時

間と帰家行動について

31.磁力はオニヒザラガイ

の帰家行動に影響を及ぼ

すか?

32.沖縄産ヒザラガイ3種

の繁殖時刻設定と受精

33.オニヒザラガイ・キク

ノハナヒザラガイの活動

パターンと帰家行動

34.オニヒザラガイの活動

周期は体内の振動体に支

配されているか?

単独

発表

単独

発表

共同

発表

共同

発表

単独

発表

共同

発表

共同

発表

平成9年10月

平成11年1月

平成12年1月

平成12年10月

平成12年10月

平成12年11月

平成13年1月

日本動物学会

第68回大会

日本貝類学会創立70周年

大会

日本貝類学会2000年度大

日本ベントス学会第14回

大会

琉球大学熱帯生物圏研究

センター共同事業/研究

会「精子多型と兵隊精子

第19回日本動物行動学会

大会

日本貝類学会平成13年度

大会

南西諸島の宮古島・石垣島・西表島の

沿岸でのヒザラガイ類の分布を調べ報

告した。上述の学術論文29.に挙げた

4種は、そこで明らかにしたとおりの

垂直・水平の分布を示したが、八重山

2島においては、調査した範囲ではキ

クノハナヒザラガイ・コザネヒザラガ

イが見られなかった。おそらく何らか

の生態的・歴史的状況から、それらの

分布が見られないのであろうと考えら

れる旨の考察を述べた。

ウニヒザラガイの2つの種について、

野外で同時に放卵・放精することから

、種間受精を阻む機構として、卵の表

面構造がかかわっているという仮説を

検証するための実験をおこない、野外

での種間受精について考察した。

潮間帯に生息する軟体動物であるイソ

アワモチの活動リズムと活動などを2

週間にわたって個体識別して観察し、

昼間および夜間の干潮時に活動してい

ることを明らかにした。

共同発表者:濱口寿夫,吉岡英二

オニヒザラガイの帰家行動を維持する

ためのコンパスとして、磁力が関係し

ているのではないかという仮説のもと

、ピップエレキバンを使って野外実験

をおこなった。磁力の関与は否定的な

結果となった。共同発表者:吉岡英二

,藤谷絵里加

沖縄産のヒザラガイ3種の産卵時刻が

それぞれ異なることを、プランクトン

中にあらわれるそれぞれの卵の経時的

変化から述べ、それらの適応的背景に

ついて論じた。

とくにこの報告では、種間の精子間競

争が成り立つかどうかを論じた。

沖縄に生息するオニヒザラガイ・キク

ノハナヒザラガイの2種の活動リズム

と帰家行動について、30分ごと合計30日以上にわたって調査した。両種とも

強い帰家行動を持つことなどを報告し

た。

共同発表者:吉岡英二,藤谷絵里加

高さの違う岩盤に生息するオニヒザラ

ガイが水に浸る時刻を、石を移動させ

て調整し、もともとの活動時刻に動き

が始まるかどうかを確認することによ

って体内に時刻予測のメカニズムがあ

るかどうかを調べた。

共同発表者:吉岡英二,藤谷絵里加

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

35.Moving activity and

homing behavior of two

species of Acanthopleur

a

in southern part of

Japan.

36.Is 'magnetism'

influence on tha homing

behavior of the chiton,

Acanthopleura japponica

?

37.オニヒザラガイ(Acanthopleura gemmata) の移動

と摂食活動. 食事と移動は

行動として区別されるか?

38.異時的種分化

-allochronic speciation- :ヒザラガイの繁殖時刻から

の一仮説。

共同

発表

共同

発表

共同

発表

共同

発表

平成15年8月

平成15年8月

平成16年3月

平成16年9月

Second International

Chiton Symposium

Second International

Chiton Symposium

日本貝類学会平成16年度

大会

日本プランクトン学会・日本

ベントス学会合同大会

沖縄に生息するオニヒザラガイ・キク

ノハナヒザラガイの2種の活動リズム

と帰家行動について、30分ごと合計30日以上にわたって調査した。両種とも

強い帰家行動を持つことなどを報告し

た。また、とくにアフリカで報告され

ている同種の調査結果との違いについ

て発表した。

共同発表者:吉岡英二,藤谷絵里加

オニヒザラガイの帰家行動を維持する

ためのコンパスとして、磁力が関係し

ているのではないかという仮説のもと

、ピップエレキバンを使って野外実験

をおこなった。磁力の関与は否定的な

結果であった。とくに、アメリカ西海

岸の種との行動の差異について考察し

た。

共同発表者:吉岡英二,藤谷絵里加

活動時刻前の胃内容物と、活動直後・

活動30分後などの胃内容物を比較し、

活動が始まると同時に摂食がおこなわ

れているかどうかを確認した。オニヒ

ザラガイでは、活動と同時に摂食を開

始しており、移動と食事は区別できな

い。

共同発表者:吉岡英二,藤谷絵里加

海岸に生息する体外受精の種は、しば

しばプランクトン期を持つため、陸上

生物で一般的な地理的隔離が生じにく

い。とくにヒザラガイでは、繁殖時刻

を昼と夜の満潮時にスキップすること

によって新しい種が形成されているの

ではないかという仮説のもと、DNA分

析の結果から種の近接度の比較をおこ

ない、もっとも近接した2種同士では

昼と夜の組み合わせになっていること

を明らかにした。

このことから、海岸に生息する種では

、異時的種分化というメカニズムがあ

ることを示唆した。

吉岡英二,佐々木美穂,浜口昌巳

(その他)

Ⅰ.翻訳

1.アニマル・ウォッチン

グ -動物行動観察ガイド

共訳

平成3年10月

デズモンド・モリス著

日高敏隆監訳

河出書房新社刊

「第19章 水を飲む」「第20章 共食い」の

翻訳を担当(128-139頁)。

動物行動学の最新の研究成果をもとに

、数多くの貴重な写真を使いながらら

、哺乳類から鳥類・魚類・爬虫類に至る

までの、さまざまな動物行動について

わかりやすく解説した行動観察のガイ

ド。

共訳者:日高敏隆、阿部直哉、中嶋康

裕、原田泰志、野田泰一、渡辺清子、

吉岡英二、大川尚美、森貴之、幸島和

子、福井康雄、幸島司郎。

(A4判,256頁)

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著書,学術論文等の名称

単著

共著

の別

発行又は発表

の年月

発行所,発表雑誌等又は

発表学会等の名称

概 要

2.進化と倫理

-トマス・ハクスリー

の 進化思想-

3.動物生理学

共訳

共訳

平成7年5月

平成19年9月

ジェームス・パラディス、

ジョージ・C・ウィリアムズ

産業図書刊

クヌート・シュミット=ニ

ールセン著

東京大学出版会刊

ジョージ・C・ウィリアムズによる『進

化と倫理』の社会生物学的展開の翻訳

を担当(185-242頁)。

James Paradis & George C. Williams

.Evolution & Ethics.の全訳。トマス

・ハクスリーが1893年に行った講演「進

化と倫理」と、その後に付加した「プロ

レゴメナ」を真ん中に置き、前後をそ

れぞれ科学史家パラディスによる思想

的位置づけを論じた論文、生物学者ウ

ィリた講演の意義を論じた論文で挟む

形で編まれている。

共訳者:小林傳司、小川眞里子

第4章「食物とエネルギー源」(119-1

57頁)第5章「エネルギー代謝」(159-

201頁)を担当

沼田英治,中嶋康裕監訳ほか共訳者7

(その他)

Ⅱ.報告書

1.瀬戸内海中西部サワラ

の 資源生態調査

2.平成元年度における瀬

戸 内海東部サワラの体

-年齢変換キーについ

単著

共著

平成3年3月

平成3年3月

日本水産資源保護協会編

本州四国連絡架橋漁業影

響調査報告No.57,Ⅱ-漁

業生物班

日本水産資源保護協会編

本州四国連絡架橋漁業影

響調査報告No.57,Ⅱ-漁

業生物班

平成2年12月までの5ヶ年間にわたって

行った瀬戸内海中西部のサワラの資源

生態調査についての報告。とくに、夏

季の瀬戸内海中部海域までの来遊・漁

獲量は、春季までの西部(豊後水道海

域)での漁獲量と強い相関があり、来

遊量の予測に有効な指標であることを

明らかにした。

(1-47頁)

瀬戸内海東部域のサワラの、年度ごと

・年級群ごとの体調組成と成長を調べ

るための基礎データとして、平成元年

度の年級群ごとの体長データを、瀬戸

内海周囲の各府県水産試験場の研究員

との共同で調べ報告した。

共同執筆者:武田保幸、吉岡英二、

中村行延、篠原基之。

(54-61頁)