運用を見据えた失敗しないOffice365導入
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Transcript of 運用を見据えた失敗しないOffice365導入
MVP - Office365 genkiw(渡辺 元気)
SQL World 大阪#242014.06.21
名前:渡辺 元気(わたなべ げんき)
職業:通信事業者でクラウドサービスの開発
twitter/Facebook:genkiw
MVP Office365 2012.10-
blog:日々徒然 http://blog.o365mvp.com/
(Office365の技術ネタを中心に公開)
本資料については、個人で準備した環境において、個人的に実施した検証結果を基に記載しております。
あくまで個人の意見・見解であり、所属する会社・組織及びマイクロソフト社とは一切関係はございません。
また、本資料の内容ならびに閲覧により生じた一切の問題及び不利益について、発表者は一切の責任を負う事はできませんのでご了承ください。
Office365のサービスの内容、特性を理解する
Office365の導入に必要な環境を理解する
Office365に適した運用について理解する
価格が安い1
運用が楽で常に最新2
導入が早い3
要件定義 基本設計 詳細設計 テスト 移行
従来のコミュニケーションシステム基盤導入
• 約半年~1年以上(導入規模とカスタマイズ度合いによる)
環境調査 トライアル 計画立案 環境整備 移行
Office365導入
• 約1ヶ月~半年以上(導入規模と既存環境の適合具合による)
• ディザスタリカバリを意識した高い可用性環境
香港
シンガポール
• 常に最新バージョンのソフトウェア
オンプレミスで実装するのは困難
EXCHANGE SERVER EXCHANGE ONLINE
0
330200
500
150100
100
50
サービス利用料 ライセンス 物品費工事費
保守費 NW DC
※過剰なスペック(例えばメールボックスサイズ)を削ってサイジングしたモデルケースでのオンプレミスとOffice365の参考価格比較
【参考】中堅企業モデルケースにおけるExchangeのユーザー単価比較
SIで作ると1億が月額50万にコスト削減
今使ってるOSがサポートされてる
99.9%のSLAと24時間365日の日本語サポート
試用版は今の社内NWのままで利用できた
いつも使ってるSierが導入してくれるらしい
あの会社も入れたらしい
Office365の費用に、移行費用積んでもコストを1/3に削減できた。
導入もいつもの会社に依頼して、マニュアル作成や説明会も実施した。
スマホからもスケジューラーを利用できて、役員のウケも上々。
めでたしめでたし
インターネットのトラフィックが増えてインターネット回線やProxyサーバがパンクした。
IE9使えなくなる?すぐにバージョンアップなんてできないよ。
いつのまにかメニューが変わってる…マニュアル作り直し?ユーザー教育は?
今朝からメールが使えなくて、問い合わせがばんばん来てるけど、障害状況が全く分からない。社長からはベンダ呼んでこいと言われたけど来てくれるの?
何か先週のメンテナンス後から一部のメニュー表示がおかしい。でもモバイル回線からだと上手くいくから社内NWの問題?
Office365サービスを良く理解し、運用フェーズの事まで考えた上で導入しましょう。
【従来】自社のシステムの予算と償却に
合わせたサイクル
【Office365導入後】マイクロソフトの開発サイクルに
合わせる
導入 機能追加 更改
システムへの期待度(機能やコスト)
システムでの実現
仕様を満たすのが必須条件
トップダウンや外的要因等
更改時期になると上がる要望
固定資産の償却期間を考慮し、長いスパンでの運用。良い意味で言うと安定している。
導入
システムでの実現
たまにディグレ
頻繁な機能追加や仕様変更
2-3年周期のメジャーUpdate
いつ止めてもいい
常により良い物にしようと頻繁にアップデート
アップデートの時期や内容はコントロール出来ないが、代わりにいつ止めてもいい
• クライアントのスペックやOS、アプリをサポートされる物に保つ(バージョンアップや更新プログラム適用)
クライアント
• 必要とされるネットワーク要件を満たす
ネットワーク
• ユーザー教育やマニュアルの整備
教育
• 連携システム(ADFS/ディレクトリ同期/ハイブリッドのExchange Serverなど)をサポートされる物に保つ(OS変更が必要な場合有)
関連システム
•原則として、クライアントはインターネット接続が必要
•名前解決(DNS)、ルーティング、Proxy(バイパスリスト含む)、Firewallなどを考慮する必要
• インターネットトラフィックは確実に増大
•同時接続セッション数も増加
インターネット上に存在
•膨大なIPアドレス空間と、増加し続けるサービスネットワーク
•全ユーザーとも単一のURLを利用。URLフィルタリングへの影響への考慮が必要
共有型のサービス
The Internet
VPNサービス
SMTP Relay
DC 本社DMZ
内部SV
従来 Office365導入後
The Internet
VPNサービス
本社
当初(2011.6)
約50個程度
更新頻度も高く、IPでの制御は既に限界に来ていると考えられる
※RSSによるIP/URLの変更通知
*.aadrm.com*.activedirectory.windowsazure.com*.glbdns.microsoft.com*.live.com*.lync.com*.microsoft.com*.microsoftonline.com*.microsoftonline-p.com*.microsoftonline-p.net*.microsoftonlineimages.com*.microsoftonlinesupport.net¹*.msecnd.net*.msocdn.com*.msn.com*.msn.co.jp*.msn.co.uk*.onmicrosoft.com*.office.com*.office.net*.office365.com*.officeapps.live.com*.outlook.com*.phonefactor.net*.Sharepoint.com*.Sharepointonline.com
ev-secure.verisign.comevsecure-ocsp.verisign.comevsecure-aia.verisign.comevsecure-crl.verisign.comsa.symcb.com*.amazonaws.com*.cloudfront.net*.cotssl.net*.edgekey.net*.yammer.com*.yammerusercontent.com*.assets-yammer.comhttps://activation.sls.microsoft.comhttp://crl.microsoft.com/pki/crl/products/MicrosoftProductSecureServer.crlhttp://crl.microsoft.com/pki/crl/products/MicrosoftRootAuthority.crlhttp://crl.microsoft.com/pki/crl/products/MicrosoftProductSecureCommunicationsPCA.crl
http://www.microsoft.com/pki/crl/products/MicrosoftProductSecureCommunicationsPCA.crl
https://odc.officeapps.live.comhttps://ols.officeapps.live.com/olschttp://officecdn.microsoft.comgo.microsoft.comoffice15client.microsoft.comsls.microsoft.com
※http://onlinehelp.microsoft.com/en-us/office365-enterprises/hh373144.aspxにて最新情報。(RSS配信あり)
制御が必要な場合はMicrosoftもURLを推奨するように
• IPアドレスでの制御は既に限界。MicrosoftもURLを推奨
• インターネット抜けを許容できない場合、URLを認識できるアプリケーションFirewallでの対応が今後の主流
L3SW/Firewall
• 認証Proxyは一部アプリが対応していない(要バイパス)。アプリケーションがProxy自体を認識しない物も有り。
• Outlook利用時の予定表でのセッション枯渇のトラブル事例多し
• 問題発生時はバイパスして試験して切り分ける必要あり
Proxyサーバ
• デフォルトルートが設定できるタイプの物を利用。できない場合はProxyしかないが前述の通り制約あり
VPNサービス
•サービス利用契約を中心としたサービス
•集中管理によってサービス品質向上。日本に窓口はあるが、調査・バグ修正などの対応は米国にて実施
米国企業によるサービス
•全世界での「公平な」サービス
•ユーザー環境依存の問題や技術者のオンサイトでの派遣、優先的なエンジニアのアサインは含まれない
パブリッククラウドサービス
日本Microsoftにサービス正常性ダッシュボードを大きく上回る精度・速度での情報提供を求める事は難しい。
SLA返金の他、5日以内のPIR(事後インシデントレビュー)の開示が保証されているが根本原因が特定できない場合も有る。
保守契約内容に関わらず、障害が発生したらベンダの人間を呼び出したり定期報告を要求。直った後も営業担当者経由で報告書を提出
させ、納得のいくまで調査報告をさせるなどの日本式(?)の障害対応は通用しないと考えた方が良い
【参考】マイクロソフトはいかに顧客をサポートしているのかhttp://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1305/29/news016_2.html
【範囲外と判断される事例】ユーザー環境に依存する問題(インターネットに直接接続された別の端末から利用可能)
関連したオンプレミスのシステム(ADやADFS、Exchange Server)に依存する問題
開発に関連する問題(バージョンアップ後、特定コードが動かなくなったなど)
オンサイトでの調査や報告の依頼
MSの定める深刻度レベルを越える対応
必要に応じてPremierサポートなど有償サポートを別途契約する必要がある
【参考】Premier Support for Office 365http://www.microsoft.com/ja-jp/services/premier/Office365.aspx
• Office365を利用する上で周辺予算についても必要であることを認識し、確保する
•特にメジャーバージョンアップに際してのPC入れ替えやユーザー再教育など
予算取り
•契約上、障害時の救済は基本的に返金のみ
•環境依存の対応が別途有償であることを認識
•営業やSEなどに対しての人的な対応を求める事ができないことを認識
サービス内容の理解
サービス費用の他、下記を加味した上で、経営的な判断として決定する
障害・サービス更新などどうしても自社で制御できない部分がある事を認識
Outlookが使えない
OWAを利用する
Exchange Onlineに障害
携帯メールやFax、Lync、SharePointなど別手段での連絡手段を確保しておき、利用する
障害で移行が失敗
延期する(元から1%くらい失敗する可能性が有ることを考慮に入れておく)
手順書と見た目が違う
とりあえずやってみるか延期する。もしくは知ってそうな人に聞く。
多くのユーザーが同じ物を利用していることを前提に複数確保する
• Office365サービス正常性ダッシュボードhttps://portal.office.com/ServiceStatus/ServiceStatus.aspx
• Office365コミュニティhttp://community.office365.com/ja-jp/default.aspx
• Facebook Office365コミュニティhttps://www.facebook.com/groups/Office365Com.jp/
• TwitterMS公式アカウントや「Office365 障害」などで検索
• その他勉強会やユーザーグループなどでの横の繋がり
故障申告時に環境依存かどうかを自身で切り分けられるようにする
【必要な物】
インターネットに直接接続できるNWとPCPCは極力アプリがインストールされていない物。アンチウィルスソフトは手動で切ることができる様に。
回線はスマートフォンのディザリングでも良い
テスト用の別テナント試用版でも良い。切れたら再度取る。
「インターネット直接接続でも出るか」「他のPC/アカウントでも出るか」「他のテナントでも出るか」を故障申告時に出せると、対応の迅速化につながる
サービス側がどんどん変わっていくので、極力柔軟に対応できるようにする
公開方法静的コンテンツとして作成して一方的な公開ではなく
コメントが返せるサイトなどでの公開にする
マニュアル紙での配布やPDFなどで作成せず、
Webサイトでの公開にする
利用者教育集合型の説明会などではなく、Lync会議での開催や各部門での若手の人間にやらせるなど
☑クライアント環境の常時アップデートが可能な体制・環境
これだけは必要
☑有事の際は代替手段に切り替えるなどで、直るまで待つという運用に耐えられる
最悪お金か気合いで切り抜けられる
☑インターネット直接抜け環境、もしくはAP-Firewallの導入
☑トラブル時の切り分けはできるレベルのIT管理体制
☑社内マニュアルの更新ができるレベルの社内体制もしくはマニュアル不要な社員のリテラシー