給排水設備の 調査診断 · 2020. 6. 29. · 内視鏡調査(非破壊検査)...

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給排水設備の 調査診断 リビングエンジニアリング株式会社

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Page 1: 給排水設備の 調査診断 · 2020. 6. 29. · 内視鏡調査(非破壊検査) 内視鏡を開口部から挿入して、目視にて管内部の状況を観察及び記録します。

給排水設備の

調査診断

リビングエンジニアリング株式会社

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はじめに

なぜ調査診断を実施する必要があるのか・・・

傷みや劣化が生じている部分を特定し、その度合いを判定し、その原因を推定することで、現在の

状況を把握 し、将来の状況を推定し、修繕計画の見直しや改修計画の資料になる。

経済的な改修工事、故障箇所の早期発見に利用できます。 実施時期

給水管

塩ビライニング鋼管(VLP)・・・約25年

(特に継手部分)

雑排水管

炭素鋼鋼管(白ガス管・SGP)・・・約30年

汚水排水管

鋳鉄管(CIP)・・・約40年

(※出展:官庁営繕、耐用年数)

一般的に公開されている耐用年数は目安であり、使用状況や環境等で変化します。

耐用年数を越える前に、改修工事を実施する事が望ましく、改修工事の前に調査診断を実施する

ことが最善です。

実施までの流れ

居住者への負担を考慮し、本調査実施までの計画を立てることが必要です。

① 予備調査 → ② 計画書 → ③ 本調査 → ④ 報告書

調査診断の手法

サンプル管調査等、部分抜取りによる検査方法がありますが、調査箇所によっては断水等の生活障害

が発生するため、非破壊調査 (外面腐食調査、X線透過試験、超音波肉厚測定、内視鏡調査等)のよ

うに、物理的に破壊することなく検出する調査診断方法が増えてきています。

サンプル管調査

実際に使用している配管を切り出し、内面の腐食状態を確認します。切り出したサンプル管は、半割り

後、酸洗い処理を行い詳細な測定を行います。

劣化している部分を直接機器等で測定できるため、正確な数値で調査診断の報告が可能です。

劣化状況が視覚的に判断できるため、居住者への説明がしやすい。

生活障害が発生する場合があります。共用部であれば、全戸断水や系統別断水の可能性もあります。

外面腐食目視調査

外面腐食が発生している箇所について、目視にて錆及び減肉の状況を記録します。

内面の劣化状況については検査できません。

酸洗い前 酸洗い後

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内視鏡調査(非破壊検査)

内視鏡を開口部から挿入して、目視にて管内部の状況を観察及び記録します。

内面の劣化状況が視覚的に判断できるため、居住者への説明がしやすい。

具体的な数値で調査診断の報告は出すことは出来ません。

光源器

デジタルビデオカメラ 内視鏡画像

X線透過試験調査(非破壊検査)

携帯式X線装置を用い、X線フィルム上に直接配管内部の情報を反映します。フィルム上には白黒の

濃淡像としてあらわれます。これによって配管内部の減肉状況、錆等の付着状況他が確認できます。

劣化状況は視覚的に判断できるが、具体的な数値で調査診断の報告をすることは難しい。

直管だけでなく継手部分も調査が可能。

機器の設置場所の計画が必要。

X線発生装置

X線フィルム

X線写真

超音波肉厚測定調査(非破壊検査)

測定装置

探触子

直管部の肉厚

赤いラインはネジ換算部

※ネジ部の厚さは直管の半分

超音波厚さ計を使用します。試験体の表面から超音波のパルスを内部に送り、試験体底面から反射し

てくる超音波パルスの往復時間を計測します。これにより、底面までの距離(厚さ)を測定する方法です。

具体的な数値で調査診断の報告が可能です。

管種によっては適用できない場合があります。

継手部分の数値測定は出来ません。(ネジ部は直管の半分の肉厚として推定により報告)

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調査診断の数と場所

調査診断の費用内容

調査診断の数量

全数(建物全体)

設備配管は殆どが隠蔽配管であることから、配管を露出させて計測する必要のある全数の調査診断

は、時間・コスト共に現実的ではない。(多大な付帯工事が発生)

抜取り【選抜】(建物の一部分)

経過年数は、建物内は全て同じ(リフォーム住戸は除く)であり、マンションという用途から、他住戸も

同じ使用状況だろう、という想定の元で実施します。

調査診断の場所

手法によっては全戸断水等の生活障害が発生。専有部では居住者の在宅立会いが必要です。

共用部では、水の供給元、排水の合流部で実施

専有部では、台所の排水系統、汚水・雑排水系統ごとに実施

予備調査費

本調査の前の簡易的な調査で、機器の設置場所など、計画を立てるための調査です。

各調査診断手法の費用

資格の必要な診断手法があるため診断士への技術料として必要です。

機材の損料

使用機材は高額な精密機械でありメンテナンスは欠かせません。

付帯工事費

配管を露出させ、調査診断後に現状復旧するための費用です。

養生費

水廻りの調査ですし、特に排水管調査などは汚れてしまいます。

産業廃棄物処理費

交通費

報告書作成費

写真や動画で状況を保存するため、報告しやすい場所の選別など数日かけて作成します。

諸経費

判定手法

外面の劣化状況と、内面の劣化状況により総合的に判定し、建てられた当初から現在までの劣化

進行の度合いから、今後の残存寿命を推定します。

測定方法によっては、具体的な数値で残存寿命を推定することも可能です。

数値から残存寿命を推定する方法(計算例)

(基準肉厚-残存肉厚)÷経年数=侵食度【mm/年】

・基準肉厚:配管購入時の肉厚

・残存肉厚:測定して得た、残っている肉厚

・経 過 年:建てられてから、現在までの年数

・侵 食 度:1年に侵食された数量

※現在までに1年間毎に侵食された肉厚が分かることで、今後何年間で残っている肉厚(残存肉厚)

を、「0」にしてしまうのかが分かります。

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