Logic, Data Science and Institutional Research
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17-Jan-2017 -
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Education
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Logic, Data Science and Institutional
Research
森 雅生 東京工業大学 情報活用IR室
発表の趣旨
大学経営を支援する 情報学の一面を
私的な経験に基づいて ご紹介するものです。
発表内容
1.Institutional Research
2.Data Science
3.Logic, related.
オランダ国 王立科学アカデミー
1. Institutional Research
デン・ハーグの 地下トラム駅
これまでの履歴
H8.4~H18.9 九州大学 システム情報科学研究院(助手)
H18.10~H27.3 同大学 大学評価情報室(助教、准教授)
H27.4~ 東京工業大学 情報活用IR室 (教授)
大学評価と研究者情報DB
九大の研究者DB(H4~)
情報発信だけでなく評価や広報、計画策定の基礎データ
アクセス 月平均10~20万件九州大学 椎木講堂
この仕事が なぜ面白いか
直帰率
平均ページ閲覧数
研究者情報のアクセス分析がきっかけ。
こうした大学情報の収集や分析の実務ベースの研究がこれまでの日本になかった。
大学経営を支援する大学情報に焦点を当てる。
この仕事の面白さと意義
Institutional Research
”機関の意思決定や計画策定に資する情報の提供” (Saupe 1990,教育学)
米国の大学では教育に特化したIR。
Institutional Research
実はこの仕事、欧米では半世紀ほど前から、一つの業種となっており、業界も成り立っている。
大学・研究所などの、高等教育機関・科学技術研究機関の機関行政の支援を任務とした専門職。
Institutional Research
日本の大学では、研究戦略や業務運営においても期待が高い。
邦訳:機関調査、機関研究。
教育研究組織における活動の質保証ツール。
Institutional Research
欧米では、少なからず実務兼研究者(教育学、情報学、統計学、経営学、心理学を出自)がいる。
日本ではほとんど皆無(でしたが今は違ってきてます)。
2.Data Science
東京・汐留の高層ビルから 見た2つの日本の象徴
データサイエンスって?
目的を意図せずに集められた情報(ビッグデータ)を利用
主に人間の行動についての予測や、傾向の把握をするためのデータ分析を指す。
Research Questionの設定が鍵。
大学情報をどう分類するか
組織論的な分類と情報学的な分類
Research Question 事例 1
「各学部における教育プログラムが、学生自身の学習への満足や、学習成果として達成感に結びついているか。」
このような問いがなぜ必要かも含めて調査を設計、実施と分析を行う。
Research Question 事例 1
大学行政の観点からの 課題設定
•認証評価の評価基準で 要請
•各教育プログラムの改善
•将来計画への基礎データ
“大学教育に関する5項目について満足度と学習達成度を5段階で調査 ” 在学4年生対象。 「教養教育」、「専門教育」、「ゼミ」、「卒業研究」、「実習」 満足度:満足(5) <-> 不満 (1) 達成度:成遂げた(5) <-> できなかった(1)
Research Question 事例 1
情報処理の方策
•ウェブアンケート
•回収率向上への工夫
•リマインダを活用
Research Question 事例 1
統計解析による分析
•アンケート→多変量解析
•回答の状況を可視化
•幾つかの解釈を与える
項目ごとに相関係数を算出、レーダーチャートにプロット
満足度と達成度の相関分析
学習の満足度と達成感に関する調査
満足感と達成感には相関が見られる。ただし、ある学部の教養教育には相関が見られない。
※ 意図したものであれば良いが、そうでないのであれば、その原因の究明と改善の必要性を検討する。
満足度:ゼミ・卒検は同傾向、不満足は多様化
スコアの主成分分析
学習の満足度と達成感に関する調査
満足度の調査では、不満足であった学生が、どの点で不満足であったかについては、多様性がみられる。
※ 学部ごとに詳細な分析と、特に入学時の学生のニーズと大学の教育の目的に齟齬がないか調査する必要がある。
3. Logic, related
論理的にIRを進めるということ
大学の中で起こっていることは社会学的現象。
それらを引き起こす要因はただ一つではない。
要因は必要条件に類似する→必要原因
大学経営の多くの議論の場で、高々一つの必要原因で意思決定がなされる場合が多い。
IR普及のための活動
学術的国際会議 4th DSIR
国内向け研究集会 4th MJIR
IR人材育成カリキュラム (九大大学院基幹教育)
IR導入コンサルテーション
人材育成では、これまで共同研究者や同僚(院生)2人がIR専任教員・職員として採用される。
九州大学 アイコン 本部第一庁舎および旧工学部本館
おわり