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三菱日立パワーシステムズ高砂工場 実証設備複合サイクル発電所更新計画 事後監視調査結果報告書 (2018年度) 2018年4月~2019年3月調査) 2019年7月 三菱日立パワーシステムズ株式会社

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三菱日立パワーシステムズ高砂工場

実証設備複合サイクル発電所更新計画

事後監視調査結果報告書

(2018年度)

(2018年4月~2019年3月調査)

2019年7月

三菱日立パワーシステムズ株式会社

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はじめに

「環境影響評価に関する条例」(平成9年兵庫県条例第6号)第 30 条の規定に基づき作成

した、「三菱日立パワーシステムズ高砂工場実証設備複合サイクル発電所更新計画 環境影響

評価書」(三菱日立パワーシステムズ株式会社、平成 26 年 12 月)(以下「評価書」という。)

に係る「三菱日立パワーシステムズ高砂工場実証設備複合サイクル発電所更新計画 事後監視

調査計画書」(三菱日立パワーシステムズ株式会社、平成 29 年6月)(以下「計画書」とい

う。)に従って、平成 29(2017)年 10 月の工事着工以降、事後監視調査を実施してきた。

本報告書は、平成 30(2018)年度(2018 年4月~2019 年3月)に実施した事後監視調査の

結果についてとりまとめたものである。

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目 次

1.事業者の名称及び住所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.対象事業の目的及び内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1~4

2.1 対象事業の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.2 対象事業の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1~4

2.2.1 特定対象事業の名称 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.2.2 特定対象事業の規模 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2.2.3 特定対象事業により変更される発電所の出力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2.2.4 対象事業実施区域 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2~3

2.2.5 工事期間及び工事工程、工事の実施に係る工法に関する事項 ・・・・・・・・・・・・・・ 4

2.2.6 環境影響評価の項目の選定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

3.事後監視調査項目及び調査方法の選定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

4.調査結果報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6~28

4.1 対象事業等の工事の進行状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6~12

4.2 工事関係車両等の運行状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13~17

4.3 仮設防音壁の設置状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18~20

4.4 水環境の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21~23

4.5 重要な動物(鳥類)の繁殖状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

4.6 重要な植物の生育状況及び生育環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25~26

4.7 産業廃棄物の発生量、処分量、処分方法等の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

5.事後監視調査の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

5.1 事後監視調査の業務フロー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

5.2 事後監視調査の業務体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

6.原因の究明及び環境の保全と創造について、さらに講ずべき措置の実施 ・・・・・・・・・・・・ 28

7.その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28

別添:(2017 年度)兵庫県環境影響評価審査会総会における質疑回答

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1. 事業者の名称及び主たる事務所の所在地

事業者の名称 : 三菱日立パワーシステムズ株式会社 主たる事務所の所在地 : 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 2. 対象事業の目的及び内容

2.1 対象事業の目的

三菱重工業株式会社(以下「三菱重工」という。)と株式会社日立製作所(以下「日立」という。)は、

平成 26年2月1日、両社の火力発電システムを主体とする事業を統合し、新たに発足した三菱日立パワ

ーシステムズ株式会社(以下「当社」という。)へ事業の承継を行った。これに伴い、環境影響評価の対

象事業は三菱重工から当社へ承継されるとともに、既設実証設備を表わす発電所名称も、「三菱高砂製作

所実証設備複合サイクル発電所」から「三菱日立パワーシステムズ高砂工場実証設備複合サイクル発電

所」(以下「実証設備」という。)へと変更された。

当社の母体である三菱重工では、平成9(1997)年、高砂製作所構内(現在の当社高砂工場内)にお

いて、当時最新鋭の燃焼ガス温度 1,500℃級ガスタービン(G形ガスタービン)、蒸気タービン及び付属

設備からなる「三菱高砂製作所実証設備複合サイクル発電所」の実証試験運転を開始し、省エネルギー・

低公害化の社会的ニーズに応えるべく、高効率のコンバインドサイクル発電設備の技術開発に役立てて

きた。さらに、平成 22(2010)年、世界最高効率を目指して新たに開発された燃焼ガス温度 1,600℃級

新形ガスタービン(J形ガスタービン)に換装し、順調に実証試験運転を継続中である。

一方、昨今、海外においては主に発展途上国における急速なエネルギー消費量の増加、国内において

は原子力発電所の停止に伴う火力発電設備の稼働率の増加が顕著であり、温室効果ガスの排出量の増加

に伴う地球温暖化の懸念及び化石燃料の供給不安がクローズアップされており、温室効果ガスの排出量

削減及び燃料量の削減の観点から、さらなる高効率の発電設備の開発が求められている。

このような背景のもと、三菱重工から火力発電システム事業を引き継いだ当社では、現在、さらに高

効率のコンバインドサイクル発電設備を実現するために、その中心機器として、燃焼ガス温度 1,650℃

級次世代ガスタービンの開発を計画している。しかしながら、新たに開発するガスタービンの実証試験

運転を行うには、既存の発電機、主変圧器、蒸気タービン、排熱回収蒸気発生器(HRSG)、空冷復水

器等の主要機器を、ガスタービンの仕様に合うように更新する必要があるため、燃焼ガス温度 1,650℃

級次世代ガスタービンの開発時期及び仕様に合わせて、既設の実証設備(第1号発電設備)を更新(第

2号発電設備へリプレース)することを計画するに至ったものである。

なお、既設の第1号発電設備は、第2号発電設備完成時点で廃止するが、既設設備の一部は第2号発

電設備用に流用して有効活用する計画である。

実証試験運転開始時期は、令和2(2020)年7月頃を見込んでいる。

2.2 対象事業者の内容

2.2.1 特定対象事業の名称

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2.2.2 特定対象事業により変更される発電所の原動力の種類

ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式)

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2.2.3 特定対象事業により変更される発電所の出力

既設の実証設備(38.9万 kW)を廃止し、新たな実証設備(56.6万 kW)に変更する。

2.2.4 対象事業実施区域

所在地 : 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号

対象事業実施区域面積 : 約9万m2

(当社及び三菱重工敷地(工場区域)内、敷地面積:約 114万m2)

対象事業実施区域の位置及びその周辺の状況は第2-1図、対象の実証設備の配置計画の概要は

第2-2図の通りである。

第2-1図 対象事業実施区域の位置及び周辺の状況

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第2-2図 実証設備の配置計画の概要

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2.2.5 工事期間及び工事工程、工事の実施に係る工法に関する事項

主要な工事の工程は第2-1表、工事の規模と方法は第2-2表のとおりである。

(1)工事期間

工事開始時期 :平成 29(2017)年 10月

実証試験開始時期:令和 2 (2020)年 7月(予定)

(2)工事工程

主要な工事として、土質改良工事、土木建築工事、機械装置据付工事があり、工事の完了後に

試運転を行う。

なお、既存の敷地や排水設備等の既設設備を有効活用する計画であることから、地形改変及び

埋立等の海域工事は実施しない。

第2-1表 主要な工事の工程

工事開始後の年数 1 2 3

工事開始後の月数 6 12 18 24 30

全体工程

土質改良工事

土木建築工事 機械装置据付工事

試運転

(3)主要な工事の方法及び規模

主要な工事の方法及び規模は第2-2表のとおりである。

第2-2表 主要な工事の工程

主要な工事 工事の規模 工事の方法

土質改良工事 主要機器エリアの地盤改良 (地盤改良面積:約3万 m2)

液状化対策を目的として実施する。工事は、地盤中に締め固め

た砂杭を造成し、砂地盤の密度増大を図る砂圧入工法により行

う 。 砂 圧 入 工 法 は S A V E 工 法 ( Silent, Advanced Vibration-Erasing)と呼ばれ、低振動・低騒音での施工が可能

であり周辺環境への影響が少ない工法である。

土木建築工事

タービン建屋基礎及び鉄骨建

方、排熱回収蒸気発生器(HR

SG)基礎、空冷復水器基礎、

変圧器基礎 (掘削:約5万 m2)

機器基礎、主要機器及び補機等の機械装置や電気品を収納する

建屋とその基礎並びに道路、舗装、排水等の外構構造物を構築

する工事である。

機械装置据付工事

ガスタービン:1基 蒸気タービン:1基 発電機:1基

ガスタービン、蒸気タービン等の主要機器の搬入、据付後、付

属品、配管の取付を行う。 また、電気品の搬入、据付後、電気配線工事等を行う。

排熱回収蒸気発生器 (HRSG):1基

排熱回収蒸気発生器(HRSG)、付属設備を搬入、本体の組立

及び据付後、付属品、配管の取付を行う。 また、電気品の搬入、据付後、電気配線工事等を行う。

工事開始 実証試験開始

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2.2.6 環境影響評価の項目の選定

対象事業に係る環境影響評価の項目は第2-3表のとおりである。

第2-3表 環境影響評価の項目の選定

影響要因の区分

環境要素の区分

工事の実施 土地又は工作物の存在及び供用

工事用資材等の搬出入

建設機械の稼働

造成等の施工による一時的な影響

地形改変及び施設の存在

施設の稼働

資材等の搬出入

廃棄物の発生

排ガス

排水

温排水

機械等の稼働

環境の自然的構成 要素の良好な状態 の保持を旨として 調査、予測及び 評価されるべき 環境要素

大気環境

大気質

硫黄酸化物 ○ 窒素酸化物 ○ ○ ○ ○ 浮遊粒子状物質 ○ ○ ○ 石炭粉じん 粉じん等 ○ ○ ○

騒音 騒音 ○ ○ ○ ○ 振動 振動 ○ ○ ○ ○ その他 低周波音 ○

水環境 水質

水の汚れ ○ 富栄養化 ○ 水の濁り ○ 水温

底質 有害物質 その他 流向及び流速

その他の 環境

地形及び 地質 重要な地形及び地質

生物の多様性の確

保及び自然環境の

体系的保全を旨と して調査、予測及 び評価されるべき 環境要素

動物

重要な種及び注目すべき生息

地(海域に生息するものを除

く。) ○ ○

海域に生息する動物

植物 重要な種及び重要な群落(海域

に生育するものを除く。) ○ ○

海域に生育する植物 生態系 地域を特徴づける生態系

人と自然との豊か

な触れ合いの確保 を旨として調査、

予測及び評価され るべき環境要素

景観 主要な眺望点及び景観資源並

びに主要な眺望景観 ○

人と自然との触れ合

いの活動の場 主要な人と自然との 触れ合いの活動の場 ○ ○

環境への負荷の量 の程度により予測 及び評価される べき環境要素

廃棄物等 産業廃棄物 ○ ○ 残土 ○

温室効果ガス等 二酸化炭素 ○ 注:1. は、発電所アセス省令の参考項目を示す。 2.○ は、環境影響評価項目として選定した項目を示す。

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3. 事後監視調査項目及び調査方法の選定

「対象事業等の実施等の状況及び環境保全措置の実施状況」(以下「環境保全措置等実施状況」という。)

及び「予測及び評価を行った環境要素のうち特に事後監視調査が必要と考えられるもの」の調査項目に

ついては、第3-1表のとおりである。

第3-1表 環境保全措置等実施状況の調査項目(年度毎)

年度

調査項目

2017

年度

2018

年度

2019

年度

2020

年度

2021

年度

2022

年度

対象事業等の工事の進行状況 済 ☑ □ □

工事関係車両等の運行状況 済 ☑ □ □

仮設防音壁の設置状況 済 ☑ □ □

防音壁の設置状況(低周波音) □ □ □

大気環境の状況 (△) (△) (△)

水環境の状況 済 ☑ □ □ (△) (△)

重要な動物(鳥類)の繁殖状況 済 □ □ □

重要な植物の生育状況及び生育環境 済 ☑ □ □ (□) (□)

侵略的外来植物の除去等 済

産業廃棄物の発生量、処分量、処分

方法等の状況 済 ☑ □ □ □ □

□・・・計画書記載の調査項目 △・・・環境保全協定書等記載の調査項目

☑・・・今回報告対象の調査項目

なお、重要な動物(鳥類)の繁殖状況については、対象事業実施区域及びその周辺における工事が本格化して おり、イソシギやコアジサシが繁殖行動及び営巣活動を行う裸地が大幅に減少していること、ミサゴの主な 採餌場所である西港周辺の環境は特に変化しないと判断したことから、2018 年度の調査は実施しなかった。

4. 調査結果報告 4.1 対象事業等の工事の進行状況

第4-1表のとおり、2018 年 3月より、土木建築工事を着工し、タービン建屋や排熱回収蒸気発生器、

空冷復水器等に必要な杭打ち工事(杭総本数 1,284本)を開始し、2018年 9月下旬に完了した。

一方、2018 年 4月より杭打ち工事に並行して掘削、配筋、コンクリート打設等工事を開始し、2019年 3

月末の実績でコンクリート打設工事の約 97%を完了している。

2019年 1月より機械装置据付工事を開始し、工事継続中である。

2018年 4月から 2019 年 3月までの月毎の進捗状況は次頁のとおりである。

今回の報告対象期間

第4-1表 工事工程表

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(1) 2018年 4月の状況

杭打ち機4台にて杭打ち工事中、4月中旬で約 50%の杭打ち完了。

(2) 2018年 5月の状況

杭打ち機を 1台減らして 3台にて施工中、5月中旬で約 75%の杭打ち完了。

基礎工事を空冷復水器(写真向かって右側 以降 ACC*1という)から開始。

*1:Air Cooled Condenser の略

ACC

(既設設備から撮影)

(既設設備から撮影)

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(3) 2018年 6月の状況

杭打ち機を 2台減らして 1台にて施工中。6月中旬で約 77%の杭打ち完了。

ACC 基礎工事を継続中。ACC 用防音壁については基礎工事完了。ACCドレンピットの掘削ならびにピ

ットの基礎工事を実施中。

排熱回収蒸気発生器(写真向かって左側 以降 HRSG*2という)については、掘削作業を実施中。

*2:Heat Recovery Steam Generatorの略

(4) 2018年 7月の状況

杭打ち機 1台にて杭打ち施工中。ACCでは基礎工事継続中。ACCドレンピット基礎工事完了。

所内冷却水冷却器および HRSGにて基礎工事を開始。

ACC HRSG

ACC ドレンピット

ACC 用防音壁

HRSG ACC

ACC ドレンピット

所内冷却水冷却器

ACC 用防音壁

(既設設備から撮影)

(既設設備から撮影)

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(5) 2018年 8月の状況

杭打ち機を 1台にて施工中。8月中旬で約 83%の杭打ち完了。

ACC では基礎工事継続中。所内冷却水冷却器では基礎工事完了。HRSGでは基礎工事を継続中。

(6) 2018年 9月の状況

杭打ち工事はほぼ完了。ACC では基礎工事を継続中。

HRSGでは基礎工事をほぼ完了し、ケーブル管路の掘削工事を開始。

タービン建屋では基礎工事を開始。

HRSG

所内冷却水冷却器

タービン建屋

ACC

タービン電気パッケージ

ACC 用防音壁

(既設設備から撮影)

HRSG ACC タービン建屋

所内冷却水冷却器

ACC 用防音壁

(既設設備から撮影)

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(7) 2018年 10月の状況

杭打ち工事は 1284本全ての杭打込み作業を完了。

ACC、タービン建屋では基礎工事を継続中。

燃料ガス圧縮機(以降ガスコンという)およびタービン電気パッケージでは基礎工事を開始。

(8) 2018年 11月の状況

HRSGでは大型クレーン用の地耐力強化工事を HRSG西側にて開始・施工中。

タービン建屋では主機基礎架台を残し基礎工事完了し、鉄骨の建て方を開始。

ガスコンの基礎工事完了。タービン電気パッケージでは基礎工事継続中。

所内冷却水冷却器

ACC

タービン電気パッケージ

タービン建屋

HRSG

ガスコン

タービン電気パッケージ

ガスコン

ACC

HRSG

タービン建屋

所内冷却水冷却器

ACC 用防音壁

ACC 用防音壁

(無人航空機(ドローン)による空撮)

(無人航空機(ドローン)による空撮)

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(9) 2018年 12月の状況

コンクリート打設工事は全体の約 88%完了。タービン建屋では鉄骨の建て方を継続中。

タービン電気パッケージでは基礎工事を完了。HRSGでは大型クレーンの設置完了。

ガスコンにて燃料ガス圧縮機・電気パッケージ等の機器据付を完了。

(10) 2019年 1月の状況

コンクリート打設工事は全体の約 90%完了。

タービン建屋では鉄骨の建て方を継続中。ACC、HRSGにて鉄骨の建て方を開始。

ACC

タービン電気パッケージ

HRSG

タービン建屋

大型クレーン(750t)

ガスコン

タービン電気パッケージ

HRSG

ACC

大型クレーン(750t)

タービン建屋

ガスコン

(無人航空機(ドローン)による空撮)

(無人航空機(ドローン)による空撮)

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(11) 2019年 2月の状況 (既設設備から撮影)

コンクリート打設工事は全体の約 95%完了。

タービン建屋では鉄骨建て方をほぼ完了し、引き続き壁工事を実施中。

ACC および HRSG においては鉄骨建て方を継続中。

(12) 2019年 3月の状況

コンクリート打設工事は全体の約 97%完了。

タービン建屋では屋根・壁工事をほぼ完了し、天井クレーンの落成検査を終了。

ACC では鉄骨建て方を継続中、機器据付工事を開始。HRSGでは鉄骨建て方を継続中。

タービン電気パッケージでは据付工事を完了。

タービン建屋

ACC

ガスコン

HRSG

(既設設備から撮影)

HRSG

タービン建屋

ACC

ガスコン

タービン電気パッケージ

(無人航空機(ドローン)による空撮)

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4.2 工事関係車両等の運行状況

(1) 工事関係車両等の主要交通ルート

第4-1図のとおり、工事関係車両は、第4主要な交通ルートである市道沖浜・荒井幹線(北ルート)

と市道宮前幹線(東ルート)に分散することで、特定の交通ルートへの工事関係車両の集中を低減して

いる。

なお、工事関係車両は市民生活道路へ進入しないことを、元請業者及び各パートナー業者へ周知徹底

している。

また、工場周辺の渋滞対策として昨年度から継続している工事関係車両への専用IDカードの配布によ

る入門手続き時の待機時間解消、工事(土木建築工事、機械装置据付工事)毎の開始時間差の設定、入

構箇所(南門、西門)の分散化を行っている。

第4-1図 工事中における主要な交通ルート

南門

正門 西門

北ルート(南門)

東ルート(南門)

正門・西門ルート

※点線は弊社構内を示す

(注)原則、復路も同じ経路を通行します。

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(2) 工事用資材等の搬出入に伴う騒音振動調査結果

工事用資材等の搬出入に伴う騒音振動調査として、第4-2図のとおり、予測調査地点については

交通 1、2とし、また実測調査地点については環境 1,2とした。

第4-2図 騒音・振動・低周波音・道路交通量等調査地点の位置

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(3) 計画の一部見直し

環境アセスメント評価書記載の予測評価に用いた工事関係車両等(大型車)交通量については、土木建

築工事中のコンクリートミキサー車の台数がピストン輸送を含んだ 1 日の延べ台数ではなく、使用車

両台数を使用しており、また機械装置据付工事中の建設機械の搬入時ピーク台数も平準化されている

ことが判明したので、正しい交通量で周辺環境の影響を再シミュレーションし、修正後の予測騒音レ

ベル及び予測振動レベルで、再評価を実施した。

修正後の予測騒音レベルは第4-2表、予測振動レベルは第4-3表のとおりであり、同時に工事期間

中のピーク月についても、第4-4表のとおり、予測騒音ピーク月が工事開始 18カ月目から 10カ月目、

予測振動ピーク月が工事開始 12 カ月目から 10カ月目に前倒しとなっている。

上記内容については、2018年 4月に兵庫県並びに高砂市へ報告済みである。

第4-2表 工事用資材等の搬出入に伴う道路交通騒音の予測結果(工事開始後 10カ月目)

(単位:dB)

予測 地点

現況 実測値 (Lgi)

[LAeq]

現況 計算値 (Lge)

予測騒音レベル[LAeq]

環境 基準

(参考) 要請 限度

将来計算値 (一般車両等)

将来計算値 (一般車両等+ 工事関係車両)

(Lse)

補正後 将来計算値

(一般車両等+ 工事関係車両)

(L'Aeq)

工事関係車両 による増加分

① ② ②-① 交通1 59 65 65 66 60 1 70 75

交通2 67 69 69 (69)70 (67)68 (0)1 65 75

注:1.予測騒音レベルは、「騒音に係る環境基準について」に基づく、昼間(6~22 時)の予測結果を示す。 2.要請限度の趣旨(市町村長は、測定を行った場合において、指定地域内における自動車騒音が要請

限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、都道府県 公安委員会に対し措置を執るべきことを要請するものとする。)から、当該地点の要請限度を参考と して示した。

3.( )は計画見直し前のピーク月(工事開始後 18 カ月)の値で、見直し後の数値と異なる場合のみを示す。

表4-3表 工事用資材等の搬出入に伴う道路交通振動の予測結果(工事開始後 10カ月目)

(単位:dB)

予測

地点

時間の

区分

現況

実測値

(Lgi)

[L10]

現況

計算値

(Lge)

予測振動レベル[L10]

(参考)

要請

限度

将来計算値

(一般車両等)

将来計算値

(一般車両等+

工事関係車両)

(Lse)

補正後

将来計算値

(一般車両等+

工事関係車両)

(L'10)

工事関係車両

による増加分

① ② ②-①

交通1 昼間 41 43 43 (43)45 (41)43 (0)2 65

夜間 35 34 34 34 35 0 60

交通2 昼間 42 47 47 (47)49 (42)44 (0)2 70

夜間 29 32 32 32 29 0 65

注:1.時間の区分は、「振動規制法の規定に基づく時間及び区域の区分ごとの規制基準の設定について」に基づき、昼間が 8~19時、夜間が 19~8時とした。

2.要請限度の趣旨(市町村長は、測定を行った場合において、指定地域内における道路交通振動が要請限度を超えていることにより道路の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、道路管理者または都道府県公安委員会に対し措置を執るべきことを要請するものとする。)から、当該地点の要請限度を参考として示した。

3.( )は計画見直し前のピーク月(工事開始後 12カ月)の値で、見直し後の数値と異なる場合のみを示す。

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(4) 実際の工事関係車両等の運行状況

第4-4表のとおり、工事関係車両等の台数は、工事開始 10カ月目をピーク月と予測していたが、

土木建築工事の施工遅れにより、大規模なコンクリート打設工事が後ろ倒しになった為、実績台

数としては工事開始 14カ月目(2018年 11月)が最大台数(230台/日)となったが、予測騒音レベル

(振動レベル)ピーク月の計画台数(261 台/日)は下回っている。

第4-4表 工事関係車両等の運行状況(最大台数注 2/日)

工事開始から 7 カ月目 8 カ月目 9 カ月目 10 カ月目 11 カ月目 12 カ月目 13 カ月目 14 カ月目 15 カ月目 16 カ月目 17 カ月目 18 カ月目 年 月 2018年 2019年

台数 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月 1 月 2 月 3 月

計画(大型) 15 141 261 261 251 252 145 82 87 83 85 72

計画(乗用車) 44 64 80 82 88 79 59 54 68 114 131 139

計画(小型換算注 1) 111 694 1247 1249 1210 1205 707 421 457 485 511 461

実績(大型) 25 96 155 195 207 112 229 230 51 95 86 61

実績(乗用車) 29 22 27 38 41 39 34 45 68 79 88 108

実績(小型換算注 1) 141 451 720 910 966 540 1058 1073 296 504 472 381

注:1.大型車の小型車換算係数 4.47 は、「ASJ RTN-Model2008」に基づく。 2.表中の数値は、1日当たりの運行台数が小型車両換算で最大となった日を示す。

(5) 道路交通騒音計測結果

実測調査は、第4-5表のとおり、計画ピーク月である工事開始 10カ月目(2018年 7月)に、民家等が存

在する地域2地点(環境1及び環境2)にて、騒音レベル[LAeq](振動レベル[L10])の計測を行いましたが、

蝉の鳴き声が顕著である時間帯での計測となったため、環境 1 地点において環境基準値を上回る数値が

計測された。しかしながら、当該時間帯を省いた平日参考値(算出要領については次頁参照)では環境基

準値を下回る数値であることを確認している。

また、調査は休日、平日で実施しているが、休日は指定区域内の特定建設作業の規制に関わる建設機械

を使用(稼働)できないため、工事量も少ない日となる。

以上の結果より工事用資材等の搬出入に伴う騒音振動の影響は小さいと考える。

第4-5表 民家等が存在する地域における騒音及び振動レベルの調査結果(工事開始 10カ月目)

調査地点 調 査 項 目 結 果

休 日 平 日 平日参考値

環境 1

騒音レベル LAeq(dB) 環境基準:55 dB 注 1

48 69 48

振動レベル L10(dB) 25 未満注 2 31 ―

環境 2

騒音レベル LAeq(dB) 環境基準:60 dB 注 1

45 54 43

振動レベル L10(dB) 29 32 ―

注:1.騒音レベルについて、環境 1及び環境 2 の地域の類型は Cであるが、環境 1においては直近の民家の 類型が A であるため、当該地点の環境基準として類型 A を準用した。

2.振動レベルの測定下限値未満は「25未満」と記載した。 ※休日は 7月前半、平日は 7 月後半に計測を行っており、休日計測時の値は、蝉の鳴き声のレベルが平日計測時に比べ低かったのと鳴いている時間帯が短時間であった事より、環境基準値を下回る結果となっている。

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3.平日参考値について、第4-3図のとおり、環境 1 地点では 8:00~11:30、環境 2地点では 8:00~10:30の時間帯で継続的に蝉の鳴き声を確認した。そこで第4-4図のとおり、蝉の鳴き声が確認された時間帯のデータを削除したデータを用いて平日参考値を算出した。

第4-3図 民家等が存在する地域における騒音レベル調査時のグラフ

第4-4図 民家等が存在する地域における騒音レベル調査時のグラフ(蝉の声の時間帯を除去)

環境基準値(LAeq):55dB

蝉が鳴いていた時間(8:00~11:30)

環境基準値(LAeq):55dB

11:30~20:00 のデータ

(8:00~11:30 のデータを削除)

環境 1 平日騒音レベル(LAeq):69dB

環境 1 参考値(LAeq):48dB

環境基準値(LAeq):60dB

蝉が鳴いていた時間(8:00~10:30)

環境 2 平日騒音レベル(LAeq):54dB

10:30~20:00 のデータ

(8:00~10:30 のデータを削除)

環境基準値(LAeq):60dB

環境 2 参考値(LAeq):43dB

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4.3 仮設防音壁の設置状況 (1)仮設防音壁の配置

第4-5図(外観については第4-6図)のとおり、工事着手前(2017 年 9 月)に、工事区域の北

側及び東側に仮設防音壁(含む工事用パネル)を設置した。

第4-5図 仮設防音壁設置図

第4-6図 仮設防音壁外観写真

工事用パネル

防音壁(防音タイプ)

写 真

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(2) 建設機械の稼働に伴う騒音調査結果

建設機械の稼働における事後監視項目として騒音調査を実施した。

調査地点については第4-7図のとおり、敷地 1~5の 5地点としている。

騒音計測結果は第4-6表のとおり、何れの計測値も全て特定建設作業騒音規制基準ならびに

環境アセスメント予測値よりも低い結果となっており、騒音による影響は小さいと考える。

また、周辺住民からの苦情もない。

第4-7図 騒音・振動・低周波音・道路交通量等調査地点の位置

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第4-6表 建設機械の稼働に伴う騒音調査結果(敷地境界) (単位:dB)

調査地点 時間の

区分

環境アセスメント

予測値(LA5)

2018年

6月

2018年

9月

2018年

12月

2019年

3月

特定建設作業

騒音規制基準

敷地1 昼間 65 53*2 57 56*2 54

85

夕 64 57*2 52 60*2 56

敷地2 昼間 60 51 58 54 54

夕 60 49 45 55 55

敷地3 昼間 65 55 58 60 63

夕 64 57 56 62 60

敷地4 昼間 71 59 52*1 54*1 56

夕 69 60 57*1 59*1 50

敷地5 昼間 66 49*2 53 61 59

夕 64 56*2 49 47 58

注:1.時間の区分は、「騒音規制法の規制に基づく時間及び区域の区分ごとの規制基準の設定について」に 基づき、昼間 8~18時、夕が 18~22時とした。

2.環境アセスメント予測値(LA5)は、実測値と予測値を合成した値である。(評価書より) 3.計測値(dB):聴感補正(周波数重み付け特性):A

4. 下線*1の計測値について、2018年 9 月、12月の敷地4における夕方の計測値が昼間の計測値より 5dB

高い結果となった原因は、敷地4地点の近傍に設置している大型試験設備の稼働による。(昼間…11:00

頃計測(試験設備停止中)、夕方…19:50 頃計測(試験設備稼働中)であった。)本調査結果は 3 か月毎

の定例騒音計測のデータを使用しており、通常は大型試験設備の稼働日に計測するが 2018年 6月、2019

年 3月での設備稼働はなかった。

5. 下線*2の計測値について、2018年 6 月の敷地 1及び敷地 5、2018年 12月の敷地 1における夕方の計測

値が昼間の値より 4dB 以上高い結果となった原因は、車両通勤門(西門・南門)の閉鎖時刻(20:00)直

前の車両が多い状態で計測したためである。なお、前述以外の調査地点及び時期における夕方の計測時

間は 19:00前もしくは 20:30 以降であった。

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4.4 水環境の状況

工事エリアの造成等の施工に伴う一時的な工事排水は、第4-8図のとおり、実証設備の既設の排水

処理設備で処理後に、総合廃水処理場で当社及び三菱重工(工場区域)の他の排水と併せて再処理を行

い、瀬戸内海環境保全特別措置法(以下、瀬戸法という)の許可値及び環境保全協定書及び細目書(以

下、協定等という)の許容限度以下にして、海域に排出している。

建設事務所の生活排水は、当社及び三菱重工(研究所)の浄化槽で処理後、総合廃水処理場で当社及

び三菱重工(工場区域)の他の排水と併せて再処理を行い、瀬戸法の許可値及び協定等の許容限度以下

にして、海域に排出している。

(1)調査結果

第4-7表のとおり、工事エリア造成等の施工に伴う一時的な工事排水及び建設事務所の生活排水に

よる影響は、全ての項目で瀬戸法の許可値(最大値)及び協定等の許容限度を下回っており、工事エリ

ア造成等の施工に伴う一時的な工事排水及び建設事務所の生活排水による影響は小さいと考える。

第4-7表 総合廃水処理場における処理水分析値一覧(外部機関の分析データ)(単位:㎎/L)

排水口注 1

pH SS COD N-ヘキサン抽出物質 全窒素 全りん

通常値 6.5~8.0 13.7 11.4 1.5 12.9 0.4

最大値 6.5~8.0 20.0 20.0 2.0 29.0 3.0

協定に基づく許容限度 5.0~9.0 13.7 11.4 - - -

2018/4/11 7.4 4 9.6 <0.5 6.2 0.22

2018/5/9 7.1 5 7.8 <0.5 7.7 0.26

2018/6/6 7.1 2 5.7 <0.5 8.4 0.22

2018/7/4 7.2 2 6.5 <0.5 6.4 0.11*2

2018/8/1 7.2 2 5.3 <0.5 5.8 0.19

2018/9/5 7.5 1 4.3 <0.5 4.6 0.16

2018/10/3 7.6 1 6.2 <0.5 7.4 0.20

2018/11/7 7.5 2 6.6 <0.5 16.0*1 0.10*2

2018/12/5 7.4 2 7.4 <0.5 13.0*1 0.10*2

2019/1/16 7.2 2 5.2 <0.5 7.8 0.04*2

2019/2/6 7.3 <1 5.4 <0.5 6.2 0.07*2

2019/3/6 7.3 4 10.0 1.0 8.6 0.15

用語解説 pH:水素イオン濃度、SS:浮遊物質量、COD:化学的酸素要求量

注:1.排水口は 3ヶ所ある三菱日立パワーシステムズ高砂工場の排水口のうち、総合廃水処理場処理水及び 浄化槽処理水が排出されるもの

2.下線*1の計測値について、全窒素の値が通常値を超過しているのは、一定の時間に排水口に直接排水

される浄化槽処理水の排水時間が当日測定時間と偶然に重なったことによる。(排水系統については

第4-8図、各浄化槽の位置については第4-9を参照。)

3.下線*2の計測値について、総合廃水処理設備の最終槽(水質分析箇所)に総合廃水処理設備処理水と

浄化槽処理水とを受入れており、その全りん濃度の調整にはポリ塩化アルミニウム(PAC)という薬品

を使用している。全りんの値が他月に比べ低くなった理由として、原水中の全りん濃度が元々低いため

PAC薬注量の自動制御をせず、1回/2週毎に浄化槽処理水の水質を確認しながら薬注量を調整してい

るため。

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第4-8図 工事中の排水系統図

※図中、浄化槽の〇数字および名称は図 3-4-2 浄化槽設備配置図の〇数字を表す。

総合廃水 処理場 処理能力

3,331.6㎥/日

浄化槽 ①Fエリア

③Cエリア

④Eエリア ⑤ポンプ工作課 ⑥物流センター ⑩ホットパーツ工場 ⑪第三協力会ハウス ⑫新組立工場 ⑬動静翼補修工場 ⑯大型冷凍機部

浄化槽 ②設計サービスビル ⑦第 2食堂

⑧Aエリア ⑨研究所本館(H棟)

生活 排水

生活 排水

生活排水

工業 用水

工場排水

搬入車両洗浄 (工業用水)

掘削中の湧水等 (工事区域)

仮設沈殿設備

第 2号発電設備 (建設中)

排水処理 設備

純水 設備

(間接冷却水)

第 1号発電設備 (稼働中)

工業 用水

生活 排水

浄化槽 ⑭実証発電部

生活排水 (建設事務所)

浄化槽 ⑮実証設備 TRF

高速ろ過 設備

雨水

高砂西港

雨水

生活排水 675㎥/日

対象事業実施区域

実証設備排水 490㎥/日

・・・水質測定点

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第4-9図 浄化槽設備配置図

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4.5 重要な動物(鳥類)の繁殖状況

対象事業実施区域及びその周辺における工事が本格化しており、イソシギやコアジサシが繁殖行動及

び営巣活動を行う裸地が大幅に減少していること、ミサゴの主な採餌場所である西港周辺の環境は特

に変化しないと判断したことから、2018 年度の調査は実施しなかった。

(1) 計画書からの一部計画変更

しかし、専門家の指導により、土木建築工事が収束し機械装置据付工事が多くなった 2019 年 4~7

月(ミサゴ及びイソシギ、コアジサシ等の繁殖期)に、調査を再開している。(下表 4-8 ならびに図

4-10 を参照)尚、2020 年度以降については、2019 年度の調査結果を踏まえ、専門家の意見を確認

した後に調査要否を判断する。

第4-8表 重要な動物(鳥類)の繁殖状況調査予定表(2019 年度)

項目 回 4 5 6 7 8

備考

(繁殖期)

イソシギ、コアジサ

シの繁殖状況調査 6 ●● ●● ● 4~7月

ミサゴの繁殖状況

調査 3 ● ● ● 4~6月

第4-10図 重要な動物(鳥類)の調査地点

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4.6 重要な植物の生育状況及び生育環境

環境アセスメントにおいて実施した「重要な種(植物)の調査」の結果を踏まえ、第4-9表と第4-

11図のとおり、対象事業実施区域及びその周辺で生育している重要な植物(ミゾコウジュ及びミコ

シガヤ)の生育状況及び移植環境における生育監視を行った。

第 4-9表 現地調査における重要な種の確認状況(環境アセスメント時点)

種名

(科名)

対象事業

実施区域

対象事業

実施区域外 確認状況

選定根拠

全国 兵庫県

ミゾコウジュ

(シソ科) 〇 〇

当社敷地の対象事業実施区域外において 320株、対象事業実施区域の改変地において 25株の生育を確認した

NT C

ミコシガヤ

(カヤツリグサ科) 〇 〇

当社敷地の対象事業実施区域外において 2株、対象事業実施区域及びその近傍の緑化マウンド(非改変地)において 65株の生育を確認した

- B

注:選定根拠は、環境影響評価書第 8.1.4-2表(P680)に基づく。

第4-11図 重要な種の確認位置

ミゾコウジュ/ミコシガヤ移植地

(西門保全地)(2017 年~)

ミコシガヤ自生地(保全地)

凡例

:対象事業実施区域

重要な植物確認位置(2014 年度)

:ミゾコウジュ

:ミコシガヤ

:重要な植物の保全地

(2017 年時点)

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(1) 調査結果

対象事業実施区域内に生育していたミゾコウジュ、及び対象事業実施区域外南側(緑化マウンド)に

生育していたミコシガヤは、工事開始前に当社工場の空地に保全地を新たに創造して移植を行った。

以下のとおり、その後、2 種は順調に成長して、開花、結実を行い、特にミゾコウジュは生育個体

が増加し、新しい環境に適合していると判断している。また、緑化マウンド南側の自生地も囲いを

施し、立ち入り禁止区域として保全を行っており、2 種とも増加が確認された。今後も、外部の有

識者の意見等を聞きながら、生育状況を監視していく所存である。

西門保全地全景

西門保全地のミゾコウジュ/ミコシガヤ移植株の開花状況

緑化マウンド南側ミゾコウジュ、ミコシガヤの自生地

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4-7 産業廃棄物の発生量、処分量、処分方法等の状況

工事に伴い発生する産業廃棄物は、施工業者が産業廃棄物の種類ごとに分別し、処理を委託する産業

廃棄物処理業者を適切に選定し、最終処分量を低減するよう事業者(当社)として管理している。当

社は、施工業者に対し、工事着手までに産業廃棄物処理計画書を提出させ、「廃棄物の処理及び清掃

に関する法律」及び「建設工事に係る資源の再資源化に関する法律」に基づき、産業廃棄物による影

響を低減するため、適切な環境保全措置を講じている。

①調査結果

第4-10表のとおり、金属くずの 2018年度の発生量(実績)が既にアセス時点の計画量を

超過しているが、その他の産業廃棄物含め、元請業者に対し、有効利用率の高い委託先を

優先的に選定する様に指導しており、処分量については計画量を下回っている。

引き続き産業廃棄物の有効利用に努め、最終処分量を低減するように努める。

第4-10表 工事に伴い発生した産業廃棄物処理委託先及び発生量比較 単位重量t

種類 処理委託先 発生量

(処分量)

計画量

(処分量)

廃油 フラッシングオイル、

含油ウエス等 -注 1

0.0

(0.0)

40.0

(4.0)

廃プラスチック類 発泡スチロール、塩ビ管、

ビニール手袋等

㈱姫路環境開発 ㈱平本商店

32.82

(11.07)

71.2

(24.6)

紙くず 梱包材、ダンボール等 ㈱姫路環境開発 4.54

(0.0)

72.5

(20.3)

木くず 輸送用木材、梱包材、

仮設材等

㈱姫路環境開発 ㈱平本商店

30.95

(1.3)

256.0

(51.0)

金属くず 鉄筋、鉄骨 ㈱姫路環境開発 ㈱東亜金属 ㈱平本商店

21.7

(0.0)

21.1

(3.1)

ガラスくず、コンクリート

くず及び陶磁器くず

ガラスくず、コンクリ

ートくず、保温くず等

㈱姫路環境開発 ㈱平本商店

14.2

(1.2) 724.0

(74.0) がれき類注 2 がれき類 ㈱姫路環境開発 マツバ商事㈱

291.26

(2.41)

注:1.処理委託先の“-”は、業者が決まっていないことを指す。 2.がれき類については、アセス時点ではガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずに含めていたが、

廃掃法の規定に基づき、工事開始段階から分けて報告することとした。

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5.事後監視調査の実施

(1) 事後監視調査の業務フロー 事後監視調査については、2017 年 6月に届出した計画書に基づき、年度単位で報告書を纏め、毎年

6月末までに、兵庫県に報告する。

報告書のホームページ等への公開についても、県報告後に速やかに公開する。

(2) 事後監視調査の業務体制

専門業者を選定し調査を行い事後監視調査業務の一部を委託した専門業者は、以下のとおりである。 (騒音、振動調査等)

業者名:株式会社中外テクノス関西技術センター

事業者所在地:神戸市西区井吹台東町7丁目3-7

(水質、騒音調査等)

業者名:株式会社神戸工業試験場 化学試験部

事業者所在地:加古郡播磨町北野添 1-12-2

(植物調査等)

業者名:株式会社環境総合テクノス

事業者所在地:大阪市中央区安土町1丁目3番5号

6.原因の究明及び環境の保全と創造について、さらに講ずべき措置の実施

事後監視調査の結果、次に示す場合はその原因を究明し、環境に及ぼす影響について把握するとと

もに、原因究明の結果、対象事業等の実施等による影響が認められる場合は、さらに講ずべき措置を

検討し、実施する。 (1) 事後監視調査結果が予測及び評価の結果と異なる場合(環境への影響が増大し、環境影響評価書

に記載した環境保全目標を超えた場合、または超えるおそれがある場合に限る。)

(2) 環境保全措置の実施が不十分と判断される場合

(3) 環境影響評価に関する条例第 30条第 3項の規定に基づき、知事から環境の保全と創造について必

要な措置を講ずることを求められた場合

7.その他

事業の実施にあたっては、環境影響評価項目の予測・評価の前提となった環境保全措置を確実に実施

し、適切な事後監視調査を行うこと等により、周辺環境の保全に努める。

また、詳細な調査計画や環境保全措置等については、必要に応じて専門家の指導・助言を踏まえて検

討・実施する。