原爆投下から65年 消えぬ核の脅威 - NHKOCTOBER 2010 65 原爆の日付...

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62 OCTOBER 2010 なお,今回の調査結果については,7月下旬 から 8月初めにかけて,広島県や長崎県向けの ニュースなどで紹介された。 1 原爆についての意識 原爆について話し合うこと 「ない」が多数 まず,原爆についての意識を尋ねた質問の結 果をみていく。 ふだん,原爆の問題について,家族や友人 などと話し合うことがどの程度あるのかを尋ね た。「よく」と「ときどき」を合わせた話し合う ことが『ある』という人は,広島37%,長崎 44%, 全 国 21%であった。 一方,「 あまり」と 「まったく」を合わせた,話し合うことが『ない』 という人は,広島63%,長崎56%,全国79% を占め,広島,長崎,全国とも『ない』が『ある』 を上回った (図 1) これを年層別にみると,広島の 70 歳以上と, 長崎の 60 代と70 歳以上では,『ある』という人 が半数を超えているものの,広島,長崎ともに 50 代以下では話題にする人は 3 割前後にとどま り,若い年代の人ほど,原爆について話題にす る頻度が少なくなっている。 一方,全国は,全ての年層で『ある』という 人が,広島や長崎に比べて少なく,70歳以上 の人でも3 割程度である。 はじめに 広島と長崎に,原子爆弾が投下されてから 65 年となる今年,放送文化研究所では広島局, 長崎局と共同で,原爆や核に関する世論調査 を実施した。調査の概要は以下の通りである。 これまでにNHKでは,広島市民を対象に 1975 年から 5 年おきに過去 7 回,そして長崎市 民を対象に1975 年,1985 年,1995 年の過去3 回,いずれも「面接法」による世論調査を行っ てきた。  今回は,調査方法を「RDD 追跡法」による 電話調査に切り替え,広島市,長崎市,そして 全国の20 歳以上の男女を対象に,ほぼ同規模 の調査を行うことにした。 本稿では,原爆や核兵器に関する人々の意 識は,被爆地である広島・長崎と全国とで違い はあるのか,また,被爆地で暮らしていても, 年齢の違いや自分や身近な人の中に被爆した 人がいるかどうかで変わってくるのか,という点 に分析の主眼を置き,調査結果を報告していき たい。 原爆投下から65 年 消えぬ核の脅威 ~「原爆意識調査」から~ 世論調査部(視聴者調査) 西 久美子  広島市 長崎市 全国 調査時期 2010 年 6 月 25 日(金)~ 27 日(日) 調査相手 20 歳以上 1,977 人 20 歳以上 2,089 人 20 歳以上 1,720 人 調査方法 RDD 追跡法 調査回答数(率) 1,276 人 (64.5%) 1,373 人 (65.7%) 1,030 人 (59.9%)

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62  OCTOBER 2010

なお,今回の調査結果については,7月下旬から8月初めにかけて,広島県や長崎県向けのニュースなどで紹介された。

1 原爆についての意識

原爆について話し合うこと 「ない」が多数まず,原爆についての意識を尋ねた質問の結

果をみていく。ふだん,原爆の問題について,家族や友人

などと話し合うことがどの程度あるのかを尋ねた。「よく」と「ときどき」を合わせた話し合うことが『ある』という人は,広島37%,長崎44%,全国21%であった。一方,「あまり」と

「まったく」を合わせた,話し合うことが『ない』という人は,広島63%,長崎56%,全国79%を占め,広島,長崎,全国とも『ない』が『ある』を上回った(図1)。

これを年層別にみると,広島の70歳以上と,長崎の60代と70歳以上では,『ある』という人が半数を超えているものの,広島,長崎ともに50代以下では話題にする人は3割前後にとどまり,若い年代の人ほど,原爆について話題にする頻度が少なくなっている。

一方,全国は,全ての年層で『ある』という人が,広島や長崎に比べて少なく,70歳以上の人でも3割程度である。

はじめに

広島と長崎に,原子爆弾が投下されてから65年となる今年,放送文化研究所では広島局,長崎局と共同で,原爆や核に関する世論調査を実施した。調査の概要は以下の通りである。

これまでにNHKでは,広島市民を対象に1975年から5年おきに過去7回,そして長崎市民を対象に1975年,1985年,1995年の過去3回,いずれも「面接法」による世論調査を行ってきた。 

今回は,調査方法を「RDD追跡法」による電話調査に切り替え,広島市,長崎市,そして全国の20歳以上の男女を対象に,ほぼ同規模の調査を行うことにした。

本稿では,原爆や核兵器に関する人々の意識は,被爆地である広島・長崎と全国とで違いはあるのか,また,被爆地で暮らしていても,年齢の違いや自分や身近な人の中に被爆した人がいるかどうかで変わってくるのか,という点に分析の主眼を置き,調査結果を報告していきたい。

原爆投下から65年 消えぬ核の脅威~「原爆意識調査」から~

世論調査部(視聴者調査) 西 久美子 

広島市 長崎市 全国調査時期 2010 年 6 月 25 日(金)~ 27 日(日)

調査相手 20 歳以上1,977 人

20 歳以上2,089 人

20 歳以上1,720 人

調査方法 RDD 追跡法

調査回答数(率) 1,276 人(64.5%)

1,373 人(65.7%)

1,030 人(59.9%)

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63OCTOBER 2010

わからない、無回答まったくないあまりないときどきあるよくある

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 5 31% 41 22

11 37 39 12 1

7 34 42 17

2 27 42 29

【広島】

被爆体験によって原爆の話題に差今回の調査では,広島,長崎の調査対象者

に,「自分が被爆した」か,「自分は被爆していないが,身近な人が被爆した」(以下,「身近な人が被爆した」と表記)か,あるいは「自分も身近な人も被爆していない」(以下,「被爆していない」と表記)のか,被爆体験の有無について尋ねている。「自分が被爆した」という回答は,広島では

全体の8%にあたる106人,長崎では全体の18%にあたる253人であった。また,「身近な人が被爆した」と答えた人は,広島では全体の52%にあたる658人,長崎では全体の47%にあたる649人であった注)。

先の「原爆の話題の頻度」の質問を,原爆体験別にみた結果が図2である。

図 1 原爆の話題の頻度(年層別)

図 2 原爆の話題の頻度(被爆体験別)

(%)

0

20

40

60

80

100

ない(あまり+まったく)

ある(よく+ときどき)

70歳以上60代50代40代20・30代全体

63

37

76

6871

60

4739

2932

23

53

【広島】

(%)

0

20

40

60

80

100

70歳以上60代50代40代20・30代全体

56

44

71 7165

55 54

45352929

46

【長崎】ない(あまり+まったく)

ある(よく+ときどき)

(%)

0

20

40

60

80

100

ない(あまり+まったく)ある(よく+ときどき)

70歳以上60代50代40代20・30代全体

79

21

90

8185

78

67

2215

19

10

33

【全国】

ない(あまり+まったく)

ある(よく+ときどき)

わからない,無回答まったくないあまりないときどきあるよくある

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 7 37% 37 18

10 48 28 14

7 41 39 14

7 25 44 24

【長崎】

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64  OCTOBER 2010

広島の「自分が被爆した」人で,原爆について話題にすることが『ある』人は48%,『ない』人は51%で,ほぼ同じ程度である。「身近な人が被爆した」人では,『ある』の

41%に対して『ない』は59%,また「被爆していない」人では,『ある』の29%に対して『ない』は71%で,いずれも原爆について話題にすることが『ない』という人のほうが多かった。

一方,長崎の「自分が被爆した」人では,『ある』が 58%,『ない』は42%で,原爆について話題にすることが『ある』という人のほうが多かった。しかし,「身近な人が被爆した」人や,「被爆していない」人では,『ない』という人がそれぞれ 53%,68%を占めて,『ある』という人よりも多い。原爆の話題の頻度は,自分が被爆しているかどうかによって差があることがわかる。

被爆地での生活「意識」7 割広島と長崎では,「原爆が落とされた街で生

活していること」について,日ごろどの程度意識しているかを尋ねた。「いつも」と「ときどき」を合わせた『意識し

ている』という人は,広島66%,長崎 67%を占めた。一方,「ほとんど」と「まったく」を合わせた『意識していない』という人は,広島33%,長崎30%で,全体的には,被爆地で生活していることを『意識している』人が多くなっている(図3)。

年層別にみると,広島,長崎ともに全ての年層で『意識している』が『意識していない』を上回っているが,20・30代で『意識している』人は,広島,長崎ともに58%で,それより上の年代と比べると少ない。

さらに,原爆体験の有無との関連をみると,

「自分が被爆した」人で,「いつも意識している」という人は,広島52%,長崎44%と半数程度を占めた。「ときどき意識している」を加えると,広島,長崎ともに『意識している』人は8割を超え,大部分の人が被爆地での生活を意識していることがわかる(図4)。

その一方で,広島,長崎とも「身近な人が被爆した」人で「いつも意識している」人は,2 割程度,「被爆していない」人では1割程度にとどまっている。原爆の話題の頻度と同様,被爆地で生活しているという意識についても,自分が被爆しているかどうかによって濃淡があるようだ。

図 3 日常の原爆意識(年層別)

(%)

0

20

40

60

80

100

意識していない(ほとんど+まったく)意識している(いつも+ときどき)

70歳以上60代50代40代20・30代全体

66

33

58

6965 66

26

343531

42

74

【広島】意識している(いつも+ときどき)

意識していない(ほとんど+まったく)

(%)

0

20

40

60

80

100

意識していない(ほとんど+まったく)意識している(いつも+ときどき)

70歳以上60代50代40代20・30代全体

67

30

58

6964

71

2628

3631

42

74

【長崎】意識している(いつも+ときどき)

意識していない(ほとんど+まったく)

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65OCTOBER 2010

原爆の日付 正答率に大きな差今回の調査では,「昭和20年(1945年)8月

6日/9日」というように,広島,長崎それぞれの原爆の日を年月日で答えてもらった。

図5は,正しく回答した人の割合(=正答率)を示したものである。「広島原爆の日」の正答率は,全体では広島

70%,長崎52%,全国27%で,広島の正答率が際立って高い。

年層別にみると,広島は,40 代以上の人は7割以上が正しく答えたが,20・30 代の正答率は52%で,それより上の年層に比べると低い。一方,全国は,全ての年層を通じて正答

率が3割前後にとどまっている。次に「長崎原爆の日」の正答率をみると,全

体では長崎 64%,広島53%,全国23%という結果で,地元である長崎の正答率が広島や全国より高い。 

年層別では,長崎は年齢が高くなるにつれて正答率も概ね高くなり,40 代以上では6 割を超えている。これに対して全国の正答率は,20・30 代から50 代までは3 割程度,60 代と70 歳以上ではさらに低く2 割程度である。

図 5 「原爆の日」正答率

図 4 日常の原爆意識(被爆体験別)

(%)

0

20

40

60

80

100

長崎

全国

広島

70歳以上60代50代40代20・30代全体

70

52

27

52

75 7479

26

50

26

61

33

53

30

55

25

48

71

【広島原爆の日】

(%)

0

20

40

60

80

100

広島 全国長崎

70歳以上60代50代40代20・30代全体

64

53

23

54

66 65

74

19

49

19

52

29

61

29

60

25

44

67

【長崎原爆の日】

広島

長崎

全国

わからない,無回答まったく意識していないほとんど意識していないときどき意識しているいつも意識している

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 21 45% 24 7 3

44 40 13 3

20 51 23 6

11 46 34 9

【長崎】 わからない,無回答まったく意識していないほとんど意識していないときどき意識しているいつも意識している

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 18 48% 28 6 1

52 29 18 1

19 51 25 4

9 51 34 7

【広島】

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66  OCTOBER 2010

原爆投下 「いまでも許せない」半数広島と長崎に原爆が投下されたことについ

て,65 年経ったいま,人々はどう受け止めているのだろうか。調査では,「いまでも許せない」のか「やむを得なかった」のかの2 択で尋ねた。

全体の結果をみると,「いまでも許せない」という人は,広島48%,長崎50%,全国53%といずれも半数程度であった。一方,「やむを得なかった」という人は,「いまでも許せない」より少ないものの,広島42%,長崎39%,全国38%と4割程度を占めた。広島・長崎と全国で結果に違いはほとんどみられなかった。

これを年層別にみると,広島,長崎,全国とも全ての年層で「いまでも許せない」と「やむを得なかった」がそれぞれ 4,5割を占め,原爆投下についての受け止め方は,大きく2つに分かれている(図6)。

被爆体験別では,全体の結果とほぼ同じで,「自分が被爆した」「身近な人が被爆した」

「被爆していない」人での差はみられなかった。

次の図7に示したのは男女別の結果である。広島の男性では,「いまでも許せない」が

41%に対して,「やむを得なかった」は51%で,「やむを得なかった」とする人のほうが多かった。これに対して女性は,「いまでも許せない」が 52%,「やむを得なかった」は37%で,男性とは逆に「いまでも許せない」のほうが多い。

長崎と全国は,男性はいずれも,「いまでも許せない」と「やむを得なかった」が拮抗して統計的な差はない。一方女性は,「いまでも許せない」が半数を超えて「やむを得なかった」を上回った。

原爆投下の是非については,年齢の違いや,

自分や身近な人に被爆体験があるかどうかということよりも,男女による意識の違いが際立った。

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 7348% 42

7453 36

8344 45

5548 42

5442 49

3253 42

【広島】

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 7348% 42

7453 36

8344 45

5548 42

5442 49

3253 42

【広島】

わからない、無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 8450% 39

3649 42

5454 37

6448 42

3451 43

2456 38

【長崎】

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 7348% 42

7453 36

8344 45

5548 42

5442 49

3253 42

【広島】

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 6353% 38

5245 48

4553 38

4259 35

4353 41

4457 35

【全国】

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 7348% 42

7453 36

8344 45

5548 42

5442 49

3253 42

【広島】

図 6 原爆投下について(年層別)

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67OCTOBER 2010

2 核についての意識

核兵器は保有も使用も「良くない」次に,核兵器のあり方や,核の脅威について

尋ねた核についての意識をみていく。核兵器の保有と使用のあり方について尋ねた

質問では,「保有も使用も良くない」という人が広島80%,長崎77%,全国79%を占め,核の保有,使用のどちらも否定する考えをもつ人が大部分を占めた。

また,「保有は良いが使用すべきでない」は,広島16%,長崎15%,全国16%であった。「必要な時は使用しても構わない」という人は,広島1%,長崎2%,全国3%とわずかである(図8)。

年層別にみると,広島,長崎,全国ともに全ての年層で「保有も使用も良くない」という人が非常に多いという傾向は同じである。 

中でも広島と長崎の20・30代では,いずれも86%を占めて,とくに多くなっている。

図 7 原爆投下について(男女別)

図 8 核の保有と使用の是非(年層別)わからない、無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

女性

男性

全体 48% 42 3 7

41 51 2 6

52 37 4 7

【広島】

わからない、無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

女性

男性

全体 53% 38 3 6

43 49 3 6

61 30 3 6

【全国】

わからない,無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

わからない、無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

女性

男性

全体 50% 39 4 8

44 47 3 5

54 33 4 9

【長崎】

わからない、無回答その他やむを得なかったいまでも許せない

女性

男性

全体 48% 42 3 7

41 51 2 6

52 37 4 7

【広島】

わからない,無回答保有も使用も良くない保有は良いが使用すべきでない必要な時は使用しても構わない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 161 80% 3

14 86

141 84

112 85 2

162 81 1

212 75 2

152 77% 5

94 86

161 83

161 83 1

182 79 2

183 77 2

163 79% 3

133 84

241 75

152 83 1

143 82 1

173 78 2

【広島】

【長崎】

【全国】

わからない,無回答保有も使用も良くない保有は良いが使用すべきでない必要な時は使用しても構わない

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 161 80% 3

140 86 0

141 84 0

112 85 2

162 81 1

212 75 2

152 77 5

94 86 0

161 83 0

161 83 1

182 79 2

183 77 2

163 79 3

133 84 0

241 75 0

152 83 1

143 82 1

173 78 2

【広島】

【長崎】

【全国】

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68  OCTOBER 2010

核兵器廃絶には,懐疑的核兵器について「保有も使用も良くない」と

考える人が多いという結果を紹介したが,それでは,そもそも核兵器は減らせると考えているのだろうか。

去年 4月,アメリカのオバマ大統領は,チェコのプラハで行った演説で,「核兵器のない世界を目指す」と明言した。このことに関連して,今後,世界の核兵器はどうなると思うかを尋ねた。

全体の結果は,「今よりは減るが,それほどは減らない」が広島58%,長崎53%,全国56%で最も多くなった。次に,「完全にはなくせないが,大幅に減る」が広島22%,長崎20%,全国20%と続き,「今と変わらないか,むしろ増える」という人も広島14%,長崎17%,全国15%を占めた。そして,核兵器を「完全になくせる」と考える人は,広島2%,長崎1%,全国2%とごく少数であった。

今後,核兵器は減る方向に向かうが,廃絶することは難しいと考える人が多いという結果は,広島,長崎,全国とも同じである。

さらに年層別にみると(図9),広島,長崎,全国とも20・30代から60代では,「今よりは減るが,それほどは減らない」とする人が6割程度を占めて多い。70歳以上では,広島,長崎,全国とも「今よりは減るが,それほどは減らない」が半数程度でそれより下の年層に比べると少ない一方,「完全にはなくせないが,大幅に減る」が3割前後を占めてやや多くなっている。

核兵器テロ「ある」が 8 割核兵器を保有する国が依然として存在する

という脅威とは別に,核兵器が密かにテロリストの手に渡ってしまうという脅威もある。

そこで,近い将来,世界のどこかでテロリストが核兵器を使う危険性について尋ねた。

全体の結果は,「少しある」という人が最も多く,広島50%,長崎50%,全国48%と半数程度を占めた。続いて「かなりある」が,広島26%,長崎25%,全国28%でいずれも3割程

図 9 核軍縮の可能性(年層別)

わからない,無回答今と変わらないか,むしろ増える

今よりは減るが,それほどは減らない完全にはなくせないが,大幅に減る完全になくせる

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 222 58% 514

173 64 115

162 65 17

22 57 120

242 60 213

302 52 511

201 53% 917

17 67 16

213 66 9

16 60 23

211 60 16

272 46 21

202 56% 5

5

15

161 59 1

1

23

17 66 116

173 65 214

232 58 215

275 51 314

【広島】

【長崎】

【全国】

2

1

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69OCTOBER 2010

度を占めた。「かなり」と「少し」を足し合わせると,核兵器テロが起こる可能性が『ある』と考える人は,広島,長崎,全国いずれも75%程度である(図10)。

年層別にみると,広島,長崎,全国とも20・30 代と40 代では,核兵器テロが『ある』

という人は8割を超え,全体よりも多い。若い人たちの中で,核兵器テロの脅威に対する懸念はより強いといえる。

3 被爆体験を伝えるために

原爆の日の式典「今の形で続けるべき」ここからは原爆の悲惨さをどのように伝えて

いくかという点についてみていく。毎年8月6日,9日の原爆の日,被爆地では,

原爆で犠牲になった人々の冥福を祈り,核兵器廃絶と世界の平和を願う様々な行事が行われる。被爆65年目の今年の広島の平和記念式典には,ルース駐日アメリカ大使や国連のパン・ギムン事務総長が初めて出席し,世界から注目が集まった。

この原爆の日に行われる式典を今後も続けるべきかを尋ねた。

全体の結果は,「これまでの形で続けるべきだ」という人が広島73%,長崎 68%,全国72%で,現在の形で続けるべきだと考える人が多数を占めた。2番目はいずれも「形を変えて続けるべきだ」で,広島21%,長崎22%,全国20%と2割程度となっている。「やめた方がよい」という人は,広島,長崎,全国とも2~3%でごくわずかであった。

形を変えるとすれば,「国際的な色彩」を先の質問で,平和式典を「形を変えて続ける

べきだ」と答えた人(広島267人,長崎307人,全国201人)に対しては,ではどのような形で続けるべきかを尋ねた。

最も多かったのは「もっと国際的な式典という色彩を強めるべきだ」で,広島67%,長崎 69%,全国76%といずれも7割前後を占め

図 10 核テロが起きる可能性 (年層別)

わからない,無回答まったくない

あまりない少しあるかなりある

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体

70 歳以上

60 代

50 代

40 代

20・30 代

全体 26 50% 6216

32 48 1217

35 47 216

21 54 4318

23 52 6317

25 50% 10312

35 50 1212

22 63 1211

28 56 2310

26 53 3414

25 51 6315

28 48% 6316

29 55 313

33 48 1118

34 43 3120

26 55 2315

25 47 6617

26 53 3216

【広島】

【長崎】

【全国】

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70  OCTOBER 2010

た。もっと「規模を縮小すべきだ」「厳粛なものにすべきだ」「イベント色の強いものにすべきだ」と考える人はいずれも1割前後で少数である(図11)。

原爆被害は,世界に「伝わっていない」原爆の被害や被爆者の実情は,世界にどの

程度伝わっていると思うかを尋ねた。「十分に」と「ある程度」を合わせた『伝わっ

ている』という人は,広島38%,長崎36%,全国34%であった。これに対して「あまり」と

「まったく」を合わせた『伝わっていない』は,広島59%, 長 崎 59%, 全 国63%を占めた。原爆の被害は,世界に『伝わっていない』と否定的に考える人が多いという結果は共通している。

これを年層別にみたものが図12である。広島,長崎,全国の折れ線グラフの形はほぼ重なり,同じ傾向を示している。『伝わっている』は60 代では4割程度,70

歳以上では半数程度を占めるが,20・30 代から50 代までの人は『伝わっていない』という否定的な考えの人が圧倒的に多くなっている。

被爆者の証言以外でも「伝えていける」被爆者の高齢化が進む中で,今後,被爆

体験を直接証言できる人がいなくなっても,原爆の悲惨さを後世に伝えていけるかどうかについても尋ねた。選択肢は,「被爆者の直接の証言がなくても,伝えていけると思う(以下,「伝えていける」と表記),「被爆者が直接,証言できなければ,伝えていけるとは思わない」(以下,「伝えていけない」と表記)の2つである。

全 体 の結果は,「 伝えていける」が 広島65%,長崎 64%,全国 67%であった。一方,

「伝えていけない」は,広島29%,長崎28%,全国27%で,いずれも「伝えていける」が「伝えていけない」を大きく上回った。被爆者の直接の証言以外にも,原爆の悲惨さを伝えていける方法があると考える人が多いことがわかる。

これを被爆体験別にみると(図13),広島は,「自分が被爆した」「身近な人が被爆した」「被爆していない」のいずれも,「伝えていける」が

図 11 平和式典継続の形(該当者分母)

わからない,無回答その他もっと規模を縮小すべきだもっと国際的な式典という色彩を強めるべきだ

もっとイベント色の強いものにすべきだもっと厳粛なものにすべきだ

全国

長崎

広島 67%10 5 14 5

698 6 13 22

765 5 10 42

図 12 原爆の被害の伝わり(年層別)

(%)

0

20

40

60

80

100

全国 伝わっていない全国 伝わっている長崎 伝わっていない長崎 伝わっている広島 伝わっていない広島 伝わっている

70歳以上60代50代40代20・30代全体

6369

6469

5959

72 7372

79

7373

64

5642

38

20

272626

2729

333836

34 28

3134

5248494646

6153

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6割を超え,「伝えていけない」を大きく上回っている。

長崎も全てで「伝えていける」が,「伝えていけない」を上回っているが,「自分が被爆した」人で,「伝えていける」という人は62%で,「身近な人が被爆した」や「被爆していない」人に比べて少なくなっている。

おわりに

今年 8月6日の原爆の日,秋葉広島市長は,「平和宣言」の中で,被爆の惨劇を二度と繰り返さないでほしいという被爆者の願いを「こがあな いびせえこたあ(こんなに恐ろしいことは),ほかの誰にもあっちゃあいけん」と広島

図 13 原爆の悲惨さを伝えていけるか(被爆体験別)

わからない,無回答被爆者が直接,証言できなければ伝えていけない被爆者の直接の証言がなくても、伝えていける

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 65% 29 6

64 35 1

68 30 3

68 30 2

【広島】

わからない,無回答被爆者が直接、証言できなければ伝えていけない被爆者の直接の証言がなくても,伝えていける

被爆していない

身近な人が被爆した

自分が被爆した

全体 64% 28 8

62 37 2

70 29 1

71 27 2

【長崎】

弁で語り,日本政府が核兵器廃絶に向けて世界の先頭に立つように訴えた。

今回の調査で,原爆について話題にする頻度や原爆の日付の正答率などからは,広島・長崎の被爆地と全国,また被爆体験のある人が含まれる60代以上の人たちと20・30代とでは,原爆に対する意識や認識に大きな差があることが示された。

そして,核兵器に対する考え方については,広島・長崎と全国で結果にほとんど差はなく,多くの人が,核兵器の保有も使用も良くないとしつつも,核兵器を完全にはなくすことは厳しいと考えていた。言い換えれば,核廃絶の理想と現実には,なお隔たりがあることを浮かび上がらせる結果となっている。

原爆投下から65年,唯一の被爆国として,被爆の記憶を風化させないための取り組みとともに,核兵器は“NO”と世界に訴え続けていくために何をすべきか,改めて考え直す時期にきているのではないだろうか。

(にし くみこ)

(※調査研究実施当時は,世論調査部社会調査班所属)

注)厚生労働省のまとめでは,平成 20 年 3 月末時点で,被爆者健康手帳を所持している人は広島市7 万 5,642 人,長崎市 4 万 5,520 人である。人口に占める割合は,広島市 6% 前後,長崎市 10%前後と推定される。本稿では,被爆体験の有無によって回答に違いが出るのかを測る指標として,調査結果の割合をそのまま分析に使用した。

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72  OCTOBER 2010

―原爆の話題の頻度―   問 1 あなたは,ふだん,家庭や職場,近所の人や友人と原爆

の問題について話し合うことがどの程度ありますか。次の4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. よくある 5.3 7.4 1.9 % 2. ときどきある 31.3 36.7 18.5 3. あまりない 41.4 37.4 39.4 4. まったくない 21.6 18.3 40.0 5. わからない,無回答 0.3 0.2 0.1

―原爆投下の日付①―      問 2 あなたは,いつ,広島に原爆が落とされたかを知ってい

ますか。「何年何月何日」という形でお答えください。 【広島】 【長崎】 【全国】 1. 昭和 20 年(1945 年) 8 月 6 日(正解) 69.7 51.5 26.8 % 2. 1 以外の日を答えたが不正解 21.0 21.6 29.6 3. 知らない,わからない,無回答 9.3 26.9 43.6

―原爆投下の日付②―     問 3 それでは,いつ,長崎に原爆が落とされたかを知ってい

ますか。「何年何月何日」という形でお答えください。 【広島】 【長崎】 【全国】 1. 昭和 20 年(1945 年) 8 月 9 日(正解) 53.0 63.5 23.0 % 2. 1 以外の日付を答えたが不正解 26.2 20.0 25.3 3. 知らない,わからない,無回答 20.8 16.5 51.7

―日常生活での原爆意識―問 4 あなたは,原爆が落とされた街で生活していることを,

日ごろ,どの程度意識していますか。次の 4 つの中から 1つ選んでお答えください。※【全国】→「原爆が落とされた国」

【広島】 【長崎】 【全国】 1. いつも意識している 17.6 21.3 8.8 % 2. ときどき意識している 48.4 45.3 42.7 3. ほとんど意識していない 27.5 23.5 37.3 4. まったく意識していない 5.5 6.6 9.8 5. わからない,無回答 1.0 3.2 1.4

―被爆者支援の程度―   問 5 あなたは,国や自治体は,被爆者の健康や生活の面倒を

十分に見ていると思いますか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 十分だ 16.1 19.8 2.3 % 2. まあ十分だ 40.9 35.1 19.5

広島市 長崎市 全国

1. 調査の目的 原爆投下から 65 年になるのを前に,原爆や核兵器に関する意識を探る

2. 調査時期 2010 年 6 月 25 日(金)~ 27 日(日)

3. 調査相手 20 歳以上 1,977 人 20 歳以上 2,089 人 20 歳以上 1,720 人

3. 調査方法 RDD 追跡法

4. 調査回答数(率) 1,276 人(64.5%) 1,373 人(65.7%) 1,030 人(59.9%)

3. 十分とは言えない 28.1 29.4 52.5 4. 不十分だ 5.6 7.5 13.7 5. わからない,無回答 9.2 8.2 11.9

―被害の伝わりの程度―    問 6 あなたは,原爆の被害や被爆者の実情は,世界にどの程

度伝わっていると思いますか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 十分に伝わっている 4.2 4.8 4.0 % 2. ある程度伝わっている 33.9 30.7 29.8 3. あまり伝わっていない 53.3 53.5 52.9 4. まったく伝わっていない 5.4 5.8 10.2 5. わからない,無回答 3.1 5.2 3.1

―原爆投下の是非―   問 7 あなたは,アメリカが,広島と長崎に原爆を落としたこ

とについて,現在どのようにお考えですか。次の 2 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. いまでも許せない 47.9 50.1 52.8 % 2. やむを得なかった 42.2 38.5 38.3 3. その他 3.3 3.8 2.9 4. わからない,無回答 6.7 7.6 5.9

―核の保有と使用の是非―   問 8 原爆などの核兵器について,あなたのお考えに最も近い

のは次のうちどれですか。次の 3 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 必要な時は使用しても構わない 1.4 2.3 2.5 % 2. 保有は良いが使用すべきでない 15.8 15.3 15.5 3. 保有も使用も良くない 80.3 77.1 78.8 4. わからない,無回答 2.6 5.4 3.1

―非核三原則の法制化の是非― 問 9 日本は,「核を持たず,作らず,持ち込ませず」という

非核三原則を,政治上の方針である「国是(こくぜ)」として掲げていますが,中には,法律にするべきだという意見もあります。あなたは,「非核三原則」を日本の法律にするべきという意見についてどうお考えですか。次の 2 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 法律にするべきだ 46.3 48.9 49.2 % 2. 現在のままでよい 42.6 39.2 41.0 3. その他 1.6 1.7 1.9 4. わからない,無回答 9.6 10.1 7.9

原爆意識調査 単純集計結果

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73OCTOBER 2010

―核の傘の必要性― 問 10 あなたは,日本の安全保障のために,アメリカの「核

の傘」が必要だと思いますか。それとも,そうは思いませんか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 今も将来も必要だ 18.7 18.5 20.8 % 2. 今は必要だが,将来は必要ない 29.8 22.4 25.3 3. 今は必要ないが,将来は必要だ 8.4 8.7 9.5 4. 今も将来も必要ない 31.8 37.7 34.8 5. わからない,無回答 11.3 12.7 9.6

―核戦争が起きる可能性―    問 11 将来の,核兵器使用の可能性についてお尋ねします。

あなたは,近い将来,世界のどこかで核戦争が起きる危険があると思いますか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. かなりある 23.4 22.5 21.4 % 2. 少しある 46.9 47.3 50.7 3. あまりない 20.0 16.7 19.3 4. まったくない 4.6 5.5 4.1 5. わからない,無回答 5.1 7.9 4.6

―核テロが起きる可能性―  問 12 それでは,近い将来,世界のどこかでテロリストが核

兵器を使う危険はあると思いますか。次の 4 つの中から 1つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. かなりある 26.1 24.9 27.5 % 2. 少しある 49.6 50.3 47.6 3. あまりない 16.1 12.2 15.9 4. まったくない 2.4 3.0 3.1 5. わからない,無回答 5.8 9.6 5.9

―核軍縮の可能性― 問 13 アメリカのオバマ大統領は「核兵器のない世界を目指

す」という宣言をしましたが,あなたは今後,世界中にある核兵器はどうなると思いますか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 完全になくせる 1.6 1.2 2.4 % 2. 完全にはなくせないが, 大幅に減る 21.9 20.2 20.3 3. 今よりは減るが, それほどは減らない 57.7 52.9 56.4 4. 今と変わらないか, むしろ増える 14.3 17.0 15.4 5. わからない,無回答 4.5 8.7 5.4

―平和運動の評価―    問 14 あなたは,日本人による反核平和運動は,世界平和や

核戦争防止に役に立ってきたと思いますか。次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 大いに役に立ってきた 9.9 11.2 7.1 % 2. 少しは役に立ってきた 56.5 55.9 52.7 3. あまり役に立たなかった 24.8 20.8 29.8 4. まったく役に立たなかった 3.1 3.0 3.3 5. わからない,無回答 5.7 9.1 7.1

―平和式典継続の是非―   問 15 あなたは,「原爆の日」の平和記念式典を今後も続ける

べきだと思いますか。次の 3 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. これまでの形で続けるべきだ 72.5 67.5 72.3 % 2. 形を変えて続けるべきだ 20.9 22.4 19.5 3. やめた方がよい 2.4 2.2 2.9 4. わからない,無回答 4.2 7.9 5.2

―平和式典継続の形―問 16 (問 15 で「2 形を変えて続けるべきだ」と答えた人に)

それでは,平和記念式典は今後,どのような形で続けるべきだと思いますか。あなたのお考えに最も近いものを,次の 4 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. もっと厳粛なものにすべきだ 9.7 7.8 4.5 % 2. もっとイベント色の強いものに すべきだ 4.5 5.9 5.0 3. もっと国際的な式典という 色彩を強めるべきだ 66.7 69.4 75.6 4. もっと規模を縮小すべきだ 14.2 12.7 10.0 5. その他 0.4 2.3 1.5 6. わからない,無回答 4.5 2.0 3.5 (分母= 267 307 201)

―被爆体験の継承― 問 17 広島と長崎に原爆が落とされてから 65 年が経ち,被

爆者の高齢化も進んでいます。あなたは,被爆体験を証言できる人がいなくなっても,原爆の悲惨さを後世に伝えていけると思いますか。次の 2 つの中から 1 つ選んでお答えください。

【広島】 【長崎】 【全国】 1. 被爆者の直接の証言がなくても, 伝えていけると思う 65.1 63.9 67.3 % 2. 被爆者が直接,証言できなければ, 伝えていけるとは思わない 29.3 27.6 26.9 3. わからない,無回答 5.6 8.4 5.8

―被爆体験の有無―  問 18 あなたには,被爆した体験がありますか。次の 3 つの

中から 1 つ選んでお答えください。 【広島】 【長崎】 【全国】 1. 自分が被爆した 8.3 18.4 0.6 % 2. 自分は被爆していないが, 身近な人が被爆した 51.6 47.3 9.7 3. 自分も身近な人も被爆していない 36.1 27.1 85.0 4. 答えたくない,わからない,無回答 4.0 7.2 4.7

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74  OCTOBER 2010

サンプル構成

全体性 年層

男性 女性 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 無回答

広島1,276 人 482 794 40 176 225 184 300 307 44

100% 37.8 62.2 3.1 13.8 17.6 14.4 23.5 24.1 3.4

長崎1,373 人 524 849 42 119 150 206 331 424 101

100% 38.2 61.8 3.1 8.7 10.9 15.0 24.1 30.9 7.4

全国1,030 人 457 573 36 141 153 178 224 249 49

100% 44.4 55.6 3.5 13.7 14.9 17.3 21.7 24.2 4.8

全体男 女

無回答20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上

広島1,276 人 12 67 90 72 107 113 28 109 135 112 193 194 44

100% 0.9 5.3 7.1 5.6 8.4 8.9 2.2 8.5 10.6 8.8 15.1 15.2 3.4

長崎1,373 人 17 48 66 85 114 169 25 71 84 121 217 255 101

100% 1.2 3.5 4.8 6.2 8.3 12.3 1.8 5.2 6.1 8.8 15.8 18.6 7.4

全国1,030 人 17 58 77 83 99 103 19 83 76 95 125 146 49

100% 1.7 5.6 7.5 8.1 9.6 10.0 1.8 8.1 7.4 9.2 12.1 14.2 4.8

全体

職業

専業主婦やパートを

している主婦勤めている 無職 農林業や漁業 自営業 学生・その他・

無回答

広島1,276 人 399 372 323 15 119 48

100.0% 31.3 29.2 25.3 1.2 9.3 3.8

長崎1,373 人 322 333 493 22 94 109

100.0% 23.5 24.3 35.9 1.6 6.8 7.9

全国1,030 人 254 325 266 28 106 51

100.0% 24.7 31.6 25.8 2.7 10.3 5.0

全体

都市規模 地域

特別区と人口 100 万

以上の市

人口 30 万以上の市

人口 10 万以上の市

人口 5 万以上の市

町村

人口 5 万未満の市

町村無回答 北海道・

東北関東

甲信越東海・北陸 近畿

中国・四国・

九州沖縄

全国1,030 人 200 207 229 144 172 78 109 386 170 162 203

100% 19.4 20.1 22.2 14.0 16.7 7.6 10.6 37.5 16.5 15.7 19.7