Title 米國移民法の改正に就て

Author(s) 末廣, 重雄

Citation 經濟論叢 (1930), 31(1): 86-107

Issue Date 1930-07-01

URL https://doi.org/10.14989/129906

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Type Departmental Bulletin Paper

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Kyoto University

六五四年芦Mニヤ一回第一=圏園仮制調可(毎庖司回一回置行)

辛子韓日一月~ Æ~~・ E ヲ何回

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簿記の出資に於ける一問題・.

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敷島γ

的経漕撃の論理的構造・.

-講買力平慣説の一考察・・・・-文謬博士

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時

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米・問移民法の改正に就いて刷-刷制法一軍博士

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東京市中心地董間人口調査議・・法事士

銀行の信用膨脹に就いて・

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小責規模仰は小責費用ごの関係・経涛一畢士

都市の経漕的概念三本質・・・・・趨漕皐士

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賠償金特別曾計法申吹正・市町村義務教育費園庫責措法中改正・輸出補償法

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新着外国経済雑誌主要論題

法墜博士

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高米紳上

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米国移民法白攻正に就て

第三十一巻

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古住

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千九百二十四年の移民法を以て、

米国が我が闘に重大なる侮辱を加へて以来.

日本人の劃氷

戚情は大に悪化するやうになった。此の日米国交の上に投壱られた暗影を観て、近年米国に於

τ、

移民法に改正を加へて、日本人に一公正なる待遇を奥へねばならぬざいふ意見が現はれるやうにな

り、従来排日の色彩頗る濃厚Eゐった新聞の中にも、之に賛成する者がゐるやうになった。

封目指度の盤化は最近新なる展開を示す咽』さず」なった。米国下院移民委員長アYバ

1ト・ジヨ

ンソン氏は、去る五月二十三日一のスア

1トメントを援し、遠から守移民法改正案を下院に提出

して、移民ざしての入国に閲して、

日本人を蹴洲移民さ卒等の基礎の上に置かんざする意思の

ゐるこごME韓明した。氏が新聞記者に語ったさこん仁よれば、氏が一度右の意見を後表するや、

讃調さ援助さの申出が頗る多く、反劃する者は極めて僅少であって、米国政府も改正案の成立を

希望してゐるさうである。

右の報道に接した我が園の言論界に於ては、之を以て日米国交上に於げる一大幅昔であるさか、

日米雨国民間の融和を質現する貴重なる致果を驚らすものである三か云ひ、極めて良好なる反響

がめった。然らば、千九百二十四年の移民法ざは如何なるもので、改正は其の如何なる貼じ加へ

られんざするのであらうか。之を説明するじ先って、米国の封欧洲移民政策並移民ざしての日本

人排斥の過去現在じ就いて、其の概要ぞ地〈るであらうc

米国に於て、欧洲より渡来する移民の入幽制限の必要のゐるこさは、建国後間もなくダエアア

ソシ等の唱へたさころであっ犯が、前世紀の中葉頃より、渡来する者が年を迫ふて増加し、前世

紀末に至って愈多く、千八百二十年代に一箇年一二高人に過ぎなかったのが、千八百五十四年に

は約四十三高入、千八百八十二年には夏じ上って七十九高ごり、今世紀の始、郎も千九百五年に

は百高人を突破し、千九百七年には、買に一箇年百二十入高五千人ざいふ最高記録を一不すに及ん

で、移民制限を要求する聾が非常に高くなっ花。

移民の激増さごもに見逃すぺからぎるニさは、千人百九十年頃より、英国濁逸和蘭スカシヂナ

時

f晶

米国移民法白改正に就て

第三十一巻

八七

第

披

八

七

時

5布

米国移民法白改正に就て

第三十一巻

第一胸部

八八

A A

グイア諸国等の西欧洲及北欧洲よりの優等移民、謂ゆる奮移民が漸衣減少して、伊太利填地利洪

牙刺希臓土耳古バUF

カン諸国露西亜等の南欧洲及東欧洲よりの劣等移民、謂ゆる新移民が年を遁

ふて増加したニさであって、千八百九十年よh

世界戟守の勃愛した千九百十四年までの入園移民

数は奮移民約四百五十五高人に劃して、新移民は約千百二十五高人的多数に上つ穴。左に千八百

七十一年以後各十年間に於ける、信新二揮の欧洲移民の割合を一不さう。

一へ七一ーー一ヘヘコ

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奮移民

新移民

奮移民

新移民

奮移民

新移民

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新移民

新奮新奮移移移移民民民民

九一、六

八、四

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一丸、八

四八、四

五一、六

一一一一一、一一一

七六、七

二二、七

七七、=一

三六、八

六一一一、二

今日の米闘を建設した奮移民さは異なり、

新移民は渡り鳥式で、米国に永住する畳悟で渡来す

る者が少な〈、且其の素質は劣悪、安い勢銀低い生活標準を以℃満足する者であるから、年々多

載の者が入国するニさは、米国勢働者の勢銀さ実の生活標準さの向上に頗る不利なる影響を及ぼ

すであらう。政治的に観察しても同様であって、彼等の聞に、民主々義ごか共和政治ぜかの何た

るかを理解し得る者は甚だ稀でゐる。斯かる劣等移民を無制限に入国せしなる泣きは、彼等を米

固に同化するこさが困難ごなって、其の政治上に由々しき結果を生やるであらう。従って、敵洲

移民を米固化して、米国人ざいふ揮然たる一困民を作るには、移民を入国の際最重に選揮して、

望ましからね移民はドシ/¥排斥せねばならぬ乞いふこさざなった。千九百十七年五月の移民法

の規定する教育試験印ち請み方試験は、此の目的の潟に採用せられたのである。

世界戦争後、欧洲諸国の疲酔図鑑甚しく、業の経済復興は容易の業でなかったから、米国移住

を希望する者が激増「る虞があった。

J

ピごろが、米闘に於てむ、欧洲に於げる戦後の不景山識の膨

蜘管を受げて経梼界が不振であり、到底多数の移民を牧容するカがなかったから、千九百十七年の

移民法以上に移民の入闘を制限するこさを必要ざして、千九百二十一年五月の移民法を作った。

然し、該移民法は全く暫定的のものに過ぎなかったから、千九百二十四年五月に至り、之に代る

ヰき移民法を制定公布し、同年七月一日より貫施したο

之が現行移民法であるから、左に其の要

領を掲げる。

一ー一

千九百二十四年の移民法じより、

一箇年閉じ米国仁入国し得ぺき謂ゆる歩合移民主一)の載を、

千九百二十一年の移民法以上に制限するさ同時に(千九百二十一年の移民法の下に入国し得た歩

時

論

米国移民法の改正に就て

第三十一巻

1¥ 九

第一教

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時

3曲

米国移民法白改正に就て

第三十一巻

九O

第一披

九O

合移民敷は一箇年約三十五高七千人)、西欧洲及北欧洲の優等移民を成るぺく入国せしめんざする

趣旨ド基き‘南融洲及東欧洲の劣等移民の移民組敷に劃する割合を大に減少するこさ注した。第

十一健制によれば、千九百二十四年七月一日に始まり向ふ三年間、各国民の年歩合印ち入国割営

敷は、南欧洲及束欧洲移民の未

r甚r少なかった千八百九十年の米国々勢調査仁於

τ決定せられ

た米岡本土に居住せる営該国籍を有する外刷出生者鱒数の百分の二ざし、各国民の最小歩合を百

人ざすゐ。一例を翠げて一五へば、

r八百九十年米副本土仁居住せる伊太利岡籍セ有する外園出生者

が十九高二千二百五十人であるざすれば、其の百八?の二に営る三千八百四十五人が、

一箇年聞に

入国し得る伊太利の歩合移民載である。勃牙利人希臓人等の如く、千八百九十年に於げる米岡本

士居住者の教の百分のこが百人に達せぬ場合には、最小歩合たる百人だけ入闘を許されるのであ

る。上掲規定によれば、

一箇年の歩合移民総数は約十六高四千人であって、千九百二十一年の移民

法の定むる歩合移民組教の五割に達せ今、千九百十四年の蹴洲移民組教の一割強に過ぎねのであ

る。しかも、西欧洲及北欧洲の歩合移民数は、歩合移民組教の百分の八十七に営る約十四高三千人

を占め、南欧洲及東欧洲の歩合移民数は、僅かに約二高一千人ざなった。世界戦争を境ざして、

業の前後に於げる奮新二種の欧洲移民は、全く其の地位を顛倒するこさざなった。

第十一傑例仁よれば、千九百二十九年七月一日以後に於℃は(註二).各国民の年歩合は、千九百

二十年米岡本土に於ける営該国民系の住民数が、同年の米国本土の住民組敷に劃して有する率さ

同一の率を十五高人に劃して有する敷ざし、各困民の最小歩合を百人ざする。

一例を奉げて云へ

ば、千九百一一十年米岡本土の住民にして、縄逸国民の血統を有する者を約一千二百二十高人ざすれ

ば、此の一千二百二十高を米国本土の住民組数(中央直米利加若は南亜米利加諸国よりの移民及共

白子孫、米国市民さなるこさを得5る外国人及其の子孫、奴隷移民の子孫又は米国土人の子孫を

除〈)約九千三百高で制って得たい崎市佐.米幽が一箇年間に入国営許す歩合移民綿敢の十五十崎人じ

乗中れば、約二寓人さなる。是いか一箇年聞に入国し得る濁逸の歩合移民の教である。

第十一競刷により、千九百二十九年七月一日以後一箇年閉じ入国し得る西欧州及北欧洲諸国の

歩合移民さ南欧洲及東欧洲諸国の歩合移民さの割合は、第十一俸制じよる爾者の割合さ大差がな

し、。

上過する通‘り、数十の異民族より成る欧洲移民が無制限に入国するこさは、米国の政治上一枇曾

上経済上の脅威であるから、世界戦争後、米闘が移民を大に制限するやうになったのは尤も千寓

のニごであるご云はねばならぬ。従って、日本人の入国も、験洲移民同様移民法の適用を受け.

入国載を制限せらるるに止まるならば、我が園ざして何等之に反濁すべき理由を有たぬ。然るさ

時世論

米岡移民法D吹正に就て

第三十一穆

大ム

第一時現

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時

7者

米同移民法白改正に就て

第三十一血管

九

第

競

先ム

ころ、第十三僚に米国市民さなるこさを得ざる外国人に劃する入園禁止規定を設けて(註一号、米国

市民ぜなるこさを得、戸る外国人、換言すれば、臨化能力を有せ、ざる外国人を移民法第十一傍の適

用の範圏外に置き、そして、

日本人は米国市民吉なるこぜを得ぎる外国人たるの故を以て、千九

百二十四年七月一日以降、僅少の場合を除くの外入闘を許可せぬこぜてなった。営時我が園論が

沸騰し、帝国政府が米国政府に厳重に抗議し忙のは、

日本人に人種に因る差別的待遇を加へ、我

が圃の正営なる白骨時心を傷害し、国際膿一譲を無澗するf」一五ふこさにあったのである

3

ロ劃FM

千丸百二十四年目移民法第三僚によれば米国M

貯の或る地掛置を都民L米国に肉ふ列同人中よ町

(一)政府の守支並其の家族従者僕妹及雇人

(二)一時的に放行者として叉は一時的に用務者は観光の鴛に米国に波来する外蝿人

(三)纏損的に米国を通過ナる外国人

(凹)遁法に米固に入国を許可せ、b

れたる後米岡田一地方より接壌外国領土を}通過して他白地方に赴〈外国人

(五)米国の港に到着する船舶に海員として従事する善意白外国人海員にして単に其の職務の鴛一時的に米固に入園せんと

ナる者

会ハ)現行調商航海傑約の規定に準捺'皐に商業を替む目的を以で米国に入国し得る外国人

を除き去ワたものが移民であワでそして移民を非歩合移民と歩合移民との二種に分つ。移民法第四傑によれば非歩合移民な

る珪問は

川刊第九傑に定むる願書を提出する嘗時米圃に居住十色市民の十八歳未満の未婚白子又は妻たる移民

仰遁法に米国に入圏在許可せられたる移民にして一時外国に赴きたる後蹄還ナ品者

付加奈陀・品ユ

1

フアウントランド、メキシコ共和閥、玖馬共和国、ハイチ共和国、ドミ-一力共和国、運河地帯叉は中央

豆米利加若は南亙米利加の宿立固に生れたる移民並一一其の同件久は呼寄せたる妻及十八歳未満白子

•

仰米国入園出願直前少くとも二年間引傾き何れの宗滋たるを問はず布教師の職に在

pし者又は「カレツヂ」「アカヂミ

1」

「?、、ナ

pl」又は「ュ=グアシテI」教授の職に在りし者にして草に葉町職に従事する目的を以て入園せんとナる移民並英

の陶伴者若は呼寄せたる妻及十八歳未満白子

判少〈とも十五歳以上の善意の撃生にしで単に公認せられたる墜校「カレツヂ」「アカデミー」「セミナ

PI」又は「ユ-一ずア

シテ1」に於て勉撃の矯入剛せんとナ必移民待に右撃校は本人自b之を指定し努働長官の認可を経たるものなるこ主を要

ナ等を指し(多少攻ZL

せ、bれたる貼あるも略寸)第五傑によれば右の非歩令移民にあ、bざる一一切の移民を

42I移民と云ふ。

門註回一〕第十ゴ憐仰の規定は千九百二十七年七月一

Hより寅施の筈であったが千九百二十じ年三月四日の法律によ

O賓施を

千九百二十八年四月一日主で更に千九百二十八年一ニ泊二十一日目法律により再度之を延期し千九百二十九年四月米国上院

に於て該規定の停止叉は際止に閲して感なる討議が行はれたが途に千九百二十九年七月一日より賓施するととふなっ士。

門紘一品川第十三味川に」れば米岡市民』なるこ

ZE得

rる外岡人U注の場合を除、理米闘に入闘ナるととを得ず。

仰

第

四

傑(

b

)

(

d

)

若は(

e

)

項の規定により非歩合移民として入園し得る者

山門前記(

d

)

に依り入国し得る移民白一妻又は十八歳未満の未婚白子にして該移民に同伴し又は呼寄せ

bれたる者

mw第三傑に定めたる移民に非ざる者

回

米国に於げる日本人排斥は、千九百二十四年の移民法によって始まったのではなく、由来する

ぜ」二ろ久しい。顧ふじ、米国太キ洋沿岸地方に於ては、

日清戦争前より既に日本人排斥の聾があ

ったから、帝園政府は夙に米国行移民に制限を加へ、時ぎしては全く差止めたこさもゐった位で

ある。然るさころ、明治四十年(千九百七年)の秋に至h，、米国政府より移民渡航禁止の提議があ

ったから、帝国政府は、米同政府の要求に快よく鹿やるこさによって、米国に於て、

日本人の正

時

言曲

米国移民法の吹正に就て

第三十一巻

1L

第一務

1L

時

E品

米国移民法白改正に就で

第三十一審

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第一時腕

九四

嘗なる国民的戚情を損傷すべき差別的移民法を制定するこさを課防せんが潟、同年来以来.紳士

協約ざ呼ばるる日米聞の了解によって、米国行移民に大なる制限を加へた。爾来帝国政府は、協

約の絶ての規定を最もE確且忠買に貫行したばかりでなく、米国政府の希望せ~ざる種類の日本人

の米国入国を有効じ阻止せんが潟、米同政府さ協刀して我が圃の名春さ雨立すぺき一切の手段を

講やるに杏ならぎるの誠意を示したのであった。然るに、米国に於ては、紳士協約を以てしでは

充分に日本人排斥の目的を謹するE

}

ぜ能はやさして、支那人同様米国々法を以て禁の入国を禁止

せねばならぬさ主張する者が次第に多くなり、還に、米岡市民ぜなるこぎを特ざる外国人の入園

禁止仁闘する規定を移民法中に挿入し、帝同政府が米国政府及米圃人の希望に副はんごして執り

来った友好的努力を無視するこ之さなった。

今千九百二十四年の移民法成立じ至るまでの差別的立法的経過を見るに、千九百十三年及千九

百十五年の雨度米国議舎を通過し、営時の大統領即も前者にあってはタアト氏、後者にあザ℃は

ヲイ

wyyy氏が拒否した移民法案じは、何れも米国市民さなる-}さを特ぎる外国人の入国禁止に

闘する規定があった(雨大統領が桓否した理由は此の規定があったからではなく、教育試験に開

する規定に不賛成であったからである)。千九百十七年五月の移民法の原案にも同一規定があった

が.常国政府が厳重じ米同政府の注意を喚起したので削除せられた。千九百二十一年の移民法に

は右に一五ふ差別的規定がなかったが‘千九百二十三年十二月米凶下院に、今回移民法改正を提案

せんざするジヨシ

yy氏が提出した移民法案には、又もや同一規定があった。営時米国々務長官

.ヒューズ氏がジョン

yy氏宛の書翰中に、「米岡市民さなるこごを得ぎる外国人の入国禁止規定が

草に日本人のみを目的ざするものでないぜ排疏するが如きは無益である。何ぜなれば、支那人排

斥法及支那人以外の亜細亜人に適用すてき禁止匝域仁閲する移民法の規定は依然存績するらので

あるから、右の入国禁止規定の貫際的致果は日本人排斥に蹄着する」て一再ふた通り、賞際上日本

人のみを排売の日偲どなし、日本人宏、米副人が劣等移民呼はL

りする商欧州及束敵制移民以下仁

置き、是等移民は一定の制限の下に入闘を許しながら、日本人に劃しては、其の入闘を絶割に禁

止せんさするのである。斯かる差別的待遇が、正義公卒の観念ピ雨立せ今、又圃際組譲の遁義に

通せぎるどころのあるこさは明であるから、日本人は奉って差別的立法の非を難詰した。瞳原大

使がヒューズ氏に奥へた書翰中に「此の特殊保項を合hu

怯案じして成立を見んか、両国間の幸一隅

にして相互に有利なる関係に封し、重大なる結果を誘致すぺきこさは本使の戚知せざるを得古る

さころにして、貴官も亦同戚なるを信するものなり」さ云ひ、歴史的じ有名ざなっ党「重大なる結

果」事件を惹起したのは此時でゐる。大使の書翰は「覆商の威嚇」を合hu

ものであるさ云ふ非難が出

て、事態営悪化せしめ、米圃市民さなるこどを待ざる外国人入幽禁止規定を合む移民法集は、千九

時

3命

米国移民法白改正に就て

第三十一拳

九五

第一説

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時

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米国移民法白吹正に就で

第三十一巻

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第

f虎

九六

百二十四年五月十七日大多数を以て雨院を通過して法律ざなり、同年七月一日より質施せられた。

該移民法に封し、帝国政府は直ちに「各国の版園内に於げる移民入国の制限及取締が園家固有

の主権内に属するこさは必に之を否定せんざするものにゐらや。然れ

JJ

こも右擢利行使に営

h、外

国の正営なる自等心園際聞の了解又は鵡譲の通義を無覗し、外闘じ劃して明に公正を失するの措

設めるに於ては、問題

ω性質ごして、回より外交的交渉及解決に訴ムるこさを得、さるぺからや」

ザ」て、厳粛じ米国政府に抗議した。同年七月帝同議曾に於て、融巾原外相は「本件立法が既成の事

買さなったさ云つでも、到底本問題は終了せるものさは認むるこ

εは出来ぬ。我々は我が亙嘗なる

主張が満足を得られざる限り、我が抗議を維持し、本問題の国漏なる解決の潟、又日米雨園聞の

親交を氷遣に確保せんが震及ぶ限り努力する畳悟である」芝草明し、爾来我々は、米国議舎及米

同人が反省して是正の迭を執り、移民法じ闘する日米聞の問題が固荷なる解決を見る自の到来す

るを期待したのであった。従って、ジョン

yン氏が、差別的待遇撤農を目的ざする移民法改正案

を速からや米国下院に提出せんさするのは、米国議曾及米国人が改過蓬善せんさする徴候ごして、

-日米雨闘の震に大に喜ぶさころである

D

五

ジョシソン氏の移民法改正案の内容は未だ判然しないが、惇ふるどころによれば、移民法第十

三能的を改正し、日本人に劃して、欧洲移民三同様第十一健制の歩合を適用せんざする仁あるさ

うである。が、之は、現行移民法が米国議舎の問題ざなった営時、国務長官ヒューズ氏がタヨン

ソン氏に奥へた書翰中に暗示したさころさ軌J

伊ニにするものである。営時ヒューズ氏は、日本人

排斥規定を不必要ごしたのみなら十、之を削除するこさを以て劃日開係上得策であるさして、下

院移民委員曾に於て審議中であったジョンソン法案第十僚に規定する歩合を、欧洲移民同様日本

人じも通用す、べ送、こごそ力説したのでめったが、六午後の今日に歪り、ジョン

yン氏は漸く過失一

，jjEa-stdJ

・・

れ

raはじMh一ーに

ヒューズ氏の意見に従ふ亡、日本人に封ずる差別的待遇を撤藤せんfするのであらう。

此の意味に於ける改正が幸に成立するさしても、歩合移民ざして米国に入国し得る日本人の数は、

一箇年に僅々百数十名に過ぎぬけれども、移民法成立営時、帝同政府は移民ざして入国し得る者

の多寡を問題ざしたのではない。人積的偏見に来く不営なる差別的待遇じ反封したに外ならぬか

ら.米国議曾及米闘人が、師偶然注して其の非を改めさへすれば、先年来間隔してゐる日米闘係の

改善は不可能でないであらう。

f」ニろが、第十三俊川の適用より日本人を除外し、第十一俸制によって日本人の入幽を律する

こさは、質行が容易であらうが。惟ふじ、支那人同様米幽々法を以て日本人の入園を禁止す汗き

こさは、排日振が前世紀末以来主張したさニろであって、千九百二十四年の移民法によって漸く

時

百品

米圃移民法D吹正に就て

第三十一巻

九七

第一波

7u 七

時

E命

米国移民法白改正に就て

第三十一巻

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第一務

九i¥.

其の目的を達したのである。然るに、該移民法J

笠賞施して六年に過ぎぎる今日、排日振は、彼等

三十年間の苦心ぎ努力ヲゼ水泡に蹄せしむる改正じ異議なく賛成するであらうか。引払は女のや

F

フ

な理由で、反封論の起るこさを懸念する。

上掲ヒ

1ユズ氏の意見殺表のめったさき、之に賛成した者が少くはなかったけれざも・等しく

米岡市民ぜなるこさな特ぎる外闘人であるにも拘はら守、日本人さ他の亜細亜人さの聞に差別的

待遇乞錯し、前者を後者より有利の地位にmmくこさは不合理ではないか、不公平ではないか芯い

ふ理由の下に、猛烈なる反劉が起って、

ヒューズ氏の意見は還に米国下院の容るるご-」ろぎなら

なかった。貫際のごころ、日本人を歩合移民ごして入国を許しても、

一箇年に僅々百家十人に過

ぎないのであって、斯く少数日本人の入国は殆んど問題ざするに足らぬ筈でゐる。けれざも、

旦日本人に罰して入同禁止を解くさきは、

一般車細亜入、少くごも支那人より卒等待遇の猛烈な

る要求が起り、建に米国市民ざなるこさを特ぎる外国人の入国禁止に関する規定破壊の端を啓〈

虞があるさいふこ之が、反針の理由さならないであらうか。移民法改正は、劃目的には賢明な政

策であるけれども、

E細

E人排斥が米国の国策ざなってゐる今日||其の是非は別論ごしてーーー

一般輿論の支持を得るこさは、容易の業でないやうに思はれる。

右の・次第であるから、

ジョンソン氏の主張過ち移民法の改正が行はれても、

之さ同時に、

干苛

国政府の協力を求めて、新に日本人の入闘を禁止する別種の方法を詩守るやうなこ芝になるので

はあるまいか。在は斯〈疑ふこさに就て、多少の理由を有ってゐる。

.... ，、

千九百二十四年の移民法が、ムーより六年前米国に於て大問題ざなった営時、我が外務省に於て、

米国市民さなるこ之を得ざる外幽人の入幽禁止規定に罰する米国全土の新聞の態度じついて調査

したさこんによれば、右規定の目的即ち日本人の入国禁止そのこ三に反劃するものは絶無であっ

た。常時日本人の入同禁止は、米閣の一部政治家じよって政争の具に供せられたのじ過ぎないの

であって、決して米国人会悼の異意でないご云ふ賠解があり、今日に於ても宵之を信やる者が我

が困じゐるやうであるげれぎも、之が全く誤解に基いてゐるこさは、右の調査じよって明であら

ぅ。けれずさも、日本人の入国禁止の目的を達する品川立法手段によるぺしさする米国議舎の行動は、

日本人の反戚を桃後し.米国に不利なる結果を生やぺしごて、之に反謝した新聞が頗る多かった。

同じく外務省の調査によれば、東部諸州に於ては全鱒の九割玉分、中西部諸州に於ては五割乃至六

割、南部議州に於ては五割、日本人が多く、従って排同の空気が濃厚である西部諸州仁於てすらニ

割じ上つわんさうである。是等立法手段による入国禁止に反針し允者の多数は、紳士協約を改正し、

日本政府をして日本人の渡米を厳禁せしむるこさによって、充分目的を達し特るこさを指摘した

時

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米同移民法の改正に就て

第三十一拳

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米国移民法の吹正に蹴て

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一00

のであった。所詮、日本人の入国禁止さ云ふ目的については寒国一致であったが、たY

此の目的

を達する手段に関して、米国の輿論が二つに岐れたに過ぎなかったのである。

ク1yツク大統領も、立法手段に依るこさを以て不必要にして且つ悲しむぺきこさであるさ考

へ、千九百二十四年五月一一十六日、米凶議曾を通過した移民法案に署名するさ同時に愛表した陳

通宝田の中に左の如く諜明した。

五口人は永年日本主の聞に一の了解を有したるが(紳士協約を指す||筆者註)、日本政府は右了

解に従ひ、自殺的に得働者の米国渡航を阻止するの手段を採り来れり。此の歴史的関係並に右

閥係を生体-しめたる情念に鑑み、本件に闘し引績き日本の客まぎる協力を得、以て不必要なる

法律制定より生やる誤解の素悶を作るこさを避くる方却って良好なる結果を賛らし、且移民の

賞際上の取締に営・0

一層有致なりしならんさ思惟す。

常国政府の希望するさころも亦誌にあった。蓋し、帝国政府は、米国々法を以て入闘を禁止せ

らるるこさは、日本人の罰米圃民的戚情を損傷するの虞があるから、斯かる事態の後生防止を目

的ごして、明治問十年以来紳士協約による日本移民の白紙渡的制限を行ひ、千九百二十四年の移民

法が米国議曾の問題ざなった営時に於ては、米国政府に封し、米国の希望せざる種類の日本人の

米副入刷幽を有数に阻止せんが魚、紳士協約を改正する意槽であるこさを明にして、差別的移民法

の制定を喰止めん三した。

駐日米国大使であって、千九百二十四年の移民法成立営時僻職した

ヲツヅ氏は、日本政府は不名血管なる差別的規定の成立佐避りる震には、'如何なる日本移民禁止傍

約牝hJさも喜んで締結し化であらうされ公言して、帝国政府の言ふさころに裏書し口。

主(れ以来今日までに経過した六年の歳月は、ジョン

yン氏をして、差別的規定の愚劣なるこご

並其の米国にさ丹て不利なるこごを悟らしむるじ充分であっ北、排日振の急先鋒であった氏は、今

や心機一輔、移民法hfe

改Eして、日本人に脅して差別的待遇を撤廃するの念務であるこごそ叫ぶや

うになった。りれ百も.

一般輿論の↑賛成を得る翁じ、場合によっては移民怯改正さ夜換的に、帝

国政府仁劃して、渡米移民の禁止的取締に閲する協刀を再ぴ求むるこごを必要ざするやうなこさ

になりはすまいか。上越の通hノ、立法手段によらや、日本政府の協力によって、日本人の入国禁

止を行ふこさが賢明な政策であるご考へる者が米国に少くなかった上に||現在に於ても、由来

るこさならさうしむいご考へる者があるであらう

ll、従来帝圃政府は、米闘の希望せがる種

類の日本人を強て米国に逸らんさ欲する者でなく、

ky差別的立法に反劃したに過ぎなかっ化

ヨいふやうなこさを考へて見れば、移民法改正反罰論を緩和する然、右のやうな要求の出るこぜ

はあり得るこさであるさいはねばならぬ。然らば、斯かる場合じ於ける常国政府の態度は如何う

であらう。千九百二十四年の移民法成立前同様、形式的に差別的待遇が廃止せらるるのを以で漏

時

E曲

米国移民法の改正に就て

第三十一血管

O

第一披

O

時

言歯

米圃移民法自吹正に就て

第三十一巻

O

第一競

。

足するであらうか。私は之に就て全く知るさニろがないけれざも、察するごころ、帝国政府は、

日米聞の友好的協調を無遠慮に破壊し、日本人に重大なる侮辱を加へた米幽の差別的立法あって

以来、定めし其の熊度を一慶して、今後に於ては移民法を無傑件に改正して、日本人を欧洲移民

f」全く平等に待遇すぺきこさを要求するのであらう。そじて、帝国政府ざしては、形式的にも貰

質的にも差別的待遇を撤履すぺきこさを要求するのが正営であって、是れが日米懸案の根本的解

決の方法であるさ借やる。

七

移民法を以て日米聞に暗まれる唯一の未解決の問題ざして、之さへ我々の希望通り解決が出来、

差別的待遇の撤騒があれば、他に雨圃聞の友情を阿隔するものはなく、日本人の封米悪戚情は一

掃せられるに相違ないさ云ふ者がある。けれぎも、私は移民法以上に正義に背反し、人道を無踊

すゐ暴風争のあるニさを認めざるを得ない。然らば、暴由本さは何でゐるかさ云へば、千九百十三年

八月十日より寅施せられ、千九百二十年十一月に改正せられた加州土地法を始め、米国の西部諸

州に現に行はれてゐる加州土地法に倣ふた土地法は是であるJ

是等土地法の大部分は、外国人を米幽市民乏なるこさを得る者さ然らざる者さに分ち、前者に

土地の取得並農業地の賃借を許すに反し、後者例へば米国市民さなるこさを持ぎる日本人に封し

ド

五

ては之を禁止し、適法に入国し、是等土地法を有する諸州に居住する日本人即も在米日本人の大

部分より、彼等じさって最も有殻なる生活の方便を奪ひ取るものである

(ワシントン州土地法の

如きは、加州土地法さ少しく異なり、外国人を米園市民さなるべき意思表示を錦したる者さ然ら

5る者さに分も、土地の取得等じ閲して雨者の聞に差別的待遇を潟す'』さを目的注するのである。

米国市民さなるぺき意思表示を錯したる者は、最早純然記る外国人ではなく、

一歩米国市民仁近

づいだ者であるから、彼等さ米岡市民ごなるぺ注意思表示を潟きする外国人114A岡市民三なる

こぜそ特4U

外国人にして米

r米岡市民ごなゐ川、注意思表示栓錦ちY

る者波米岡市民どなるこ芯セ

得ぎる者さを合

hullさを匝別し、実の閉じ土地の取得等に閲して差別的待遇を魚す噌国さは、幾分

理由のある二さであらう。之に反して、加州土地法投之を全く模倣して作った土地法じ於りるが

如〈、外国人を米岡市民さなるこさを特る者三然らざる者さに匝別し、其の聞に差別的待遇を届却す

こごは、合理的でないず』云はおばならぬ。此酷に閲しては従来車見を爆次公にしてゐるから韮に之

を繰返すこさを避げる〕。是等の土地法が、如何に在米日本人の主要事業化る農業に重大打撃を加

へたかは、今夏説明するこさを要せ臥であらう。加州土地法貫施せられてより誌に約一一十年、米国

市民権ど有し、土地法の通用を受け

5る日本人の増加したる今日、土地法賓施営時さは大分事情

が謹化したりれども、向在米日本人を苦しなる悪法であるさ云はざるを特ない。

時

言歯

米圃移民法の改正に就て

第三+一巻

一O三

第一就

一o=一

時

1曲

米国移民法白改正に就で

第三十一巻

一O四

第一披

一O四

加州土地法の制定は、営時米同政府が一耳ふが剥く、

「全然解梼的にして農業経替上の競宰を避

けんさする加州人民が見て以て同州に存在すさせる特殊の艦擁事情に基く」ものではない。我が

政府が抗議書中に力説した如〈、不公平にして故意に人緒的差別を設〈るものであるのみならす、

他の土地法之さもに、

「紹ての人は卒等なり。彼等は造物主によって一定の奪ふぺからさる纏刺

を賦輿せらる」るものさなし、生命自由幸一帽の追求を是等樺利の一一部注する米国濁立宣言の精神

を探醐するものでなくて何であらう。更に、加州土地法は同州憲法第一僚の胃頭に掲ぐる

組ての人は生れながらにして自由且猪立にして一定の奪ふぺからざる権利を有す。生命及自由

を享有且防禦し、財産を取得所有保護し、安全三幸一珊ごを追求獲得するが如きは却も是なhノ。

ご云ふ大原則に背反するものであるこさは、論やる迄もないこさであらう。従って、米国人中

日本人の入国禁止を正営である芝する者でも、加州土地法が正義人道に反し、旦上記の濁立宣言

及加州憲法に違反するこごを認め、其の撤廃を主張する者が少なからやめるのである。

千九百十三年八月二十六日、米国政府へ提出した奮加州土地法に関する我が政府の第三回抗議

書の末尾に、左の一節がある。

現下の宰議は専ら現に適法に米国内に在住し又は現行法規の範圏内に於て鼎来週法に在住する

こ定ゐるぺき日本国臣民の待遇如何の問題に闘す。而して上に遁ぷる如き帝闘臣民の閲する限

-wp芯

fttJZ色

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り帝国政府は之に劃し公平じして均等なる待遇を要求するものなり。従て本件の問題化る不嘗

にして嫌忌すぺき差別的待遇に服従する能は.ざるは勿論有も現事態の存績する限り本問題は決

して解決せられたるものにあらやず』認むるものなり。

誠に其の通りである。移民法同様、加州土地法を始め其の他の土地誌に闘しでも、不営なる差

別的待遇は、依然ごして存績してゐるのであるから、土地法問題も移民法問題同様終了したもの

JP-

認むるこごを得ない。幸に移民法の改正が行はれでも、加州を始め西部諸州が各英の土地法を

改正して、差別的待過を撤膳せざる限り、日米圃交の根本的改善を説くこどは前早である

3

A

在は前一歩を進めて論壱ねばなら向。

加州土地法等に於て、外国人を米岡市民芯なるこご営品川る者さ然らぎる者さに分+り、後者に属

する日本人じ土地の取得‘農業地の賃借を禁止し得るのは、日本人が米国蹄化法上蹄化能力を有

たぬからでゐる。米副移民法に於て、外国人を米岡市民さなるこどを得る者さ然ら

5る者さに分

も、前者仁属する欧洲移民には一定の制限の下じ入国を許しながら、日本人には移民ごしての入

園を絶割に禁止し得るのも亦、日本人が開化能力を有化ぬからである。米国議舎に於て.米国市

民さなるこさを得ざる外国人卸も日本人の子にして米国生れの者に市民権を典へや、日本人を紹

時

Z命

米国移民法白改一止に就て

第三十一巻

一O五

第

披

一O五

時

言曲

米国移民法の改正に就て

第三十一血管

一O六

第一波

一O穴

勢に排斥するこさを目的ざする米園憲法補則第十四傍第一項の改

Eが問題ぜなるのも亦、日本人

が蹄化能力を有たぬこさに開係があるのである。果して然らば、米国師化誌の「本章の規定は之

を自由なる白人たる外国人及阿弗利加入披其の所生たる外国人に適用すL

f

」云ふ日本人に封して

掃化能力を認め内規定が、日本人にさつで、あらゆる種類の排斥の根本原因さなるのである。さ

うであゐざすれば、排日防止の抜本寒源の方策ざしては、右師化法の改正一か行はれて、師化に開

して日本人ぜ蹴洲人等之の間仁行はある差別的待遇が撤底せらあるこごが必要である。

踊化法の改正があれば、日本人入国問題は移民法第十三傑例に手を欄れやしてスラ/¥さ解け、

其の他あらゆる排日問題の根本的解決を見るζ

ささなり、韮に始めて日米両国民間の融和を賞現

し、心からの親善を期し得るであらう。

Y

1ズグェ

Yト氏も大統領允りし営時此賠に心附き、在

米日本人問題の根本的解決の潟、蹄化法を改正して、日本人に蹄化能力を認むるの必要あるこさ

を主張した。奮加州土地法が、日米南国聞に重要なる交渉問題を惹起した営時、帝国政府に於て

も此賠を米国政府に指摘して、業の深甚なる考慮を求めたこさがあるから、左仁、大正二年六月

四日附帝国政府勢米抗議書の一節を掲出して、筆を摘〈。

抑も日本臣民は米国々籍を取得する能は十させる米国々法の規定は、日本政府及人民の快させ

ざる所に有之、是れ右規定の根底に幡る忌はしき人種上の差別が、自然に彼等の閏民的自負心

を損傷するものゐるが故に有之候。唯だ蹄化の問題たる圃内政治の問題にして、園際政治の問

題にあら、ざるが故に、右の差別が純然たる政治上の樺利にのみ適用せらるる限り、帝国政府は

本問題に閥し米国政府に退るぺき何等の機曾なかりしも、本件の場合に於けるが如く、右の差

別が他闘の人民には自由に賦輿せられ居るな樺伝.日本剛氏より概奪するの目的に使用せらる

るに及びでは、帝国政府たるもの荷風の好誼親善の闘係に顧み、本来不精確仁して且読解を相

き易き期の人種上の差別たる‘決して在樺享有上の差別を設くるの正営なる理由を供するもの

仁ゐらや芯確信する所以官、中拙十直

ι表明ゼ、九二内刊らざる次第じ有之候

時

言自I

米国移民法白改正に就て

第三十一容a

一O七

第

量t

一O七