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Japan Bioanalysis Forum 7 th JBF Symposium, DG2015-18 1 http://bioanalysisforum.jp/ DG2015-18 Analysis of Anti-Drug Antibody DG members: Tatsuki Nomura 1 , Kazuhiro Miya 2 , Masako Soma 3 , Fujiko Takamura 4 , Noboru Tanaka 5 , Tomohiko Hanada 6 , Michi Kitano 7 , Ken-ichi Yamamoto 8 , Hiroe Miyamoto 9 1 Shin Nippon Biomedical Laboratories, Ltd., 2 Chugai Pharmaceutical Co., Ltd., 3 Daiichi Sankyo Co., Ltd., 4 Astellas Pharma Inc., 5 JCR Pharmaceuticals Co., Ltd., 6 Nippon Shinyaku Co., Ltd., 7 FUJIFILM RI Pharma Co., Ltd., 8 LSI Medience Corporation, 9 Sumika Chemical Analysis Service, Ltd.

Transcript of DG2015-18 Analysis of Anti-Drug...

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7th JBF Symposium, DG2015-18 1

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DG2015-18 Analysis of Anti-Drug Antibody

DG members: Tatsuki Nomura1, Kazuhiro Miya2, Masako Soma3, Fujiko Takamura4, Noboru Tanaka5, Tomohiko Hanada6, Michi Kitano7, Ken-ichi Yamamoto8, Hiroe Miyamoto9

1 Shin Nippon Biomedical Laboratories, Ltd., 2 Chugai Pharmaceutical Co., Ltd., 3 Daiichi Sankyo Co., Ltd., 4 Astellas Pharma Inc., 5 JCR Pharmaceuticals Co., Ltd., 6 Nippon Shinyaku Co., Ltd., 7 FUJIFILM RI Pharma Co., Ltd., 8 LSI Medience Corporation, 9 Sumika Chemical Analysis Service, Ltd.

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7th JBF Symposium, DG2015-18

メンバー Members

宮 和弘 中外製薬株式会社

相馬 雅子 第一三共株式会社

高村 不二子 アステラス製薬株式会社

田中 登 JCRファーマ株式会社

花田 智彦 日本新薬株式会社

北野 未知 富士フィルムRIファーマ株式会社

山本 健一 株式会社LSIメディエンス

宮本 裕恵 株式会社住化分析センター

野村 達希 株式会社新日本科学

合計9名

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要旨 Summary

現在、種々の疾患に対して抗体医薬をはじめとするバイオ医薬品が開発さ

れており、それらの薬物濃度分析には主にLigand Binding Assay(LBA)が使用

されている。また、薬効や安全性の指標となる各種バイオマーカー分析でも

LBAが使用されることが多い。そこで、LBAをトピックとして取り上げ、第4回から

第6回JBFシンポジウムでその成果を発表した。本DGでは、引き続き抗薬物抗

体(ADA:Anti-Drug Antibody)分析に焦点を当て、議論を行ったため、その成

果を発表する。

本DGでは、ADA分析における「患者試料中のADA分析」、「中和抗体分析の

バリデーション」、「臨床試験で陽性が得られない場合」、「酸解離の検証」、

「重要試薬」、「トラブルシューティング」、「ADA分析のストラテジー」、「中和抗

体及びアイソタイプ分析の実績・必要性」などをメンバーで議論した。

本発表では、DGの議論内容の概要を紹介し、ADA分析の標準的な手法に

ついて、議論の一助としたい。

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要旨 Summary

Biotechnology-based drugs, typified by antibody drugs, are currently being developed for various diseases. The Ligand Binding Assay (LBA) is being used for the concentration measurement of these drugs. LBA is also commonly used to measure various biomarkers that serve as indices for drug efficacy and safety evaluations. In this regard, LBA has been taken up as the fourth to sixth JBF symposium. This time, our poster presentation will focus on the continuous discussion over the anti-drug antibody (ADA) assay.

In particular, this DG discussed the “ADA analysis of patients”, “validation of neutralizing antibody (Nab) assay”, “no positive reaction in clinical phase”, “verification of acid dissociation”, “critical reagents”, “trouble shooting”, “strategy of ADA analysis”, “necessity/achievement of neutralization activity and isotypes”.

This presentation gives an overview of the contents discussed in the DG to help establish a standard procedure for the ADA assay.

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活動内容 Activities

• Jul 2015: DGサポーターからメンバー募集

– Member recruitment from DG supporters.

• Aug 2015: キックオフTC、9名のメンバーで活動開始

– Kick off meeting with 9 sophisticated members.

• From Aug 2015 to Dec 2015: ADA assayに関するトピックにつ

いて、毎月1回程度のTC及びメールによる議論

– Monthly teleconferences and e-mail conversations.

• From Jun 2016 to Feb 2016: まとめ、シンポジウム発表準備

– Summarizes and preparation of the poster presentation.

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論点 Discussion points 1. 患者試料中のADA分析

- ADA analysis of patients -

2. 中和抗体分析のバリデーション - Validation of neutralizing antibody (Nab) assay -

3. 臨床試験で陽性が得られない場合 - No positive reaction in clinical phase -

4. 酸解離の検証 - Verification of acid dissociation -

5. 重要試薬 - Critical reagents -

6. トラブルシューティング - Trouble shooting -

7. ADA分析のストラテジー - Strategy of ADA analysis -

8. 中和抗体及びアイソタイプ分析の実績・必要性 - Necessity/achievement of neutralization activity and isotypes -

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1. 患者試料中のADA分析

- ADA analysis of patients -

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1. 患者試料中のADA分析 背景 & 議論内容

【背景】

– ガイドラインやWhite paper等において、ADA分析における疾患患者特有の問題点及び課題は記載されていない。

そこで、疾患患者と健常人の試料で差異が認められた場合や疾患患者試料を用いたカットポイントの算出について、議論した。

【議論内容】

– 患者投与前試料のADA陽性頻度が高い場合のカットポイントの再設定

– 患者試料を用いたカットポイントの設定

– 血清試料の入手が困難な希少疾患への対応

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患者試料を用いてカットポイントを再設定して良いと思われる。ただし、ある程度の検体数が必要であるため、必要数を得られるかどうかがポイントである。ある程度症例登録が進んでから対応しても問題ないのではないか。

まずウエスタンブロット等により患者の投与前試料中にADAが存在することを確認する必要があると思われる。もしADAが存在するのにカットポントを再設定すると、 ADAを過小評価することになる。

健常人で設定したカットポイントを用いて患者検体を分析しているが、上記のような事例は経験したことがない。

1. 患者試料中のADA分析 Cut pointの再設定

健常人で設定したカットポイントを用いて患者検体を分析した際に投与前試料のADA陽性頻度が高い場合、カットポイントを再設定しますか?

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健常人と癌患者でブランク試料のシグナル値が大きく異なる経験をしたことがあり、それ以降健常人と患者を並べて分析している。両者のシグナルが同様の場合は、健常人と患者の試料をあわせてカットポイントを算出している。

RAなどの炎症性疾患患者は健常人に比べて高いシグナル値を示すと想定される。このような場合は、あらかじめ患者試料を用いてカットポイントを設定する必要があるのではないか。

患者試料を用いてカットポイントを設定したことがないが、問題は認められていない。

1. 患者試料中のADA分析 患者Cut pointの設定

患者での臨床試験の前にあらかじめ患者試料を用いて カットポイントを設定していますか?

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患者血清の入手が不可能な場合、健常人の血清を用いてカットポイントを設定するしかないと思われる。

事前に少数の患者血清を入手することが可能であれば、シグナル値を健常人と比較する。

P2/P3で投与前試料を集め、ある程度数の試料が集まった段階でカットポイントを再設定し、その後まとめて臨床検体の分析を実施してもよいのではないか。

炎症性疾患患者等でブランクのシグナル値が健常人と大きく異なる場合はpre/post比で判定せざるを得ないのではないか。

カットポイントだけではなく、pre/post比を用いる等、複数のクライテリアを用いて判定すべきではないか。

1. 患者試料中のADA分析 希少疾患

希少疾患で患者血清の入手が困難な場合、どのように対応しますか?

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2.中和抗体分析のバリデーション

- Validation of neutralizing antibody (Nab) assay -

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【背景】

– Nab分析法については、ガイドラインやWhite Paper等では、

明確なバリデーション試験の項目について記載されていない。そこで、現在、どのようなバリデーション試験を実施し、Nab分析法を評価しているかを議論した。

– Nabの分析フォーマット、閾値設定についても議論を行った。

2. Nab Assay validation 背景 & 議論内容

【議論内容】

– Nab assay format

– ADC Nab assay

– Nab assay validation (Schedule & Item)

– Nab assay cut off point

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Nab分析フォーマットについては、Competitive ligand-binding assay、Cell based assay等が用いられている。

Competitive ligand-binding assayが多く採用されている。

FDA Guidanceで推奨されているCell based assayについては、分析法の再現性の問題から、Competitive ligand-binding assayに変更する場合もある。

その他の薬物活性を分析する方法については、ケースバイケースで対応しているとのことであった。

Antibody-Drug Conjugate (ADC)のNab分析については、Competitive ligand-binding assayを用いることが多い。

Cell based assay等については、ケースバイケースで対応する。

ADCの内、抗がん剤等では、高濃度の投与量であることから、Nab分析を実施しない場合もある。

2. Nab Assay validation Format & ADC Nab assay

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第Ⅰ相試験のADAスクリーニング時の陽性率等を検証して、バリデーションを実施し、第Ⅱ相試験からNab分析を実施している。

抗がん剤等では、高濃度投与量である為、ADA分析のみで対応する場合がある。

投与薬剤が、内因性の組み換えタンパク質の場合では、第Ⅰ相試験前にバリデーション試験を実施して、第Ⅰ相試験からNab分析を実施することがある。

Nab分析法バリデーションでの項目としては、

1)日内再現性、2)日間再現性、3)個体別分析及び閾値の算出、

4)選択性(個体別試料に対する添加回収試験)、5)抗体価、

6)Drug Tolerance

を実施しており、検体の安定性確認を実施する場合もある。

ADA分析バリデーションと同様の項目を実施している。

2. Nab Assay validation Schedule & Item

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Nab分析法の閾値設定としては、

臨床試験: 個体別試料 50例

非臨床試験: 個体別試料 15例

の分析値から、95%信頼区間算出。

ADA分析と同様のCut off pointを算出している。

Cell based assay等を用いたNab分析法では、分析値のバラつきが大きくなる傾向があり、バラつきを考慮したCut off pointを設定する場合がある。

2. Nab Assay validation Cut off point

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/ 3. 臨床試験で陽性が 得られない場合

- No positive reaction in clinical phase -

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【背景】 – 臨床試験の実試料分析で陽性が得られない場合は、分析法としての妥当性に疑義が生じることがある。 そこで、このような事態が生じた場合、分析法としての見直しを行うか否かについて議論した。

【議論内容】 – 使用しているメソッド

– 臨床試験で陽性が得られない場合、メソッドを改良する必要があるか

– 陽性が得られない原因からの考察

ガイドラインにおける検出感度基準

アイソタイプの取りこぼし – 臨床フェーズにおいてメソッドを変更することの是非

3. 臨床試験で陽性が得られない場合の対応

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臨床試験で陽性が得られない場合でも、PKの変化や有害事象、薬効の減弱が認められない限り、メソッドの変更は必要ない。

リスクが高い薬剤では変更も考慮する。

3. 臨床試験で陽性が得られない場合の対応

臨床試験で陽性が得られない場合、分析法改良の必要性があるか?

臨床試験で利用する分析法は?

Bridging (ECL)が多い。SPRのケースもある。

標識体作製が困難な場合にはDirect ELISAもある。

PK分析で用いられるGyrolabを使用したケースはない。

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特異/非特異抗体や種々のアイソタイプの混ざりもののPositive controlであっても、基準を満たしていれば問題無い。

検出感度はPositive controlに依存しており、ガイドラインの基準は、あくまで指標(目標値)である。

ガイドラインの基準は満たすようにする。

酸解離をした場合はDrug toleranceと併せて感度を考える必要がある。

3. 臨床試験で陽性が得られない場合の対応

陽性が得られない原因からの考察 ― ガイドラインにおける検出感度基準

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ガイドラインには全てのアイソタイプの検出を求めてはいるが、静脈内投与の場合、IgM→IgGの順で産生されるため、IgGのみの検出系であったとしても、IgMを取りこぼしているとは考えにくい。

粘膜を介すならIgAも想定される。

3. 臨床試験で陽性が得られない場合の対応

陽性が得られない原因からの考察 ―アイソタイプの取りこぼし

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3. 臨床試験で陽性が得られない場合の対応

開発途中(臨床フェーズ)においてメソッドを変更することの妥当性

各臨床段階におけるADA評価の継続性を考慮すると、開発途中においてはメソッドを変更しないのが望ましい。

有害事象や異常なPKが臨床で認められるにも拘わらずADAが陰性であれば、メソッドを改良する。

抗がん剤のように、長期投与でのADAによる薬効減弱を厳密に評価したい場合には、メソッド変更も有り得る。

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/ 4. 酸解離の検証

- Verification of acid dissociation -

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【背景】

– ADAは分析対象が不特定多数となるため、分析系で対象物

質が分析できていない可能性を払拭しきれない。その原因の1つとして、酸解離条件の妥当性についてフォーカスし、さらに他の要因についても議論を行った。

【議論内容】

– Drug tolerance limit を設定する濃度範囲

– 検証と実際の薬剤濃度範囲の差異の考え方

– 酸解離条件のバリデーションの妥当性の判断

– ADAが検出できていないかもしれないという考察が必要かどうか

4. 酸解離条件の検証 背景 & 議論内容

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trough濃度で設定(多数意見)

社内標準濃度で設定

予想最高血中薬物濃度を目標値とする。

→ できるだけ目標値に近づけるが、 固執はしない。

Drop out した被験者の血液分析を念頭に最高血中濃度が必要と考えている。

4. 酸解離条件の検証 Drug tolerance limit

Drug tolerance limitの妥当性 を検証する際の薬物濃度範囲

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Positive/Negativeがわかればよい

酸処理の有/無を比較し、ADAを検出できている方を選択する。

指標:感度、Drug tolerance limit値

4. 酸解離条件の検証 Drug tolerance limit

検証と実際の薬物濃度範囲の差異が生じた場合

多少の差異では再バリデーションは不要

→ Positive controlを用いたDrug tolerance limitは参考値である。

※ただし、差が大きすぎる場合は要検討となるが、サンプリングポイントの設定によっても対応できる。

バリデーションはPKデータが収集される前までに終了

→ ADA分析で最終報告書が遅れることは避ける。

酸解離条件のバリデーションの妥当性の判断

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<可能性がある場合>

- 個体差以上のPKの変動がみられれば、ADAの生成が検出できていない可能性がある。

<それ以外>

- 群内での一律な変動であれば、Tolerance 誘導、薬

理作用、毒性所見、免疫抑制などが考えられる。薬効、安全性結果より考察する。

4. 酸解離条件の検証 結果からの考察

ADAが検出できていないかもしれないという考察が必要かどうか

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検出が阻害される要因1

酸解離が十分でない ⇒ 可能性は低い

(理由)

Positive Control (高親和性)で解離条件をバリデート

検出が阻害される要因2

中和後の 免疫複合体の再形成

→ 薬剤濃度が高い場合、想定される。

→ 測定point の選択により回避できる。

ADAが検出できていないかもしれないという考察が必要かどうか

4. 酸解離条件の検証 結果からの考察

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検出が阻害される要因3

酸処理によるADAのdamage

→ 実sampleと比較して、positive control の親和性が高いため、過剰の酸処理を実施している可能性がある。

検出系を再検討する場合

細かい条件の変更を検討するより、

測定原理の異なる系を検討する。

(Biacoreなど)

4. 酸解離条件の検証 結果からの考察

ADAが検出できていないかもしれないという考察が必要かどうか

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/ 5.重要試薬

- Critical reagents -

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【背景】

– Ligand Binding Assayでは、分析対象物質に間接的又は直接的に結合する重要試薬(Critical Reagent)が分析結果に影響を及ぼすと考えられている。

– しかしながら、ロット変更時の対応及び有効期限の設定に

ついては、明確ではなかった。

– そこで、重要試薬のロット変更時の対応や有効期限の設定について議論した。

【議論内容】

– 重要試薬のロット変更時の対応

– 重要試薬の有効期限

5. 重要試薬 背景 & 議論内容

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【結合試薬のロット変更時】 – 結合試薬は、分析対象物質に直接的に結合し、 分析結果への影響が大きいことから、可能な限り、ロットの変更が生じないようにしている。なお、ロット変更時には、 パーシャルバリデーションを実施しているという意見が多数であった。

– パーシャルバリデーションとして、分析単位内再現性及び選択性を実施する。

【間接試薬のロット変更時】 – 間接試薬は、結合試薬に比べて分析結果への影響が低いと考えられるが、こちらも可能な限り、ロットの変更が生じないようにしている。なお、ロット変更時には、反応性の事前確認を実施し、パーシャルバリデーションは実施していないという意見が多数であった。

– 反応性確認として、Negative及びPositive controlにおける反応性の検証を実施する。

5. 重要試薬 ロット変更時の対応

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5. 重要試薬 有効期限の設定

【市販品の重要試薬】 – 製造元において、有効期限が設定されている場合、その期限に準じているという意見が多数であった。

【自社調製品の重要試薬】 – 有効期限は設定していない。 – 実試料分析において、Positive controlの反応性が変わらなければ、分析系がワークしていると考える。

【その他】 – 重要試薬の活性が低下しており、実試料分析の結果を棄却した企業はなかった。

– いずれの企業も、重要試薬を予め小分け/凍結保存し、使用時に融解し、残余を廃棄する(又は冷蔵し1ヵ月以内に使用する)などの対策を講じている。

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/ 6.トラブルシューティング

- Trouble shooting -

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6. トラブル事例 背景 & 議論内容

【背景】

– Ligand Binding Assayを実施する際に起こるトラブル事例を挙げ、その原因を探り、対応策を議論した。

【議論内容】

– Drift、Edge Effect

– クロストーク

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6. トラブル事例 Drift, Edge Effect

【事象】

Driftとはplateの左側から右側または上側から下側への顕著な吸光度またはシグナルの変化が起こる現象であり、Edge Effectとは中央のwellに比較し、際のwellにて、より高い(低い)吸光度またはシグナルを観測する現象である。

【原因】

考えられる原因としては、反応時間や温度、plateのロット間差が挙げられた。

【対策】

• 反応時間や温度:8連及び12連ピペットを用いることで、plate内での時間、温度をなるべく均一にする。

• plateのロット間差:同じ試験内では、可能な限り同一ロットのplateを使用するようにする。

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6. トラブル事例 クロストーク

【対策】

• 高濃度サンプルの隣に低濃度サンプルや実サンプルを配置しないよう、plateのレイアウトを工夫する。

• 検量線のダイナミックレンジを狭く、QC-Hサンプルの濃度を下げる。

• 分析法検討の際、高濃度域のハレーションを起こしているか確認し、ハレーションを起こしていた場合はシグナルの絶対値を小さくする。

• 1well毎測定できる機器への変更を検討する。

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/ 7. ADA分析のストラテジー

- Strategy of ADA analysis -

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7. ADA分析のストラテジー 背景

【背景】 ICHガイドラインS6(R1) には、以下の記載(一部抜粋)がある。 Immunogenicity assessments are conducted to assist in the interpretation of the study results and design of subsequent studies. Such analyses in nonclinical animal studies are not relevant in terms of predicting potential immunogenicity of human or humanized proteins in humans.

PART II: ADDENDUM TO S6, PRECLINICAL SAFETY EVALUATION OF BIOTECHNOLOGY-DERIVED PHARMACEUTICALS, ICH Harmonized Tripartite Guideline, Parent Guideline dated 16 July 1997, Current Step 4 version, Addendum dated 12 June 2011, incorporated at the end of June 2011

そこで、非臨床及び臨床のADA分析のアプローチを比較検討した。 さらに 『ADA分析のためのガイドライン(日本版)』 策定の必要性についても意見交換した。

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7. ADA分析のストラテジー 議論内容

【議論内容】

– 非臨床試験のアプローチ

– 臨床試験のアプローチ

– 『ADA分析のためのガイドライン』 の必要性

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【論点のまとめ】 多様なアプローチが可能である。

多くは、Screening/Confirmatory または

Screening/Confirmatory/Titer を検証

− Titer については有害事象と合わせて考察することを目的に実施するケースがある一方、毒性所見とTiterの一致が重要でないと判断するケースもある。

− 有効なPDマーカーがない場合は、 Nab(中和抗体)の分析が必要な場合もある。

− 酸乖離法を用いるケースはない。

7. 非臨床試験のアプローチ

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Screening Assay のみで検証

− 非臨床においては高い感度を要求するものではなく、 Cut pointは99.9パーセンタイルとし、Screening Assay以降は不要とする方針はいかがか。

Journal of Immunological Methods 417 (2015) 1-9, A fit-for-purpose strategy for risk-based immunogenicity testing of biotherapeutics: a European industry perspective

− Surrogate positive control を用いて検量線を作製し、

検量線から濃度を算出して半定量する方法も一案である。

− Comparability 試験を想定した際に、Confirmatory Assay の検証が必要ではないか。

7. 非臨床試験のアプローチ

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Confirmatory Assay のみで検証

− 効率化(SPRなどの半自動化装置を利用)を目的として、 薬物吸収有無のシグナル強度比率と、 薬物投与の pre /post 比から posi・nega 判定が可能であれば問題ないと考える。

− 薬物濃度が高いTKサンプルにおいて、 posi・nega 判定が可能であるか疑問は残る。

− サンプル処理数が多くなり、分析に長時間を要する。また、コストも高くなることが予想され、Screening Assay を実施しないメリットが見出せないかもしれない。

7. 非臨床試験のアプローチ

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【論点のまとめ】 非臨床試験のように、 アプローチは多様ではない。

多くは、Screening/Confirmatory/Titer または Screening/Confirmatory/Titer/Nab を検証

− Nab(中和抗体)Assay については、POC取得までに用意、 臨床試験開始時に用意、posi がなければ用意しないなど、状況に応じた対応がとられている。

酸乖離法を用いるケースもある

− Drug concentration ≧ Drug tolerance の場合

7. 臨床試験のアプローチ

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【論点のまとめ】

その他に準備する分析系については、目的に合致したレギュレーションで実施すれば良い。

抗薬物 IgE抗体

− 有害事象(アナフラキシー)との関連性が言われているため、現在用意している、状況に応じて用意するだろう、 との意見であった。その際は、 Regulatory validation が適切である。

認識部位の特定(ADC, Bi-specific, PEG-peptide, Fusion

protein など)や アイソタイピング、クラスタイピング − Fit for Purposeで実施すれば良い。

7. 臨床試験のアプローチ

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【論点のまとめ】 分析法を標準化することが難しいため、『LBAガイドライン』 のような標準化・定型化を推進する文書形態

は不向きであると考える。しかしながら指針のような文書は必要ではないだろうか。

標準化・定型化の必要はない

− 様々なアプローチが可能な点がADA分析の利点である。

− カットオフ値の算出方法は様々であるが、科学的根拠や統計学的手法に基づいた手法であれば問題ない。

7. ガイドラインの必要性

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臨床を対象とした指針があっても良い − 必要最低限の部分のみを解説した、解説書(コンセプトペーパーなど)は価値がある。

− 諸外国では規制文書を作成している。 − 非臨床は多様なアプローチが可能。 − 非臨床は臨床の指針を参照すれば良い。

非臨床・臨床を対象とした指針があった方が良い − 経験が浅い場合、どのようにアプローチしたら良いか判らないため、バリデーションに求められる最低限の要件についての指針が欲しい。

− 社内外への説明のための根拠資料としたい。

7. ガイドラインの必要性

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/ 8.中和抗体及びアイソタイプ分析の実績・必要性

- Necessity/achievement of neutralization activity and isotypes -

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8. 中和抗体分析及びクラスタイピング

• 目次

–中和抗体分析の実施程度及び必要性

–中和抗体分析における要求感度及びdrug tolerance

– クラスタイピングの実施程度及び必要性

(1) IgE assay

(2) アイソタイピング

(3) IgG4 assay

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8.1 中和抗体分析の実施程度及び必要性

【背景】 – 2015年9月のEMA 免疫原性ガイドライン改定案ではスクリーニングアッセイ陽性の場合に中和抗体分析の実施を要求しており、さらにその方法としてcell-based assayによる分析を推奨するとしている。

– そこで、中和抗体分析の実施程度(競合LBA or cell-based assay)及び必要性について議論した。

【論点のまとめ】 – 薬物の薬理効果の指標となるPDマーカーを分析できない場合は中和抗体分析が必要となる。

– 中和抗体分析法としてはcell-based assayが推奨されているが、分析法の感度や精度の観点で問題を抱えていることが多い。

– したがって、基本的に中和抗体分析法としてLBAを採用することが多い。

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8.2 中和抗体分析における要求感度及びDrug tolerance

【背景】

– 一般に、中和抗体分析ではスクリーニングアッセイと比較して感度やdrug toleranceが悪くなる。中和抗体分析の感度やdrug toleranceについて議論した。

【論点のまとめ】

– 中和抗体分析の感度を改善することは困難な場合が多いため、感度の要求基準は設定しない。

– Drug toleranceについても同様に中和活性分析法では薬物の影響を受けやすい傾向がある。

– スクリーニングアッセイ陽性の検体を高次アッセイである中和抗体分析に適用して結果が陰性であった場合に、試料中の抗薬物抗体が中和活性を持たないのかそれとも分析法の感度が不十分なために陰性になっているのか判定できないという問題点があることに注意が必要である。

– PKがdrug tolerance limitを超えることが判明している場合には中和抗体分析を実施しないこともある。

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8.3 クラスタイピング (1) 【背景】 – IgE型抗体はアナフィラキシー症状を引き起こすため安全性上の重要度は高い。

– また、生体試料中に微量にしか存在しないためスクリーニングアッセイでは感度的に偽陰性となる可能性が懸念される。

– そこで、IgE型抗薬物抗体の高感度分析法が必要かどうか議論した。

【論点のまとめ】 – IgE型抗薬物抗体と有害事象との関連が認められるのであればアッセイ系を準備する必要があるかもしれない。

– ただし、現状ではその必要性が明確になっておらず、一律に実施すべき項目とは考えられない。

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8.3 クラスタイピング (2) 【背景】

– スクリーニングで陽性の場合にIgM、IgGサブクラス、IgA等のアイソタイプを特定する必要性について議論した。

【論点のまとめ】

– クラスタイピングは、一般に得られた結果をどう活用できるか明確ではないため、現時点でクラスタイピングを実施する必要性は認められない。

– ただし、投与経路によって議論の余地がある(たとえば経鼻投与で粘膜系免疫であるIgA型抗体を評価するなど)。

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8.3 クラスタイピング (3) 【背景】 – ブリッジングアッセイではIgG4型の抗薬物抗体を検出できない可能性がある。

– すなわち、スクリーニングアッセイで陰性であってもIgG4型抗体の存在を見落としている可能性がある。

– そこで、IgG4型抗薬物抗体分析の必要性を議論した。

【論点のまとめ】 – このことは以前から知られていたにもかかわらず種々のバイオ医薬品開発でIgG4型抗体の特異的分析法は準備されておらず、このことに起因するような問題点も特にないと考えらる。

– したがって、現時点ではIgG4型抗薬物抗体の分析法を準備する必要性は低いと考えられる。

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DG2015-18 Wrap up 1. 患者試料のADA分析 – 臨床試験で疾患患者試料を分析した際に、投与前における陽性率が高い場合、患者試料でCut pointを再設定することは妥当である。

– ただし、ADA産生の過小評価を避けるため、ウェスタンブロット等でADA産生の有無を検証する等、慎重な対応が必要。

– バリデーション時、可能な限り疾患患者試料を用いてCut pointを算出することが妥当である。

– 希少疾患等の理由で疾患患者試料の入手が難しい場合、可能な範囲で健常人試料との比較を行う又はPre/Post比を併用して評価する等、個別の案件に応じて対応が求められる。

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DG2015-18 Wrap up 2. 中和抗体分析 – Nab分析フォーマットについて、Cell based assayは 分析法感度の面で難があるため、Competitive ligand-binding assayを利用するケースが大半であった。

– 第Ⅰ相試験の陽性発現率を基に、バリデーション試験を開始し、第Ⅱ相からNab分析を実施している。ただし、治験薬が組み換えタンパク質の場合では、第Ⅰ相試験前にバリデーション試験を開始している。

– 抗がん剤等の抗体医薬(antagonist)では、投与量が高いため、ADA分析のみの実施に留めている。

– バリデーション項目は、概ねADA分析バリデーションと同様の内容で実施している。

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DG2015-18 Wrap up 3. 臨床試験で陽性が得られない場合 – 分析プラットフォームはBridging assay(ECL)が多数であった。 – ガイドラインに記載されている分析法感度を目標にしている。 – 開発途中でADA分析法を変更する場合、特段の理由(異常なPK推移、有害事象にも関わらず、陰性判定である等)があれば別だが無用な変更は避けるべき。

4. 酸乖離条件の検証 – Drug tolerance limitの妥当性を検証する薬物濃度は、トラフ濃度又は予想最高血中薬物濃度 を目標値としている。

– 上記で想定した薬物濃度と実際の濃度が多少乖離した場合であっても、再バリデーションは実施していない 。

– 酸処理の有無を比較し、ADAをより検出できる手法を適切な分析法として採択している。

– 実試料では酸処理による抗体へのダメージは否定できないことに留意すべきである。

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DG2015-18 Wrap up 5. 重要試薬 – 結合試薬のロット変更時はパーシャルバリデーションを実施。 – 間接試薬のロット変更時は反応性確認のみ実施。 – 市販品の有効期限は、製造元規定の期限に準じる。 – 自社調製品の有効期限は、設定していない。

6. トラブルシューティング – DriftやEdge effectを避けるため、反応時間や温度を均一にする等の工夫が必要である。

– Cross-talkの影響を避けるため、高濃度試料の近隣に低濃度試料を配置しないよう、レイアウトの工夫が必要である。

– 高濃度域のハレーションが認められる場合、シグナルの絶対値を低くする。

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DG2015-18 Wrap up 7. ADA分析のストラテジー – 非臨床試験では、Screening assay及びConfirmatory assayを実施しているケースが多い。

– Surrogate positive controlを用いて、検量線を構成し、半定量する方法も一案である。

– 臨床試験では、非臨床試験ほどの多様性はなく、Screening assay/Confirmatory assay/Titerを実施(Nabは状況に応じて)。

– 抗薬物IgE抗体については、有害事象との関連性が謳われているため、現在準備中、状況に応じて用意という意見が多数。

– 認識部位の特定、アイソタイピングやクラスタイピングについては、Fit- for-purposeで実施という意見が多い。

– ADA分析に関するガイドラインは、必要/不要という様々な意見があったが、指針のような形式は少なくとも必要という考えが多かった。

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DG2015-18 Wrap up 8. 中和抗体及びアイソタイプ分析の実績・必要性 – 薬物の薬理効果の指標となるPDマーカーを分析できない場合は中和抗体分析が必要となる。

– 中和抗体分析フォーマットについて、Cell based assayが推奨されているが感度の面で難があるため、Competitive ligand-binding assayを利用するケースが大半であった。

– スクリーニングアッセイ陽性の検体を高次アッセイである中和抗体分析に適用して結果が陰性であった場合に、試料中の抗薬物抗体が中和活性を持たないのか、それとも分析法の感度が不十分なために陰性になっているのか判定できないという問題点があることに注意が必要である。

– PKがdrug tolerance limitを超えることが判明している場合には中和抗体分析を実施しないこともある。