Media Literacy Part 11

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メディア・リテラシー 11

Transcript of Media Literacy Part 11

メディア・リテラシー11

ニュースの製造現場・編集局

• TVと新聞のニュースの作られ方は似ている

• TV黎明期にはTV業界に取材方法が確立されていなかった為、新聞業界から記者を引き抜いたり、手本にしたから

• 編集局は社会部、政治部、経済部、学芸部、生活家庭部、外信部、科学部、運動部、写真部等で構成されている

• 新聞には整理部・TVには校閲部や審査部がある

• 編集局配下の各部は、それぞれ異なった取材方法を持っている為、全てを説明する時間がない

• よく目にする政治部と社会部を例にする

政治部と政治ニュース

• 新聞の全国紙やニュース番組では1面や冒頭に、国政問題や国際問題などの「政治ニュース」が来る事が多い

• 政治ニュースは最も格の有るもので、政治部は花形部署であるとされているが、視聴者の関心度とは無関係

• 政治部は東京にしかない部署で、基本的に国政関連についてしか取材しない

• 地方政治に関しては社会部や地方部、それと現地の地方支局の記者が行う

• 政治部に配属されて、最初に行うのが首相官邸詰め、いわゆる「番記者」

• 対してアメリカではホワイトハウスに詰める記者はベテラン記者

• この違いは

• 首相官邸とホワイトハウスから出てくる

• 情報量

• 情報のニュース価値

• が異なる為

• アメリカではホワイトハウスが政治権力も情報も一手に握っている

• 日本では、首相官邸よりも派閥のボスや官僚が握っている

• 番記者を終えると、各政党本部、各政党の派閥や、国会、省庁の記者クラブ詰めになる

• 政治部記者の取材の特徴は、担当政治家や派閥、政党に深く食い込んで取材をする

• ときには政治家の私生活にまで入り込む事すらある

• 国会や事務所だけではなく、料亭での会食から、政治家の自宅にまで上がり込んで、酒を飲みながら懇談のような取材をする

• 時には政治家の家にそのまま泊まり込み、翌朝一緒に国会に出勤することもある

• いつも一緒にいれば親近感がわき、そこでようやく政治家の口が開く

• しかし、記者側は政治家の事情がわかるだけに、政治家の視点から物事を見る様になってしまう

• この為、政治部記者は、一般市民の感覚から外れてしまい、本当に必要な市民の視点や弱者の立場がわかりにくくなる

• 政治家の立場に対し、物わかりの良い記事となってしまう

• 仮に何らかの法案が提案された、と言うニュースを伝える時、本来であればその法律が国民生活にどう影響を与えるかを記事にするべき

• しかし、実際はどの政治家の尽力でその法案が提出された等のどうでも良い事が記事になる

• 「政治に金は必要だ」の事情を知っているために、金の流れを掴みながらも大抵の記者は黙認している

• この問題が明るみに出たのは、田中角栄元首相逮捕に至ったロッキード事件や、政財界から多数の逮捕者を出し、竹下内閣を辞職に追い込んだリクルート事件が有名

• これらの事件に際し、政治部記者のほどんど全ての者が、金の流れを知っていたが、政治家の事情を顧みて黙認していた

• 雑誌記事を元に「社会部」の記者が突破口を開いた

• 社会部記者にとっては、一大ニュースになることが、政治部記者にとってはニュースで無い(またはニュースにしたくない)場合がある

• ニュースとは相対的なもので、各部の視点から見た場合、その事実のニュース価値は変わる

• だからと言って、現在の政治部記者の取材方法を否定するものではない

• 国民の知らない内に進行している政界の動きや隠されている面を報道する為には必要であると言える

• 対立する政治家や派閥の思惑が入り乱れる話題の場合

• 複数の記者からの情報をデスクが客観的(=デスクの主観的)に集約して記事を構成する

• 特定の政治家や派閥の思惑通りにニュースが誘導される事を防いでいる