圧力センサ付きボタンを備えた 汎用リモコンの提案提案リモコン概要...
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圧力センサ付きボタンを備えた汎用リモコンの提案
国立大学法人 電気通信大学大学院 情報理工学研究科 情報・通信工学専攻
准教授 角田 博保
研究背景
▸Webブラウザを搭載したテレビやリビング設置型パソコンの普及が近年進んでいる
▸リビングのような利用環境では従来のマウスやキーボードよりも片手で扱えるリモコンの方が好ましい
▸従来のリモコンは入力可能な情報が限定的であり、GUI操作を行うには実用性、汎用性に欠ける
⇒ 本研究ではこの問題の解決を図ったリモコンを提案
提案リモコン概要
▸ 省スペース性、高汎用性を両立したボタンインタフェースを搭載
▹ 8 個の感圧ボタン▹ 本学アイディアコンテスト最優秀賞(山内、2008)
▹ 特許出願中(特開2009-205344)
▸ 3つのセンサによる三次元のダイレクトポインティングが可能
▹ 加速度センサ▹ 角速度センサ▹ 圧力センサ▹ 特許出願中(特願2009-258763)
感圧ボタンの特徴 (1)
▸キートップの端の部分に指の圧力を検知する感圧センサが組み込まれている
感圧ボタンの特徴 (2)
▸以上の機構を採用することにより、1 つのボタンで下の図のような 3 通りの押し方を行うことができる
テキスト入力機能
いくつかの方式を実現している
• 携帯電話の入力方式• 高速アルファベット入力方式• かな文字入力方式• ダブルタップ機能
テキスト入力用レイアウト
(a) (b) (c) (d)
(a)携帯電話の入力方式(b)高速アルファベット入力方式(c)かな文字入力方式(d)ダブルタップ機能
メニュー選択: ホイール入力
▸周囲の感圧部を連続的になぞることでメニュー選択を行う
メニュー選択: 方向キー入力
▸ ボタン操作部を 4 または 8 方向キーとして利用し、メニュー選択を行う▸ キーに加える圧力に応じてカーソル移動を加速することができる
ポインティング時のキー割り当て
▸余っているボタンの機能は現在検討中
ダイレクトポインティング概要 (1)
▸キャリブレーション▹ 画面の中心に向けてキャリブレーションキーを押す
▸ X 軸方向▹ 角速度センサ
▸ Y 軸方向▹ 加速度センサ
▸ Z 軸方向▹ 圧力センサ
▸ダイレクトポインティングの問題点➔手ブレにより正確なクリック操作ができない
▹ 圧力センサを用いた手ブレ防止機能を提案
▸ リモコン操作時の問題点➔画面から離れるため視認性が低下する
▹ 圧力センサを用いたズーム機能を提案
ダイレクトポインティング概要 (2)
手ブレ防止機能 (1/5)
クリックキーの圧力値が 0 のとき、ユーザ操作 対 カーソル移動の比率(ゲイン比)を 1 とする
手ブレ防止機能 (2/5)
指からの押圧レベルが上がるとカーソルの現在座標を起点にゲイン比を低下させる
手ブレ防止機能 (3/5)
押圧レベルが最大となったときカーソルを静止させる(例えば圧力値 1.0 N)
手ブレ防止機能 (4/5)
そのままスイッチを押すとクリックとなる
以上のような手順を踏むことでクリック時にカーソルがぶれないという利点が得られる
手ブレ防止機能 (5/5)
▸ 被験者実験より、16 pixel 幅に対してミスクリック率 3.6% という結果が得られた▹ 16 pixel: 一般的なテキストリンクの高さに当たる値▹ 任天堂 Wii リモコンの結果は 23.6%であり、提案手法の有効性が示された(両者のクリック所要時間はほぼ同等)
ズーム機能
▸ ズームキーの圧力レベルに応じて画面をズームする
▸ ボタン制御(+/-ボタン等)と比較してより即応性の高いズーミングを実現する
▸ 会議時やプレゼンテーション時に高い効果を発揮する⇒ 例えば 「グラフが小さすぎて見えにくい」 といった場面ですみやかに拡大できる
想定される用途
▸リビング環境におけるGUI操作のためのリモコン(Webブラウジング等)
▸会議時やプレゼンテーション時のためのリモコン▸携帯電話や携帯音楽プレーヤ向けの操作インタフェース
期待される提案リモコンの効果
▸ 従来のリモコンと比較してユーザはより高級な操作が可能になるため、テレビを通したWebコンテンツの利用促進に繋がると考えられる
▸ 本提案のズーム機能を用いれば、会議時やプレゼンテーション時における提示資料の拡大をスムーズに行うことができる
▹ 例えば、聴衆に重要点を伝えたり、小さくて見えにくいグラフを見やすくしたりする場合に有効である
▸ 装置は比較的低コストで実現できると見込まれる▹ 部品数が少なく済み、かつ普及技術のみで構成されるため
実用化に向けた課題
▸ 被験者実験による各機能のユーザビリティ評価が不足している▸ 現在の試作機は個人製作によるものであるため、装置全体が必要以上に大きい、センサの精度が悪い、といった問題があり、満足な性能が出せていない
▸ 1つのボタン操作部を頻繁に使用するため、スイッチや感圧センサの耐久性が課題となる
▸ ボタン操作部のキー割り当てがシーンに応じて変化するため画面にそのガイド表示を行う必要があり、画面の一部が占有されてしまう
▹ 解決技術として、キートップに有機ELや電子ペーパーを組み込む技術等が挙げられるが、コストが増大する
企業への期待
▸より小型かつセンシング精度の高いリモコン装置の開発にご協力していただけること
▸ヒューマンインタフェース設計の更なる改良や、別方面への応用等も視野を入れてご協力していただけること
本技術に関する知的財産権
【関連特許1】
発明の名称 :情報入力装置
公開番号 :特開2009-205344
出願人 :電気通信大学
発明者 :山内 啓史、角田 博保
【関連特許2】
発明の名称 :ポインティング装置、入力処理装置、入力処理方法、及び、プログラム
出願番号 :特願2009-258763
出願人 :電気通信大学
発明者 :山内 啓史、角田 博保
お問合せ先
国立大学法人電気通信大学
産学官連携センター
産学連携コーディネーター 小島 珠世
TEL 042-443-5780
FAX 042-443-5108
e-mail [email protected]