Office365とオンプレミス製品の共存(MVP Community Camp 2015)
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Office365とオンプレミス製品の共存/使い分け無駄にならないサブスクリプション活用術
Microsoft MVP for Office 365渡辺 元気
MVP Community Camp 2015
自己紹介
名前: 渡辺 元気(わたなべ げんき)
職業: 通信事業者でクラウドサービスの開発
blog:日々徒然 http://blog.o365mvp.com/ (Office 365の技術ネタを中心に公開)
Office 365 Community / Twitter / Facebook:genkiw
Microsoft MVP for Office 365
MVP Community Camp 2015
注意事項
本資料については、個人で準備した環境において、個人的に実施した検証結果を基に記載しております。
あくまで個人の意見・見解であり、所属する会社・組織及びマイクロソフト社とは一切関係はございません。
また、本資料の内容ならびに閲覧により生じた一切の問題及び不利益について、発表者は一切の責任を負う事はできませんのでご了承ください。
はじめに
MVP Community Camp 2015
クラウド?オンプレミス?
Exchange Online
SharePoint Online
Lync Online
Office Pro Plus
Exchange 2013
SharePoint 2013
Lync 2013
Office 2013 Pro Plus
or
• 一般的に安価• 常に最新の機能
• 機能や品質のコントロール• カスタマイズ性
MVP Community Camp 2015
クラウドサービスを選ばない例
○システムを自社の制御下に置かないのが許容されない• バージョンアップやメンテナンス実施時期が指定• 変更実施に対してのプロセス(変更内容の把握や可否判定)• 開発したアプリケーションを3年は使えないと困る• 頻繁なバージョンアップと見えない将来的な対応工数
○セキュリティ、監査• 機密情報の取り扱い(インターネットからはアクセスしてはならない)• ログ監査等
○障害時にSLA返金以外の対応の必要がある• 担当役員説明• 原因や再発防止等のエビデンス提出
MVP Community Camp 2015
ハイブリッドという選択肢
クラウド オンプレミス
ハイブリッド
必要な部分はオンプレミスに残しつつ、クラウドのメリットも一部享受
ハイブリッドの前提事項
MVP Community Camp 2015
システムを利用する際に必要なライセンス
クラウド オンプレミス
• ユーザーサブスクリプションライセンス(USL) • サーバライセンス• クライアントアクセスライセンス(CAL)
CALとして利用可能
MVP Community Camp 2015
転用が可能なUSLとCALの対応(主要な物のみ)
製品 クライアントアクセスライセンス
Exchange 2013 ベースCAL(Standard) Exchange Online Plan1,Plan2
Office 365 E1,E3,E4
追加CAL(Enterprise) Exchange Online Plan2
Office 365 E3,E4
SharePoint 2013 ベースCAL(Standard) SharePoint Online Plan1,2
Office 365 E1,E3,E4
追加CAL(Enterprise) SharePoint Online Plan2
Office 365 E3,E4
Lync 2013 ベースCAL(Standard) Lync Online Plan1,2
Office 365 E1,E3,E4
追加CAL(Enterprise) Lync Online Plan2
Office 365 E1,E3,E4
追加CAL(Plus) ※ボイステレフォニー Office 365 E4
MVP Community Camp 2015
クラウドサービスのIaaSを利用する場合の注意事項
• 共用クラウド環境で利用する場合は、ソフトウェアアシュアランス特典であるライセンスモビリティを利用し、モビリティパートナーのIaaSにのみ展開可能
【参考】
ソフトウェアアシュアランスによるライセンスモビリティhttp://www.microsoft.com/ja-jp/licensing/software-assurance/license-mobility.aspx
• SharePointのみAzureインフラ上での展開がサポートされている
MVP Community Camp 2015
ハイブリッド構成の基本パターン
①製品ごとにオンプレミス/クラウドを使い分ける
②ユーザーごと
③機能ごと
④利用シーンごと
①製品ごとの使い分け
MVP Community Camp 2015
Exchangeオンプレミスを利用
• Exchange Serverライセンスを別途調達し、Office365はCALとして活用
• 既存でExchange Serverなどをオンプレミスで運用していて、そのサービスレベル/セキュリティレベルをあまり変えたくない場合
• インターネットから社内メールは利用させていない、もしくは一度社内とVPNを張ってから利用させている場合
• OWAユーザーが多く、バージョンアップに伴うブラウザの変更や操作画面の変更の影響が大きい場合
MVP Community Camp 2015
SharePointをオンプレミスを利用
• SharePoint Server / SQL Serverライセンスを別途調達し、Office365はCALとして活用
• イントラネットの業務ポータルなど、止まったりインターフェイスが変わると業務に影響がでるサイトであり、長期(3年~5年など)に渡って安定した運用が求められる物
• 開発やアドインのソフトウェアを入れたりする要件のあるサイト
• Azureの上でも作成可能
MVP Community Camp 2015
Lyncをオンプレミスを利用
• Lync ServerならびにSQL Serverライセンスを別途調達し、Office365はCALならびにLync 2013クライアントとして活用
• 基本的にはEnterprise Voice(VoIP)を利用してPBX連携などを実施するケースが殆どであり、ライセンスはOffice 365 E4
②ユーザーごとの使い分け
MVP Community Camp 2015
グループ会社で一括導入
オンプレミス
現地法人 本社
連携
• 一部拠点において、Exchange Serverが既存で存在しているなど、何らかの要件でOnlineを使えない場合
• Exchange Server⇔Exchange Onlineにおいては、メール送受信の他に予定表共有やアドレス帳の連携が可能
MVP Community Camp 2015
外部ユーザーとのコラボレーション
オンプレミス
SharePoint Server 2013
内部ユーザー
外部パートナー出向者、休職者
• 社内だけで利用する物(ポータル等)と、社内ならびに社外で利用する物(プロジェクト、出向/休職/出張中ユーザー向け情報提供)を分けてサイトを利用
• SharePoint Onlineの他、内容によってはyammerも利用可能
③機能ごとの使い分け
MVP Community Camp 2015
Exchange Online Protectionの利用
オンプレミス
Internet
EOP
• Microsoftのアンチスパム/アンチマルウェアサービス(単体で購入すると月額109円/ユーザー)
• ハイブリッドで100:0でオンプレミス側にユーザーがいるイメージでメールフローを構成(必ずしもハイブリッド構成は必要無し)
MVP Community Camp 2015
Exchange Online Archivingの利用
オンプレミス
• ユーザーに容量無制限で監査機能の付いた2つめのメールボックスを付与するサービス(単体で購入すると月額330円)
• 古いメールや削除したメールをExchangeのメールボックスからExchange Onlineのアーカイブメールボックスにサーバ間で移動
接続 接続(2つめのMBX)
古いメール
MVP Community Camp 2015
非アクティブメールボックス(退職者用)
オンプレミス
• 退職者のメールデータを、お金をかけずに監査用に保管するためにExchange Onlineの非アクティブメールボックスを利用
• オンプレミスのメインのメールボックスをOffice365に移動して、インプレース保持の対象にしてから削除(一時的にライセンスの付け替えが必要)
メイン アーカイブ
インプレース保持対象
MVP Community Camp 2015
アーカイブメールボックス
オンプレミス
• Exchange Online Plan1でも、アーカイブメールボックスは作成可(メインとアーカイブ合わせて50GB)なので、50GBの追加領域として活用
• オンプレミスの環境にアーカイブを作成するとEOAライセンスが必要な100GBのアーカイブが作成されてしまうので、工夫が必要
メイン
アーカイブメイン
MVP Community Camp 2015
OneDrive for Business
オンプレミス
SharePoint Server 2013
作業フォルダポータル、完成品
• ロケーションフリー、履歴管理あり、バックアップ不要、大容量の高機能な作業フォルダとしてOneDrive for Businessを利用
• 社内ポータルやプロジェクトフォルダなど、業務上重要な物はオンプレミスに配置し、最終的なドキュメントなどを格納
④利用シーンごとの使い分け
MVP Community Camp 2015
非常時Exchange
オンプレミス
• オンプレミスのExchange Serverがダウンした時に備え、同じ情報をExchange Online側の当該ユーザーのMBXにも配送
• 一般的に想定されている使われ方ではないため、注意が必要• Office365のサービス規約を遵守する構成とする必要がある
• ディレクトリ同期環境/MBXを作る手順/受信トレイの最大アイテム数/フォルダ階層や送信済みアイテムが同期されない/平常時の対応
メイン
MVP Community Camp 2015
非常時Lync
オンプレミス
• オンプレミスのLync Serverがダウンした場合、Lync Online側に切り替えて接続させる
• ディレクトリ同期によりユーザー情報は部分的に同期されているが、両方で有効化するのは想定されていないので注意
ディレクトリ同期
サーバーダウン時平常時
ケーススタディ
MVP Community Camp 2015
ケーススタディ①
現状と問題点
Fit&GAP
Exchange 2007を導入6年目比較的手厚いサポートで大きな不満はない
今年Windows XP→7
Office 2007→2010
クラウドに対する不安感と検討しろという要請
• クラウドに関する漠然とした不安感• 目に見えないコストが予算申請の段階で算出できない• エンドユーザーのITリテラシーを考えると頻繁な機能変更に追従できない
MVP Community Camp 2015
• 現実路線での段階的導入(適用範囲を実際に使ってみて見極める)• 既存と同レベルの予算を確保し、プラスしてLync+SharePointを導入• クラウド導入という実績とメールインフラのサービスレベルの担保
Office 365 E1を採用
既存をExchange Server 2013に移行 USLはCALとして転用 既存のメールGWは継続利用
未導入 新規で導入 IM/プレゼンスとWeb会議を中心に展開
一部プロジェクトと情シスメンバーで試験運用。 One Drive for Business /
Yammer含め来年の本格導入を目指す
Point
MVP Community Camp 2015
ケーススタディ②
現状と問題点
Fit&GAP
Exchange 2010基幹系システムとID連携し、ワークフローの中にメール通知
メールボックスサイズの不足(現状500MB)
監査、アーカイブの要件
• 既存の連携システムの改修費用• オンプレミスとクラウドのメールボックスのGB単価の開き• 退職者に対するコスト
MVP Community Camp 2015
• EOPを利用し、既存のアンチspamのライセンス費用削減• オンプレミス5GB+無制限アーカイブMBXとしてOffice365障害時にも業務継続• 退職者はMBXをOnlineに移動させてインプレースアーカイブしてから削除
Exchange Online Plan1 + Exchange Online Archiving(for Exchange Serverとfor Online)を採用
Exchangeハイブリッド環境を構築 Exchange Server 2013に移行 USLはCALでの利用とEOP(spam対策)
EOA for Exchange Serverで監査とアーカイブ 退職者のアーカイブ用に、別途EOA for Exchange Online
未導入
Point
未導入
未導入
•EOP
•アーカイブ•監査
•MBX
まとめ
MVP Community Camp 2015
ハイブリッド構成の基本パターン
オンプレミス
①製品ごと ②ユーザーごと
オンプレミス
例:本社例:現地法人
③機能ごと ④利用シーンごと
オンプレミス
業務ポータルPJ、外部連携
オンプレミス
平常時DR発動時
同期
ExchangeLync
MVP Community Camp 2015
Q&A
何か疑問な点などありましたら、
Office 365コミュニティ http://community.office365.com/ja-jp/default.aspx
Facebookコミュニティ https://www.facebook.com/groups/Office365Com.jp/
などにお願いします。