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Visual Studio Do-It-Yourself シリーズ 第 13 回 ユーザーコントロール

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Visual Studio Do-It-Yourself シリーズ

第 13 回 ユーザーコントロール

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ASP.NET Do-It-Yourself 第 13 回 は、ユーザー コントロールについて学習します。第 10 回では、マスター

ページを使ってサトのレゕウトを共通化する方法を学習しました。今回紹介する ユーザー コントロールは、

Web サトで共通する部分を 1 つのコントロールにまとめ、再利用性を高めるものです。

■ユーザー コントロールとは

ユーザー コントロールとは、Web サト内で共通する HTML やコントロールの記述部分を独立した 1 つの

フゔルとして作成し、複数のページで共有できるようにします。

多くの Web サトでは、ページの上部にサトで統一されたサトのロゴ画像や、サト内の主なページへの

リンクなどが配置されていたり、サト検索を行う入力項目などが表示されていたりします。このような、複数

のページで同じ内容を繰り返し記述しなければならない部分をユーザー コントロールを使って 1 つにまとめ

ておくことができます。

ユーザー コントロールには次のような特徴があります。

●作成が容易

ユーザー コントロールの拡張子は ”.ascx” で、ASP.NET の Web フォーム (.aspx) と区別されます。ユーザ

ー コントロールの作成方法は、Web フォーム とほとんど変わりません。Visual Studio の HTML デザナー

を使って作成することも、既存のページの一部をコピー & ペーストして作成することも可能です。

●利用が簡単

作成したユーザー コントロールは、後ほど説明するようにソリューション エクスローラからドラッグ & ドロ

ップしてページに配置するだけで利用できます。HTML デザナー上では、デザンしたユーザー コントロー

ルがそのまま表示されますから、ページ全体の様子を確認しながらコンテンツの作成が行えます。

●キャッシュの制御が可能

静的なコンテンツを多く含む Web サトでは、SSI (Server Side Include) を用いて、ページの一部を別フゔ

ルで用意する場合がありますが、ASP.NET では、同様の処理をユーザー コントロールで実現できます。さら

にユーザー コントロール単位でのキャッシュの制御が可能で、これを利用することにより Web サーバーの負

担を軽減できます。

なお ASP.NET では、ユーザー コントロールの他にカスタム コントロールと呼ばれるものもあります。こちら

は Web フォームで利用する TextBox や DropDownList といった既存の Web サーバー コントロールを拡

張したコントロールを指します。

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■ユーザー コントロールを使った Web サイトの作成

それでは、実際に Web サト プロジェクトを作成して、ユーザー コントロールを使ったページを作成してみ

ましょう。Web サト プロジェクトの作成はこれまでと同じく、フゔルシステムを使ったもの (メニューか

ら [フゔル] - [新規作成] - [Web サト] を選択) を作成します。

プロジェクトが作成できたら、ユーザー コントロールを追加します。これにはメニューから [Web サト] -

[新しい項目の追加] を選択し、[新しい項目の追加] ダゕログボックスのテンプレートの一覧で [Web ユーザ

ー コントロール] を選択します。

フゔル名はデフォルトで "WebUserControl.ascx" となります。また、[別のフゔルにコードを書き込む] チ

ェックボックスはデフォルトでチェックされていますが、ベント処理などのロジックをコード ビハンド フ

ゔルに記述しない場合はこのチェックボックスをオフにします。なおコード ビハンド フゔルを生成しな

い場合でも、.ascx フゔルに <script> タグを使って直接ロジックを記述することも可能です。今回はチェッ

クボックスをオンにして、コード ビハンド フゔル (WebUserControl.ascx.cs) を生成しています。

生成直後の .ascx フゔルの中身は次のようになっています。Web フォーム (.aspx フゔル) ではフゔ

ルの先頭に @Page デゖレクテゖブが記述されているのに対して、ユーザー コントロールには、@Control デ

ゖレクテゖブが記述されています。デゖレクテゖブの属性は、Web フォームと共通です。また、<html>、

<head>、<body> といった HTML タグは一切記述されていません。

<%@ Control Language="C#" AutoEventWireup="true"

CodeFile="WebUserControl.ascx.cs" Inherits="WebUserControl" %>

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●ユーザー コントロールに UI を作成

ユーザー コントロールのコンテンツは @Control デゖレクテゖブに続けて記述していきます。もちろん、デザ

ナーをデザン ビューに切り替えて、ツール ボックスから コントロールや HTML タグを配置することも可

能です。

ここでは上の画面のように、ユーザー コントロールの領域を分かりやすくするために、最初に <div> タグを

記述しています。さらに "ASP.NET Do-It-Yourself #" という文字列と Label、水平線 (<hr> タグ) を記述

します。

このユーザー コントロールには後ほどプロパテゖを 1 つ追加して、Label にシリーズの順番を示す番号を表

示できるようにします。いま作成したユーザー コントロールの内容は次のようになります。

<%@ Control Language="C#" AutoEventWireup="true"

CodeFile="WebUserControl.ascx.cs" Inherits="WebUserControl" %>

<div id="header">

<p>ASP.NET Do-It-Yourself #<asp:Label ID="Label1" runat="server" Text="Label"

></asp:Label>

</p>

<hr/>

</div>

●プロパティの追加

次にユーザー コントロールの「コントロール」らしい機能として、プロパテゖを追加してみましょう。先ほど

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ユーザー コントロールに Label を配置しましたが、外部からこの Label の Text プロパテゖを設定するため

の "Version" プロパテゖを追加します。

ユーザー コントロールのコード ビハンド フゔルである WebUserControl.ascx.cs を開き、次のように

プロパテゖを記述します。これにより "Version" プロパテゖに数値がセットされると、その内容が Label の

Text プロパテゖにセットされ、結果的にユーザー コントロールに表示されます。

using System;

public partial class WebUserControl : System.Web.UI.UserControl

{

protected void Page_Load(object sender, EventArgs e)

{

}

public int Version {

set { Label1.Text = value.ToString(); }

get {return int.Parse(Label1.Text); }

}

}

●ページ (Default.aspx) にユーザー コントロールを配置する

以上の作業でユーザー コントロールが作成できましたので、今度は、Default.aspx を新規に作成して、ユーザ

ー コントロールを配置してみます。

Default.aspx をデザン ビューで開いた状態で、ソリューション エクスプローラーからユーザー コントロー

ルを選択して、ページ上にドラッグ & ドロップします。

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ユーザー コントロールをページに配置すると、どのような記述が .aspx フゔルに追加されるのか、ソース ビ

ューを開いて確認しておきましょう。

<%@ Page Language="C#" AutoEventWireup="true" CodeFile="Default.aspx.cs"

Inherits="_Default" %>

<%@ Register src="WebUserControl.ascx" tagname="WebUserControl" tagprefix="uc1" %>

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"

"http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">

<head runat="server">

<title></title>

</head>

<body>

<form id="form1" runat="server">

<div>

<uc1:WebUserControl ID="WebUserControl1" runat="server" />

-ここにページ本体が入ります-

</div>

</form>

</body>

</html>

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@Register デゖレクテゖブ、そして <body> タグ内にはサーバー エクスプローラーから配置したユーザー

コントロールを示すタグ (<uc1:WebUserControl>) が挿入されているのがわかります。

@Register デゖレクテゖブは、このページでのユーザー コントロールの使用を示すものです。ユーザー コン

トロールのフゔル名を示す src 属性 (WebUserControl.ascx)、タグのプレフゖックスを表す tagprefix 属

性 (uc1)、さらにコントロール名を示す tagname 属性 (WebUserControl) が記述されています。この定義に

従って、ユーザー コントロールを記述する際のタグの名前が決まります。

●プロパティの設定

先ほどユーザー コントロールに追加したプロパテゖの値は、プロパテゖ ウゖンドウで設定が可能です。デザ

ン ビューで Default.aspx を開いて、配置済みの "WebUserControl1" を選択すると、プロパテゖ ウゖンド

ウに "Version" プロパテゖが表示されるのを確認できます。

ここに「第 13 回」を表す ”13” をセットしてみましょう。

これで、ユーザー コントロールを利用するページが出来上がりました。プロジェクトを実行すると、ユーザー コ

ントロールとして作成した部分がページに表示されているのが確認できます。Version プロパテゖで設定した数

値も表示されています。

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●キャッシュの設定

ユーザー コントロールでキャッシュを行うには、通常の Web フォームと同じく @OutputCache デゖレクテ

ゖブを記述します。例えば 60 秒間、ユーザー コントロールをキャッシュするには、次のように記述します。

<%@ Control Language="C#" AutoEventWireup="true"

CodeFile="WebUserControl.ascx.cs" Inherits="WebUserControl" %>

<%@ OutputCache Duration="60" VaryByParam="None" %>

<div id="header">

<p>ASP.NET Do-It-Yourself #<asp:Label ID="Label1" runat="server"></asp:Label>

</p>

<hr/>

</div>

今回作成したユーザー コントロールは、リクエストや Web ゕプリケーションの状態によって表示内容が変化

することはありませんので、長時間キャシュしても問題とはならないでしょう。

■まとめ

今回はユーザー コントロールについて学習しました。ページ数の多い Web サトでは、ページの共通部分を

ユーザー コントロールにすることで、効率よく Web サトの構築が行えるようになります。

次回は ASP.NET AJAX について学習します。