浅側頭動脈 顔面動脈 総頸動脈yasaka/H19rinkiso.pdf翼口蓋窩における上顎神経と顎動脈の分枝 歯槽孔 眼窩下孔 正円孔 蝶口蓋孔 下眼窩裂 翼突管
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脳心血管疾患発症リスクを有する症例数は甚大であり、そのリスク評価の検査では簡便性が必須事項である。従来よりリスク評価には、問診、診察、健康診断評価項目より得られるFramingham risk score (FRS )やNIPPON DATA80などの方法が使用されている。しかし、こうした評価方法ではリスクの高い症例の20-50%が判別困難とする報告がある。また、その他の生化学指標(BNP、高感度CRPなど)もリスク評価の限界が指摘されている。こうした背景から形態的・機能的に血管障害を評価する検査法の有用性が注目されている。形態的に評価する方法には頸動脈超音波検査などがあり、頸動脈内膜・中膜壁厚やプラーク巣を評価する。こうした異常を有する症例は脳心血管疾患発症リスクが高いことが知られている。しかし、頸動脈超音波測定機器は高額であり、専任の検者が必要である。機能的血管障害評価方法として内皮機能検査、脈波解析や脈波速度があり、いずれも独立した予後予測指標である。これら検査機器も比較的高額であり、また、繰り返し日常診療に使用することは困難である。 一方、新しい血管指標AVI、APIは血圧測定と同時に得られる指標であり、簡便で日常診療にて繰り返し測定可能である。我々の検討ではAVIは脈波解析にて得られるaugmentation indexと有意な関連を示し(図1)、APIは上腕―足首間脈波速度と有意な関連を示した(図2)。これらの結果および手技の簡便性・検査費用を考慮すると、図3に示す如く、脳心血管疾患のリスクを評価する検査の最前線に新しい血管指標を応用できる可能性がある。今後、AVI、APIが脳心血管疾患症例で有意に高い値を示すかを検証することが重要である。
学術資料
脳心血管疾患リスク評価における新しい血管指標の位置付け
東京医科大学 循環器内科
冨山 博史 先生
図 3
The Real Contribution of the MajorRisk Factors to the Coronary EpidemicsTime to End the “Only-50%” MythArch Intern Med. 2001;161:2657-2660.
古典的リスク評価では高リスク症例の一部が漏れる
脈波速度・脈波解析 脈波速度・脈波解析
心血管疾患発症危険因子を合併する症例数は甚大であり、リスク評価には検査は簡便であることが必須
高リスク 高リスク
一般健診項目で心血管疾患発症リスクが高い
+ AVI・API指標でのリスク評価
図 1 図 2
一般健診項目で心血管疾患発症リスク評価
50
40
30
20
10
0
20 40 60 80 100 120
R=0.303,p<0.001
R2線型[L]=0.092
AV
I
AI1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
R2線型[L]=0.205
AP
I
PWV
50
40
30
20
10
資料No. SP64-143 ’15.7. SCR. AE. 8302
API・AVIは、(独)産業技術総合研究所、(独)理化学研究所、(株)志成データムの共同研究開発により提示された新たな血管指標です。
東京都新宿区西落合1-31-4 〒161-856003-5996-8000(代表) Fax 03-5996-8091
http://www.nihonkohden.co.jp/
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発行
血圧
応力カフ圧
硬い血管:容積が穏やかに変化柔らかい血管:容積が急激に変化
上腕動脈の血管容積は、上腕動脈血圧とカフ圧の相互関係により変化します。カフ圧が高い場合は動脈が圧迫されて上腕動脈容積は小さくなり、カフの減圧に伴って上腕動脈容積は大きくなります。柔らかい血管ではカフ圧の減圧に伴って上腕動脈容積が急激に変化するのに対し、硬い血管では緩やかに変化します。
APIの数値が高い場合は、上腕動脈が硬くなっている可能性が示唆されます。
逆正接関数 A・tan-1(Bx+C)+D API=1/B150 100 50 0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0 A (Compliant artery)B (Stiff artery)
Cuff pressure(mmHg)
Art
eria
l vol
ume
(mm
Hg)
APIは、カフに伝播する脈波を用いてカフ圧と上腕動脈容積の関係を表す曲線を数学的に抽出した指標です。
Relationship between cuff pressure and arterial volume during cuff deflationin two individuals. A ( ) and B ( ) represent participants with relativelycompliant (baPWV, 1079 cm/s; cfPWV, 867 cm/s; age, 31 years) and relatively stiff(baPWV, 1700 cm/s; cfPWV, 1119 cm/s; age, 67 years) arteries, respectively.
Komine et al. Non-invasive assessment of arterial stiffness using oscillometric blood pressure measurement. BioMedical Engineering OnLine 2012, 11:6 doi:10.1186/1475-925X-11-6
※上図のA・Bは、左記数式のA・Bとは異なります。
中心動脈から上腕へ伝わる反射波(イメージ)
中心動脈
反射波成分
上腕動脈
P1
P2
AVIの数値が高い場合は、大動脈を含めた全身の動脈が硬くなっている可能性が示唆されます。
AVI= (Vr / Vf )× 20
AVIは反射波の変化を含む指標です。
(整数値で表せるよう20倍にしています)
柔らかい血管 硬い血管
脈波 Pt
微分脈波
加齢、動脈壁が硬くなると…
dPtdt
P1 P2 P1 P2
Vf
Vr
Vf
Vr
P2P2P1P1
VrVr
VrVrVfVfVfVf VrVr
血管が硬くなるに従って、末梢からの反射波が速く戻ってきます。その結果、脈波の反射波成分 の出現位置が、心臓からの駆出波成分 の出現位置に近づいたり、または重なることがあり、心拡張期の脈波速度が上がる(微分脈波 が大きくなる)と考えられます。
脈波を微分して、心収縮期と心拡張期における脈波の速度変化を捉えると、心拡張期の速度変化 と心収縮期の速度変化 の比( / )は、血管が硬くなるに従って増加します。
データ提供:(株)志成データム、日本メディカルファンド(株)