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2016 年11月 29 日 第 26 回 JTF 翻訳祭 トラック 3 セッション 4 「翻訳者に聞きたいこと、翻訳会社に言いたいこと ―疑問をぶつけあって日頃のモヤモヤを解消しよう―」保存版

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関心度 関心度

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翻訳会社に聞きたいこと

2016 年 11 月 29 日に開催されました第 26 回 JTF 翻訳祭「翻訳者に聞きたいこと、翻訳会社に言いたいこと」(トラック 3 セッション4)では、事前に質問を募集したところ、200 名を超える方から質問が寄せられました。ご協力頂いた皆様、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

当日のセッションでは時間の制約があり、すべての質問に対してじっくりとお答えすることができませんでしたので、後日、登壇者 4 名がそれぞれの質問に対して改めて回答を書き出し、一覧としてまとめました。また、どの質問が多く寄せられたかを関心度で表しました。翻訳会社、翻訳者いずれも、それぞれの考え方や個性がありますので、ここでの回答がすべてと捉えていただきたくありませんが、この資料が翻訳者と翻訳会社がお互いを理解し合う一助となれば幸いです。

翻訳者に聞きたいこと翻訳者に聞きたいことQ レートはどのように交渉したらよいか(登録時の交渉は悪印象か)

登録前に最低レートを提示してもらうのは参考になるが、実績ができてから交渉してもらえる方が互いに判断がしやすいと考えている。不満や疑問があればいつでも良いので率直に伝えてほしい。(田嶌 奈々 以降 N.T.)

登録時の交渉はむしろすべきと考える。新規登録翻訳者にとっては、他社のレートとの比較で当社のレートが高いか安いかを判断することになるため、互いが納得できる価格設定にするように努めている。(成田 崇宏 以降 T.N.)

Q レートはどのように設定しているか(固定か案件ごとか)原則固定(毎回の交渉は効率が悪い)。案件によっては追加の支払を提示することもある。(N.T.)

基本的に固定だが、原文の内容や翻訳仕様等によって相談可。可能な限り実負荷に見合った料金設定となるように努めている。(T.N.)

Q トライアルの結果や実績によってレートは変わるかトライアルの結果と実績、該当分野でどれくらい登録者がいるか等で変えている。(N.T.)

特にトライアルが好成績な場合や他社実績が豊富な場合は、なるべく希望に沿えるようにする(ご本人の当社と他社とのレートに開きがあると当社の仕事を受けてもらえないため)。当社での相場や基準などを比較材料とした上で相談するケースもある。(T.N.)

Q 難易度や作業(編集やフォント調整)に応じてレートを変えているかよほどの作業をお願いしない限り固定のレートでお願いしている。(N.T.)

原則として固定だが、相談は可能。各案件での予算はあるが、なるべく実負荷に見合った料金になるように努めている。(T.N.)

Q トライアル前にレート(上限)を案内しているか上限の案内はしていない(上限を決めていない)。(N.T.) 分野等にもよるが、当社は原則として上限を設けていない

ため、案内していない。(T.N.)

Q ボリュームディスカウントを要求することはあるか原則ない(法人に対しては相談することがある)。(N.T.) 場合によってはある。ただし、ボリュームだけではなく、

作業内容、仕様、その他条件など、どのような根拠で値引きをお願いしたいかを十分に説明した上で、協議を行うようにしている。(T.N.)

どのようなタイミングでレートの交渉をしているか Q登録時に必要に応じて交渉する。変動レートの取引先なら案件ごとに相談するが、固定レートの取引先に関してはタイミングがわからず困っているので、むしろ私の方が教えて欲しい ...(中野 真紀 以降 M.N.)

特にタイミングについては考えていないが、レートの引き上げを申し出たことによって最悪取引がなくなってもよいと思える場合(打診が多すぎて、断ってばかりになっている場合など)は申し出ることもある。(国枝 史朗 以降S.K.)

レートに不満がある場合はどのように伝えているか Q取引開始前や変動レートなら交渉する。固定価格で取引を続けるうちにレートに不満が出てきても言えないので、たいていはそのままで、他のレートのよい会社に比重を移す。(M.N.)

案件ごとに希望レートを伝えている。希望が通らない場合は、譲歩することも断ることもある。(S.K.)

レートの交渉に失敗して取引がなくなったことはあるか Q交渉して上げてもらえず、それ以外にも納得できない点があったので、こちらから取引をやめたことはある。(M.N.)

ある。厳密に言うとレート交渉ではないが、消費税の正当な転嫁を要求したら仕事の依頼が一切なくなった会社がある。いい関係が築けていたと思っていたので残念だった。また、取引を停止することを目的にレートの引き上げを依頼したこともある。(S.K.) 

単価・レート単価・レート

私達が回答します! 私達が回答します!

翻訳者 クライアント翻訳会社 翻訳者志望者 その他

質問者内訳

10 名171名 9 名2 名33 名

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Q 翻訳者をどのように評価しているか (トライアル合否基準など)経歴をマスキングしてトライアルを評価。トライアルごとに見るべき(間違いやすい)ポイントを定めている。誤訳やケアレスミスの有無だけでなく、指示事項の遵守や調査力も見ている。(N.T.)

書類審査を行い、通過者のみにトライアルを依頼する。トライアルは採点方式でなく総合評価。訳文の質(誤訳、抜け・ケアレスミス、流暢さ、リサーチ等)と、仕様・納期遵守、メールのやり取りなど、実案件と同じような観点で評価する。(T.N.)

Q 資格(TOEIC 等)、経歴、プロフィールで重視していることはあるか職歴と過去の翻訳実績を参考にするが、トライアルの結果を優先。(N.T.)

フリーランス翻訳者・社内翻訳者としての実績を最重視している。資格は、TOEIC や英検よりもほんやく検定や翻訳学校を出ているかなどを見ることが多い。(T.N.)

Q 登録後どのくらいの期間で依頼がもらえるか特殊な言語・分野でなければ、1 か月以内を目安に依頼することを心掛けている。(N.T.)

早ければその日に、遅ければ一年経ってもないということはある。受注の波やクライアント指名などにより新規登録者に機会がすぐ来ないことも。なるべくすぐ起用するようにコーディネータに促している。(T.N.)

Q トライアル不合格後の再受験はどのくらい期間を空ければよいか1 年が目安。需要の急速な増加など状況は常に変化するので、ダメ元で再受験を申し出て頂くのも OK。(N.T.)

原則として 1 年としている。ただし、別分野での再受験などは期間を短くする場合もある。(T.N.)

Q 品質とレートが同程度なら何を重視するかレスポンスの速さ。案件を断らない確率が高いこと。(N.T.) 人物や仕事への姿勢。打診へのレスポンスの早さ、積極的

に仕事を行ってくれる、コーディネータの悩みに応えてくれる、納期遅れやミスが少ないなど。(T.N.)

Q 印象が悪くならない仕事の断り方は(他社案件を理由に断ってよいか)旅行、他社など理由を明確に伝えてもらうのがありがたい。

(N.T.)「普段ならぜひ受けたいけど今回はスケジュールがいっぱいで無理。でも次回もぜひ声を掛けて」のような断り方だと次につながりやすいかも。コーディネータも、翻訳者が忙しいところに何度も声を掛けるのは申し訳ないと思うため。(T.N.)

Q 翻訳支援ツールを使用しない翻訳者は不利か依頼できる案件が限定されるという意味で不利。(N.T.) 不使用でも活躍している方はいるため確実に不利とは言え

ないが、使用したほうが打診の可能性が上がることは期待できる。(T.N.)

Q 登録しているのに依頼していない翻訳者はいるか登録時のやり取りで不安な点が見られたり、初回打診時の対応が良くなかったりすると、依頼が滞る場合がある。

(N.T.)

登録後にご本人都合で仕事を受けられなくなる場合や、品質低下や仕様不遵守などによって次回案件を依頼しづらくなる場合がある。また、希少分野や言語などで受注がないために依頼できない場合もある。(T.N.)

Q 翻訳者の処理分量や納期をどのように見積もっているか登録時にご自身の 1 日の処理分量を申告してもらい、それをシステムに入力して社内で共有している。(N.T.)

自己申告してもらうが、原文の内容や翻訳仕様でその案件での処理分量や納期は変わるため、結局は打診時に当社の希望を伝えつつ相談することが多い。(T.N.)

Q 翻訳者のスケジュールをどのように把握し、社内で共有しているか自社から発注している案件のスケジュールと本人から連絡のあったスケジュールをシステムに反映して社内で共有している。スケジュールを把握しつつも、あえて打診する場合がある。(N.T.)

クラウドの業務管理システムを導入しており、社内で把握できるようにしている。翻訳者から予定を書き込むこともでき、休暇や他社案件なども任意で知らせてもらうことにしている。(T.N.)

Q「スケジュール空いています」アピールは逆効果か逆効果ではないが、むしろスケジュールが埋まっている場合に情報がほしい。(N.T.)

「空いています」メールをもらってすぐに声を掛けることはあるので、一定の効果はあると思う。ただ、いつもメールをもらうと、あまり他社で人気のない方なのかなという印象を抱いてしまうことも。(T.N.)

何社ぐらいの翻訳会社と取引をしているか Q年間 10 〜 15 社ほどだが、ドイツ語のみの取引で数ヵ月に 1 件程度という会社もあるので、月平均で 4、5 社ほど。

(M.N.)

ある程度コンスタントに取引しているのは 4 社ほど。年に数回から数年に一度の会社も含めると 10 社程度。(S.K.)

翻訳会社を選ぶ際に何を重視しているか Q会社のサイトを見て、低価格を売りにしていないこと、希望分野を扱っていること、組織体制が整っていることを確認。特に先方から連絡がくる場合は初回のメールのやり取りも重視。(M.N.)

CAT 指定ではない案件が多数あること。法令をきちんと遵守していること(外税で支払われること、振り込み手数料が翻訳会社負担であること、支払い日が締め日から1か月以内であること、など)。(S.K.)

取引する翻訳会社をどのくらいの頻度で変えているか Qメインとなる会社は 3 〜 4 年くらいの周期で入れ替わっているが、意識的に比重を移す場合とプロジェクト等の関係で比重が変わる場合の両方がある。(M.N.)

特に意識して変えることはしていない。1 年目からずっと(18 年間)続いている会社もあれば取引を開始して数年の会社もある。(S.K.)

コーディネータに対する不満はどのように解決しているか Q基本的には我慢する。あとは、その人の癖をつかんで、それに対応できるようにする。どうしても問題があるときは、納得できない点をできるだけ具体的に、また感情的にならないようメールで伝える。(M.N.)

その都度、メールや電話で伝えている。(S.K.) 

どのようなコーディネータと仕事がしやすいか Qレスポンスが早く、作業に必要なことをきちんと伝えてくれて、かつ無駄がない。(M.N.)

翻訳のことがわかっているコーディネーター。この案件では翻訳者がどのような点で苦労するのかを理解できたり、納品した訳文を適切に評価できたりするコーディネーター。(S.K.) 

コーディネータの対応が理由で案件を断ることはあるか Qこれまで 1 社だけ、コーディネータが理由でその会社の案件をすべて受けないことにした。(M.N.)

レートや納期などの条件で断ることはあっても、コーディネーターの対応を理由に断ることはない(そもそもそのようなコーディネータがいる会社とは取引が続いていないと思う)。(S.K.) 

翻訳会社の選定

仕事のしやすさ

トライアル・評価

依頼のしやすさ

スケジュール

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Q 翻訳者の訪問は歓迎されるか(突然でもよいか)訪問は歓迎するが、突然は困る(納品等に追われてゆっくり話をできない可能性がある)ので、事前に連絡がほしい。

(N.T.)

基本的に歓迎するが、突然は少し困る。というのも、納品などに追われて忙しく、せっかくの来社に応対できないことがあるため。ぜひ事前連絡をいただいた上でたっぷりと有意義な時間を過ごしたい。(T.N.)

Q 翻訳者との交流の機会を設けているか(面談や交流会)必要に応じて少人数の研修を実施したり、個別に面談の機会を設けている程度。(N.T.)

懇親会や勉強会などの機会をある程度定期的に設けている。遠方の方向けにオンラインのものも実施している。

(T.N.)

Q 未確定案件を打診した後、経過・結果を連絡するルールはあるか連絡するよう努めているがルール化されていない。翻訳者には確定案件を優先して頂きたい。(N.T.)

ある。打診したままになってしまうのは翻訳会社として無責任な行為と考えている。(T.N.)

Q 受領確認メール送付のルールはあるか(連絡がない、遅いのはなぜか)すぐに受領返信をするよう教育しているが、ルールにはしていない。機械的な対応にしたくないため、翻訳者の立場に立って考えられるコーディネータの育成に力を入れたい。

(N.T.)

原則として受領後すぐに受領連絡を行っている。まれに緊急対応ややむを得ぬ理由で連絡が遅くなるが、翻訳者の信頼を損なわないようになるべく即座に行っている。逆に、案件依頼時に原文受領の連絡も確実に行うように翻訳者へお願いしている。(T.N.)

Q 翻訳者との相性を理由にコーディネータを変えることがあるか原則変えることはないが、翻訳者から要望があれば対応することもある。(N.T.)

まれにある。原則としてどのコーディネータでも同じような仕事のレベルになるように取り組んでいるが、新人が超えられないベテランのノウハウや対応などはあるため、ここぞというときや緊急時に変えることがある。(T.N.)

Q メールではなく電話で連絡してもよいか緊急時は電話、仕様の確認など書面に残すべき事項はメールなど使い分けをしてほしい。(N.T.)

電話でももちろん良いが、記録を残さなければならないことはメールにしたい。(T.N.)

Q 受注時にクライアントに何を確認しているか(ガイドラインはあるか)何をヒアリングすべきかを記載したマニュアルがあり、一部の項目はシステムに入力しなければ次のステップに進めないよう制御されている(それでも担当者によって差が出ている状況)。(N.T.)

ヒアリングシートがあり、重要な情報は受注時にシステム内で入力必須の項目としている。必要に応じて社内で見直しやフィードバックを行い、標準化するように努めている。

(T.N.)

Q 条件が厳しい場合のリスクを説明しているか(短納期時の分担翻訳など)複数の翻訳者で分担する場合には用語が統一しきれない等、リスクを説明している。(N.T.)

している。特に最近はスピードへの要求がかなり増しているため、品質とトレードオフになることを受注前に細かく説明している。(T.N.)

Q 的外れな質問や苦情はどのように対処しているか誠意をもって説明し、納得してもらえるよう努力をしているが、不当な苦情を受け入れざるを得ないこともある(無料で追加作業を行う等)。(N.T.)

やむを得ずクライアントに付き合うこともあるが、そのようなことが起きないようになるべく受注段階で仕上がりについてコンセンサスを取るようにしている。(T.N.)

Q 低品質・低価格の要求があれば応えているか(そのための要員を確保しているか)低品質対応のための要員は確保していない。納期、価格に応じて、クライアントの了承を得た上でプロセスを省略することはある(レイアウトを省く等)。(N.T.)

要員は確保していないが、「下訳レベルでいい」「ある程度内容が分かればそれでいい」というニーズはあり、クライアントが求めているものと当社ができることのマッチングができれば応えるようにしている。(T.N.)

Q 実現が困難な要求(仕上がりイメージ)を求められた場合の対応は達成できるレベルのものをサンプルとして提出し、納得して頂くようにしている。(N.T.)

できないことを「できる」と言わないことがこの仕事でとても大事だと認識しており、「できない」あるいは「ここまでならできる」「こうすればできる」と伝えるようにしている。(T.N.)

Q 対応できる翻訳者がいないのに案件を受注することはあるかクライアントがどうしても困っている場合は、専門分野の翻訳者がいなくても、それに近い分野の翻訳者で対応することはある。(N.T.)

ない。内容や条件等がレアな案件の場合は、必ずリソースの確保をしてから受注するようにしている。(T.N.)

Q Excel 方眼紙案件にはどのように対応しているかクライアントからの要望があればやむを得ないので受け入れている。(N.T.)

どうしても Excel で仕上げなければならない場合は、必要な納期と費用をもらうようにしている。(T.N.)

翻訳会社への不満をどのように伝えているか Q基本的に我慢する方だけど、我慢できないときは、納得できない点をできるだけ具体的に、また感情的にならないようメールで伝える。(M.N.)

不満をためると取引するのが嫌になるので、その都度メールで、場合によっては電話で伝えている。(S.K.) 

依頼や打診がどれくらいの期間ないと不安になるか Q個々の取引先に対してではなく、完全に手が空いたのにどこからも依頼や打診がないという意味では 4 日くらい。

(M.N.)

1 週間くらい何もないと不安に感じることがある。(S.K.)

打診された案件の結果はどれくらいまで待てるか Qケースバイケース。原則的に確定案件優先。未確定だけどスケジュールを押さえて欲しいと言われた場合は、期限を明確に区切り、最長で 1 週間まで。(M.N.)

基本的には未確定案件に対してスケジュールを確保することはないので、特に結果を待つということははない(確定案件を優先することを伝えている)。(S.K.)

翻訳会社が主催する勉強会に興味はあるか Q興味がある。勉強会の後にいくらかでもコーディネータさんと交流できる時間があるとなお良い。(M.N.)

内容によっては興味ある。会社のインハウスのネイティブチェッカーによる英訳時の注意点など。(S.K.)

翻訳会社との親睦を深める機会はほしいか(交流会や勉強会) Qほしいが、レクリエーション的なイベントより、勉強会など実務に関連している方が参加しやすい。(M.N.)

関西在住なので、毎回は参加できないと思うが、そういう機会があれば参可を検討したい。(S.K.) 

電話とメールのどちらが嬉しいか Q急ぎの連絡は電話で。詳細は文面を残したいのでメールで欲しい(電話で即断ったときを除く)。(M.N.)

メールだと案件の内容や条件を吟味してじっくり検討できるのでありがたいが、忙しいとき(納期が迫っているときなど)だと、返事を書く手間が省けるため、電話のほうがありがたい場合もある。先にメールを送っていただいたうえで、ある程度の時間(1 時間ほど)が経ってから電話をしていただけるのも、案件の内容を把握した上で回答できるので、忙しいときはありがたい。(S.K.)

土日や夜間の連絡は迷惑か Q迷惑とまでは言わないが、くると驚くのと、返事が遅れる場合があるので、ない方がありがたい。(M.N.)

特に迷惑とは思わない。(S.K.)

連絡・コミュニケーション連絡・コミュニケーション

クライアント対応

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翻訳会社に聞きたいこと 翻訳者に聞きたいこと翻訳者に聞きたいこと翻訳会社に聞きたいこと 翻訳者に聞きたいこと翻訳者に聞きたいこと

田嶌 奈々株式会社翻訳センター 品質管理推進部 部長

外国語大学を卒業。コーディネータ、メディカル分野の校正者を 10 年以上経験。 現在は翻訳センターにて翻訳プロセスの標準化や品質に関わる仕組みづくりを行っている。

中野 真紀フリーランス独日・英日翻訳者

獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。ドイツ留学後、翻 訳の 仕事を始め、2005年より専業翻訳者に。医療、特許、法律、マーケティングなど多分野に対応。共訳書に

『 ダライ・ラマ 子どもと語る』などがある。

成田 崇宏株式会社ホンヤク社 PM/QC/RC センター 統括部長

2005 年にホンヤク社に入社。 コーディネータやプロジェクトマネージャーとして制作業務を経験した後、2015 年より業務全般の管理者として制作対応力ならびに品質の向上に取り組んでいる。

国枝 史朗フリーランス日英・英日翻訳者

南山大学外国語学部英米学科卒業。熱収縮シールのメーカー、 眼鏡・サングラスのメーカー兼商社勤務を経て、1997 年にフリーランス翻訳者として翻訳業を開始。 環境、エネルギーなどを中心に術幅広く英日・日英技術翻訳に携わる。

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Q 下請法などの法規を確認しているか買いたたきの禁止など下請法の教育研修を実施している。

(N.T.)重要なものとして認識しており、当社と翻訳者との間の取り決めや契約が下請法等に抵触しないかを確認していることはもちろん、コーディネータの言動や仕事の打診方法等においても意識している。(T.N.)

Q コーディネータ間の能力差をどのように埋めているかマニュアルや研修で能力差を埋める努力をしている(が不十分であるとの認識がある)。(N.T.)

業務管理システム上での業務標準化、コーディネータのメンター制、社内での技術やノウハウの共有促進などの取り組みを行っている。(T.N.)

Q 翻訳者の個人情報をどのように取り扱っているかシステムで一元管理し、閲覧できるが個人情報をダウンロードできない仕組み。2016 年には ISMS の認証を取得した。(N.T.)

スタンドアロンの PC にて情報を取り扱っており、システムに保管しているものは暗号化している。P マークやISMS に沿って取り扱っている。(T.N.)

Q クライアントからの感想やフィードバックを翻訳者にどの程度伝えているかポジティブなフィードバックはできる限り、ネガティブなフィードバックは社内で十分に検討し、次回に反映して頂きたい内容を整理してから伝えている。(N.T.)

ポジティブなものは伝えるようにしているが、ネガティブなものはフィードバック内容や案件依頼時の状況などを考慮して、どの程度伝えるかを判断する。場合によっては伝えないこともある。(T.N.)

Q 翻訳会社が望む訳注のつけ方は少なくとも毎回、長すぎる注釈をつけてこられるのは問題。要点のみを簡潔に伝えてほしい。(N.T.)

「●●なら A、▲▲なら B」「■■と解釈して訳した」など、内容がクリアでコーディネータが判断しやすい形だと助かる。(T.N.)

Q 翻訳者の作業負担を軽減する努力をしているか努力をしているが、担当者によって差があることは事実。

(N.T.)翻訳に必要な情報・仕様・資料と不要なものを切り分けること、なるべく要点を簡潔に伝えるように普段から意識しているが、個人差はあると思われる。(T.N.)

Q 資料や情報を確認・整理してから翻訳者に依頼しているか情報を整理するよう指導しているが、実際には翻訳者に丸投げをしてしまっているケースもあると思われる。(N.T.)

しているが、できていないこともあり、翻訳者に協力を求めることもある。受注時点でクライアントとなるべく細かく擦り合わせるようにしている。(T.N.)

Q 納品後の修正はいつまで受け入れ可能か当日中であれば受入可能な場合が多い。頻繁に修正が入ること自体が問題。(N.T.)

後工程次第だが、なるべくない、もしくは早めが望ましい。(T.N.)

Q 納期が間に合わないと判明した場合の連絡方法は納期遅延の可能性が出てきた時点ですぐに連絡がほしい。納期が迫っている場合は電話で。(N.T.)

まず、なるべく早めの段階で、次に、いつまで延長すれば仕上げられるかを伝えてほしい。緊急時であれば代役を立てるようにするので、あまり無理はしないでほしい。(T.N.)

Q クライアント名を開示するのは難しいか開示しなければ品質に影響する場合は開示することもある。絶対に開示不可ということではない。(N.T.)

クライアント名が、翻訳の用途や目的に関する重要な情報であることも多いため、必要に応じて開示している。(T.N.)

Q クライアントから要求がなくても、分納や分担翻訳を依頼することはあるか工程管理の一貫として、大型案件時に分納を依頼することはよくある。クライアントの了承を得ずに複数の翻訳者に分けることはない。(N.T.)

分担は品質に直接的に影響が出るため、クライアントに伝えずに行うことはない。分納は、過去に納期遅れを起こした翻訳者に対して、様子を見るために行うことはまれにある。(T.N.)

うっかりミスを防ぐための工夫をしているか Qワードの校正機能を使用し、転記ミスがないよう数字や辞書を調べるときはコピペを活用。置換や同音異義語のチェックツールなどでマーカーを使用。(M.N.)

WildLight を利用して、同音異義語の変換ミスやタイプミスなどがないかをチェックしている。(S.K.) 

どのようなフィードバックが必要/不要か Qポジティブなフィードバックは嬉しい。継続案件の場合、次回以降反映させた方がよいものはすべて。あと、直した方が良いと思われる癖やミスの傾向などがあれば教えてもらえると助かる。(M.N.)

ネイティブチェック後のファイルなどは参考になる。翻訳のことがよくわかっていないクライアントからの的外れな要求や苦情(特に英訳の場合)は不要。そのようなものについては翻訳会社で対処していだきたい。(S.K.) 

翻訳会社が提供する情報のうち、最も重要なものは何か Q分量、納期、単価(固定以外の場合)、内容(M.N.) ファイルの種類、分納の有無、参考資料の有無と具体的

な参照内容など。(S.K.) 

「参考程度」として支給された資料はどの程度活用するか Q参照して、使えそう(または必要)だと思えば活用するし、使えないと思えば従わない。(M.N.)

具体的に何を参照するかを明確に指定されていない場合は、参考資料を無視する旨をきちんと伝えた上で無視する。(S.K.) 

セミナー参加など勉強や情報収集のために行っていることはあるか Qセミナーや勉強会に積極的に参加し、同業者で評判の良い参考書などを購入している。(M.N.)

セミナーや勉強会にはできるだけ参加するようにしている。また、SNSで発信される情報も参考にしている。(S.K.) 

複数翻訳者に同時に打診するような案件 ( 早い者勝ち案件 ) は敬遠するか Qよほどやりたい内容でない限り、基本的に検討しない。

(M.N.)敬遠する。ただし、最初から複数の翻訳者に手分けして対応することが前提となっていて、その旨が記載されている場合は、早い物勝ち、安い者勝ちでないかぎり、通常の案件と同様に検討する。(S.K.)

翻訳会社から言われなくても翻訳支援ツールを活用しているか Q使っていない。(M.N.) 案件やクライアントによっては使うこともある。(S.K.)

その他 教育・コンプライアンス

その他

◆ 関心度の算出について全質問者数(225 名)を分母にし、立場に関係なく質問した人数を分子にしています。(小数点以下四捨五入)