参考資料―2 研究開発プログラム実施計画書 - PWRI様式1 研究評価実施年度*1 :令和元年度(事前評価・年度評価・計画変更・見込評価・事後評価)
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特別の教科 道徳の指導と評価について
令和元年5月28日(火)
大分県教育委員会義務教育課
大分県公立学校教頭会「第1回調査部研修会」
1
改訂のポイント 評価について
3 道徳科の評価について① 道徳科における評価② 学習状況の把握③ 道徳性に係る成長の様子④ 継続的な把握⑤ 数値による評価は行わない⑥ 具体的な評価の方法(例)⑦ 通知表の所見について⑧ 道徳科における評価の意義
1 道徳科改訂の背景① 改訂の主な背景② 改訂の経緯
2 道徳科改訂のポイント① 道徳科の目標② 道徳科の内容③ 道徳科の指導
2
改訂の背景
道徳教育が抱える課題・歴史的な経緯に影響され、道徳教育を忌避しがちな風潮・他教科に比べて軽んじられている・読み物の登場人物心情理解のみに偏った形式的な指導
平成26年2月道徳教育の充実について中央教育審議会に対して諮問
大津市中2いじめ自殺事件 グローバル化、情報化の急速な進展
①改訂の主な背景 改訂の背景 改訂のポイント 評価について
3
平成26年 2月道徳教育の充実について中央教育審議会に対して諮問
②改訂の経緯
平成26年10月「道徳に係る教育課程の改善等について」答申
道徳の時間を「特別の教科 道徳」として位置付け
道徳教育の目標と「特別の教科 道徳」の目標の関係を明確に
多様で効果的な道徳教育の指導法へと改善
「特別の教科 道徳」に検定教科書を導入
一人一人のよさを伸ばし、成長を促すための評価を充実
答申の主な内容
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
4
特別の教科
道徳道徳科
総則
道徳教育
平成27年3月小学校学習指導要領、中学校学習指導要領等の一部改正の告示
②改訂の経緯
平成29年3月小学校学習指導要領、中学校学習指導要領等の全面改訂の告示
実質的な変更はなし
平成30年4月~ 小学校で全面実施平成31年4月~ 中学校で全面実施
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
5
教科用図書を主たる教材として使用すること
道徳科の授業で児童生徒を評価すること
②改訂の経緯
道徳教育は、教育活動全体を通じて行うこと
道徳教育の要として道徳科の授業を年間35時間行うこと
道徳教育及び道徳科では、道徳性を養うことを目標としていること
大きく変わること
変わらないこと
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
6
・教育の目標(教育基本法)
● 豊かな情操と道徳心(豊かな心)を培う・これからの時代に必要な資質・能力の育成
● 知識及び技能の習得、思考力、判断力、表現力等の育成、学びに向かう力・人間性等の涵養
・教育課題への対応
● いじめ問題、情報モラル、ESDなどへの対応・道徳科の授業の量的確保
● 年間35時間以上実施して評価する・道徳科の授業の質的転換
●「主体的・対話的で深い学び」(「考え、議論する道徳」)
②改訂の経緯
求められていること
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
7
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
3 道徳科の評価について① 道徳科における評価② 学習状況の把握③ 道徳性に係る成長の様子④ 継続的な把握⑤ 数値による評価は行わない⑥ 具体的な評価の方法(例)⑦ 通知表の所見について⑧ 道徳科における評価の意義
1 道徳科改訂の背景① 改訂の主な背景② 改訂の経緯
2 道徳科改訂のポイント① 道徳科の目標② 道徳科の内容③ 道徳科の指導
8
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
新 小・中学校学習指導要領
第3章 特別の教科 道徳
道徳科の目標
道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。
新 小・中学校学習指導要領
第1章 総則の第1の2の(2)
道徳教育の目標
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
9
①道徳科の目標
● 週1時間の授業で
● 意図的・計画的に
● 今後の様々な場面で適切な行為
を主体的に選択し、実践できるように
■道徳科の授業で
学校の教育活動全体を通して(道徳教育)
■各教科総合的な学習の時間特別活動で
■日常の生徒指導を通して
道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度の育成道徳的実践の指導
道徳性を養う指導
学校にはきまりがありますよ。(規則の尊重)
他の人に迷惑がかかりますよ。(公徳心)
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
10
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うた
め、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
■価値理解内容項目を、人間としてよりよく生きる上で大切なことであると理解すること
■人間理解道徳的価値は大切であってもなかなか実現することができない人間の弱さなども理解すること
■他者理解道徳的価値を実現したり、実現できなかったりする場合の感じ方、考え方は一つではない、多様であるということを前提として理解すること
道徳的諸価値について理解する人に親切にするのは、とっても大切なことなんだなあ。
人に親切にするのは大切だけど、いざ行動に移すのは難しいなあ。
親切な行為には、人によっていろんな感じ方や考え方があるんだなあ。
×特定の道徳的価値を絶対的なものとする学習×本来実感を伴って理解すべき道徳的価値のよさや大切さを観念的に理解させたりする学習
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
11
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うた
め、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
■自己理解これまでの自分の経験やそのときの感じ方、考え方と照らし合わせながら、更に考えを深めること
○ 道徳的価値の理解を図るには、児童生徒一人一人がこれらの理解を自分との関わりで捉えることが重要
○ 道徳的価値を自分のこととして感じたり考えたりすることが大切
自己を見つめる
AさんはB君を助けるべきだったと思います。
私がもしAさんだとしたら、B君に声をかけて助けられなかったことをきっと後悔すると思います。
教材の文章や言葉が答えになるような発問では、児童生徒は自分との関わりで考えない。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
12
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うた
め、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
■多面的学習対象が様々な面をもっているということ
物事を(広い視野から)多面的・多角的に考える
勤労
収入
規則尊重
親切・思いやり生命尊重
規則を尊重し守ることが、多くの命を守ることにつながる場合がある。
規則を尊重しすぎるあまり、思いやりの行為が実現できない場合がある。
■多角的学習対象を様々な角度から考察し、理解すること
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
13
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考
え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
自己の生き方についての考えを深める
人間としての生き方についての考えを深める小 中
○今日の授業を通して、~が大切だと感じました。(価値の自覚)
○今の私には、~が足りないと気づきました。(自分の課題)
○今日の学習を通して、~な自分になりたいと思いました。(願い)
○一人の人間として~ありたいと思いました。(願い)中
小
小
中
価値の自覚
価値の自覚
願い
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
14
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考
え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
■道徳的判断力それぞれの場面で善悪を判断する能力
■道徳的心情道徳的価値の大切さを感じ取り、善を行うことを喜び、悪を憎む感情
■道徳的実践意欲道徳的判断力や道徳的心情を基盤とし道徳的価値を実現しようとする意思の働き
■道徳的態度道徳的判断力や道徳的心情に裏付けられた具体的な道徳的行為への身構え
道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
15
内面的資質
①道徳科の目標
第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考
え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる。
道徳科の目標
■道徳的判断力■道徳的心情■道徳的実践意欲■道徳的態度
道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度
道徳性を構成する諸様相
※これらの道徳性の諸様相には、特に序列や段階があるわけではない。
長期的な展望と綿密な計画に基づいた丹念な指導がなされ、道徳的実践につなげていく。
道徳的実践よりよい習慣・行為
は見えないが、「思い」、「心」 は見える。「思いやり」、「心遣い」
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
16
①道徳科の目標
「道徳性」を構成する諸様相
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
17
平成20年小・中学校学習指導要領解説
道徳編
平成29年小学校学習指導要領解説
特別の教科道徳編
道徳性とは、人間としてよりよく生きようとする人格的特性。
道徳性とは、人間としての本来的な在り方やよりよい生き方を目指してなされる道徳的行為を可能にする人格的特性。
<道徳性の諸様相>道徳的心情、道徳的判断力、道徳的実践意欲と態度、道徳的習慣、道徳的行為
<道徳性の諸様相>道徳的心情、道徳的判断力、道徳的実践意欲と態度
○道徳性を構成する諸様相である道徳的心情、道徳的判断力、道徳的実践意欲と態度などを養うことを求めている。○また、このほかに、道徳的習慣などがある。
○道徳性を構成する諸様相である道徳的判断力、道徳的心情、道徳的実践意欲と態度を養うことを求めている。○道徳的価値を実現するための適切な行為を主体的に選択し、実践することができるような内面的資質を意味している。
②道徳科の内容
A 主として自分自身に関すること1[善悪の判断、自律、自由と責任] 2[正直、誠実] 3[節度、節制]4[個性の伸長] 5[希望と勇気、努力と強い意志]
6[真理の探究](高学年のみ)
B 主として人との関わりに関すること7[親切、思いやり] 8[感謝] 9[礼儀] 10[友情、信頼]
11[相互理解、寛容](中・高学年のみ)
C 主として集団や社会との関わりに関すること12[規則の尊重] 13[公正、公平、社会正義] 14[勤労、公共の精神]15[家族愛、家庭生活の充実] 16[よりよい学校生活、集団生活の充実]17[伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度] 18[国際理解、国際親善]
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること19[生命の尊さ] 20[自然愛護] 21[感動、畏敬の念]
22[よりよく生きる喜び](高学年のみ)
小
4[個性の伸長] 22[よりよく生きる喜び]…他国に比べ、自尊感情が低い 11[相互理解、寛容]…人間関係の構築13[公正、公平、社会正義]…いじめ問題 18[国際理解、国際親善]…グローバル化
4
つ
の
視
点
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
18
②道徳科の内容
A 主として自分自身に関すること1[自主、自律、自由と責任] 2[節度、節制] 3[向上心、個性の伸長]
4[希望と勇気、克己と強い意志] 5[真理の探究、創造]
B 主として人との関わりに関すること6[親切、思いやり] 7[礼儀] 8[友情、信頼] 9[相互理解、寛容]
C 主として集団や社会との関わりに関すること10[遵法精神、公徳心] 11[公正、公平、社会正義] 12[社会参画、公共の精神]13[勤労] 14[家族愛、家庭生活の充実] 15[よりよい学校生活、集団生活の充実]16[郷土の伝統と文化の尊重、郷土を愛する態度]17[我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度] 18[国際理解、国際貢献]
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること19[生命の尊さ] 20[自然愛護] 21[感動、畏敬の念] 22[よりよく生きる喜び]
中
※太字下線は、中学校段階の発達的特質を考慮し、小学校段階から新たに加えられたり置き換えられたりした文言。
3[向上心、個性の伸長] 22[よりよく生きる喜び]…他国に比べ、自尊感情が低い9[相互理解、寛容]…人間関係の構築11[公正、公平、社会正義]…いじめ問題 18[国際理解、国際貢献]…グローバル化
4
つ
の
視
点
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
19
③道徳科の指導
これまでの道徳の時間の授業の課題
×主題やねらいの設定が不十分な単なる生活体験の話合いの指導
×読み物教材の登場人物の心情理解のみに終始する指導(読み物道徳・読み取り道徳)
×望ましいと分かっていることを言わせたり書かせたりすることに終始する指導(押し付け道徳)
考える道徳読み取り道徳
■読み物教材の登場人物の心理理解のみに終始する授業・気持ちの変化を捉える・気持ちに共感させる
■自分との関わりで道徳的価値を考える授業
・自分自身を見つめる・登場人物に共感して自分との関わりで気持ちを考える
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
20
③道徳科の指導
これまでの道徳の時間の授業の課題
×主題やねらいの設定が不十分な単なる生活体験の話合いの指導
×読み物教材の登場人物の心情理解のみに終始する指導(読み物道徳・読み取り道徳)
×望ましいと分かっていることを言わせたり書かせたりすることに終始する指導(押し付け道徳)
考える道徳押し付け道徳
■望ましいと分かっていることを言わせたり、書かせたりする授業・何が大切か・どうすることが望ましいか
■自分との関わりで多面的・多角的に考える授業
・どのようなわけで大切なのか・どうすることが考えられるか
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
21
③道徳科の指導
多様な感じ方、考え方と出合い交流する
主体的に自分との関わりで考える
考え、議論する道徳
主体的な学び
対話的な学び
深い学び
児童生徒が真剣に考えること
児童生徒が共に語り合うこと
児童生徒が生き方について考えを深めること
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
22
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
3 道徳科の評価について① 道徳科における評価② 学習状況の把握③ 道徳性に係る成長の様子④ 継続的な把握⑤ 数値による評価は行わない⑥ 具体的な評価の方法(例)⑦ 通知表の所見について⑧ 道徳科における評価の意義
1 道徳科改訂の背景① 改訂の主な背景② 改訂の経緯
2 道徳科改訂のポイント① 道徳科の目標② 道徳科の内容③ 道徳科の指導
23
①道徳科における評価
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳教育教育活動全体で見られた児童生徒の道徳的な行為
■行動の記録■総合所見及び指導上参考となる諸事項
道徳科■児童生徒の学習状況及び道徳性に係る成長の様子
と の評価 ※評価の公的な文書である「指導要録」の場合道徳教育 道徳科
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
24
①道徳科における評価
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
と の評価 ※参考の様式は、現行の中学校生徒指導要録
■行動の記録
■総合所見及び指導上参考となる諸事項
■児童生徒の学習状況及び道徳性に係る成長の様子
道徳教育 道徳科
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
25
②学習状況の把握
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳科の学習状況を把握するための観点
道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかどうか
■教材の登場人物に自分を置き換えて考えている。■教材の問題点等を自分事として受け止めて考えている。■日常の生活や学校生活等を想起しながら考えている。■自分の生活を見つめ、振り返りながら考えている。■自分だったらどうするかなどを考えている。 など
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
26
②学習状況の把握
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳科における学習状況の評価例
道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかどうか
教材の問題場面を、自分に置き換えて考え、自分なりの価値観を言葉で表現し、自分の考えを深めようとしていた。
教材の問題場面に対して、どうすることが望ましいことなのか、取り得る行動を、自分の立場で考えようとしていた。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
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②学習状況の把握
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳科の学習状況を把握するための観点
一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展させているかどうか
■ねらいとする道徳的価値の様々な面を考えている。■道徳的価値を支える様々な根拠をもっている。■様々な登場人物の立場で考えている。■自分の考えと友だちの考えを比べて考えている。■時間の経過とともに変化する気持ちを考えている。■人間の強さや弱さ等を捉えて考えている。 など
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
28
②学習状況の把握
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳科における学習状況の評価例
一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展させているかどうか
教材の問題場面の原因や人物のそのときの心情を様々な視点から考えようとしていた。
友だちの考えと自分の考えを比較しながら、よりよい考え方を追究し、自分の願いをもつことができた。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
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③道徳性に係る成長の様子
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
「道徳性に係る成長の様子」の考え方○道徳性に係る成長とは、道徳科の学習状況の成長と考えられる。※「道徳性の成長」ではないことに留意!○道徳科の学習状況を積み上げた結果としての成長の様子。○道徳科の学習状況に成長が見られれば、道徳性の成長につながっていくという推論に立つ。
1学期の学習状況
3学期の学習状況
登場人物の生き方について友達とその良さを話し合い、自分にとって何が大切かを考えるようになってきた。
教材の中の問題場面では、自分だったらどうするかを考え、よりよい生き方について、自分なりの考えを発言できるようになってきた。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
30
④継続的な把握
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
学習の状況を時間的に横に並べて、進捗の状況を認める
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
31
⑤数値による評価は行わない
4 児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必
要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。
指導計画の作成と内容の取扱い
道徳科の授業のねらい
成長を受け止めて認め、励ます個人内評価(人と比較しない)■目標に準拠した評価(絶対評価)は行わない。
■道徳科は、学習の到達度や目標の達成状況を把握するのではなく、「学習状況(学習のプロセス)」を把握していく。
・・・各教科はここを見る
・・・道徳科はここを見る
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
32
⑥具体的な評価の方法(例)
④聞き取りやインタビュー■机間指導や授業後に、「何か言いたいことあるのかな」や「これについてどう思うかな」等、個別に問いかけ、考え方や学習状況をつかむ。
②指導者のエピソードノート(仮称)■毎時間、全て児童は記録できないが、記憶を頼りに、毎時間3~5人ずつの学習状況をノートに記録していく。
■記録されていない子どもほど、次回意識して学習状況を見取るようにする。
①ファイリングして蓄積■ワークシートや道徳科ノート
③チームによる評価■互見授業や学年部、管理職等に授業を見てもらい、記録をとってもらう。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
33
⑦通知表の所見について
■法令上の規定はなく、各学校が独自に行っている。■国として様式の例示等は示していない。■指導要録の様式に対応した内容を学期ごとに通知する形が一般的。
1学期の学習状況
2学期の学習状況
1学期の学習状況
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
34
⑦通知表の所見について
●エラー1 道徳性そのものを評価した記述
●エラー2 児童生徒の人格そのものを評価した記述
●エラー3 目標に準拠した評価(絶対評価)を思わせる記述
●エラー4 他の児童生徒と比較した評価を思わせる記述
●エラー5 道徳科の学習状況ではなく、学校生活の様子を記述
●エラー6 道徳科の特質に応じた学習状況ではなく、どの教科にも当てはまるような記述
●エラー7 根拠のない推測による記述
●エラー8 専門的な教育用語を使った記述
通知表における所見のエラー
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
35
⑦通知表の所見について
●エラー1 道徳性そのものを評価した記述
思いやりについての学習では、手を差し伸べる思いやりと見守る思いやりを比べながら考えていました。この学習を通して、人を思いやるやさしい心情が育ったと思います。
思いやりについての学習では、手を差し伸べる思いやりと見守る思いやりの二つを比べながら話し合い、相手の立場を考え見守る思いやりがあることに気付きました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■道徳的心情は目に見えない内面的資質。■内面的資質である道徳的心情(判断力や態度も同じ)が育ったかどうかは容易に判断できない。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
36
⑦通知表の所見について
●エラー2 児童生徒の人格そのものを評価した記述
教材の中の場面に対して、自分がその場にいたら、どのように行動したかを考え、いつも発言していました。その成果として、性格も前向きで明るくなってきました。
道徳科の授業では、自分がその場にいたら、どのような行動をとるのか、どのような気持ちになるのかを考え発言するようになってきました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■道徳科の学習状況のことではない。■子どもの人格に関わるような内容を安易に活字にするべきではない。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
37
⑦通知表の所見について
●エラー3 目標に準拠した評価(絶対評価)を思わせる記述
1学期の初めは、授業のねらいとは違う考えをもつことがありましたが、後半はこちらが期待しているよりよい考えをもち、発言できるようになってきました。
「友情」や「親切」等の価値観について、自分の経験を想起しながら考えたり、自分がその立場ならどんな行動をとるのか発言したりしていて、自分の考えを明確にできるようになってきました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■「教師の期待する考えと違うことはいけない」という印象を与えてしまう。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
38
⑦通知表の所見について
●エラー4 他の児童生徒と比較した評価を思わせる記述
他の子に比べて発言は少ないですが、他の子よりじっくり考えています。ノートを見ると友だちの考えのよいところを取り入れ、考えを深めていることが分かります。
道徳科の学習では、登場人物の立場になり、自分お考えを発言するようになってきました。また、ノートには、今の自分の課題や自分にとって大切なことをまとめていました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■子どものマイナス面を強調したり、他の子と比べたりしない。■一人一人の子どもの良さを認め励ます個人内評価。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
39
⑦通知表の所見について
●エラー5 道徳科の学習状況ではなく、学校生活の様子を記述
委員会活動では、他の子が嫌がるような仕事にも率先して取り組みました。また、全校の人たちのことを考えた責任感あふれる発言はすばらしいと思います。
勤労についての学習では、委員会活動での自分の活動を振り返ることで、役割と責任、達成感等の勤労の意義について、考えを広げることができました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■委員会活動、児童会活動、生徒会活動、部活動、ボランティア活動等において、子どもが道徳的行為を発揮しても、道徳科として評価することはしない。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
40
⑦通知表の所見について
●エラー6 道徳科の特質に応じた学習状況ではなく、どの教科にも当てはまるような記述
挙手の回数や発言も多く、学習への積極さを感じます。また、発言だけでなく、ノートの記述も丁寧で、とても見やすく整理されています。
道徳科の学習では、授業の終わりに今の自分を振り返ったり、これからの自分を思い描いたりしながら、自分の考えをもつようになってきました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■指導者自身が道徳科の学習の特質(2つの着眼点で子どもの学習状況を把握する)を理解できていないと思われる。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
41
⑦通知表の所見について
●エラー7 根拠のない推測による記述
「正直」についての学習では、登場人物に自分を重ねながら、正直に生きることの大切さを述べていました。正直にできなかった時の経験が、大切さをより実感させたのでしょう。
「正直」についての学習では、正直にできなかった時の気持ちと正直になれたときの明るい気持ちの両面を友だちに伝えることにより、正直に振る舞う大切さに気付くことができました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■「正直にできなかった経験」が何のことなのか不明。■安易な推測や予想による記述は、保護者や子どもの信頼を損ねることもある。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
42
⑦通知表の所見について
●エラー8 専門的な教育用語を使った記述
どの授業においても、教材の登場人物に自我関与し、多面的・多角的に考えることにより、道徳的価値の自覚を一層深めることができました。
どの授業においても、教材の登場人物と自分を重ねながら学習に取り組み、自分の課題や自分にとって何が大切かを考えていました。
改善した文例
エラー文例
通知表における所見のエラー
■子どもや保護者など、誰が読んでも理解できるような、平易な言葉を使用するよう心掛ける。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
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改訂の背景 改訂のポイント 評価について
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⑦通知表の所見について
A どんな学習活動の場面なのか・・・学習場面
B どのような学びをしたのか ・・・・・・学習状況
C どんな良さがあったのか・・・・・・・・学びの高まり
所見に盛り込みたい要素(例)
本当の友だちとはどんな存在なのか
考える学習では・・・・・・・・・・・A 学習場面運動会で友だちと助け合った経験を
思い出しながら話し合い・・・・・・・B 学習状況一緒にいて楽しいという考えから、認め励まし合う関係であると
考えを広げることができました。・・・C 学びの高まり
⑧道徳科における評価の意義
教師 児童生徒
指導と評価の一体化
■教師が指導の目標や計画、指導方法の改善・充実に取り組むための資料となるもの
■自らの成長を実感し、意欲の向上につなげていくもの
指導に生かされ、児童生徒の成長につながる評価でなければならない。
改訂の背景 改訂のポイント 評価について
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道徳教育及び道徳科に係る参考資料①
46http://www.pref.oita.jp/site/gakkokyoiku/doutokukaiteibann.html
47
道徳教育及び道徳科に係る参考資料①
http://www.pref.oita.jp/site/gakkokyoiku/doutokukaiteibann.html
48http://www.pref.oita.jp/site/gakkokyoiku/doutoku.html
道徳教育及び道徳科に係る参考資料②
49http://www.pref.oita.jp/site/gakkokyoiku/doutoku.html
道徳教育及び道徳科に係る参考資料②
50http://www.pref.oita.jp/site/gakkokyoiku/2000407.html
道徳教育及び道徳科に係る参考資料③