Diagnosis and Treatment of Cardiac Sarcoidosis17 〔総説〕...

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15 〔総説〕 サルコイドーシス心病変の診断と治療 サルコイドーシス心病変の診断と治療 加藤靖周,森本紳一郎 【要旨】 サルコイドーシスの心病変は,本邦のサルコイドーシス患者に多く合併し,サルコイドーシス剖検例では,サル コイドーシスによる死因の大半を占める.しかしながら,心病変の診断は困難なことが多く,剖検あるいは心臓移 植後に初めて明らかとなることもある.心病変がとらえられにくい原因としては,その病態が非常に多彩であるこ と,心生検による組織診断率が低いこと,特異性の高い検査法に乏しいことなどが挙げられる.しかし,近年では MRIやPETなど新しい診断法も発展しつつあり,心病変の早期診断における有用性が期待されている.本稿では, サルコイドーシスの心病変の診断および治療法の現状について概説した. [日サ会誌 2008; 28: 15-24] キーワード:心サルコイドーシス,診断,治療 Diagnosis and Treatment of Cardiac Sarcoidosis Yasuchika Kato, Shin-ichiro Morimoto 【ABSTRACT】 Myocardial involvement of sarcoidosis occurs more frequently in Japan than in the United States and Euro- pean countries, and is responsible for the major part of deaths from sarcoidosis. But, antemortem diagnosis of cardiac involvement remains difficult due to its subtle and latent characteristic. Cardiac involvement is not often revealed until autopsy or extraction at heart transplant. The reason why the diagnosis of cardiac involvement is difficult is that the clinical manifestations are various and not specific, and the diagnostic rate with endomyo- cardial biopsy is low. There are few diagnostic tools specific for cardiac sarcoidosis. But, in recent years newer imaging techniques, cardiac MRI and PET, are evolving for determining cardiac involvement. This review de- scribes the current status of the diagnosis and treatment of this condition. [JJSOG 2008; 28: 15-24] Keywords: Cardiac sarcoidosis, Diagnosis, Treatment 藤田保健衛生大学循環器内科 著者連絡先:加藤靖周 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学循環器内科 TEL :0562-93-2312 FAX :0562-93-2315 E-mail [email protected] Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, School of Medicine, Fujita Health University

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〔総説〕 サルコイドーシス心病変の診断と治療

サルコイドーシス心病変の診断と治療加藤靖周,森本紳一郎

【要旨】 サルコイドーシスの心病変は,本邦のサルコイドーシス患者に多く合併し,サルコイドーシス剖検例では,サルコイドーシスによる死因の大半を占める.しかしながら,心病変の診断は困難なことが多く,剖検あるいは心臓移植後に初めて明らかとなることもある.心病変がとらえられにくい原因としては,その病態が非常に多彩であること,心生検による組織診断率が低いこと,特異性の高い検査法に乏しいことなどが挙げられる.しかし,近年ではMRIやPETなど新しい診断法も発展しつつあり,心病変の早期診断における有用性が期待されている.本稿では,サルコイドーシスの心病変の診断および治療法の現状について概説した.

[日サ会誌 2008; 28: 15-24]

キーワード:心サルコイドーシス,診断,治療

Diagnosis and Treatment of Cardiac SarcoidosisYasuchika Kato, Shin-ichiro Morimoto

【ABSTRACT】 Myocardial involvement of sarcoidosis occurs more frequently in Japan than in the United States and Euro-pean countries, and is responsible for the major part of deaths from sarcoidosis. But, antemortem diagnosis of cardiac involvement remains difficult due to its subtle and latent characteristic. Cardiac involvement is not often revealed until autopsy or extraction at heart transplant. The reason why the diagnosis of cardiac involvement is difficult is that the clinical manifestations are various and not specific, and the diagnostic rate with endomyo-cardial biopsy is low. There are few diagnostic tools specific for cardiac sarcoidosis. But, in recent years newer imaging techniques, cardiac MRI and PET, are evolving for determining cardiac involvement. This review de-scribes the current status of the diagnosis and treatment of this condition.

[JJSOG 2008; 28: 15-24]

Keywords: Cardiac sarcoidosis, Diagnosis, Treatment

藤田保健衛生大学循環器内科

著者連絡先:加藤靖周 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学循環器内科 TEL :0562-93-2312 FAX :0562-93-2315 E-mail :[email protected]

Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, School of Medicine, Fujita Health University

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はじめに サルコイドーシスは,1869年に英国の皮膚科医J Hutchinsonが皮膚病変を見出したことに始まり,その後,眼,耳下腺,神経,肺など多臓器において病変の存在が報告され,全身性疾患であることが認識されるようになったが,心病変は,1929年に米国M Bern-steinにより初めて報告された.致死的不整脈や重症心不全を生じ,時に突然死の原因ともなり,心病変の有無はサルコイドーシス患者の予後を大きく左右する.特に本邦では欧米に比してその合併頻度が高いが,ステロイド治療により心病変の進展を抑制する効果が期待できることから,早期に的確に診断されることが重要である.

サルコイドーシスの疫学 サルコイドーシスの有病率には人種差があり,米国においては白人10万人に対して10.9人,黒人10万人に対して35.5人,わが国では人口10万人に対して10~20人,北欧においては最も高く,人口10万人当たり50~60人,と報告されている1,2).罹患臓器においても人種間で差が認められ,心病変は,特にわが国に多く認められる. 剖検による心病変の合併頻度は,米国においては21.2~27.3%,本邦では67.8%であり,また死亡原因についても,有意に日本人剖検例において,サルコイドーシスによる死亡例中で,心病変による死亡の頻度が高いことが報告されている3,4).日本人の心サルコイドーシス症例おいてHLADQB1*0601が高頻度であることやTNFα遺伝子の多型性などとの関連性が言われている5,6).

サルコイドーシスの病因 サルコイドーシスの病因は未だに明らかでないが,疾患感受性susceptibilityを有する宿主において,病原体あるいは環境中の物質など何らかの外来抗原によって誘導されたTh1タイプの過敏性免疫反応に起因するものであることがわかっている7-9). すなわち,外来抗原を貪食したマクロファージなど抗原提示細胞との結合により活性化されたTリンパ球がType 1ヘルパー T(Th1)細胞へと分化し,単球・マクロファージの遊走・活性化・分化に働くIL-2やインターフェロンγに代表されるTh1サイトカインが産生され,単球・マクロファージやリンパ球の集積により肉芽腫が形成される.肉芽腫形成が持続すると,Type 2ヘルパー T(Th2)細胞による免疫反応へとシフトがみられ,IL-10やTGF-βなどの炎症抑制と線維増殖に働くサイトカインが産生・放出されることにより,肉芽腫性病変の線維化が進展する.免疫応答のきっかけとなる外来抗原としては,これまでベリリウ

ムやアルミニウムなどの無機物10)から常在菌や結核菌11),ウィルス12)などさまざまなものが候補として挙げられてきたが,未だ確定はされていない.しかし,近年,生検によって採取された胸腔内リンパ節の病変からPCR法によって表皮常在弱毒菌である Propionibacterium acnesのDNAが,結核など他の疾患に比して明らかに高率かつ多量に検出され,有力な病因として注目を集めている13,14).また,サルコイドーシスの発症には,人種差や家族集積性がみられることから,外的要因のみならず,宿主における遺伝的素因や疾患感受性が発症機序に深く関与するものと考えられている15,16).

心病変の臨床症状と診断 心臓サルコイドーシスに特異的な臨床症状はなく,心病変の部位・範囲により非常に多彩な臨床症状を呈する.無症状の段階で,ST異常などの心電図異常を指摘され発見される場合や,完全房室ブロックに代表される刺激伝導障害や心室頻拍などの頻脈性不整脈による動悸・失神発作を契機に受診することもある.また,心機能の低下に伴い,息切れ・浮腫などの心不全症状で来院する場合や,中には劇症型心筋炎様の病態を示し心原性ショックで発症する症例もある17).

① 心電図 軸偏位,ST-T異常,異常Q波,脚ブロック・房室ブロックなどの伝導障害,上室性および心室性不整脈など様々な所見が認められる.完全房室ブロックは本症における主要徴候のひとつであり,心病変が心室中隔基部に好発することと関連すると考えられる.中には,特発性の房室ブロックと診断された症例において,経過とともに心室中隔基部の菲薄化や心機能低下などが明らかとなり,初めて心臓サルコイドーシスであったことが判明することも珍しくない(Figure 1).房室ブロックのため人工ペースメーカー植え込み術を施行した連続100例を後ろ向きに検討した結果,追跡可能であった89例のうち10例(11.2%)が心臓サルコイドーシスであったことを報告した18).特に中高年女性の完全房室ブロックにおいては,本症の可能性を念頭に置くことが重要である(Figure 2).また,心病変がありながら,心電図異常を示さない症例も存在するため19),病初期に本症と診断することは難しく,経時的な経過観察が重要である.

②心エコー 心エコー(Figure 3)では,心病変の炎症活動期には,浮腫を伴うリンパ球浸潤,類上皮細胞肉芽腫により病変部の心室壁肥厚と壁運動低下を生じる.やがて肉芽腫性炎症から線維化へと移行すると,病変部に限

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〔総説〕 サルコイドーシス心病変の診断と治療

局した心室壁菲薄化とエコー輝度の上昇が認められるようになり,時に心室瘤形成がみられることもある. Valantineらは3例の剖検例をふくむ5例の心臓サルコイドーシス症例を検討し,心病変が心室中隔基部に好発することを指摘した20).以後,心エコーにおいても心室中隔基部に限局性した菲薄化が認められることが心臓サルコイドーシスに特徴的な所見として注目されている.以前,当施設を含む5施設による共同研究を行い,心臓サルコイドーシス175例(男性57例,女性118例)と対照患者2,130例(男性1,196例,女性934例)において,経胸壁心エコー検査による心室中隔壁厚を検討した21).左室長軸像により,大動脈弁輪から心尖部寄りに10mmの部位(A)と,通常心室中隔壁厚として計測する心室中隔を3等分した基部側3分の1の部位(B)での拡張末期の心室中隔壁厚を計測し(Figure 4),同時に,心室中隔基部への限局性を検討するために両壁厚の比(A/B比)を算出した.壁厚Aが4mm以下に菲薄化している例は,サルコイドーシス群175例中22例(12.6%),対照群では1例もみられなかった

(Figure 5).また,A/B比が0.6以下は,心臓サルコイドーシス群で175例中62例(35.4%),対照群では2,130例中21例(1.0%)であった(Figure 6).心室中隔基部の菲薄化の基準として本法を用い,壁厚Aが4mm以下を「菲薄化あり」と設定すると,特異度は100%で,感度は12.6%となった.また,A/B比を0.6以下と設

定すると,特異度は99.0%で,感度は35.4%となった.そこで,壁厚Aが4mm以下あるいはA/B比が0.6以下のどちらかあるいは両者を満たすものと規定すると,心臓サルコイドーシス群は175例中68例(38.9%),対照群は2,130例中21例(1.0%)で,特異度99.0%,感度38.9%,正誤率94.4%となり,感度は必ずしも高くないものの,特異度は極めて高いものであった.このように本所見が心臓サルコイドーシスでいかに特徴的な所見であるかが理解できる. 心病変は早期には局所的に生じ,心筋梗塞同様の局所的な壁運動異常や心室瘤として観察されるが,病変がびまん性に波及した場合には,拡張型心筋症様の所見を呈するようになる.また,時に肥大型心筋症と同様の非対称性中隔肥厚を示す症例も存在する22,23).壁の肥厚は炎症に伴う浮腫によって生ずる心室壁厚の増大であるが,非対称性であるのは本症が中隔に好発する性質と関連するものと考えられる.

③核医学検査 201Tl-Cl24) や99mTc製剤である99mTc-MIBIや99mTc-Tetrofosminなど心筋血流製剤を用いたシンチグラフィでは,炎症~線維瘢痕化病巣が血流欠損として描出され,心病変の検出に有用である.また,123I-β-methyl-p-iodophenyl-pentadecanoic acid(BMIPP)を用いた脂肪酸代謝心筋シンチグラフィでも同様に

Figure 1. The heart from autopsy. A 53 years-old man who presented with complete

atrioventricular block and died due to heart fail-ure. The left ventricle is remarkably dilated, and the intraventricular septum and lateral wall of the left ventricle are thinned.

Figure 2. A sample of myocardium involved with sarcoid-osis showing non-caseating, multinucleated giant cell granuloma located in the myocardial tissue obtained by endomyocardial biopsy from a pa-tient who presented with complete atrioventricular block.

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欠損像として描出され,心病変の検出に有用である25).67Ga-citrateシンチグラフィは,炎症細胞浸潤やサルコイド肉芽腫の存在と関連し,全身像のほか心筋SPECTを撮像し,201Tl SPECTと併用することにより,心病変の検出,ステロイド薬投与後の効果判定にも有用である26).本シンチグラムにおける心臓への異常集積は他の心筋炎あるいは転移性心臓腫瘍などでも認められ,心臓サルコイドーシスに特異的なものではない.また,解像能が低く,縦隔や肺野への集積と識別が困難なことがあること,また非活動期の心病変においては集積しないことに注意する必要がある.

④心内膜心筋生検 サルコイド肉芽腫は心筋内に散在性に分布するため,心内膜心筋生検による組織診断率はサンプリングエラーのため19%ときわめて低い27).特に,心機能正常例と心機能低下例に分けて検討した場合,心機能正常例ではさらに生検陽性率が低く,病早期における心筋生検による組織診断の難しさを示している.

心病変早期検出のための新たな診断方法① 心臓核磁気共鳴(Figure 7) 心臓サルコイドーシスにおいて,肉芽腫性炎症に伴う浮腫により病変部がT1強調画像でhigh intensityと

a) b)

c)

Figure 3. Echocardiographic findings of cardiac sarcoidosis. a) Basal intraventricular thinning (arrow) b) Asynmetrical septal hypertrophy mimicking HCM: IVS 19mm, LVPW 14mm. A 35 years-old man who was diag-

nosed histologically with endomyocardial biopsy. c) DCM like picture: A 64 years-old man who presented with complete atrioventricluar block and heart failure.

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Figure 5. The distribution of thickness A. Indicating the distribution of thickness A, which means that of the basal interventricular

septum, of the both groups of cardiac sarcoidosis group and the control group. The thickness 4mm or less is observed only in the cardiadiac sarcoidosis group.

LA

Thickness B

Figure 4. The method to measure the thickness of the interventricular septum.

Scanning the long axis view of the left ventricle, determine the point “A” which is 10mm distant from the aortic annulus on the interventricular septum and the point “B” which is the one-third point nearby the annulus. Measure the end-diastolic thickness of interventricular septum at the both of the point A (thickness A) and the point B (thickness B), and calculate the ratio A/B.

Ao, Aorta; IVS, Interventricular septum; LA, Left atrium; LV, Left ventricle; RV, Right ventricle.

LV

IVSRV

Ao

××+

Thickness A

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して描出され,Gd-DTPA(gadolinium-diethylenetri-amine pentaacetic acid)によって造影されることが報告された28).心筋梗塞においても造影効果が認められるが,心筋梗塞のパターンとは異なり,心臓サルコイドーシスでは心内膜側を含まない心筋層の中部から心外膜側にかけて認められることが知られている29). Smedemaらは,組織診断された肺サルコイドーシス患者58例において心臓MRIを含む諸検索を行い,1992年作成のわが国の心臓サルコイドーシスの「診断の手引き」をもとに58例中の12例で本症と診断した.心臓MRIと他の検査の陽性率を比較検討し,ガドリニウム遅延造影MRIによる心病変検出は,感度100%,特異度78%であったと報告している30).MRI検査はペースメーカーやICDの植え込みが行われた症例では使用できないという制約はあるものの,早期病変の検出には非常に有用な検査法であると考えられる.

② Positron emission tomography(PET) 近年,心臓サルコイドーシスの診断における新しい検査法として,18F-fluorodeoxyglucose(FDG)によるpositron emission tomography(PET)の有用性が報告されている31).FDGは糖代謝をイメージすることが可能で,67Ga-citrateシンチグラフィと同じく,腫瘍や活動性炎症に集積する.ただし,心筋細胞には糖代謝がもともと存在するためFDG-PETによる集積はこの正常糖代謝も検出し,偽陽性となる可能性も示唆され,所見の解釈には注意を要する.Ishimaruらは32例のサルコイドーシス症例と対照群30例においてFDG-PET,67Ga-citrateシンチグラフィを行い,その心集積

パターンを比較検討した結果,focalな集積は心臓サルコイドーシスに特異的であると報告している32).また,その結果,集積の認められたサルコイドーシス症例では,いずれも67Ga-citrateシンチグラフィで異常集積は認められなかったことから,67Ga-citrateシンチグラフィでは検出できない症例においても,FDG-PETは本症による心病変を検出しうる能力があると結論している.

改訂された心臓サルコイドーシス診断の手引き(Table 1)(Figure 8) 心臓サルコイドーシスの診断は『心臓サルコイドーシス診断の手引き』に基づいて行われるが,従来用いられてき手引きは,平賀らによって1992年に作成されたものである33).欧米諸国でも高い評価を受け,利用されてきたが,いずれかの臓器で病理組織学的にサルコイド肉芽腫が証明されることが必須であったため,臨床的に本症が強く疑われても陽性組織が得られないために診断に至らない場合があった.そのため,2006年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と日本心臓病学会との合同委員会により改訂が行われた34).改訂のポイントとしては,臨床診断群においても「組織診断」による拘束を排除したこと,(a)高度房室ブロック・(b)心室中隔基部の菲薄化・(c)Gallium-67 citrateシンチグラムでの心臓への異常集積・(d)左室収縮不全の4つを主徴候としてより重要視したこと,新しい検査法であるGadolinium造影MRIにおける心筋の遅延造影所見を副徴候として含めたことである. 1992年の旧手引き33)では,過剰診断になる可能性が

Figure 6. The distribution of A/B ratio. The A/B ratio 0.6 or less was observed significantly more frequent in cardiac sarcoid-

osis group (in 62 of 175 patients; 35.4%) than the control group (in 21 of 2130 patients; 1.0%).

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あった.他臓器でサルコイドーシスと組織診断され,その症例で心電図異常と心拡大や左室壁運動異常などが観察されれば,手引きの上では心臓サルコイドーシスと診断されることになる.したがって,旧手引きで本症と診断しても,確信が持てずステロイド治療に踏みきれない症例がまま存在した.逆に2006年の新手引き34,35)では,本症であるにもかかわらず,診断しきれない症例が存在することも事実である.本症の初期病変のみであれば診断できないであろう.本症と診断した以上ステロイド治療に入るべきであり,そのことを前提にこの新手引きを作成したという経緯がある.したがって旧手引きに該当する症例では,1年に1~2回検査をくり返しながら,経過観察をし,新手引きを満たすようであれば,ステロイド治療に踏みきるというスタンスが必要である.このことからも本症の診断がいかに難しいかが理解できる.

治療 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会のサルコイドーシス治療ガイドライン策定委員会・治療ガイドライン策定専門部会;循環器部会で作成された心臓サルコイドーシスの治療ガイドラインが参考になる35)

(Table 2).心臓サルコイドーシスと診断され,房室ブロック,重症心室不整脈,心ポンプ機能の低下を認める場合には,各症状に対する治療のほか,ステロイド治療を開始する(Figure 8).ステロイド薬には心筋内の肉芽腫性炎症の進展拡大を抑制する効果があり,同剤を早期から開始することにより心機能低下や重症不整脈の発生を抑えることが可能である

36).ステロイド薬の投与方法としては,初回の1日投与量はprednisolone(PSL)30mgで開始し,2~4週ごとに5mg/日ずつ減量していく漸減投与法が一般的で,維持量は5~10mgとする.また,免疫抑制薬であるmethotrexate(MTX)を少量持続投与することにより,PSLの投与量を減量することが可能な場合もある37).しかし,MTXによる肝障害などの副作用の問題もあり,また心病変に対して有効であったとの報告はあるものの,多数例における検討はなく,現段階ではPSL治療難治例に限定される.その他,他臓器においては,免疫抑制薬のアザチオプリン,シクロフォスファミド,シクロスポリンA,抗マラリア薬のクロロキン,サリドマイド,抗TNFα薬のinfliximabなども治療に応用されているが,心臓サルコイドーシスにおける効果は定かではない.最近,病因としてPropioni-bacterium acnesが起因する可能性が示唆され,抗菌薬による治療も試みられている.

a)

1 2 3 4 5 1 2

3 4 5

b)Figure 7. An asymptomatic 22 years-old woman who was pointed-out ECG abnormality and abnormal lung shadow on chest

X ray in medical checkup and diagnosed histologically lung sarcoidosis with TBLB. Cardiac MRI shows ventricular aneurysm at the apical portion of the left ventricle (black arrows), with wall thinning that enhances with gadolinium-DTPA (white arrows).

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Figure 8. Suggested treatment algorithm of cardiac sarcoidosis. 心臓サルコイドーシスにおける治療指針 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会,日本呼吸器学会,日本心臓病学会,日本眼科学会,厚生省科学研究 -特定疾

患対策事業- びまん性肺疾患研究班編集「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」を一部改変

1.サルコイドーシスの診断

サルコイドーシスの診断は,組織診断群と臨床診断群に分け下記の基準にしたがって診断する.1)組織診断群一臓器に組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,かつ下記(1)~(3)のいずれかの所見がみられる場合を組織診断群とする. (1)他の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認める. (2) 他の臓器で「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨

床所見」がある. (3)表1に示す検査所見6項目中2項目以上を認める.

 全身反応を示す検査所見  ①両側肺門リンパ節腫脹  ②血清ACE活性高値  ③ツベルクリン反応陰性  ④Gallium-67 citrateシンチグラムにおける著明な集積所見  ⑤ 気管支肺胞洗浄検査でリンパ球増加またはCD4/CD8比

高値  ⑥血清あるいは尿中カルシウム高値

2)臨床診断群組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は証明されていないが,2つ以上の臓器において「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」があり,かつ前記に示した全身反応を示す検査所見6項目中2項目以上を認める場合を臨床診断群とする.

2.心臓病変を強く示唆する臨床所見

主徴候と副徴候に分け,以下の1),2)のいずれかを満たす場合.1)主徴候4項目中2項目以上が陽性の場合2) 主徴候4項目中1項目が陽性で,副徴候5項目中2項目以上

が陽性の場合心臓所見 (1)主徴候   a)高度房室ブロック   b)心室中隔基部の菲薄化   c) Gallium-67citrateシンチグラムでの心臓への異常集積   d)左室収縮不全(左室駆出率50%未満) (2)副徴候   a) 心電図異常:心室不整脈(心室頻拍,多源性あるい

は頻発する心室期外収縮),右脚ブロック,軸偏位,異常Q波のいずれかの所見

   b) 心エコー図:局所的な左室壁運動異常あるいは形態異常(心室瘤,心室壁肥厚)

   c) 核医学検査:心筋血流シンチグラム(thallium-201 chlo-rideあるいはtechnetium-99m methoxy isobutyl-isonitrile,technetium-99m tetrofosmin)での灌流異常

   d)Gadolinium造影MRIにおける心筋の遅延造影所見   e) 心内膜心筋生検:中等度異常の心筋間質の線維化や

単核細胞浸潤

付記:1) 虚血性心疾患と鑑別が必要な場合は,冠動脈造影を施行す

る. 2) 心臓以外の臓器でサルコイドーシスと診断後,数年を経て

心病変が明らかになる場合がある.そのため定期的に心電図,心エコー検査を行い経過を観察する必要がある

3) Fluorine-18 fluorodeoxyglucose PETにおける心臓への異常集積は,診断上有用な所見である

除外診断 巨細胞性心筋炎を除外する

4)完全房室ブロックのみで副徴候が認められない症例が存在する5)心膜炎(心電図におけるST上昇や心嚢液貯留)で発生する症例が存在する6)乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が,心筋生検で観察される症例は必ずしも多くない

Table 1. サルコイドーシスの診断基準と心病変の診断の手引き

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〔総説〕 サルコイドーシス心病変の診断と治療

サルコイドーシスの死因の3分の2以上は,本症の心病変(心臓サルコイドーシス)による.特に早期の心病変にはステロイド薬が有効である.したがって,心臓サルコイドーシスの診断がなされ,以下のいずれかが認められ,活動性が高いと判断された場合には,ステロイド治療の適応となる.

Table 2. 心臓サルコイドーシスの治療ガイドライン

I.適応1)房室ブロック注1)

2)心室頻拍などの重症心室不整脈注2)

3)局所壁運動異常あるいは心ポンプ機能の低下注3)

 注1) 高度房室ブロックおよび完全房室ブロックでは,ステロイド薬を投与するとともに,体内式ペースメーカーの植え込みを考慮する.

 注2) 心室期外収縮,心室頻拍がステロイド治療によって全て消失することは稀であり,抗不整脈薬の併用を試みる.これらの治療にもかかわらず,持続性の心室頻拍などが認められる場合は,カテーテルアブレーションや植え込み型除細動器の適応となる.

 注3)β遮断薬は,心不全や伝導障害を悪化させることがあるので注意を要する.

II.投与法1)初回投与量:1日量プレドニゾロン換算で30mg毎日投与または相当量の隔日投与.2)初回投与期間:4週間.3)減量:2~4週間毎に,1日量プレドニゾロン換算で5mg/日毎日あるいは相当量を隔日に減量.4)維持量:1日量プレドニゾロン換算で5~10mg毎日投与または相当量の隔日投与.5)維持量の投与期間:いずれも中止にすることが望ましいが,他臓器と異なり中止は難しい場合が多い.注1)

6)再燃:初回投与量を投与する. 注1) ステロイド薬の重大な副作用で継続投与が困難な場合には,メソトレキサート5~7.5mg/週の経口投与も試みられている.し

かし心病変に対する本剤の使用経験は少なく,その有用性も十分には明らかにされていない.

III.効能1)房室ブロックでは,伝導障害が改善し正常化する例が存在する.2)収縮能は改善するまでには至らないが,心収縮はそれ以上悪化しない例が多い.  (ステロイド治療を行わない場合には,一般的に収縮能は次第に悪化する.)

IV.注意事項1)ステロイド薬の一般的な副作用.2)投与後,心室頻拍が出現あるいは悪化する例が存在する.3)投与後,心室瘤を形成する例が存在する.  (付) 心臓サルコイドーシスのステロイド治療の有用性については,二重盲検比較試験で確認されているわけではなく,その意味

ではevidenceはない.サルコイドーシスでは,心病変の存在は予後を左右する要因と考えられているが,他臓器と同じく自然寛解する可能性も否定できない.

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