20050728 ku-librarians勉強会 #67:初心者が挑む和古書の目録について
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工学研究科・工学部物理系図書室とは
2000年に機械系図書室、材料工学図書室、原子核工学図書室が統合されて誕生。
所蔵資料の受入年は明治34年(1900)に遡り、所蔵冊数は約5万3000冊。
明治30年(1897)に京都帝國大学が創設、分科大学の一つとして理工科大学が土木工学科、機械工学科の二学科で開学。
物理系図書室の目録業務とは
年間約400冊の新規受入図書の登録。
明治34年から昭和44年までに受入された
約1万冊の目録未入力図書の遡及入力が現在の課題となっている。
遡及入力を必要とする図書の大半が洋書。
本日の目録対象とは
理工科大学時代、機械工学科で明治39年(1905)12月10日に受入した図書。
装丁が和装の計12冊。
出版年は安永9年(1780)。
書名は『増續大廣益玉篇大全』。
『国書総目録』に記載あり。
NACSI-CATに目録登録するには『『『『目録目録目録目録シシシシステムステムステムステム利用利用利用利用マニュアルマニュアルマニュアルマニュアル第第第第5版版版版』』』』よりよりよりより引用引用引用引用
和漢古書の書誌作成について
『NACSIS-CAT/ILLニュースレター』11号(2003年7月11日)で、和漢古書の書誌作成について方針が公開。
「和漢古書に関する取扱い及び解説」
「コーディングマニュアル(和漢古書に関する抜粋集)」
和古書の書誌作成に挑戦
今回の目録対象は和古書である。
「記述対象資料毎に別書誌レコードを作成する」必要がある。
NCに同書名書誌がないか検索、あれば参考資料とする。
「コーディングマニュアル(和漢古書に関する抜粋集)」に沿って書誌作成を試みる。
コーディングマニュアル(和漢古書に関する抜粋集)
1.適用範囲・書誌レコード作成単位
原則として、和古書は1868年以前、漢籍は1912年以前のものを和漢古書とする。
和漢古書は、記述対象資料毎に特有な記述が必要であるため「稀覯本」扱いとし、記述対象資料毎に別書誌レコードを作成する。
和漢古書として登録されたレコードは、原則として一所蔵一書誌であるので、他機関とのレコード調整は行わない。
2.通則ア) 情報源 (比較的有効)
1) タイトルと責任表示に関する事項 -
① 巻頭、題簽、外題
② 目首、自序、自跋、巻末(尾題も含む)
③ 奥付、奥書、見返し、扉、版心、小口書、著者・編者以外の序跋、識語等
2) 出版・頒布等に関する事項 - 刊記、奥書、見返し、扉、序、跋、識語等
3) 形態に関する事項 - その資料から
4) 書誌構造リンク - その資料から
5) 注記 - どこからでもよい
4.タイトル及び責任表示に関する事項TR
TR:増續大廣益會玉篇大全,△10巻首1巻△/△
毛利貞齋著||ゾウゾク△ダイコウエキカイ△ギョ
クヘン△タイゼン
タイトルは「巻頭」から。
タイトルよみは『国書総目録』を参考。
書誌的巻数は現物から。
責任表示は「見返し」から。
5.出版・頒布に関する事項 PUB
PUB:浪速△[大阪]△:△鳥飼市兵衛[ほか]
△,△安永9△[1780]
情報源は「刊記」から。
出版地の「浪速」に「大阪」を補記。
出版者は6人のうち最後のものを選択。
出版年「安永9年」に西暦紀年「1780」を付記。
6.形態に関する事項 PHYS
PHYS:12冊△;△23cm
数量・大きさは現物から。
大きさはセンチメートルの単位で小数点以下1桁まで記録することができる。
23cm → 23×16.3cm でも可。
7.その他のタイトル VT
VT:OH:四聲附音冠註補闕類書字義増續大廣
益會玉篇大全||シセイ△ フイン△ カンチュウ
△ホケツ△ルイショ△ジギ△ ゾウゾク△ダイコ
ウエキカイ△ギョクヘン△ タイゼン
NOTE:題簽の角書:△四聲附音冠註補闕類書
字義
9.注記 NOTE
NOTE:和古書につき記述対象資料毎に書誌作成
NOTE:巻号表示は題簽による
NOTE:題簽の角書:△四聲附音冠註補闕類書字義
NOTE:首巻見返し題:△會玉篇大全
NOTE:子:△首卷總目.△丑:△一ニ畫.△寅:△三畫上.
△卯:△三畫下.△辰:△四畫上.△巳:△四畫下.△午:△
五畫.△未:△六畫上.△申:△六畫下.△酉:△七畫.△
戌:△八九畫.△亥:△自十畫至十七畫
NOTE:和装.△袋綴
和古書の目録作成における留意点
和古書の書誌学についての知識が必要。
(不断の努力あるのみ)
「各書誌的事項の情報源として有効である箇所及びその優先順位は、時代により、分野により、更には当該資料により異なる」
(コーディングマニュアル 2.通則より)