KEK機構成果 データベースに ·...
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KEK機構成果データベースについて
菊谷英司
高エネルギー加速器研究機構
評価•調査室
史料室
2012年 10月 25日
大学共同利用機関における”リ
ポジトリ”に関する情報交換会
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自己紹介など
• 素粒子物理実験で理学博士を取得、その後 KEK に職を得る • 素粒子物理実験用の高性能加速器の開発設計、建設、運転等に従事
• 機構の「評価•調査室」に在籍し、論文データベースの構築。また機構の「史料室」室長を兼務。
• 評価•調査室 • 室員3人。但し、室長は理事で実務人員数としてはほとんど0人
• 他に、データベースへの論文採集、登録人員一人
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KEKとは
• 大型加速器を用いた研究活動を行う • 組織 • 素粒子原子核研究所
• 物質構造科学研究所
• 加速器研究施設 • 共通基盤研究施設
• キャンパス • つくば 電子の加速器、素粒子、放射光
• 東海村 陽子の加速器、原子核、素粒子、中性子、ミュー粒子による物質科学
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高エネルギー加速器研究機構 旧名:高エネルギー物理学研究所
K E K
KEKの研究内容 • 素粒子物理学、原子核物理学 • 両分野ともに実験研究が主であるが、理論部門もある。(理論部門に在籍した小林誠氏は2008年ノーベル物理学賞受賞)
• 物質科学(物性物理学=放射光、中性子ビーム、ミュー粒子ビームを使った物質構造の研究)
• 構造生物学(放射光を使った「分子生物学」)
• 加速器(特に大型の)の研究開発
• 研究機構全体に拘る基礎部門研究 • 放射線防護(3.11地震以降、いろいろな場面で社会協力)
• コンピュータ科学 • 低温科学 • 機械工学
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KEK(つくば)の様子南北約2キロ、東西約1キロ
KEK論文database(概要)
• 法人化後、その後の方向性をみて2005年頃から開発着手。翌年、一応のリリース • DellのマシンにLinux を搭載し、PostgreSQLをマネージングシステムとして、M社が構成
• インターフェース: • エンドユーザー(一般の研究職員)向けインターフェース(web)
• VB で書かれた database 管理職員向けインターフェース
• 論文本体(pdf ファイル)もデータベース内に格納。アップロード機能あり
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KEK論文database(運用)
• 機構長の直属組織「評価•調査室」が運営 • 用途:文科省からの論文数などの質問に迅速に答える、毎年 Annual Report にリストをつくる
• このデータベースは、一般職員には事実上公開されていない
• 一応機能はあるが、あまりにも user friendly ではないため
• データは職員が登録するのではなく、評価•調査室職員が外部商業データベース(SCOPUS)から採集。
• とかく軽視されがちな国際会議のプロシーディングス論文も充実したデータを心がける
• 現在、格納論文データ数15000以上
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KEK論文database(方向性)
• 一年前頃から、KEK職員以外、共同利用者の論文も採集を開始(ただし、現時点で不完全)。KEK研究者が入っていない論文とはフラッグをつけて区別。
• 従来 SCOPUS を用いて論文採集をしてきたが、今年末から Web of Science を導入決定
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素粒子物理学(実験)での論文の特徴 • 極めて著者の人数が多い論文が多数存在 • 例:先日新聞紙上などで話題になった「ヒッグス粒子」候補と言われる「新粒子」発見の論文:論文全体のページ数29、著者を示したページ数約11ページ(そのうち著者群の所属組織を表すページ3ページ)
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小林•益川理論のノーベル賞をサポートしたと言わ
れる論文 著者300人以上、 所属48機関
この状況でのデータベース入力 • 多くの論文データベースシステムでは、論文は著者が登録する。その際、共著者も入力させるのが通例
• しかし、これほど著者が多人数の論文の入力は可能か? → 事実上不可能
• 対処方法:論文情報は評価•調査室員が商業データベースで検索、採集し、著者に代わってまとめて登録
• データベースの中に「著者群」と「論文群」のテーブルが並立し、relaSonal database として構築されている。
• 専用の「著者振り分け作業」をサポートするソフトウェアにより、著者群からKEKの著者を選び出して登録。これにより、この二つのテーブル間にrelaSon が張られる
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今後の展開
• 現在、KEKでは論文データを含む大規模な「機構データ」の集積が検討されている(2011年の大地震で1年以上活動休止)
• この「機構データ」の中に、「評価•調査室論文データベース」が、その一部として繰り入れられる可能性が高い。
• それにあたり、 • これまでの経験に基づき、大幅改修(フィールドの追加など) • 使いやすいユーザーインターフェースをしっかり作りKEK内での公開をめざす
• リポジトリ機能を付加するかどうかの検討
• ReaD&Researchmap へのデータ連絡
• 研究者総覧とのデータ連絡
• 機構の「認証システム」との有機的連携
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素粒子物理業界とオープンアクセス • 素粒子物理学業界では国際的にコンソーシアムをつくり、一般研究者が無料で購読する仕組を構築中(SCOAP3)
• このコンソーシアムでは、Physical Review D, Physics LeYers B などを素粒子物理学の代表的な研究所がまとめて購読契約する。
• この中に日本物理学会(出版は Oxford)の Progress of TheoreScal and Experimental Physics(PTEP)をこの SCOAP3が指定する論文誌として登録済み。
• KEKはこの論文誌につき、投稿料を負担する方向。
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まとめ
• 法人化後、KEKでは論文データベースを運用している。ただし、事実上非公開で文科省からのデータ要請への迅速な対応、機構のAnnual Report用データに用いられている
• この DB では、著者テーブルと論文テーブルの間に relaSon を張り、本格的に relaSonal database として機能している
• 今後、大規模の機構データベースに組み込まれる可能性が高い。
• その際、大規模改修が予定されているが、リポジトリ機能を組み込むかは現在検討中
• KEK は素粒子物理学の論文のオープンアクセス化に貢献している。
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