Marketo クレスト RGB 201810S 02ム「LaunchPoint™」による、拡張性の...

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株式会社クレスト 業  種:サービス 業務内容:屋外広告・セールスプロ モーションなどサイン& ディスプレイ事業、 IN NATURAL」ブランドの 小売・造園事業 導入商品:マーケティングオートメー ション 活用用途:営業支援、メールマーケティ ング、リードナーチャリング 代表取締役社長の永井 俊輔氏が、前社 長の後継者として株式会社クレストへ 入社したのは、 2010 年 のこと。以 降 、 IT 投資の一環として Salesforce Marketoを次々と導入した結果、それま で横ばいだった同社の年間成長率は対 前年比30%になり、規 模にして3 4 へと急成長を遂げるに至った。 「マーケティングオートメーションMAを活用することで、目の前に山積する経営 株 式 会 社 クレスト は 、ファッション ブランド を 中 心に累計4,000社以上の屋外看板やディスプレイを 手掛けるBtoB のほか、 BtoC のガーデニングショッ プ「IN NATURAL 」を運営する。 Marketo の導入に よって、事業を右肩上がりで成長させているとい う同社の先進的な取り組みとは? 一つのツールに縛られない 長期的なIT投資の視点を 課題を解決する可能性を感じたのです」 (永井氏) 数あるMA の中でもMarketo を選ん だのは、サードパーティーのエコシステ ム「LaunchPoint™ 」による、拡 張 性 の 高さに惹かれたからだ。 「 今 は 、い ろん なツールとAPI 連携で つ な げ て 、必 要 な 機 能 を 追 加して いく 時代。無理したSI で一つのツールにがん じがらめになるのではなく、 Marketoいうワンクッションを挟んで外部と連 携 することで 、万 一 の 事 故 率 が 下 が る と考えています」と永井氏は語る。 課題 効果 個人のスキルに依存する部分が大きく、新人が独 り立ちするまでの教育コストがかさんでいた。 新規開拓は見込み顧客に飛び込みで営業電話をか ける、典型的な営業スタイルを採用していた。 見込み顧客の温度感がわからず、営業活動における 次のアクションは経験則によって決まっていた。 営業の業務フローが明確になり、月次の売上目標 を初達成するまでの期間が1/4に削減した。 営業効率の向上と教育プロセスの最適化により、 粗利益ベースでMarketoROI1000%になった。 Marketoのアラートで営業のタスクが決まるの で、コンテンツに対する意識が高まった。 お客様事例:株式会社クレスト MA ありきの業務フロー構築で Marketo をアウトバウンドセールスに徹底活用 1

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Page 1: Marketo クレスト RGB 201810S 02ム「LaunchPoint™」による、拡張性の 高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携で つなげて、必要な機能を追加していく

株式会社クレスト業  種:サービス業務内容:屋外広告・セールスプロ     モーションなどサイン&     ディスプレイ事業、     「IN NATURAL」ブランドの     小売・造園事業導入商品:マーケティングオートメー ション活用用途:営業支援、メールマーケティ

ング、リードナーチャリング

 代表取締役社長の永井 俊輔氏が、前社長の後継者として株式会社クレストへ入社したのは、2 0 1 0年のこと。以降、I T投資の一環としてS a l e s f o r c eやMarketoを次々と導入した結果、それまで横ばいだった同社の年間成長率は対前年比30%になり、規模にして3~4倍へと急成長を遂げるに至った。 「マーケティングオートメーション (MA)を活用することで、目の前に山積する経営

株式会社クレストは、ファッションブランドを中心に累計4,000社以上の屋外看板やディスプレイを手掛けるBtoBのほか、BtoCのガーデニングショップ「IN NATURAL」を運営する。Marketoの導入によって、事業を右肩上がりで成長させているという同社の先進的な取り組みとは?

一つのツールに縛られない長期的なIT投資の視点を

課題を解決する可能性を感じたのです」(永井氏) 数あるMAの中でもMarketoを選んだのは、サードパーティーのエコシステム「LaunchPoint™」による、拡張性の高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携でつなげて、必要な機能を追加していく時代。無理したSIで一つのツールにがんじがらめになるのではなく、Marketoというワンクッションを挟んで外部と連携することで、万一の事故率が下がると考えています」と永井氏は語る。

 

 永井氏いわく、“クレストにインバウンドはいらない”。同社では、Marketo

導入以前からアカウント・ベースド・マーケティング(A B M)を採用しており、ターゲットを狙い撃ちして営業をかけていたため、メールマーケティングの概念は不要だと捉えていた。 「インバウンドで広く獲得しようとすると、案件の規模感や温度感が見えず、玉石混交のリードが集まってしまう。弊社のビジネスモデルでは、クライアント企業が保有する店舗数が多ければ多いほど利益が出るため、営業コストで見ると、1店舗しかない企業でも、100店舗ある企業と同じだけの労力がかかってしまう。自ずとターゲットが絞られるので、インバウンドで獲得する必要がないんです」(永井氏) しかし 、この ターゲティング でMarketoが大いに役立った。あくまでも営業マンの経験則による属人的なものが、Marketoを入れたことで、Salesforce

に業種や店舗数を入れる習慣が浸透し、「店舗数×推定平均客単価」で企業をランク付けするようになったのだ。 「テレアポの総件数を100%とすると、Marketo導入により、面談にこぎつける

のが18%→50%、受注につながるのが7%→38%くらいと、約5倍にまで向上しました」と永井氏は話す。

 Marketoの導入による成果は、それだけではない。これまでメールマーケティングを行っていなかったが、Marketo導入を機に、メールの活用を始めた。初めて行ったのが、「3 0周年記念キャンペーン」。全てのリードに対してメールを配信し、普段は公開していない施工事例を限定公開したのだ。 「今では月2回のメールで、ブログの更新情報や新商品の紹介などを配信しています。それがクリックされたら営業マンの元へアラートメールが飛ぶように設定してあり、“Marketoからアラートが来たらすぐに電話をかける”のが、営業マンの中であたり前になっている。営業の業務フロー全体が、Marketoを起点としたものになっているんですよ」とSystem Solution Division Directorの江刺家 直也氏は語った。

 ブログのコンテンツは、週に1回行われる、ブログミーティングで決まる。営

業マン全員でローテーションを組み、自ら筆を取るところがポイントだ。 店内ディスプレイなどはシーズンごとに発注があるが、屋外広告の場合は更新サイクルが長くなる。 「今では営業マンが季節ごとのイベントから逆算して、コンテンツのアイデアを出すようになりました。忙しい販促担当の方はイベント直前に動くので、『うちだったらまだ間に合いますよ』と、あえてギリギリに送ってみるとか。ブログも当然Marketoでトラッキングしていますし、メールとも連動しています」(永井氏) ブログを書くことで、営業マンのコンテンツに対する意識も上がったという。コンテンツの刺さり具合によって、自分が取るべきアクションに影響が出てくるとなれば、コミットするのは当然のことだろう。

 「できるだけシンプルな運用にしたいので、Marketoのエンゲージメントプログラム(ナーチャリングを自動で実行できるプログラム)は使っていません。しかし、ナーチャリングの思考は常に頭の中に持っています。営業畑出身の永井のナレッジをM a r ke t oに詰め込んだら、あとは営業マンが自分の肌感覚で自然と動けていると思います」(江刺家氏)

 メールではブログの更新情報や新商品紹介のほかに、見込み顧客や既存顧客向けの限定キャンペーンも不定期で実施している。 「これまでで一番効果があったのは、

1ヵ月以内に取引のあったお客様に対して行った、『MacBook A i rプレゼントキャンペーン』。友達を紹介、その人が100万円以上発注してくれたら、2人ともにMacBook Airをプレゼントするというもの。要は、お客様との話題のネタになればいいのです」(永井氏) こうしたクレスト流のメール手法について、前職からマーケティングに造詣の深い江刺家氏は、次のように語る。 「私がいつも感心するのは、メールの開封率がほとんど落ちないことです。

『MacBook Airプレゼント』も最初は半信半疑でしたが、キャンペーンのランディングページを2~3回訪問した時点で営業にアラートが飛ぶようにしたら、半年間くらいジワジワと効果がありました。基本的に一発屋の施策は嫌いですが、弊社の場合は一斉メールを手動配信しているにもかかわらず、オプトアウトされないってすごい。開封率は大体40%台をキープしているし、過去に配信したメールを再開封される方も多くて、さらに驚いています」

 「Marketoが入ったおかげで、営業のフローや受注までのプロセスが、すごくわかりやすくなりました。新人に教えるときにも、指示が出しやすくなりましたね。その結果、入社してから初受注までのスパンが、かなり縮まったと実感しています」と話す江刺家氏。 永井氏も「入社してから、月間の売上目標100万円を達成するまでの期間も、以前は1年かかってましたが、今は3ヵ月にまで短縮しています」と続けた。 それは“スキルの高い営業マンを採用するようになったからではないか”と邪推してしまいたくなるが、同社が採用しているのは、前職が飲食店のホール

スタッフやアパレルショップの店員だった第二新卒なのだという。 「今の若い子はITリテラシーが高いので、Marketoを起点にした営業フローも、一度教えれば身につきます。一度受注して成功体験ができれば、それを業種で横展開すればいいだけ。すぐに1000万円を売り上げる一人前になってしまいますよ」(永井氏)

 メールの開封、キャンペーンページの閲覧など、同社がお客様の行動を把握するためのフックは多数あるが、中でもユニークなのが、“お客様に送る見積書をSalesforceの商談ページで発行し、そこへMarketoのトラッキングコードを忍ばせておく”というものだ。 「見積もりをPDFで送らず、Salesforce

のU R Lをメールに貼りつけておきます。そうすれば、お客様が見積もりをご覧になったタイミングで、Marketoにアラートが飛んでくるようになる。相見積もりを取られているなら、最後の一押しで電話をかけるなど、どう生かすかは営業マンの判断によります」(江刺家氏) 「今後やりたいのは、ここへさらにRTP

をつ なぎ 込むこと。そうす れ ば 、Marketoの情報とGoogle AdWordsを連携して、検討中のお客様に『ご注文をお待ちしております』と担当営業マンの写真付きで広告を出すことだってできるはずですから」と永井氏は語る。

 次に、B t o Cのガーデニング事業におけるMarketo活用について聞いた。 同社が運営する「IN NATURAL」は、現在8店舗を構えている。ショップでは植物やガーデニンググッズを販売しているが、売上の中心を占めているのは、一般家庭のお庭の工事だ。 「店頭やWebで募集しているワークショップを通じて見込み顧客を集めるとともに、購買履歴からお庭の有無を推測する。そこからお庭を持っていそうな方に向けて、メールや広告を配信しようとし

ているところです」(永井氏) 「BtoCでMAを使うには、顧客単価が高くないとROIが高くなりません。『 IN

NATURAL』で取り扱うお庭の工事の場合、フロントでコンタクトを取るのは奥様ですが、決裁権を持つのはご主人。購買プロセスはBtoBと同じなんですよ。『こんなお庭にしたい!』と奥様に興味を持ってもらっても、ご自分だけで即決できる金額ではありませんから。決裁権を持つご主人に安心感を与えられるよう、工事の見積もりはあえてメールではなく、しっかりした表紙をつけ、経営理念の提案から入るというブランド

戦略にしています」(江刺家氏) このように、Marketoでチャレンジを続けるクレストは、MAをどのように捉えているのだろうか。 「MarketoのROIは1000%じゃきかない。営業プロセスを考えるときはMarketoありきになっているので、取り上げられたら本当に困ります」と話す永井氏に対し、「もしMarketoの運用コストや教育コストがかかっていたら、ここまで成果は出せていなかったと思います。Marketo活用の肝は、経営者がMA思考に変わることではないでしょうか」と江刺家氏は語った。

課題 効果●個人のスキルに依存する部分が大きく、新人が独 り立ちするまでの教育コストがかさんでいた。

●新規開拓は見込み顧客に飛び込みで営業電話をか ける、典型的な営業スタイルを採用していた。

●見込み顧客の温度感がわからず、営業活動における 次のアクションは経験則によって決まっていた。

●営業の業務フローが明確になり、月次の売上目標 を初達成するまでの期間が1/4に削減した。

●営業効率の向上と教育プロセスの最適化により、 粗利益ベースでMarketoのROIは1000%になった。

●Marketoのアラートで営業のタスクが決まるの  で、コンテンツに対する意識が高まった。

お客様事例:株式会社クレスト

MAありきの業務フロー構築でMarketoをアウトバウンドセールスに徹底活用

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Page 2: Marketo クレスト RGB 201810S 02ム「LaunchPoint™」による、拡張性の 高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携で つなげて、必要な機能を追加していく

 代表取締役社長の永井 俊輔氏が、前社長の後継者として株式会社クレストへ入社したのは、2 0 1 0年のこと。以降、I T投資の一環としてS a l e s f o r c eやMarketoを次々と導入した結果、それまで横ばいだった同社の年間成長率は対前年比30%になり、規模にして3~4倍へと急成長を遂げるに至った。 「マーケティングオートメーション (MA)を活用することで、目の前に山積する経営

属人的なテレアポからの脱却で受注率が約5倍に

営業マンのアクションは顧客のメール開封で決まる

自らコンテンツを作り顧客ニーズの感度を高める

課題を解決する可能性を感じたのです」(永井氏) 数あるMAの中でもMarketoを選んだのは、サードパーティーのエコシステム「LaunchPoint™」による、拡張性の高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携でつなげて、必要な機能を追加していく時代。無理したSIで一つのツールにがんじがらめになるのではなく、Marketoというワンクッションを挟んで外部と連携することで、万一の事故率が下がると考えています」と永井氏は語る。

 

 永井氏いわく、“クレストにインバウンドはいらない”。同社では、Marketo

導入以前からアカウント・ベースド・マーケティング(A B M)を採用しており、ターゲットを狙い撃ちして営業をかけていたため、メールマーケティングの概念は不要だと捉えていた。 「インバウンドで広く獲得しようとすると、案件の規模感や温度感が見えず、玉石混交のリードが集まってしまう。弊社のビジネスモデルでは、クライアント企業が保有する店舗数が多ければ多いほど利益が出るため、営業コストで見ると、1店舗しかない企業でも、100店舗ある企業と同じだけの労力がかかってしまう。自ずとターゲットが絞られるので、インバウンドで獲得する必要がないんです」(永井氏) しかし 、この ターゲティング でMarketoが大いに役立った。あくまでも営業マンの経験則による属人的なものが、Marketoを入れたことで、Salesforce

に業種や店舗数を入れる習慣が浸透し、「店舗数×推定平均客単価」で企業をランク付けするようになったのだ。 「テレアポの総件数を100%とすると、Marketo導入により、面談にこぎつける

のが18%→50%、受注につながるのが7%→38%くらいと、約5倍にまで向上しました」と永井氏は話す。

 Marketoの導入による成果は、それだけではない。これまでメールマーケティングを行っていなかったが、Marketo導入を機に、メールの活用を始めた。初めて行ったのが、「3 0周年記念キャンペーン」。全てのリードに対してメールを配信し、普段は公開していない施工事例を限定公開したのだ。 「今では月2回のメールで、ブログの更新情報や新商品の紹介などを配信しています。それがクリックされたら営業マンの元へアラートメールが飛ぶように設定してあり、“Marketoからアラートが来たらすぐに電話をかける”のが、営業マンの中であたり前になっている。営業の業務フロー全体が、Marketoを起点としたものになっているんですよ」とSystem Solution Division Directorの江刺家 直也氏は語った。

 ブログのコンテンツは、週に1回行われる、ブログミーティングで決まる。営

業マン全員でローテーションを組み、自ら筆を取るところがポイントだ。 店内ディスプレイなどはシーズンごとに発注があるが、屋外広告の場合は更新サイクルが長くなる。 「今では営業マンが季節ごとのイベントから逆算して、コンテンツのアイデアを出すようになりました。忙しい販促担当の方はイベント直前に動くので、『うちだったらまだ間に合いますよ』と、あえてギリギリに送ってみるとか。ブログも当然Marketoでトラッキングしていますし、メールとも連動しています」(永井氏) ブログを書くことで、営業マンのコンテンツに対する意識も上がったという。コンテンツの刺さり具合によって、自分が取るべきアクションに影響が出てくるとなれば、コミットするのは当然のことだろう。

 「できるだけシンプルな運用にしたいので、Marketoのエンゲージメントプログラム(ナーチャリングを自動で実行できるプログラム)は使っていません。しかし、ナーチャリングの思考は常に頭の中に持っています。営業畑出身の永井のナレッジをM a r ke t oに詰め込んだら、あとは営業マンが自分の肌感覚で自然と動けていると思います」(江刺家氏)

 メールではブログの更新情報や新商品紹介のほかに、見込み顧客や既存顧客向けの限定キャンペーンも不定期で実施している。 「これまでで一番効果があったのは、

1ヵ月以内に取引のあったお客様に対して行った、『MacBook A i rプレゼントキャンペーン』。友達を紹介、その人が100万円以上発注してくれたら、2人ともにMacBook Airをプレゼントするというもの。要は、お客様との話題のネタになればいいのです」(永井氏) こうしたクレスト流のメール手法について、前職からマーケティングに造詣の深い江刺家氏は、次のように語る。 「私がいつも感心するのは、メールの開封率がほとんど落ちないことです。

『MacBook Airプレゼント』も最初は半信半疑でしたが、キャンペーンのランディングページを2~3回訪問した時点で営業にアラートが飛ぶようにしたら、半年間くらいジワジワと効果がありました。基本的に一発屋の施策は嫌いですが、弊社の場合は一斉メールを手動配信しているにもかかわらず、オプトアウトされないってすごい。開封率は大体40%台をキープしているし、過去に配信したメールを再開封される方も多くて、さらに驚いています」

 「Marketoが入ったおかげで、営業のフローや受注までのプロセスが、すごくわかりやすくなりました。新人に教えるときにも、指示が出しやすくなりましたね。その結果、入社してから初受注までのスパンが、かなり縮まったと実感しています」と話す江刺家氏。 永井氏も「入社してから、月間の売上目標100万円を達成するまでの期間も、以前は1年かかってましたが、今は3ヵ月にまで短縮しています」と続けた。 それは“スキルの高い営業マンを採用するようになったからではないか”と邪推してしまいたくなるが、同社が採用しているのは、前職が飲食店のホール

スタッフやアパレルショップの店員だった第二新卒なのだという。 「今の若い子はITリテラシーが高いので、Marketoを起点にした営業フローも、一度教えれば身につきます。一度受注して成功体験ができれば、それを業種で横展開すればいいだけ。すぐに1000万円を売り上げる一人前になってしまいますよ」(永井氏)

 メールの開封、キャンペーンページの閲覧など、同社がお客様の行動を把握するためのフックは多数あるが、中でもユニークなのが、“お客様に送る見積書をSalesforceの商談ページで発行し、そこへMarketoのトラッキングコードを忍ばせておく”というものだ。 「見積もりをPDFで送らず、Salesforce

のU R Lをメールに貼りつけておきます。そうすれば、お客様が見積もりをご覧になったタイミングで、Marketoにアラートが飛んでくるようになる。相見積もりを取られているなら、最後の一押しで電話をかけるなど、どう生かすかは営業マンの判断によります」(江刺家氏) 「今後やりたいのは、ここへさらにRTP

をつ なぎ 込むこと。そうす れ ば 、Marketoの情報とGoogle AdWordsを連携して、検討中のお客様に『ご注文をお待ちしております』と担当営業マンの写真付きで広告を出すことだってできるはずですから」と永井氏は語る。

 次に、B t o Cのガーデニング事業におけるMarketo活用について聞いた。 同社が運営する「IN NATURAL」は、現在8店舗を構えている。ショップでは植物やガーデニンググッズを販売しているが、売上の中心を占めているのは、一般家庭のお庭の工事だ。 「店頭やWebで募集しているワークショップを通じて見込み顧客を集めるとともに、購買履歴からお庭の有無を推測する。そこからお庭を持っていそうな方に向けて、メールや広告を配信しようとし

ているところです」(永井氏) 「BtoCでMAを使うには、顧客単価が高くないとROIが高くなりません。『 IN

NATURAL』で取り扱うお庭の工事の場合、フロントでコンタクトを取るのは奥様ですが、決裁権を持つのはご主人。購買プロセスはBtoBと同じなんですよ。『こんなお庭にしたい!』と奥様に興味を持ってもらっても、ご自分だけで即決できる金額ではありませんから。決裁権を持つご主人に安心感を与えられるよう、工事の見積もりはあえてメールではなく、しっかりした表紙をつけ、経営理念の提案から入るというブランド

戦略にしています」(江刺家氏) このように、Marketoでチャレンジを続けるクレストは、MAをどのように捉えているのだろうか。 「MarketoのROIは1000%じゃきかない。営業プロセスを考えるときはMarketoありきになっているので、取り上げられたら本当に困ります」と話す永井氏に対し、「もしMarketoの運用コストや教育コストがかかっていたら、ここまで成果は出せていなかったと思います。Marketo活用の肝は、経営者がMA思考に変わることではないでしょうか」と江刺家氏は語った。

お客様事例:株式会社クレスト

「もはや Marketo を使わない選択肢が見つかりません」(永井氏)

営業プロセスをMAありきで考えるよう、経営者のマインドを変えることが重要です。

代表取締役社長永井 俊輔 氏

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Page 3: Marketo クレスト RGB 201810S 02ム「LaunchPoint™」による、拡張性の 高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携で つなげて、必要な機能を追加していく

 代表取締役社長の永井 俊輔氏が、前社長の後継者として株式会社クレストへ入社したのは、2 0 1 0年のこと。以降、I T投資の一環としてS a l e s f o r c eやMarketoを次々と導入した結果、それまで横ばいだった同社の年間成長率は対前年比30%になり、規模にして3~4倍へと急成長を遂げるに至った。 「マーケティングオートメーション (MA)を活用することで、目の前に山積する経営

単発のキャンペーンでも開封率40%台を維持できる

Marketoで新人教育に変化成長スピードが急速に

見積書をPDFではなくURLで送る真意とは

課題を解決する可能性を感じたのです」(永井氏) 数あるMAの中でもMarketoを選んだのは、サードパーティーのエコシステム「LaunchPoint™」による、拡張性の高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携でつなげて、必要な機能を追加していく時代。無理したSIで一つのツールにがんじがらめになるのではなく、Marketoというワンクッションを挟んで外部と連携することで、万一の事故率が下がると考えています」と永井氏は語る。

 

 永井氏いわく、“クレストにインバウンドはいらない”。同社では、Marketo

導入以前からアカウント・ベースド・マーケティング(A B M)を採用しており、ターゲットを狙い撃ちして営業をかけていたため、メールマーケティングの概念は不要だと捉えていた。 「インバウンドで広く獲得しようとすると、案件の規模感や温度感が見えず、玉石混交のリードが集まってしまう。弊社のビジネスモデルでは、クライアント企業が保有する店舗数が多ければ多いほど利益が出るため、営業コストで見ると、1店舗しかない企業でも、100店舗ある企業と同じだけの労力がかかってしまう。自ずとターゲットが絞られるので、インバウンドで獲得する必要がないんです」(永井氏) しかし 、この ターゲティング でMarketoが大いに役立った。あくまでも営業マンの経験則による属人的なものが、Marketoを入れたことで、Salesforce

に業種や店舗数を入れる習慣が浸透し、「店舗数×推定平均客単価」で企業をランク付けするようになったのだ。 「テレアポの総件数を100%とすると、Marketo導入により、面談にこぎつける

のが18%→50%、受注につながるのが7%→38%くらいと、約5倍にまで向上しました」と永井氏は話す。

 Marketoの導入による成果は、それだけではない。これまでメールマーケティングを行っていなかったが、Marketo導入を機に、メールの活用を始めた。初めて行ったのが、「3 0周年記念キャンペーン」。全てのリードに対してメールを配信し、普段は公開していない施工事例を限定公開したのだ。 「今では月2回のメールで、ブログの更新情報や新商品の紹介などを配信しています。それがクリックされたら営業マンの元へアラートメールが飛ぶように設定してあり、“Marketoからアラートが来たらすぐに電話をかける”のが、営業マンの中であたり前になっている。営業の業務フロー全体が、Marketoを起点としたものになっているんですよ」とSystem Solution Division Directorの江刺家 直也氏は語った。

 ブログのコンテンツは、週に1回行われる、ブログミーティングで決まる。営

業マン全員でローテーションを組み、自ら筆を取るところがポイントだ。 店内ディスプレイなどはシーズンごとに発注があるが、屋外広告の場合は更新サイクルが長くなる。 「今では営業マンが季節ごとのイベントから逆算して、コンテンツのアイデアを出すようになりました。忙しい販促担当の方はイベント直前に動くので、『うちだったらまだ間に合いますよ』と、あえてギリギリに送ってみるとか。ブログも当然Marketoでトラッキングしていますし、メールとも連動しています」(永井氏) ブログを書くことで、営業マンのコンテンツに対する意識も上がったという。コンテンツの刺さり具合によって、自分が取るべきアクションに影響が出てくるとなれば、コミットするのは当然のことだろう。

 「できるだけシンプルな運用にしたいので、Marketoのエンゲージメントプログラム(ナーチャリングを自動で実行できるプログラム)は使っていません。しかし、ナーチャリングの思考は常に頭の中に持っています。営業畑出身の永井のナレッジをM a r ke t oに詰め込んだら、あとは営業マンが自分の肌感覚で自然と動けていると思います」(江刺家氏)

 メールではブログの更新情報や新商品紹介のほかに、見込み顧客や既存顧客向けの限定キャンペーンも不定期で実施している。 「これまでで一番効果があったのは、

1ヵ月以内に取引のあったお客様に対して行った、『MacBook A i rプレゼントキャンペーン』。友達を紹介、その人が100万円以上発注してくれたら、2人ともにMacBook Airをプレゼントするというもの。要は、お客様との話題のネタになればいいのです」(永井氏) こうしたクレスト流のメール手法について、前職からマーケティングに造詣の深い江刺家氏は、次のように語る。 「私がいつも感心するのは、メールの開封率がほとんど落ちないことです。

『MacBook Airプレゼント』も最初は半信半疑でしたが、キャンペーンのランディングページを2~3回訪問した時点で営業にアラートが飛ぶようにしたら、半年間くらいジワジワと効果がありました。基本的に一発屋の施策は嫌いですが、弊社の場合は一斉メールを手動配信しているにもかかわらず、オプトアウトされないってすごい。開封率は大体40%台をキープしているし、過去に配信したメールを再開封される方も多くて、さらに驚いています」

 「Marketoが入ったおかげで、営業のフローや受注までのプロセスが、すごくわかりやすくなりました。新人に教えるときにも、指示が出しやすくなりましたね。その結果、入社してから初受注までのスパンが、かなり縮まったと実感しています」と話す江刺家氏。 永井氏も「入社してから、月間の売上目標100万円を達成するまでの期間も、以前は1年かかってましたが、今は3ヵ月にまで短縮しています」と続けた。 それは“スキルの高い営業マンを採用するようになったからではないか”と邪推してしまいたくなるが、同社が採用しているのは、前職が飲食店のホール

スタッフやアパレルショップの店員だった第二新卒なのだという。 「今の若い子はITリテラシーが高いので、Marketoを起点にした営業フローも、一度教えれば身につきます。一度受注して成功体験ができれば、それを業種で横展開すればいいだけ。すぐに1000万円を売り上げる一人前になってしまいますよ」(永井氏)

 メールの開封、キャンペーンページの閲覧など、同社がお客様の行動を把握するためのフックは多数あるが、中でもユニークなのが、“お客様に送る見積書をSalesforceの商談ページで発行し、そこへMarketoのトラッキングコードを忍ばせておく”というものだ。 「見積もりをPDFで送らず、Salesforce

のU R Lをメールに貼りつけておきます。そうすれば、お客様が見積もりをご覧になったタイミングで、Marketoにアラートが飛んでくるようになる。相見積もりを取られているなら、最後の一押しで電話をかけるなど、どう生かすかは営業マンの判断によります」(江刺家氏) 「今後やりたいのは、ここへさらにRTP

をつ なぎ 込むこと。そうす れ ば 、Marketoの情報とGoogle AdWordsを連携して、検討中のお客様に『ご注文をお待ちしております』と担当営業マンの写真付きで広告を出すことだってできるはずですから」と永井氏は語る。

 次に、B t o Cのガーデニング事業におけるMarketo活用について聞いた。 同社が運営する「IN NATURAL」は、現在8店舗を構えている。ショップでは植物やガーデニンググッズを販売しているが、売上の中心を占めているのは、一般家庭のお庭の工事だ。 「店頭やWebで募集しているワークショップを通じて見込み顧客を集めるとともに、購買履歴からお庭の有無を推測する。そこからお庭を持っていそうな方に向けて、メールや広告を配信しようとし

ているところです」(永井氏) 「BtoCでMAを使うには、顧客単価が高くないとROIが高くなりません。『 IN

NATURAL』で取り扱うお庭の工事の場合、フロントでコンタクトを取るのは奥様ですが、決裁権を持つのはご主人。購買プロセスはBtoBと同じなんですよ。『こんなお庭にしたい!』と奥様に興味を持ってもらっても、ご自分だけで即決できる金額ではありませんから。決裁権を持つご主人に安心感を与えられるよう、工事の見積もりはあえてメールではなく、しっかりした表紙をつけ、経営理念の提案から入るというブランド

戦略にしています」(江刺家氏) このように、Marketoでチャレンジを続けるクレストは、MAをどのように捉えているのだろうか。 「MarketoのROIは1000%じゃきかない。営業プロセスを考えるときはMarketoありきになっているので、取り上げられたら本当に困ります」と話す永井氏に対し、「もしMarketoの運用コストや教育コストがかかっていたら、ここまで成果は出せていなかったと思います。Marketo活用の肝は、経営者がMA思考に変わることではないでしょうか」と江刺家氏は語った。

営業効率が上がり、新人の教育コストが下がった結果、大きな成果につながりました。

「営業活動のオプションとしてMAを捉えていては、必ず失敗します」(江刺家氏)

System Solution Division Director江刺家 直也 氏

お客様事例:株式会社クレスト

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Page 4: Marketo クレスト RGB 201810S 02ム「LaunchPoint™」による、拡張性の 高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携で つなげて、必要な機能を追加していく

 代表取締役社長の永井 俊輔氏が、前社長の後継者として株式会社クレストへ入社したのは、2 0 1 0年のこと。以降、I T投資の一環としてS a l e s f o r c eやMarketoを次々と導入した結果、それまで横ばいだった同社の年間成長率は対前年比30%になり、規模にして3~4倍へと急成長を遂げるに至った。 「マーケティングオートメーション (MA)を活用することで、目の前に山積する経営

MarketoのROIは1000%MA思考で経営を変えろ

課題を解決する可能性を感じたのです」(永井氏) 数あるMAの中でもMarketoを選んだのは、サードパーティーのエコシステム「LaunchPoint™」による、拡張性の高さに惹かれたからだ。 「今は、いろんなツールとAPI連携でつなげて、必要な機能を追加していく時代。無理したSIで一つのツールにがんじがらめになるのではなく、Marketoというワンクッションを挟んで外部と連携することで、万一の事故率が下がると考えています」と永井氏は語る。

 

 永井氏いわく、“クレストにインバウンドはいらない”。同社では、Marketo

導入以前からアカウント・ベースド・マーケティング(A B M)を採用しており、ターゲットを狙い撃ちして営業をかけていたため、メールマーケティングの概念は不要だと捉えていた。 「インバウンドで広く獲得しようとすると、案件の規模感や温度感が見えず、玉石混交のリードが集まってしまう。弊社のビジネスモデルでは、クライアント企業が保有する店舗数が多ければ多いほど利益が出るため、営業コストで見ると、1店舗しかない企業でも、100店舗ある企業と同じだけの労力がかかってしまう。自ずとターゲットが絞られるので、インバウンドで獲得する必要がないんです」(永井氏) しかし 、この ターゲティング でMarketoが大いに役立った。あくまでも営業マンの経験則による属人的なものが、Marketoを入れたことで、Salesforce

に業種や店舗数を入れる習慣が浸透し、「店舗数×推定平均客単価」で企業をランク付けするようになったのだ。 「テレアポの総件数を100%とすると、Marketo導入により、面談にこぎつける

のが18%→50%、受注につながるのが7%→38%くらいと、約5倍にまで向上しました」と永井氏は話す。

 Marketoの導入による成果は、それだけではない。これまでメールマーケティングを行っていなかったが、Marketo導入を機に、メールの活用を始めた。初めて行ったのが、「3 0周年記念キャンペーン」。全てのリードに対してメールを配信し、普段は公開していない施工事例を限定公開したのだ。 「今では月2回のメールで、ブログの更新情報や新商品の紹介などを配信しています。それがクリックされたら営業マンの元へアラートメールが飛ぶように設定してあり、“Marketoからアラートが来たらすぐに電話をかける”のが、営業マンの中であたり前になっている。営業の業務フロー全体が、Marketoを起点としたものになっているんですよ」とSystem Solution Division Directorの江刺家 直也氏は語った。

 ブログのコンテンツは、週に1回行われる、ブログミーティングで決まる。営

業マン全員でローテーションを組み、自ら筆を取るところがポイントだ。 店内ディスプレイなどはシーズンごとに発注があるが、屋外広告の場合は更新サイクルが長くなる。 「今では営業マンが季節ごとのイベントから逆算して、コンテンツのアイデアを出すようになりました。忙しい販促担当の方はイベント直前に動くので、『うちだったらまだ間に合いますよ』と、あえてギリギリに送ってみるとか。ブログも当然Marketoでトラッキングしていますし、メールとも連動しています」(永井氏) ブログを書くことで、営業マンのコンテンツに対する意識も上がったという。コンテンツの刺さり具合によって、自分が取るべきアクションに影響が出てくるとなれば、コミットするのは当然のことだろう。

 「できるだけシンプルな運用にしたいので、Marketoのエンゲージメントプログラム(ナーチャリングを自動で実行できるプログラム)は使っていません。しかし、ナーチャリングの思考は常に頭の中に持っています。営業畑出身の永井のナレッジをM a r ke t oに詰め込んだら、あとは営業マンが自分の肌感覚で自然と動けていると思います」(江刺家氏)

 メールではブログの更新情報や新商品紹介のほかに、見込み顧客や既存顧客向けの限定キャンペーンも不定期で実施している。 「これまでで一番効果があったのは、

1ヵ月以内に取引のあったお客様に対して行った、『MacBook A i rプレゼントキャンペーン』。友達を紹介、その人が100万円以上発注してくれたら、2人ともにMacBook Airをプレゼントするというもの。要は、お客様との話題のネタになればいいのです」(永井氏) こうしたクレスト流のメール手法について、前職からマーケティングに造詣の深い江刺家氏は、次のように語る。 「私がいつも感心するのは、メールの開封率がほとんど落ちないことです。

『MacBook Airプレゼント』も最初は半信半疑でしたが、キャンペーンのランディングページを2~3回訪問した時点で営業にアラートが飛ぶようにしたら、半年間くらいジワジワと効果がありました。基本的に一発屋の施策は嫌いですが、弊社の場合は一斉メールを手動配信しているにもかかわらず、オプトアウトされないってすごい。開封率は大体40%台をキープしているし、過去に配信したメールを再開封される方も多くて、さらに驚いています」

 「Marketoが入ったおかげで、営業のフローや受注までのプロセスが、すごくわかりやすくなりました。新人に教えるときにも、指示が出しやすくなりましたね。その結果、入社してから初受注までのスパンが、かなり縮まったと実感しています」と話す江刺家氏。 永井氏も「入社してから、月間の売上目標100万円を達成するまでの期間も、以前は1年かかってましたが、今は3ヵ月にまで短縮しています」と続けた。 それは“スキルの高い営業マンを採用するようになったからではないか”と邪推してしまいたくなるが、同社が採用しているのは、前職が飲食店のホール

スタッフやアパレルショップの店員だった第二新卒なのだという。 「今の若い子はITリテラシーが高いので、Marketoを起点にした営業フローも、一度教えれば身につきます。一度受注して成功体験ができれば、それを業種で横展開すればいいだけ。すぐに1000万円を売り上げる一人前になってしまいますよ」(永井氏)

 メールの開封、キャンペーンページの閲覧など、同社がお客様の行動を把握するためのフックは多数あるが、中でもユニークなのが、“お客様に送る見積書をSalesforceの商談ページで発行し、そこへMarketoのトラッキングコードを忍ばせておく”というものだ。 「見積もりをPDFで送らず、Salesforce

のU R Lをメールに貼りつけておきます。そうすれば、お客様が見積もりをご覧になったタイミングで、Marketoにアラートが飛んでくるようになる。相見積もりを取られているなら、最後の一押しで電話をかけるなど、どう生かすかは営業マンの判断によります」(江刺家氏) 「今後やりたいのは、ここへさらにRTP

をつ なぎ 込むこと。そうす れ ば 、Marketoの情報とGoogle AdWordsを連携して、検討中のお客様に『ご注文をお待ちしております』と担当営業マンの写真付きで広告を出すことだってできるはずですから」と永井氏は語る。

 次に、B t o Cのガーデニング事業におけるMarketo活用について聞いた。 同社が運営する「IN NATURAL」は、現在8店舗を構えている。ショップでは植物やガーデニンググッズを販売しているが、売上の中心を占めているのは、一般家庭のお庭の工事だ。 「店頭やWebで募集しているワークショップを通じて見込み顧客を集めるとともに、購買履歴からお庭の有無を推測する。そこからお庭を持っていそうな方に向けて、メールや広告を配信しようとし

ているところです」(永井氏) 「BtoCでMAを使うには、顧客単価が高くないとROIが高くなりません。『 IN

NATURAL』で取り扱うお庭の工事の場合、フロントでコンタクトを取るのは奥様ですが、決裁権を持つのはご主人。購買プロセスはBtoBと同じなんですよ。『こんなお庭にしたい!』と奥様に興味を持ってもらっても、ご自分だけで即決できる金額ではありませんから。決裁権を持つご主人に安心感を与えられるよう、工事の見積もりはあえてメールではなく、しっかりした表紙をつけ、経営理念の提案から入るというブランド

戦略にしています」(江刺家氏) このように、Marketoでチャレンジを続けるクレストは、MAをどのように捉えているのだろうか。 「MarketoのROIは1000%じゃきかない。営業プロセスを考えるときはMarketoありきになっているので、取り上げられたら本当に困ります」と話す永井氏に対し、「もしMarketoの運用コストや教育コストがかかっていたら、ここまで成果は出せていなかったと思います。Marketo活用の肝は、経営者がMA思考に変わることではないでしょうか」と江刺家氏は語った。

BtoBにおけるMarketo活用

営業マン顧客

③営業マンへ アラートが飛ぶ

①メールで情報配信や URLつきの見積もりを送付

新商品紹介ブログの更新情報キャンペーン情報

URLつきの見積もり

②メールの開封/ URLをクリック

④営業マン個々人で最適なアプローチ

顧客がアクションを起こしたら、Marketoから営業マンへ自動的にアラート。あとは営業マン個々人で、最適なアプローチを行う

Marketoの管理画面を見ながら営業戦略を立てる永井氏と江刺家氏

同社によるMarketoとSalesforce運用の画面イメージ

お客様事例:株式会社クレスト

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