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プライベートクラウド環境構築に向けた仮想化の推進について

2011年5月24日

サントリービジネスエキスパート株式会社

山内 雄彦

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本日の内容

①サントリーグループの概要(1)サントリーグループの経営体制と役割

②IT部門の変遷とインフラ中期計画(1)IT部門の主要活動変遷

(2)インフラ中期計画

③プライベートクラウドの取り組みについて(1)全体最適ポリシーによるインフラ標準

(2)サントリープライベートクラウド構想

④ITオペレーションの革新(1)統合運用管理のレベルアップ

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◆会社名 サントリーホールディングス㈱

◆創業 1899年

◆資本金 700億円

◆グループ会社数 195社

◆従業員 25,103名

◆売上高 17,424億円 [連結]

◆経常利益 1,008億円 [連結]

◆会社名 ㈱サンモアテック

◆設 立 1990年3月29日

◆資本金 2,000万円

◆売上高 41億円

◆従業員数 161名

◆事業内容 システム開発/パッケージ開発

インフラ･ネットワーク設計＆運用

サントリー食品

インターナショナル

サントリーウエルネス

ハーゲンダッツジャパン

その他事業会社

サントリー

ビア＆スピリッツ

国内酒類グループ会社

海外ワイングループ会社

サントリービジネスエキスパート（株）

・SCM本部・技術開発本部・宣伝ﾃﾞｻﾞｲﾝ本部

・ビジネスシステム本部-G情報システム部

-IT基盤G-企画G-開発1G～3G

-G業務推進部-経理ｾﾝﾀｰ-研究総務部

（株）サンモアテック・基盤サービス事業部・システム事業部・技術サービス開発部

サントリーフーズ

サントリー酒類

海外酒類グループ会社

国内ワイングループ会社

サントリーワイン

インターナショナル

サントリープロダクツ

サントリーホールディングス㈱

サントリーグループ概要

ペプシ・ボトリング

ベンチャーズ

フルコア

オレンジーナ・

シュウエップス

セレボス・パシフィック

フルコア

オレンジーナ・

シュウエップス

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サントリービジネスエキスパート㈱

サントリービジネスエキスパート㈱の組織と役割

品質保証本部

技術開発本部

ＳＣＭ本部

宣伝・デザイン本部

お客様リレーション本部

ビジネスシステム本部

研究総務

経理センター

グループ業務推進部

㈱サンモアテックＧ情報システム部

グループ全体の

共通業務・機能の集約・標準化

スケールメリット

専門性・ノウハウ蓄積

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システムがカバーすべき領域の拡大

ワイン事業

事 業 軸

飲料事業

酒類事業

機

能

軸

持 株 会 社

事業戦略

製造

営業

調達物流

人事経理･総務

健食事業

国内グループ会社（開発・外食）

海外グループ会社

基本インフラ

商品開発

グループ経営戦略

Ｍ＆Ａ領域

連結ｶﾞﾊﾞﾅﾝｽ

ex 環境見える化国際会計基準内部統制（JSOX）

既存カバー領域

効率化（新技術活用）

ex 共通経理・人材配置

ex ワークスタイル革新

共通化

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IT部門の変遷とインフラ中期計画

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IT部門の主要活動変遷と計画(2003～2012)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

システム構造改革

（基盤）

開発・保守業務革新

ＴＰＭ的アプローチ

（品質強化）

標準化

ITオペレーション

脱メインフレーム（UNIX環境構築）

Design to Cost・回収期間・業務処理単位あたりのコストなど

「ロスゼロ化」の改善活動品質保全活動重大トラブル撲滅 (05年66件→09年10件)

新フレームワーク導入システム構造改革オブジェクト指向（JAVA）・コンポーネント開発非同期（SOA、EAI）疎結合処理

インフラ中期計画(2008～)

品質問題

変更管理・問題管理

協力会社向け開発・運用ポータル開発や運用の際の標準・ルール、各種申請書等を一元化

インフラマスタープラン(2003-2006)

プライベートクラウド新システム構成（SLA別環境）

グローバル対応(2010～)

構成管理、ｻｰﾋﾞｽﾚﾍﾞﾙ管理

脱レガシー（ＵＮＩＸ）

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④ポートフォリオ評価

中期計画策定の流れ

③関連技術動向調査・評価

②中期サービス将来像 設定

①中期戦略・課題主要テーマ選定

1 2

3 4

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海外を含むグループ経営への貢献

●グループの機器設備・購買集中による

さらなるシナジー創出

●グループ経営視点でのＩＴの連携柔軟性

システム⇒ＩＴサービスへ 提供構造変革

●業務要件に沿った

スピーディかつリーズナブルなＩＴサービス提供

●ＩＴ運用組織のさらなる品質強化・効率化

オフィスサービス

●パソコンのグループ調達●グループ内コミュニケーション基盤整備（シームレスな情報共有・会議）

●テレワーク推進（仮想デスクトップ）

データセンターサービス

●国内・海外グループ会社へのデータセンター提供・統合（ハウジング）

ネットワークサービス

●海外グループ会社との接続●ネットワーク品質のコントロール

業務システムサービス

●プライベートクラウドサービス実現●外部クラウド活用

「ＳＧＮ（サントリーグループネットワーク）」から「ＳＧＳ（サントリーグローバルサービス）」へグローバル経営における更なるＩＴシナジー拡大を実現するために

第２期中期計画・基本指針 提供するITサービス

グループ戦略からＩＴサービスへブレークダウン

ＩＴ活用による技術革新

●場所・時間の制約をなくしワークスタイル革新

●酒・食・健食通販等ビジネスへの活用提案

●環境経営への取り組み強化

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プライベートクラウドの取り組みについて

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WEB層

APL層

DB層受注出荷・営業共通など

バッチ層DB層CRM・各社・個別環境など

プロビジョニング管理サーバ

新環境

リソース追加

OSイメージを仮想環境に展開

テンプレートから構築したい環境を選択

ex営業系のアプリサーバを2台から3台へ

ex導入予定のパッージの検証を構築

リソースプール

2台の物理サーバによる運用待機構成

仮想化適用領域 仮想化未適用領域

仮想環境用物理サーバ

WEBサーバ

APLサーバ

DBサーバ

プロビジョニングにより増設された環境 バッチサーバ

凡例

インフラ担当者

サントリープライベートクラウド（2008中期計画）

①

①

②

①

③

③

①

① WEB・APL・バッチ層のサーバにIAサーバによる仮想化を適用。② ハイエンドサーバ(6コア以上のサーバ）はIAサーバへの移行および仮想化適用は行わない。③ プロビジョニングツールを使用し、短納期でリソース提供を行う。

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プライベートクラウド基盤構築の狙い

①スピード・経営、事業ニーズに迅速に対応できるよう素早くインフラ基盤を準備・拡張

（サーバ準備リードタイム：３ヶ月→３日）

②キャパシティ

・必要な時に必要な量だけリソースを割り当てるオンデマンド型（従来はピーク時に合わせたキャパシティ確保のため、無駄が多い）

③コスト・ハード費用：環境別、SLA別に原価を見える化・一時費用：仮想環境構築費用（社内工数＞社外工数）

④品質・稼動率向上 （計画停止削減）

※仮想OSモビリティ機能の活用、仮想化ソフトによるハードウエア制約からの解放

⑥多様性・多様な環境を効率的に構築・運営 （多様性を仮想化で吸収）

→グループ会社ＩＴ基盤の統合（無理に共通化を進める必要はなく）→グループ全体のシステム運用体制の集約化

⑤ＢＣＰ・災害対策等による遠隔地データセンターへのバックアップ環境構築

※仮想化ソフトによるハードウエア制約からの解放

⑦環境・環境経営への貢献

（サーバ集約（台数減）、性能向上（電力減）による電力消費量減 →ＣＯ２減）

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1. 工夫

1. 「最高」ではなく、「最適」を目指した環境 （必要以上にコストをかけない）

コストの高いFC接続の導入は控える。

自動プロビジョニングツールは、早期導入しても十分な効果が得られない可能性があるので、まずは手作業での標準化からスタートする。

2. ブレードサーバやVMwareの冗長性を有効利用し、停止の少ないインフラ構築

部品単位で冗長化 （ブレードサーバ側でのNICチーミングや複数スイッチ等）

VMWareのVmotionにより停止時間の短縮を実現

2. 苦労点

1. 標準策定

従来の社内インフラ環境のポリシーやルールを全面的に見直要

2. 今まで利用していた標準環境であるUNIXをLinuxに移行

環境移行時の対応課題

3. ブレードシャーシのアーキテクチャ～VMWareの動作まで全て把握した上で、最適と思われる設計を実施 ブレード（ハードウエア）メーカの違いによる設計違い

プロジェクトにおける検討ポイント、苦労点

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ITオペレーションの革新

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ITIL V3におけるサービスライフサイクル

継続的サービス改善

財務管理

サービスポートフォリオ管理

需要管理

戦略創出

サービスレベル管理

情報セキュリティ管理

IT サービス継続性管理

可用性管理

キャパシティ管理

サプライヤ管理

サービスカタログ管理 変更管理

リリースと展開管理

ナレッジ管理

評価

サービス妥当性確認とテスト

移行の計画立案とサポート

問題管理

インシデント管理

イベント管理

アクセス管理

要求実現

アプリケーション管理

IT運用管理

技術管理

サービスデスク

プロセス

機 能

サービスストラテジ

サービスデザイン

サービストランジション

サービスオペレーション

サービス資産と構成管理

7ステップの改善プロセス サービス測定 サービス報告

※参考：Pultorak & Associates and itSMF ITIL V3 Pocket Guide

実施プロセス

▼実施中のプロセスもサービスライフサイクル全般で見ると定義された活動・プロセスになっておらず今後の課題

凡例

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サマリー

➊サントリープライベートクラウドは、2012年度を目処に環境構築が終了予定だが、当初想定のＱＣＤを満たせているか評価が必要。

➋グループ会社支援など領域拡大のため、運用業務の増加は、障害件数の増加にもなっており、本格的にツールを活用したプロセス・仕組みを構築する。（構成管理プロセスと同時にCMDBを構築）

自社変更管理の障害件数は削減しているが、ベンダ関係の障害は今後の重要課題。

➌ＩＴ部門としては、経営スピードに合わせたＩＴ部門改革（意識・組織）が急務仮想化環境も2008年当時の技術から更に進化した環境を模索。

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ご静聴有難うございました。

2011年5月24日

サントリービジネスエキスパート株式会社

山内 雄彦