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1 -13 (1 991) 1 Key Words Arrivalof Qi , Oeqi , 4, 5,') CArriv aJ of Qi ') , Needling Sensation , E Sensation'J) ,

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明治錨灸医学第 8 号 1 -13 (1991) 1

「得気 J (舗のひびき)についての文献的考察

明治銭灸大学東洋医学教室

奈良上真 和辻 直 渡i豊勝之 篠原昭二

要旨 刺録時に生じる「得気J(誠のひびき)は古来より錨灸臨床で刺散量や治療効果に深く関連する

ことが知られている しかし,得気は患者が自覚する「だるい,腫れぼったいなどの感覚を意味するだ

けでなく,施術者が鍬(刺し手)に感じる 「すいこまれるような (沈)Hしめつけ られるような (緊)J

感覚(銭妙)や手(抑し手)に感じる「水流感J(手下感〉 なども含まれている 我々は古典文献から

no気」の出典l 語意I 用語白整理を行いi 臨床的意義を明確に L,加えて現在白「得気」に関する研

究白成果について文献的に検討を行った

Key Words 得気 Arrival of Qi , Oeqi ,

I はじめ に

身体に治療用の鍛を車IJすと縫い針で体表を突い

たような痛みとは違った感覚を感じる このよう

な身体に鍛を刺すときに生じる感覚を「得気p, 2 , 3

4,5,') CArrivaJ of Qi') , Deqi8) ) と表現し 1 銭灸

臨床において非常に重要視されてきた叫 一方,

日常臨床において.患者の身体に刺鍛を行う際.

刺鍛部位に後した押し手に水が流れるような感覚

または, 脈を打つような感覚を受けることがある.

さらに,錨尖に意識を集中して刺入するとき,麻

布の束に車IJ しているような 「ざくさ く 」 とした抵

抗感,軟らかい餅に刺しているような鍬尖に粘っ

たものがからみつく抵抗感ι 豆腐にでも刺してい

るような無抵抗感, あるいは. ゴム鞠のような表

面が弾力のある硬い物にでも刺しているような抵

抗感,さらに,車IJ織すると鍬尖が自然に吸い込ま

れるような感覚を受けることがある これらの感

覚は, いずれも臨床家の手掌または指先に感じら

れる織の 「得気」 感覚と考えられる. しかし,こ

の 「得気」 についてι 系統的に解説された報告は

少ない. 一方,鍛治療において一体どこまで鍛を

刺入すればよいのか,どのような時に刺織を留め

たらよいのか.どのようになれば抜録してよいの

織のひびき Needling Sensation ,

か,効果的な刺鍛の補潟法はどのような方法であ

るのかなど1 得気との関係が非常に密接である

そこで,このような 「得気」現象が臨床上どのよ

うな意義を有するのかについて文献的に検討を行っ

た.

E 得気の慨念と意義

「得気J は, この他にも, I鍛感j5,'I, I気劃\.2.3) ,

「ひびき j l0 , ll) C:\e凶ling Sensation'J) , r気が至

る jJO, 1 2 ) , I録響」即4.15 1, í鍛妙J14.1S,!7} , r手下

感j18) などと表現されている 得気と は ι ある経

穴に銭刺倣を加えた際, 施術者が刺 し手または押

し手を通じて感じられる感t'tあるいは,患者が

申IJ録部位さらには,それ以外の部位に放散する感

党をも含まれる劫 と考えられている得気をさらに

分類すると,①経穴に刺i鎖した際に, 刺銭部位に

患者が自覚する感覚 [酸 (だるい ) , 脹(腫れぼっ

たい ),重 (おもだるしつ, 麻(しびれる), 1商(表

皮上の痛覚ではな く ,皮下深部に発生する痛党)]

を 般にはひびきと呼んでいるが19回, 21), これは

感覚の放散,あるいは,伝導部位から局所的(局

所に感覚される得気)19.22.23) な ものと,病巣部位

にまで伝導されるもの(遠隔部にまで伝導される

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2 「得気J (録のひびき)についての文献的考察

得気)19, 22.23) とに分別されるが, これらを文献的

に区別する名称は付けられていない.②術者が感

じるもので,刺録した録を通して刺し手に感じら

れる感覚 この感覚には, 気が至った状態とそう

でない状態によってさらに区別され, 首了直は「沈」

「瀦J. I緊J. 後者は「軽J. I滑J. I慢」 の感党を受けることが知られている 24且〉 これを鍛妙と

表記してい るものもある 14) また, ③術者の押し

手に感じられる感覚も臨床上の効果の判別に重要

であり.気が至った場合には水が流れるような跳

動感19)などがあり,これらを手下感18) と表現する

ものもある. r黄帝内経霊枢・九銭十二原篇~2 )に

は. I右主推之,左持而御之.J (右手で銭を刺入L . 左手で保設する )26>. また『難経七十八雑P

には, I知為録者信其左,不知為録者信其右.J (刺鍛の上手な者は,押し手の用い方が巧妙であり,

未熟な者は刺し手ばかり意識するものである)と

記載されており.よい銭の手技をするには左手の

もちい方(押し手)が大切であることが指摘され

ている.

このようにみると , 得気という用語の有する意

味は刺鍛によって生じる感覚を表現したものであ

るが, 施術者が感じるもの,患者が感じるもの,

さらに,その感:1'.tの種類や程度. 拡がりなどによっ

て,細かく区別されることがわかる(表1).

また, 刺録後に患者が自覚しうる得気は感覚の

生じる時間からさらに 2 種類に分けられる.ひと

つは, 銭を刺入してすぐに経絡に気が至る状態で

あり 27), もうひとつは,刺鍬後すぐには得気が得

表 1 得気の分類

~ 1. 患者が自覚する感覚・酷・服・置・麻・痛

A) !t敏郎位一 ,)剥針局所のみ

b)遥隔鶴、向占拠締まで飲散

得気寸 B) 日スピー~'_ a) 刺附す <. ~帥

b) 時間を裂す=量治

L2 . 術者が自覚する感覚

A) 刺し手〈針妙〉

, ) 気至ー・捻淡"

b) 気不歪ー経滑 ・ 慢

られず,調気 (刺舗にて経気を調挫すること )27.28)

を目的として補潟手法を行って事gJめて気が至る状

態である この調気の手技には.候気法, ii臨l法,

守気法,行気法なとがあるが2Bl,ここではí~IJ合す

E 患者が受ける得気感覚

1)得気の感覚について

期l鎖部位に忠者が受ける得気の具体的感覚は,

酸, 脹,璽,麻,痛,冷涼感9). 熱感覚20) , 上下

伝導感(経絡に沿って酸脹重麻の感覚が上昇,あ

るいは下院すること)剖,触電感(感電したよう

なしびれ感) 19入 跳動感(筋脈がE出動するような

感党)" >. 掻惇感",水流感(水が皮膚表面を流

れるような感覚)】めなどがある その各々の感党

の伯質は.患者の病態,鹿実寒熱などの病状,刺

鍛i~í~位と関連があるとされている 28) 般には.

刺鍛なとの物理的刺激に対して体質の強い者は受

ける織のひびき感覚が比較的強く , 体質の弱い者

は受ける鍛のひびき感覚は比較的弱いとされている28)

2 )刺録部位と得気の感覚

忠者に車IJ入した銭の刺銃部位によって, f持主t感

覚の性質に特徴がある (表 2 ) 四肢末端の事IJ鯨

の場合は捧痛が現れやすく , 上下l伎の筋腹部位へ

の車IJ鍬の場合は駿,版,盟,麻,触~il感出鴎h感,

上下伝導感,遠位放散感などが現れやすい28>. ま

た,頭部,顔面部,腹部では沈圧感(押え沈めら

れるような感じ)や深部にひび〈感じなどを受け

表 2 申l鋭部位による得気感量の性質

1 ) 四肢 末 端 痔鮪

2 ) 上肢下l民自筋腹部位酸、脹、量、麻、

触電感、跳助感、

上下伝導感、造位放倣感

3) 頭部、顔而郎、服部押え沈められるような

ì:t圧感や深部にひび く 感覚

B) 押しし手時下蕗)→水旅慮、量発E幡、線島感、怖感 4 ) 腰 背 部 酸、脹感や跳動感

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明治鎖灸医学 第日号 1 -13 (1991) 3

やすし腰背部では酸,脹感や跳動感を感じるこ

とが多いお)とされている.

3 ) 病証による得気感覚の違い

患者の病態によっても得気感党に特徴があると

されている.寒E百やm.証は 「陰」に属 L. 患者は

得気を受けた後に酸,麻,掻第感を感じることが

多 く .熱証や実証は 「陽」に属 L. 得気を受けた

後に脹,緊縮,触il'l感を受けることが多い担〉

清代・道光元年(西暦1821年)に江上外史が編

纂した 『鍛灸内篇~29)には . r風病則痛, 寒病即j酸,

湿病目IJ腫.如酸麻相兼山風寒両者之疾.凡鎖入穴

宜漸次従容而進行l 病者知酸知麻知痛或似酸似麻

似鮪之不可忍者即止, 病者J[知酸麻1南則病浅

易治,誠入不覚者病深難療ー 一J C風を病めば~

痛し。 寒を病めば酸(だる)し, 湿を病めば腫脹

する. 酸,麻を兼ねるときは,凪と寒の疾病であ

る 銭を穴に刺入するのにゆったりと刺入するの

がよ く ,患者が酸,麻痛の得気を感じ るか. M. 麻,痛の感覚をいやがれば刺入を止める ー患

者が酸,麻,痛の得気を感じれば,病は浅くて治

癒しやすい.鎖を刺入しても得気が無ければ, 病

は深 く て治癒し難い. ー)と記載されている

このことから.各店I病因によって得気の生体感覚

の異なる こと. また,患者が鍛刺激により受ける

録の感覚の有無による病因と予後について述べら

れている.

W 施術者が感覚する得宣言

1 ) 刺し手に感覚される得気(錦紗14.1 7) )

注意深く刺織を行うと , 刺し手に微妙な抵抗感

覚が感じられることが多い.そして,このような

感覚が確認されたすぐあとに患者が 「ひびいてい

る」 と刺録部位の得気感覚を訴えることがある.

両者が受ける得気感覚の時間的な差は非常に微妙

であり T 時には, 同時に感覚されると恩われる場

合も少なくない. 日本の経絡治療家は, 特にこの

刺し手の抵抗感党を重視する傾向がある 10)

気が至った時に,施術者が車IJ し手に受ける感覚

は,沈重(重々しい).緊実(固く詰まる ).渋滞

(渋り滞る).跳動感,揺れ動き感なとがあり 19,却, 21),

また, 鎖尖が吸引さ れる感党などがあげられる27).

未だ気が至らない時には,空浮(何もない ものが

漂う感覚) .虚滑(空っぽの中に滑るように入る

感覚) .柔慢感 (柔らかな緩い感覚 ) などがある 19,叩, 2]) •

金元時代(西暦 1270年前後)に貸黙が著した

『量|経指南 ・ 標幽賦』鈎,31)や明代末に著された (著

者不明) W鍛灸六賦 ・ 標幽賦~")には. r軽滑慢而

未来, 沈滴緊而己主.気之至也, 如魚、呑鈎餌之沈

浮 1 領未至也,如閑処幽堂之探着色 J (気がまだ至っ

ていなければ軽,滑,慢の感覚を受け,気が至れ

ば沈,滴,緊の感覚を受ける またι 気が至れば.

まるで魚が釣り餌を呑込み浮き沈みしているよう

である 気がまだ至らなければ.まるで暗 く ひっ

そりとした部屋の奥深い処を探っているようであ

る).

江戸時代・延宝 8 年(西暦1 680年〕 に渡辺秀富

c :q:r伯) の著した 『合類録法奇貨 ・ 生死fl:賎知

筒~32)には. r痕至ハ沈油ニシテ緊ク魚/鈎餌ノ浮

沈ヲ呑ガ如シ 毎1至ズハ浮滑ニシテ慢附ニ幽堂ノ

深遠ナル処ガ如シ J C上記と同じ)

江戸時代・ 宝永 6 年(西暦1709年) に品浦和田

ーの著した「杉山真伝流 ・ 至紙類』却には. r予

按築庭至之5博隆滑慢而沫来沈滴緊而己至日正至也・・・

如魚呑鈎餌之浮沈領未至也如関処幽堂之深,……」

(上記とほぼ同じ ) と記載されている

これらには.刺し手に感じられる感党が空虚で

吸引力が少ないことが.気がEËらない状態であり ,

鍬下に詑緊はど穫の吸引力や緊張感を感じるの

が,気が至った状態であることを述べている.

また.llß必隆らが注訳した明代・寓歴 3 年(西

暦1575年) の李挺編纂『医学入門~34) 1こは. : r如鋸

下沈重緊満者,為無己至 如銭下軽浮虚活者 I

叙猶未至 J( もし銭尖に沈蛮(重々しい).膨張感を

感じれば,気は既に至っている…いもし録尖に軽

坪(抵抗が軽い感覚). 虚活〔中がからっぽで何も

ない感覚〕 を感じれば,気は未だ至っていない. ).

また, 江戸時代・ 寛政6年(1794年)に松下孟

孝が島浦和田ーの著した原告を写本した『杉山疏

銭術』叫には. r無指下イタルコト動脈ノカタチノ

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4 「得気J (鍬のひびき)についての文献的考察

ゴト クナラハ則其イタルニ乗γテ是ヲ刺針ヲトト

メテ気ヲ待ニ策室レハ針動ス是領ヲ iU ノレ也 」と

記載されている .

以上を要約すると . 気が至った時に, 銀尖に抵

抗感や吸引感,または脈が拍動するような感覚が

あり,気が至らなかった時に,錨尖に抵抗感がな

く , 空洞の中に刺しているような感覚が施術者の

刺し手に感じることが記制さ れており,車IJ録時の

刺し手の感覚における目安が示されている

2 ) 押し手に感じる得気

左手に鍬を持ち, 優しく車IJ臓部伎に触れて,そ

の部位に意識を集中していると押し手に水が流れ

るような流動感などの微妙な愛化を感じることが

ある.この押し手の重要性について,古典文献に

は次のような記械がある.

『黄帝内経軍枢・九銭卜二原篇.1') : 1右主計i 之,

左持而御之,気至而去之. J26' 『類経 ・鍛刺類r.:i.1") : 1右主推之,所以入銀也

左持而御之, jiJr以護持也邪気去而毅気至,然後

可以出銭.J (1右主推之」とは,織を車11入するこ

とであり , 1左持而御之」とは,護持することで

ある 邪気が去って穀気(正気)が至れば抜餓し

てもよい. )

『難経 ・七十八難.13) : 1知為録者 , I言其左 f 不

知為録者,信其右 J (前述)

『難経・八十難.13 ) : I~Wtr:手見主i来歪,乃内鍛1

録入見主主尽,乃出銭 J (押し手に気が至るのを確

かめて.そ こ ではじめて鍬を刺入する 刺録後,

気が至り終わ ったのを確かめて句そこではじめて

抜錯する)

以上のことから,刺し手の用い方だけに注意し,

押し手の用い方を注意しない施術者は,刺鎖の技

術がまだ未熟であることを指摘しており,押し手

の用い方によって刺鋸の時期と抜錨の時期の目安

が示されている また, 押し手に感じられる感党

が重要であることが明らかにされている

V 1,尋気の有る無 し と気が至る速度による

治療効果

得気の有る無しと気が至る速度の違いによる治

療効果について,古典文献には次のような記織が

ある,

『黄帝内経;L枢 ・九鍬十二原r.:i .1" 。 または明

代 ・ 天啓 4 年(西信 1624年)に張介買の著した

『百i経 ・錨刺百i筒.136 " または晋代に皐甫誕の脅し

た『錨灸甲乙経.137) :1刺之而策不至,無間其数

申IJ之而策歪l 乃去之 l 勿復鎖. 策歪而有効, WJ 之信,若風之l次芸l 明平若見蒼天, 刺之道部突 . J

(車IJ録後‘気が訪れるのを伺い, 未だ気が至らな

ければ気が至るまで待つ 気が至れば刺銭を続け

る必要はなく.抜鎖して再び刺織をしてはな らな

い 気が至れば治療効果がよい その治依効

果は顕著であり ,ま るで風が雲を吹き払いID天か

ら-fjl,'して背EEを見るように症状がすっかり取れ

てしまう 刺銭の道理とはつまりこのよ うなもの

である)

「質帝内経J口区・終始筒.!'l,または賄代に暢

上普が撰したとされる『鎖帝内経太索 ・九銭之

二.1" ) : 1領至乃休J (気が至れば.事慨を止める )

Ilj'l代・高歴29年 (西暦 1601年)に揚継洲が著し

た『錨灸大成 ・ 経絡迎随説為問答r.:iJ39) : r只以得

気為度『如此而終不至者l 不可治也. J (得気を得ることを心がける 得気がなければ治療効県はよ

くない)

『鍛経指南 ・標幽眠』鈎 31) : r年1>卓至而速~}J, ~日

遅至而不治.J (気が速く至れば治政効果は速いが,気が至るのが遅ければ治療効果はよくない )

Ilj]代 ・ 正統 4 年(西暦1439年)に徐鳳が著した

『鍬灸大全 ・ 金鍛賦.1'" : r鏑速効速 I 気遅効遅」

(気が速く至れば治療効果は速いが。気がEË るの

が遅ければ治療効果は遅い)

『杉山J.~伝流 ・ 至íR\類筒』ね):1遂銅述至而WJ:述。

策室遅而不治 J (上記と同じ)

江戸時代 ・延宝 7 年( 1 679年)に山本玄通が著

した『銭灸招袈.141 ) : r叙至述者効亦速而病易箆無

至遅者効亦遅而病難愈J (上記とほぼ同じ)

江戸時代 ・ 元禄10年 0697年)に矢野白成が著

した『銭治枢要j42) : r~l\退日IJ正気巡査.J (邪気が退けば, 正気は速やかに至る. )

これらの文献には, 気が至る(得気〕と治療効

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l明治鉱灸医学第 B号 1 -13 (1991) 3

果があるがι 気が至らなければ治療効果がわるい

さらに,気が至る(気の訪れ) のが速ければ治療

効果がよいが, 遅ければ治療効果に差がでてくる

ことを述べている。

中医学や日本の絞』昌治政において.舗の主要な

目的は人体の経絡の気の調節であ る 10, 23 ) W黄帝

内経霊枢 ・ 車IJüri真邪論篇~2)には , r用銀之類在

於調気 J (織を用いる方法とは, 気を調節するこ

とにある)と, w黄帝内経霊枢・小銭解篇J2l に

は, r気至而去之者,言補潟気調而去之也J (気が

至りこれを妓く というのは,車I J I鍛で補正1法を行っ

たあとに気が調和すれば抜錨するということであ

る. ) と. r雌経 ・七卜二難~3)には, r知其内外表

裏!随其陰地jI冊ぷl之,故日調*l之方,必在陰陽 」

(身体の内外表裂を知り,その陰陽に従ってこれ

を調節する,故に気を調節する方法は必ず陰陽に

あるという . ) と記載されている ,

以上を袈約すると,①得気がないと治僚効果が

わるいが,得主[があると症状が明らかに改善され

る また, ②気が速く至れば症状の政者が速いが,

気が至るのが避ければ症状の改普が遅い さらに,

③身体の陰陽を調節する こと (身体の気を調える

こと ) によって得気が受けやすくなる これら 3

点について述べられており,得気が症状の改善お

よび予後の判断に大きく関連することが示されて

いる

羽 得気感覚の病所への放散

感覚の鋭敏な患者に刺鎖したとき,忠者が車IJ録

部位から速く離れた部位に得気感党が急に,また

はゆっくりと放散あるいは伝導されていくことを

指摘することがある そのスピードや感l'tの穫貌

再現性など十分明らかにはされていないが, 中国

では循経感伝現象として検討が行われている叫

『銀灸大成・経絡迎随設為問答』叫には , r有病

速道者,必先使主I直到病所」と記>>~されている

これには.法位取穴の時には必ず銭のひびきを寒

痛部位に放散させなければならないことを述べて

いる 臨床上,銭刺激感覚が遠!属病巣に到ると即

刻l鎮痛するなど良い治療効果が現れることは, し

ばしば観察される叫 しかし, 反対に遠隔病巣に

到らなければ治療効果が期待できないことがある

とも考えられる.

強絹らは"1, 40症例 (27疾患)について,刺誠

による得気と自覚症状の変化について詳細な検討

を行い, 得気の確認された1i"I~例では, 76.6% に自

党症状の改善を認めたと報告している.たとえば,

呼吸器系疾患 (気管支炎,肺炎,断1;結核。 珪肺症,

lIïIï癌 , 肺気服)の患者では,車IJ録後,胸部や気管

支部に気が至れば肺内熱感, 気迫壮快感,胸中壮

快感などの自党症状の改善を認め,循環器系疾患

(冠状動脈性心疾患, リュウマチ性心疾患,高血

圧)の患者では,前胸部跳動,心中壮快感など,

また消化器系疾患(胃潰腐,開f白. 虫垂炎,肝硬

変) の患者では,自覚的な終痛が明らかに軽減し

たとしている

また,翁泰平らの45) , r錨のひびき感覚(得気)

と胃111図の相関の実験観察』 の報告から , 胃十二

指腸球部前倒の患者に対 して足三竪穴に車Ij銭して

発生する舗のひびき感覚(得気)後, 5 分以内に

宵屯図の波高値と頻度の変化がおこる.また,銭

のひびき感覚の放射部位が足三里から宵に近づく

ほど変化が大きくみられた.また,患者が経穴の

下に沈,重, 酸,脹の感覚を訴える時に施術者は

鍛の下に一種の沈,重, 緊の感1'!があり,この時

に同時に患者は平均的に胃電図の波高値が突然に

上昇を示したという.このことから患者と施術者

の感党および胃電図の波高値の反応が一致する こ

とが示唆される これは, r気至病所J (気が病所

に至る ) の有用性を明らかにしたものといえる.

刊 蜘l録下から受ける感覚による病態判別

1 )正気と邪気の判別

車峨下から受ける感覚による正・邪気の判別に

ついても古典文献に明らかにされている

『鍬灸大成 ・経絡迎随設為問答篇』四) には,

「若錨下気至当察其邪正,分其虚実.経言邪気

来者緊而疾, 穀気来者徐而和ー但百E虚者即是虚,

但牢実者即是実I此其訣也 J ( もし鍬下に気が至

るのを感じれば,邪気か正気かを調べ,虚実を判

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自 「得気J (鎌田ひびき)について白文献的考察

別する.識帝内経の記載によると , 邪気が訪れる

と緊(かたい), または疾(はやい)の感覚を受

払穀気(正気)が訪れると徐(おもむろな ) ,

または和(なこ.やかな〕の感覚を受ける.但l"

濡虚(中がおだやかで空っぽのもの)の場合は成

であり . 牢実(かたくしっかりしている) の場合

は実である.これは秘伝である . )

『鍛灸大全 ・ 金銭賦~40)には, I病勢即退,鍛気

微松,病未退者,錨気始根,推之不動,転之不移 I

此為邪気吸抜其銀,乃真気未至,不可出之 出之

者,其病即復,再須補il'1 停以待之1 直候微松,

方可出銭豆許.J (病の勢いが退けば,鈍から感じる気がわずかにゆるむような感覚を受ける,病が

退かないと . 鎖から感じる気が根がからむような

感覚を受け. 銭を刺入しようとしても回旋しよう

としても動かな い, これは, 邪気が錨を吸い込ん

で動けないようにしているためである . この時,

まだ真気が至っていないので鎖を抜いてはいけな

い.鯨を敏いてしまえば, 病は再発し,再び補潟

法をおこなう必要がある.銀を刺入して鎖をその

まま留めて待ち,わずかにゆるむような感覚を受

ければ慎重に抜録する . ) と記載されている.

つまり , 施術者が刺鍬下に緊張して硬いものに

触れるような感覚を受け, 車IJ鍛11寺に渋滞不平IJ ( し

ぶり滞る)が起こり , 患者が刺銀のひびき感覚を

違和感として感じるのは患者の身体が病邪にむし

ばまれているからである.他方,施術者が車IJ鍬下

に柔らかい充実した抵抗感があり,わずかに緊張

していて.患者が刺鍛のひびき感覚を柔和で気持

ち良〈感じるのは正気が充足しているからである

と述べ得気感覚から正気と邪気の分自IJができる

ことを指摘してい る.

2 )車IJ銭下の虚実の判月1)

施術者が刺録下に軽浮,滑虚.まるで豆腐を押

すよ うな感覚を受け, 患者の受ける錨のひびき感

覚が遅い. もしくは無感覚であるのは正気虚. あ

るいは未だ気が至っていないのが原因である

『賞帝内経素問 ・ 鎖解篇』】〉には, I刺虚則実之

者,鋪下熱也,祭実乃熱也 I 満而池之者,鍛下'$

也,無虚乃寒也 J (車IJ録するのに,虚証の場

合は正気を充実させれば,鍬下に期日惑が発生する

気が実すると熱感が現れる 膨満実証または下痢

でその実邪を治療する場合は,車噸下に冷涼感が

発生する . 気が虚すと冷感が現れる. )46)と記íl~さ

れている.

つまり,実証の患者が刺鍬下に熱を感じるのは

気実によって熱と感じるのであり,虚証の忠者が

事IJ鍛下に寒を感じるのは気虚によって寒と感じる

のであると半IJ別している.

3 )刺銭下の寒熱の弁別

虫者の身体に刺鎖した後に手を触れていない

のに録体が自然に穴内に侵入していく現象を

“ 11&録" 21)と言い,銭体が自然に穴から抑し出さ

れてし、 く 現象を"頂録.. 27)という 吸銭は経穴部

分が軍事である為に,頂鋸は経穴部分が熱である為

に引き起こされる27)

また,寒熱証に対しての各々の如隙法について,

『前帝内経霊枢・九銭十二原篇~2lには , I刺諸熱

者,如以手探湯, 車 IJ軍事情者 I 如人不欲行 l … 」

(熱証の病に劇l鉱する場合は,手で熱湯を探るよ

うにする.寒諒の病に刺錯する場合は,人から離

れたがらないような恋しい支出fちで鍛を留める

)26) と句『類経・ 二十二巻第五十三筒J36 ) には,

「如以手探湯者, 用在軽揚, 熱属陽. 陽主!R外.

故治宣如此如人不欲行者,有留恋之怠也,陰寒

凝滞,得策不易,放宜留鍍如之 J ((型駈のときは)

手で湯を探るような刺誠手技をllíl\く表在に!1Jいる

それは熱は陽に属L.陽は外表を主どるからであ

る (寒証のときは) 人から離れたがらないよう

な恋しい気持ちで誼録する それは陰寒凝滞〔陽

気褒弱により,主主邪が留滞すること) 47)で得気を

得にくい為に, このような霞鍬を用いることがよ

い. ) と , また江戸時代・寛政 9 年 0797年〕 に

柳川崎泉が著した 『銀科発情IJ48)には, I寒熱刺法

者納者軽疾刺之而散其草\,寒者深留銭而潟其11[[ . J (主主熱の刺銀法は, 熱の者には浅く速く車IJ してそ

の気を散らす.寒の者には深く刺して置鎖l"そ

の凶lを鼠める ) と記載されている.

つまり , 諸熱症の患者に車11鎖する時には,まる

で手で熱湯を採るように軽く浅く刺すのがよく ,

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明治誠灸医学第 8 号 j -13 (1羽1) 7

陰寒凝~tl}~日の患者に刺鎖しても得気を受けにくい

ことから, 世銀法を用いるのがよいと述べている.

四得気に関する研究の成果

1 ) r得気」部位と刺激組織の関連

録刺入部位によって「得気」 感覚が異なること

はすでに報告した 車IJ銭の部位差による「得気」

感1',1:の迎いは刺録部伎の解告IJ学的構造のちがいに

よるものと考えられる柑.

上海中医研究所では注射畳|を人の経穴部位に車IJ

入し舗と同様の 「得気」が得られた部佼に色素

を注入してマークをつけ句その部位を針麻酔下で

切開 ・摘出 し,組織標本を作成して,光学顕微鏡

にて組織的検索を行った.その結果。 結合組織.

腿膜,皮下,骨膜.神経あるいは筋の順に「得到

の出現率が高く,血管。筋・鍵聞は出現率が少な

いことを報告している削. また,組織桃造別に

「得気」 の感覚を観察した結果. 1酸・脹 ・彊 ・麻j

の他にこれらの複合した感覚(例えば,酸麻, 酸

脹)やその他に発焼感,痛などの感覚が見られ

る,そして,これらの感党は組織によって異っ

ていることが観察されている 神経東における

「得気J は麻を感じることが多く,筋は 「酸」 と

「緩J. 腿 ・ 骨膜は「酸J. j血管は「痛」 を感じや

すい反則ー また,同 の神経東を紺子ではさむと

き,手でつまむ,メスで切るなどの刺激方法の違

いによって, 生じる感覚が異なることも報告され

ている制.安徽中医学院では切断肢を要する者を

対象に. 1得気」 を感ずる部位を形態学的に観察

したところ .11種の性質の異なる「得安U があり,

同性質の「得気」感覚が色々な組織からも得られ

たこと また . r得気」 は主に深部組織で感じた副

としている.以上のことから.特定の組織と 「得

気」の郡煩はある程度区分できるようであるが.

「得気」の研究においては.特定の組織であって

も向性質の 11専気」感t1の再現性に乏しいことが

問題点の l っとして指痢される 一方, 沼気刺激

で酸服感を引き起こすのに必要な刺激の強さは町

一般の触圧感覚の閥値を越えていることから,闘

値の高い受容器が酸,服, 重などの感党形成に!期

係するのではないかという報告もある 51)経穴部

の血管,神経束,自白神経終末に関わる受容器が

それぞれ単独に働くのではなく,種々の受容器が

関連して 「得気」を感じるのではないかと考えら

れる.さらに「得気」 感覚は多くの種類と表現が

あり,複雑な感覚で,駿麻のような複合感覚もあ

ることから,それぞれの「得気」の種類に応じて

特定の受容器があるとは考え難い むしろ,濁叫

らが指摘するように「得気」感覚が多くの言葉で

表現されるのは.刺激される組織の違いと刺激の

与え方,強さ,さらに組織の感受性などに左右さ

れると考えるのが妥当であるとしている したがっ

て. r得気」 を感ずる部伎を形態学的に観察して

も,特定の受容器を見つけるのは困難であり,刺

激の額類や強さに反応し.表在および深部にも共

通するような神経感受機構の解明が必要であると

思、われる.

2 )得気と銭麻酔

鎖麻酔では「得気」を得ることが重姿とされて

いる町. しかし,ここで言う「得気」は鎮痛効果

を引き出すための条例の l つであるが,経穴の反

応性や疾病にあまり関係なく .合谷,幽池,足三

盟といった経穴に刺錯して,患者の自覚的な刺激

感党を目安として低周波鋸通電を行っていること

から,純粋な「得気」とは言えない しかし,舗

に雀啄,回旋などの持続的な刺激を与える,ある

いは低周波の銭通電により持続的刺激を与えると.

個人差,部位差はあるが鎮痛・和痛効果が現れて

くるのは事実関同である

また,鍛通電刺激によるうットの甑髄m気刺激

で誘発される関口反射に対する抑制効果を指標と

した実験系から,動物の「経穴」 は非経穴に比べ

て神経学的に有髄線維守 E群線維がより多いとこ

ろであり. A ß線維が密接に関連するという報告

がある剖 Aß線維は太い神経線維で触覚を司どっ

ているとし . r得気」も一部Aβ線維が関係して

いるといわれているが剖.組織学的に触党, 圧党

などを伝える Aβ線維の分布は確認されていない

一方。 Að線維の選択的刺激で倒口反射の抑制が

起こること曲〉や通電刺激によって二次的に興醤す

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8 「得気J (舗のひびき〕についての文献的考終

る細径 (A ð , C線維〕線維受容器の存在も知ら

れており , 見解は一致していない.しかし , これ

らは動物を対象とした実験であり, r得気」を感

覚との関連について検討することは図隣である6I)

さらに,鍛鎮痛以外にも侵害性刺激が鎖痛効果を

生じる現象として, D"JIC (Diffuse Noxious Jnュ

hibitory Contro J )62 ,日入 FSIA (Foot Shock Jndュ

uced AnaJgesia)64凪削などもある.鍬麻酔の研

究は多くされているが,鍬鎖痛系,新党抑制系は

多様で複雑であり , r得気」感覚と鎖痛・和痛効

果発現との関係の解明には,人体における「得知

感覚の求心性入力と中枢への作用に感する検討が

重要であると思われた.

3) ,得気」 の伝搬

「得気」が車IJ鎖した局所だけに感じるのではな

く,ある幅を持った広がりとして感覚されること

は前述した句 得気の伝搬を説明するには神経との

関連を考えざるをえないとされている.得気の伝

搬の研究は, 1949年に長浜ら67周〉が経絡現象とし

て発表して以来.中国では循経感伝現象曲 70) とし

て盛んに研究が行われている 71 ,72,73,7-1 ) 現在, 得

気の伝搬現象は神経線維による神経伝達物質の放

出に よ る(軸索流)説75) , 鍛刺激が大脳皮質や海

馬,視床などの活動電位を抑制IJ (Sp,回ding dEト

pr田sion ; S D) し,特定脳領域のニューロン群

を発火させ,それが特定領域に伝搬する説76 ) な

どがあるが, この現象を神経生理学の立場から説

明するにはまだまだ時聞がかかりそうである

0 ,得気」 の発現に関与する受容器

刺録時に生ずる「得気」感覚はヒト皮膚の求心

性線維のAβ線維 Aδ線維77, 78) , C線維の活動

と関連が深いとされ, ,得気」 発現時に求心性活

動電位を調べる方法として.微小電極法79凪.,'凪田)

と微小刺激法制。闘が考えられている 中でも後藤

らは微小電極法81 , 82 , 83) を用いて検討を行い, 求心

性神経活動のうち Að線維と鍛刺激との関係は,

鍛を刺入し雀啄すると求心性のインパルス発射活

動が確実に起こり, 特に被検者が 「得気」を覚え

たときはその発射が高くなるとしている また,

数回の反復雀啄刺激によって,次第に自発性の発

射活動を示すようになり,雀啄後の得気感党の残

存と関係が深いことが示唆されている制。 この得

気感覚の残存は導出されたインパルスが侵害受容

性で,反復する鍛の雀啄刺激により局所の組織の

微細j員傷を引き起こし, 末梢受容苦言の興自性を地

強させたのではないかと考察している また,微

小刺激法では深部痛党特有の感党と関連簡を観察

できることから「得気」感覚についての検討が期待

される 他には「得気」感覚時は有悩の Group lI ,

E群線維がよく反応したとする報告もある 79,87) ,

刺鍛により生じる 「得気J (ズーンと重だるい

感覚) は深部痛に近く, 二次痛89 ) (鈍い, うずく

ような痛み) に属するものとして,熊深田 90)は鍛

灸刺激に共通する受容器として侵害受容~の一種

であるポリモーダル受容器を挙げている また .

川喜回'1周〉は鎖灸刺激の末梢受容機序とツポとの

関連についてポリモ -31)レ受容器を中心として考

察を行い,ポリモー ダノレ受容器のKL慢性が高まり ,

通常なら痛みと感じない圧刺激で痛覚を党える部

位.すなわち庄痛点への鍬灸刺激は直接または筋

収納を介してポリモ -31)レ受容穏を興奮させ,そ

の求心性入力が 「得気」 を生じさせるのではない

かと指摘している

脊髄空洞症の患者で痛覚の消失した領域の経穴

に刺録すると, r得気」が感じにくいか, 感じな

い93,94).感じた場合では「得気」 感党に速いが生

じたりもする 51 .問。このことから脊髄の損傷皮に

もよるが, r得気」 感党が温度感:rJ:.痛覚径路の

背外側脊髄被床E告を上行するのではないかと考え

られる叫 また , 脊髄病変が後索などに部分波及

した患者の深部感覚障害領域に如l鎖した場合,捻

鎖l時だけに「得気」を感じ.捻鍛を止めると「得

気」 感覚が減少, 消失していく このことは ,

「得気」 感党を触覚,圧1'1.一部の痛覚などとし

て考えてみると , r得気」の脊髄上行伝導路は鍛

麻酔の鎮痛効果からの銭刺激と対日IIJの前側索95, 96 )

と深部感覚としての後索路が考えられる初 〉が,

その詳細については現在わかっていない

5) ,ひびき」による中枢(脳)への影響

森98) は鍛通ïffi による 「心地よいひびき感:ì:tJ

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H加古銭灸医学第 8号 1-13(1991) 9

を得るには舗の太さや絶縁性.刺激方法・刺激時

間・刺激の質とill.選穴,治療者病人関係(場)

などが諸因であり,おのおの単独では意味をもた

ないとしている また,右合谷穴に車1]銭を行い,

手技によ り「得気」を起こした11寺の脳波 C EEG )

・身体微車111振動 (MV) ・皮膚氾位反射 (GSR ) ・

身体各部の脈波 (PTG) を計測した結果,各々

指標項目が互い相|期する傾向もあり,得気H寺の刺

激パターンが. "1"枢神経系のプロセスに桜雑な影

響を与えている軒ことを報告している

島屋ら 1刷は合谷穴に録刺激を行い「得気」 感覚

時のヒ卜脳波への影響を検討した結果,特に前頭

葉で著明にみられ句得気出現時に 6波町 。波の帯

域含有率の減少, α波の帯域含有率の増加, 平均

周波数の増加をみた このことは脳の活性が銭刺

激によって冗進することを示 L. さらに Fm e 波

が得気によって生じることは得気感覚の中枢への

入力経路に関する研究に有用であると報告してい

る また,矢野ら\01 )は低周波通電による心地よ

い刺激(周波数 2 H z) 感覚を 「舗のひびき 」 感

覚とし その刺激を脳波 トポ グラムで検討した

心地よい刺激感党時は O波, α波の帯域電位分布

図は著明に変化し。森ら 102 ) も百ÎÎ述した刺激法を

脳波トポグラムとポジ卜ロン CTで計測したとこ

ろ,脳波トポグラムでは特に前頭葉から頭頂葉に

著しい変化がみられ,ポジトロン CT像は刺激時

の 「鍛のひびき」様感覚時に前Il.ñm部の神経細胞

活動の冗進や広範聞の脳神経釧胞に影響を与えて

いると報告 している いずれにせよ. r得気」 感

覚は脳波の α波帯域の増加]99 , 1曲, 1 0 1 , 102 ) , Fm e il皮l闘

の出現や前頭業部の神経活動冗逃など中枢神経へ

の影車部を及ぼすと目、われる。 臨床上. r得気」 が

得られた時や,低周波鍛通屯による心地よい刺激

感党時は心身がリラックスし。 非常に心地よい気

分であっ たり,いくらか!眠気が感じられることが

多く,このような現象も脳波変化と密接に関連し

ている可能性が示唆される

6) r得気」と筋篭図

「得気」を感じたi時に申峨t~~の筋収縮を感じるこ とがあり 18 , 1聞, その 「得気」と筋電図の関係

を検討した報告も多い 18.51 , 10.1).正常人の経穴に車1]

鍛した時, 経穴と筋の活動f日位を計測した結果.51),

車 1] し手に 「得気」を感じた時は高振幅・高頻度の

活動電位が認められ,逆に刺し手に「得気」 が感

じられなかった時は活動屯位はほとんど認められ

ないことが報告されている.また,経穴部の皮下

組織, 浅 ・ 深応部筋と結合組織等を支配する神経

をプロカインでプロックした後は. 刺鍛l時の「得

気」感覚は消失してしまうことも報告されている.

さらに. r得気」 感覚の強さが筋電図の振幅の大

きさとに相関するという報告もある山)

以上のことから,刺鎖中に鍛が急に霊くしめつ

けられるように感じる要因として, 車1]鍬部の筋肉

の収縮が強く関与している可能性が高< . 筋の興

lliに応答する受容器が 「得気」感覚の受容器とし

て考えられる しか し. r得気」 を感じても筋電

図の電位に変化が認められないこともあ り 1叫,

「得気」感覚の種類や強さを筋電図だけで定量化

することは難しいと考え られる .

7) r得気」と刺鍛祇抗について

車1]鍛を行っていくと刺し手に刺銭抵抗の変化

「急に重くなるような, あるいは. しめつけられ

るような」 感覚を感じる.このような刺鍍抵抗の

変化は診断や治療効果の蛮袈な指標であるが,実

際に筋緊張によって録がしめつけられて, 車1]鍛抵

抗の増大を来たしたのかどうかが疑問であること

は前述した.佐々木ら出. 1附は, 刺錨時の皮下

組織との抵抗感を直接jJ判定できる Acupuncture

Hheometer (粘弾性測定装置)を開発して.雀啄

刺激時の刺銭抵抗値を計測した結果,ある程度雀

i啄を継続した後, 事1]鍛抵抗が増加する症例のある

ことを定量的に測定し,報告している 逆に,硬

結部への雀啄刺激が刺鍛抵抗の減弱を来すという

報告107) もある ι したがって,刺し手に感じられ

る感覚の変化には,刺録部の筋肉の収納が密接に

関与していることを強く示唆している 一方,杉

山疏銭術書1舶には鉱刺激は,皮下表庖の刺激が

品も重要であることを指摘してお り , 表l国での刺

鍬抵抗の変化については,立毛筋等の別の組織が

関与しているものと思われ, 今後,この方面での

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10 r得気J (誠のひびき)について白文献的考察

検討の必要性が示唆される 怠考文献

医おわ り に

古代,殴域文字(甲骨文字)には , ,殴」の文

字を,/l. J田明〉の象形文字で記載されている,

これは.手に持った鋭利な器具で人の身体に突き

車IJす状態を現している, ROち刺鍛治療の象形であ

ると考えられる 30, 1附殴時代成立以後, r密」の

文字が造られ. これが, r段」の文字に代わ って

使われるようになった 故に r /l. J の象形文字

が最古の鎖灸治療の医学文字であるとしているお

四〉 それから今日までの楊永議110)や承淡安111)な

どの歴代の銭灸医家9) は臨床経験から,得気現象

と治療効果について重要な意義を指摘している

今回の文献調査から, われわれが疑問に感じて

いた, 車IJ録時に麻布の束に刺しているようななど

の非常に漠然とした生体の反応を受け.どこまで

鍍を刺入するのか,どのよ うな時に車l臓を留めた

らよいのか, どのようになれば依鎖してよいのか,

効果的な刺鍛の補潟法はとのような方法であるの

かなどが,ほぽ明らかにしえたと考える.

方, r得気」 はその感覚から.①施術者と患

者が受ける感覚の違い.②「得気」 感党の租類の

違い. ③刺し手と,押し手に受ける感覚の違い.

④「得気」感覚が局所に限局した感覚と述隔部位

まで伝導する感覚の違い ⑤得気が生じて気が至

る速さによる治療効果の違い. ーなど多くの袈

素に分別されることが明らかとなった 他方, 現

在までに行われた「得気」感覚に対する研究の多

くは患者が感じる「得気」感党のみについての研

究(微小電極法,脳波,筋電図,ポジトロン CT

など)が主体であり,他の要素については非常に

少ないのが現状であることも明らかとなった そ

の理由は「得気」に関する概念、が暖昧であること

が主要な原因と考えられる.本航は必ずしも「得

気」の概念および研究業総の全体を網羅したもの

ではないが,今後の 「得気」 研究に何らかの示唆

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