金融市場ウィークリー · 2017-04-14 · 2017年4月14日号 [経済・金融市場動向]...

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2017 4 14 日号 経済・金融市場動向] 金融市場見通し・内外経済指標 地政学的リスクの高まりを背景にした株安・債券高 地合いが続くと予想。為替は急速な円高・ドル安が 一旦一服するも、日米経済対話が円安の抑制要因に [トピックス] 米中貿易摩擦は日本経済にどのような影響を及 ぼすのか 米国の対中貿易赤字は、アジア全域に広がるサプラ イチェーン全体に対する赤字である。よって、赤字 が削減されれば、日本にも悪影響が波及する恐れ 金融市場ウィークリー

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2017 年 4月 14日号

[経済・金融市場動向]

◆ 金融市場見通し・内外経済指標

地政学的リスクの高まりを背景にした株安・債券高

地合いが続くと予想。為替は急速な円高・ドル安が

一旦一服するも、日米経済対話が円安の抑制要因に

[トピックス]

◆ 米中貿易摩擦は日本経済にどのような影響を及

ぼすのか

米国の対中貿易赤字は、アジア全域に広がるサプラ

イチェーン全体に対する赤字である。よって、赤字

が削減されれば、日本にも悪影響が波及する恐れ

金融市場ウィークリー

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号)

✣[目次]✣

今週の注目チャート ···················································· 1

Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3

金融市場見通し ·································································· 3

金融市場レビュー ································································ 4

内外経済指標の解説と予測 ························································ 5

Ⅱ.トピックス ························································ 8

米中貿易摩擦は日本経済にどのような影響を及ぼすのか······························· 8

Ⅲ.参考資料 ························································· 10

今週・来週の主要経済指標 ······················································· 10

月次・四半期のスケジュール ····················································· 12

今週の金融市場の動き ··························································· 15

最新リポート一覧 ······························································· 16

〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

金融政策出口の「順番」 調査本部本部長代理 長谷川克之

米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート(BS)縮小観測が高まっている。年内にも保

有証券の償還に見合った再投資政策の縮小を決め、金融危機後の量的緩和により膨れ上がったBSの

規模を徐々に引き下げていくとの見立てである。量的緩和の縮小・停止(テーパリング)を経て、利

上げ路線にあるFRBだが、年内にもう 2回の利上げがあると仮定した場合、政策金利が1%台前半

でのBS縮小開始となり、タイミングとしては従来の一般的な想定よりはやや早い。

欧州中央銀行(ECB)の金融政策でも出口論が浮上している。ECBは今月から資産購入額の引

き下げに動いているが、ドラギ総裁が先月、先々のテーパリング完了前の利上げの可能性を示唆した

ことから、テーパリングが先か、利上げが先かが論点となっている。FRB同様にテーパリングが先

行するとの見方の方が優勢ではあるが、マイナス金利政策が金融機関経営や金融システムに与える負

荷に鑑みれば、マイナス金利是正という形での利上げは意外と早いかもしれない。「テーパリング⇒

利上げ⇒BS縮小」というFRB流の出口政策の「順番」は普遍的なものではない筈だ。もっとも、

直近ではECBは現状の政策指針堅持を強調し、出口論の火消しに躍起になっている。ユーロ圏の景

気回復や物価上昇が「偽りの夜明け」である可能性もあり、また、仏大統領選挙の結果次第ではユー

ロ・システムが崩壊の危機に晒されるリスクもある。ECBの慎重な姿勢も頷ける。

翻って日本銀行。地政学リスクが高まり、不測の事態となれば話は別だが、経済は底堅く推移して

いる。金融緩和の出口に到達する順番としては、三極の中では日本が最後となることはほぼ間違いな

いが、欧米の政策正常化が早まれば、自ずと日本の出口のタイミングも前倒しされると考えるべきだ

ろう。その際の出口政策の順番については、金融機能の正常化に充分配慮した議論がなされるべきだ。

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金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 1

~今週の注目チャート~ 【 日米独国債利回りの推移 】

地政学的リスクへの警戒から利回りは低下

【解説】シリアや北朝鮮など地政学的リスクの高まりから日米独国債利回りが低下している。不冴えな米経

済指標やトランプ政権の政策不透明感の高まりなども要因として考えられよう。今月後半にかけては北朝鮮

情勢に留意が必要だ。15 日の太陽節(金日成誕生日)や 25 日の建軍節(朝鮮人民軍創設記念日)などの記

念日前後に北朝鮮が核実験などの挑発行為を行う可能性がある。金利低下の可能性に留意が必要だ。

【 VIX指数と S&P500指数の推移 】

地政学的リスクの高まりにより、投資家心理はやや悪化も、株価は底堅い

【解説】先週末の米国によるシリア攻撃以降、地政学的リスクへの警戒感が高まり、投資家の不安心理を示

すVIX指数は上昇し高止まりしているが、メルクマールとなる 20は依然下回る等、本格的なリスクオフの

動きは回避し米国株も底堅さは維持している。今週末から来週にかけては、引き続き北朝鮮で金日成国家主

席生誕 105周年、仏大統領選挙等のリスクイベントが控えており、目先は先行き不透明感が残存しそうだ。

▲ 0.5

0.0

0.5

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2.5

3.0

16/1 16/4 16/7 16/10 17/1 17/4

(%)

(年/月)

米国 日本 ドイツ

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

1,900

2,000

2,100

2,200

2,300

2,400

2,500

10

15

20

25

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35

16/4 16/6 16/8 16/10 16/12 17/2 17/4

VIX指数 S&P500指数(右目盛)

(年/月)

(Index) (Pt.)

米大統領選挙

米大統領就任

オバマケア代替法案撤回

米国によるシリア空爆

(注)VIX指数はS&P500のオプション・インプライド・ボラティリティ指標。投資家の不安心理を示すといわれ、20が不安心理の高まりを示すメルクマール。

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 2

【 リスクリバーサルとドル円相場 】

先行きの円高リスクへの警戒感が再び高まる

(注)リスクリバーサルは通貨のコール(プット)買いとプット(コール)売りを同時に行い、リスクを反対方向にする際に用いられる取引。

(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成

【解説】ドル円相場のリスクリバーサルの動きをみると、3 月末にかけて一旦は円高期待を示す円コール高

が縮小したものの、今週に入り再び拡大しており、円高リスクへの警戒の高まりを示唆する結果になってい

る。シリア、北朝鮮などの地政学的リスクが意識されたことが背景の一つになっているようだ。今後、地政

学的リスクは更に高まる可能性もあり、注視する必要があろう。

【 株価の推移 】

地政学的リスクを注視する株式市場

【解説】米国は先週末のシリア攻撃(4/7)に続き、昨日(4/13)はアフガニスタンで「イスラム国」の潜伏

する施設を空爆した。また、ミサイルの発射実験を繰り返す北朝鮮に対しても、米国は近海に空母を派遣す

るなど強硬姿勢を見せている。株式市場では下落していた韓国株が幾分持ち直すなど、今のところは全体と

して比較的落ち着いた値動きで推移しているものの、当面は地政学的リスクの高まりに留意する必要がある。

100

105

110

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▲ 3.0

▲ 2.0

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0.0

1.0

16/10 16/11 16/12 17/1 17/2 17/3 17/4

(円/ドル)(%)

(年/月)

リスクリバーサル(ドル円3カ月)ドル円相場(右目盛)

円プット高

(円安期待)

円コール高

(円高期待)

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 3

Ⅰ.経済・金融市場動向 ~金融市場見通し~ 来週も株安・債券高地合い

を予想

米国が先週末に巡航ミサイルでシリアの空軍基地を攻撃して以降、地政

学的リスクへの懸念が一段と高まっている。ミサイルの発射実験を繰り返

す北朝鮮に対しては近海に空母を派遣し、昨日はアフガニスタンにある「イ

スラム国」の施設を空爆するなど、米国の軍事作戦が相次いでいる。イラ

ンとの核合意の見直しを除けば、当初は世界の警察を降りる意向を示して

いただけに、方針転換した米国の動向には今後益々留意しなければならな

い。金融市場への影響もすでに出ており、米国市場では株安・債券高(金

利低下)の地合いとなっている。一時は2.6%台に上昇した米国の10年債利

回りは今週になって2.2%台に低下している。来週についても、発表される

米国の経済指標を考慮すると、長期金利が上昇に転じる可能性は低いと見

ている。米国株については良好な企業決算が下支えとなるものの、市場で

はリスクを取りにくい状況が続くと考えられることから、来週も株安・債

券高の地合いで推移すると予想している。

為替は日米経済対話が円

安の抑制要因に

日本市場でも同様に、株安・債券高の展開となるだろう。特に株価は、

円高が進めば下げ幅も大きくなるため警戒が必要である。注目しなければ

ならないのは、今晩(4/14)に公表予定の米国の為替報告書と来週に開催

される日米経済対話(4/18)である。為替報告書については、トランプ大

統領が事前に中国を為替操作国に認定しない方針であることを明らかにし

ており、日本についても認定されないと予想される。日米経済対話につい

ても、トランプ政権にとって同盟国である日本との「取引」であるとみれ

ば、日本に配慮したものになると考えられるが、日本の対米貿易黒字の是

正要求が市場の円高観測を生むリスクもある。そのため地政学的リスクに

よる急速な円高・ドル安が一旦一服しても、日米経済対話を前に円安圧力

が高まる状況にはなりにくいと見ている。むしろ、来週末(4/23)の仏大

統領選挙も含めて、引き続き地政学的リスクによる円高、日本株安に警戒

が必要だ。 (井上淳)

【 来週の予想 】

USD LIBOR 3カ月(%) 1.140 ~ 1.160

米10年国債(%) 1.90 ~ 2.40

円 TIBOR 3カ月(%) 0.03 ~ 0.07

10年国債(%) -0.05 ~ 0.10

ダウ平均(ドル) 20,150 ~ 20,650

NASDAQ総合指数(ポイント) 5,710 ~ 5,860

日経平均(円) 17,900 ~ 18,700

TOPIX(ポイント) 1,390 ~ 1,480

円/ドル 106.5 ~ 111.0

ドル/ユーロ 1.040 ~ 1.085

円/ユーロ 114.0 ~ 120.0

為 替

項目 予想レンジ

内外金利

内外株式

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 4

~金融市場レビュー~

<内外金利動向> 地政学的リスクの高まり

などから、米 10年国債利

回り 2.2%台まで低下

先週末以降の米 10年国債利回りは 2.2%台まで低下した。3月の米雇用

統計(4/7)では、非農業部門雇用者数が事前予想を大幅に下回る結果であ

ったものの、失業率が 2007 年以来の低水準であったことから、利回りは上

昇した。しかし、シリアや北朝鮮など地政学的リスクが意識され、リスク

オフムードが高まったことや、米大統領の低金利を支持する発言(4/12)

を受けて、週末にかけて利回りは 2.2%台前半まで低下した。欧州の 10年

国債利回りをみると、質への逃避からドイツが低下する一方、仏大統領選

挙への警戒感からフランスは小幅に上昇している。日本の 10年国債利回り

は 0%近傍まで低下している。 (坂中弥生)

<内外株式動向>

米株は下値は堅いも地政

学的リスクへの警戒感か

ら下落、日本株は円高を

嫌気し下落

先週末以降の米株式相場は下落した。シリア情勢に加え、米国の北朝鮮

に対する強硬な姿勢やアフガニスタンへの爆撃を受けて地政学的リスクへ

の懸念が高まった。長期金利の低下を受けて収益改善期待が後退した金融

株の下落が顕著であった。一方、今週後半より本格化する 1~3月期の主要

企業の決算への期待から下値も限定された。日本株は下落した。リスク回

避の円高が進行し、輸出企業を中心に企業の業績改善期待が後退した。地

理的に近い北朝鮮で週末に金日成国家主席の生誕 105 周年を控える中、先

行きへの警戒感から日本株は下落基調を強めた。日経平均株価は 18,500円

を下回り、年初来安値を更新する展開となった。 (大塚理恵子)

<為替動向> 投資家のリスク回避姿勢

の高まりと米金利低下か

らドル円相場は 1 ドル=

110 円割れ

先週末以降のドル円相場は円高ドル安が進んだ。先週末の米雇用統計は

非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったものの、失業率の低下が確認さ

れ、ドル円相場への影響は限定的だった。また、先週末の米中首脳会談で

は為替相場に影響を与える材料が出なかったことから、週明けのドル円相

場はもみ合う展開になった。しかしその後シリア、北朝鮮などの地政学的

リスクが意識され、投資家のリスク回避姿勢が高まり、米金利低下も相ま

ってドル円相場は 1ドル=110円割れの水準まで円高が進んだ。またトラン

プ大統領のドル高をけん制する発言も、ドル安圧力となった。ユーロドル

相場は米長期金利の低下に伴い、ドル安ユーロ高が進んだ。(有田賢太郎)

<新興・資源国動向>

通貨は持ち直すも、株価

は上昇トレンドに一服感

新興国市場では、ドル安圧力の高まりから、新興国通貨が持ち直す展開

となっている。背景には米国の長期金利低下やトランプ大統領のドル高け

ん制発言がある。特に南アフリカランドは、急落のきっかけを作ったズマ

大統領の不信任案投票で無記名投票が導入されるとの動きが好感され、大

幅に反発している。ただし、全体としては小幅な値動きとなっており、地

政学的リスクの影響についても、下落していた韓国ウォンやロシアルーブ

ルが持ち直すなど比較的軽微な影響にとどまっている。一方、株価につい

ては上昇トレンドの一服しており、ブラジルでは景気を下支えするために

今週(4/12)利下げを決定したものの、株価の下落が続いている。(井上淳)

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 5

~内外経済指標の解説と予測~ <国 内> 経常収支の黒字幅が拡大 今週発表の指標では、貿易など対外部門の好調さがうかがえる一方、設

備投資の慎重姿勢が一部に見られる結果となった。2月の経常収支(4/10)

は、26.5兆円(年率換算値)の黒字と、前月(15.1兆円の黒字)から黒字

幅が拡大した。内訳をみると、サービス収支の赤字幅は拡大したものの、

貿易収支や第一次所得収支の黒字幅拡大が全体の経常黒字を押し上げた。

機械受注は内閣府見通し

よりも下振れ

2月の機械受注(船舶・電力を除く民需、4/12)は、製造業・非製造業と

も増加し、前月比+1.5%(1月同▲3.2%)となった。但し、1・2月平均は、

12月調査時点の1~3月見通しよりやや下振れており、海外政治情勢の不透

明感などから投資の慎重姿勢が強まったとみられる。一方、先行きについ

ては、設備投資促進税制の終了などが下押し材料となるものの、世界的な

景況感の回復などから機械受注は緩やかに持ち直していくとみている。

企業物価は前年比プラス

幅が拡大

3月の企業物価指数(4/12)は前年比+1.4%(2月同+1.1%)と、3カ月

連続のプラスとなった。原油価格の持ち直しを背景に石油・石炭製品が同

+30.8%(2月同+27.7%)と、前月からプラス幅が拡大したほか、鉄鋼や

金属製品の持ち直しが続いた。先行きについては、エネルギー価格の持ち

直しに伴い、前年比プラス幅が拡大する見通しである。

来週は貿易統計や第 3次産業活動指数などが発表される。

3 月の貿易収支は黒字幅

縮小

3 月の貿易統計(4/20)は、輸出金額が前年比+3.2%、輸入金額が同

+12.3%、貿易収支が 2,491 億円の黒字と予測する。原油価格の持ち直し

を背景に輸入金額が大幅に増加するため、貿易収支の黒字幅は前年(7,449

億円)から縮小するだろう。

第 3 次産業活動指数は前

月比プラス

2月の第 3次産業活動指数(4/21)は前月比+0.3%と予測する。卸売業

がやや弱含んだが、インバウンド需要の持ち直しなどから、小売業が持ち

直したとみられる。 (平良友祐)

【 輸出入金額の推移 】 【 第3次産業活動指数の推移 】

▲ 30

▲ 20

▲ 10

0

10

20

30

13/01 14/01 15/01 16/01 17/01

(前年比、%)

輸入

輸出

(年/月)(注)2017年3月の値は、みずほ総合研究所による予測値。(資料)財務省「貿易統計」より、みずほ総合研究所作成

予測値

98

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13/01 13/07 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 17/01

(年/月)

(2010年=100)

(注)2017年2月の値はみずほ総合研究所による予測値。

(資料)経済産業省「第3次産業活動指数」より、みずほ総合研究所作成

予測値

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 6

<海 外(米国)> 失業率は大きく低下 3 月の非農業部門雇用者数(4/7)は前月差+9.8 万人にとどまった。暖

冬要因等を背景に力強い伸びとなった 1・2月の反動もあるとみられる。時

間当たり賃金上昇率は前年比+2.7%(2月同+2.8%)と小幅に減速したが、

労働需給は一段とタイトな状況となっている。失業率は 4.7%から 4.5%に

低下し、議会予算局が推計する自然失業率の水準(4.74%)を下回った。

広義の失業率(U6、8.9%)は、2007年末以来の 9%割れとなった。

消費者マインドは一段と

上向き

4月のミシガン大学消費者信頼感指数(4/13、速報)は 2カ月連続で上昇

した。内訳をみると、現状指数は 2000 年 11 月以来の水準に上昇し、期待

指数は小幅に上昇した。ミシガン大学は、支持政党の違いによる消費者マ

インドの大幅な乖離が足元でようやく縮小し始めたと報告した。

3 月のコア小売売上高(自

動車・建材・ガソリン・

外食を除く)は増加が続

き、コアCPI上昇率は

緩やかに上昇する見込み

今晩発表の 3 月の小売売上高(4/14)は、自動車販売が足を引っ張り、

小幅に減少すると予想される。他方、コア小売売上高は増加が続くとみら

れる。3 月のコアCPI上昇率(4/14)は前月比+0.2%となり、前年比で

は+2.3%と小幅に加速する見通しである。2016 年以降のレンジ内(+2.1

~+2.3%)の動きとなろう。

3 月の住宅関連指標は強

弱まちまちで、製造業の

生産指数は 7 カ月ぶりに

低下すると予想

来週発表の 4 月の地区連銀製造業業況指数(ニューヨーク:4/17、フィ

ラデルフィア:4/20)は、業況の堅調さを示す水準が続くが、前月から低

下するとみられる。3月の住宅着工件数(4/18)は、先行指標である住宅建

設許可件数の 1~2 カ月前の水準から判断すると、2 カ月ぶりに減少すると

予想する。北東部を中心に、季節外れの大雪に見舞われたことも着工の下

押し要因となった可能性がある。一方、3月の中古住宅販売(4/21)は 2カ

月ぶりに増加する見込みである。先行指標の 2 月の住宅販売留保指数は力

強く上昇しており、住宅の供給不足が続くなかでも、春の住宅購入シーズ

ンに向けて需要が堅調であることを示している。3 月の鉱工業生産指数

(4/18)は 2 カ月連続で上昇すると予想する。他方、ISMの 3 月の製造

業生産指数や平均労働時間(雇用統計)の動きを踏まえると、製造業に関

しては 7カ月ぶりの減産となる見通しである。 (風間春香)

【 失業率 】 【 コアCPI上昇率 】

(資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成

(注)2017年 3月はみずほ総合研究所予測値。

(資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

2007 09 11 13 15 17(年)

失業率

自然失業率(CBO推計)

(%)

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

2014 15 16 17

コア財

家賃・住居

ヘルスケア

交通

その他サービス

(前年比、%)

(年)

コアサービス

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 7

<海 外(欧州)> 2 月のドイツ輸出・生産は

共に増加

2 月のユーロ圏生産は減

少。3月に反動増の公算

3 月英国インフレ率は高

止まり

2 月英国雇用統計は弱い

内容に

ギリシャ支援協議はやや

前進

2月のドイツ輸出金額(4/7)は前月比+0.8%、同月のドイツ鉱工業生産

(4/7、建設業生産除く)は同+0.8%と増加した。米国向けを中心とする

輸出回復が増産に繋がったとみられる。先行指標である製造業受注に弱さ

がみられるため、今後の輸出・生産の回復ペースは鈍化する可能性がある。

2 月のユーロ圏鉱工業生産(4/11)は前月比▲0.3%と減少した。アイル

ランドの大幅減産(同▲16.2%)が主因である。同国の生産は従来から振

れが大きく、3月は反動増が見込まれる。

3月の英国インフレ率(4/11)は前年比+2.3%と、2月と同水準だった。

イースター休暇の時期が前年とずれたことでサービス物価上昇率が低下

(同+2.8%→同+2.1%)し、コア・インフレ率(食品・エネルギーを除

く総合)は低下した。一方、ポンド安を背景に財物価上昇率(食品・エネ

ルギーを除く)は高まった(同+0.8%→同+1.8%)。4月以降もポンド安

を背景にインフレ率は高水準にとどまるだろう。

2月の英国就業者数(4/12、3カ月平均)は前月比▲0.0%(1月同+0.1%)

と減少し、同月の民間賃金(賞与等を除く、3 カ月平均)は同+0.1%(1

月同+0.2%)に伸び率が低下した。一方で物価が一段と上昇したため、家

計の実質所得は悪化した。

ユーロ圏財務相会合(4/7)は、ギリシャ支援に関し、次回融資の前提と

してギリシャ側が取り組む改革の大枠に合意した。改革は、年金支給の削

減や個人所得税の引き上げなどが含まれる。今後はこれら改革について詰

めの協議が行われる予定で、今月中に債権者団はギリシャ入りするようだ。

来週は、ユーロ圏の経済

指標や仏大統領選候補者

の支持率が注目点

来週は、2 月のユーロ圏輸出金額(4/19)、同月のユーロ圏建設業生産

(4/20)、3月のユーロ圏新車登録台数(4/19)、4月のユーロ圏消費者マ

インド(4/20)などの経済指標に加え、仏大統領選(4/23)を控えて各候

補の支持率が注目される。輸出は改善が期待され、建設業生産は寒波の影

響が縮小するかがポイントだ。新車や消費者マインドは、春以降の消費が

加速するかを考える上で重要となる。 (松本惇)

【 ユーロ圏・各国の鉱工業生産 】

【 英国インフレ率 】

(資料)Eurostatより、みずほ総合研究所作成

(資料)英統計局より、みずほ総合研究所作成

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2015/8 15/11 16/2 16/5 16/8 16/11 17/2

ユーロ圏 ドイツ スペイン

フランス イタリア

(2015/1=100)

(年/月)

▲ 1.5

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

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1.5

2.0

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3.0

2016/3 16/9 17/3

インフレ率 コア・インフレ率

サービス コア財

(前年比、%)

(年/月)

8 金融市場ウィークリー(2017 年 4月 14 日号)

Ⅱ.トピックス

~米中貿易摩擦は日本経済にどのような影響を及ぼすのか~

米国は、対中貿易赤字拡大

に強い警戒姿勢

4 月 6・7 日の米中首脳会談では、米国の対中貿易の不均衡是正に向けた

100日計画の策定で合意するなど、米国は対中貿易赤字の是正に本腰を入れ

ようとしている。もともと米中首脳会談を控えた 3 月 1 日公表の『2017 年

通商政策課題(The President’s 2017 Trade Policy Agenda)』では、対

中貿易に対する警戒姿勢が明確に示されていた。また、3 月 31 日には「貿

易赤字の原因調査」を命じる大統領令が出され、前日の記者会見で、ロス

商務長官は調査対象国として中国を名指ししていた。

このように、米国の対中貿易赤字是正への注目が集まっているのは、中

国がWTOに加盟した 2001年以降に赤字額が急速に膨らみ、2016 年には米

国の貿易赤字全体の約半分(47%)を占めるに至ったためだ(図表 1)。

対中輸入拡大が雇用喪失

の要因という認識が、対中

貿易赤字への批判の引き

金に

こうした 2000年代の対中貿易赤字の拡大が製造業の雇用喪失につながっ

たとの見方が、米国における保護主義の高まりの大きな要因である。対中

輸入拡大による米国の雇用喪失効果については、近年、有力な経済学者に

よる実証分析からも確認されている。例えば、2000年代(1999~2007年)

に米国・製造業の雇用は約 345万人減少したが、Acemoglu et al.(2016)

では、そのうち、中国からの輸入拡大による直接的な雇用喪失効果が約 58

万人、間接的な波及効果まで含めると約 166万人に上ると推計されている。

対中貿易赤字の拡大を原因とした雇用喪失効果については、業種による

偏りも大きい。Acemoglu et al.(2016)の計量分析結果を利用して、産業

別の直接的影響を試算した(図表 2)。その結果、対中輸入の拡大による雇

用喪失の痛みが深刻であるのは、電気機械や産業・通信機械となった。

以上のように、2001 年の中国のWTO加盟以降、米国の対中貿易赤字が

急激に拡大し、それが電気機械や産業・通信機械などの高付加価値分野に

おける雇用喪失につながった。このことが、米国の対中赤字拡大への批判

を強めた大きな要因であると考えられるため、トランプ政権の保護主義姿

勢は、根強く厳しいものになることを覚悟すべきであろう。

【 図表 1 米国の貿易収支推移 】 【 図表 2 対中輸入による米雇用喪失効果の推計 】

▲ 9,000

▲ 8,000

▲ 7,000

▲ 6,000

▲ 5,000

▲ 4,000

▲ 3,000

▲ 2,000

▲ 1,000

0

80 85 90 95 00 05 10 15

その他

メキシコ

ドイツ

中国

日本

(億ドル)

(年)(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成

▲55▲40 ▲41

▲28 ▲27

▲9▲11

▲3 ▲1 ▲1

▲ 60▲ 50▲ 40▲ 30▲ 20▲ 10

0

電気機械

産業・通信機械

衣料品

石油・精製品

輸送機械

雇用者数の変化幅(実績)対中輸入による影響(試算値)(万人)

対中輸入の影響大(注)Acemoglu et.al.(2016)の表2より試算。1999~2007年。

(資料)UN"Comtrade"などより、みずほ総合研究所作成

9 金融市場ウィークリー(2017 年 4月 14 日号)

米国の対中貿易赤字削減

は、特に日本・韓国・台湾

に悪影響が波及

米国の対中貿易赤字削減による影響を見定める上では、米国の巨額の対

中赤字が、実質的には中国だけでなく、アジア地域に広がるサプライチェ

ーン全体に対する赤字であることを認識すべきだ。実際の貿易構造を見る

と、日本・韓国・台湾などで生産された部品が一度中国に輸出され、中国

で最終製品として組み立てられた上で、米国などの最終消費地に輸出され

ている。よって、米国の対中赤字には、実質的には、対日本・対韓国・対

台湾の赤字が含まれていると言えよう。こうした中国の組立工程を経由し

て米国に輸出される部品の金額を、米国の部品生産国に対する貿易赤字と

して分類する OECDの付加価値貿易指標を用いて確認すると(図表 3)、2011

年の米国の対中貿易赤字額は、通常の貿易統計の 2/3 程度に縮小する。一

方で、日本・韓国・台湾に対する赤字は増加する。

この結果から明らかなように、米国の対中貿易赤字が削減されれば、日

本・韓国・台湾などを中心に、世界経済全体へ波及効果が及ぶと考えられ

る。実際、米国が中国からの輸入を減らすことで、対中赤字を半減させた

場合の世界経済への影響(生産波及効果)を、世界産業連関表(Timmer et

al.(2015))を用いて試算したのが図表 4 である。これを見ると、アジア

地域のサプライチェーンに組み込まれている日本・韓国・台湾で、特に電

子・光学機器(電子部品を含む)への生産下押しが大きいことがみてとれ

る。

どの手法が取られたとし

ても、米中貿易摩擦の早期

解決は困難

今後、米国が対中貿易赤字の削減を図るにあたって取りうる手段として

は、①「関税 45%」の賦課といった過激策や、②「国境調整」、③アンチダ

ンピングなどの伝統的手法の強化、④中国市場の開放などが考えられる。

しかし、どの手法が取られるにせよ、米中貿易摩擦は、アジア全域のサプ

ライチェーンが絡んでいる複雑な問題であり、そう簡単に解決できるもの

ではない。一方で取られる手段次第で他国への波及効果も大きく変わりう

るため、議論の状況を注意深く見守り続けなければならない。(宮嶋貴之)

※詳細は 2017年 4月 6日公表の「米中貿易摩擦は日本経済にどのような影響を及ぼすか」

をご覧下さい。

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170406.pdf

【 図表 3 米国の相手国別貿易赤字 】 【 図表 4 対中赤字半減による生産波及効果 】

▲2,753

▲552

▲286 ▲183▲99 ▲39

▲1,863▲1,794

▲314 ▲363 ▲396▲166 ▲150

▲2,593▲ 3,000

▲ 2,500

▲ 2,000

▲ 1,500

▲ 1,000

▲ 500

0

中国

メキシコ

ドイツ

日本

台湾

韓国

その他

通常の貿易統計ベース

付加価値貿易ベース(億ドル)

(注)2011年時点。

(資料)OECD"Trade in Value Added"より、みずほ総合研究所作成

▲ 11▲ 23 ▲ 26▲ 5

▲ 9 ▲ 7

▲ 5

▲ 23

▲ 26

▲ 10

▲ 22▲ 15

▲ 70

▲ 60

▲ 50

▲ 40

▲ 30

▲ 20

▲ 10

0

日本 韓国 台湾 米国 ドイツ

その他

汎用金属

化学製品

電子・光学機器

(億ドル)

(注)米国の対中赤字半減を、対中輸入の削減により達成した

場合の他国への生産波及効果。

(資料)WIODより、みずほ総合研究所作成

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 10

Ⅲ.参考資料

今週の主要経済指標

予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。

Rは改定値。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、

泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 今回実績 予想

景気動向指数(2月速報)

55.6%57.1%104.4115.5

N.A.N.A.

104.6115.5

80.0%75.0%104.9115.1

前月差前月比

4.5%+98千人+0.2%

4.7%+180千人

+0.2%RR

4.7%+219千人

+0.3%

4/10(月) 日 景気ウォッチャー調査(3月) 47.4 49.8 48.6

国際収支(2月速報)

+2兆8,136億円+18.2%

+1兆768億円+166.8%

+2兆5,129億円+5.6%

+9,817億円+143.2%

+655億円▲88.7%

▲8,534億円-

4/11(火) 日

4/12(水) 日前月比前年比

+1.5%+5.6%

+3.6%+2.5%

▲3.2%▲8.2%

国内企業物価指数(3月)前月比前年比

+0.2%+1.4%

+0.3%+1.4%

RR

+0.3%+1.1%

中 消費者物価指数(3月) 前年比 +0.9% +1.0% +0.8%

4/13(木) 日

マネーストック(3月速報)M2M3

広義流動性

前年比前年比前年比

+4.3%+3.6%+2.6%

+4.2%+3.6%

N.A.

+4.2%+3.6%+2.6%

中 貿易収支(3月) 米ドル +239億㌦ +125億㌦ ▲92億㌦

輸出総額(3月) 前年比 +16.4% +4.3% ▲1.3%

輸入総額(3月) 前年比 +20.3% +15.5% +38.1%

米前月比前月比

▲0.1%0.0%

0.0%+0.2%

+0.3%+0.3%

234千人 245千人 R 235千人

前回実績経 済 指 標 等

雇用統計(3月) 失業率 非農業部門雇用者数 時間当たり賃金(全従業員ベース)

現状判断DI

経常収支(前年比)

貿易収支(前年比)

30年利付国債入札:最高利回り 0.797%、 平均利回り 0.795%、 入札倍率 3.08倍

生産者物価指数(3月) [食品・エネルギーを除く]

失業保険新規申請件数(~4/8)

金融政策決定会合

4/7(金)先行DI一致DI先行CI一致CI

3年国債入札:最高利回り 1.525%、 平均利回り 1.460%、 入札倍率 2.62倍

イエレンFRB議長講演(ミシガン)

10年物価連動国債入札:最高利回り ▲0.385%、 入札倍率 3.64倍

10年国債入札:最高利回り 2.332%、 平均利回り 2.260%、 入札倍率 2.48倍

機械受注(2月)  [船舶・電力を除く民需]

金融政策決定会合(11・12日)

30年国債入札:最高利回り 2.938%、 平均利回り 2.861%、 入札倍率 2.23倍

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 11

来週の主要経済指標

予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg等)。予定は変更になる可能性があります。

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、

泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア

日 付 予 想 前 回 前々回

4/14(金) 米 小売売上高(3月) 前月比 [▲0.1%] +0.1% +0.6%

前月比前月比

[+0.1%][+0.2%]

+0.1%+0.2%

+0.6%+0.3%

[96.3] 96.9 96.3

4/16(日) 日

4/17(月) 中鉱工業生産(3月)

前年比 +6.3%1~2月

+6.3%12月

+6.0%

実質GDP(1~3月期)前年比 +6.8%

10~12月期+6.8%

7~9月期+6.7%

米 [+14.0] +16.4 +18.7

4/18(火) 日

米鉱工業生産指数(3月)設備稼働率(3月)

前月比 [+0.2%]76.2%

+0.1%75.9%

▲0.1%75.9%

住宅着工件数(3月)住宅着工許可件数(3月)

年率年率

[123.0万件][124.0万件]

128.8万件121.6万件

125.1万件129.3万件

4/19(水) 米

4/20(木) 日

貿易統計(3月)

通関収支

輸出輸入

原数値前年比前年比前年比

[+2,491億円][▲66.6%][+3.2%]

[+12.3%]

+8,135億円+245.5%+11.3%+1.2%

▲1兆919億円-

+1.3%+8.4%

内閣府月例経済報告(4月)

米 [+25.0] +32.8 +43.3

[240千人] 234千人 235千人

4/21(金)

日 第3次産業活動指数(2月) 前月比 [+0.3%] 0.0% ▲0.3%

米 中古住宅販売件数(3月) 年率 [550万件] 548万件 569万件

欧 56.4 56.4 56.0

経 済 指 標 等

消費者物価指数(3月) [食品・エネルギーを除く]

ミシガン大消費者信頼感指数(4月速報)

黒田日銀総裁挨拶(第92回信託大会)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(4月)

5年利付国債入札

ベージュブック(地区連銀経済報告)

20年利付国債入札

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4月)

失業保険新規申請件数(~4/15)

金融政策決定会合(19・20日)

G20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議、ワシントンD.C.(アメリカ))(20・21日)

ユーロ圏合成PMI(4月速報)

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 12

4月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 1

2 2

3 日銀短観(3月調査)

新車販売台数(3月)

3 米 製造業ISM指数(3月)

4 10年利付国債入札 4 米 貿易収支(2月)

製造業新規受注(2月)

5 5 米 非製造業ISM指数(3月)

FOMC議事録(3/14・15)

6 消費動向調査(3月) 6

7 毎月勤労統計(2月速報)

景気動向指数(2月速報)

7 米 雇用統計(3月)

8 8

9 9

10 景気ウォッチャー調査(3月)

国際収支(2月速報)

10 米 イエレンFRB議長講演(ミシガン)

3年国債入札

11 10年物価連動国債入札 11 米 10年国債入札

12 機械受注統計(2月)

企業物価指数(3月)

12 米 連邦財政収支(3月)

30年国債入札

13 マネーストック(3月速報)

30年利付国債入札

13 米 PPI(3月)

14 14 米 小売売上高(3月)

CPI(3月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(4月速報)

15 15

16 16

17 17 米 ネット対米証券投資(2月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(4月)

18 5年利付国債入札 18 米 鉱工業生産・設備稼働率(3月)

住宅着工・許可件数(3月)

19 19 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

20 貿易統計(3月)

内閣府月例経済報告(4月)

20年利付国債入札

20 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4月)

景気先行指数(3月)

21 第 3次産業活動指数(2月) 21 米 中古住宅販売件数(3月)

22 22

23 23

24 24 独 ifo景況感指数(4月)

25 25 米 新築住宅販売件数(3月),2年国債入札

S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20都市・2月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(4月)

26 全産業活動指数(2月) 26 米 5年国債入札

27 日銀金融政策決定会合(26・27日)

日銀総裁定例記者会見

日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

27 欧

ECB政策理事会

耐久財受注(3月)

7年国債入札

28 鉱工業生産(3月速報)

家計調査(3月)

労働力調査(3月)

住宅着工統計(3月)

商業動態統計(3月速報)

2年利付国債入札

28 米 GDP(1~3月期速報)

ミシガン大学消費者信頼感指数(4月確報)

シカゴPMI指数(4月)

雇用コスト指数(1~3月期)

29 昭和の日(日本休場) 29

30 30

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 13

5月のスケジュール

国 内 米 国 他 1 新車販売台数(4月)

1 米 製造業ISM指数(4月)

個人所得・消費支出(3月)

2 日銀金融政策決定会合議事要旨(3/15・16分) 2

3 憲法記念日(日本休場) 3 米 FOMC(2・3日)

非製造業ISM指数(4月)

4 みどりの日(日本休場) 4 米 貿易収支(3月)

労働生産性(1~3月期暫定)

製造業新規受注(3月)

5 こどもの日(日本休場) 5 米 雇用統計(4月)

6 6

7 7

8 消費動向調査(4月) 8

9 10年利付国債入札

毎月勤労統計(3月速報)

9 米 3年国債入札

10 日銀金融政策決定会合における主な意見(4/26・27分)

景気動向指数(3月速報)

10 米 連邦財政収支(4月)

10年国債入札

11 景気ウォッチャー調査(4月)

国際収支(3月速報)

30年利付国債入札

11 英

英中銀金融政策委員会(10・11日)

PPI(4月)

30年国債入札

12 マネーストック(4月速報) 12 米 小売売上高(4月)

CPI(4月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(5月速報)

13 13 G7(財務大臣・中央銀行総裁会議、バーリ(イタリア))(11・

13日)

14 14

15 企業物価指数(4月) 15 米 ネット対米証券投資(3月)

ニューヨーク連銀製造業業況指数(5月)

16 第 3次産業活動指数(3月)

5年利付国債入札

16 米 鉱工業生産・設備稼働率(4月)

住宅着工・許可件数(4月)

17 機械受注統計(3月) 17

18 GDP(1~3月期 1次速報)

20年利付国債入札

18 米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5月)

景気先行指数(4月)

19 19

20 20

21 21

22 貿易統計(4月) 22

23 全産業活動指数(3月) 23 米

新築住宅販売件数(4月),2年国債入札

ifo景況感指数(5月)

24 24 米 FOMC議事録(5/2・3),中古住宅販売件数(4月)

5年国債入札

25 40年利付国債入札 25 米 7年国債入札

26 26 米 耐久財受注(4月),GDP(1~3月期暫定)

企業収益(1~3月期暫定)

ミシガン大学消費者信頼感指数(5月確報)

27 27 G7(サミット、タオルミーナ(イタリア))(26・27日)

28 28

29 29 米 メモリアルデー(米国休場)

30 商業動態統計(4月速報)

2年利付国債入札

家計調査(4月)

労働力調査(4月)

30 米 個人所得・消費支出(4月)

S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20都市・3月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(5月)

31 鉱工業生産(4月速報)

住宅着工統計(4月)

31 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)

シカゴPMI指数(5月)

*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕

日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 14

四半期スケジュール 6月 7月 8月

日 本 1 法人企業統計調査(1~3月期) 新車販売台数(5月) 10年利付国債入札

2 消費動向調査(5月) 6 毎月勤労統計(4月速報) 30年利付国債入札

7 景気動向指数(4月速報) 8 景気ウォッチャー調査(5月) 国際収支(4月速報)

GDP(1~3月期 2次速報) 5年利付国債入札 9 マネーストック(5月速報)

第 3次産業活動指数(4月) 12 企業物価指数(5月) 機械受注統計(4月)

13 法人企業景気予測調査(4~6月期) 20年利付国債入札 16 日銀金融政策決定会合(15・16日)

日銀総裁定例記者会見 19 貿易統計(5月) 21 全産業活動指数(4月)

27 資金循環統計(1~3月期速報) 2年利付国債入札 29 商業動態統計(5月速報)

30 鉱工業生産(5月速報) 家計調査(5月) 労働力調査(5月)

3 消費動向調査(6月) 日銀短観(6月調査) 新車販売台数(6月)

7 景気動向指数(5月速報) 毎月勤労統計(5月速報) 10 景気ウォッチャー調査(6月)

機械受注統計(5月) 国際収支(5月速報) 11 マネーストック(6月速報)

12 第 3次産業活動指数(5月) 企業物価指数(6月) 20 日銀金融政策決定会合(19・20日)

日銀総裁定例記者会見 日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)

全産業活動指数(5月)

貿易統計(6月) 28 商業動態統計(6月速報) 家計調査(6月)

労働力調査(6月) 31 鉱工業生産(6月速報)

1 新車販売台数(7月) 2 消費動向調査(7月) 4 毎月勤労統計(6月速報)

7 景気動向指数(6月速報) 8 景気ウォッチャー調査(7月) 国際収支(6月速報)

9 マネーストック(7月速報) 10 第 3次産業活動指数(6月) 企業物価指数(7月)

機械受注統計(6月) 14 GDP(4~6月期 1次速報) 17 貿易統計(7月)

21 全産業活動指数(6月) 29 家計調査(7月) 労働力調査(7月)

30 商業動態統計(7月速報) 31 鉱工業生産(7月速報)

米 国 1 製造業ISM指数(5月) 労働生産性(1~3月期改訂) 2 貿易収支(4月)

雇用統計(5月) 5 非製造業ISM指数(5月) 12 連邦財政収支(5月)

3年国債入札 10年国債入札 13 PPI(5月)

30年国債入札 14 FOMC(13・14日) 小売売上高(5月)

CPI(5月) 15 鉱工業生産・設備稼働率(5月) ニューヨーク連銀製造業業況指数(6月)

フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6月) 16 住宅着工・許可件数(5月) ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報)

20 経常収支(1~3月期) 21 中古住宅販売件数(5月) 22 景気先行指数(5月)

23 新築住宅販売件数(5月) 26 耐久財受注(5月) 2年国債入札

27 S&P/コアロジック CS住宅価格指数 (20都市・4月)

カンファレンスボード消費者信頼感指数(6月)

5年国債入札 28 7年国債入札 29 GDP(1~3月期確定)

企業収益(1~3月期改訂) 30 個人所得・消費支出(5月) シカゴPMI指数(6月)

3 製造業ISM指数(6月) 5 FOMC議事録(6/13・14) 6 非製造業ISM指数(6月)

貿易収支(5月) 7 雇用統計(6月) 11 3年国債入札

12 ベージュブック(地区連銀経済報告) 10年国債入札 13 連邦財政収支(6月)

PPI(6月) 30年国債入札 14 鉱工業生産・設備稼働率(6月)

ミシガン大学消費者信頼感指数(7月速報) 小売売上高(6月) CPI(6月)

17 ニューヨーク連銀製造業業況指数(7月) 19 住宅着工・許可件数(6月) 20 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7月)

景気先行指数(6月) 24 中古住宅販売件数(6月) 25 S&P/コアロジック CS住宅価格指数

(20都市・5月) カンファレンスボード消費者信頼感指数(7月) 2年国債入札

26 FOMC(25・26日) 新築住宅販売件数(6月) 5年国債入札

27 耐久財受注(6月) 7年国債入札 28 GDP(4~6月期速報)

雇用コスト指数(4~6月期) 31 シカゴPMI指数(7月)

1 製造業ISM指数(7月) 個人所得・消費支出(6月) 3 非製造業ISM指数(7月)

4 貿易収支(6月) 雇用統計(7月) 9 労働生産性(4~6月期暫定)

10 連邦財政収支(7月) PPI(7月) 11 CPI(7月)

15 ニューヨーク連銀製造業業況指数(8月) 小売売上高(7月) 16 FOMC議事録(7/25・26)

住宅着工・許可件数(7月) 17 鉱工業生産・設備稼働率(7月) フィラデルフィア連銀製造業業況指数(8月)

景気先行指数(7月) 18 ミシガン大学消費者信頼感指数(8月速報) 23 新築住宅販売件数(7月)

24 中古住宅販売件数(7月) 25 耐久財受注(7月) 29 S&P/コアロジック CS住宅価格指数

(20都市・6月) 29 カンファレンスボード消費者信頼感指数(8月) 30 GDP(4~6月期暫定)

企業収益(4~6月期暫定) 31 個人所得・消費支出(7月) シカゴPMI指数(8月)

欧 州 8 ECB政策理事会 15 英中銀金融政策委員会(14・15日)

20 ECB政策理事会 3 英中銀金融政策委員会(2・3日)

*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 15

今週の金融市場の動き

(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。

東京市場の発行日表示値は終値もしくは 11:30時点値。

米国 10年債、米金利スワップ 10年物は Bloombergの終値。

日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。

TIBORは全銀協発表のユーロ円 TIBOR平均値。

新発 10年国債は日本相互証券発表の気配値。

金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3ヵ月金利先物。

独・英 10年国債は Bloombergの提示する終値。

為替は NY時間終値(発行日のみ東京時間 11:30時点、出所:Bloomberg)。

[海外金利]4/6 4/7 4/10 4/11 4/12 4/13 4/14 前週末比

ドルLIBOR 3M(%) 1.15539 1.15761 1.15567 1.15511 1.15844 1.15844 0.00083

ユーロドル金先(Dec17) 98.470 98.455 98.480 98.520 98.515 98.535 0.080

米国債(10年、%) 2.341 2.382 2.366 2.296 2.239 2.237 ▲ 0.145

スワップ金利(10年、%) 2.319 2.356 2.331 2.257 2.204 2.209 ▲ 0.147

独国債(10年、%) 0.263 0.228 0.207 0.204 0.198 0.187 ▲ 0.041

英国債(10年、%) 1.099 1.075 1.077 1.053 1.050 1.043 ▲ 0.032

[内外株式]4/6 4/7 4/10 4/11 4/12 4/13 4/14 前週末比

ダウ平均(㌦) 20,662.95 20,656.10 20,658.02 20,651.30 20,591.86 20,453.25 ▲ 202.85

S&P500指数 2,357.49 2,355.54 2,357.16 2,353.78 2,344.93 2,328.95 ▲ 26.59

NASDAQ総合指数 5,878.95 5,877.81 5,880.93 5,866.77 5,836.16 5,805.15 ▲ 72.66

日経平均(円) 18,597.06 18,664.63 18,797.88 18,747.87 18,552.61 18,426.84 18,364.68 ▲ 299.95

TOPIX(Pt.) 1,480.18 1,489.77 1,499.65 1,495.10 1,479.54 1,468.31 1,460.89 ▲ 28.88

出来高(百万株) 2,068.31 2,401.46 1,732.35 1,691.18 1,924.08 1,958.68 - -

売買代金(億円) 24,589.15 27,654.70 19,299.63 18,634.75 22,136.17 22,590.13 - -

日経JASDAQ平均(円) 2,907.91 2,915.83 2,930.05 2,910.39 2,860.36 2,858.12 2,853.73 ▲ 62.10

[円金利]4/6 4/7 4/10 4/11 4/12 4/13 4/14 前週末比

TIBOR 3カ月(%) 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.05600 0.00000

ユーロ円金先(Sep17) 99.960 99.955 99.955 99.960 99.970 99.965 99.970 0.015

新発国債(10年、%) 0.060 0.050 0.050 0.040 0.020 0.020 0.025 ▲ 0.025

長国先物(Jun17) 150.42 150.60 150.56 150.68 150.90 150.91 150.98 0.380

スワップ金利(5年、%) 0.095 0.089 0.086 0.079 0.069 0.068 0.065 ▲ 0.024

[為替]4/6 4/7 4/10 4/11 4/12 4/13 4/14 前週末比

円/$ 110.81 111.09 110.94 109.62 109.03 109.09 109.18 ▲ 1.91

$/EUR 1.0644 1.0591 1.0596 1.0605 1.0665 1.0613 1.0620 0.0029

円/EUR 117.95 117.65 117.56 116.24 116.27 115.78 115.94 ▲ 1.71

金融市場ウィークリー(2017年 4月 14日号) 16

最新リポート一覧

<みずほインサイト>

2017年 4月 13日 2017年夏季ボーナス予測~一人当たり支給額が鈍化も、支給総額は高めの伸び~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170413.pdf

2017年 4月 12日 米国債の需給動向に変化の兆し~米国内需要増の一方、米国外からの需要が減少~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/mk170412.pdf

2017年 4月 11日 国民投票後のトルコ情勢を読む~エルドアン大統領は構造改革に舵を切れるか~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eg170411.pdf

2017年 4月 11日 底打ちしたロシア経済~慎重な金融財政政策により景気回復ペースは緩慢~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu170411.pdf

<内外経済見通し>

2017年 3月 8日 2016・17・18 年度 内外経済見通し(2016年 10~12月期 GDP2次速報後改訂)

~企業部門を中心とした日本経済の回復が鮮明に~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170308.pdf

2017年 2月 14日 2016・17・18年度 内外経済見通し

~世界経済は拡大基調へ、米国政策や欧州政治が波乱要因~

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_170214.pdf

2016年 5月 10日 MIZUHO Research & Analysis no.1

特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~

https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf

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