意匠制度を巡る近年の動向3 1-1. 意匠出願件数...

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特許庁 審査第一部意匠課 意匠制度を巡る近年の動向 ~「デザイン経営」宣言、意匠審査の運用、意匠権活用事例など~

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特許庁 審査第一部意匠課

意匠制度を巡る近年の動向~「デザイン経営」宣言、意匠審査の運用、意匠権活用事例など~

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1. 意匠出願・審査の動向2. 「デザイン経営」宣言3. 意匠法の改正4. 意匠審査の運用改訂5. 国際的な連携の強化6. 登録意匠検索ツール7. 意匠権活用事例集

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1. 意匠出願・審査の動向

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1-1. 意匠出願件数

近年の意匠出願件数は、約30,000件で推移。2015年5月13日以降、ハーグ協定に基づく意匠の国際出願(ハーグ国際出願)の受入れを開始以降、意匠出願件数は全体として微増傾向。

30,875 31,756 30,805 32,391 31,125 29,738 29,451 28,796 29,745 29,145

452 2,083 2,216 2,261

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

国内出願件数 ハーグ国際出願件数

30,87929,903

31,961

(備考)ハーグ国際出願は、当該年に国際公表された国際登録意匠数をカウント(出典)特許庁ステータスレポート2019

(出願年)

(件数)

31,406

4

1-2. ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度

WIPO国際事務局への1つの出願手続で、複数国(締約国)に同時に意匠出願した場合と同様の効果が得られる制度。各官庁への個別出願と比べ、手続の簡素化や経費の削減を図ることができる。ハーグ協定には、日本、米国、韓国、EU、フランス、ドイツ、スイス、ロシア、英国等、60の国・政府間機関等が加入(2019年3月現在)。

ハーグ協定に基づく意匠の国際出願 (1)各国ごとの出願書類が作成不要、複数意匠一括出願3つの言語(英語・フランス語・スペイン語)のいずれかで、WIPO国際事務局が定めた様式に基づく出願書類を作成する。1つの国際出願に最大100意匠を含むことが可能。(2)代理人の選任費用や翻訳費用が不要代理人を選任せずに国際出願することが可能。国際登録簿への記録及び国際意匠公報の発行に必要な翻訳は全てWIPO国際事務局が行うため、翻訳費用が発生しない。(3)国際登録の権利はWIPOにおいて一元管理される5年ごとの権利更新や国際登録の変更に係る各種申請は全てWIPO国際事務局に対する1つの手続ですみ、各国への直接手続は不要。(4)登録の可否がわかる時期が明確各指定国官庁は、拒絶理由を発見した場合、国際公表から6月又は12月以内にWIPO国際事務局に対して拒絶の通報を送付しなければならないため、各国における登録の可否がわかる時期が明確。

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1-3. 審査件数・期間

最初の審査結果通知の発送(First Action:FA)件数は、出願件数とほぼ連動。出願から最初の審査結果通知の発送までの平均期間(平均FA期間)は約6か月。

主要国のFA期間(2017年)

米国 13.3月

韓国 4.92月(※一部無審査分野を含む)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

出願件数 30,875 31,756 30,805 32,391 31,125 29,738 29,903 30,879 31,961 31,406

FA件数 34,098 31,490 30,775 31,848 31,268 30,581 29,752 30,448 31,600 31,266

平均FA期間 7.1 6.5 6.6 6.3 6.3 6.2 6.1 6.2 5.9 6.1

7.1

6.5 6.66.3 6.3 6.2 6.1 6.2

5.96.1

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

0

10,000

20,000

30,000

40,000 (月)

(件)

(年)

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1-4. 面接審査特許庁庁舎内で行う面接審査に加え、全国各地に審査官が出張して行う「出張面接審査」、Web会議システムを利用して行う「テレビ面接審査」も実施している。2018年度は、特許庁庁舎内で行う面接審査を250件、出張面接審査を79件、テレビ面接審査を9件実施した。

特許庁のテレビ会議システムを利用した面接を実施。2013年4月にテレビ会議システムを刷新し、インターネット回線を利用したテレビ会議システムを導入。出願人所有のPC等から、テレビ面接への参加が可能。

出願人の所在地付近に特許庁側が用意した会場にて面接を実施。平成30年度から「巡回特許庁」の開催期間中に、集中的に実施。

面接審査出張面接審査

テレビ面接審査

特許庁

※最大10拠点まで同時接続可能

必要な機器:パソコン、インターネット(ADSL以上推奨)ウェブカメラ(カメラドライバが必要な場合があります)ヘッドセット(あるいはマイクとスピーカー)

INPIT-KANSAI

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2.「デザイン経営」宣言

8

2-1. 「デザイン経営」宣言

産業競争力とデザインを考える研究会は、2018年5月に報告書「『デザイン経営』宣言」を公表。デザインを活用した経営手法「デザイン経営」の手法及び効果、並びに「デザイン経営」を推進するための政策提言について整理した。報告書には、『産業競争力の強化に資する今後の意匠制度の在り方』を別紙として添付するとともに、『「デザイン経営」の先行事例』を別冊として取りまとめた。

「デザイン経営」の手法及び効果 政策提言

意匠制度の課題や今後の検討の必要性

国内外企業における「デザイン経営」の具体的取り組み

報告書「『デザイン経営』宣言」

別紙「産業競争力の強化に資する今後の意匠制度の在り方」

別冊「『デザイン経営』の先行事例」

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2-2. デザイン戦略を行う世界の企業

製品の同質化(コモディティ化)が急速に進む今日、機能や品質のみでの差別化が困難な時代を迎えている。そのような中、明確な企業理念に裏打ちされた自社独自の強みや技術、イメージをブランド・アイデンティティとしてデザインによって表現し、製品の価値を高め、市場拡大に結び付けている企業がある。

出典:Apple official website 出典:dyson official website 出典:mazda official website

• 2010年に、スカイアクティブ技術と魅力的なデザインを前面に押し出し、ブランド価値向上を含む経営構造改革プランを発表。

• 2013年以降、当期純利益やROEが大きく回復。

• 2004年、ダイソンは、サイクロン技術と魅力的なデザインを備えた掃除機を、 7~8万円で市場に投入。

• この価格は、当時の一般的な掃除機の3~4倍。

• 日本での台数シェアは約5%だったが、金額シェアは14%を占めた。

• デザインを「経営上の問題」と位置づけ、デザイナーを上級副社長に任命。

• 2011年、iPhoneの特許侵害の疑いでサムスンを提訴。2018年、意匠侵害による損害賠償額が約590億円、特許侵害が5.9億円と評決。後日和解に至る。

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2-3. 日本企業のデザインに対する意識

我が国企業の多くは、その経営層も含め、デザインに対する自信と意識がいまだ低いとの報告もあり、製品の同質化が一層進む中、我が国企業の国際競争力は一層低下するのではないかと危惧される。

従業員100人超の我が国製造業全て(全25,000社)を対象とした各市場での市場開拓を成し遂げた成功要因(複数回答)のアンケート結果

対日本市場

高品質・高性能 デザイン

出典:「平成23年度中小企業支援調査 我が国ものづくり産業の競争力の源泉に関する調査報告書」(経済産業省)を基に特許庁作成

日本企業の多くは、デザインに対する自信と意識がいまだ低い

38.3 %

63.6 %

0.8 %

0.0 %

46.3 % 2.4 %従業員100人超の製造業は全て対象とし、従業員100人以下の企業は機械系製造業を中心に抽出し、全25,000社を対象に実施したアンケート調査結果。有効回収率は16.6%(有効票 4,151件)

対米国市場

対中国市場

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2-4. 産業競争力とデザインを考える研究会

2017年7月に、「産業競争力とデザインを考える研究会」を設置。デザインによる我が国企業の競争力強化に向けた課題を整理し、その対応策について検討した。

世界的に著名なデザイナーデザイン担当役員知的財産担当経営コンサルタント学者

《研究会構成員(11名)》

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2-5. ブランド構築・イノベーションに資するデザイン

デザインは、企業が大切にしている価値等を表現する営みであり、それが一貫したメッセージとして伝わることで、ブランド価値が生まれる。デザインは、 ユーザーが気づかない潜在的な問題を発見し、事業にしていく営みでもあるため、イノベーションを実現する力にもなる。

製品 包装 店舗 サービス 広告 Webサイト

顧客と企業とのあらゆる接点に、企業が大切にしている価値や実現しようとする意志を徹底させ、一貫したメッセージとして伝わるようにデザインする

・・・企業が大切にしている

価値

他の企業では代替できないと顧客が思うブランド価値

観察 潜在的な問題の発見 解決法の発想 解決法の視角化

イノベーションに資するデザイン

ユーザーのありのままを観察し、ユーザーが気づいていない潜在的な問題を発見

企業が大切にしている価値に照らして解決法を発想し、イメージやプロトタイプをすぐに視覚化

新たな製品・サービス

・ビジネス

イノベーション

ブランド構築に資するデザイン

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2-6. 「デザイン経営」

「デザイン経営」とは、デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営のことをいう。「デザイン経営」は、ブランドとイノベーションを通じて、企業の競争力を向上させる効果がある。「デザイン経営」では、経営チームにデザイン責任者がいること、及び事業戦略構築の最上流からデザインが関与することが必須条件。

ブランド構築に資するデザイン

Design for Branding

イノベーションに資するデザイン

Design for Innovation

デザイン経営の効果

企業競争力の向上

デザイン経営の具体的取組

デザイン責任者の経営チームへの参画

事業戦略・開発の最上流からデザインが参画

「デザイン経営」の推進組織の設置

デザイン手法による顧客の潜在ニーズの発見

アジャイル型開発プロセスの実施

採用および人材の育成

デザインの結果指標・プロセス指標の設計を工夫

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2-7. 産業の遷移に伴うデザインの重要性向上

世界の主戦場となりつつあるソフトウェア・ネットワーク・サービス・データ・AIの組み合わせ領域では、顧客体験の質がビジネスの成功に大きな影響を及ぼすため、デザインに注力する企業が増加。

(出典)産業競争力とデザインを考える研究会報告書「『デザイン経営』宣言」

2000

2010

現在

電気・電⼦の時代

インターネットの時代

IoTの時代

スマートフォンの時代

新たに登場した製品・サービスの構成要素年代産業世代デザイン分類

クラシカルデザイン

ビジネスデザイン

デザインエンジニアリング

Hardware + Electronics⼦動⼦・家電など

Hardware + Electronics + Softwareパーソナルコンピュータなど パーソナルコンピュータ⼦アプリなど

( Hardware + Electronics +)Software + Network + Service + Data + AIIoTデバイス・ロボットなど シェアリングサービスなど

( Hardware + Electronics +)Software + Network + Serviceパーソナルコンピュータなど ウェブサービスなど

コンピュータの時代

( Hardware + Electronics +)Software + Network + Serviceスマートフォンなど ウェブサービス・スマートフォンアプリなど

1990

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2-8. デザインの投資効果

欧米における研究結果は、デザインへの投資を行う企業は高いパフォーマンスを発揮していることを示している。例えば、British Design Councilは、デザインに投資すると、その4倍の利益を得られると発表した。また、Design Value Indexは、S&P500全体と比較して過去10年間で2.1倍成長したことを明らかにした。

(出典)産業競争力とデザインを考える研究会報告書「『デザイン経営』宣言」

£ 1 の デ ザ イ ン 投 資 に 対 し て 、 営 業 利 益 は£ 4 、 売 上 は £ 2 0 輸 出 額 は £ 5 増 加

出典:British Design Council “Design Delivers for BusinessReport 2012” を基に特許庁作成

デザインを重視する企業の株価は、S&P 500全体と比較して、10年間で2.1倍成長出典:Design Management Institute “What business needs now isdesign. What design needs now is making it about business.”を基に特許庁作成

調査対象の選定基準・以下の6項目の観点により、S&P 500企業の中から「デザインを重視する企業(Design Centric Company)」を選定

-全社横断でデザインが実施されている-組織図においてデザイン関連部門が重要な位置を占めている-経験豊富な幹部がデザイン機能を管轄している-デザインへの投資額が増加している-デザイン部署が経営陣からの支援を受けている-過去10年にわたって米国市場に上場している

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2-9. デザイン経営を推進するための政策提言

「デザイン経営」を推進し、日本の産業競争力を強化するために、同研究会は、政府が実施すべき施策・取り組みについての具体的な政策提言を取りまとめた。

政策提言

デザイン経営の推進 デザイン経営に資する知的財産権制度の整備

行政におけるデジタル・ガバメントの実践

意匠権を取得するための手続の簡便化

IoT、AI、ビッグデータ等の新技術による社会変革に対応したデザインの保護

ブランド形成に資するデザインの保護

情報分析・啓発

高度デザイン人材の育成・獲得

デザインに対する補助制度の充実・税制の導入

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意匠法を改正し、イノベーションやブランド構築活動の成果である製品等の外観をしっかりと保護できるようにすることで、企業が権利を活用して投資を回収し、デザイン経営の推進につなげるというサイクルを円滑に回せるようになる効果を期待。

2-10. 知的創造サイクルによるデザイン経営の推進

知的創造サイクル

研究開発(創造)

権利取得(保護)

コスト回収(活用)

出願

産業財産権

利益

デザイン経営の成果物(製品、UI、パッケージ、店舗等)

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3.意匠法の改正

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平成30年意匠法改正により、新規性喪失の例外期間が1年に延長された。また、意匠における優先権書類の電子的交換制度が導入された。優先権書類の電子的交換制度は、2020年1月1日から開始予定。

3-1. 平成30年意匠法改正

新規性喪失の例外期間の延長(6か月→1年)

2018(H30).5.30

意匠における優先権書類の電子的交換制度の導入

2018.6.9

施行済み

2020.1.1

施行予定

改正項目

公布

公布

カナダ中国グルジア韓国スペイン米国チリ(欧州) 2019年中に参加予定(日本) 2020年1月1日に施行予定

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意匠分野でも、WIPOが提供するデジタルアクセスサービス(DAS)によって優先権書類の電子的交換が可能に。出願人にとっては、優先権書類提出手続の簡素化やコスト削減の効果が、特許庁にとっては、優先権書類発行等の業務負担削減の効果がある。現在、8か国がこの仕組みを導入済み(インドはアクセスコードの発行のみ可)。

3-2. 意匠における優先権書類の電子的交換

WIPO DASの仕組み

WIPO DAS

インド

WIPO DAS参加庁(意匠) (2019年8月現在)

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令和元年意匠法改正により、保護対象の拡充、関連意匠制度の拡充、意匠権の存続期間の変更、複数意匠一括出願の導入等の措置がとられた。同改正法の施行は、一部の規定を除いて、公布の日から1年以内。

3-3. 令和元年意匠法改正

2019(R1).5.17公布の日から1年を超えない範囲であって政令で定める日

施行予定

施行予定

公布の日から2年を超えない範囲であって政令で定める日

・保護対象の拡充(画像、建築物、内装)・関連意匠制度の拡充・意匠権の存続期間の変更・創作非容易性の水準の引き上げ・組物の部分意匠の導入・間接侵害規定の拡充・損害賠償額算定方法の見直し

・複数意匠一括出願の導入・物品区分の扱いの見直し・手続救済規定の拡充

※改正意匠法の詳しい説明は、「令和元年特許法等の一部を改正する法律(特許法等改正説明会)」の講義にて実施。

改正項目

公布

公布

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3-4. 意匠法改正に伴う意匠審査基準改訂等の検討

令和元年意匠法改正に伴って改訂される意匠審査基準、出願様式等の具体的運用については、現在検討中であり、その内容は2019年度中に公表される予定。

1.法改正に即した主な検討事項

(ⅰ)建築物の保護対象化

(ⅱ)画像の保護対象の拡充

(ⅲ)内装意匠の保護対象化

(ⅳ)関連意匠制度の拡充

(ⅴ)創作非容易性水準の明確化

(ⅵ)物品区分の扱いの見直し

(ⅶ)組物の部分意匠の導入

(ⅷ)意匠登録を受けることができない意匠(第5条)の規定の見直

2.意匠審査基準の構成及び記載内容の明確化・簡潔化のための検討

■第15 回 WG (2019年7月24日に実施)

■第16 回 WG (2019 年 9月頃)

■第17 回 WG (2019 年 10 月頃)

■第18 回 WG (2019 年 11 月頃)

(予備日)■第19 回 WG(2019 年 12 月頃)

・報告書案

■意見募集手続

■第19 (又は第20) 回 WG(2020 年 1 月頃)

・意見募集後の改訂点(必要に応じて開催)

意匠審査基準ワーキンググループにおける検討概要

主な検討項目 スケジュール(予定)

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4.意匠審査の運用改訂

4-1. 意匠審査基準の改訂

2018年9月から10月にかけて、意匠審査基準ワーキンググループ(WG)において、意匠権の明確性を確保しつつ、より簡便で実効力の高い権利取得環境を実現するための対応の方向性について、早急に対応が必要であり、かつ、法改正以外の対応によって解決が可能である課題から検討を行った。検討結果を踏まえた改訂意匠審査基準は、いずれの項目もすでに運用を開始している。

課題

・一意匠の考え方の明確化・「意匠に係る物品」の記載の扱いの柔軟化・組物の意匠の構成物品の柔軟化

・図面の記載要件の最適化・全体意匠と部分意匠の関係の運用変更

2019.5.12019.1.10

運用開始

運用開始

2018(H30).10

検討

検討

1月10日以降の審査に適用

5月1日以降の出願に適用(優先権主張を伴う出願は日本への出願日で、分割・変更・補正

却下後の新出願は出願遡及日で判断)24

25

4-2. 一意匠の考え方の明確化

ユーザーからは、意匠法第7条が定める「意匠ごとに」(一意匠一出願)の要件の明確化や近時の裁判例等に照らした柔軟な判断を求める声が寄せられていた。意匠審査基準上に、一物品の判断についての基本的な考え方を明記することとした。

51.1.2.2.1 二以上の物品を表したものであるか否かの判断

図面等において、意匠に係る物品が複数の構成物により表されている場合、意匠登録出願に係る意匠が二以上の物品に係るものであるか否かの判断は、以下のとおり行う。

(1)図面等に複数の構成物が表されている場合であっても、社会通念上それら全ての構成物が一の特定の用途及び機能を果たすために必須のものである場合は、一の物品であると判断する。

一方、複数の構成物において一の特定の用途及び機能を果たすための結びつきが何ら認められない場合には二以上の物品と判断する。

ただし、当該結びつきが強固ではない場合であっても、以下に該当するものである場合には、それらの点も補完的に考慮して、一の物品であるか否かを判断する。

① 全ての構成物が物理的に一かたまりのものである場合や、形態上密接な関連性を持って一体的に創作がなされている等、一の形態としてのまとまりがある場合

② 社会通念上一体的に実施がなされるものである場合

改訂後の意匠審査基準

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4-3. 一物品と判断されるものの例

複数の構成物からなる物品について、全ての構成物が特定の用途・機能のために必須の場合は一物品と判断。全ての構成物が特定の用途及び機能を果たす上で必須とまではいえない場合は、一つの形態としてのまとまりの有無や、社会通念上一体的に実施されているものか否かを考慮して判断。

【意匠に係る物品】容器付き固形のり 【意匠に係る物品】トランプ

【意匠に係る物品】自動車用尾灯 【意匠に係る物品】湯水混合水栓【意匠に係る物品】容器付きゼリー

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4-4. 一物品とは判断されないものの例

※物品ごとへの分割等で意匠権の取得は可能

・内容物として多数の物品が含まれており、これら全てが一の固有の用途及び機能を果たすためのものとは認められない

・全体でまとまりある創作がなされたとまで言えない

・内容物は個々の物品としても流通していることから、一の物品と判断することはできない

・社会的通念上一の固有の用途及び機能を果たすために必須のものであるとは認められない

・共通した模様が付されているものの、全体でまとまりのある創作がなされているともいい得ない

・セットとして販売されることが一般的であるともいい得ない

ことから、一の物品と判断することはできない

【意匠に係る物品】ギフトセット【意匠に係る物品】コップ

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4-5. 「意匠に係る物品」の記載の扱いの柔軟化

ユーザーからは、意匠の明確性に支障の無いケースについては、拒絶理由の対象としないよう、改善を望む声も寄せられていた。意匠審査基準を改訂し、「意匠に係る物品」の欄の記載について、意匠の明確性に支障の無いものについては、拒絶理由の対象としないこととした。

(1)当該分野において一般的な名称となっていないもの(2)商標名、何何式等固有名詞を付したもの(3)総括名称を用いたもの

(例、雨戸と記載するのを建築用品と記載する場合等)(4)外国文字を用いたもの(5)省略された物品の区分であって普通名称化していないもの(6)意匠法施行規則別表第二(以下「別表第二」という。)

によらないものであるにもかかわらず「一組」との語を用いたもの

(1)商標名、何何式等固有名詞を付したもの(2)総括名称を用いたもの

(例、雨戸と記載するのを建築用品と記載する場合等)(3)構造又は作用効果を付したもの

(例、何何装置、何何方法)(4)省略された物品の区分

(例、8ミリ)(5)外国文字を用いたもの(6)日本語化されていない外国語を用いたもの(7)用途を明確に示していないもの

(例、ブロック)(8)組(意匠法施行規則別表第二(以下「別表第二」と

いう。)によらないもの)、セット、一揃、ユニット(歯科用ユニットを除く。)、一対、一足等の語を用いたもの

(9)形状、模様及び色彩に関する名称を付したもの(10)材質名を付したもの

(例、何何製)ただし、普通名称化している場合は除く。

改訂前の意匠審査基準 改訂後

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4-6. 組物の意匠の構成物品の柔軟化

組物の意匠に含めることのできる構成物品については、意匠審査基準別添「組物の構成物品表」に記載されたものでなければならず、多様化する意匠創作の実態に則していないとの指摘があった。今後、「組物の構成物品表」については、適切な構成物品の例を示したものとし、実際の構成物品は、社会通念上同時に使用される物品と認められるものの範囲内で、出願人の任意とするよう、意匠審査基準を改訂することとした。

組物 構成物品 備考

3 一組の装身具セット ネックレスイヤリング

4 一組の喫煙用具セット 卓上ライター灰皿

6 一組のひなセット 内裏びな三人官女五人ばやしびな左右大臣びな

現行意匠審査基準上の『組物の構成物品表』(一部抜粋)

同表の表題を『組物の構成物品の例』とし、以下の要件を満たす場合は、構成物品は出願人の任意とする。

要件1:社会通念上同時に使用されるもの要件2:組物全体として統一があるもの

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4-7. 図面の記載要件の最適化

物品全体の形態が開示されていなくても、意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていれば、図の数等は不問とする

(1)物品全体の形態が開示されていない範囲の取り扱い

(2)必要図に記載された出願に係る意匠以外の物品等の取り扱い

(3)中間省略個所の表現方法の多様化

創作内容の表現上必要な場合出願に係る意匠以外の物品等も図示可能とする

意匠の明確性に支障がなければ、図示方法は任意の方法で良く、省略箇所の寸法の記載が無くてもよいこととする。

31

4-8. 物品全体の形態が開示されていないものの取り扱い①

開示されていない範囲は意匠の創作の範囲外ととらえる開示された部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願として扱う

(仮想事例)意匠に係る物品:額縁 (仮想事例)意匠に係る物品:額縁

意匠に係る物品の説明:(記載なし)意匠の説明:(記載なし)

意匠に係る物品の説明:(記載なし)意匠の説明:実線で描かれた部分が意匠登録を受けようとする部分である。

審査上は実質的に右の例と同様の扱いとする

【正面図】

【平面図】

【右側面図】【左側面図】

【底面図】

【斜視図】

【斜視図】

【平面図】

【正面図】 【右側面図】【左側面図】

【底面図】

【背面図】

意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていると認められる例

32

4-8. 物品全体の形態が開示されていないものの取り扱い②

(仮想事例)意匠に係る物品:小物入れ (仮想事例)意匠に係る物品:小物入れ

意匠に係る物品の説明:(記載なし)意匠の説明:(記載なし)

意匠に係る物品の説明:(記載なし)意匠の説明:実線で表した部分(容器外部)が意匠登録を受けようとする部分である。

審査上は実質的に右の例と同様の扱いとする。

※現在の実務では分離できる物品について組み合わせたままでは十分意匠を表現できない場合、組み合わせた状態に加えそれぞれの構成部分の図面を求めている

意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていると認められる例

33

4-8. 物品全体の形態が開示されていないものの取り扱い③

意匠登録を受けようとする部分の①形態、②用途・機能、③物品全体に対する位置・大きさ・範囲、④その他の部分の境界が、不明確な場合は、意匠が具体的でないと判断する。

意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていると認められない例

意匠に係る物品:乗用自動車用ブレーキペダル(仮想事例)

意匠に係る物品の説明:(なし)意匠の説明:(なし)

意匠に係る物品:コーヒーカップ(仮想事例)

意匠に係る物品の説明:(なし)意匠の説明:(なし)

持ち手の形状が不明

具体的な境界が不明

意匠に係る物品:花瓶(仮想事例)

意匠に係る物品の説明:(なし)意匠の説明:背面図は正面図と

同一、左側面図は右側面図と同一につき省略する。底面側の形態が複数考えられる

34

4-8. 物品全体の形態が開示されていないものの取り扱い④

物品の特性から、意匠登録を受けようとする部分の位置、大きさ、範囲及びその他の部分との境界を特定できるのであれば、物品全体の形態を示さなくとも意匠の創作を特定可能と判断

意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていると認められる例

意匠に係る物品:ゴルフクラブゴルフクラブという物品の特性上、グリップ部分まで破線で描かれていなくても、意匠登録を受けようとする部分の位置、大きさ、範囲及びその他の部分の境界を特定可能

※説明の都合上、願書やその他の図の記載は省略した

35

4-8. 物品全体の形態が開示されていないものの取り扱い⑤

その物品の属する分野の一般的な知識に基づき総合的に解釈しても、意匠登録を受けようとする部分の位置、大きさ、範囲又はその他の部分との境界を特定できない場合は、意匠が具体的でないと判断

意匠登録を受けようとする意匠の創作の内容が十分に開示されていると認められない例

? ?ガーデンフェンスにおける意匠登録を

受けようとする部分の位置、大きさ、範囲が不明加湿器における意匠登録を受けようとする部分の

位置、大きさ、範囲が不明

想定される位置、大きさ、範囲の例 想定される位置、大きさ、範囲の例

意匠に係る物品:ガーデンフェンス 意匠に係る物品:加湿器

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4-9. 必要図に記載された出願に係る意匠以外の物品等の取り扱い

意匠登録を受けようとする意匠の創作を十分に表現する上で必要であり、意匠登録を受けようとする物品以外のものについての説明がある場合及び/又は描き分けがある場合には、必要図に「その他のもの」を描くことを許容する。

【意匠の説明】白色で表したトルソは、意匠登録を受けようとする意匠以外の物品である。

意匠に係る物品:首飾り

意匠登録を受けようとする意匠

(首飾り)

「その他のもの」(トルソ)

首飾りの意匠の創作を十分に表現する上でトルソは必要であり、願書の「意匠の説明」の欄の記載と図面を総合的に判断すれば、意匠登録を受けようとする意匠と「その他のもの」とを明確に区別できる

※説明の都合上、願書やその他の図の記載は省略した

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4-10. 中間省略個所の表現方法の多様化①

現行の「2本の平行な一点鎖線により切断するよう表す」以外の方法であっても、省略箇所の位置に疑義が生じず、意匠の創作が明確に特定できる場合、その図示方法を認める電源コードの中間部分のように、意匠の特徴となり得ない個所であり、様々な長さが存在することが一般的な部分については省略箇所の図面上の長さの記載を不要とする

現行制度で許容される中間省略の記載方法

意匠に係る物品:窓枠材

意匠の説明:なし

窓枠「材」でありその形状から、図面上の省略箇所の長さの記載がなくとも左右に連続すると理解

意匠に係る物品:温風暖房機

意匠の説明:図面中、省略部分は願書添付図面上5cmである。

省略箇所の長さの記載なしで許容される例新たに許容される中間省略の図示の例

いずれも省略箇所が明確

※説明の都合上、願書やその他の図の記載は省略した※説明の都合上、願書やその他の図

の記載は省略した

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4-10. 中間省略個所の表現方法の多様化②

創作された意匠の骨格となる構成(プロポーション)が不明確となる場合や、創作された部分の物品全体の形態における位置・大きさ・範囲が不明となる場合は、意匠が具体的でないものと判断

意匠に係る物品の説明:(記載なし)意匠の説明:(記載なし)

意匠に係る物品「護岸ブロック」(仮想事例)

【斜視図】 様々な長さ/直径比や、様々な中間部の形態が考えられ、意匠の創作の特徴も変わり得る

※説明の都合上、願書やその他の図の記載は省略した

考えられる形態の例

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4-11. 全体意匠と部分意匠の関係の運用変更

今後は、全体意匠と部分意匠の間でも先願の規定を適用する他の要件を満たせば関連意匠の登録も認める

【正面図】

【平面図】

【右側面図】【左側面図】

【底面図】

【斜視図】

【正面図】 【右側面図】【左側面図】

【底面図】

【背面図】【斜視図】

【平面図】

【背面図】

先願の規定や関連意匠の規定を適用

【意匠に係る物品】額縁【意匠の説明】(記載なし)

【意匠に係る物品】額縁【意匠の説明】実線で描かれた部分が意匠登

録を受けようとする部分である。

運用変更後の出願については、全体意匠と部分意匠の間でも、意匠法第9条、同第10条の規定の適用の判断を行う

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4-11. 全体意匠と部分意匠の関係の運用変更②

2019年5月1日以降の出願は、願書の「部分意匠」の欄の記載が不要2019年5月1日以降の出願であるにも関わらず、「部分意匠」の欄の記載がある出願については、一律、特許庁において、当該欄をマスタから削除する運用を行う2019年5月1日以降の出願について、図面に実線と破線等での描き分けのある出願(現行の部分意匠と同様の図面表現)、開示されていない面のある出願については、それぞれDタームを付与する

部分意匠の意匠登録出願の願書の記載 新たなDターム

【書類名】 意匠登録願【整理番号】 29-A-3-AB【提出日】 令和○○年○○月○○日【あて先】【部分意匠】【意匠に係る物品】 安全用スイッチ錠【意匠の創作をした者】

【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関3-3-3【氏名】 意匠株式会社::

(1)VZA図の中で意匠登録を受けようとする部分とその他の部分とを描き分けたもの

(2)VZB外観の一部の面が開示されていないもの

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5.国際的な連携の強化

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5-1. 意匠五庁(ID5)会合を通じた国際連携の強化

日米欧中韓の主要五庁が、意匠制度及びその実務に関する国際的な連携を強化・推進するための協力枠組として、2015年に意匠五庁(ID5)会合を創設し、意匠分野の国際協力が本格化。2018年11月に第4回年次会合が韓国で開催された。次回(第5回)年次会合は、2019年12月12、13日に千葉県浦安市で、JPOがホスト庁として開催予定。

2018年第4回ID5年次会合

「ID5共同声明」の採択第四次産業革命の進展を背景に、五庁がGUIに代表されるデジタル技術由来の新しいデザイン(新技術意匠)の保護強化を共に目指すことについてまとめた「ID5共同声明」を採択。五庁の制度比較調査結果の承認「新技術意匠の保護状況」、「意匠の保護要件」、「部分意匠」、「グレースピリオド」に関する五庁の制度比較調査結果を承認。これらの調査報告書は、 ID5ウェブサイト上で公表済。

ID5ウェブサイトURL<http://id-five.org>新規プロジェクトの採択「3Dプリンティングと意匠保護」、「意匠データ資源(非特許文献)」、「品質管理」、「新規性審査におけるインターネット情報の証拠性」、「侵害時の救済手段」、「ID5推奨意匠実務」の6つの新規プロジェクトを採択。ユーザーセッションの実施五庁のユーザー団体代表を交えたユーザーセッションを開催し、協力プロジェクトの成果に関する情報共有を行うとともに、新技術意匠や部分意匠の保護の在り方等に関して、意見交換を実施。

第4回ID5年次会合の主な成果

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5-2. 意匠五庁(ID5)会合における協力プロジェクト

継続検討中のプロジェクト

優先権の実務に関する研究★

製品表示に関する実務の比較研究

優先権書類の交換に関する研究

グローバルな意匠出願に与える影響の分析

★印は、ID5ウェブサイト(http://id-five.org/)に報告書掲載あり

完了プロジェクト

意匠出願へのグレースピリオドの適用に関する比較研究 ★

意匠統計の取りまとめ ★

意匠の図面要件に関するカタログ ★

意匠の保護要件に関するカタログ★

意匠イノベーションのための効果的な保護手段としての部分意匠の比較研究★

意匠分類に関する協定及び実務に関する研究★

新しい技術の意匠の保護に関する実務の研究★

ID5 ウェブサイトの開発及び維持

新規採択プロジェクト(2018年採択)新規性審査におけるインターネット情報の証拠性に関する研究意匠データ資源(非特許文献)に関する研究

ID5 推奨意匠実務に関する研究

3D プリンティングと意匠保護に関する研究品質管理に関する研究

侵害時の救済手段に関する研究

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5-3. 意匠分野における国際連携の取組

多国間・二国間の協力の枠組みの下で、意匠制度に関する国際連携を強化。

多国間の協力 二国間の協力

意匠五庁(ID5)会合

日中韓デザインフォーラム

新興国研修(意匠実体審査コース)

米、中、韓、欧(EUIPO)知財庁との協力関係の強化

中でも、我が国同様、実体審査国である米国の特許商標庁(USPTO)とは、2018年6月に意匠分野の協力覚書を締結し、意匠審査会合の定期開催やハーグ協定に基づく国際出願の審査実務比較等を通じた相互理解の深化に注力している。

世界知的所有権機関(WIPO)における意匠関連の議論

SCT会合

意匠等の法律に関する常設委員会

ハーグ作業部会

ハーグ協定に基づく意匠の国際出願制度の法的発展に関する会合

ロカルノ専門家委員会

ロカルノ協定に基づく国際意匠分類に関する会合

新興国研修(ハーグ加盟支援コース)

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6.登録意匠検索ツール

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6-1.意匠情報の検索サービス概要

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)では、日本特許庁が発行した意匠公報情報を検索可能。また、審査・登録・審判に関する経過等の関連情報を照会可能。外国特許情報サービス(FOPISER)では、海外の意匠情報を日本語で照会可能(ロシア・台湾・欧州連合知的財産庁(EUIPO)・ベトナム・タイ)。画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)では、日本で登録された画像意匠について、イメージマッチング機能を利用した調査が可能。

特許庁ウェブサイト(トップページ)①

② ③

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6-2.J-platpatの改善(意匠)

2019年5月に、改善機能をリリース。検索結果表示画面において、全ての添付図面を同一画面で確認することが可能に。また、物品名等のキーワードによる日本意匠分類の検索も可能に。

表示形式から全図を選択

見やすさ向上意匠の形態理解が容易に

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6-3.画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)

Graphic Image Parkは、登録された画像意匠の調査を支援するツール。利用者が入力した画像と蓄積データを比較して、機械的に似ていると評価した順に並び替える。2015年以降に登録された約3.4万件の画像意匠(2019年8月現在)を検索することができる。

Graphic Image ParkDB

並べ替えを実行

> > > >

利用者の入力画像

画像を比較

似ている 似ていない

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6-4.Graphic Image Parkの使い方①

最初に、調査したい画像のイメージファイルを入力する。トップページ中央の画像入力エリアに画像をドラッグ&ドロップするか、画像入力エリア左上の「ファイルから選択」ボタンから画像を選択する。画像入力エリアに画像が表示されたら、下の「結果を表示ボタン」をクリック。

サイズ:5MBまで形式:JPEG、GIF、PNG、TIFF

調査したい画像

ドラッグ&ドロップorファイルから選択

※入力された画像やその結果のログは、サーバ内のメモリからは消滅する。

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6-4.Graphic Image Parkの使い方②

結果一覧画面では、入力した画像と機械的に近いと評価された順に蓄積データが並び替えられて表示される。

表示形式の切替表示件数の切替

ページの移動

似ている

似ていない

※画像を数値化した特徴量を比較し「近い」と評価した順に並べ替えているため、人の目から見て「似ていない」と思われる画像が並ぶこともあり得る。

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6-4.Graphic Image Parkの使い方③

結果一覧画面で表示された画像は、画像下の登録番号リンクから、その案件の意匠公報PDFを確認可能。

<表示形式: サムネイル>

【正面図】<表示形式: 書誌>

<意匠公報PDF>

意匠公報には、その意匠のすべての図面や、すべての権利者、創作者、意匠分類などの、より詳しい書誌情報が掲載されています。

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6-5.登録意匠検索ツールの検索効率向上

令和元年意匠法改正による保護対象拡充(画像、建築物、内装)に伴い、J-platpatやGraphic Image Parkによる検索効率向上を目的として、日本意匠分類(検索キー)の改正を予定。改正日本意匠分類は、令和元年改正意匠法施行と同時に運用を開始する予定。

画像 建築物 内装

新たな保護対象

日本意匠分類(検索キー)の改正令和元年改正意匠法施行と同時に運用を開始

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6-6.Design View

2013年に本格稼働した、EUIPOが提供する各国の意匠公報情報一括検索サービス2019年8月現在、日・米・欧・中・韓・WIPOを含む64の知財庁・機関が参加。約1460万件の世界各国の登録意匠情報を横断的、効率的に調査することが可能。2019年12月から日本意匠分類に基づく検索機能をリリース予定

<その他の機能>• 37言語に切り替え可能なインターフェース表示• 日本語を含む37言語による物品名検索• 出願から失効までの案件ステータスに基づく検索• ステータス変更を知らせるアラート機能

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7.意匠権活用事例集

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7.意匠制度活用ガイド

意匠制度の概要と活用事例を紹介する「意匠制度活用ガイド」を発行。意匠権に期待される効果に着目し、大企業・中小企業・デザイナー・大学・研究機関等、様々な立場の意匠制度ユーザーの事例を紹介。

本資料についての問い合わせ先

特許庁 審査第一部 意匠課TEL:03-3581-1101(内線2907)