鹿児島大学大学院における · 2017. 1. 12. · 鹿児島大学大学院における...

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鹿児島大学大学院におけるMOT教育の現状と展望 (F-6)PMI日本フォーラム20142014.7.12-13

鹿児島大学

大学院理工学研究科 電気電子工学専攻

産学官連携推進センター長・学長補佐兼務

福島誠治

fukushima@eee.kagoshima-u.ac.jp

目次

自己紹介

大学超小型人工衛星’KSAT’ OJTの報告

鹿児島大学産学官連携推進センターの紹介

鹿児島大学大学院におけるMOT教育

知的財産

起業

一般向けへの展開

学部学生への展開

まとめ

自己紹介履歴1962 生まれ1986 九州大学、修士課程修了1986 NTT入社(現在の持株会社研究所)2000 Sabbatical at Univ. College London (UCL)2009 愛媛大学 客員教授2011 鹿児島大学 教授2013 同・産学官連携推進センター長兼務

研究テーマバブルまで光情報処理3Dディスプレイ・ホログラフィ

バブル以降NW用LSIマイクロ波フォトニクス

2005年頃以降光トランスポンダ通信用光デバイスのオフショア化

2009年(愛媛時代)ICT実践教育

UCLゆかりの偉人

大学超小型人工衛星’KSAT’ OJTの報告(1)

福島、西尾、「大学人工衛星KSATの開発を通したプロジェクト・マネジメントのOJT」、PMI日本フォーラム2012

名称 KSAT2 (ハヤト2) 日時 2014年2月28日午前3時37分(JST) 打上げ場所 JAXA種子島宇宙センター

打上げロケット HIIA-F23(GPM相乗り)

分離時の高度 約378 km

最低限ここまで

〇衛星からの無線信号を受信・復調し、衛星を連続追跡

×衛星に指令を送り、搭載されたメッセージを地球へ

〇高度250kmまで衛星を追跡し、軌道の変化を解析

ここまで出来たら100%

△衛星からの電波を使って大気水蒸気分布を観測

×搭載カメラで撮影した画像を動画で受信

〇パンタグラフ式ブームを宇宙で展開

達成度150%

〇地上と衛星の信号を同期させる実験

△自前の方式で衛星の軌道を高精度に決定

大学超小型人工衛星’KSAT’ OJTの報告(2)

名称 しんえん2 日時 2014年冬

打上げ場所 JAXA種子島宇宙センター

打上げロケット HIIA(はやぶさ2相乗り)

(九州工業大学と鹿児島大学の共同開発)

Shin-En2 is a 17-kg satellite measuring 490×490×475 mm built by students atKagoshima University in Japan that will carry a 145 to 435 MHz lineartransponder into a deep space orbit.

The aims of the mission are:• To establish radio communication with a long range as far as moon. • To establish a new technology of the ultra-light-weight satellite.

The orbit will be quite different from the previous satellites. Shin-En2 will havean elliptic orbit around the Sun and travel to a deep space orbit betweenVenus and Mars. Its inclination will be almost zero, which means Shin-En2 willstay in the Earth’s equatorial plane.

The distance from the Sun will be between 0.7 and 1.3 AU, where AU(Astronomical Unit) is approximately 1.5 x 108 km.

http://amsat-uk.org/2014/04/23/shin-en2-to-carry-mode-j-linear-transponder/ から抜粋・修正注)この相乗り打上げは決定ではありません。

鹿児島大学産学官連携推進センターの紹介

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(1)共通科目等

→この中の2科目

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(2)受講者

知財は堅調

起業は漸減

受講者はほとんど理工学研究科

36

5457

4956

26

3530

2215

0

10

20

30

40

50

60

H22 H23 H24 H25 H26

MOT教育プログラム受講者数推移(定員 いずれも50人)

知的財産戦略構築実務論

技術経営と社会連携

MOT教育プログラム研究科別受講者数人文社会科学研究科

教育学研究科

保健学研究科

農学研究科

水産学研究科

理工学研究科

医歯学総合研究科

連合農学研究科

司法政策研究科

臨床心理学研究科

計 2,020名

平成16-26年度統計

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(3)知的財産戦略構築実務論

産学官連携推進センター所属の教授2名と特任教授1名で実施(全員民間出身)

授業内容高橋省吾 教授 博士(経営学) 弁理士福島誠治 教授 博士(工学)有賀敏明 特任教授 農学博士

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(4)

経営活動において知的財産権(知財権)はどのような役割を果たすのか?

知財権は経営戦略上の武器(Weapon)!

◆開発・営業努力も一瞬にして灰燼に帰する恐れ◆開発・営業努力も一瞬にして灰燼に帰する恐れ

知財権攻撃を受けると・・・

知財権を上手く使うと・・・

◆競争力維持・獲得の最強の武器に◆競争力維持・獲得の最強の武器に

知的財産権の役割

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(6)技術経営と社会連携

産学官連携推進センター所属の教授1名と准教授1名と講師1名で実施(全員民間出身)

授業内容ガイダンス「鹿児島で学ぶことの意味」「学問・研究・開発・産業」イノベーション概論経済学とイノベーション政策と大学発ベンチャーケースに見る技術経営産学連携とソーシャルビジネスの事例事業アイデアの創出経営学・経済学の基礎知識(2回)事業アイデアと事業計画書(2回)プレゼンテーション(3回)

福島誠治 教授 博士(工学)中武貞文 准教授石原田秀一 講師

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(7)技術経営と社会連携:特徴

疑似体験

伝える技術

起業への興味

キャリア意欲

学ぶ動機

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(8)技術経営と社会連携

成果

受講者の声

2012年度に本講義の受講者が大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストに応募し、優秀賞を受賞した。■受賞者 鹿児島大学大学院 谷口尚仁■テーマ 光蓄電池を用いたペット用発信器の開発■概要 ペットが逃げ出したり帰って来なくなったりしたときのために、ペット用の発信器と受信機を販売する。探す負担の軽減をはかり、ペット喪失の悲しさをなくす。光蓄電池と発信機を組み合わせることにより、メンテナンスフリーの発信機を開発・販売する。

「技術面のみならず技術と経営・社会貢献と広い視野を持った行動を心がけることができた。実際技術面だけではなく市場面儲かるかどうかなどさまざまなことを考えなければならないといけないということを擬似的にでも体験することができてよかった。」「1つのビジネスプランを作りあげるだけでも、非常に時間を費やしました。以前アプリコンテストでビジネスモデルを練り上げた経験がありますが、それでもやはり難しいものでした。他のグループのビジネスプランの発表も聞きましたが、自分の研究で使っている技術を上手く駆使して、ビジネス対象となる目のつけどころも良い印象を感じました。自分たちの発表は,なかなか伝わりにくかったようで,プランや技術を簡潔にわかりやすく伝えるということに関して課題を感じました。」

鹿児島大学大学院におけるMOT教育(9)講義の安定性確保

「食と健康教育コース」ではなく、独立の「MOTコース」で開講できないか

科目数を増やし、MOTの枠を広げられないか

パーマネントの教員率を上げられないか

履修者数変遷の解析が必要である

在学履修者だけではなく、卒業・修了生のコメントが必要である

一般向けへの展開

学部学生への展開

本年度後期から学部学生にも教養科目としてアントレプレナー科目「入門:起業のための人材養成Ⅰ」を学長の肝いりで開講

15コマ、2単位、座学とアクティブラーニング

目的

社会的には、大学から起業マインドを持つ人材の輩出が望まれている。学内においても教職員や学生

から現役の起業家が現れることも望ましい。「ヒト・モノ・カネ」の運用や流れを知ることで日常生活の諸現

象を複眼的な視点で理解できるので、人間力の涵養にも資するものになる。

講義内容・方法

起業に必要な「ヒト・モノ・カネ」の運用に関する基礎知識を座学形式で、運用およびチャレンジ精神(進

取の精神)の実践に関して学外講師による対話型のセミナー形式でおこなう。プレゼンテーションおよび

手法をつかった成績評価方法を導入する。

講義内容

起業時の理念の必要性と経営戦略

コンプライアンスとリスク管理

創業計画に必要な事項とその関連性

創業資金計画および収支計画

マーケティングにもとづいた販売計画

創業計画の作成とプレゼンテーション(受講生による評価)

起業家セミナー:質疑応答を記録し評価

受講生による授業の評価

実施中の知的財産関係科目理学部 知的財産権と科学(15コマ)教養 アイデア・発明から特許へ(15コマ)

まとめ

プロジェクトマネジメントのOJTとして、超小型衛星プロジェクトの概要を紹介した。

鹿児島大学大学院にて実施中の、および共通教育にて実施予定のMOT関連科目を紹介した。

進行中である共通教育や社会人向け講演会の進め方を紹介した。