5.8 各種構造物の重要度区分、耐震性能、耐震計算 …...第5章 耐震設計手法...

22
第5章 耐震設計手法 231 5.8 各種構造物の重要度区分、耐震性能、耐震計算法の適用区分 表-5.8.1各種構造物の重要度 構造区分 地上構造物(鉄筋コンクリート) 施設・構造種別 ①農道橋の橋脚 ②水路橋・水管橋の橋脚 BA目標とする構造物 の耐震性能 健全性を損なわない 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する 耐震設計で考慮す る地震動 レベル1 レベル1 レベル2 タイプⅠ(プレート境界型) タイプⅡ(内陸直下型) 耐震設計法に用い る設計水平震度及 び水平変位振幅の 算定式 Khg Cz Khg0 Khg0 は地盤種別が、I種、 Ⅱ種、Ⅲ種に対してそれ ぞれ、0.16、0.20、0.24 とする。 Kh=Cz Kh0 (固有周期と地盤種別から Kh0 を決定) Khc Cz Cs Khc0 1 2 1 a / Cs (固有周期と地盤種別から Khc0 を決定) 耐震計算法 震 度 法 (固有周期を考慮しない) 震 度 法 (固有周期を考慮する) 地震時保有水平耐力法 照 査 法 許容応力度法 許容応力度法 地震時保有水平耐力法 (農道橋の例) 次の①~③のいずれかに該当する施設。 AA:①施設周辺の人命・財産やライフライン への影響が極めて大きい施設。 ②避難・救護活動への影響が極めて大 きい施設。 ③地域の経済活動や生活機能への影響 が極めて大きい施設。 A :基幹的農道で被災による影響が大きい 施設。 B :小規模農道橋。 (水路橋・水管橋の例) 次の①~③のいずれかに該当する施設 A:①水利施設の大きさ 供給される用排水の中断は減量が地域 の住民生活及び経済活動・生産活動に与え る影響の度合い。 ②被災による二次災害危険度 水路施設が被災することにより第三者へ の被害で、特に人命・財産やライフライン などへの影響。 ③応急復旧の難易度 水路組織が被災した場合に直ちに実施す べき応急復旧・代替のための現場作業の難 易度。 B:同上 C:同上 ※ 区分と判断する上での参考指標(例)は、 「2.3 施設の重要度区分」を参照。 Cz :地域別補正係数、Kh :レベル1地震動の設計水平震度(震度法(固有周期を考慮する))、Kh0 :設計水平震度の標準値(震 度法(固有周期を考慮する))、Khc :レベル2地震動の設計水平震度(地震時保有水平耐力法)、Khc0 :レベル2地震動の設計水平 震度の標準値(地震時保有水平耐力法)、Cs :構造物特性補正係数、μ a :許容塑性率

Transcript of 5.8 各種構造物の重要度区分、耐震性能、耐震計算 …...第5章 耐震設計手法...

第5章 耐震設計手法

231

5.8 各種構造物の重要度区分、耐震性能、耐震計算法の適用区分

表-5.8.1① 各種構造物の重要度

構 造 区 分 地上構造物(鉄筋コンクリート)

施設・構造種別 ①農道橋の橋脚

②水路橋・水管橋の橋脚

重 要 度 B種 A種

目標とする構造物

の耐震性能 健全性を損なわない 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する

耐震設計で考慮す

る地震動 レベル1 レベル1

レベル2

タイプⅠ(プレート境界型)

タイプⅡ(内陸直下型)

耐震設計法に用い

る設計水平震度及

び水平変位振幅の

算定式

Khg=Cz・Khg0 Khg0は地盤種別が、I種、

Ⅱ種、Ⅲ種に対してそれ

ぞれ、0.16、0.20、0.24

とする。

Kh=Cz・Kh0 (固有周期Tと地盤種別から

Kh0を決定)

Khc=Cz・Cs・Khc0 121 a/Cs

(固有周期Tと地盤種別から

Khc0を決定)

耐震計算法 震 度 法

(固有周期を考慮しない)

震 度 法

(固有周期を考慮する) 地震時保有水平耐力法

照 査 法 許容応力度法 許容応力度法 地震時保有水平耐力法

備 考

(農道橋の例)

次の①~③のいずれかに該当する施設。

AA:①施設周辺の人命・財産やライフライン

への影響が極めて大きい施設。

②避難・救護活動への影響が極めて大

きい施設。

③地域の経済活動や生活機能への影響

が極めて大きい施設。

A :基幹的農道で被災による影響が大きい

施設。

B :小規模農道橋。

(水路橋・水管橋の例)

次の①~③のいずれかに該当する施設

A:①水利施設の大きさ

供給される用排水の中断又は減量が地域

の住民生活及び経済活動・生産活動に与え

る影響の度合い。

②被災による二次災害危険度

水路施設が被災することにより第三者へ

の被害で、特に人命・財産やライフライン

などへの影響。

③応急復旧の難易度

水路組織が被災した場合に直ちに実施す

べき応急復旧・代替のための現場作業の難

易度。

B:同上

C:同上

※ 区分と判断する上での参考指標(例)は、

「2.3 施設の重要度区分」を参照。

* Cz:地域別補正係数、Kh:レベル1地震動の設計水平震度(震度法(固有周期を考慮する))、Kh0:設計水平震度の標準値(震

度法(固有周期を考慮する))、Khc:レベル2地震動の設計水平震度(地震時保有水平耐力法)、Khc0:レベル2地震動の設計水平

震度の標準値(地震時保有水平耐力法)、Cs:構造物特性補正係数、μa:許容塑性率

第5章 耐震設計手法

232

区分と耐震性能の適用区分

地上構造物(鉄筋コンクリート)

①農道橋の橋脚

②水路橋・水管橋の橋脚

AA種

健全性を損なわない 限定された損傷にとどめる

レベル1

レベル2

タイプⅠ(プレート境界型)

タイプⅡ(内陸直下型)

Kh=Cz・Kh0

(固有周期Tと地盤種別からKh0を決定)

Khc=Cz・Cs・Khc0

121 a/Cs

(固有周期Tと地盤種別からKhc0を決定)

震 度 法

(固有周期を考慮する) 地震時保有水平耐力法

許容応力度法 地震時保有水平耐力法

重要度AA種及びA種は、レベル1、レベル2地震動(タイプⅠ及びタイプⅡの両者)を検証。

ただし、重要度AA種とA種の目標とする耐震性能は異なる。

第5章 耐震設計手法

233

表-5.8.1② 各種構造物の重要度

構造区分 地上構造物(鉄筋コンクリート)

施設・構造種別 ③頭首工の堰柱

重 要 度 B種 A種

目標とする構造物の

耐震性能 健全性を損なわない 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する

耐震設計で考慮する

地震動 レベル1 レベル1

レベル2

タイプⅠ(プレート境界型)

タイプⅡ(内陸直下型)

耐震設計に用いる

設計水平震度及び水

平変位振幅の算定式

Kh=Cz・Kh0

(固有周期Tと地盤種別か

らKh0を決定)

Kh=Cz・Kh0

(固有周期Tと地盤種別から

Kh0を決定)

Khc=Cz・Cs・Khc0

121 a/Cs

(固有周期Tと地盤種別から

Khc0を決定)

耐震計算法 震 度 法

(固有周期を考慮する)

震 度 法

(固有周期を考慮する) 地震時保有水平耐力法

照査法 許容応力度法 許容応力度法 地震時保有水平耐力法

備 考

AA:次の①~③のいずれかに該当する施設。

①被災により治水上重大な影響を及ぼす施設。

②被災により利用上重大な影響を及ぼす施設。

③被災により災害リスク管理上重大な影響を及ぼす施設。

A:AA種、B種以外の施設。

B:地震による被災の可能性が小さく、また被災した場合でも治水上の影響が極めて小さい

考えられるもの

* Cz:地域別補正係数、Kh:レベル1地震動の設計水平震度(震度法(固有周期を考慮する))、Kh0:設計水平震度の標準値(震

度法(固有周期を考慮する))、Khc:レベル2地震動の設計水平震度(地震時保有水平耐力法)、Khc0:レベル2地震動の設計水平

震度の標準値(地震時保有水平耐力法)、Cs:構造物特性補正係数、μa:許容塑性率

第5章 耐震設計手法

234

区分と耐震性能の適用区分

地上構造物(鉄筋コンクリート)

③頭首工の堰柱

AA種

健全性を損なわない 限定された損傷にとどめる

レベル1

レベル2

タイプⅠ(プレート境界型)

タイプⅡ(内陸直下型)

Kh=Cz・Kh0 (固有周期Tと地盤種別からKh0を決定)

Khc=Cz・Cs・Khc0

121 a/Cs

(固有周期Tと地盤種別からKhc0を決定)

震 度 法

(固有周期を考慮する) 地震時保有水平耐力法

許容応力度法 地震時保有水平耐力法

重要度AA種及びA種は、レベル1、レベル2地震動(タイプI及びタイプⅡの両者)を検証。

ただし、重要度AA種とA種の目標とする耐震性能は異なる。

第5章 耐震設計手法

235

表-5.8.1③ 各種構造物の重要度

構 造 区 分 地上構造物(鉄筋コンクリート)

施設・構造種別 ④擁 壁 ⑤開水路(水路擁壁含む)

重 要 度 B種 A種 B種 A種

目標とする構造物の

耐震性能 健全性を損なわない

致命的な損傷

を防止する (健全性を損なわない)

健全性を損なわない 致命的な損傷

を防止する (健全性を損なわない)

耐震設計で考慮する

地震動 レベル1 レベル2 レベル1 レベル2

耐震設計に用いる設

計水平震度及び水平

変位振幅の算定式

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI

種、Ⅱ種、Ⅲ種に対し

てそれぞれ、0.12、

0.15、0.18とする。

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI

種、Ⅱ種、Ⅲ種に対し

てそれぞれ、0.16、

0.20、0.24とする。

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI

種、Ⅱ種、Ⅲ種に対し

てそれぞれ、0.12、

0.15、0.18とする。

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI

種、Ⅱ種、Ⅲ種に対し

てそれぞれ、0.16、

0.20、0.24とする。

耐震計算法 震度法

(固有周期を考慮しない)

震度法 (固有周期を考慮しない)

震度法 (固有周期を考慮しない)

震度法 (固有周期を考慮しない)

照 査 法 許容応力度法 限界状態設計法 (許容応力度法)

許容応力度法 限界状態設計法 (許容応力度法)

備 考

A:次の①~③のいずれかに該当する施設

①水利施設の大きさ

供給される用排水の中断又は減量が地域の住民生活及び経済活動・生産活動に与える

影響の度合い。

②被災による二次災害危険度

水路施設が被災することにより第三者への被害で、特に人命・財産やライフラインな

どへの影響。

③応急復旧の難易度

水路組織が被災した場合に直ちに実施すべき応急復旧・代替のための現場作業の難

易度。

B:同上

C:同上

※区分と判断する上での参考指標(例)は、「2.3 施設の重要度区分」を参照。

* Khg:地盤面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、Khg0:地盤面における設計水平震度の標準値(震度法(固

有周期を考慮しない))、Cz:地域別補正係数

第5章 耐震設計手法

236

区分と耐震性能の適用区分

地上構造物(鉄筋コンクリート)

⑥ファームポンド

PC構造 RC構造

A種、B種 B種

健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する 健全性を損なわない

レベル1

レベル2

〔タイプI

(プレート境界型)〕

レベル1

Kh=Cz・Kh0

(固有周期TからKh0を決定)

Khc2=Cz・Cs2・Khc20

Cs2は0.45を標準とする。

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種に対してそれぞれ

0.16、0.20、0.24とする。ただし、Ⅰ種地盤上に地上式

として設置する逆T擁壁式のKhg0は、hがh≦5.0m、5.0

<h≦7.0m、7.0<h≦9.0mに対して、それぞれ0.16、

0.18、0.20とする。

震 度 法

(固有周期を考慮する)

震 度 法

(固有周期と構造物特性係数を考

慮する)

震 度 法

(固有周期を考慮しない)

許容応力度法 限界状態設計法 許容応力度法

A:次の①~③のいずれかに該当する施設。

①施設周辺の人命・財産やライフラインへの影響が

極めて大きい施設。

②避難・救護活動への影響が極めて大きい施設。

③地域の経済活動や生活機能への影響が極めて大き

い施設。

B: ―

C: 被災による影響が少ない施設。

B:被災による影響が大きい施設

C:被災による影響が大きい施設

* Kh:レベル1地震動の設計水平震度(震度法(固有周期を考慮する))、Kh0:設計水平震度の標準値(震度法(固有周期を考慮する))、

Khc2:レベル2地震動の設計水平震度((震度法(固有周期と構造物特性係数を考慮する))、Khc20:レベル2地震動の設計水平震度の標

準値(震度法(固有周期と構造物特性係数を考慮する))、Cs2:構造物特性係数

第5章 耐震設計手法

237

表-5.8.1④ 各種構造物の重要度

構 造 区 分 地上構造物(鉄筋コンクリート) 地上構造物

(盛土)

施設・構造種別 ⑥ファームポンド

⑦ため池 PC構造

重 要 度 A種 AA種、A種、B種

目標とする構造物の

耐震性能 健全性を損なわない

致命的な損傷を防止

する 健全性を損なわない

耐震設計で考慮する

地震動 レベル1

レベル2

〔タイプⅠ(プレート境

界型)〕

レベル1

耐震設計に用いる

設計水平震度及び水

平変位振幅の算定式

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がⅠ

種、Ⅱ種、Ⅲ種に対し

て、それぞれ0.16、

0.20、0.24とする。た

だし、Ⅰ種地盤上に地

上式として設置する

逆T擁壁式のKhg0は、

hがh≦5.Om、5.0<h≦7.Om、7.0<h≦9.O

mに対して、それぞれ

0.16、0.18、0.20とす

る。

Khc2=Cz・Cs2・Khc20

Cs2は0.45を標準とす

る。

Khc20は地盤種別にか

かわらず

0.7とする。

設計水平震度の基準

耐震計算法 震 度 法

(固有周期を考慮しない)

震 度 法 (固有周期と構造物特性

係数を考慮する)

震 度 法

(固有周期を考慮しない)

照 査 法 許容応力度法 限界状態設計法 円弧すべり法

備 考

A:次の①~③のいずれかに該当する施設。

①施設周辺の人命・財産やライフライン

への影響が極めて大きい施設。

②避難・救護活動への影響が極めて大き

い施設。

③地域の経済活動や生活機能への影響が

極めて大きい施設。

AA:次の①又は②のいずれかに該当する施設

①堤体下流に主要道路や鉄道、住宅地

等があり、施設周辺の人命・財産やラ

イフラインへの影響が極めて大きい

施設

②地域防災計画によって避難路に指定

されている道路に隣接するなど、避

難・救護活動への影響が極めて大きい

施設

A:被災による影響が極めて大きい施設

B:AA種、A種以外の施設

* Khg:地盤面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、Khg0:地盤面における設計水平震度の標準値(震度法(固

有周期を考慮しない))、Khc2:レベル2地震動の設計水平震度(震度法(固有周期と構造物特性係数を考慮する))、Khc20:レベル2

地震動の設計水平震度の標準値(震度法(固有周期と構造物特性係数を考慮する))、Cz:地域別補正係数、Cs2:構造物特性係数

地 域

区 分均一型 その他

強震帯 0.15 0.15

中震帯 0.15 0.12

弱震帯 0.12 0.10

第5章 耐震設計手法

238

区分と耐震性能の適用区分

地中構造物

⑧パイプライン ⑨暗渠

(ボックスカルバート)

B種 A種 B種

健全性を損なわない 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する 健全性を損なわない

レベル1 レベル1 レベル2

〔タイプⅡ(内陸直下型)〕レベル1

地盤変位振幅

2Hcos'

212

zKTSU hGvh

・・

地盤変位振幅

2Hcos'

212

zKTSU hGvh

・・

地盤変位振幅

2Hcos

22

zTSU Gvh

・・

地盤変位振幅

2Hcos'

212

zKTSU hGvh

・・

・躯体慣性力等を求める設

計水平震度

Kh1=Cz・Kh10、

K’h1=Cz・K’h10

Kh10は地盤種別のⅠ種、

Ⅱ種、Ⅲ種に対して、それ

ぞれ0.16、0.20、0.24とす

る。

K’h10は0.15とする。

応答変位法 応答変位法 応答変位法 応答変位法及び震度法

(固有周期を考慮しない)

応答変位法

・管体応力、ひずみの照査

・継手伸縮量

・継手屈曲角度

応答変位法

・管体応力、ひずみの照査

・継手伸縮量

・継手屈曲角度

応答変位法

・管体応力、ひずみの照査

・継手伸縮量

・継手屈曲角度

許容応力度法

「一体構造」

・管体応力、ひずみ

「継手構造」

・管体応力、ひずみ

・継手伸縮量

・継手屈曲角度

①利水施設としての規模

B:②被災による二次災害

危険度

C:③応急復旧の難易度

A: 次の①~③のいずれかに該当する施設

① 利水施設としての規模

(供給される用水の中断又は減量が地域の生活機能

及び経済活動・生産活動に与える影響の度合い。)

② 被災による二次災害危険度

(パイプライン施設が被災することによる第三者

への被害で、特に人命・財産やライフラインなどへ

の影響を判断する。)

③ 応急復旧の難易度

(パイプライン施設が被災した場合に直ちに実施

すべき応急復旧のための現場作業の難易度)

①利水施設としての規模

B:②被災による二次災害

危険度

C:③応急復旧の難易度

* Uh:地盤変位振幅、SV:レベル1地震動の速度応答スペクトル、TG:地盤の特性値、H:表層地盤の厚さ、z:地表面からの深さ、

S'V:レベル2地震動の速度応答スペクトル、Kh1:レベル1地震動の地表面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、

Kh10:レベル1地震動の地表面における設計水平震度の標準値(震度法(固有周期を考慮しない))、K'h1:レベル1地震動の基盤面に

おける設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、K'h10:レベル1地震動の基盤面における設計水平震度の標準値(震度法(固

第5章 耐震設計手法

239

有周期を考慮しない))

表-5.8.1⑤ 各種構造物の重要度

構 造 区 分 地中構造物

施設・構造種別 ⑨暗渠(ボックスカルバート) ⑩杭基礎

重 要 度 A種 B種、C種

目標とする構造物の

耐震性能 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する 健全性を損なわない

耐震設計で考慮する

地震動 レベル1

レベル2

(タイプⅡ(内陸直下型))レベル1

耐震設計に用いる

設計水平震度及び水

平変位振幅の算定式

地盤変位振幅

2Hcos'

212

zKTSU hGvh

・・

・躯体慣性力等設計水平震

Kh1=Cz・Kh10、K’h1=Cz・K’h10

は地盤種別のI種、Ⅱ種、

Ⅲ種に対して、それぞれ

0.16、0.20、0.24とする。

K’h10は0.15とする。

地盤変位振幅

2Hcos

22

zTSU Gvh

・・

・躯体慣性力等を求める設

計水平震度

Kh2は地盤種別がI種、Ⅱ種、

Ⅲ種に対し、それぞれ0.6~

0.7、0.7~0.8、0.4~0.6と

する。

K’h20は地盤種別にかかわら

ず0.4~0.5とする。

杭頭軸方向反力≦許容支持力

変位≦許容変位

許容支持力算出の安全率nは支持

杭、摩擦杭でそれぞれ、2、3とする。

許容変位は上部構造及び下部構造

から決まる変位を考慮する。

他の震度法(固有周期を考慮しな

い)も同じにする。

耐震計算法 応答変位法及び震度法

(固有周期を考慮しない)

応答変位法及び震度法

(固有周期を考慮しない)

震 度 法

固有周期を考慮しない

固有周期を考慮する

部材の構造

計算・照査 許容応力度法 限界状態設計法 許容応力度法

備 考

A: 次の①~③のいずれかに該当する施設

① 利水施設としての規模

(供給される用水の中断又は減量が地域の生活機能

及び経済活動・生産活動に与える影響の度合い。)

② 被災による二次災害危険度

(パイプライン施設が被災することによる第三者

への被害で、特に人命・財産やライフラインなどへ

の影響を判断する。)

③ 応急復旧の難易度

(パイプライン施設が被災した場合に直ちに実施

すべき応急復旧のための現場作業の難易度)

B:上部構造物の重要度がB種である

施設。

C:上部構造物の重要度がC種である

施設。

WWWRn

R ssUa

ここに、

Ra:杭頭における杭の軸方向

許容押込み支持力(kN)

n :安全率

(以下略)

* Uh:地盤変位振幅、SV:レベル1地震動の速度応答スペクトル、TG:地盤の特性値、H:表層地盤の厚さ、z:地表面からの深さ、

S’V:レベル2地震動の速度応答スペクトル、Kh1:レベル1地震動の地表面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しな

い))、Kh10:レベル1地震動の地表面における設計水平震度の標準値(震度法(固有周期を考慮しない))、K’h1:レベル1地震動の

基盤面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、K’h10:レベル1地震動の基盤面における設計水平震度の標準値(震

度法(固有周期を考慮しない))、Kh2:レベル2地震動の地表面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、K’h2:

第5章 耐震設計手法

240

レベル2地震動の基盤面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、Cz:地域別補正係数

第5章 耐震設計手法

241

区分と耐震性能の適用区分

地中構造物

⑩杭基礎

AA種

健全性を損なわない 限定された損傷にとどめる

レベル1

レベル2

タイプI(プレート境界型) タイプⅡ(内陸直下型)

杭頭軸方向反力≦許容支持力

変位≦許容変位

許容支持力算出の安全率nは支持杭、摩擦杭で、それ

ぞれ2、3とする。許容変位

は上部構造及び下部構造か

ら決まる変位を考慮する。

他の震度法(固有周期を考

慮しない)も同じにする。

(図-6.9.12①、

6.9.12②参照)

(基礎の照査)

・基礎の照査に用いる設計

水平震度

W

PcK u

dFhp

橋脚の終局水平耐力に

大きな余裕があるか否

かの検討

・基礎の耐力が橋脚耐力に

比べて小さい場合におい

て、基礎諸元の見直し要

否の判定で用いる。

Khc=Cz・Cs・Khc0

121 a/Cs

(基礎の応答塑性率の照査)

・基礎の応答塑性率の照査

用設計水平震度

KhcF=cD・Cz・Khc0 /K/ hcFFr 121

42 ≦hyFK

・許容塑性率は4を目安と

する。

震 度 法

固有周期を考慮しない

固有周期を考慮する

地震時保有水平耐力法

許容応力度法 地震時保有水平耐力法

WWWRn

R ssUa

ここに、

Ra:杭頭における杭の軸方

向許容押込み支持力

(kN)

n :安全率

(以下略)

AA:上部構造物の重要度がAA種及びA種である施設。

* Khp:基礎の照査に用いる設計水平震度(地震時保有水平耐力法)、CdF:基礎の照査に用いる設計水平震度の補正係数(地震時保

有水平耐力法)、Pu:基礎が支持する橋脚の終局水平耐力、W:等価重量

Khc0:レベル2地震動の設計水平震度の標準値(地震時保有水平耐力法)、μFr:基礎の応答塑性率、KhcF:基礎の塑性化を考慮する場

合の設計水平震度(地震時保有水平耐力法)、KhyF:基礎の降伏に達する時の水平震度、CD:減衰定数別補正係数

第5章 耐震設計手法

242

表-5.8.1⑥ 各種構造物の重要度区分と耐震性能の適用区分

構 造 区 分 地中構造物

施設・構造種別 ⑪ポンプ場(吸込、吐出し水槽)

重 要 度 B種 A種

目標とする構造物の

耐震性能 健全性を損なわない 健全性を損なわない 致命的な損傷を防止する

耐震設計で考慮する

地震動 レベル1 レベル1

レベル2

〔タイプI(プレート境界型)〕

耐震設計に用いる

設計水平震度及び水

平変位振幅の算定式

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI種、Ⅱ

種、Ⅲ種に対して、それぞ

れ0.16、0.20、0.24とする。

Khg=Cz・Khg0

Khg0は地盤種別がI種、Ⅱ種、

Ⅲ種に対して、それぞれ0.16、

0.20、0.24とする。

Khc2=Cz・Cs2・Khc20

Cs2は0.45を標準とする。Khc20

は地盤種別にかかわらず0.7と

する。(ただし、タイプⅡ(プレ

ート境界型)を考慮する場合は

Khc20=0.80を用いる。)

地盤変位振幅

2Hcos

22

zTSU Gvh

・・

耐震計算法 震度法

(固有周期を考慮しない)

震度法

(固有周期を考慮しない)

震度法(固有周期と構造物特

性係数を考慮する)又は応答

変位法

部材の構造

計算・照査 許容応力度法 許容応力度法 限界状態設計法

備 考

建屋と上下一体となる場合、

又は、地表面からの突出部分

が5mを超える場合。

A:B種に該当し、かつ次の①又は②のいずれかに該当するもの。

①ポンプ揚の災害により、地域住民の人命・財産やライフラ

インに重大な影響を及ぼす。

②施設の復旧が困難で、被災により地域の経済活動や生活機

能に重大な影響を及ぼす。

*1 ポンプ場の建屋は「建築基準法」により耐震設計を行うものとする。

*2 Khg:地盤面における設計水平震度(震度法(固有周期を考慮しない))、Khg0:地盤面における設計水平震度の標準値(震度法(固有

周期を考慮しない))、Cz:地域別補正係数、Uh:地盤変位振幅、SV:レベル1地震動の速度応答スペクトル、TG:地盤の特性値、H:

表層地盤の厚さ、z:地表面からの深さ、S'V:レベル2地震動の速度応答スペクトル

第5章 耐震設計手法

243

[参考:本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー]

図-5.8参1 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(1/10)

第5章 耐震設計手法

244

図-5.8参2 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(2/10)

第5章 耐震設計手法

245

図-5.8参3 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(3/10)

第5章 耐震設計手法

246

図-5.8参4 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(4/10)

第5章 耐震設計手法

247

図-5.8参5 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(5/10)

第5章 耐震設計手法

248

図-5.8参6 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(6/10)

第5章 耐震設計手法

249

図-5.8参7 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(7/10)

第5章 耐震設計手法

250

図-5.8参8 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(8/10)

第5章 耐震設計手法

251

図-5.8参9 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(9/10)

第5章 耐震設計手法

252

図-5.8参10 本施設で対象とする施設に関する耐震設計のフロー(10/10)