副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 -...

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AFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメント No. 4 東京都港区虎ノ門1-23-1 〒105-6333 資料請求先 処方箋医薬品 注意医師等の処方箋により使用すること 処方箋医薬品 注意医師等の処方箋により使用すること 【警告】 1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な 知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療 開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意 事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。 2. 本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては 咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実 施すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重 に検討すること。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「1. 慎重投与」、「2. 重要な基本的注意」、 「4. 副作用(1)重大な副作用」の項参照) 3. 肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り、死亡 した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全が発現 するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現 に注意すること。 (「2. 重要な基本的注意」、 「4. 副作用(1)重大な副作用」の項参照) 4. 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので、切り換えに際しては、血中濃度を 測定すること。 (〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、 【薬物動態】の項参照) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 1. 本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

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Page 1: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

AFI101056LL00012016年9月作成

皮膚障害副作用マネジメント No 4

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

資料請求先

処方箋医薬品 注意医師等の処方箋により使用すること

処方箋医薬品 注意医師等の処方箋により使用すること

【警告】1 本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること

2 本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1 慎重投与」「2 重要な基本的注意」「4 副作用(1)重大な副作用」の項参照)3 肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2 重要な基本的注意」「4 副作用(1)重大な副作用」の項参照)

4 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1 本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者2 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6 妊婦産婦授乳婦等への投与」の項参照)

2 3アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

適正使用に関するお願い 目 次

アフィニトールreg(以下本剤)は腫瘍の増殖成長及び血管新生の調節因子であるmTORを持続的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する薬剤ですmTOR(mammalian target of rapamycin)哺乳類ラパマイシン標的蛋白質

本邦においては錠5mgが2010年1月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能効果として製造販売が承認され2011年12月に「膵神経内分泌腫瘍」の効能効果が承認されました2012年8月には錠25mgの製造販売が承認され2012年11月に錠25mg5mgにおいて「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」及び「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」2014年3月に「手術不能又は再発乳癌」2016年8月に「神経内分泌腫瘍」の効能効果が承認されましたまた分散錠2mg3mgが2012年12月に「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」を効能効果として製造販売が承認されました

本剤の国内における使用経験は限られておりまたこれまで実施された臨床試験においては間質性肺疾患(間質性肺炎肺臓炎肺浸潤等)感染症等の重大な副作用も報告されていることから使用に際しては十分な注意が必要となります

また皮膚障害は本剤の投与開始初期に多く認められ病変が見えることによる外見的ストレスやかゆみや持続する痛み等の精神的ストレスがかかることで症状によっては本剤による治療の継続が困難となりかねない副作用ですそのため適切な予防的ケアと皮膚症状のコントロールが重要となります

本冊子は本剤の投与による皮膚障害について発現状況及びその対策について解説した副作用マネジメントブックです本剤の適正使用の一助としてお役立ていただけますようお願いいたします

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見 4皮膚障害として高頻度にみられる副作用(1以上) 4臨床所見と患者の主訴 5皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40) 7

Ⅱ 発現状況発現時期 8根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 8神経内分泌腫瘍 12結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 16手術不能又は再発乳癌 20

Ⅲ減量休薬及び治療 24減量休薬基準 24治療方法 25参考 ステロイド薬について 28

Ⅳケースレポート 30ケース① 55歳 男性〈腎細胞癌〉 30ケース② 66歳 男性〈腎細胞癌〉 31

Ⅴ皮膚障害予防のためのセルフケア 32刺激の回避32スキンケア 33かゆみのコントロール 34

4 5アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

皮膚障害として高頻度にみられる副作用(1以上)

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

臨床所見と患者の主訴発疹紅斑症 状皮膚に赤いぶつぶつや斑点が出現します悪化するとびらん(表皮が一部はがれてただれている様子)を生じる場合もあります

皮膚乾燥症 状皮膚の水分が失われかゆみを伴い表面が粉をふいたように白くなりますさらに進行するとひび割れ等を起こします

その他いずれかの臨床試験で1以上に認められた皮膚障害 脱毛症 (EXIST-2試験BOLERO-2試験) 脂漏性皮膚炎(EXIST-2試験) 血管浮腫 (EXIST-2試験) 多汗症 (BOLERO-2試験)

皮膚障害には皮膚自体の病変(発疹そう痒症皮膚乾燥等)の他にも爪の障害脱毛等の毛髪の異常血管浮腫多汗といった症状も含まれます

発現率10以上

発疹(紅斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹) そう痒症

1~10未満

皮膚乾燥 手足症候群 ざ瘡ざ瘡様皮膚炎 爪の障害

アフィニトール錠 製品添付文書 2016年8月改訂(第11版) 「4 副作用」より一部抜粋

頻度不明

白血球破砕性血管炎平坦な紅斑と丘疹が混在最も多くみられるタイプの皮疹でそう痒を伴う

体幹四肢にみられやすくうろこ状の落屑を伴う

斑状丘疹状皮疹

皮膚乾燥

主 訴 ぶつぶつができた 肌がざらざらする 熱感がある 等

主 訴 かさかさする かゆい ちくちくと痛い 等

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

6 7アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

ざ瘡様皮膚炎症 状にきびのようなぶつぶつができます(必ずしも細菌感染は伴いません)頭部顔面前胸部下腹部上背部腕大腿等に好発します鼻孔頭部等毛が生えている部位では特に強い痛みを伴うことがあります

顔面胸部上背部に好発する

ざ瘡様皮膚炎

爪の障害(爪囲炎)症 状爪が変形したり変色したりしますまた爪がもろくなりはがれてしまうこともありますまた爪の周囲に炎症が起こり痛みや腫れの他肉芽が形成されることがあります

爪甲剥離 爪囲炎爪の障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

主 訴 爪が変形している 爪が欠ける 爪がはがれる 指先が痛い 指先に力が入らない ボタンが掛けられない 等

主 訴 ぶつぶつができた にきびができた 等

皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40)CTCAE Ver 40

Term 日本語 Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4

脱毛症 遠くからではわからないが近くで見ると正常よりも明らかな50未満の脱毛脱毛を隠すためにかつらやヘアピースは必要ないが通常と異なる髪形が必要となる

他人にも容易に明らかな50以上の脱毛患者が脱毛を完全に隠したいと望めばかつらやヘアピースが必要社会心理学的な影響を伴う

皮膚乾燥 体表面積の<10を占めるが紅斑やそう痒は伴わない

体表面積の10-30を占め紅斑またはそう痒を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占めそう痒を伴う身の回りの日常生活動作の制限

爪変色 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

爪脱落 症状のない爪の剥離または爪の脱落

爪の剥離または爪の脱落による症状がある身の回り以外の日常生活動作の制限

爪線状隆起 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

手掌足底発赤知覚不全症候群

疼痛を伴わないわずかな皮膚の変化または皮膚炎(例紅斑浮腫角質増殖症)

疼痛を伴う皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回り以外の日常生活動作の制限

疼痛を伴う高度の皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回りの日常生活動作の制限

そう痒症 軽度または限局性局所治療を要する

激しいまたは広範囲間欠性掻破による皮膚の変化(例浮腫丘疹形成擦過苔蘚化滲出痂皮)内服治療を要する身の回り以外の日常生活動作の制限

激しいまたは広範囲常時身の回りの日常生活動作や睡眠の制限経口副腎皮質ステロイドまたは免疫抑制療法を要する

ざ瘡様皮膚炎 体表面積の<10を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない

体表面積の10-30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない社会心理学的な影響を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない身の回りの日常生活動作の制限経口抗菌薬を要する局所の重複感染

紅色丘疹およびまたは膿疱が体表のどの程度の面積を占めるかによらずそう痒や圧痛の有無も問わないが静注抗菌薬を要する広範囲の局所の二次感染を伴う生命を脅かす

斑状丘疹状皮疹 症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体表面積の<10を占める斑状疹丘疹

症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体 表 面 積の10-30を占める斑状疹丘疹身の回り以外の日常生活動作の制限

症状の有無は問わない体表面積の>30を占める斑状疹丘疹身の回りの日常生活動作の制限

有害事象共通用語規準v40日本語訳JCOG版[JCOG Webサイト httpwwwjcogjp]

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

臨床試験の副作用の重症度評価はNCI(National Cancer Institute)のCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)Ver 30(RADIANT-4試験はVer 40)のグレード分類に準じています

JCOG Webサイト httpwwwjcogjpdoctortoolindex3html

8 9アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RECORD-1試験全症例(n=274日本人n=15を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 77(281) 3(11)

皮膚乾燥 33(120) 1(04)そう痒症 32(117) 1(04)

国内症例(n=15) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 10(667) 0

爪の障害 4(267) 0そう痒症 2(133) 0ざ 瘡 1(67) 0

皮膚乾燥 1(67) 0湿 疹 1(67) 0

毛髪成長異常 1(67) 0過角化 1(67) 0爪破損 1(67) 0

皮膚病変 1(67) 0蕁麻疹 1(67) 0

進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 23(434) 0そう痒症 10(189) 0

発現状況腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では副作用と

して5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

進行性胃癌は国内未承認

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

()50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-0

380(104例)

434(23例)

99(27例)

340(18例)

40(11例)19

(1例)15(4例)

33(9例)19

(1例)

(日)発現日

RECORD-1試験[腎細胞癌](n=274日本人n=15を含む)第Ⅱ相国内臨床試験[進行性胃癌](n=53)

1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56(日)

()181614121086420

発現率

発現日

投与後1-56日の詳細

69(19例)

94(5例)

164(45例)113

(6例) 99(27例)

57(3例) 47

(13例)

170(9例)

51(14例)

75(4例)

26(7例)

113(6例) 94

(5例)

11(3例)

11(3例)

57(3例)

RECORD-1試験の国内症例(n=15)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-

発現率(例)

867(13例)

67(1例) 0 0 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56発現率(例)

200(3例)

467(7例)

133(2例)

67(1例)

67(1例) 0 0 0

アフィニトールの安全性の評価について本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能効果について日本人を含む第Ⅲ相国際共同

臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました安全性については日本人の情報を補完する目的でアフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の成績も加えて安全性プロファイルを検討しました

RECORD-1試験 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 2: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

2 3アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

適正使用に関するお願い 目 次

アフィニトールreg(以下本剤)は腫瘍の増殖成長及び血管新生の調節因子であるmTORを持続的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する薬剤ですmTOR(mammalian target of rapamycin)哺乳類ラパマイシン標的蛋白質

本邦においては錠5mgが2010年1月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能効果として製造販売が承認され2011年12月に「膵神経内分泌腫瘍」の効能効果が承認されました2012年8月には錠25mgの製造販売が承認され2012年11月に錠25mg5mgにおいて「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」及び「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」2014年3月に「手術不能又は再発乳癌」2016年8月に「神経内分泌腫瘍」の効能効果が承認されましたまた分散錠2mg3mgが2012年12月に「結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫」を効能効果として製造販売が承認されました

本剤の国内における使用経験は限られておりまたこれまで実施された臨床試験においては間質性肺疾患(間質性肺炎肺臓炎肺浸潤等)感染症等の重大な副作用も報告されていることから使用に際しては十分な注意が必要となります

また皮膚障害は本剤の投与開始初期に多く認められ病変が見えることによる外見的ストレスやかゆみや持続する痛み等の精神的ストレスがかかることで症状によっては本剤による治療の継続が困難となりかねない副作用ですそのため適切な予防的ケアと皮膚症状のコントロールが重要となります

本冊子は本剤の投与による皮膚障害について発現状況及びその対策について解説した副作用マネジメントブックです本剤の適正使用の一助としてお役立ていただけますようお願いいたします

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見 4皮膚障害として高頻度にみられる副作用(1以上) 4臨床所見と患者の主訴 5皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40) 7

Ⅱ 発現状況発現時期 8根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 8神経内分泌腫瘍 12結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 16手術不能又は再発乳癌 20

Ⅲ減量休薬及び治療 24減量休薬基準 24治療方法 25参考 ステロイド薬について 28

Ⅳケースレポート 30ケース① 55歳 男性〈腎細胞癌〉 30ケース② 66歳 男性〈腎細胞癌〉 31

Ⅴ皮膚障害予防のためのセルフケア 32刺激の回避32スキンケア 33かゆみのコントロール 34

4 5アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

皮膚障害として高頻度にみられる副作用(1以上)

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

臨床所見と患者の主訴発疹紅斑症 状皮膚に赤いぶつぶつや斑点が出現します悪化するとびらん(表皮が一部はがれてただれている様子)を生じる場合もあります

皮膚乾燥症 状皮膚の水分が失われかゆみを伴い表面が粉をふいたように白くなりますさらに進行するとひび割れ等を起こします

その他いずれかの臨床試験で1以上に認められた皮膚障害 脱毛症 (EXIST-2試験BOLERO-2試験) 脂漏性皮膚炎(EXIST-2試験) 血管浮腫 (EXIST-2試験) 多汗症 (BOLERO-2試験)

皮膚障害には皮膚自体の病変(発疹そう痒症皮膚乾燥等)の他にも爪の障害脱毛等の毛髪の異常血管浮腫多汗といった症状も含まれます

発現率10以上

発疹(紅斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹) そう痒症

1~10未満

皮膚乾燥 手足症候群 ざ瘡ざ瘡様皮膚炎 爪の障害

アフィニトール錠 製品添付文書 2016年8月改訂(第11版) 「4 副作用」より一部抜粋

頻度不明

白血球破砕性血管炎平坦な紅斑と丘疹が混在最も多くみられるタイプの皮疹でそう痒を伴う

体幹四肢にみられやすくうろこ状の落屑を伴う

斑状丘疹状皮疹

皮膚乾燥

主 訴 ぶつぶつができた 肌がざらざらする 熱感がある 等

主 訴 かさかさする かゆい ちくちくと痛い 等

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

6 7アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

ざ瘡様皮膚炎症 状にきびのようなぶつぶつができます(必ずしも細菌感染は伴いません)頭部顔面前胸部下腹部上背部腕大腿等に好発します鼻孔頭部等毛が生えている部位では特に強い痛みを伴うことがあります

顔面胸部上背部に好発する

ざ瘡様皮膚炎

爪の障害(爪囲炎)症 状爪が変形したり変色したりしますまた爪がもろくなりはがれてしまうこともありますまた爪の周囲に炎症が起こり痛みや腫れの他肉芽が形成されることがあります

爪甲剥離 爪囲炎爪の障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

主 訴 爪が変形している 爪が欠ける 爪がはがれる 指先が痛い 指先に力が入らない ボタンが掛けられない 等

主 訴 ぶつぶつができた にきびができた 等

皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40)CTCAE Ver 40

Term 日本語 Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4

脱毛症 遠くからではわからないが近くで見ると正常よりも明らかな50未満の脱毛脱毛を隠すためにかつらやヘアピースは必要ないが通常と異なる髪形が必要となる

他人にも容易に明らかな50以上の脱毛患者が脱毛を完全に隠したいと望めばかつらやヘアピースが必要社会心理学的な影響を伴う

皮膚乾燥 体表面積の<10を占めるが紅斑やそう痒は伴わない

体表面積の10-30を占め紅斑またはそう痒を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占めそう痒を伴う身の回りの日常生活動作の制限

爪変色 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

爪脱落 症状のない爪の剥離または爪の脱落

爪の剥離または爪の脱落による症状がある身の回り以外の日常生活動作の制限

爪線状隆起 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

手掌足底発赤知覚不全症候群

疼痛を伴わないわずかな皮膚の変化または皮膚炎(例紅斑浮腫角質増殖症)

疼痛を伴う皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回り以外の日常生活動作の制限

疼痛を伴う高度の皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回りの日常生活動作の制限

そう痒症 軽度または限局性局所治療を要する

激しいまたは広範囲間欠性掻破による皮膚の変化(例浮腫丘疹形成擦過苔蘚化滲出痂皮)内服治療を要する身の回り以外の日常生活動作の制限

激しいまたは広範囲常時身の回りの日常生活動作や睡眠の制限経口副腎皮質ステロイドまたは免疫抑制療法を要する

ざ瘡様皮膚炎 体表面積の<10を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない

体表面積の10-30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない社会心理学的な影響を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない身の回りの日常生活動作の制限経口抗菌薬を要する局所の重複感染

紅色丘疹およびまたは膿疱が体表のどの程度の面積を占めるかによらずそう痒や圧痛の有無も問わないが静注抗菌薬を要する広範囲の局所の二次感染を伴う生命を脅かす

斑状丘疹状皮疹 症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体表面積の<10を占める斑状疹丘疹

症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体 表 面 積の10-30を占める斑状疹丘疹身の回り以外の日常生活動作の制限

症状の有無は問わない体表面積の>30を占める斑状疹丘疹身の回りの日常生活動作の制限

有害事象共通用語規準v40日本語訳JCOG版[JCOG Webサイト httpwwwjcogjp]

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

臨床試験の副作用の重症度評価はNCI(National Cancer Institute)のCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)Ver 30(RADIANT-4試験はVer 40)のグレード分類に準じています

JCOG Webサイト httpwwwjcogjpdoctortoolindex3html

8 9アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RECORD-1試験全症例(n=274日本人n=15を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 77(281) 3(11)

皮膚乾燥 33(120) 1(04)そう痒症 32(117) 1(04)

国内症例(n=15) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 10(667) 0

爪の障害 4(267) 0そう痒症 2(133) 0ざ 瘡 1(67) 0

皮膚乾燥 1(67) 0湿 疹 1(67) 0

毛髪成長異常 1(67) 0過角化 1(67) 0爪破損 1(67) 0

皮膚病変 1(67) 0蕁麻疹 1(67) 0

進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 23(434) 0そう痒症 10(189) 0

発現状況腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では副作用と

して5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

進行性胃癌は国内未承認

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

()50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-0

380(104例)

434(23例)

99(27例)

340(18例)

40(11例)19

(1例)15(4例)

33(9例)19

(1例)

(日)発現日

RECORD-1試験[腎細胞癌](n=274日本人n=15を含む)第Ⅱ相国内臨床試験[進行性胃癌](n=53)

1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56(日)

()181614121086420

発現率

発現日

投与後1-56日の詳細

69(19例)

94(5例)

164(45例)113

(6例) 99(27例)

57(3例) 47

(13例)

170(9例)

51(14例)

75(4例)

26(7例)

113(6例) 94

(5例)

11(3例)

11(3例)

57(3例)

RECORD-1試験の国内症例(n=15)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-

発現率(例)

867(13例)

67(1例) 0 0 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56発現率(例)

200(3例)

467(7例)

133(2例)

67(1例)

67(1例) 0 0 0

アフィニトールの安全性の評価について本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能効果について日本人を含む第Ⅲ相国際共同

臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました安全性については日本人の情報を補完する目的でアフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の成績も加えて安全性プロファイルを検討しました

RECORD-1試験 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 3: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

4 5アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

皮膚障害として高頻度にみられる副作用(1以上)

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

臨床所見と患者の主訴発疹紅斑症 状皮膚に赤いぶつぶつや斑点が出現します悪化するとびらん(表皮が一部はがれてただれている様子)を生じる場合もあります

皮膚乾燥症 状皮膚の水分が失われかゆみを伴い表面が粉をふいたように白くなりますさらに進行するとひび割れ等を起こします

その他いずれかの臨床試験で1以上に認められた皮膚障害 脱毛症 (EXIST-2試験BOLERO-2試験) 脂漏性皮膚炎(EXIST-2試験) 血管浮腫 (EXIST-2試験) 多汗症 (BOLERO-2試験)

皮膚障害には皮膚自体の病変(発疹そう痒症皮膚乾燥等)の他にも爪の障害脱毛等の毛髪の異常血管浮腫多汗といった症状も含まれます

発現率10以上

発疹(紅斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹) そう痒症

1~10未満

皮膚乾燥 手足症候群 ざ瘡ざ瘡様皮膚炎 爪の障害

アフィニトール錠 製品添付文書 2016年8月改訂(第11版) 「4 副作用」より一部抜粋

頻度不明

白血球破砕性血管炎平坦な紅斑と丘疹が混在最も多くみられるタイプの皮疹でそう痒を伴う

体幹四肢にみられやすくうろこ状の落屑を伴う

斑状丘疹状皮疹

皮膚乾燥

主 訴 ぶつぶつができた 肌がざらざらする 熱感がある 等

主 訴 かさかさする かゆい ちくちくと痛い 等

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

6 7アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

ざ瘡様皮膚炎症 状にきびのようなぶつぶつができます(必ずしも細菌感染は伴いません)頭部顔面前胸部下腹部上背部腕大腿等に好発します鼻孔頭部等毛が生えている部位では特に強い痛みを伴うことがあります

顔面胸部上背部に好発する

ざ瘡様皮膚炎

爪の障害(爪囲炎)症 状爪が変形したり変色したりしますまた爪がもろくなりはがれてしまうこともありますまた爪の周囲に炎症が起こり痛みや腫れの他肉芽が形成されることがあります

爪甲剥離 爪囲炎爪の障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

主 訴 爪が変形している 爪が欠ける 爪がはがれる 指先が痛い 指先に力が入らない ボタンが掛けられない 等

主 訴 ぶつぶつができた にきびができた 等

皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40)CTCAE Ver 40

Term 日本語 Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4

脱毛症 遠くからではわからないが近くで見ると正常よりも明らかな50未満の脱毛脱毛を隠すためにかつらやヘアピースは必要ないが通常と異なる髪形が必要となる

他人にも容易に明らかな50以上の脱毛患者が脱毛を完全に隠したいと望めばかつらやヘアピースが必要社会心理学的な影響を伴う

皮膚乾燥 体表面積の<10を占めるが紅斑やそう痒は伴わない

体表面積の10-30を占め紅斑またはそう痒を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占めそう痒を伴う身の回りの日常生活動作の制限

爪変色 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

爪脱落 症状のない爪の剥離または爪の脱落

爪の剥離または爪の脱落による症状がある身の回り以外の日常生活動作の制限

爪線状隆起 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

手掌足底発赤知覚不全症候群

疼痛を伴わないわずかな皮膚の変化または皮膚炎(例紅斑浮腫角質増殖症)

疼痛を伴う皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回り以外の日常生活動作の制限

疼痛を伴う高度の皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回りの日常生活動作の制限

そう痒症 軽度または限局性局所治療を要する

激しいまたは広範囲間欠性掻破による皮膚の変化(例浮腫丘疹形成擦過苔蘚化滲出痂皮)内服治療を要する身の回り以外の日常生活動作の制限

激しいまたは広範囲常時身の回りの日常生活動作や睡眠の制限経口副腎皮質ステロイドまたは免疫抑制療法を要する

ざ瘡様皮膚炎 体表面積の<10を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない

体表面積の10-30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない社会心理学的な影響を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない身の回りの日常生活動作の制限経口抗菌薬を要する局所の重複感染

紅色丘疹およびまたは膿疱が体表のどの程度の面積を占めるかによらずそう痒や圧痛の有無も問わないが静注抗菌薬を要する広範囲の局所の二次感染を伴う生命を脅かす

斑状丘疹状皮疹 症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体表面積の<10を占める斑状疹丘疹

症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体 表 面 積の10-30を占める斑状疹丘疹身の回り以外の日常生活動作の制限

症状の有無は問わない体表面積の>30を占める斑状疹丘疹身の回りの日常生活動作の制限

有害事象共通用語規準v40日本語訳JCOG版[JCOG Webサイト httpwwwjcogjp]

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

臨床試験の副作用の重症度評価はNCI(National Cancer Institute)のCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)Ver 30(RADIANT-4試験はVer 40)のグレード分類に準じています

JCOG Webサイト httpwwwjcogjpdoctortoolindex3html

8 9アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RECORD-1試験全症例(n=274日本人n=15を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 77(281) 3(11)

皮膚乾燥 33(120) 1(04)そう痒症 32(117) 1(04)

国内症例(n=15) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 10(667) 0

爪の障害 4(267) 0そう痒症 2(133) 0ざ 瘡 1(67) 0

皮膚乾燥 1(67) 0湿 疹 1(67) 0

毛髪成長異常 1(67) 0過角化 1(67) 0爪破損 1(67) 0

皮膚病変 1(67) 0蕁麻疹 1(67) 0

進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 23(434) 0そう痒症 10(189) 0

発現状況腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では副作用と

して5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

進行性胃癌は国内未承認

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

()50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-0

380(104例)

434(23例)

99(27例)

340(18例)

40(11例)19

(1例)15(4例)

33(9例)19

(1例)

(日)発現日

RECORD-1試験[腎細胞癌](n=274日本人n=15を含む)第Ⅱ相国内臨床試験[進行性胃癌](n=53)

1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56(日)

()181614121086420

発現率

発現日

投与後1-56日の詳細

69(19例)

94(5例)

164(45例)113

(6例) 99(27例)

57(3例) 47

(13例)

170(9例)

51(14例)

75(4例)

26(7例)

113(6例) 94

(5例)

11(3例)

11(3例)

57(3例)

RECORD-1試験の国内症例(n=15)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-

発現率(例)

867(13例)

67(1例) 0 0 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56発現率(例)

200(3例)

467(7例)

133(2例)

67(1例)

67(1例) 0 0 0

アフィニトールの安全性の評価について本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能効果について日本人を含む第Ⅲ相国際共同

臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました安全性については日本人の情報を補完する目的でアフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の成績も加えて安全性プロファイルを検討しました

RECORD-1試験 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 4: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

6 7アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

ざ瘡様皮膚炎症 状にきびのようなぶつぶつができます(必ずしも細菌感染は伴いません)頭部顔面前胸部下腹部上背部腕大腿等に好発します鼻孔頭部等毛が生えている部位では特に強い痛みを伴うことがあります

顔面胸部上背部に好発する

ざ瘡様皮膚炎

爪の障害(爪囲炎)症 状爪が変形したり変色したりしますまた爪がもろくなりはがれてしまうこともありますまた爪の周囲に炎症が起こり痛みや腫れの他肉芽が形成されることがあります

爪甲剥離 爪囲炎爪の障害

Ⅰ 皮膚障害の臨床所見

主 訴 爪が変形している 爪が欠ける 爪がはがれる 指先が痛い 指先に力が入らない ボタンが掛けられない 等

主 訴 ぶつぶつができた にきびができた 等

皮膚障害のグレード分類(CTCAE Ver 40)CTCAE Ver 40

Term 日本語 Grade 1 Grade 2 Grade 3 Grade 4

脱毛症 遠くからではわからないが近くで見ると正常よりも明らかな50未満の脱毛脱毛を隠すためにかつらやヘアピースは必要ないが通常と異なる髪形が必要となる

他人にも容易に明らかな50以上の脱毛患者が脱毛を完全に隠したいと望めばかつらやヘアピースが必要社会心理学的な影響を伴う

皮膚乾燥 体表面積の<10を占めるが紅斑やそう痒は伴わない

体表面積の10-30を占め紅斑またはそう痒を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占めそう痒を伴う身の回りの日常生活動作の制限

爪変色 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

爪脱落 症状のない爪の剥離または爪の脱落

爪の剥離または爪の脱落による症状がある身の回り以外の日常生活動作の制限

爪線状隆起 症状がない臨床所見または検査所見のみ治療を要さない

手掌足底発赤知覚不全症候群

疼痛を伴わないわずかな皮膚の変化または皮膚炎(例紅斑浮腫角質増殖症)

疼痛を伴う皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回り以外の日常生活動作の制限

疼痛を伴う高度の皮膚の変化(例角層剥離水疱出血浮腫角質増殖症)身の回りの日常生活動作の制限

そう痒症 軽度または限局性局所治療を要する

激しいまたは広範囲間欠性掻破による皮膚の変化(例浮腫丘疹形成擦過苔蘚化滲出痂皮)内服治療を要する身の回り以外の日常生活動作の制限

激しいまたは広範囲常時身の回りの日常生活動作や睡眠の制限経口副腎皮質ステロイドまたは免疫抑制療法を要する

ざ瘡様皮膚炎 体表面積の<10を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない

体表面積の10-30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない社会心理学的な影響を伴う身の回り以外の日常生活動作の制限

体表面積の>30を占める紅色丘疹およびまたは膿疱でそう痒や圧痛の有無は問わない身の回りの日常生活動作の制限経口抗菌薬を要する局所の重複感染

紅色丘疹およびまたは膿疱が体表のどの程度の面積を占めるかによらずそう痒や圧痛の有無も問わないが静注抗菌薬を要する広範囲の局所の二次感染を伴う生命を脅かす

斑状丘疹状皮疹 症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体表面積の<10を占める斑状疹丘疹

症状(例そう痒熱感ひきつれ)の有無は問わない体 表 面 積の10-30を占める斑状疹丘疹身の回り以外の日常生活動作の制限

症状の有無は問わない体表面積の>30を占める斑状疹丘疹身の回りの日常生活動作の制限

有害事象共通用語規準v40日本語訳JCOG版[JCOG Webサイト httpwwwjcogjp]

この症例写真はアフィニトールregによる皮膚障害の写真ではありません

臨床試験の副作用の重症度評価はNCI(National Cancer Institute)のCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)Ver 30(RADIANT-4試験はVer 40)のグレード分類に準じています

JCOG Webサイト httpwwwjcogjpdoctortoolindex3html

8 9アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RECORD-1試験全症例(n=274日本人n=15を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 77(281) 3(11)

皮膚乾燥 33(120) 1(04)そう痒症 32(117) 1(04)

国内症例(n=15) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 10(667) 0

爪の障害 4(267) 0そう痒症 2(133) 0ざ 瘡 1(67) 0

皮膚乾燥 1(67) 0湿 疹 1(67) 0

毛髪成長異常 1(67) 0過角化 1(67) 0爪破損 1(67) 0

皮膚病変 1(67) 0蕁麻疹 1(67) 0

進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 23(434) 0そう痒症 10(189) 0

発現状況腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では副作用と

して5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

進行性胃癌は国内未承認

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

()50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-0

380(104例)

434(23例)

99(27例)

340(18例)

40(11例)19

(1例)15(4例)

33(9例)19

(1例)

(日)発現日

RECORD-1試験[腎細胞癌](n=274日本人n=15を含む)第Ⅱ相国内臨床試験[進行性胃癌](n=53)

1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56(日)

()181614121086420

発現率

発現日

投与後1-56日の詳細

69(19例)

94(5例)

164(45例)113

(6例) 99(27例)

57(3例) 47

(13例)

170(9例)

51(14例)

75(4例)

26(7例)

113(6例) 94

(5例)

11(3例)

11(3例)

57(3例)

RECORD-1試験の国内症例(n=15)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-

発現率(例)

867(13例)

67(1例) 0 0 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56発現率(例)

200(3例)

467(7例)

133(2例)

67(1例)

67(1例) 0 0 0

アフィニトールの安全性の評価について本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能効果について日本人を含む第Ⅲ相国際共同

臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました安全性については日本人の情報を補完する目的でアフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の成績も加えて安全性プロファイルを検討しました

RECORD-1試験 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 5: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

8 9アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RECORD-1試験全症例(n=274日本人n=15を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 77(281) 3(11)

皮膚乾燥 33(120) 1(04)そう痒症 32(117) 1(04)

国内症例(n=15) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 10(667) 0

爪の障害 4(267) 0そう痒症 2(133) 0ざ 瘡 1(67) 0

皮膚乾燥 1(67) 0湿 疹 1(67) 0

毛髪成長異常 1(67) 0過角化 1(67) 0爪破損 1(67) 0

皮膚病変 1(67) 0蕁麻疹 1(67) 0

進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験(n=53) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 23(434) 0そう痒症 10(189) 0

発現状況腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)では副作用と

して5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

進行性胃癌は国内未承認

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

()50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-0

380(104例)

434(23例)

99(27例)

340(18例)

40(11例)19

(1例)15(4例)

33(9例)19

(1例)

(日)発現日

RECORD-1試験[腎細胞癌](n=274日本人n=15を含む)第Ⅱ相国内臨床試験[進行性胃癌](n=53)

1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56(日)

()181614121086420

発現率

発現日

投与後1-56日の詳細

69(19例)

94(5例)

164(45例)113

(6例) 99(27例)

57(3例) 47

(13例)

170(9例)

51(14例)

75(4例)

26(7例)

113(6例) 94

(5例)

11(3例)

11(3例)

57(3例)

RECORD-1試験の国内症例(n=15)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-

発現率(例)

867(13例)

67(1例) 0 0 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28 29-35 36-42 43-49 50-56発現率(例)

200(3例)

467(7例)

133(2例)

67(1例)

67(1例) 0 0 0

アフィニトールの安全性の評価について本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能効果について日本人を含む第Ⅲ相国際共同

臨床試験(RECORD-1試験)をもとに承認されました安全性については日本人の情報を補完する目的でアフィニトールを日本人進行性胃癌患者(国内未承認)に10mg日投与した第Ⅱ相国内臨床試験の成績も加えて安全性プロファイルを検討しました

RECORD-1試験 進行性胃癌対象国内第Ⅱ相臨床試験

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌(2015年11月作成)

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 6: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

10 11アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール+至適支持療法(n=277)

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤前治療で進行した転移性の腎細胞癌患者 

416例層別化スニチニブ又はソラフェニブ前治療1種類又は2種類MSKCCリスク分類低リスク中リスク高リスク

ランダム化

21

二重盲検期1

2006年12月投与開始

2008年2月試験中止4

非盲検期2

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクル28日とした

2 2008 年 2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした

3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008 年 2月試験中止となった

2007年10月第2回中間解析3

プラセボ+至適支持療法(n=139)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

RECORD-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

腎細胞癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RECORD-1試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2240試験(承認時評価資料)〔CERU00028〕Motzer R J et al Lancet 372(9637) 449 2008〔CERM00841〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】 多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアカナダアメリカフランスドイツイタリアポーランドスペインオランダの世界

10ヵ国

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が認められるまで死亡又はその他の理由で中止するまで継続し1サイクルを28日とした2 2008年2月試験中止時までにプラセボ群に割り付けられた139例のうち109例(78)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 2007年10月データカットオフ時点での有効性を評価した4 独立データモニタリング委員会の勧告により2008年2月試験中止となった

【目    的】 至適支持療法(BSC)の併用下でアフィニトールを投与した患者の無増悪生存期間(PFS)をBSCの併用下でプラセボを投与した患者と比較する

【対  象】 VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFr-TKIスニチニブ又はソラフェニブ)による前治療で進行した転移性の腎細胞癌(mRCC)患者416例

【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効割合QOL(腎癌症状機能)安全性 等ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 群間比較はPFSOSではMSKCCリスク分類を層化調整因子とする層別片側ログランク検定を奏効割合では層別exact Cochran-Mantel-Haenszel法を用いたなおOS奏効割合ではgate keeping testing procedureにより全体の有意水準が0025(片側)となるように多重性を調整した奏効割合の評価に際して個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したまたサブグループ解析としてMSKCCリスクグループによるPFSの解析VEGFr-TKI1剤または2剤の投与歴を有するmRCC患者におけるPFS安全性及び日本人におけるPFS安全性の解析が事前に規定されていた

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 7: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

12 13アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

RADIANT-3試験 全症例(n=204日本人n=23を含む)RADIANT-3試験 国内症例(n=23)RADIANT-4試験 全症例(n=202日本人n=7を含む)RADIANT-4試験 国内症例(n=7)

()60

55

50

45

40

35

30

25

20

15

10

5

0

発現率

1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365- (日)発現日

127(26例)

371(75例)

109(22例)

29(6例)

25(5例)

20(4例)

20(4例)

40(8例)

54(11例) 15

(3例)15(3例)

10(2例)0 0

05(1例)

490(100例)

12例

6例 3例1例 1例

2例2例

投与後1-28日の詳細

1-7

()

8-14 15-21 22-28 (日)

30

25

20

15

10

5

0

発現率

発現日

78(16例)

89(18例)

144(29例)

84(17例) 54

(11例)

216(44例)

127(26例)

69(14例)

9例

1例1例4例3例

神経内分泌腫瘍

RADIANT-3試験全症例(n=204日本人n=23を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 99(485) 1(05)そう痒症 30(147) 0爪の障害 26(127) 1(05)皮膚乾燥 21(103) 0ざ 瘡 13(64) 0

国内症例(n=23) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 20(870) 0

爪の障害 12(522) 0そう痒症 4(174) 0点状出血 2(87) 0

色素沈着障害 2(87) 0

RADIANT-4試験全症例(n=202日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 55(272) 1(05)そう痒症 26(129) 1(05)

ざ瘡様皮膚炎 19(94) 0皮膚乾燥 15(74) 0爪の障害 11(54) 0

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34発疹 3(429) 0

ざ瘡様皮膚炎 3(429) 0爪の障害 3(429) 0

斑状丘疹状皮疹 2(286) 0そう痒症 1(143) 0皮膚乾燥 1(143) 0ざ瘡 1(143) 0紅斑 1(143) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(143) 0皮膚炎 1(143) 0

爪甲脱落症 1(143) 0皮膚びらん 1(143) 0

発現状況膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)では副作用として5以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-3試験の国内症例(n=23)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

522(12例)

130(3例)

43(1例)

43(1例)

87(2例)

87(2例) 0 0

RADIANT-4試験の国内症例(n=7)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-196 197-280 281-364 365-

発現率(例)

857(6例) 0 0 0 0 0 0 0

RADIANT-3試験 国内症例(n=23)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例) 0 391

(9例)130(3例) 0

RADIANT-4試験 国内症例(n=7)発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28

発現率(例)

143(1例)

143(1例)

571(4例) 0

RADIANT-3試験RADIANT-4試験

アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)アフィニトール適正使用ガイド 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 8: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

14 15アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

RADIANT-4試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

RADIANT-3試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

アフィニトール+至適支持療法(n=205)進行消化管肺非機能性

神経内分泌腫瘍患者302例

層別化原発腫瘍部位A層(虫垂盲腸空腸回腸十二指腸及び原発巣不明の癌)又は B層(肺胃直腸及び盲腸以外の結腸)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO performance status(PS)0又は1

盲検期

2012年4月試験開始

2014年11月主要解析

プラセボ+至適支持療法(n=97)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

ランダム化

21

アフィニトール+至適支持療法3

(n=207)進行膵神経内分泌腫瘍患者

410例層別化化学療法による前治療の有無WHO performance status(PS)0又は12

ランダム化

11

盲検期1

2007年8月試験開始

2010年2月最終解析

非盲検期2

中間解析4

プラセボ+至適支持療法3

(n=203)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉PDが確認された症例には非盲検下にてアフィニトール

を投与

(2) 消化管又は肺神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-4試験)の概要

国際共同臨床試験の結果 T2302試験(承認時評価資料)Yao J C et al Lancet 387(10022) 968 2016〔20160605〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストリアベルギーカナダ中国コロンビアロシアチェコドイツギリシャハンガリー韓国

スロバキアレバノンオランダイタリアサウジアラビアスペインポーランド南アフリカイギリス台湾タイ米国トルコの世界25ヵ国

(1) 膵神経内分泌腫瘍対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(RADIANT-3試験)の概要社内資料国際共同臨床試験の結果 2324試験(承認時評価資料)〔CERU00055〕Yao J C et al N Engl J Med 364(6) 514 2011〔CERM01678〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本ベルギーブラジルカナダフランスドイツギリシャイタリア韓国オランダスロバキア

スペインスウェーデンスイス台湾タイイギリスアメリカの世界18ヵ国

投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした

【目    的】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型の切除不能又は転移性の神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 カルチノイド症候群の既往歴及びカルチノイド症候群に関連する内分泌症状がない消化管又は肺を原発部位とする高分化型(低~中悪性度)の進行神経内分泌腫瘍患者302例

【方  法】 アフィニトール群はBSC併用下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した

【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS独立中央画像評価機関判定)副次評価項目 全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合病勢制御割合腫瘍縮小割合)安全性

ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較は原発部位(A層 vs B層)ソマトスタチンアナログによる前治療の有無WHO PS(0 vs 1)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSの解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合にのみ行い最大2回の中間解析が計画された初回中間解析は主要評価項目が統計学的に有意であった場合に行い2回目の中間解析は最終解析に必要なイベント数の約50が発生した時点で行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

1 投与期間は固定せずRECISTでPDを確認するまで許容できない毒性が発現するまで死亡又はその他の理由で中止するまで連日投与を継続し1サイクルを28日とした2 2010年2月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた203例のうち148例(729)の症例が病勢進行のためアフィニトール群にクロスオーバーした3 至適支持療法としてサンドスタチンLAR又は他の持続性ソマトスタチンアナログ製剤の併用も認められていた4 中間解析と最終解析の間隔が短くなることが想定されたため中間解析は実施されなかった

【目    的】 進行膵神経内分泌腫瘍患者を対象に至適支持療法(BSC)併用下でアフィニトールを投与するとBSC併用下でプラセボを投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 進行膵神経内分泌腫瘍患者410例【方  法】 アフィニトール群はBSC下でアフィニトール10mgを1日1回空腹時もしくは食後のいずれか同一条件で連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目全生存期間(OS)抗腫瘍効果(奏効割合腫瘍縮小割合)安全性ランダム割り付け日からRECISTに基づく効果判定でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)までの期間

【解 析 計 画】 PFSOSはKaplan-Meier曲線で示し2群間の比較に化学療法による前治療の有無及びWHO PS(0 VS 12)を層別因子とした層別片側ログランク検定を有意水準25として行ったHazard ratioは層別Cox比例ハザードモデルを用いて算出したOSは主要評価項目が統計学的に有意であった場合に中間解析を行い250件のイベントが発生した時点で最終解析を行うPFSOSは層別因子別並びにベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行った奏効割合の評価の際個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小割合を算出したPFSOS奏効割合については日本人での解析を行った

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 9: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

16 17アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

発現状況結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験(EXIST-1試験)では副作用として2例以上の発現又はグレード34が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

EXIST-2試験全症例(n=79日本人n=7を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34ざ瘡 12(152) 0

ざ瘡様皮膚炎 6(76) 0皮膚乾燥 6(76) 0

丘疹 4(51) 0そう痒症 3(38) 0脱毛症 2(25) 0湿疹 2(25) 0紅斑 2(25) 0

紅斑性皮疹 2(25) 0脂漏性皮膚炎 2(25) 0

皮膚潰瘍 2(25) 0血管浮腫 1(13) 1(13)

国内症例(n=7) 例数()

副作用 全グレード グレード34皮膚乾燥 4(571) 0

丘疹 4(571) 0冷汗 1(143) 0

ざ瘡様皮膚炎 1(143) 0

EXIST-1試験(n=78) 例数()副作用 全グレード グレード34発疹 3(38) 0

斑状丘疹状皮疹 2(26) 0

本剤の効能効果は「結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫」であり孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認である

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 結節性硬化症(2015年11月作成)

アフィニトール110mg 日(n=79日本人 7 例を含む)

結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(腎AML)患者2

118例層別化基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時に酵素誘導作用性の抗てんかん薬(EIAED)を使用している患者基礎疾患が結節性硬化症でありランダム化時にEIAEDを使用していない患者基礎疾患が孤発性 LAMである患者

ランダム化

21

盲検期3

2009年4月試験開始

2011年6月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39日本人 3 例を含む)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉腎AMLの進行が認められた症例は

非盲検下にてアフィニトールを投与

(1) 結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う 腎血管筋脂肪腫対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(EXIST-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 M2302試験(承認時評価資料)〔CERU00063〕Bissler J J et al Lancet 381(9869) 817 2013〔CERF00079〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本米国カナダフランスドイツイタリアオランダロシアポーランドスペインイギリスの世界

11ヵ国

1 本試験ではアフィニトール錠5mgを使用した2 孤発性脈管筋脂肪腫に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認3 投与期間を固定せず中央画像判定にて腎AMLの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年6月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した9例中7例が非盲検期に移行した

【目    的】 腎血管筋脂肪腫(腎AML)に対するアフィニトールの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 18歳以上の結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に伴う腎AML患者118例【方  法】 対象をアフィニトール群とプラセボ群に21の割合でランダムに割り付けし各々にアフィニトール10mg又はプラセボを1日1回

連日経口投与しCTMRIによる腎AML病変のサイズ病気の進行皮膚病変の変化等について評価した【評 価 項目】主要評価項目 腎AMLに対する奏効割合(中央画像判定)

副次評価項目 腎AML進行までの期間皮膚病変に対する奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でアフィニトールを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとした腎AMLに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較した腎AML進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し修正層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析として標的腎AML病変の体積和のベースライン時からの変化を投与群及び評価時点ごとに要約した

EXIST-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 10: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

18 19アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

EXIST-1試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

エベロリムス1(n=78)開始用量45mgm2日2

トラフ濃度5~15ngmLを目標に投与量を調節結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)患者

117例層別化ランダム化時における抗てんかん薬(EIAED)の使用の有無

ランダム化

21

盲検期3

2009年8月試験開始

2011年3月最終解析

非盲検期4

プラセボ(n=39)

〈エベロリムス群〉

〈プラセボ群〉SEGAの進行が認められた症例は

非盲検下にてエベロリムスを投与

(2) 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫対象第Ⅲ相海外臨床試験 (EXIST-1試験)の概要 〈海外データ〉

社内資料海外臨床試験の結果 M2301試験(承認時評価資料)〔CERU00064〕Franz D N et al Lancet 381(9861) 125 2013〔CERF00078〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 米国オーストラリアベルギーカナダドイツイタリアオランダポーランドロシアイギリスの世界

10ヵ国

1 本試験では臨床試験錠1mgを使用した臨床試験錠1mgと本剤(5mg25mg)の間で生物学的同等性は確認されていない2 アフィニトール錠の承認用量は30mgm2であるEXIST-1試験の開始用量は国内で承認された用法用量とは異なる3 投与期間を固定せず中央画像判定にてSEGAの進行が認められるまで又はその他の理由による中止まで継続した4 2011年3月の最終解析時までにプラセボ群に割り付けられた39例のうち病勢進行により盲検投与期間を中止した6例中5例が非盲検期に移行した

【目    的】 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対するエベロリムスの奏効割合をプラセボと比較する【対  象】 結節性硬化症で最長径10cm以上のSEGAを有し病勢の進行が確認された患者117例【方  法】 対象をエベロリムス投与群とプラセボ投与群に21の割合でランダムに割り付けて各々にエベロリムス又はプラセボを1日

1回連日経口投与しCTMRIによるSEGA病変のサイズ病気の進行てんかん発作の変化等について評価したエベロリムス群はエベロリムス45mgm2日を開始用量としトラフ濃度が5~15ngmLの範囲になるよう投与量を調節した

【評 価 項目】主要評価項目 SEGAに対する奏効割合(中央画像判定)副次評価項目 てんかん発作の頻度のベースラインから24週時点での変化SEGA進行までの期間皮膚病変に対する

奏効割合安全性 等【解 析 計 画】 本試験はCore treatment phaseとExtension phaseの2パートで構成されることが事前に規定されていたExtension

phaseは全症例に対して非盲検下でエベロリムスを投与し最後の症例のランダム化から4年後まで実施することとしたSEGAに対する奏効割合及び皮膚病変に対する奏効割合は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)の片側正確検定により各群間を比較したてんかん発作頻度のベースラインからの変化は層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した順位共変量解析(ANCOVA)によって各群間を比較したSEGA進行までの期間はKaplan-Meier法を用いて推定し層別因子(EIAED使用の有無)により層別化した片側ログランク検定を用いて各群間を比較したいずれも片側有意水準25とした補助的解析としてベースラインからの標的SEGA病変の体積和の最良変化率のWaterfall plotを投与群ごとに示した

【対象疾患及び主な選択基準】 SEGAを有する結節性硬化症と診断年齢を問わない男女最長径10cm以上のSEGA病変が1つ以上存在する病勢の進行が認められる(腫瘍体積の連続的な増加新病変の発現水頭症の新たな発現又は悪化)

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 11: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

20 21アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

手術不能又は再発乳癌発現状況エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)では副作用として1以上の発現が報告された皮膚障害のCTCAEグレード別発現頻度は下表のとおりでした

1-28

()

29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 (日)

400

350

300

250

200

150

100

50

0

発現率

発現日

351(169例) 全症例(n=482日本人n=71を含む)

国内症例(n=71)

37例

108(52例)

4例

39(19例)3例

21(10例)1例

04(2例)

12(6例)3例

04(2例)

04(2例)

02(1例)

08(4例)2例

10(5例)

225-252 253-280 281-

()

(日)

200

160

120

80

40

0

発現率

発現日

投与後1-28日の詳細

1-7 8-14

141(68例)

18例

52(25例)

5例

15-21

112(54例)

10例

46(22例)

4例

22-28

BOLERO-2試験

BOLERO-2試験の国内症例(n=71)発現日(日) 1-28 29-56 57-84 85-112 113-140 141-168 169-196 197-224 225-252 253-280 281-

発現率(例)

521(37例)

56(4例)

42(3例)

14(1例) 0 42

(3例) 0 0 0 28(2例) 0

発現時期皮膚障害の発現時期は以下のとおりでした

発現日(日) 1-7 8-14 15-21 22-28発現率(例)

70(5例)

254(18例)

141(10例)

56(4例)

BOLERO-2試験全症例(n=482日本人n=71を含む) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 163(338) 6(12)そう痒症 48(100) 0爪の障害 35(73) 0脱毛症 32(66) 0

皮膚乾燥 27(56) 0紅 斑 15(31) 2(04)ざ 瘡 12(25) 0皮膚炎 7(15) 0

ざ瘡様皮膚炎 7(15) 0皮膚剥脱 7(15) 0皮膚病変 6(12) 0多汗症 5(10) 0

全身性皮疹 5(10) 0

国内症例(n=71) 例数()

副作用 全グレード グレード34発 疹 39(549) 0

爪の障害 18(254) 0そう痒症 6(85) 0脱毛症 3(42) 0

皮膚乾燥 3(42) 0皮膚潰瘍 2(28) 1(14)皮膚剥脱 2(28) 0湿 疹 2(28) 0ざ 瘡 1(14) 0皮膚炎 1(14) 0多汗症 1(14) 0

手掌足底発赤知覚不全症候群 1(14) 0蕁麻疹 1(14) 0

接触性皮膚炎 1(14) 0粃糠疹 1(14) 0

Ⅱ 発現状況発現時期

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

アフィニトール適正使用ガイド 手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成)

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 12: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

22 23アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅱ 発現状況発現時期

BOLERO-2試験の詳細についてはアフィニトール総合製品情報概要(2016年9月作成)等をご参照ください

ランダム化

21

アフィニトール 10mg日+エキセメスタン 25mg日(n=485)

二重盲検期1

プラセボ+エキセメスタン 25mg日2

(n=239)

〈アフィニトール群〉

〈プラセボ群〉

エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

724例層別化内分泌療法に対する感受性の有無内臓転移の有無

2009年6月投与開始

2013年10月最終解析

2011年10月第2回

中間解析4

2011年2月第1回

中間解析3

2011年12月アップデート解析5

2012年7月第3回

中間解析6

エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌対象第Ⅲ相国際共同臨床試験(BOLERO-2試験)の概要

社内資料国際共同臨床試験の結果 Y2301試験(承認時評価資料)〔CERU00070〕Baselga J et al N Engl J Med 366(6) 520 2012(承認時評価資料)〔CERF00080〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に5名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

Yardley D A et al Adv Ther 30 870 2013(承認時評価資料)〔CERF00087〕COI 本研究はノバルティスがスポンサーとなり実施しました

ノバルティス社員が著者に4名含まれています ノバルティスより謝礼金コンサルタント料研究助成を受領している著者が含まれています

【試験デザイン】多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験実施地域 日本オーストラリアオーストリアベルギーブラジルカナダチェコエジプトフランスドイツなどの

世界24ヵ国

1 投与期間は固定せず治験責任医師が病勢進行を確認するまで許容できない毒性が発現するまで又はその他の理由による試験中止のいずれか早い時点まで継続した2 プラセボ群で病勢進行した場合もアフィニトール群へのクロスオーバーは認められなかった3 2011年2月11日データカットオフ時点で有効性(無増悪生存期間[PFS]及び全生存期間[OS])を評価したOSの群間比較で有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

4 2011年10月31日データカットオフ時点でOSの中止基準に合致しなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した5 本解析は事前に計画していなかったがFDAからの要求に応じPFSの結果をアップデートした6 2012年7月16日データカットオフ時点のOS解析でも投与群間に有意差がみられなかったため独立データモニタリング委員会の勧告に従い盲検化を解除せず試験を継続した

【目    的】 エストロゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性で非ステロイド性アロマターゼ阻害剤(NSAI)に抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者にアフィニトールとエキセメスタンを併用投与するとエキセメスタンを単独投与した場合と比べて無増悪生存期間(PFS)が延長するか検証する

【対  象】 ER陽性かつHER2陰性でNSAIに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者724例【方  法】アフィニトール群はアフィニトール10mgとエキセメスタン25mgを毎日同じ時刻1日1回食後に連日経口投与した【評 価 項目】主要評価項目 無増悪生存期間(PFS治験責任医師判定)

副次評価項目 全生存期間(OS)奏効率(ORR)ECOGのPerformance Status(PS)の悪化までの期間安全性患者報告に基づくアウトカム(PRO)クリニカルベネフィット率(CBR)奏効までの期間奏効期間薬物動態(PK)

ランダム割り付け日からRECISTに基づく総合効果でPDが最初に確認された日又は死亡日(死因は問わない)のいずれか早い時点までの期間

【解 析 計 画】 群間比較にあたってはPFSOSORR及びCBRの検定の有意水準は片側25PROは両側5としたOSについてはPFSで投与群間に有意差がみられた場合にOSの群間比較を実施することとした(階層手順)PFSについては独立中央画像判定機関に基づくPFSを補助解析として行い層別因子及びベースラインの背景因子別にサブグループ解析を行ったさらに探索評価項目としてバイオマーカーの測定免疫組織化学的検査DNA変異解析を行い評価項目との関連性を検討したまた有効性の評価として個々の症例について標的病変のベースラインからの腫瘍縮小率を算出したさらに骨転移病変でのPDイベント累積発生率に関しては追加で解析を行った

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 13: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

24 25アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

グレード 2 グレード 4グレード 3

許容不可

再度グレード2

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち同じ用量で本剤の投与を再開する

グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

許容可能

投与継続

投与継続 グレード1以下に回復するまで本剤を休薬したのち1日1回5mg1又は半量2に減量して本剤の投与を再開する

本剤の投与を中止する

グレード 1

減量休薬基準 下記フローチャートを参考に症状に応じてアフィニトールを休薬又は減量するなど適切な処置を行ってください

Ⅲ 減量休薬及び治療

1 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌神経内分泌腫瘍手術不能又は再発乳癌の場合

2 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合

治療方法皮膚乾燥たえず保湿剤を使用し皮膚を乾燥させないように保つことが基本です保湿剤は軽く擦り込んで使用します最低でも1日2回は必要ですが3回を超えて使用してもかまいませんかゆみが強い場合はステロイド薬の外用薬を使用します

使用する外用薬保湿外用薬bull ヘパリン類似物質bull 尿素配合剤bull 白色ワセリンbull ビタミンA配合剤 等市販の保湿剤でも差し支えありません

ステロイド薬very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等)又はstrong(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エステルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)等を症状部位に応じて選択

爪囲炎症状によって薬物治療の他外科的な治療を行うことがあります爪の症状は日常のケアに

より悪化を防ぐことも可能ですのでセルフケアの指導も重要ですrarr爪のセルフケアについてp32参照

発赤腫脹ていねいな洗浄やガーゼによる保護クーリングテーピング等を行います症状に

よってはステロイド外用薬(very strongかstrong)を使用します 肉芽形成ステロイド外用薬(strongestクロベタゾールプロピオン酸エステル 等)を用いま

す難治性の肉芽には液体窒素による凍結療法等も選択されます 感染症合併時抗菌薬(内服薬又は外用薬)を併用します

Ⅲ 減量休薬及び治療

アフィニトール適正使用ガイド 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌結節性硬化症手術不能又は再発乳癌(2015年11月作成) 神経内分泌腫瘍(2016年8月作成)

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 14: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

26 27アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

外科的処置爪が皮膚に食い込んで痛みが激しい場合は部分抜爪陥入爪根治術(フェノール法)

人工爪の装着等が行われます

痛みをやわらげる方法テーピング法①伸縮性のある布製のばんそうこうを使用します[フィクソムルストレッチ(テルモ)など]

②痛みのある側の爪の横の皮膚にテープを貼り爪と皮膚の間を引き離すように引っ張ります

③引っ張りながら血のめぐりが悪くならないようにらせん状に指に巻き付けますテープは1日1回交換します

ざ瘡様皮膚炎ミノサイクリン塩酸塩を内服しますまた外用薬は使用部位によってランクの異なるステロイド薬を使用しますざ瘡に使用される外用薬が用いられる場合もありますかゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します

使用する外用薬ステロイド薬顔 medium(ヒドロコルチゾン酪酸エステルクロベタゾン酪酸エステル 等)体 very strong(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルジフルプレドナート 等) rarr 改善したらstrongに(デキサメタゾン吉草酸エステルベタメタゾン吉草酸エス

テルゲンタマイシン硫酸塩配合剤 等)頭 部 medium~strongローション剤を選択(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エス

テルデキサメタゾンプロピオン酸エステル 等)ざ瘡治療薬クリンダマイシンリン酸エステルナジフロキサシン

Ⅲ 減量休薬及び治療

皮膚障害に対する治療アルゴリズム

Yamazaki N et al Oncology (Williston Park) 2007 21(11 Suppl 5) 27-28より一部改変

外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩 ナジフロキサン クリンダマイシンリン酸エステル

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

ざ瘡様皮膚炎外用剤非ステロイド剤 イブプロフェンピコナール軟膏ステロイド剤 mediumからstrong class

内服薬ビタミン剤 リポフラビン酪酸エステル(B2) ピリドキサールリン酸(B6)

脂漏性皮膚炎外用剤保湿剤 ヒアルロン酸 コンドロイチン酸 尿素配合物 ヘパリン類似物質 白色ワセリンステロイド剤 mediumからstrong class 顔面medium~strong class 頭皮(ローションタイプの推奨) medium~strong class 体幹四肢strong~very strong class

外用剤洗浄ガーゼ保護

外科的処置爪部分切除爪切除

皮膚乾燥

抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩

二次性細菌感染時抗アレルギー剤抗ヒスタミン剤ステロイド剤

痛痒感の強い時

爪囲炎

ステロイド剤

腫脹ステロイド剤凍結療法

肉芽腫形成

必要時

必要時

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 15: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

28 29アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

 ステロイド薬についてステロイド外用薬のランク

ランク 一般名

ストロンゲスト005 クロベタゾールプロピオン酸エステル005 ジフロラゾン酢酸エステル

ベリーストロング

01 モメタゾンフランカルボン酸エステル005 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン005 フルオシノニド0064 ベタメタゾンジプロピオン酸エステル005 ジフルプレドナート01 アムシノニド01 吉草酸ジフルコルトロン01 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

ストロング

03 デプロドンプロピオン酸エステル01 プロピオン酸デキサメタゾン012 デキサメタゾン吉草酸エステル01 ハルシノニド012 ベタメタゾン吉草酸エステル0025 フルオシノロンアセトニド

ミディアム

03 吉草酸酢酸プレドニゾロン01 トリアムシノロンアセトニド01 アルクロメタゾンプロピオン酸エステル005 クロベタゾン酪酸エステル01 ヒドロコルチゾン酪酸エステル01 デキサメタゾン

ウィーク 05 プレドニゾロン(2015年9月現在)

米国のガイドラインではステロイドを7つのランク(Ⅰ very high potency Ⅱ high potency Ⅲ-Ⅳ medium potency Ⅴ lower-medium potency Ⅵ low potency Ⅶ lowest potency)にヨーロッパでは4つのランク(very potent potent moderately mild)に分けている海外の臨床試験データを参考にする場合には日本とはステロイド外用薬のランクの分類が違うことに注意する必要がある

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版 日皮会誌 2016 126(2) 121-155 より一部改変

参 考

ステロイド外用薬の部位別吸収率の違い

Feldmann RJ et al J Invest Dermatol 1967 48 181-183 より作図

ステロイド外用薬の使い方ステロイド外用薬は症状と使用する部位に応じてランクを選択してください使用量は人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出した量(約05g)が成人の手のひら2枚分(≒体表面積の2)となりますこの量を1fingertipunitといいますローション剤では手のひらのくぼみの上に1円玉の面積くらいの量をとると1fingertipunitになります

前腕(内側) 10

11

014

042

083

17

35

36

60

130

420

前腕(外側)

足底

足首

手掌

背面

頭皮

腋窩

前額

陰嚢

前腕(内側)での吸収を10とした場合の比率

Ⅲ 減量休薬及び治療

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 16: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

30 31アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅳ ケースレポート

経過の詳細処 方 ヒドロコルチゾン軟膏(顔に)

ベタメタゾン軟膏(体幹四肢に)ヘパリン類似物質(乾燥肌に)

2週後再来時 そう痒紅斑はほぼ消退したアフィニトールはその後7ヵ月継続されたが皮膚障害の再燃はみられなかった

患者背景2010年 8月 左腎癌多発肺転移 腎摘後にIFN-α治療開始2012年 1月 スニチニブ開始

7月 ソラフェニブ開始9月 アフィニトール開始

投与開始1-2週頃より皮疹発症(グレード 1)

ケース① 55歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

顔面頸部のそう痒を伴う紅斑

斑状〜丘疹状の皮疹で一部に膿疱を伴う

経過の詳細処 方 デキサメサゾン軟膏

ヘパリン類似物質混合

1週間で軽快以後再燃なし

患者背景2007年 10月 右腎癌多発肺転移 IFN-α治療開始2008年 11月 ソラフェニブ開始2009年 9月 スニチニブ開始2010年 10月 アフィニトール開始

1ヵ月後より皮疹を発現(グレード 1)

Ⅳ ケースレポート

ケース② 66歳 男性新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科

腎細胞癌

背部と両下腿の皮膚乾燥そう痒

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 17: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

32 33アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

皮膚は温度や湿度外部刺激等に対するバリア機能を有していますが分子標的薬等による皮膚障害によりバリア機能が低下し弱い刺激でも炎症や表皮構造の破綻乾皮症等の症状を起こしやすくなっていますそのため抗がん剤による治療を受けている間は普段よりも皮膚のセルフケアに注意する必要があります

1 刺激の回避物理的刺激衣服は常に皮膚と接するためウールや化学繊維等の素材は極力避けた方が良いですまたきつめの衣類もかゆみを誘発する恐れがあるためゆったりしたものを選びますかいたりこすったりすると表皮の構造が破たんするのでお風呂あがりや汗を拭くとき等もタオルであまり強くこすらないように注意しかゆみがある場合はきちんとかゆみのコントロールをします爪は長すぎず短すぎず整えます直線状に切り左右の角をやすりで丸く削る「スクウェアカット」が望ましい形です手足や爪に症状が強く現れている時期はジョギングや散歩を控えめにして負担を軽減しましょうまた力仕事は避けましょう

化学的刺激水仕事をするときには手袋を使います化粧品やクレンジング剤など直接皮膚に触れるものは低刺激性のものを選びます香料成分やアルコール成分が少ないものが目安となります洗剤やお湯が皮脂を過剰に落として刺激となり皮膚乾燥や炎症を起こすことがあります

短すぎる(深爪) 四角形気味に 長めに

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

その他の刺激紫外線は皮膚に悪影響を及ぼすため治療中は特に紫外線対策に気をつけます肌の露出を避ける日傘帽子スカーフサングラス手袋等で直射日光を浴びないようにするサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用する等の対策を講じましょう

2 スキンケア洗浄基本的には1日1回入浴又はシャワー浴で身体を清潔にします石鹸は弱酸性のものや低刺激性のものを選択し十分に泡立てますごしごしとこすると肌への刺激が強いため泡で包むような感じでやさしくていねいに洗い流します

石鹸が残っていると炎症等の原因となる場合があるため十分にすすぎますナイロンタオル等刺激の強いものは使用を避けてください石鹸等をよく泡立てて手で身体を洗っても良いです

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 18: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

34 35アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害 アフィニトール 副作用マネジメント 皮膚障害

保湿入浴や洗顔水仕事の後等には極力保湿剤を使用します保湿剤はたっぷりと使い軽く擦り込みながら浸透させるように使います

患者さんの肌に合ったものであれば市販のものでも差し支えありません

皮膚障害を予防するための入浴法について高齢者や皮膚症状の強い患者さんの中には入浴をしたがらない方がみられますが毎日の入浴はスキンケアに重要な役割をはたしています根気強く指導することが大切です

身体を洗うときはこすりすぎずやさしくていねいに泡で洗う  シャワーのお湯だけでも多くの皮膚の汚れを洗浄できます洗いすぎに注意しましょう  石鹸は十分泡立ててください弱酸性のものや低刺激性のものがおすすめです  ナイロンタオルやボディブラシ等は用いず肌に刺激の少ないものを使ってください  泡が残らないよう十分に流水(シャワー)で洗い流してください

湯船につかるときは熱すぎないお湯で保湿効果のある入浴剤を選ぶ  熱すぎると皮脂による保湿バリアを喪失したりかゆみを誘発する恐れがあります40未満のぬるめのお湯につかりましょう

  岩塩タイプや硫黄成分の含まれた入浴剤は肌を乾燥させやすいので注意しましょう保湿成分の含まれた入浴剤が適しています

入浴後は速やかに保湿する  お風呂からあがったらタオルを押し当てるようにして水気をふき取りましょうこすると肌を傷つけるので注意が必要です

  水気をふき取ったら速やかに(肌がしっとりしているうちに)保湿剤を使用しましょう肌の状況に合わせて水分皮脂成分の補給を行ってください

3 かゆみのコントロール掻破の予防かゆみを我慢できずにかいてしまうと皮膚の神経の興奮が高まってかゆみが増強しますさらに表皮に傷がつくことによりバリア機能が失われて炎症や感染が起こりさらなる皮膚障害へとつながる恐れがあります

かゆみがあるときはクーリング(例えばぬれタオルを当てる程度でも)が有効です睡眠中に無意識にかく恐れがある場合は手袋をつけたり包帯を巻く等して予防しましょう

環境の調整かゆみは周囲の温度や発汗乾燥等により増強されます急激な温度変化や冷暖房器具による乾燥に注意しましょう電気毛布やこたつ等も肌を乾燥させやすいので長時間の使用は避けた方が良いですかゆみが強いときは冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができますストレスがかゆみを引き起こすことが知られているため心身ともにゆとりのある生活を心がけましょう冷暖房器具等で空気が乾燥している場合は加湿器等を併用します

薬物療法炎症がありかゆみが強い場合はステロイド外用薬が使われますまたかゆみのみで炎症がない場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬も用いられます飲み薬には抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があり症状等によって選択されます市販薬もありますが飲み合わせの確認が必要なため必ず担当医の指示を仰ぐように指導が必要です

Ⅴ 皮膚障害予防のためのセルフケア

監修静岡県立静岡がんセンター 皮膚科 部長 清原 祥夫 先生新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 情報調査部長 竹之内 辰也 先生国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑 直也 先生

(50音順)

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 19: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設においてがん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2本剤の投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者で本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)4本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール錠5

1錠中エベロリムス5

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR 5

長径121 短径49 厚さ41 質量025g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール錠25

1錠中エベロリムス25

乳糖ヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエンステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR LCL

長径101 短径41 厚さ29 質量0125g

次頁に続く

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス錠AFINITORreg tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生効 能 追 加

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

25 5

包装に表示の使用期限内に使用すること22200AMX00246000

2010年1月2010年4月2010年4月

22400AMX013700002012年8月2012年11月2012年11月

2009年3月2016年8月

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

1根治切除不能又は転移性の腎細胞癌2神経内分泌腫瘍3手術不能又は再発乳癌4結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫5結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉⑴根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合1)スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑵神経内分泌腫瘍の場合臨床試験に組み入れられた患者の原発部位病理組織型症候の有無等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性

及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと⑶手術不能又は再発乳癌の場合1)非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない

2)臨床試験に組み入れられた患者のホルモン受容体及びHER2の発現状況等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと

3)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない

⑷結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

腎細胞癌神経内分泌腫瘍結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

手術不能又は再発乳癌の場合内分泌療法剤との併用において通常成人にはエベロリムスとして1日1回10を経口投与するなお患者の状態により適宜減量する

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合通常エベロリムスとして30m2を1日1回経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて

選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑵間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

使

          用

          上

          の

          注

          意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

⑶肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では本剤のトラフ濃度に基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

⑷根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍の場合サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない

⑸手術不能又は再発乳癌の場合エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について有効性

及び安全性は確立していない(【臨床成績】の項参照)⑹結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の場合1)本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)

2)本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

用法用量

使

             用

             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 20: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

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             上

             の

             注

             意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

使

    用

    上

    の

    注

    意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者では当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与274例(日本人15例を含む)中副作用は248例(905)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)120例(438)発疹81例(296)貧血77例(281)疲労68例(248)下痢65例(237)無力症63例(230)食欲減退57例(208)

高コレステロール血症54例(197)悪心53例(193)粘膜の炎症48例(175)嘔吐48例(175)末梢性浮腫46例(168)高トリグリセリド血症44例(161)咳嗽41例(150)そう痒症39例(142)感染症39例(142)皮膚乾燥36例(131)鼻出血34例(124)呼吸困難28例(102)味覚異常28例(102)等であった (試験終了時の集計)膵神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与204例(日本人23例を含む)中副作用は195例(956)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)131例(642)発疹99例(485)下痢70例(343)疲労66例(324)感染症49例(240)末梢性浮腫45例(221)悪心41例(201)食欲減退41例(201)頭痛40例(196)鼻出血36例(176)貧血35例(172)味覚異常35例(172)体重減少34例(167)嘔吐31例(152)そう痒症30例(147)高血糖28例(137)血小板減少症27例(132)無力症26例(127)爪 の 障 害26例(127)肺 臓 炎25例(123)発 熱24例(118)咳嗽23例(113)高コレステロール血症21例(103)皮膚乾燥21例(103)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)消化管又は肺神経内分泌腫瘍患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与202例(日本人7例を含む)中副作用は193例(955)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)127例(629)下痢63例(312)疲労62例(307)感染症59例(292)発疹55例(272)末梢性浮腫52例(257)悪心35例(173)無力症33例(163)貧血33例(163)食欲減退32例(158)味覚異常30例(149)肺臓炎27例(134)咳嗽26例(129)そう痒症26例(129)発熱22例(109)高血糖21例(104)呼吸困難21例(104)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)エストロゲン受容体(estrogen receptorER)陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与482例(日本人71例を含む)中副作用は465例(965)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)309例(641)発疹163例(338)疲労115例(239)食欲減退96例(199)下痢94例(195)味覚異常92例(191)悪心85例(176)感染症77例(160)肺臓炎72例(149)体重減少66例(137)貧血55例(114)鼻出血54例(112)高血糖51例(106)血小板減少症50例(104)そう痒症48例(100)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)進行性胃癌(未承認)患者を対象とした第Ⅱ相国内臨床試験において本剤投与53例中副作用は52例(981)にみられた主な副作用は口内炎38例(717)食欲不振25例(472)発疹23例(434)疲労22例(415)悪心13例(245)そう痒症10例(189)味覚異常9例(170)血小板減少症8例(151)下痢8例(151)肺臓炎8例(151)発熱6例(113)等であった

(試験終了時の集計)結節性硬化症又は孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫(孤発性リンパ脈管筋腫症に伴う腎血管筋脂肪腫は未承認)患者を対象とした第Ⅲ相国際共同臨床試験において本剤投与79例(日本人7例を含む)中副作用は76例(962)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)59例(747)感染症33例(418)高コレステロール血症18例(228)ざ瘡12例(152)疲労10例(127)貧血8例(101)LDH増加8例(101)白血球減少症8例(101)悪心8例(101)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験において本剤投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった (効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度については承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることがあり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することが

あり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

 ⑵その他の副作用

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

包   装 アフィニトール錠25 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール錠5 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

医薬品リスク管理計画を策定の上適切に実施すること

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌腎細胞癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

神経内分泌腫瘍1膵神経内分泌腫瘍について製造販売後一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は全症例を対象に使用成績調査を実施することにより本剤使用患者の背景情報を把握するとともに本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し本剤の適正使用に必要な措置を講じること

2神経内分泌腫瘍の診断化学療法に精通した医師によってのみ処

方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

手術不能又は再発乳癌乳癌の診断化学療法に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫及び結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

2016年8月改訂 2015年8月改訂

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕

⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与腎細胞癌神経内分泌腫瘍乳癌結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫患者において低出生体重児新生児乳児幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者において低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 21: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

Drug Information抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)

エベロリムス分散錠AFINITORreg dispersible tablets劇薬処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)

日本標準商品分類番号 874291

貯 法

使 用 期 限承 認 番 号承 認 年 月薬 価 収 載販 売 開 始国 際 誕 生

室温保存光及び湿気を避けるためPTP包装のまま保存すること包装に表示の使用期限内に使用すること

222400AMX01486000

2012年12月

2013年2月

2013年2月

2009年3月

322400AMX01487000

【警 告】1本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において結節性硬化症治療に十分な知識経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することまた治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性(特に間質性肺疾患の初期症状服用中の注意事項死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し同意を得てから投与を開始すること2アフィニトールの投与により間質性肺疾患が認められており死亡に至った例が報告されている投与に際しては咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状に注意するとともに投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施することまた異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに投与継続の可否について慎重に検討する

こと(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)3肝炎ウイルスキャリアの患者でアフィニトールの治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例が報告されている本剤投与期間中又は治療終了後は劇症肝炎又は肝炎の増悪肝不全が発現するおそれがあるので定期的に肝機能検査を行うなど肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(「2重要な基本的注意」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照)

4本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていないので切り換えに際しては血中濃度を測定すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 2妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6妊婦産婦授乳婦

等への投与」の項参照)

結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫 〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径等について【臨床成績】の項の内容を熟知し本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し適応患者の選択を行うこと

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

組成性状

効能効果

用法用量

アフィニトール分散錠3

1錠中エベロリムス3

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D3

直径101 厚さ44 質量0375g

品   名

成分含量

添 加 物

性   状

外   形

識別コード

大きさ(約)

アフィニトール分散錠2

1錠中エベロリムス2

乳糖D-マンニトールセルロースヒプロメロースクロスポビドンジブチルヒドロキシトルエン無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウム

白色~微黄白色の素錠

NVR D2

直径91 厚さ36 質量025g

次頁に続く

グレード1(無症候性の画像所見) 投与継続

グレード2(症候性日常生活に支障なし)

症状が改善するまで休薬すること投与を再開する場合は半量の投与とする

グレード4(生命を脅かす人工呼吸を要する) 投与中止

グレード3(症候性日常生活に支障あり酸素療法を要する)

本剤の投与を中止し原則として再開しないことただし症状が改善しかつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ半量の投与で再開可能とする

グレード注1)(症状) 投与の可否等

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

通常エベロリムスとして30m2を1日1回用時水に分散して経口投与するなお患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉⑴本剤の使用は原則としてアフィニトール錠の服用ができない場合とすること

⑵食後に本剤を投与した場合Cmax及びAUCが低下するとの報告がある本剤の投与時期は臨床試験における設定内容に準じて選択し食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること(【薬物動態】【臨床成績】の項参照)⑶本剤の全血中濃度を測定しトラフ濃度が5~ 15ngmLとなるように投与量を調節することトラフ濃度は本剤の投与開始又は用量変更から2週間後を目安に測定するとともに本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと(「1慎重投与」「3相互作用」【薬物動態】の項参照)⑷本剤とアフィニトール錠の生物学的同等性は示されていない本

剤とアフィニトール錠の切り換えに際しては切り換えから2週間後を目安にトラフ濃度を測定すること(【薬物動態】の項参照)⑸間質性肺疾患が発現した場合は症状重症度等に応じて以下の基準を考慮して減量休薬又は中止すること 間質性肺疾患に対する減量休薬及び中止基準

注1)NCI-CTCAE v30

⑹肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある

用法用量

使

           用

           上

           の

           注

           意

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること

6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン乾燥弱毒生風しんワクチン経口生ポリオワクチン乾燥BCG等)

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと

免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し病原性をあらわす可能性がある

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

リファンピシンリファブチン

本剤の血中濃度が低下することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること これらの薬剤の代謝酵

素(CYP 3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール ボリコナゾール フルコナゾール等

本剤の血中濃度が上昇することがあるので併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用することやむを得ず併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

抗てんかん剤 フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン等抗HIV剤 エファビレンツ ネビラピン等副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾン プレドニゾロン等

本剤の血中濃度が低下するおそれがある併用する場合には本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること

薬 剤 名 等 臨床症状措置方法 機序危険因子

本剤の血中濃度が上昇するおそれがある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

マクロライド系抗生物質 エリスロマイシン クラリスロマイシン テリスロマイシン等カルシウム拮抗剤 ベラパミル ニカルジピン ジルチアゼム等HIVプロテアーゼ阻害剤 ネルフィナビル インジナビル ホスアンプレナビル リトナビル等

本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること

セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる

セイヨウオトギリソウ(StJohns Wort セントジョーンズワート)含有食品

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので本剤服用時は飲食を避けること

グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる

グレープフルーツジュース

本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある併用する場合には本剤を減量することを考慮するとともに患者の状態を慎重に観察し副作用発現に十分注意すること

代謝酵素(CYP3A4等)の競合により本剤の代謝が阻害されると考えられる

シクロスポリン

ワクチンの効果が得られないおそれがある

免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある

不活化ワクチン不活化インフルエンザワクチン等

ミダゾラム(経口剤国内未販売)との併用によりミダゾラムのCmaxが25AUCが30上昇したとの報告がある

本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある

ミダゾラム(経口剤国内未販売)等

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

ため減量を考慮するとともに患者の状態をより慎重に観察し有害事象の発現に十分注意することまた本剤のトラフ濃度に

基づいて投与量を調節すること(「1慎重投与」【薬物動態】の項参照)

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂

Page 22: 副作用マネジメント No. 4 皮膚障害 - Novartisproduct.novartis.co.jp/afi/tool/AFI_AE4_hifushogai.pdfAFI101056LL0001 2016年9月作成 皮膚障害 副作用マネジメントNo.

次頁に続く

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

使

           用

           上

           の

           注

           意

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

注2)出血の各事象の発現頻度は1未満であった

部 位 別副   作   用   の   頻   度

10以上頻度不明 1~10未満 1未満

血液リンパ ―――― リンパ球減少症 ――

代謝栄養食欲減退高コレステロール血症

血中カリウム増加

低リン酸血症脱水低カリウム血症高トリグリセリド血症高脂血症

鉄欠乏低血糖症低比重リ ポ 蛋 白(LDL)増加

肝     臓 ――――AST(GOT)ALT(GPT)γ-GTPALPの増加

血中ビリルビン増加

皮     膚

発 疹(紅 斑丘疹斑状丘疹状皮疹全身性皮疹斑状皮疹)そう痒症

白血球破砕性血管炎

皮膚乾燥手足症候群ざ瘡爪の障害ざ瘡様皮膚炎

血管浮腫

筋 骨 格 系 ―――― 関節痛 ――

腎臓泌尿器 ――――血中クレアチニン増加蛋白尿

昼間頻尿

生 殖 器 ――無精子症 ――

不規則月経無月経膣出血月経過多月経遅延男性性腺機能低下(テストステロン減少黄体形成ホルモン増加卵胞刺激ホルモン増加)卵巣嚢胞

精神神経系 味覚異常頭痛―― 不眠症

激越味覚消失攻撃性痙攣

心 血 管 系 ―――― 高血圧 うっ血性心不全

呼 吸 器 咳嗽鼻出血―― 呼吸困難 喀血咽頭の炎症

眼 ―――― ―― 結膜炎

消 化 器 下痢悪心嘔吐胃腸潰瘍

口内乾燥腹痛消化不良嚥下障害鼓腸便秘歯肉炎

胃炎

全 身 症 状疲労無力症浮腫体重減少

―― 発熱粘膜の炎症

胸痛創傷治癒不良易刺激性歩行障害

そ の 他 ――

血中フィブリノーゲン減少血中IgG減少高クレアチン血症

LDH増加

出血(網膜出血メレナ血尿 等 )注 2 )APTT延長血中アルブミン減少

製造販売 (資料請求先)

東京都港区虎ノ門1-23-1 105-6333

使

 用

 上

 の

 注

 意

1慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)⑴肺に間質性陰影を認める患者〔間質性肺疾患が発症重症化するおそれがある〕

⑵感染症を合併している患者〔免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある〕

⑶肝機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある小児の肝機能障害のある患者への使用経験はない〕(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉【薬物動態】の項参照)

⑷高齢者(「5高齢者への投与」の項参照)⑸肝炎ウイルス結核等の感染又は既往を有する患者〔再活性化するおそれがある〕(「2重要な基本的注意」の項参照)

2重要な基本的注意⑴間質性肺疾患があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意することまた患者に対し咳嗽呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう指導すること(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「4副作用⑴重大な副作用」の項参照) 1)投与開始前胸部CT検査を実施し咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状の有無と併せて投与開始の可否を慎重に判断すること

 2)投与開始後定期的に胸部CT検査を実施し肺の異常所見の有無を慎重に観察すること咳嗽呼吸困難発熱等の臨床症状がみられた患者で感染腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には間質性肺疾患の診断を考慮し必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること本剤による間質性肺疾患が疑われた場合には適切な処置を行うこと

なお小児に対する胸部CT検査の実施に際しては診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること

⑵本剤の免疫抑制作用により細菌真菌ウイルスあるいは原虫による感染症や日和見感染が発現又は悪化することがありB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある本剤投与により肝炎ウイルス結核等が再活性化することがあるので本剤投与に先立って肝炎ウイルス結核等の感染の有無を確認し本剤投与前に適切な処置をしておくこと本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること

⑶重篤な腎障害があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン血中尿素窒素(BUN)等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと

⑷高血糖があらわれることがあるので投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うことまた本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと

⑸ヘモグロビン減少リンパ球減少好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと

3相互作用本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され腸管に存在するCYP3A4によっても代謝されるまた本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため本剤経口投与後の吸収と消失はCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられるCYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮しCYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けることまた当該薬剤を併用したり中止する場合は必ず本剤のトラフ濃度を測定し投与量を調節すること⑴併用禁忌(併用しないこと)

 ⑵併用注意(併用に注意すること)

4副作用結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫患者を対象とした第Ⅲ相海外臨床試験においてアフィニトール錠投与78例中副作用は67例(859)にみられた主な副作用は口内炎(口腔内潰瘍等を含む)47例(603)感染症23例(295)等であった

(アフィニトール錠の効能又は効果の一変承認時までの集計)副作用の頻度についてはアフィニトール錠の承認効能効果に係る日本人を含む臨床試験に基づき記載したまたこれらの臨床試験であらわれていない副作用については頻度不明とした

 ⑴重大な副作用1)間質性肺疾患(151)間質性肺疾患(肺臓炎間質性肺炎肺

浸潤胞隔炎肺胞出血肺毒性等を含む)があらわれることが

あり未回復のまま死亡に至った例が報告されている投与開始後は観察を十分に行い異常が認められた場合には症状に応じて休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(【警告】〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉「1慎重投与」「2重要な基本的注意」の項参照)

2)感染症(218)細菌真菌ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎アスペルギルス症カンジダ症敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり死亡に至った症例が報告されているまたB型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した症例が報告されているこれらの感染症の診断がされた場合直ちに本剤を休薬又は中止し適切な処置を行うこと侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合直ちに本剤の投与を中止し適切な抗真菌剤を投与することこの場合は本剤の投与は再開しないこと(【警告】「2重要な基本的注意」の項参照)

3)腎不全(10)重篤な腎障害があらわれることがあり腎不全が急速に悪化した例も報告されているので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止し適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

4)高血糖(101)糖尿病の発症又は増悪(27)高血糖の発現糖尿病が発症又は増悪することがあるので定期的に空腹時血糖値の測定を行うなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと(「2重要な基本的注意」の項参照)

5)貧血(168)ヘモグロビン減少(23)白血球減少(55)リ ン パ 球 減 少(46)好 中 球 減 少(55)血 小 板 減 少(106)貧血ヘモグロビン減少白血球減少リンパ球減少好中球減少血小板減少があらわれることがあるので定期的に血液検査(血球数算定等)を実施するなど観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うことなお血小板減少が生じた結果消化管出血等の出血に至った症例も報告されている(「2重要な基本的注意」の項参照)

6)口内炎(610)口内炎口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと

7)アナフィラキシー(頻度不明)アナフィラキシー(呼吸困難顔面紅潮胸痛血管浮腫等)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

8)急性呼吸窮迫症候群(02)急性呼吸窮迫症候群があらわれることがあるので観察を十分に行い急速に進行する呼吸困難低酸素症両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

9)肺塞栓症(06)深部静脈血栓症(02)肺塞栓症深部静脈血栓症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと

10)悪性腫瘍(二次発癌)(01)悪性リンパ腫リンパ増殖性疾患悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと

11)進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し意識障害認知障害麻痺症状(片麻痺四肢麻痺)言語障害等の症状があらわれた場合はMRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与を中止し適切な処置を行うこと

12)BKウイルス腎症(頻度不明)BKウイルス腎症があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

13)血栓性微小血管障害(頻度不明)溶血性尿毒症症候群(HUS血小板減少溶血性貧血腎不全を主徴とする)血栓性血小板減少

性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少微小血管性溶血性貧血腎機能障害精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがあるのでこのような場合には減量又は投与を中止し適切な処置を行うこと

14)肺胞蛋白症(頻度不明)肺胞蛋白症があらわれることがあるので観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

15)心嚢液貯留(02)心嚢液貯留があらわれることがあるので使用に際しては心電図心エコー胸部X線検査を行うなど患者の状態を十分に観察し異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

⑵その他の副作用

5高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので患者の状態を観察しながら慎重に投与すること6妊婦産婦授乳婦等への投与⑴妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと妊娠可能な婦人には本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること〔動物実験(ラット及びウサ

包   装 アフィニトール分散錠2 30錠(両面アルミニウムPTP)  アフィニトール分散錠3 30錠(両面アルミニウムPTP)

詳細につきましては製品の添付文書をご覧下さい使用上の注意の改訂にご留意下さい

結節性硬化症の診断治療に精通した医師によってのみ処方使用されるとともに本剤のリスク等についても十分に管理できる医師

医療機関管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう製造販売にあたって必要な措置を講じること

承 認 条 件

ギ)で胚胎児毒性を含む生殖発生毒性が認められたとの報告がある〕⑵本剤投与中は授乳を避けさせること〔動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている〕

7小児等への投与低出生体重児新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)

8過量投与進行性固形癌患者に最大70が単回投与されているが過量によると考えられる症状は特に認められなかった過量投与が発生した場合は一般的な処置と対症療法を行う

9適用上の注意⑴服用時コップ等を使用する場合は本剤を約25mLの水に分散して服用しコップ等の底に本剤が残った場合は再度同量の水で分散し

て服用することシリンジを使用する場合はシリンジ内で約5mLの水に分散して服用することシリンジ内に本剤が残った場合は再度同量の水で分散して服用することなお本剤を噛み砕いたり丸ごと飲み込んだりしないこと

⑵薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

10その他の注意ラットを用いた雄性授胎能試験では05以上の用量で精巣の形態に影響が認められたほか5用量(治療量の範囲内)で精子運動能精子数及び血漿中テストステロン濃度が減少しこれに伴って雄の授胎能が低下したこれらの所見は休薬による回復傾向がみられた

2016年8月改訂 2015年8月改訂