「学ぶ意欲」を生み出す学級経営の在り方を探る · 相関関係がある。...

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「学ぶ意欲」を生み出す学級経営の在り方を探る - リサーチアセスメントを活用した学級支援システムの開発 - 児童生徒の学習環境に関する研究 研究・調査チーム 研究員 神部 全国学力・学習状況調査の結果から 2 研究の目標 研究の進め方 リサーチアセスメント(児童・生徒質問紙調査) の実施 ·学ぶ意欲の実態把握 調査結果を生かした学級支援システムの開発 ·効果的な学級経営の実現 リサーチアセスメントから見た児童生徒の 「学ぶ意欲」 (1) リサーチアセスメント(質問紙調査)の構成 「学ぶ意欲」とは 「学ぶ意欲を支え生み出すもの」とは 「子どもの学習状況」「学級集団としての高まり」 「自尊感情」「教師と子ども相互の人間関係」 「自然体験・社会体験」「基本的な生活習慣」 ·6視点(カテゴリー)から18の要素を設定 自ら知識・技能を活用して未知の問題や課題につ いてねばり強く考え、表現しようとする姿勢 研究にあたって 「学ぶ意欲」を高める学習環境づくりの重要性 「リサーチアセスメント(児童・生徒質問紙調査)」 を活用した学級支援システムの開発 学習意欲やねばり強く課題に取り組む態度に課 題がある。 ・学習習慣や生活習慣の確立と正答率には一定の 相関関係がある。 る喜び 知的好奇心 ①好奇心 ②探究心 ③自力解決 ④挑戦意欲 ⑤自己効力感 学びの充実 ⑥わかる喜び ・でき る喜び ⑦達成感・成就感 基礎的側面 ①聞く姿勢 ②ノートのとり方 ③家庭学習 積極的側面 ⑤発表 ⑤意見交流 発展的側面 ⑥ふり返り・自己評価 ⑦計画性 ⑧資料活用 意欲(情意)面 態度(行動)面 (2) 調査結果から見た「学ぶ意欲」の現状と課題 □小学校段階では、高い「学ぶ意欲」を持つ子どもが 多い。(小学校6年生で、高い層がやや減少) ■小学校6年生と中学校2年生の間では、「ノート のとり方」を除いて、全ての項目で「学ぶ意欲」 が低下する傾向が認められた。 【学ぶ意欲 低下の要因】 ・学習内容が一段と難しくなること ・思春期を迎え、自分を厳しく見るようになること ・学校や家庭の取組(支援の内容や方法)に課題 (3) 「学ぶ意欲」と「学ぶ意欲を支え生み出すもの」と の相関 2.53 3.11 3.22 2.72 2.88 2.77 2.90 2.99 2.60 3.02 3.29 2.90 2.58 3.08 3.44 3.50 3.58 3.34 3.61 3.41 3.33 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 小4 小6 中2 好奇心 探究心 自力解決 挑戦意欲 自己効力感 わかる喜び 達成感・成就感 小4 小6 中2 0.25 係活動・学校行事 自己有用感 勉強の楽しさ 0.3 0.2 係活動・学校行事 自治的活動 勉強の楽しさ 勉強の楽しさ 授業理解 授業理解 持ち物の点検 地域とのかかわり 社会的承認 他者受容感 自己有用感 自己有用感 係活動・学校行事 持ち物の点検 教室の雰囲気 教室の雰囲気 社会的承認 自尊感情 自尊感情 規範意識 教員との関係 (r) 授業理解 持ち物の点検 自治的活動 教室の雰囲気 小4 小6 中2 0.25 係活動・学校行事 自己有用感 勉強の楽しさ 0.3 0.2 係活動・学校行事 自治的活動 勉強の楽しさ 勉強の楽しさ 授業理解 授業理解 持ち物の点検 地域とのかかわり 社会的承認 他者受容感 自己有用感 自己有用感 係活動・学校行事 持ち物の点検 教室の雰囲気 教室の雰囲気 社会的承認 自尊感情 自尊感情 規範意識 教員との関係 (r) 授業理解 持ち物の点検 自治的活動 教室の雰囲気 学ぶ意欲 学年別平均値 (r:相関比) 3.06 2.17 2.70 3.3 4 3.29 3.10 3.18 3.42 3.53 3.41 3.32 2.57 2.81 2.47 2.69 3.18 3.38 2.88 3.22 2.77 2.73 2.85 2.98 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 小4 小6 中2 聞く姿勢 ノートのとり方 家庭学習 発表 意見交流 ふり返り 計画力 資料活用 (※数字は、4件法による回答結果の学年平均値)

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「学ぶ意欲」を生み出す学級経営の在り方を探る- リサーチアセスメントを活用した学級支援システムの開発 -

児童生徒の学習環境に関する研究

研究・調査チーム 研究員 神部 剛

1 全国学力・学習状況調査の結果から

2 研究の目標

3 研究の進め方

リサーチアセスメント(児童・生徒質問紙調査)

の実施 ·学ぶ意欲の実態把握

調査結果を生かした学級支援システムの開発

·効果的な学級経営の実現

1 リサーチアセスメントから見た児童生徒の

「学ぶ意欲」

(1) リサーチアセスメント(質問紙調査)の構成

「学ぶ意欲」とは

「学ぶ意欲を支え生み出すもの」とは

「子どもの学習状況」「学級集団としての高まり」

「自尊感情」「教師と子ども相互の人間関係」

「自然体験・社会体験」「基本的な生活習慣」

·6視点(カテゴリー)から18の要素を設定

研 究 の 内 容

自ら知識・技能を活用して未知の問題や課題につ

いてねばり強く考え、表現しようとする姿勢

研 究 に あ た っ て

「学ぶ意欲」を高める学習環境づくりの重要性

「リサーチアセスメント(児童・生徒質問紙調査)」

を活用した学級支援システムの開発

・学習意欲やねばり強く課題に取り組む態度に課

題がある。

・学習習慣や生活習慣の確立と正答率には一定の

相関関係がある。

知的好奇心①好奇心

②探究心

向 上 心③自力解決

④挑戦意欲

⑤自己効力感

学びの充実感

⑥わかる喜び ・でき

る喜び

⑦達成感・成就感

知的好奇心①好奇心

②探究心

向 上 心③自力解決

④挑戦意欲

⑤自己効力感

学びの充実感

⑥わかる喜び ・でき

る喜び

⑦達成感・成就感

基礎的側面

①聞く姿勢

②ノートのとり方

③家庭学習

積極的側面⑤発表

⑤意見交流

発展的側面⑥ふり返り・自己評価

⑦計画性

⑧資料活用

基礎的側面

①聞く姿勢

②ノートのとり方

③家庭学習

積極的側面⑤発表

⑤意見交流

発展的側面⑥ふり返り・自己評価

⑦計画性

⑧資料活用

意欲(情意)面 態度(行動)面

(2) 調査結果から見た「学ぶ意欲」の現状と課題

□小学校段階では、高い「学ぶ意欲」を持つ子どもが

多い。(小学校6年生で、高い層がやや減少)

■小学校6年生と中学校2年生の間では、「ノート

のとり方」を除いて、全ての項目で「学ぶ意欲」

が低下する傾向が認められた。

【学ぶ意欲 低下の要因】

・学習内容が一段と難しくなること

・思春期を迎え、自分を厳しく見るようになること

・学校や家庭の取組(支援の内容や方法)に課題

(3) 「学ぶ意欲」と「学ぶ意欲を支え生み出すもの」と

の相関

2.53

3.113.22

2.722.88

2.77

2.902.99

2.60

3.023.29

2.90

2.58

3.08

3.443.50

3.58

3.34

3.61

3.413.33

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

小4 小6 中2

好奇心 探究心自力解決 挑戦意欲自己効力感 わかる喜び達成感・成就感

高い層が減少

小4 小6 中2

0.25

係 活 動・学 校行 事

自己有 用 感

勉 強 の 楽 しさ

0.3

0.2

係 活 動・学 校行 事

自 治 的 活動

勉 強 の 楽 しさ

勉 強 の 楽 しさ

授 業 理 解

授 業 理 解

持 ち物 の点 検

地 域 との かか わ り

社 会 的 承認

他 者 受 容感

自 己 有 用感自 己 有 用感

係 活 動・学 校行 事

持 ち物 の点 検

教 室 の 雰囲 気

教 室 の 雰囲 気

社 会 的 承認

自 尊 感 情 自 尊 感 情

規 範 意 識

教 員 との 関係

( r )

授 業 理 解

持 ち物 の点 検自 治 的 活動

教 室 の 雰囲 気

小4 小6 中2

0.25

係 活 動・学 校行 事

自己有 用 感

勉 強 の 楽 しさ

0.3

0.2

係 活 動・学 校行 事

自 治 的 活動

勉 強 の 楽 しさ

勉 強 の 楽 しさ

授 業 理 解

授 業 理 解

持 ち物 の点 検

地 域 との かか わ り

社 会 的 承認

他 者 受 容感

自 己 有 用感自 己 有 用感

係 活 動・学 校行 事

持 ち物 の点 検

教 室 の 雰囲 気

教 室 の 雰囲 気

社 会 的 承認

自 尊 感 情 自 尊 感 情

規 範 意 識

教 員 との 関係

( r )

授 業 理 解

持 ち物 の点 検自 治 的 活動

教 室 の 雰囲 気

学ぶ意欲 学年別平均値

(r:相関比)

3.06

2.17

2.70

3.343.29

3.103.18

3.423.53

3.41

3.32

2.57

2.81

2.47

2.69

3.18

3.38

2.88

3.22

2.77

2.732.85 2.98

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

小4 小6 中2

聞く姿勢 ノートのとり方家庭学習 発表意見交流 ふり返り計画力 資料活用

(※数字は、4件法による回答結果の学年平均値)

Page 2: 「学ぶ意欲」を生み出す学級経営の在り方を探る · 相関関係がある。 知的好奇心 ①好奇心 ②探究心 向上心 ③自力解決 ④挑戦意欲

研究紀要 第51集 要旨集(2009年3月)

□落ち着いた教室の雰囲気の中で、楽しく、よく分か

る授業(勉強の楽しさ・授業理解)を受けている子

どもは、学ぶ意欲が高まる傾向がある。

□教室内で、友人や教師などから認められる(社会的

承認)などして自己有用感が高まっている子どもは、

学ぶ意欲が高まる傾向がある。

□持ち物の点検などが自分ででき、規範意識の育って

いる子どもは、学ぶ意欲が高まる傾向がある。

2 リサーチアセスメントを活用した学級支援

システムの開発

リサーチアセスメントの結果を活用し、「学ぶ意欲」

を育てる学級支援システムとして、次のような支援

の流れ(R-PDCAサイクル)を考えた。

また、調査結果をフィードバックし、具体的な学

級支援を実現するための資料として、以下のような

2種類のシートを作成した。

(1) 調査結果のフィードバック

・「学ぶ意欲」と「学ぶ意欲を支え生み出すもの」の

現状を、県内平均値を100として構成要素ごと

にグラフ化している。

リサーチアセスメントシート

~リサーチアセスメントの結果シート~

   リサーチアセスメントシート      【学ぶ意欲】

学 ぶ 意 欲 指 数

意欲(情意)面 105

態度(行動)面 107

合      計 106

指数

好奇心「不思議だな」「なぜだろう」と思って勉強する

101

探究心 「知りたい」「調べたい」と思って勉強する 106

自力解決最後まで自分の力で答えを見つけようとしている

112

挑戦意欲どんなことでも失敗をおそれずに挑戦しようとしている

107

自己効力感苦手なことでも努力したらできるようになると思う

105

わかる喜びできる喜び

勉強していて「わかった」「できた」という気持ちになることがある

105

達成感成就感

最後までやり遂げてよかったという気持ちになることがある

103

聞く姿勢授業中、先生や友だちの話をよく聞いている

111

ノートのとり方授業中、黒板に書かれたことや大切だと思ったことをノートにとっている

114

家庭学習家で、学校の勉強の復習をしたり宿題をしたりしている

106

発表 授業中、自分の考えを発表している 99

意見交流授業中、友だちとの話し合いに参加している

103

ふり返り自己評価

勉強するとき、同じまちがいをくり返さないように気をつけている

110

計画力ふだんから自分で計画を立てて勉強している

107

資料活用いろいろな本や資料などを活用するようにしている

106

Research リサーチ

知的好奇心

向上心

児童・生徒の受け止め

発展的側面

学びの充実感

基礎的側面

積極的側面

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

達成感・成就感

平均値(100)

○○中1組

意欲(情意)面

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り

計画力

資料活用

態度(行動)面

R

・できる喜

・自己評価

学ぶ意欲

グラフや指数から、学級の児童生徒の現状や課題を客観的に把握できる。

   リサーチアセスメントシート      【学ぶ意欲】

学 ぶ 意 欲 指 数

意欲(情意)面 105

態度(行動)面 107

合      計 106

指数

好奇心「不思議だな」「なぜだろう」と思って勉強する

101

探究心 「知りたい」「調べたい」と思って勉強する 106

自力解決最後まで自分の力で答えを見つけようとしている

112

挑戦意欲どんなことでも失敗をおそれずに挑戦しようとしている

107

自己効力感苦手なことでも努力したらできるようになると思う

105

わかる喜びできる喜び

勉強していて「わかった」「できた」という気持ちになることがある

105

達成感成就感

最後までやり遂げてよかったという気持ちになることがある

103

聞く姿勢授業中、先生や友だちの話をよく聞いている

111

ノートのとり方授業中、黒板に書かれたことや大切だと思ったことをノートにとっている

114

家庭学習家で、学校の勉強の復習をしたり宿題をしたりしている

106

発表 授業中、自分の考えを発表している 99

意見交流授業中、友だちとの話し合いに参加している

103

ふり返り自己評価

勉強するとき、同じまちがいをくり返さないように気をつけている

110

計画力ふだんから自分で計画を立てて勉強している

107

資料活用いろいろな本や資料などを活用するようにしている

106

Research リサーチ

知的好奇心

向上心

児童・生徒の受け止め

発展的側面

学びの充実感

基礎的側面

積極的側面

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

達成感・成就感

平均値(100)

○○中1組

意欲(情意)面

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り

計画力

資料活用

態度(行動)面

R

・できる喜

・自己評価

学ぶ意欲

グラフや指数から、学級の児童生徒の現状や課題を客観的に把握できる。

(2) 学級支援の実際

P・D 学級支援計画を作成し、実践経過や進捗

状況を記入する。

C・A リサーチアセスメントで再評価すること

によって、指導の成果をふり返り、今後

の見通しをもつことができる。

□研究協力校(小学校

2校)では、学級支

援システムを活用し

重点指導事項を焦点

化して実践を行った

結果、児童の「学ぶ

意欲」が向上した。

□事後アンケート調査では、約7割の学級担任か

ら、「新たな気付き」や「学級改善のための手がか

り」を得られたという回答があり、課題が明確に

なったことで、教師側の意欲にもつながった。

■リサーチアセスメントのさらなる信頼性や実用

性の向上、支援の方法をより具体的・系統的に

提示することが課題である。

実践チエックトシート

     【学級支援計画の作成】

実態 重点

勉強の楽しさ ○

授業理解 ○

教室の雰囲気 ○

自治的活動 ○

係活動・学校行事 ○ ※

規範意識 ○

自己有用感 ○

自尊感情 ○

社会的承認 ○ ※

他者受容感 ○ ※

友人との関係 ○

教員との関係 ○

自然とのかかわり △ ※

社会とのかかわり ○

地域とのかかわり ○

持ち物の点検 ○

生活リズム ○

家族との会話 △ ※

教師と子ども相互の人間関係

基本的生活習慣(家庭生活)

自然体験・社会体験

 【実践②】 ・単元名(学級活動)  「友だちのよいところを見つけよう」 ・ねらい   友だちへのほめ言葉を「友だち発見カード」に書いてプレゼントしあうことで、仲間のよさ  に気付かせるとともに、ほめたりほめられたりする喜びを味わい、積極的に人とかかわる  意欲を高める。 ・授業の流れ  1 「友だちのよさ発見カード」に友だちのよいところを見つけて書こう。    カードを一人あたり5枚用意して配布する。    性格や行動、特技などいろいろな面から友だちのよさが見つけられるように助言する。   <約束>    らく書き・悪口を書くのはやめよう。    もらってうれしいこと、そんなことにも気付いてくれたというようなことを書こう。    カードの多さは問題ではない。1枚1枚終わりまでしっかり書こう。   ※担任からは、全員にカードを書いておく。  2 カードを配り、一斉に開けてカードを読む。  3 全体でふり返り(シェアリング)をする。    カードをもらってうれしかったことを交流しあう。    ふり返りカードを書く。

  一ヶ月ぐらいの間隔で何度か繰り返し、貯まったカードは  「スクラップ」にして残していく。  家の人にも読んでもらう。 

自尊感情(自己肯定感)

■目指す子どもの姿○一人ひとりを認め合えるクラスに  本学級の児童は、休み時間など普段の生活では明るく活発に過ごしているが、授業が始 まると、なかなか手を上げられなかったり小さな声でしか話せなかったりする。その背景とし ては、自信がないことや、失敗したら笑われるといった仲間意識の弱さがあるように思われ る。そこで、みんなで声を合わせて一つの詩を読み合う活動(群読)や友だちのよさを互い に見つけ合う活動(構成的グループエンカウンター)などの取り組みを継続的に行っていくこ とで、子どもたち同士のコミュニケーションを活性化させ、人間関係をよりよいものにし、互い に高め合えるような学級集団の雰囲気を作っていきたい。

■指導計画 【実践①】 ・単元名(国語科)(課外)   「群読にチャレンジ」 ・ねらい   群読を通して、聞く力や読む力、想像力や表現力を養う(国語科の目標)とともに、声を合  わせて表現することの楽しさやおもしろさを味わわせ、仲間意識を高め、一人ひとりを認め  合う学級集団を作る。 ・授業の流れ   基本的には以下の①~④の活動を繰り返す。あつかった作品は群読ファイルに残してい  く。全校集会などの機会に、練習の成果を発表する。   ①範読CDを聞く ②役割分担をする ③みんなで何度か練習する ④詩の意味を考え、   表現方法を工夫する  ※主な教材:「ののはな」「かっぱ」「いるか」「なまけ忍者」「おとなマーチ」「町の子」 など   なお、教材は、リズムがあり声を出して読んでみたいと思えるような教材から、詩の意味   をみんなで考えあえるような教材へと意図的に配列する。

Plan プラン重点指導事項  ■目指す子どもの姿  ■指導計画児童・生徒の受け止め

学級集団としての高まり

子どもの学習状況

目指す子どもの姿

指 導 計 画

・単元名(実践名)・ねらい・授業(指導)流れ

実践経過・進捗状況

学級の現状分析をふまえ、重点指導事項を決めて実践する。

実践チエックトシート

     【学級支援計画の作成】

実態 重点

勉強の楽しさ ○

授業理解 ○

教室の雰囲気 ○

自治的活動 ○

係活動・学校行事 ○ ※

規範意識 ○

自己有用感 ○

自尊感情 ○

社会的承認 ○ ※

他者受容感 ○ ※

友人との関係 ○

教員との関係 ○

自然とのかかわり △ ※

社会とのかかわり ○

地域とのかかわり ○

持ち物の点検 ○

生活リズム ○

家族との会話 △ ※

教師と子ども相互の人間関係

基本的生活習慣(家庭生活)

自然体験・社会体験

 【実践②】 ・単元名(学級活動)  「友だちのよいところを見つけよう」 ・ねらい   友だちへのほめ言葉を「友だち発見カード」に書いてプレゼントしあうことで、仲間のよさ  に気付かせるとともに、ほめたりほめられたりする喜びを味わい、積極的に人とかかわる  意欲を高める。 ・授業の流れ  1 「友だちのよさ発見カード」に友だちのよいところを見つけて書こう。    カードを一人あたり5枚用意して配布する。    性格や行動、特技などいろいろな面から友だちのよさが見つけられるように助言する。   <約束>    らく書き・悪口を書くのはやめよう。    もらってうれしいこと、そんなことにも気付いてくれたというようなことを書こう。    カードの多さは問題ではない。1枚1枚終わりまでしっかり書こう。   ※担任からは、全員にカードを書いておく。  2 カードを配り、一斉に開けてカードを読む。  3 全体でふり返り(シェアリング)をする。    カードをもらってうれしかったことを交流しあう。    ふり返りカードを書く。

  一ヶ月ぐらいの間隔で何度か繰り返し、貯まったカードは  「スクラップ」にして残していく。  家の人にも読んでもらう。 

自尊感情(自己肯定感)

■目指す子どもの姿○一人ひとりを認め合えるクラスに  本学級の児童は、休み時間など普段の生活では明るく活発に過ごしているが、授業が始 まると、なかなか手を上げられなかったり小さな声でしか話せなかったりする。その背景とし ては、自信がないことや、失敗したら笑われるといった仲間意識の弱さがあるように思われ る。そこで、みんなで声を合わせて一つの詩を読み合う活動(群読)や友だちのよさを互い に見つけ合う活動(構成的グループエンカウンター)などの取り組みを継続的に行っていくこ とで、子どもたち同士のコミュニケーションを活性化させ、人間関係をよりよいものにし、互い に高め合えるような学級集団の雰囲気を作っていきたい。

■指導計画 【実践①】 ・単元名(国語科)(課外)   「群読にチャレンジ」 ・ねらい   群読を通して、聞く力や読む力、想像力や表現力を養う(国語科の目標)とともに、声を合  わせて表現することの楽しさやおもしろさを味わわせ、仲間意識を高め、一人ひとりを認め  合う学級集団を作る。 ・授業の流れ   基本的には以下の①~④の活動を繰り返す。あつかった作品は群読ファイルに残してい  く。全校集会などの機会に、練習の成果を発表する。   ①範読CDを聞く ②役割分担をする ③みんなで何度か練習する ④詩の意味を考え、   表現方法を工夫する  ※主な教材:「ののはな」「かっぱ」「いるか」「なまけ忍者」「おとなマーチ」「町の子」 など   なお、教材は、リズムがあり声を出して読んでみたいと思えるような教材から、詩の意味   をみんなで考えあえるような教材へと意図的に配列する。

Plan プラン重点指導事項  ■目指す子どもの姿  ■指導計画児童・生徒の受け止め

学級集団としての高まり

子どもの学習状況

目指す子どもの姿

指 導 計 画

・単元名(実践名)・ねらい・授業(指導)流れ

実践経過・進捗状況

学級の現状分析をふまえ、重点指導事項を決めて実践する。

D 【実践経過】へ

成 果 と 課 題

実践チェックトシート

~具体的な学級支援を実現するためのシート~

リサーチアセスメントで再評価

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

できる喜び

達成感

成就感

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り自己評価

計画力

資料活用

意欲(情意)面 態度(行動)面■前回( 6月) 93■今回(12月) 103

■前回( 6月) 97■今回(12月) 100

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

できる喜び

達成感

成就感

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り自己評価

計画力

資料活用

意欲(情意)面 態度(行動)面■前回( 6月) 93■今回(12月) 103

■前回( 6月) 97■今回(12月) 100

意欲(情意)面10ポイント向上 態度(行動)面3ポイント向上

リサーチアセスメントで再評価

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

できる喜び

達成感

成就感

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り自己評価

計画力

資料活用

意欲(情意)面 態度(行動)面■前回( 6月) 93■今回(12月) 103

■前回( 6月) 97■今回(12月) 100

20

40

60

80

100

120

140好奇心

探究心

自力解決

挑戦意欲自己効力感

わかる喜び

できる喜び

達成感

成就感

20

40

60

80

100

120

140聞く姿勢

ノートのとり方

家庭学習

発表

意見交流

ふり返り自己評価

計画力

資料活用

意欲(情意)面 態度(行動)面■前回( 6月) 93■今回(12月) 103

■前回( 6月) 97■今回(12月) 100

意欲(情意)面10ポイント向上 態度(行動)面3ポイント向上

(設問2)学級の実態について新たに気付くことがありましたか n=58

24 12 219 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

あった

どちらともいえない

なかった

新たな気付き

(設問2)学級の実態について新たに気付くことがありましたか n=58

24 12 219 1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

あった

どちらともいえない

なかった

新たな気付き新たな気付き