形式言語 と オートマトン

第 14 回鳥取大学工学研究科

情報エレクトロニクス専攻田中美栄子

形式言語とオートマトン

本日の予定

1. 試験対策後編2. 試験対策前編の解答　

形式言語とオートマトン

本日の予定

1. 試験対策後編　

形式言語とオートマトン

試験の考察点 (20%)

1. 様相変化

2.PDAの 7字組　　　状態遷移図

形式言語とオートマトン

様相 ? どういうこと？

形式言語とオートマトン

abba を与えたときの一連の動作を下記のように簡潔に表す

(s,ε)(r,abba) (s,bba) (r,ba) (r,a)M M M M

様相

形式言語とオートマトン

最初と最後の様相だけに関心があるときは

(s,ε)(r,abba) M＊

形式言語とオートマトン

(s,ε)(r,abba) (s,bba) (r,ba) (r,a)M M M M

最後に　（終状態 , 　空列）となったら受理、そうでなければ受理しない　　　　　　　　　　　　

受理状態でない で終了 → 拒否

形式言語とオートマトン

試験の考察点 (20%)

1. 様相変化

2.PDAの 7字組　　　状態遷移図

形式言語とオートマトン

プッシュダウンオートマトンとは？

有限オートマトン　＋　プッシュダウンスタック

→　プッシュダウンオートマトン (PDA)(FSAのような単純な装置では扱えない入力の判断を扱える )

DPDA: deterministic pushdown automaton

NPDA: non- deterministic pushdown automaton

試験

形式言語とオートマトン

記憶装置

pd- スタック

プッシュダウン

ポップアップ

後入れ先出し (LIFO:Last-In First-Out)

　方式の記憶装置

決定性プッシュダウンオートマトン

FZqQM ,,,,,, 00Q 状態の有限集合

入力記号の有限集合

0q 初期状態 Qq 0

プッシュダウン記号の有限集合

0Z ボトムマーカー 0Z

F 受理状態の有限集合 QF

動作関数

*}){(: QQ の部分集合

7 字組

有限制御部

q

xa $

様相の書き方

Y 0Z

…

状態

)( 0Zq,ax,Yこの状態の様相は：

形式言語とオートマトン

有限制御部

p

xa $

0Z

…

状態

)( 0Zq,ax, )( 0Zp,x,M

形式言語とオートマトン

１ステップの動作と様相の書き方

),(),,( YpYaq

有限制御部

nq

1a $…

状態

動作停止時の様相 ),,( 0Zqn

2a 3a na Fqn 受理

形式言語とオートマトン

),...,( 0210 Zaaaq n

),,( 0Zqn M*

受理条件

0Z

形式言語とオートマトン

例題

問 1 ：下図の様相を示してください(𝑞 ,𝑏𝑦 )

有限制御部

q

yb $…

状態

形式言語とオートマトン

問 2 ：下図の様相を示してください(𝑞 ,𝑏𝑦 ,𝑚𝛾𝑍0)

有限制御部q

yb $…

状態

m0Z

例題

FZqQM ,,,,,, 00},,{ 210 qqqQ },{ ba},{ 0ZA

}{ 2qF

*}){(: QQ の部分集合

),(),,(

),,(),,(

),,(),,(

),,(),,(

),,(),,(

0201

11

10

00

0000

ZqZq

qAbq

qAbq

AAAqAaq

AAZqZaq

問 3 ：次の 7 字組で表される DPD Ａに、入力 aabbbb を読み込ませた場合、様相変化を示せ。受理するかを示すこと

形式言語とオートマトン

),,( 00 Zaabbbbq ),,( 00 AAZabbbbq

),,( 01 Zq ),,( 02 Zq

M

M M

M ),,( 00 AAAAZbbbbq

M ),,( 01 AAAZbbbq M ),,( 01 AAZbbq M ),,( 01 AZbq

を忘れずに，最後にを忘れずに！！！

よって，受理する

問 3 の Answer

受理状態 読み終えた 空

形式言語とオートマトン

本日の予定

2. 試験対前編の解答　

例

形式言語とオートマトン

1. 言語の階層構造：言語とオートマトンの対応関係など

}21|{ mnmbaL nm ≦≦≦　

は文脈自由言語に属し，文脈自由文法で生成でき，　　　　　　　 プッシュダウン オートマトンで識別できる．　　　　　　　　

形式言語とオートマトン

2. 有限状態オートマトン　　　　正規表現

q0 q1

b ca

εc

q2q2

図示の NFA が受理する言語の正規表現を求めてください

例：

a*b*cc*

形式言語とオートマトン

3. 文脈自由文法の CHOMSKY 標準形及び言語導出 (2 分木 )文法 G=＜ V,T,P,S＞ ,　 V={A}, 　 T={a,b}, 　 P={A→aAb,　A→AA,　 A→ab},　 S={A}によって、 abaabb　という語が導出される過程はどのようになるか、空白を埋めよ　　　　　　

　

これと同じ言語を生成する上の G と同等で文法 G’ を Chomsky

標準形といい、 G’= ＜ V’,T’,P’,S’ ＞を構成し、 abaabb の

導出木を作れ

A ⇒ 　 AA 　⇒　 AaAb 　⇒ abaAb 　⇒　

abaabb

形式言語とオートマトン

S

a a b b

A A

B C

A C

abaabb の導出木は：

b}Ca,BAC,C

AA,ABC,{AP'

G’= ＜ V’,T’,P’,S’ ＞

V’={A,B,C}, 　

T’={a,b}, 　

S’={A}

B C

B C

b a

形式言語とオートマトン

q0 q1

b ca

εc

q2q2

図示の NFA と同等な DFA の状態遷移図を描け .

例：

4.NFA を DFA に書き換えること : アルゴリズム 2.1/2.2

形式言語とオートマトン

{q0,q1} {q1}

b

c

a

bc

{q2}

Φa

a,b

a,b,c

c

ANSWER

形式言語とオートマトン

q0 q1

b ca

εc

q2q2

図示の NFA と同等な DFA を 5 字組で表せ．また、 NFA とDFA の状態遷移表を描け．

例 1 ：

5. 状態遷移図　　　　 5 字組及び状態遷移表の書き方

形式言語とオートマトン

図示の NFA と同等な DFA を 5 字組で表せ．また、 NFA とDFA の状態遷移表を描け．

M=<Q, Σ, δ, S, F>Q={{q0, q1}, 　 {q1}, 　 {q2}, }, 　 Σ={a,b,c}, 　 S={q0, q1}, 　F={{q2}}

δ({q0, q1},a)= {q0, q1}, 　 δ({q0, q1},b)= {q1}, 　δ({q0, q1},c)= {q2}, 　 δ({q1},a)= , 　δ({q1},b)= {q1}, 　 δ({q1},c)= {q2}, 　δ({q2},a)= , 　 δ({q2},b)= , 　 δ({q2},c)= {q2}, 　δ( , a)= , 　 δ( ,b)= , 　 δ( ,c)=

a b ca b c

形式言語とオートマトン

図示の NFA と同等な DFA を 5 字組で表せ．また、 NFA とDFA の状態遷移表を描け．

　

NFA DFA

形式言語とオートマトン

正規表現 b*a(a+b)*bb について NFA とそれに同等な DFA の状態遷移表と状態遷移図を作れ．

例 2 ：

5. 状態遷移図　　　　 5 字組及び状態遷移表の書き方

DFA

形式言語とオートマトン

正規表現 b*a(a+b)*bb について NFA とそれに同等な DFA の状態遷移表と状態遷移図を作れ．

q0 q1

a,bb

a bq2q3q2

b

NFA

}{ 0q

b

a },{ 21 qq}{ 1q

a

ba

},,{ 321 qqq

b

b

a

状態遷移表 ( 略 )