申請書の意義(1)

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規制当局から見たMWの重要性 - 臨床部分に重点を置いて- 医薬品医療機器審査センター 審査第三部 (国立精神・神経センター武蔵病院 併任) 池田正行 講演内容は演者の見解であり、必ずしも審査センター・厚労省の見解であるとは限らない. 申請書の意義(1). 申請書の意義( 2 ). 申請者・審査当局の共通の拠り所 試験薬のリスク・ベネフィットを正しく伝える 審査の行方を左右:取り返しがつかない. よりよいコミュニケーションのために. 科学的試験,科学的申請,科学的審査 率直な情報開示:リスクコミュニケーション わかりやすさ,正確さはお互いの利益 日本語の訓練を怠らない. - PowerPoint PPT Presentation

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規制当局から見たMWの重要性- 臨床部分に重点を置いて-

医薬品医療機器審査センター審査第三部

(国立精神・神経センター武蔵病院 併任)

池田正行講演内容は演者の見解であり、必ずしも審査センター・厚労省の見解であるとは限らない

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申請書の意義( 2)

申請者・審査当局の共通の拠り所試験薬のリスク・ベネフィットを正しく伝える

審査の行方を左右:取り返しがつかない

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よりよいコミュニケーションのために

科学的試験,科学的申請,科学的審査率直な情報開示:リスクコミュニケーション

わかりやすさ,正確さはお互いの利益日本語の訓練を怠らない

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基本中の基本(1)

臨床医学用語の誤訳多発により←機械訳そのまま申請前相談の内容を資料に反映せず→記載不備や資料概要の整備不良

審査センターでは、整備不良の申請資料を手取り足取り整備はしない申請取り下げに至ったケース

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基本中の基本(2)

審査報告書が重要・ 専門協議、部会・分科会審議における論点の中心

・ 承認後、公開された場合に、審査センターの判断内容(とくにベネフィットとリスク分析)が問われる・ MWに携わる方は、是非、目を通して頂きたい(日本薬剤師研修センター HP

http://www.jpec.or.jp/contents/c01/link.html)

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審査の流れと審査報告書

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申請資料全般に関する留意点(1)ー悪い知らせを伝えるー

・ 自らの主張に都合の良い情報・文献  のみで議論を進めないこと・ 不利な情報も平等に開示

→隠されると見たくなる・ 反論も踏まえた論理構成を心がける

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リスクを伝えることの難しさ

トラブルの責任をとりたくない利害関係:攻撃を受ける不確実性:リスクはしばしばあいまい

情報自体の不確実性:有害事象?副作用?

受け手によって受け止め方が違う判断が変わっていく:あの時は・・・

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それでも伝えなくてはならない申請書はリスクマネジメント

結局は必ず明らかになる早目の対策,被害の拡大を防ぐより効果的な対策:システムの欠陥を修正事態が悪化する前なら冷静な対応可能スケープゴートの防止

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申請資料全般に関する留意点(2)

・ 事実(臨床試験結果)に基づく議論・考察と  推察に基づく議論・考察を区別すること

・ 事実に基づく議論・考察の場合、  参照先を明示すること  (プロトコール番号、回答提出日、回答番号など)

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申請資料全般に関する留意点(3)

・ 引用文献の信頼性 (質)についても配慮すること審査で重要視するのは・・・

Cochrane Systematic Review, Clinical EvidenceNEJM, Lancet, JAMA, Ann Intern Med, BMJ

・ 従来の“権威”は通用しない邦文の教科書や商業誌は問題外

・  Financial disclosure, Conflicts of interestにも注意・ 文献は、できるだけ最新のものとすること

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引用文献の質に留意当該疾患領域で国際的評価の高い雑誌は何かを把握する

内科総合  NEJM, Lancet,         Ann Intern Med, JAMA, BMJ循環器  Circulation, Stroke神経内科  Ann Neurol, Neurology

消化器内科  Gastroenterology肝臓内科  Hepatologyリウマチ  Arthritis Rheum糖尿病  Diabetes Care内分泌  J Clin Endocrinol Metab

癌  JNCI, J Clin Oncol

アレルギー J Allergy Clin Immunol呼吸器  Am J Respir Crit Care Med

感染症 Clin Infec Dis, Antimicrob Agents Chemo

腎臓内科 J Am Sic Nephrol, Kidney Int

精神科 Arch Psychiatry, Am J Psychiatry

眼科  Arch Opthalmol生殖補助医療 Human Reproduction

などなど

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照会と回答

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体裁(回答書)

読み手(審査官)にわかりやすい構成を!

・ 頁番号や目次をつけてもらいたい

・ 回答提出日の記載

・ 資料が複数の分冊となる場合、何分冊中の何番目 かがわかるように番号付けをしてもらいたい

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CTDのスタイルに日本の臨床開発のデータが

果たして耐えうるのだろうか?

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CTD モジュール1 (第1部)(1)

5.起源又は発見の経緯及び開発の経緯

(4) 開発過程において問題となったこと及び計画を   変更した場合は、その理由と対応について説明する。  ( Protocol amendmentを重視します)

(7) 申請製剤、申請効能以外のものにつき、   開発している場合、その概略を付記する。

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CTD モジュール 1 (第1部)(2)

6.外国における使用状況等に関する資料

(2)外国での許可及び使用状況・・・承認許可申請中   のときも同様に記載する。また、承認申請後に状況 に変更があった場合は、適宜報告する

( 外国での開発中止,申請取り下げ)(6)代表的な添付文書の原文と和訳の概要を提出する。

        (誤訳・意訳に注意!)

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(1)

臨床概括評価( Clinical Overview)序文・・・・・この文書では、申請医薬品の開発計画及

び試験結果の優れた点と限界( strengths and limitations)を示し、目的とする適用におけるベネフィットとリスクを分析し、試験結果が添付文書中の重要な部分をどのように裏付けているのか記述すること。

(またもや,悪い知らせ・・・)

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(2)臨床概括評価( Clinical Overview)

序文(つづき)・ 試験デザインや実施内容の質を評価し( assess th

e quality of study design and performance of the studies)、GCP遵守に関する記述を含めること。

・ 重要と考えられる知見の制約( important limitations)

・ 未解決の問題を挙げ、なぜそれらの問題が承認の障害とは考えられないのか説明し、解決のための計画を示すこと

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(3)

2.5.1 製品開発の根拠・ 申請医薬品の治療、予防、診断の目標となる疾患(目標適応症)の臨床的/病態生理学的側面を記述すること

(疾患の自然歴、標準的治療内容等の中立的,客観的な把握)   国内外の標準的教科書   国内外の(質の高い)学術雑誌の総説・原著論文   厚生科学研究等の班研究報告書   各種の診療ガイドライン    FDA、 EMEAの報告書等   治験相談議事録

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中立的・客観的把握のポイント

有病率・罹患率の評価診断法の感度・特異度の評価既存治療の有効性疾患の予後

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(4)

2.5.1 製品開発の根拠(つづき)・ 試験のデザイン、実施、解析に関して、現行の標

準的方法との一致点、不一致点を挙げ、説明すること。  関連する公表文献を引用すること。・・・・・・・

(たとえば,症例数,エンドポイント,対照薬,盲検性・・・)

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(5)

2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論・ ・・・・代替治療法( available alternative treatment

s *)と比較した場合のベネフィットとリスク、医学的治療法がない疾患においては( in illness where no treatment may be medically acceptable option)、治療を行わなかった場合( no treatment)と比較した場合のベネフィットとリスクについても評価し・・・・・・(*薬剤以外にも,理学療法,認知行動療法,放射線学的 intervention,外科手術・・・)

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床に関する概括評価(6)

2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論(つづき)・ ・・・・・・・・申請適応症に対する当該医薬品の予想される治療上の位置付け(*)を行うこと。

*既存の治療薬との優先順位,病期・重症度との関係,標的症状,使用期間

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リスク /ベネフィットの考え方(1)

重篤な疾患を対象とする薬剤では、ベネフィット(生命予後の延長など)が明らかであれば、

  ある程度のリスクについては患者に説明し、同意を得た上で投与可能であろう。(例えば、抗癌剤、免疫抑制剤)

  ↓では、許容可能なリスク /ベネフィットのバランス

      とは、どのように判断されるべきなのか

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リスク /ベネフィットの考え方(2)

・ リスクとベネフィットについて   どの程度具体的に説明できるか

 → リスクの発生頻度など

・ リスクはある程度回避可能か → 投与前スクリーニングなど

・ リスクはある程度コントロール可能か

 → 投与後のモニタリングなど

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リスク /ベネフィットの考え方(3)

・ 最終的には、個々の薬剤での判断となる

・ リスクを最小限に押さえるための努力は必要

・ リスク /ベネフィットを医師が患者に具体的に説明できるための情報提供が必要

・ リスク /ベネフィットに関する持続的な情報集積が重要となる

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床的安全性の概要をまとめるにあたっての注意

・ 副作用ではなく、有害事象を重視→理由は?

・ 種々の有害事象用語の有機的な判断(相互に関 連づける)が必要

   経験豊富な臨床医の協力が必要

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床的安全性の概要をまとめるにあたっての注意

 まぎらわしい有害事象(1)

・ 失神は神経系? てんかんや脳虚血発作の症状と考えられがちだが、臨床では低血圧の結果起こることが非常に多い。特に心室性不整脈、QT 延長の結果起こることがあり、鑑別診断のトップに挙げられる( Adams- Stokes 症候群)

   → 不整脈の頻度をチェックする。

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床的安全性の概要をまとめるにあたっての注意

 まぎらわしい有害事象(2)

・ 嚥下障害は消化器系?   原因の多くは脳幹障害。したがって、中枢神経障害  を疑う症状。

   → 脳血管障害の可能性や、他の神経症状との      関連性などをチェックすること。

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床的安全性の概要をまとめるにあたっての注意

 まぎらわしい臨床検査値異常

・  BUN 上昇は腎障害? 上部消化管出血や脱水でも BUNの上昇は起こる   → 消化器系の症状、下痢や嘔吐、発汗の亢進の     有無等をチェックする。・ トランスアミナーゼ上昇は肝障害?   → 横紋筋融解の可能性をチェック

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床概要 clinical summary(2)

2.7.4.2.1. 有害事象の解析

・ ・・・・・治療変更(投与中止、用量変更、治療の追加)をもたらした有害事象にどのようなものがあったか検討することは、有害事象の臨床的重要性を評価するのに有用である。・ 死亡例から目をそむけない

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床概要 clinical summary(3)

2.7.4.2.1.1 比較的よく見られる有害事象

・・・・・・因果関係分類を示していても、データの中には(因果関係の有無にかかわらず)全ての有害事象を含めることに注意すること。なぜなら、因果関係の評価は本質的に主観的なものであり、実際には関係があるにもかかわらず予期されていない有害事象を除外していることがあるからである。

(副作用の頻度順一覧と有害事象の頻度順一覧の比較)

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床概要 clinical summary(4)

2.7.4.3 臨床検査値の評価

治験期間中の各測定点(来院時等)で得られた各パラメータは以下の3段階にて表記すること。

・ 中心傾向、例、群の平均値及び中央値 ( The central tendency (i.e. the group mean and median value

s)

・ 値の範囲及び異常値を示した被験者数又は特定の範囲(例:正常値範囲の上限の2倍、上限の5倍等。その選択について説明すること)の異常値を示した被験者数。もしも、正常範囲が異なる施設からのデータを併合する時、併合に用いた方法を記載すること。

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床概要 clinical summary(5)

2.7.4.3 臨床検査値の評価(つづき)

治験期間中の各測定点(来院時等)で得られた各パラメータは以下の3段階にて表記すること。(つづき)

・ 中止例を含む、臨床的に重要な個々の臨床検査値異常。これらの臨床検査値の変動についてその重要性及び医薬品との関連性を評価すること(例:投与量との関連性、薬物濃度との関連性、治療継続で消失、投与中止で消失、再投与で再発、併用療法の内容)。

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CTD モジュール 2 (第2部)臨床的安全性の概要をまとめるにあたっての注意

重症度分類

WHO, NCI-CTC などの抗癌剤臨床試験で用いられる重症度規準が参考になる。

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適応外使用に関わる申請の審査にあたって

- これまでの承認品目のまとめ -

 全ての資料は原則的に参考資料で対応:     生データチェック・GCP実地調査等は原則的に実施せず

 当該医薬品の製造・販売メーカー全てに機会

 医学薬学上公知であるか否かを判断

 再審査期間は新たに設定されていない

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適応外使用に関わる申請にあたって- 事前にチェックして頂きたいもの -

 診療科及び専門領域で国際的に評価されている  教科書(原著最新版)

 診療科及び専門領域で国際的に評価されている  学術雑誌の総説、メタアナリシス論文

 診療科及び専門領域で国際的に評価されている  学会、組織のガイドライン

 欧米規制当局の公表文書 ( FDA Advisory Committee の議事録等)

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まとめ

申請書は試験薬の履歴書初めが全て,後戻りがきかない

申請書はコミュニケーションの基本日本語の大切さ

申請書はリスク開示の鍵嫌なことほど丁寧に対処