第一三共株式会社 株主説明会
代表取締役社長 兼 CEO
中山 讓治
第一三共の現況と成長戦略
日時:2017年2月18日(土)13:00 会場:ザ・リッツ・カールトン大阪
将来の見通しに関する注意事項
1
本書において当社が開示する経営戦略・計画、業績予想、将来の予測や方針に関する情報、研究開発に関する情報等につきましては、全て将
来を見込んだ見解です。これらの情報は、開示時点で当社が入手している情報に基づく一定の前提・仮定及び将来の予測等を基礎に当社が判
断したものであり、これらには様々なリスク及び不確実性が内在しております。従いまして、実際の当社の業績は、当社の見解や開示内容から大き
くかい離する可能性があることをご留意願います。また、本書において当初設定した目標は、全て実現することを保証しているものではありません。な
お、実際の結果等にかかわらず、当社は本書の日付以降において、本書に記述された内容を随時更新する義務を負うものではなく、かかる方針も
有していません。
本書において当社が開示する開発中の化合物は治験薬であり、開発中の適応症治療薬としてFDA等の規制当局によって承認されてはおりませ
ん。これらの化合物は、対象地域においてまだ有効性と安全性が確立されておらず、開発中の適応症で市販されることを保証するものではありませ
ん。
当社は、本書に記載された内容について合理的な注意を払うよう努めておりますが、記載された情報の内容の正確性、適切性、網羅性、実現可
能性等について、当社は何ら保証するものではありません。また、本書に記載されている当社グループ以外の企業・団体その他に係る情報は、公開
情報等を用いて作成ないし記載したものであり、かかる情報の正確性、適切性、網羅性、実現可能性等について当社は独自の検証を行っておら
ず、また、これを何ら保証するものではありません。
本書に記載の情報は、今後予告なく変更されることがあります。従いまして、本書又は本書に記載の情報の利用については、他の方法により入手
した情報とも照合し、利用者の判断においてご利用ください。
本書は、米国又は日本国内外を問わず、いかなる証券についての取得申込みの勧誘又は販売の申込みではありません。
本書は投資家判断の参考となる情報の公開のみを目的としており、投資に関する最終決定はご自身の責任においてご判断ください。
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第一三共の現況
企業理念
3
革新的医薬品を継続的に創出し、
多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、
世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する。
第一三共統合以来の業績推移 (単位:億円)
4
8,801
8,035 8,055 7,955 7,636
8,130
8,991 9,194
9,864
1,568
1,076
952 998
837 818
1,129
744
1,304
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
第1期中期経営計画 第2期中期経営計画 第3期中期経営計画
統合シナジー創出と 成長基盤の拡充
グローバルハイブリッド ビジネスの推進
パテントクリフを越えた 持続的成長の実現
売上収益 営業利益
※ ランバクシーを除く、業績推移
5
経営方針の転換を決定 規模拡大による成長から、 第一三共グループの強みを最大限に生かす筋肉質の成長へ
⇒ 新薬事業への集中・回帰
品質問題・禁輸措置の拡大により、 期待した成果を中計期間中に得ることは困難と判断 ⇒ ランバクシーをグループから分離
第3期中期経営計画では、 ランバクシーを成長ドライバーの1つとして位置づけていた
経営方針の転換
第一三共の成長戦略
~ 2025年ビジョン と 第4期中期経営計画 ~
2025年ビジョン
がんに強みを持つ
先進的グローバル創薬企業
がん事業を中心とするスペシャルティ*領域での事業が中核 (*病院・専門医で処方される医薬品)
各国市場に適合したリージョナルバリュー*製品が豊富 (*各地域の事業戦略に適合した製品)
SOC*を変革する先進的な製品・パイプラインが充実 (*スタンダード オブ ケア=現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法)
効率的な経営による高い株主価値 7
主要死因別死亡率の年次推移(日本)
0
50
100
150
200
250
300
1985 1990 1995 2000 2005 2010 2011 2012 2013 2014
悪性新生物
心疾患
肺炎
脳血管疾患
老衰
(年)
(対人口10万人)
(人)
5年ごと 各年
がん
出所:厚生労働省「人口動態統計」より医薬産業政策研究所にて作成
8
が ん
第4期中期経営計画の位置づけ
9
2025年 ビジョン
がんに強みを持つ
先進的グローバル
創薬企業へ
2016~2020
第4期中計
[転 換] 循環器や感染症 等
世界中で使われる薬を 生み出してきた
10
経営課題2
持 続 的 成 長 基 盤 の 確 立
経営課題1
オルメサルタン パテントクリフ*1の克服
* パテンクリフ(特許の崖):特許満了による売上と利益の減少
2020年度 目標
営業利益
1,650 億円
売上収益 1兆1,000
億円
第4期中期経営計画
2015年度 実績
営業利益
1,304 億円
売上収益
9,864 億円
パテントクリフ*
2017年度 目標
営業利益
1,000 億円
売上収益
9,400 億円
既存主力製品の 成長加速
コスト削減
後期開発パイプライン (新薬候補)価値向上
ROE8%以上の実現
戦略目標 ~持続的成長基盤の確立に向けて~
11
① エドキサバン(日本製品名: リクシアナ)の成長
② 日本No.1カンパニーとしての成長
③ 米 国 事 業 の 拡 大
④ 利 益 創 出 力 の 強 化
⑤ がん事業の立上げ・確立
⑥ SOCを変革する先進的新薬の継続的創出 (現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法)
6つの戦略目標
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
12
150億円
2015 2017 2020
中長期成長の柱へ育成
2020年度までに 売上収益
1,200億円
以上へ
■ その他 ■ 日欧
抗凝固剤 エドキサバン (日本製品名:リクシアナ)
市場を上回る順調な売上の伸長
新規処方患者シェアの拡大
販売国の拡大
2016年度
13
静脈血栓(血液の固まり)
抗凝固剤
リクシアナ
治療薬
血流
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
抗凝固剤 リクシアナ 静脈や心房内で、血液が固まることを抑えます
心房細動による血液の固まりが原因となる脳梗塞等の予防、及び
肺塞栓症や、いわゆるエコノミークラス症候群の治療・予防に用いられます
14
1,655
リクシアナ
(億円)
1.6% 14
128
237
0
300
600
900
1,200
1,500
2014年 2015年 2016年
1,290
889
9.9%
14.3%
Copyright © 2017 QuintilesIMS. JPM 2014年1月-2016年12月をもとに作成 無断転載禁止
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
日本における成長 新規の経口抗凝固剤の市場は順調に拡大中 リクシアナの売上シェアも14.3%まで伸長(暦年ベース)
15
(%)
0
5
10
15
20
25
30
35
Sep-1
4
Oct-
14
Nov-1
4
Dec-1
4
Jan-1
5
Feb-1
5
Mar-
15
Apr-
15
May-1
5
Jun-1
5
Jul-
15
Aug-1
5
Sep-1
5
Oct-
15
Nov-1
5
Dec-1
5
Jan-1
6
Feb-1
6
Mar-
16
Apr-
16
May-1
6
Jun-1
6
Jul-
16
Aug-1
6
Sep-1
6
Oct-
16
Nov-1
6
Source :Medi-trend
31.0%
① エドキサバン(リクシアナ)の成長
日本における成長 新規患者シェア(AF*+VTE*)において 2016年11月にシェア第2位に浮上
*1 AF: 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及ひ全身性塞栓症の発症抑制
*2 VTE: 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及ひ肺塞栓症)の治療及ひ再発抑制
② 日本No.1カンパニーとして成長
16
1,711億円
2,260億円
2020年度までに 売上収益
2,430億円
以上へ (主要6品目合計)
2015 2017 2020
抗潰瘍剤 ネキシウム
アルツハイマー型 認知症治療剤 メ マ リ ー
骨粗鬆症治療剤 プラリア
がん骨転移による 骨病変治療剤 ランマーク
抗血小板剤 エフィエント
2型糖尿病治療剤 テネリア
主力製品の成長
シェア No.1
シェア No.1
シェア No.1
シェア No.1
16
17
2016年8月 抗てんかん剤「ビムパット」の発売および効能追加申請
2016年7月 Amgen社からのバイオ後続品(9品目)の導入
4年連続 医師からのMR評価 No.1の獲得(株式会社アンテリオ 調査)
② 日本No.1カンパニーとして成長
2016年度 主な取り組み状況
② 日本No.1カンパニーとして成長
18
2012 2013 2014 2015 2016
武田薬品工業
アステラス製薬
第一三共
中外製薬
ファイザー
田辺三菱製薬
MSD
ノバルティス ファーマ
エーザイ
医療用医薬品 国内販売会社 売上推移 2012年-2016年(暦年ベース)
出所: Copyright (c) 2017 QuintilesIMS. IMS医薬品市場統計(トップライン市場データ)をもとに作成 (無断複製・転載禁止)
③ 米国事業の拡大
■ ミロガバリン
■ モバンティック CL-108
2020年度までに 売上収益
1,000億円 以上へ
第一三共Inc. 疼痛領域での事業拡大
2015 2017 2020
20億円
ルイトポルド 鉄欠乏性貧血領域の成長
910億円
1,200億円
2015 2017 2020
2020年度までに 売上収益
1,500億円*へ
■ジェネリック注射剤他
■鉄欠乏性貧血治療剤 インジェクタファー
Inspirion社から オピオイド鎮痛薬
(乱用防止製剤) 2剤を導入
インジェクタファーの 売上最大化に向け 第一三共Inc.と
統合営業チーム結成
*ルイトポルド合計 売上 19
2016年度 2016年度
186億円
20
DSグループ米国事業の最大化
既存のDSIの営業・マーケティング組織をインジェクタファーのために活用
LPI営業チームが築いてきた、がん専門医、血液・腫瘍医との関係を 活用し、DSIがん事業の基盤を確立
③ 米国事業の拡大
第一三共Inc.(DSI)とルイトポルド(LPI)で
インジェクタファーの統合営業チームを結成
④ 利益創出力の強化
研究開発費 原価 販管費 利益創出
中計での 実現
グローバル 生産体制最適化
グループ全体での大幅なコスト削減・効率化
調達機能の強化
国内外の4つの研究開発拠点の閉鎖(機能集約)を決定
2016年度 主な取り組み状況
21
~2015 年度
秋田工場売却 日本構造改革 研究開発体制
再編
欧州営業体制 再編
米国営業体制 再編
22
⑤ がん事業の立上げ・確立
パイプライン (新薬候補) 拡充
2020年度までに 売上収益
400億円 以上へ
2020 2025
2025年度までに 売上収益
3,000億円
規模へ
2015 2017
23
がん領域での大きな変革
DS-8201 フラッグシップアセット
新たなフランチャイズ
強力なリサーチエンジン 戦略的投資
⑤ がん事業の立上げ・確立
オンコロジー研究開発グローバルヘッド
アントワン イヴェル
24
⑤ がん事業の立上げ・確立
抗体薬物複合体(ADC)
急性骨髄性白血病(AML)
第一三共がん領域の 新しい2つのフランチャイズ
複数の新規薬剤の開発
独自技術の開発 ・ 開発技術の応用
25
⑤ がん事業の立上げ・確立
第一三共独自の技術
抗体
薬物
リンカー
抗原
がん細胞
正常細胞
がん細胞
抗体薬物複合体
抗体薬物複合体(ADC)
①前世代ADCの 2倍の薬物搭載による効果増強
②新規で差別化された 強力な薬物
•様々ながんが交じり合った環境においても 効果を発揮
•短い血中半減期 による毒性リスクの 低減
血中での高い 安定性を保ち、 薬物と抗体を 一体化
H 標的がん細胞の 表面の抗原と結合し、 薬物を特異的に送達
26
⑤ がん事業の立上げ・確立
乳がん
グローバルで承認を目指す 患者さんの未充足ニーズが高い 日本で承認を目指す
胃がん
FDA 優先承認審査
指定
次世代の抗体薬物複合体(ADC)
フラッグシップアセット:第一三共にがん領域で強みをもたらす鍵
DS-8201
27
B: 乳がん G: 胃がん
DS-8201治療の最良効果 (臨床試験 フェーズ 1)
Source: Tamura-K et al., abstract 4585 (LBA17), ESMO 2016
投与量 (mg/kg) 5.4 3.2 1.6 0.8 8.0 6.4
B B G G B B B G B B B B B B B B B G B G
-50
-60
30
-10
20
0
-30
-40
10
-20
-70
腫
瘍
縮
小
率
(%)
⑤ がん事業の立上げ・確立
縮 小
DS-8201:乳がん・胃がんで高い腫瘍縮小率
28
臨床段階
可能性の 有る適応症
研究 前臨床 臨床試験フェーズ1
乳がん 胃がん
HER2 (DS-8201)
乳がん 非小細胞肺がん
(NSCLC)
HER3 (U3-1402)
固形がん TROP2 (DS-1062)
固形がん B7-H3 (DS-7300)
固形がん プロジェクト 5
固形がん プロジェクト 6
抗体標的
Note:本書において当社が開示する開発中の化合物は治験薬であり、開発中の適応症治療薬としてFDA等の規制当局によって承認されてはおりません。 これらの化合物は、対象地域においてまだ有効性と安全性が確立されておらず、開発中の適応症で市販されることを保証するものではありません。
ADCフランチャイズ: 自社パイプライン(新薬候補)
⑤ がん事業の立上げ・確立
⑥ SOCを変革する先進的新薬創出
29
SOC*を変革する先進的新薬創出
がん(がん免疫を含む) 重点 領域
疼痛 中枢神経 系疾患
心不全・ 腎障害
希少疾患 次世代 領域
*SOC: スタンダード オブ ケアの略 現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法
⑥ SOCを変革する先進的新薬創出
がん治療ウイルス
G47Δ(デルタ) バイスペシフィック抗体
核 酸 医 薬 細 胞 治 療
がん細胞でのみ増殖し、 がん細胞を攻撃する特別なウィルス
⇒「先駆け審査指定」の獲得
【東京大学医科学研究所
藤堂教授と共同開発】
がん免疫治療薬の研究開発へ活用
【カナダZymeworks社と提携】
・遺伝性希少疾患デュシェンヌ型 筋ジストロフィー治療剤 (DS-5141b)
【Orphan Disease Treatment Instituteと共同開発】
•虚血性心不全の細胞治療薬「ハートセル」 【英国Celixir社から導入】
•毛細血管幹細胞(CapSCs) 【旭川医科大学と共同開発】
•がん領域細胞治療薬 (遺伝子改変免疫細胞療法) 【米国Kite社と提携】
研究開発の加速に向けた
先進的技術の導入及び提携
30
成長投資と株主還元
31
設備投資
運転資金等
株主還元 (配当+自己株式取得)
事業開発投資 5,000億円
研究開発費 9,000億円
成長投資
5ケ年計画の原資
約2兆2千億円
成長投資を優先しつつ、株主還元も充実
株主還元方針
機 動 的 な 自 己 株 式 取 得
安 定 的 な 配 当
100%以上 総還元性向
総還元性向=(配当+自己株式取得総額)/当期利益(親会社帰属)
安定的な配当(年間70円以上)
32
2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2017年度 2016年度 (予定)
年間配当額の推移
2015年度に続き 約500億円の
自己株式取得実施 (約2,025万株)
中間配当35円実施 (12/1~支払開始)
期末配当(35円)を 株主総会で決定予定
2016年度
2016年度
CSR活動(企業の社会的責任)
■ビオプテン 精神発達障害等の中枢神経障害を引き起こす、先天的な遺伝子異常が原因の 高フェニルアラニン血症の治療剤 【8万人に1人 発症】
■ギャバロン髄注 ~髄腔内バクロフェン投与(ITB)治療~ 脳や脊髄の神経の損傷により、脊髄での反射が亢進し、 強い痙縮(※筋肉が硬くこわばること)が現れる重度痙性麻痺の治療剤
【国内推定患者数 1~2万人】
■デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の開発 筋萎縮の進行により、各種運動障害が起きるとともに、最終的には、 心不全・呼吸不全等により、多くが20~30歳代で死に至る極めて 重篤な遺伝性希少疾患の治療薬 【新生男児の約3,500人に1人 発症】 ⇒ 臨床試験(フェーズ1/2)推進中
希少疾患への取り組み
社会の一員として 第一三共だからできることを
33
経営体制
2017年4月からの新たな経営体制
35
2025年ビジョン達成のための経営体制
代表取締役 会長 兼 CEO
中山 讓治
代表取締役 副社長 兼 CFO
廣川 和憲
代表取締役 社長 兼 COO
眞鍋 淳
新任 代表取締役社長 兼 COO 略歴
36
【氏名】 眞鍋 淳 (まなべ すなお)
【生年月日】 1954年8月5日生
【略歴、地位及び担当】
1977年 3月 東京大学 農学部 卒業
1978年 4月 三共株式会社 入社
2005年 7月 同社 安全性研究所長
2007年 4月 当社 安全性研究所長
2009年 4月 当社 執行役員 研究開発本部 プロジェクト推進部長
2011年 4月 当社 執行役員 グループ人事担当 兼 グループCSR担当
2012年 4月 当社 執行役員 戦略本部 経営戦略部長
2014年 4月 当社 常務執行役員 日本カンパニープレジデント 兼 事業推進本部長
2014年 6月 当社 取締役常務執行役員 日本カンパニープレジデント 兼 事業推進本部長
2015年 4月 当社 取締役専務執行役員 国内外営業管掌
2016年 4月 当社 取締役副社長執行役員 総務・人事本部長 兼 メディカルアフェアーズ本部長
2016年 6月 当社 代表取締役副社長執行役員 総務・人事本部長 兼 メディカルアフェアーズ本部長(現職)
株主の皆様とのコミュニケーション
37
高い株主価値の実現
株主の皆様とのコミュニケーション強化 株主説明会の開催(本日)
株主の皆様のご意見を 経営に反映
株主総会の開催(6月) 議決権行使により、皆様のお声を寄せてください
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