Kipper’s Balloon (ORT Stage 2) について112 113 Kipper’s Balloonは、1...

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112 113 Kipper’s Balloon は、1 ページに英文がひとつで す。全部で 16 ページですが、見開き 2 ページでひ とつの場面ですから、全部で 8 ページの絵本と考 えることができます。ですから英語の絵本読み聞 かせに初めて取り組むお母さん、お父さんも自信を もって読むことができます。英文は全部で 14 文で 61 語、ひとつの英文は 3 語から 6 語です。動詞は wentboughtsaid が繰り返し使われています。 ストーリーは、Kipper Mum Dad の買い 物についていく場面から始まります。商店街には 風船やオモチャを売っているおばさんがいました。 Kipper は赤い風船を買いました。ところがスーパ ーの自動ドアにはさまって風船が割れてしまいまし た。Kipper はもう一度風船を買いました。トイレ に行って帰ってきた Dad は、ふわふわ浮いている 赤い風船を見て「Kipper の風船だ」と思い、町中を 走って追いかけ、やっと風船をつかまえます。でも その風船は Kipper の風船ではなかったのでした。 Dad の思い違いは英文で表されているのではな く、絵に描き込まれていますから、英文を読む前に 子どもと絵を見て話し合って読み進むようにしま す。商店街の様々な店の看板などイギリスの街の様 子が描かれています。どんなお店か子どもと当てっ こすると楽しいでしょう。Dad の表情も様々に描 かれています。Kipper が風船を買おうとしたとき 「風船なんか!」と気むずかしい顔をしていますが、 Kipper のために風船を追いかける実はとても優し い子ども思いのパパです。ページごとに登場人物が どんな気持ちか子どもに考えさせましょう。 各ページ下段の話しかけの例を参考にしてくださ い。最初はお子さんに英語を交えて話しかけるの は、照れくさいかもしれません。また、話しかけ例 には英語が多い、ちょっと難しいと感じられるかも しれませんね。話しかけ例の日本語だけを利用し、 絵本に印刷されている文だけは頑張って英語で読 む、というのもよいでしょう。でも、お母さん、お 父さんが絵本のお話について英語で尋ねたり表現す ると、お子さんの英語吸収度はぐんと高まります。 徐々に英語での話かけを増やせばよい、と気楽に始 めてください。 付属 CD のトラック 6 に、話しかけポイントの model reading(読み方のお手本)が収録されてい ます。CD を活用して、楽しい読み聞かせを実現し てください。 さあ、始めましょう。まず、表紙を指さして、「今 日は Kipper’s Balloon という絵本を読んでみよう ね」と言います。 Kipper’s Balloon (ORT Stage 2) について 話しかけのポイント:登場人物を確認します。 絵を指さしながら「This is Kipper. Kipper とい う名前だよ。ママとパパと一緒だね。This is Mum. This is Dad. Kipper はうれしそうだね。Kipper is happy. 黄色い看板のお店はフィシュアンドチッ プスといってイギリスの有名な食べ物を売ってい て、緑色の看板のお店はペットショップだよ。こ こは商店街だね。みんなで買い物に行くんだね」。 本文を指でなぞりながら、Mum and Dad went shopping. とゆっくり読みます。 発音 Kipper は [ キッパー ] とカタカナ風に言わず、[ キィパ ] というつもりで発音しましょう。 Kipper s Balloon を用いた CD 収録分の内容 本誌付属の CD には下記の5つが収録されています。 Track 04 英語版朗読 オックスフォード大学出版局から刊行されている CD 音声のう ちチャイムのないイギリス英語の朗読が収録されています。 Tack 05 米語版朗読 オックスフォード大学出版局から刊行されている CD 音声のう ちチャイムのないアメリカ英語の朗読が収録されています。 Track 06 親子の読み聞かせ  日本語もまじえて親が子どもに Kipper s Balloon を使って読 み聞かせをする例を外山先生が収録されています。 Tack 07 教室での読み聞かせ 日本語もまじえて教室で子どもたちにKipper s Balloon を使っ て読み聞かせをする例を外山先生が収録されています。 Tack 08 シャドーイングの実演 英語のリスニング、スピーキングの効果があるシャドーイング のやりかたの例を、外山先生が実演します。 付属 CD のトラック 7 の小学校での読み聞かせ例は低・中学年を想定しているが、国際理解教育 の視点から、高学年にイギリスの街の様子に興味を持たせる教材として読み聞かせてもよい。 © Oxford University Press 1989

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Page 1: Kipper’s Balloon (ORT Stage 2) について112 113 Kipper’s Balloonは、1 ページに英文がひとつで す。全部で16 ページですが、見開き2 ページでひ とつの場面ですから、全部で8

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 Kipper’s Balloonは、1ページに英文がひとつです。全部で 16ページですが、見開き 2ページでひとつの場面ですから、全部で 8ページの絵本と考えることができます。ですから英語の絵本読み聞かせに初めて取り組むお母さん、お父さんも自信をもって読むことができます。英文は全部で 14文で61語、ひとつの英文は 3語から 6語です。動詞は went、bought、saidが繰り返し使われています。

 ストーリーは、KipperがMumと Dadの買い物についていく場面から始まります。商店街には風船やオモチャを売っているおばさんがいました。Kipperは赤い風船を買いました。ところがスーパーの自動ドアにはさまって風船が割れてしまいました。Kipperはもう一度風船を買いました。トイレに行って帰ってきた Dadは、ふわふわ浮いている赤い風船を見て「Kipperの風船だ」と思い、町中を走って追いかけ、やっと風船をつかまえます。でもその風船は Kipperの風船ではなかったのでした。

 Dadの思い違いは英文で表されているのではなく、絵に描き込まれていますから、英文を読む前に子どもと絵を見て話し合って読み進むようにします。商店街の様々な店の看板などイギリスの街の様子が描かれています。どんなお店か子どもと当てっこすると楽しいでしょう。Dadの表情も様々に描

かれています。Kipperが風船を買おうとしたとき「風船なんか!」と気むずかしい顔をしていますが、Kipperのために風船を追いかける実はとても優しい子ども思いのパパです。ページごとに登場人物がどんな気持ちか子どもに考えさせましょう。

 各ページ下段の話しかけの例を参考にしてください。最初はお子さんに英語を交えて話しかけるのは、照れくさいかもしれません。また、話しかけ例には英語が多い、ちょっと難しいと感じられるかもしれませんね。話しかけ例の日本語だけを利用し、絵本に印刷されている文だけは頑張って英語で読む、というのもよいでしょう。でも、お母さん、お父さんが絵本のお話について英語で尋ねたり表現すると、お子さんの英語吸収度はぐんと高まります。徐々に英語での話かけを増やせばよい、と気楽に始めてください。

 付属 CDのトラック 6に、話しかけポイントのmodel reading(読み方のお手本)が収録されています。CDを活用して、楽しい読み聞かせを実現してください。 さあ、始めましょう。まず、表紙を指さして、「今日は Kipper’s Balloonという絵本を読んでみようね」と言います。

Kipper’s Balloon (ORT Stage 2)についてKipper’s Balloon (ORT Stage 2)について

●話しかけのポイント:登場人物を確認します。

絵を指さしながら「This is Kipper. Kipperという名前だよ。ママとパパと一緒だね。This is Mum. This is Dad. Kipperはうれしそうだね。Kipper is happy. 黄色い看板のお店はフィシュアンドチップスといってイギリスの有名な食べ物を売ってい

て、緑色の看板のお店はペットショップだよ。ここは商店街だね。みんなで買い物に行くんだね」。本文を指でなぞりながら、Mum and Dad went shopping. とゆっくり読みます。

●発音 Kipper は [ キッパー ] とカタカナ風に言わず、[ キィパ ] というつもりで発音しましょう。

Kipper’s Balloon を用いたCD収録分の内容 本誌付属の CDには下記の5つが収録されています。

■ Track 04英語版朗読 オックスフォード大学出版局から刊行されている CD音声のうちチャイムのないイギリス英語の朗読が収録されています。

■ Tack 05 米語版朗読  オックスフォード大学出版局から刊行されている CD音声のうちチャイムのないアメリカ英語の朗読が収録されています。

■ Track 06親子の読み聞かせ  日本語もまじえて親が子どもにKipper’s Balloon を使って読み聞かせをする例を外山先生が収録されています。

■ Tack 07 教室での読み聞かせ 日本語もまじえて教室で子どもたちにKipper’s Balloonを使って読み聞かせをする例を外山先生が収録されています。

■ Tack 08 シャドーイングの実演 英語のリスニング、スピーキングの効果があるシャドーイングのやりかたの例を、外山先生が実演します。

* 付属CDのトラック7の小学校での読み聞かせ例は低・中学年を想定しているが、国際理解教育の視点から、高学年にイギリスの街の様子に興味を持たせる教材として読み聞かせてもよい。

© Oxford University Press 1989

Page 2: Kipper’s Balloon (ORT Stage 2) について112 113 Kipper’s Balloonは、1 ページに英文がひとつで す。全部で16 ページですが、見開き2 ページでひ とつの場面ですから、全部で8

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●話しかけのポイント:状況設定を理解させます。

絵を指さしながら「Kipperが風船を買っているよ。このおばさんは風船とオモチャを売っているんだね。風船は英語で balloonと言うの。言ってみよう。Balloon. (子ども:Balloon.)Good! These are balloons. いくつ見える? How many balloons? Let’s count the balloons. One, two,

three, four, five, six. Six balloons! What color balloon does Kipper have? Kipperは何色の風船を持ってるかな?(子ども:赤)That’s right! Red! こういう風船見たことあるね。自分でふくらます風船と違って、手を離すと飛んでいっちゃうんだよね」

●発音 balloon は [ ブルーーン ] というつもりで発音しましょう。

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●話しかけのポイント:Dadの気持ちを推測します。

絵を指さしながら「This is Mum. Look. She has a basket. 買い物カゴを持ってきてるね。エコバッグと同じだね。This is Dad. Is he happy? なんだかご機嫌悪いみたいだね。風船なんか買わないで、早く買い物をしてしまいたいみたいだね。

Look at this shop. KRAZY TRICKS. パーティーグッズを売ってるみたい。How about this shop? (子ども:お肉やさん?)That’s right. It’s a meat shop.」本文を指でなぞりながら、Kipper bought a balloon. とゆっくり読みます。

●発音 buy の過去形 bought は [ ボウト ] とならないように、[ ボ ] と発音したら顎を動かさず、まっすぐ前に息を吐くつもりで伸ばし [ ボートゥ ] のイメージで。

■ Track 04英語版朗読 ■ Tack 05 米語版朗読 ■ Track 06親子の読み聞かせ ■ Tack 07 教室での読み聞かせ