積層型ポリ塩化ビニル(PVC)ゲル アクチュエータ …...1 積層型ポリ塩化ビニル(PVC)ゲル アクチュエータの構造と諸特性 信州大学大学院総合工学系研究科
8 鹿児島大学 塩屋先生 動画あり - JST...音響解析と動画像解析を応用する...
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音響解析と動画像解析を応用する外壁打診システム
鹿児島大学 理工学域工学系 建築学専攻
教授 塩屋 晋一平成30年11月27日
開発チーム
•全体統括:教授・塩屋晋一(鉄筋コンクリート)•外壁分析:准教授・黒川善幸(材料施工)•打音判定システム:教授・吉田秀樹(音響情報分析,AI)•画像処理システム:助教・鹿嶋雅之(画像情報分析,AI)•マイクロチップ化:元助教・中原啓貴(電子回路)現東京工業大学准教授•スイングマシン : 元准教授・林良太(ロボット工学)現岡山理科大教授
背景
1)平成25年6月15日大阪市内3階建てビルの3階から外壁等の一部が剥がれ、歩道に落下して、通行人に被害を及ぼす重大な事故
2)平成25年6月11日、新潟市内テナントビルの2階から外壁が剥がれ落ち、約8メートル下の歩道に落下
3)東京・銀座にあるビル築40年外壁のタイルが幅3メートルにわたって剥がれ10数メートル下の歩道に落下
•建築基準法第12条改正(平成20年4月1日施行)建物の定期点検が義務化
義務化された対象範囲(平成20年4月1日施行)
(1)特殊建築物定期調査の部分打診、目視等により異常が認められたもの
(2)竣工後10年経過した建築物(3)外壁改修等から10年経過した建築物(4)外壁全面打診調査後10年経過した建築物
今後、海外でも同様な問題が生じる。
特に建設技術のレベルが低い発展途上国でも多発する。
将来的には海外でのニーズは高まると予想される。
既往の打音法
1)打音法の課題①外壁の調査時間が長くなると、打撃音に対する人間の聴覚の低下、精度が劣る。
②作業員が高所作業で不安定な状況で調査するため危険である。調査精度も低下する。
③外壁のスケッチや作図も作業員が行い、人為的ミスが生じる可能性がある。
④報告書をまとめるまでの期間が長くなる。
⑤調査や報告書作成の人員が多く必要で調査費用が膨らむ。
既往の赤外線画像法
赤外線画像診断の課題
実際の建物の外壁面に温度変化が生じる時間帯は、外壁の方位、測定箇所の位置、庇などの陰、外壁面の仕上げの種類や塗料の種類・色、天候などにより様々であり、実用性が低い。
発明のシステム
写真 1.1 試作品による調査
試作品
タッピングマシーンと課題の解決
• ファンの雑音が問題
図 1.1 タッピングマシーン
回転軸
支持軸
転打子
(a) 転打子の回転
支持軸
回転自在
空気の流れ 空気の流れ
推進力
駆動モータ
ファン
外壁
フード
(b) 転打部 (b) マシーンの機構
外壁
転打子
175mm
• 新たな概念の判別指標の発明
屋上
図 1.2 調査状況
タッピング
マシーン
外壁
1)全体のシステムの発明
タッピングマシン(マイクロチップ内蔵)
打音法による調査状況
打音法診断に診断結果
7月23日(晴天) 午前8:30より作業準備実施した赤外線カメラ法による診断は不可能。原因:午前中日があたらず温度変化が無し。
発明したシステムによる調査と結果
タッピングマシンによる建築学科棟の調査
打音法診断に診断結果 発明システムによる診断結果
タッピングマシンの検出結果タッピングマシン検出 検査終了箇所(スマホ画面) 異常個所の表示
危険度 2以上 危険度 1~2
ノイズです
赤外線カメラ 作業開始時2時間後 温度飽和状態
2) 浮の判別方法の発明(吉田先生)
半減比を応用した判別方法
音圧レベル[dB]
時間[秒]
音圧レベル[dB]
時間[秒]
弾く
弾く
板
板
弦
弦
音圧レベル[dB]
時間[秒]
音圧レベル[dB]
時間[秒]
仕上げ材
仕上げ材
鉄筋コンクリートの外壁
鉄筋コンクリートの外壁
転打子 衝撃音
転打子 衝撃音
図 4 ギターの弦と板の隙間による弦の振動と残響時間の関係
図 5 仕上げ材とコンクリート外壁の浮きによる仕上げ材の振動と残響時間の関係
残響時間が極めて短い
残響時間が極めて短い
残響時間が長い
音圧が半減する時間が短い → 判定:浮いていない
音圧が半減する時間が長い → 判定:浮いている
(a)弦が板から浮いている場合
(b)弦と板が接している場合
残響時間が長い
(a)仕上げ材が壁から浮いている場合
(b)仕上げ材が壁から浮いていない場合
写真 6 目指しているマイクロクロコンピュータ 写真 7 調整用のマイクロコンピュータコンピュータ(ラズベリーパイ)
タッピングマシン(マイクロチップ内蔵)
4)スイングマシンの発明
モータ駆動ウィンチ
フリージョイント
モータ駆動プーリ
タッピングマシーン
ケーブル
図 1.4 半自動化スイングマシンの機構
①設定した振り幅で振り子運動②ケーブル長を変更することで、壁面の高さ方向に打診エリアを拡大するための方法とそのための機械装置、③ケーブル長が変化してもタッピングマシンが設定した振り幅を維持して振り子運動するように、ケーブルを揺動する方法スイングマシンの水平移動を可能にして、壁面の水平方向に打診エリアを拡大、自動化、遠隔操作
実用化に向けた課題
•現在、基本的なシステムを開発して、仕上げ材の浮を判定して、画像表示できる段階まで開発済み。しかし、現地でのリアルタイムの動作確認作業を実施できていない。現在、マイクロコンピュータに診断プログラムに移植する作業を進めている段階。
•今年度、リアルタム診断を実施する予定。これと同次に、診断指標のデータベースを構築する試験を実施する。
企業への期待
•技術の基本要素技術は確立されているので、リアルタイム計測と画像表示、データベースの構築は作業時間を投入すると克服できると考えている。
•タッピングマシンのボディー製造技術を持つ、企業との共同研究を希望。
•また、土木構造物の診断技術の開発を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。
本技術に関する知的財産権
•発明の名称 :診断システム、移動装置、
及び診断プログラム
•登録番号 :特許第6391176号(登録日: 平成30年8月31日)
•出願人 :鹿児島大学
•発明者 :塩屋晋一、吉田秀樹ほか3名
産学連携の経歴
• 2015年-2015年 鹿児島大学理工学研究科地域コトづくりセンター大型プロジェクト
支援事業に採択
• 2018年-2019年 鹿児島県建設技術センター
研究支援事業に採択
お問い合わせ先
鹿児島大学 産学・地域共創センター
知的財産・リスクマネジメント部門
〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-40
TEL:099-285-3878
FAX:099-285-3886
E-Mail:[email protected]