Kankyou Houkoku 2007

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環境報告書 2007 Environmental Report

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環境報告書2007Environmental Report

古紙パルプ配合率100%再生紙を使用

*この報告書は、古紙配合率100%再生紙及び大豆インクを使用しています。 また、印刷工程で有害廃液を出さない水なし印刷方式で印刷しています。

本 部 〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー TEL. 044-520-8600 FAX. 044-520-8710

技術センター 〒261-0025 千葉県千葉市美浜区浜田1丁目2番2号 TEL. 043-276-9212 FAX. 043-276-4061

金属資源技術研究所 〒017-0202 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山宇古館9番地3 TEL. 0186-29-3829 FAX. 0186-29-3849

URL. http://www.jogmec.go.jp/

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理事長メッセージ ………………………………… 2

HSEマネジメントシステム …………………… 3

JOGMECの事業概要 ………………………… 5

Activity出融資・債務保証と環境保全 ................. 7地質構造等調査と環境保全 ................. 8石油・天然ガス研究開発と環境保全 ................. 9金属技術開発と環境保全 ................. 11国家石油・石油ガス備蓄と環境保全 ................. 13レアメタル備蓄と環境保全 ................. 15備蓄のコミュニケーションと防災訓練 ................. 16鉱害防止と環境保全 ................. 17鉱害防止技術と環境保全 ................. 19鉱害防止支援の地域との コミュニケーションと災害訓練 ................. 20情報提供事業と環境保全 ................. 21

C O N T E N T S

編集方針 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、近年の世界的な環境保全意識の高まり、更には2005年4月に施行された「環境情報の提供の促進等による特定事業等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」(以下、環境配慮促進法)を踏まえ、2006年から環境報告書を作成し、当機構の地球環境保全に向けた方針・マネジメント体制及び環境保全技術開発の状況等の取り組みを中心に報告しています。

免責事項本報告書は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の過去と現在の事実だけでなく、将来に関する予測・予想・計画等も記載しています。これらの予測・予想・計画は、記述した時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、これらには不確実性が含まれています。従って、将来の事業活動の結果や将来に惹起する事象が本報告書に記載した予測・予想・計画とは異なったものとなる恐れがあります。当機構は、このような事態への責任を負いません。読者の皆様には、以上をご承知いただくようお願い申し上げます。

報告対象組織 本報告書は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(海外事務所を除く)を報告対象としています。 なお、「オフィス活動における環境パフォーマンス」の集計範囲は本部及び技術センターです。

報告対象期間2006年4月1日~2007年3月31日

参考にしたガイドライン環境省「環境報告書ガイドライン(2003年版)」

発行日2007年7月

Performance地球温暖化防止対策 ................. 22環境パフォーマンス ................. 23労働安全衛生パフォーマンス ................. 25

� 環境報告書 2007

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 JOGMECは、石油、天然ガス、金属鉱物資源の安定供給確保のた

め、資源の探鉱、開発に必要な支援や資源の備蓄等を通じて、重要な

役割を果たしています。

 また、資源・エネルギ-の安定供給確保とともに、環境保全への配慮も

JOGMECに与えられた社会的役割と考え、JOGMECは資源の探

鉱から開発・生産の各段階における環境保全対策に取り組んでいます。

 石油・天然ガスといったエネルギ-資源においては、より効率的な原

油回収を実現するEOR(原油増進回収)技術の開発をはじめ、石油や

石炭に較べてクリ-ンなエネルギ-である天然ガスの有効利用に資する

GTL(天然ガスの液体燃料化)技術の開発等を推進しています。

 金属鉱物資源に関しては、金属含有量の少ない鉱物から効率的に金

属資源を抽出するバイオリ-チングの技術開発と、循環型社会の実現

を目指した金属資源のリサイクル技術の確立に向けた取り組みを展開

しています。

 石油・石油ガス及びレアメタルの国家備蓄においては、安全とともに

環境保全に配慮した管理を徹底しています。

 さらに休廃止鉱山からの有害物質の流出を防ぐ鉱害防止業務を鋭意推

進しています。

 JOGMECは、環境に配慮したこれらの取り組みを継続発展させて

いくことで、限りある資源の有効利用を促進すると同時に、エネルギ-

や資源の利用に伴う環境負荷を低減し、持続可能な社会づくりに貢献し

ています。

 なお、JOGMECは、従来からいろいろなかたちで資源・エネルギ

-の安定供給への取り組み、環境への配慮、そして労働安全衛生・環境

(HSE)マネジメント等について情報公開に努めています。

 この報告書は、JOGMECの環境保全等への取り組みの内容をとり

まとめたものであり、この機会に皆様にJOGMECの環境保全活動に

ついてご理解いただきたいと存じます。

理事長メッセージ

資源・エネルギ-の安定供給、そして環境保全に努めています。

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構

理事長     

�Environmental Report 2007

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HSEマネジメントシステム

環境配慮方針、計画及びその取り組み体制 ~HSEマネジメントシステム

 JOGMECは、我が国の資源・エネルギ-安全保障を確保するため、石油・天然ガス・非鉄金属鉱物資源の探鉱・開発支援、石油・石油ガス・希少金属鉱産物の備蓄、鉱害防止支援等の事業を推進しています。 JOGMECでは、これらの事業が労働安全衛生・環境(Health Safety Environment)に関する著しいリスクを内在していることを認識し、人身事故、健康障害、環境汚染等の回避のため、直接業務のみならず、出融資・債務保証先等の企業が実施する間接事業についても、これら企業と協働してリスクの低減を図っています。 なお、HSE方針は、ホームページに掲載されるだけでなく、この方針が記載されたHSEカ-ドを全職員が保有することで、方針の徹底、浸透が図られています。

HSE方針

 JOGMECは、環境の国際規格ISO14001と、労働安全衛生の国際規格OHSAS18001のそれぞれの認証を取得し、二つを統合したHSEMSとして運用しており、環境物品調達の推進、電力や紙使用料の削減、健康増進、職場環境改善等をはじめ、石油、天然ガス、非鉄金属鉱物資源の探鉱・開発、備蓄、鉱害防止支援事業におけるHSEリスクの低減に至るまで、役職員が一体となって取り組んでいます。

HSEマネジメントシステム(HSEMS)

ISO14001/ OHSAS18001認証取得

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、資源機構という。)は、我が国の資源・エネルギー安全保障を確保するため、石油・天然ガス・非鉄金属鉱物の探鉱・開発支援、石油・石油ガス・希少金属の備蓄、鉱害防止支援等の事業を推進しています。資源機構では、これらの事業が労働安全衛生・環境(以下、HSEという。)に関する著しいリスクを内在していることを認識し、人身事故、健康障害、環境汚染等の回避のため、直接業務のみならず、出融資・債務保証先等の企業が実施する間接事業についてもこれらの企業と協働してリスクを低減します。

1. 法規制の遵守 HSEに関する法規制とその他の要求事項を遵守すると共に、業界のベストプラクティスに基づき自主基準を設定します。

2. 自主管理と関連企業との協働による負荷の低減(1)HSEマネジメントシステムの継続的改善と

同システムに基づく活動の実施により、事業や業務に内在するHSEリスクを低減し、環境汚染、人身事故等を防止します。

  また、事故が発生した際は、迅速且つ的確な対応が可能となるよう、緊急時対応計画を整備します。

(2)環境維持に貢献するため、天然ガスの有効利用に関する調査・研究を継続します。

(3)出融資・債務保証先、業務委託先等に対し、本方針に従い事業活動・作業が実施されるよう要請し、ともに取り組みます。

3. 方針の周知と教育訓練(1)本方針を役職員に周知し、方針の実行を確実

にします。(2)教育訓練の実施により、役職員にHSE活動

に関する役割と責任を自覚させ、HSEに関する意識の向上と主体的なHSE活動への参加を促し、効率的なHSEマネジメントシステムの運用を目指します。

4. 情報の公開 利害関係者と相互理解を築くため、本方針、HSEマネジメントシステムの運用結果等を公開します。

平成18年4月28日        独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構        理事長

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構HSE方針

Recycled Paper

独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

HSEカード

所属:氏名:

� 環境報告書 2007

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部長●「部門目的・目標マネジメントプログラム」の作成●所管部に関連する手順書の承認●特別研修の実施

HSEリーダー●所管部のHSE活動の実施・維持・管理

●所管部に関連する手順書の作成

●所管部のHSE活動に関する部長の全般的な補佐

本部(15部)技術センター(3部)

HSE監査員●「HSE監査年間計画」に基づくHSE監査の実施●理事長へのHSE監査結果の報告●HSEMSの継続的改善を目的とする被監査部に対する改善提案

HSE管理責任者●HSEMS構築・維持・運用●「HSEMSマニュアル」の作成●一般研修及び認定研修の実施●「HSE監査年間計画」の作成

理事長●HSE方針の策定●必要な経営資源(人材、設備、資金、技術等)の準備と配置●HSE監査結果等に基づくHSEMSの見直し

HSE推進事務局●HSE活動全般の事務及び監査の運営にかかわる事務のとりまとめ

●組織横断的なHSEプロジェクトの実施

 JOGMECは、毎年、HSE教育研修を実施しています。 教育研修は、役職員に対し自覚を促す "一般研修�と、特定業務の実施に必要とされる知識・技法をテ-マとする "特別研修�、そしてHSE活動をサポ-トするために必要とされる知識・技法をテ-マとする"認定研修� の3つから構成されています。 "一般研修� は、HSEMSの要求事項、HSE方針及び手順書を順守することの重要性、各人の業務改善がもたらすHSE活動の利点、緊急事態への対応等で、年1回以上実施しています。 "特別研修� は、各部で教育・訓練・資格認定のニ-ズを明確にしたうえで、随時実施しています。 "認定研修� としては、HSE内部監査員研修を実施しており、監査員として必要な知識及びHSE監査技法をテ-マとして、適宜実施しています。 2006年度(平成18年度)における研修の実施状況は次のとおりです。

HSE教育

 JOGMECは、HSEマネジメントシステムのなかで、事業にかかわる環境配慮計画を策定しており、2005年度(平成17年度)から地球温暖化、天然資源の枯渇、廃棄物の増加による汚染等の観点から、本部及び技術センタ-において電気使用量の削減、紙使用料の削減、分別及びリサイクル推進による廃棄物削減を推進しています。 また、JOGMECでは、"国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律" に基づき、できる限り環境への負荷の少ない物品等の調達に努めています。

環境配慮計画

区分 研修名 実施日 受講者数

一般研修

認定研修

HSE一般研修

HSE監査員研修

8月21日、24日

11月7日・8日

440名

10名

2006年度(平成18年度) 研修実施状況

項目 目標 対策

省エネルギーの推進

電気使用量の削減 ●PCモニターのスイッチオフ●昼休みの消灯●不要な照明等のスイッチオフ●空調温度コントロール

省資源推進 紙使用量削減 ●PCプリンター・コピー機での両面利用促進●不要なプリントアウト削減●情報提供資料のメールマガジン化

ゴミの削減・リサイクル

分別及びリサイクル推進による廃棄物削減

●HSEパトロールの実施●分別を明示した紙をゴミ箱へ表示

環境物品調達・管理

調達目標の達成 ●物品等の購買時に環境物品等の調達 の徹底●調達方針の作成及び調達実績の公表

HSEマネジメント体制と主な役割

�Environmental Report 2007

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  独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガ ス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構( J O G M E C = Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)は、2004年2月29日に設立された、我が国資源・エネルギー政策の実施機関です。 石油、天然ガス、金属鉱物資源の安定供給を確保・維持するため、JOGMECは様々な活動を行っています。

組織名 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構設 立 2004年2月29日所在地 【本部】       〒212- 8554       神奈川県川崎市幸区大宮町1310番       ミューザ川崎セントラルタワー       TEL 044- 520- 8600       FAX 044- 520- 8710    【技術センター】       〒261- 0025       千葉県千葉市美浜区浜田1丁目2番2号       TEL 043- 276- 9212       FAX 043- 276- 4061    【金属資源技術研究所】       〒017- 0202       秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館9番地3       TEL 0186- 29- 3829       FAX 0186- 29- 3849資本金 1, 879億円(2007年4月1日現在)職員数 486人(2007年4月1日現在)

JOGMECの事業概要

石油、天然ガス、金属鉱物資源の安定的供給確保を通じ、国民生活や産業活動に貢献しています。

JOGMECの概要

ロゴマークについてJOGMECの表記は、当機構の英名(Japan Oil, Gas and Metals National Corporation)の頭文字を組み合わせています。シンボルマークは地球をモチーフ世界規模で地質構造調査・探査を行っていることをデザインコンセプトとして開発しています。3つの形は石油・ガス・金属鉱物資源を表現地球全体の一部をトリミングして、大きな地球の存在を創造しています。3つのカラーは「自然」「大地」「誠実」を表現

「グリーン」「オレンジ」「ブルー」の3色で表現しています。

苫小牧東部北海道

むつ小川原

秋 田

七尾福井

久慈

神栖倉敷波方

菊間

白島福島

上五島

志布志串木野

本部

九州

東北(山 形)

東北(横手)

柏 崎テストフィールド

松尾管理事務所

金属資源技術研 究所

技術センター

本部

技術センター

金属資源技術研究所

国家石油備蓄基地事務所

国家石油ガス備蓄基地事務所(事業所)

鉱害防止支援事務所

松尾管理事務所

柏崎テストフィールド

東北(小坂)

国内事務所等

バンクーバー

ヒューストン

メキシコシティ

リマ

北京ワシントン

サンチャゴ

ロンドン

アブダビ

シドニー

ジャカルタ

モスクワ

海外事務所

� 環境報告書 2007

Page 7: Kankyou Houkoku 2007

①出融資・債務保証業務 我が国の石油開発企業への出資及び債務保証を実施するとともに、金属鉱物の探鉱事業に対する出融資及び開発事業に対する債務保証を行います。また、鉱害防止資金及び鉱害負担金資金に対する融資を行います。

②地質構造等調査業務 我が国企業による石油・天然ガス探鉱・開発プロジェクトを促進することを目的とし、国のエネルギー政策に基づいた、海外の地質構造調査、及び国内の基礎調査等を行います。また金属鉱物資源の探鉱・開発について、我が国企業のニーズを踏まえた地質構造調査や海外の国営鉱山公社等との共同調査を実施します。

③技術開発・技術支援業務 石油・天然ガス及び金属鉱物資源の探鉱・開発に関する技術開発のほか、天然ガスの液体燃料化技術や、メタンハイドレート等の非在来型資源開発の研究・開発、非鉄金属のリサイクルや製錬分野の技術開発等を行っています。 また、世界の石油・天然ガス開発技術の向上への貢献を目的として、海外産油・産ガス国の技術者を日本に招き、各種専門技術に関する研修を行っています。

④資源備蓄業務 石油・石油ガス、希少金属(レアメタル)を国内で安全かつ効率的に備蓄し、供給不足等の緊急時に備蓄資源の放出・売却を行います。

⑤鉱害防止 日本国内の金属鉱業に起因する鉱害を確実かつ永続的に防止するため、融資事業のほか、鉱害防止調査・技術調査等の対策事業を行っています。

⑥情報収集・提供業務 資源保有国や主要国際開発企業の動向、国際市場の動向等に関する情報収集、調査分析を実施し、その成果を企業や政策当局等に公開・提供しています。

JOGMECの業務概要

苫小牧東部北海道

むつ小川原

秋 田

七尾福井

久慈

神栖倉敷波方

菊間

白島福島

上五島

志布志串木野

本部

九州

東北(山 形)

東北(横手)

柏 崎テストフィールド

松尾管理事務所

金属資源技術研 究所

技術センター

本部

技術センター

金属資源技術研究所

国家石油備蓄基地事務所

国家石油ガス備蓄基地事務所(事業所)

鉱害防止支援事務所

松尾管理事務所

柏崎テストフィールド

東北(小坂)

バンクーバー

ヒューストン

メキシコシティ

リマ

北京ワシントン

サンチャゴ

ロンドン

アブダビ

シドニー

ジャカルタ

モスクワ

�Environmental Report 2007

Page 8: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECは、探鉱出融資(※)、開発債務保証等に

より、民間プロジェクトを支援していますが、支援事業

の採択においては、技術面と資金面の審査のみならず、

HSEの観点からも審査を行っています。

 JOGMECは、自ら事業を実施する立場にはありま

せんが、その事業に付随する人身事故や環境汚染及び健

康障害といったリスクの回避に努めることが出融資や債

務保証を行う組織の責務であると考えています。

 このHSE審査では、(1)法令が遵守されること、(2)

HSEに関する事故や災害の未然防止のために適切な探

鉱・開発計画が策定されていること、(3)事故や災害

が発生した場合を想定し、迅速・適確な対応計画が準備

されていることを重視しています。

出融資・債務保証と環境保全

カスピ海供給源の多角化に貢献する今世紀最大級と言われる巨大プロジェクト開発・生産中。

中東埋蔵量の多い中東での「自主開発原油」確保も重要。

アルジェリアアフリカ有数の産油・産ガス国での天然ガス開発プロジェクト。

ミャンマー東南アジアのエネルギーの安定供給に貢献するプロジェクト。

インドネシア チモール海今後の進展が期待される新たなガス田の発見。

サハリン日本に近く、エネルギー安全保障の観点から重要なプロジェクト。

ベトナム多数の有望なガス田の開発・生産を目指しプロジェクト進行中。

マレーシア大規模な LNG事業を生産から販売まで一貫して実施。

ブラジル経済発展、エネルギー資源における有望エリアでのプロジェクト。

インドネシアインドネシア第 3の LNGセンターとしてタングー LNGプロジェクト開発中。

●JOGMECが支援する世界の石油・天然ガス開発プロジェクト

 JOGMECの石油部門においては、2006年6月、

インドネシア共和国西パプア州ベラウ鉱区及びウィリア

ガール鉱区において我が国企業3社が従事する液化天然

ガス開発事業に係る債務保証、同年7月、ブラジル連邦

共和国カンポス沖合フラージ鉱区において我が国企業が

従事する油田開発事業に係る債務保証の合計4社に対す

る資金面での支援を実施しました。

 また、JOGMECの金属部門においては、2006

年8月に海外探鉱資金融資、2006年11月及び

2007年3月に国内探鉱資金融資、2006年8月、

12月及び2007年3月に鉱害防止資金及び鉱害負担

金資金融資を実行しました。(※:JOGMECは企業の石油・天然ガス探鉱開発事業に対

   し、 出資及び開発債務保証による支援は行っているが、   融資 による支援は行っていない)   

� 環境報告書 2007

Page 9: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECの金属部門においては、海外の鉱山公社、

企業等と共同で金属資源の賦存状況を調査し、調査成果

を日本企業に引き継ぐジョイントベンチャー調査(JV

調査)や、日本企業が探鉱・開発を希望する海外地域の

中から有望な案件を選び、当該企業からの負担金を受け

て地質構造や鉱床の特徴を明らかにする海外地質構造調

査を実施しています。

 2006年度(平成18年度)は、JV調査をチリ、

アルゼンチン、ブラジル、ペルー、メキシコ、インドネ

シア、フィリピン、パプアニューギニア及びオーストラ

リアの各地域において実施し、また、海外地質構造調

査をチリ、カザフスタン及びソロモン諸島において実

施しました。

 これらの調査の実施に当たっては、HSEマネジメン

トシステムにより、調査に起因する環境汚染等を防止す

ると共に、労働安全衛生の確保に努めています。

 石油・天然ガス部門における海外地質構造調査、国内

基礎調査等においては、(1)組織が責任を持ち、人身

事故、環境汚染及び健康障害の回避に努めることが必要

であり、(2)当該事業においては、HSEマネジメン

ト能力の高いコントラクターを適正に管理することが

リスクの低減に有効である、という考えのもと、HS

Eマネジメント能力を考慮したコントラクタの選定を

行うとともに、地震探査/坑井掘削に関するオペレ-

ショナルポリシ-等を含む「GS-HSEマネジメン

トシステム」を内部に構築しています。

地質構造等調査と環境保全

地質調査状況 バイブレーター地震探査

�Environmental Report 2007

Page 10: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECは、次世代のエネルギー資源として注目

されている「メタンハイドレート」の探査・研究を推し

進めています。

 メタンハイドレ-トとは、メタンと水が低温・高圧の

状態で結晶化した物質であり、見た目は氷に似ています

が火を点けると燃えるため「燃える氷」とも呼ばれてい

ます。

 �m�のメタンハイドレ-トを分解すると���m�のメタン

ガスに変わり、また石油や石炭に較べると燃焼時の二酸

化炭素排出量がおよそ半分であることや、さらにその多

くは海底や極地地方の地下にあり、日本では南海トラフ

と呼ばれる深海域に大規模に存在すると推定されること

などから、日本のエネルギ-問題を解決する有望な資源

として期待が寄せられています。

 ただし、メタンハイドレ-トからメタンガスを取り出

すためには、解決しなければいけない様々な課題があり、

JOGMECはこれら課題の解決のため1995年から

研究開発に着手しました。

 今後の開発スケジュ-ルとしては、日本近海での生産

試験を行い、経済性や環境影響

を検討しつつ、2016年以降

の実用化を目指しています。

 天然ガス液体燃料化(GTL=Gas to Liquids)技術の

実証研究を開始しました。

 GTLによってつくられる液体燃料は、クリ-ンなエ

ネルギ-であり、排出ガス中の硫黄酸化物もほとんどな

い、石油製品より有害物質の発生量が少ない次世代エネ

ルギ-として注目されています。

 さらに石油よりも可採年数が長いとされる天然ガス

を利用するため、長期の安定供給が可能と見込まれて

います。

 JOGMECは2006年、民間企業6社が設立する

「日本GTL技術研究組合」と共同で、GTL技術の実

証研究を開始しました。

次世代エネルギ−「天然ガス液体燃料」

石油・天然ガス研究開発と環境保全

日本近海のメタンハイドレート分布予測

*メタンは液化天然ガス(LNG)の主成分であり、LNG は都市ガ スや発電燃料等に利用されます。 

次世代エネルギ−資源「メタンハイドレ−ト」

メタンハイドレート

天然ガス液体燃料(液状炭化水素)

GTL(液体燃料化)

ナフサ灯・軽油潤滑油基油

天然ガス(メタン、炭酸ガス)

GTL 実証プラント(完成イメージ)

黄海

東シナ海

台湾 南西諸島

太平洋

日本海

分布が推定される海域

� 環境報告書 2007

Page 11: Kankyou Houkoku 2007

 石油開発において、油層が持つ自然のエネルギ-を利

用して、地下の石油を回収する一次回収では石油は5〜

25%程度しか回収されません。

 今日、世界中で大規模な油田の発見が難しくなり、ま

た探鉱・開発コストも上昇しているなか、既存の油田

の油層(貯留岩層)内に炭酸ガス(CO�)などを圧入

することで地下の石油の性状を変化させて回収率を増

やす技術「原油増進回収技術(EOR=Enhanced Oil

Recovery)」が世界的に期待を集めています。

 JOGMECは、1970年代からこのEOR技術の

二酸化炭素排出抑制に貢献し石油回収率を高める「炭酸ガス攻法」

排ガスからの二酸化炭素分離回収と炭酸ガス攻法のしくみ

CO2を含む排ガス

CO2

排ガスの大気中への放出をストップ

排ガス排ガス

生産井

原油原油発電所 発電所

発電所で発生する排ガスからCO2を分離・回収、これによって大気中へのCO2排出量を低減します。 石油を含む貯留岩層(油層)に炭酸ガスを圧入。これによって石油の性状を

変え、流動性を与えることにより、回収率の向上を実現します。

CO2回収貯留岩層

石油回収

研究開発に取り組んでおり、JOGMECが研究を進め

ている「炭酸ガス攻法」は高い回収率が期待されるとと

もに、炭酸ガスを油層内に圧入することから、炭酸ガス

の大気中への排出抑制、ひいては地球温暖化防止にも寄

与する技術として注目されています。

 また、炭酸ガス攻法で使用する二酸化炭素の調達・確

保のための技術として、これまで大気中に排出されてき

た発電所などの排ガスから二酸化炭素を分離・回収する

技術が近年我が国で開発されており、JOGMECでは

この技術のEORへの適用にも注目しています。

�0Environmental Report 2007

Page 12: Kankyou Houkoku 2007

金属技術開発と環境保全

 JOGMECは、ハイブリッド自動車の需要の本格化

を見据えて、電気モ-タ-用の電源として使用されるニ

ッケル水素電池から、ニッケルやコバルト、ミッシュメ

タル(混合希土類)等の有価金属を回収する技術開発に

取り組みました。

 この技術を用いることで、これまで回収が困難であっ

た希少金属の95%以上がリサイクル利用できる状態で

回収できるようになります。

  J O G M E C は、 こ の 技 術 の 実 用 化 に 向 け て、

2002年度(平成14年度)から2006年度(平成

18年度)まで実証試験を行い、実用化の道が開かれま

した。

ハイブリッド自動車からのリサイクル

 JOGMECは、年間100万tもの量が排出される

というシュレッダ-ダストを、焼却・溶融して有価金属

を回収するだけでなく、溶融の際に副産物としてできる

スラグ(溶融した金属から出るかす)のクリ-ン化技術

の開発に取り組みました。

 スラグは通常、コンクリ-ト用材や道路用材などとし

て有効利用されていますが、さらなる有効利用に向けて、

これに含まれる鉛や亜鉛などの重金属、そして塩素やダ

イオキシンなどを除去・回収する技術の確立に取り組み

ました。

シュレッダ−ダスト燃焼処理後のスラグの有効利用

 JOGMECは、ハイブリッド自動車からの「希少有価金属回収技術」と廃自動車リサイクルに貢献する「スラグ再

資源化技術」の研究を推進するとともに、この2つの技術を組み合わせた「製錬/リサイクルハイブリッドシステム」

の構築を通じて、自動車リサイクルの促進に貢献しています。

自動車リサイクルを促進する「製錬/リサイクルハイブリッドシステム」

ハイブリッド自動車

廃自動車

フロンガス

ボディやシャシー等

鉛バッテリー

その他のパーツ

シュレッダーダスト

回収 回収

鉄属素材 鉛

希少有価金属回収技術

スラグ再資源化技術

ニッケル

コバルト

ミッシュメタル

回収

回収 利用

ニッケル水素電池

焼却

※コンクリート用材道路用材等

銅、鉛、亜鉛 建設骨材

スラグ

�� 環境報告書 2007

Page 13: Kankyou Houkoku 2007

 近年、高品位な銅鉱床他は既に開発がなされ、今後は

地下の深い場所や奥地など開発リスクが高い鉱床や、不

純物を多く含む低品位な鉱床の開発が中心になってくる

と考えられます。

 このため、低品位鉱床における効率的な製錬(鉱石な

どから目的の金属を取り出す)技術への期待が高まって

おり、現在注目されているのが「バイオリ-チング」です。

 バイオリ-チングとは、鉄酸化バクテリアを利用して

銅鉱石から銅を効率的に取り出す技術で、従来の製錬方

法では経済性が確保できないような低品位鉱床に適した

技術です。

 またバイオリ-チングは、高熱で鉱石から金属を溶か

し出す製錬方法(乾式製錬)に較べ、溶鉱炉などを使用

しない湿式製錬であるため、大幅な省エネルギ-を実現

するとともに、二酸化炭素の排出を削減できることから

金属資源の効率的な製錬を実現する「バイオリ−チング」

銅の乾式製錬と湿式製錬

液体となって溶け出してきた「マット」を粗銅にする

製錬炉(高温で鉱石を溶解)

鉱石にバクテリアを含む希硫酸液を散布

銅を含む溶液から不純物を取り除き溶液中の銅濃度を高める       

燃料排気ガスSO2,CO2 SO2

乾式

電気分解

湿式

循環利用 循環利用

採  

地  

電解精製

電解採取

有機溶媒

湿式製錬のプロセス

バイオリーチング

溶媒抽出

電解採取

電気銅(地金)

銅鉱石

鉄酸化バクテリアが繁殖する鉱石

バクテリアの特徴Acidithiobacillus ferrooxidans 鉄酸化バクテリア

●形状:短桿状(一端にべん毛がある)●長さ:約0. 5〜 1 μ m、幅:約0. 5μ m●栄養:鉱石から無機栄養源(N、P、K)●エネルギー:Fe2+ ⇒ Fe3+ への酸化等●食料:炭素(空気の中の二酸化炭素)●生育環境:pH 1. 3〜4. 5(最適 pH 2. 5程度)●活動温度:10〜37℃程度(中温性細菌)

地球温暖化防止に寄与するものです。

 JOGMECは、2005年度(平成17年度)から

バイオリーチング技術の基礎的な実証試験を開始してお

り、将来は民間企業が取り組む鉱山への本格的な技術支

援を行っていく計画です。

��Environmental Report 2007

Page 14: Kankyou Houkoku 2007

防油堤、オイルフェンス等 設備の健全性を維持するために、タンクをはじめとする設備の定期的な安全点検を実施しています。また、万一油が流出した際でも周辺に環境負担を与えないよう、タンクからの漏油を基地内で受け止める中仕切り堤・流出油等防止堤と、海域への油流出を想定して、油を囲い込むオイルフェンスを配備しています。

 石油の国家備蓄量は、2007年5月末現在5, 096万kl(原油)、我が国の消費量の97日分であり、JOGMECは、

日本全国10箇所の石油備蓄基地を管理しています。

 また、国家石油ガス備蓄基地についても、2005年に七尾基地、福島基地、神栖基地が完成し我が国の国家石

油ガス備蓄事業が本格的に始まりました。

 石油ガスの国家備蓄量は2007年5月末現在39万t、我が国の消費量の10日分となっています。

エネルギ−の安定供給を支える石油、石油ガス備蓄施設。

そこでは、さまざまな環境配慮がなされています。

国家石油・石油ガス備蓄と環境保全

油回収船 近隣海域への油流出時に、効率良く流出油を回収する油回収船を配備し、万一の事態に備えています。

オイルフェンス

フローティングルーフ 原油備蓄タンクの中に揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)の層ができないように、原油量の増減に伴ってタンクの屋根部分が上下する「フローティングルーフ」を採用しています。

グランドフレアー 国家石油備蓄基地では、建設時から洋上備蓄基地と地下備蓄基地を対象に、VOC排出ゼロをめざして、「グランドフレアー」を設置しています。グランドフレアーとは、地上置きの円筒状の炉で、余剰ガスを集めて有機化合物が放出しないように燃焼させる設備であり、騒音や輻射熱を抑えられる構造となっています。

防油堤

グランドフレアーフローティングルーフ

油回収船

イメージ

 国家石油備蓄基地の環境配慮

�� 環境報告書 2007

Page 15: Kankyou Houkoku 2007

1. 環境に優しい石油ガス 石油ガスは酸性雨の原因となるSO x( 硫黄酸化物 ) の排出が殆どないこと、地球温暖化の原因といわれているCO 2

(二酸化炭素)の排出量も少ないことから地球に優しいクリーンエネルギーとして注目されています。JOGMEC

は、全国 5 箇所にある国家石油ガス備蓄基地において、国家石油ガス備蓄基地の管理(七尾基地 ・ 福島基地 ・ 神栖基地)

及び建設(波方基地 ・ 倉敷基地)事業を行っています。

2. 国家石油ガス備蓄基地の管理と保全 国家石油ガス備蓄基地では計器室において全タンクおよび基地内設備を集中監視し、異常発生時には速やかに対応

するために、監視カメラ・ガス検知器・火災報知器・地震計および散水装置・緊急庶断装置・防液提等を設けています。

 更に、消火訓練や非常事態を想定した防災訓練を繰り返し行うことにより、安全防災体制を維持しています。

3. 国家石油ガス備蓄基地の建設と環境保全 現在建設中の地下岩盤石油ガス備蓄基地(倉敷基地)において、騒音の発生源であるずり(※)選別装置の周辺に搬入

道路を含め防音壁を設置して騒音防止に努めているとともに、工事用道路・ずり仮置場に適宜散水を行い、土埃の飛

散防止を図っています。また、国家

石油ガス備蓄基地は、石油ガスを排

出することがなく、騒音・振動・大気

汚染・水質汚濁等の恐れもなく、基

地外周部に植栽を配置した環境に配

慮した施設です。

(※ずり:トンネルを掘ったときに     出てくる岩石や土砂)

七尾国家石油ガス備蓄基地

ずり選別装置での防音対策(防音壁の設置)ずり仮置場での粉塵対策

福島国家石油ガス備蓄基地 神栖国家石油ガス備蓄基地

 国家石油ガス備蓄基地の環境配慮

��Environmental Report 2007

Page 16: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECは、ニッケル、クロム、タングステン、

コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウムの7鉱種

を茨城県の国家備蓄倉庫で保管しています。

 これら7鉱種は政情不安定な国への偏在性が高く、鉄

鋼産業やIT産業に必要不可欠な鉱種です。

 供給途絶時や価格高騰時には、これら鉱種を放出・売

却することで供給の安定性を確保することを目的として

おり、近年のレアメタル価格高騰に対応するため、ここ

数年間毎年各種鉱種を売却してきました。

 2006年は、4月、8月、12月にニッケル価格の

上昇とロンドン金属取引所(LME)のニッケル在庫減

少のため、備蓄ニッケルの一部を売却しました。

レアメタル備蓄の環境配慮

 また、レアメタル国家備蓄倉庫では、構内路の砂、ゴ

ミ及び構内作業等によって生じる備蓄物資の金属微粉

が、雨水等によって公共水域へ流出するのを防止するた

め、構内2箇所に沈殿槽を設置し、水の汚れを除去した

後に外部へ排水しています。

 この様な体制を維持・管理するために、2ヶ月に1回、

第三者機関に委託して水質検査を実施しています。

 また、沈殿槽の下層部に溜まった汚泥は、事業廃棄物

とともに「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」による

産業廃棄物として、適切に管理しています。

レアメタル備蓄と環境保全

レアメタル国家備蓄倉庫 備蓄物資(ニッケル地金)

レアメタル国家備蓄倉庫の環境配慮

�� 環境報告書 2007

Page 17: Kankyou Houkoku 2007

 国家石油・石油ガス備蓄基地では、地元住民とのコミュニケ-ションを

大切にしています。

 2006年8月には、久慈市にある石油備蓄基地で地元住民の方々を招

き、事業説明を行うとともに基地内の施設見学を実施する等、備蓄基地へ

の理解を深めるイベントを開催しました。

 一方、2006年7月には、むつ小川原港流出油災害対策協議会と八戸

海上保安部によるタンカ-事故を想定した油の防除訓練が行われました。

訓練には防災船も出動し、放水や海岸に漂着した油を洗い流す訓練も行い

ました。

 なお2006年8月には、苫小牧において、政府や北海道等とともに有

事の際の実働訓練が行われました。訓練は石油タンクがテロ攻撃を受けた

という想定で、地元住民への避難指示の伝達、消火訓練、負傷者救急搬送

訓練等が行われました。

 また、2006年10月に "屋外タンク貯蔵所における火災事故等"を

テ-マとした安全防災講演会を開催し、過去に発生したタンク火災の事例

紹介やその原因と対策についての議論が活発になされました。

 更にJOGMECは、国内外の専門機関における訓練を通じて、防災技

術の維持向上に取り組んでいます。

備蓄のコミュニケーションと防災訓練

久慈基地の地元との交流

むつ小川原防災訓練

苫小牧防災訓練

火災消火訓練(日本:独立行政法人海上災防止センター)

油防除訓練(豪州:AMOSC)

夜間火災消火訓練(米国:TEEX)

��Environmental Report 2007

Page 18: Kankyou Houkoku 2007

 硫化鉱物を採掘する金属鉱山では、閉山後も採掘跡に

黄鉄鉱や黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱等の鉱物が残り、こ

れらが地下水や空気中の酸素と反応し、重金属を含んだ

酸性の坑廃水を発生することがあります。

 また鉱業活動によって発生する廃石(ずり)等のたい

積場においては、雨水等によってずりに含まれる有害重

金属等が溶出し、鉱害の発生源となるほか、ずり自体の

流出や風による飛散等も問題となることがあります。

鉱害防止対策のための「発生源対策」と「坑廃水処理」

 これらを防止する鉱害防止対策は、大きく「発生源対

策」と「坑廃水処理」の2つに分けられます。

 JOGMECは、地方公共団体の依頼に応じ、坑廃水

による環境負荷をおさえるため、発生源対策として、鉱

害発生場所の周辺で水質の改善や水量の減少を図る坑道

耐圧密閉や露天掘跡・たい積場の整形・覆土・植栽等の

工事を技術面で支援します。

 また、岩手県にある旧松尾鉱山跡では、県の委託を受

け、JOGMECは坑廃水中和処理施設の運営管理業務

を行っています。

鉱害防止と環境保全

対策工事前 対策工事後

旧松尾鉱山新中和処理施設

鉱害発生源対策と坑廃水処理

坑道耐圧密閉

坑内採掘跡

坑内水

休廃止鉱山

中和処理

整形・覆土・植栽、山腹水路工事

露天掘採掘跡

堆積場浸透水

坑廃水処理施設

堆積場、採掘跡中和沈殿物

利水

放流

上澄水

堆積場

浸透水の削減、水質改善、堆積物及び土砂等の流出防止、景観改善

止水、減水、水質改善

酸性坑廃水の中和処理、カドミウム・ヒ素等の重金属の除去

発生源対策

坑廃水処理

�� 環境報告書 2007

Page 19: Kankyou Houkoku 2007

調査指導 JOGMECは、鉱害防止の専門家がいない地方公共

団体の依頼に応じて、個々の休廃止鉱山ごとに鉱害の現

況調査や鉱害防止対策の必要性の判断、対策内容の提言

等を行っています。

 またJOGMECは、鉱害防止事業にかかわる関係組

織を対象に、鉱害防止対策に関する情報提供や技術指導

等を行っています。

調査設計 国の補助金を利用して地方公共団体が坑廃水処理施設

等を建設する際、JOGMECは地方公共団体の委託を

受けて鉱害防止対策の基本方針に基づく技術的な調査解

析を行い、具体的な対策工法を決定します。

 また地方公共団体が工事を実施する際には設計図書の

基礎資料も作成します。

休廃止鉱山の調査指導〜工事支援、運営管理 / 休廃止鉱山の鉱害防止対策

工事支援 JOGMECは、地方公共団体が実施する休廃止鉱山

の鉱害防止工事の施工現場において、技術的な助言や施

工前・後の水質状況のモニタリング等を行っています。

施設運営管理 JOGMECは、岩手県八幡平市にある旧松尾鉱山新

中和処理施設の運営管理業務を岩手県から受託し、確実

な坑廃水処理に努めるとともに、災害リスク評価や緊急

時対応訓練等も実施しています。

本庫鉱山

北海道鉱害防止支援事務所

唐戸屋鉱山

松尾鉱山

吉乃鉱山

尾花沢鉱山

赤山鉱山

西吾妻鉱山

土呂久鉱山

精進川鉱山

精進川鉱山

高旭鉱山たか ひ

土呂久鉱山と ろ く

尾太鉱山おっ ぷ

幌別硫黄鉱山

伊達鉱山

松尾管理事務所

東北鉱害防止支援事務所(山形)

東北鉱害防止支援事務所(横手)

九州鉱害防止支援事務所

東北鉱害防止支援事務所(小坂)

調査指導 ; 2件 2鉱山調査設計 ; 1件 1鉱山工事支援 ; 5件 11鉱山運営管理 ; 1件 1鉱山

※下線部2006年度新規案件

2006年度(平成18年度)鉱害防止支援事業実施鉱山

��Environmental Report 2007

Page 20: Kankyou Houkoku 2007

バクテリアを活用した坑廃水処理技術開発 酸性の坑廃水を処理する場合、一般に中和剤として消

石灰が用いられますが、大量の坑廃水を処理するときに

は中和剤費用が大きな負担となります。

 このため、消石灰より安価な炭酸カルシウムの利用を可

能とするため、JOGMECは鉄酸化バクテリアを利用し

た坑廃水の中和処理技術の開発に取り組んできました。

 このバクテリアは、坑廃水に含まれる鉄を酸化させて、

炭酸カルシウムの利用を促進して中和剤費用を低減する

ことができます。JOGMECは、現在旧松尾鉱山新中

和処理施設で鉄酸化バクテリアによる中和処理を行って

います。

 更に、この鉄酸化バクテリアを利用する処理方法には、

中和処理の効率を高め、発生殿物の量を減らす効果があ

ることも分かってきました。

鉱害防止のための技術調査

エネルギ−使用合理化総合鉱害防止技術開発 JOGMECは、地下坑内への地下水流入や坑廃水の

流出を抑制・遮断するため、高吸水性樹脂(ポリマ-)

を坑道内に充てんする工法や、年々規制強化される排水

基準値を満足するため、坑廃水から有害金属の効率的除

去を可能とする技術の開発に取り組んでいます。

鉱害防止技術と環境保全

鉄酸バクテリアの顕微鏡写真 ポリマー概念図

採掘跡 坑道

坑道が充填材(ポリマー)に満たされた状態

ストッパー材

水没箇所

雨水等の浸透防止

プラグ周辺からの漏水防止

地表への漏水防止

プラグ

�� 環境報告書 2007

Page 21: Kankyou Houkoku 2007

植樹祭 旧松尾鉱山跡地(17頁参照)では鉱山活動によって

失ってしまった植生を取り戻すため、(社)東北地域環

境計画研究所(略称:東北地環研)や盛岡森林管理署な

どが中心となり、2002年より植樹祭を毎年1〜2回

開催しています。岩手県や松尾管理事務所は後援団体と

してこれまでこの植樹祭に参加し協力してきました。

 最近では地元だけでなく、盛岡市周辺までの広範囲に

わたって市民参加が呼びかけられています。

 小さな苗木たちは、鉱山跡の痩せた土壌、冬の寒さと

強風という厳しい自然環境の下で生き抜かなくてはなり

ません。耐えて大きな森に戻るまでにはまだ多くの時間

と手間がかかります。

処理場見学者 松尾新中和処理施設には年間1, 000名を超える見

学者が来訪します。地元あるいは東北圏内の小・中・高

等学校から大学の生徒や先生方、地域の老人クラブ、テ

レビ・新聞・雑誌等のメディア関係者、北上川流域の環

境NPO団体、国内外の鉱山関連技術者など様々な人達

です。強酸性水やpHについて知らなかった人達も、ま

ず松尾鉱山から流出する坑廃水の水量の多さ、処理施設

の大きさに驚き、北上川に魚が戻ってきた理由が分かる

のです。

植樹祭

鉱害防止支援業務に係る地域とのコミュニケーションと災害訓練(例 : 旧松尾鉱山新中和処理施設 )

鉱害防止支援の地域とのコミュニケーションと災害訓練

地域とのコミュニケーション

災害訓練の目的 JOGMECでは、災害や事故が発生した場合の迅速

かつ的確な対応を図るため、「旧松尾鉱山新中和処理施

設に係る災害・事故対応マニュアル」を作成しています。

また、災害時の対応及び連絡体制を点検・整備すること

を目的に、災害を想定した訓練を実施しています。

2006年度(平成18年度)災害訓練の概要 処理施設で震度6強を観測する強い地震が岩手県北部

において発生し、設備の一部が破損し強酸性水が河川に

流出する事態を想定した災害訓練を実施しました。

 訓練では、応急復旧に対する作業訓練を実施するとと

もに、地震発生や災害情報の関係機関への連絡訓練、災

害対策本部等の設置、維持管理連絡会議の開催に伴う関

係機関の緊急招集訓練などを行いました。

成果と今後の対処方針 今回の訓練の結果を受けて、通信連絡手段の強化(メ

ールでの災害情報の伝達、衛星電話の導入など)、災害・

事故対応マニュアルの改訂などを行いました。 JOGMECは、今後も定期的に災害訓練を実施する

ことにより、災害時の対応に万全を期していきます。

災害訓練

破損箇所の応急復旧訓練

�0Environmental Report 2007

Page 22: Kankyou Houkoku 2007

 資源産業は、環境や社会に大きな負荷や影響を与える

可能性が高いことから、他産業にもまして、環境への配

慮や持続可能な開発に関する取り組みが必須であり、関

連企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:

CSR)に基づく対応が求められています。

 このためJOGMECでは、資源産業界の国際的な組

織及び資源関連企業における持続可能な開発への自主的

な取り組みや、企業の社会的責任に関する主要活動等に

つき動向調査を行い報告書・パンフレットの発行、環境

問題を含む資源・エネルギーに係る講演会等を絶えず開

催し、資源産業における環境問題への取り組みの重要性

について啓蒙・普及を図っています。

 また、鉱害防止対策技術、新たな環境対応技術開発の

現状、製錬所煙灰の無害化等、JOGMECが取り組ん

だ技術的成果の報告会開催や、内外講師による「持続可

能な資源開発の在り方」、「資源開発における環境配慮及

び地域住民との合意形成」などをテーマとしてセミナー

を開催しています。

情報提供事業と環境保全

�� 環境報告書 2007

Page 23: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECは、地球温暖化対策としての石油・天然

ガス研究開発の他、様々な基準を設け温室効果ガス排出

の 抑 制 に 努 め て い ま す 。 2 0 0 7 年 5 月 に は 、

「JOGMECがその事務及び事業に関し温室効果ガス

の排出の抑制等のため実行すべき措置について定める実

施計画」を定め、今後一層の温室効果ガス排出削減に努

力しています。

基準例○不要な電気のスイッチオフ基準

  退出・外出時のPC電源オフ、離席時のモニター電源オフ、

スクリーンセーバーの差し控えなどOA機器等の電気使用

量を抑制しています。

  また、昼休みの消灯、残業時の照明は必要箇所だけとす

るよう対策を図っています。

○空調温度設定基準

  夏、冬には衣類の調整を行いつつ、省エネルギー・省資

源対策推進会議が推奨する室内温度を管理標準として執務

スペースの適切な温度設定をこまめに管理しています。

○ゴミ分別基準

  室内から出るゴミの量を少なくすべく努めつつ、ゴミの

分別を図り、リサイクルの促進を図っています。

○紙使用基準

  会議等で使用する紙量はきちんと管理するとともに、パ

ワーポイントの利用によって紙量の減少に努めています。

  また両面印刷を原則とし、内部利用、個人保有文書等は

使用済み用紙の裏面印刷をするよう努めています。

○整理整頓基準

  執務スペースの整理はもとより、事故防止のために蛸

足配線の禁止、裏紙回収箱の複写機等周りへの設置などを

行っています。

  この他、本年度からは一層の電気使用量削減のため、近

階のエレベーター利用を差し控える運動を行っています。

温室効果ガスの排出の抑制等の実施計画

 2006年度における環境物品等の調達実績概要は以

下のとおりです。

1.特定調達物品の調達状況

 概ね達成されましたが、一部目標値の100%を

達成できなかった物品もあります。

2.特定調達物品以外の環境物品等の調達状況

 物品等以外の物品等についても各種文房具等につ

いてエコマーク等の認証を得たものを積極的に調達

するよう努力してきました。

3.その他環境への配慮等

 納入業者に対する仕様書等に可能な限り環境物品

等の指定を記載するようにしました。

2006年度(平成18年度)環境物品等の調達実績について

地球温暖化防止対策

・各品目とも、特定調達物品の調達目標は 100%です。・目標を達成できなかった理由は、「入手不可」等です。

2006 年度特定調達品目の目標達成状況例

分野

4

44

3

7

5

50

4

9

紙類 ( コピー用紙、プリンター用塗工紙、カラー印刷用紙他 ) 全 8品目

文具類 ( シャープペン、ボールペン、消しゴム、粘着テープ他 ) 全79品目

機器類 ( 机、棚、収納用什器、ホワイトボード他 ) 全10品目

OA機器 ( コピー機、複合機、プリンター、スキャナー他 ) 全13品目

左の品目のうち調達実施

品目数

目標(100% )

達成品目数

(単位:品目)

��Environmental Report 2007

Page 24: Kankyou Houkoku 2007

※2005年度(平成17年度)に本部のHSE活動を本格的に開始したこと、また、2005年6月に春日事務所を本部へ移動・統合し集計範囲が一致しないこと等から、前年度比は記載していません。

項目

安全確保

衛生管理

法令遵守

緊急時対応

契約者管理

技術センター研究管理

指向調査・研究

環境管理

意識向上

HSE目的・目標達成状況

環境パフォーマンス

全体3,877,229kwh

電気使用量

技術センター3,296,232kwh

本部580,997kwh

全体29,669kg

紙使用量

技術センター6,768kg

本部22,901kg

全体58,072kg

ごみ排出量

技術センター19,828kg

本部38,244kg

リサイクル

34,637

9,619

44,256

産業廃棄物

2,837

2,054

4,891

一般廃棄物(可燃)

770

8,155

8,925

本部      

技術センター

合計

(kg)

オフィス活動における環境パフォーマンス     (2006年度(平成18年度))

目的(到達点)

●金属資源探査業務におけるリスクの回避・低減

●鉱害防止支援業務におけるリスクの回避・低減

●実験室見学時におけるリスク回避・低減

●健康増進

●法令遵守体制の整備

●安全管理体制の整備

●緊急時対応計画

●緊急時対応計画を含む技術センターの包括的管理

●緊急時対応計画

●石油備蓄におけるHSEリスクの回避・低減

●石油・石油ガス備蓄におけるHSEリスクの回避・低減

●希少金属鉱産物備蓄におけるHSEリスクの回避・低減

●海外出張時における緊急時対応

●技術センター管理業務におけるHSEリスクの回避・低減

●操業現場におけるHSEリスクの回避・低減

●技術センター研究業務におけるHSEリスクの回避・低減

●天然ガスの有効利用促進

●職場環境改善

●国家石油ガス備蓄地下基地の環境測定管理の充実

●グループ員によるHSE活動への主体的な関与

2006年度(平成18年度)の目標

●金属資源探査現地調査実施ガイドラインの運用・見直し

●現地調査における安全対策・事故対応マニュアルの見直し

●実験室見学時の注意事項検討・マニュアル策定、維持運営

●衛生委員会活動の周知・推進

●廃粗大ゴミの適切な処理と削減

●防災グッズの整備●帰宅避難民訓練の実施

●5階図書室(職員用)の防災・安全管理体制の整備

●緊急時対応計画(職員、来訪者)を含む技術センター館内 規則見直し

●金属資源情報センター (図書館)の防災・安全管理体制の整備

●国家石油備蓄基地の非常時における対応の維持

●無事故無災害の継続●安全性の確認●安全環境推進の徹底●緊急放出能力の評価●緊急時対応能力の評価

●国家備蓄倉庫の緊急時連絡体制の整備、安全の確認、災 害通報訓練の実施

●海外出張時における安全管理連絡体制の徹底

●委託業者の実施するHSE活動管理の促進

●委託業者及び再委託業者への安全管理体制の周知・徹底

●GS-HSEMSの運用・改善

●実験室内での有機溶剤取扱いに係る環境衛生状況改善及 び維持

●天然ガスの有効利用に関連する調査の実施●調査結果の民間企業への情報提供●我が国企業との事業可能性に関する検討

●川崎本部における適切な温度設定

●環境測定データの管理と現地における測定状況の把握

●グループミーティング開催によるHSE活動の周知徹底

�� 環境報告書 2007

Page 25: Kankyou Houkoku 2007

2006年度(平成18年度)の目標

●金属資源探査現地調査実施ガイドラインの運用・見直し

●現地調査における安全対策・事故対応マニュアルの見直し

●実験室見学時の注意事項検討・マニュアル策定、維持運営

●衛生委員会活動の周知・推進

●廃粗大ゴミの適切な処理と削減

●防災グッズの整備●帰宅避難民訓練の実施

●5階図書室(職員用)の防災・安全管理体制の整備

●緊急時対応計画(職員、来訪者)を含む技術センター館内 規則見直し

●金属資源情報センター (図書館)の防災・安全管理体制の整備

●国家石油備蓄基地の非常時における対応の維持

●無事故無災害の継続●安全性の確認●安全環境推進の徹底●緊急放出能力の評価●緊急時対応能力の評価

●国家備蓄倉庫の緊急時連絡体制の整備、安全の確認、災 害通報訓練の実施

●海外出張時における安全管理連絡体制の徹底

●委託業者の実施するHSE活動管理の促進

●委託業者及び再委託業者への安全管理体制の周知・徹底

●GS-HSEMSの運用・改善

●実験室内での有機溶剤取扱いに係る環境衛生状況改善及 び維持

●天然ガスの有効利用に関連する調査の実施●調査結果の民間企業への情報提供●我が国企業との事業可能性に関する検討

●川崎本部における適切な温度設定

●環境測定データの管理と現地における測定状況の把握

●グループミーティング開催によるHSE活動の周知徹底

2006年度(平成18年度)の取り組み

●ガイドラインの運用ガイドライン・運用方法の見直し

●現地調査における安全対策・事故対応マニュアルの運用監視

●内容検討・マニュアル作成・マニュアル運用

●衛生委員会出席( 1回/月)及び報告

●廃粗大ゴミ量の記録管理、廃粗大ゴミ処理の実施

●防災グッズの購入●帰宅避難民訓練の計画・実施

●5階図書室(職員用)利用時の防災マニュアルへの重要事項加筆

●書類落下の危険性、避難経路確保状況の月次確認・是正

●来訪者に配布するHSEカードの見直し・改訂・制作

●図書館利用ガイド及び図書館運営マニュアル作成・運用●災害発生時の避難マニュアルの作成

●災害時対応研修の実施

●規程類の遵守と実行●安全査察の実施●安全技術交流会等の実施●緊急放出訓練の実施

●緊急連絡体制の確認●日次、月次警備報告●災害通報訓練の実施

●緊急連絡網携帯版の携行による緊急時連絡の徹底・効率化

●委託業者とのHSE定期ミーティングの導入

●受託業者のHSE活動管理支援ツールの試行

●受託業者、再受託業者の安全管理体制の管理方法検討・●操業現場のHSEリスクに係る情報収集・リストアップ●コントラクター選定・管理方法の見直し●GS-HSEMSの改訂・運用

●使用状況調査・重要発生源などの特定、対応策の検討●装置導入などによる環境衛生状況の改善・維持(対応策の

実施)

●調査計画立案●調査成果報告会の開催刊行物への掲載外部コンサルタン

トを起用した調査の実施、結果取りまとめ●民間企業との意見交換

●定期的な温度チェック

●管理内容の検討●測定結果の収集、データ管理及び把握●現地実態調査(測定状況の確認および担当者ヒアリング)●調査結果の報告書の作成

●グループミーティングの開催準備及び開催

成果概要

●「金属資源探査現地調査実施ガイドライン」を制定4月より運用を開始●職員及び請負業者への運用を徹底

●マニュアルをベースに、特に 出張前の緊張時連絡体制図の作成について随時確認を実施 出張後の現地調査時のヒヤリハット、危険源について口頭にて確認を実施

●マニュアルを作成し、見学受け入れ先に配布し運用を開始

●委員会活動の周知徹底(健康診断・人間ドックの受診、インフルエンザ予防 接種等)

●廃棄物処理法等法令に基づき廃棄処分

●水・乾パン、簡易トイレ等の購入●避難マップ作成及び緊急連絡方法策定、災害発生時の家族等への連絡方法、

避難経路・避難場所の周知徹底

●「5階図書室(職員用)利用時の防災マニュアル」に『消火器の使い方』を追記

●書籍落下の危険性を精査、避難経路上の障害物(資料)を整理

●来訪者向けの改訂版HSEカードを製作し配布開始

●ガイド及びマニュアルに従い図書館業務を実施●マニュアルに従った安全管理の実施

●川崎本部-志布志基地合同危機管理訓練、検証の実施

●基地関係者との意見交換、現地巡回の実施、特に、安全性評価業務の試行と検証を実施した福井、志布志(試行階段)、地下備を除くその他の基地(検証段階)における基地操業の共通評価ツールを踏まえた効果的な活動の実施

●本年実施した各基地とも安全環境活動が遺漏なく実施されていることを確認●各基地間の貴重な情報交換の場として実施●むつ、秋田、福井、白島及び志布志の計画全基地で終了

●備蓄倉庫等の安全管理の充実、警備体制の拡充●搬出作業において、労働安全衛生に十分留意すべく更なる周知徹底の実施●通報訓練の実施

●安全管理に関する啓蒙活動の徹底、緊急連絡網の作成・携帯の促進

●月1回定期ミーティングの実施、安全で計画的な作業体制に寄与●エネルギー利用に関する管理支援ツールを試行した結果、有効的に利用で

きるとの判断に至らず平成19年度に別の管理方法を含めて再検討

●多岐にわたる委託作業内容の効率的な管理方法の検討を引き続き平成19年度目標に設定

●GS-HSEMS(Drilling Operation)の改定検討を行い、運用を開始

●ルーチン分析方法を見直すことにより使用量を低減●実験方法の見直しにより装置導入は不必要との結論

●平成18年5月実施の成果報告会における民間企業からのニーズを受け、更なる委託調査を開始

●通年におけるフロア-温度の定期的チェック実施、防災センターと連携し適切な温度設定と管理の実施

●上半期、管理内容の検討は完了、波方基地での現地状況の確認および担当者ヒアリングは実施・報告済

●下半期、測定結果の収集・データ管理及び把握、倉敷現地実態調査報告書作成済

●グループミーティングの実施、グループ員への周知徹底

��Environmental Report 2007

Page 26: Kankyou Houkoku 2007

 JOGMECは、環境の国際規格であるISO14001

の認証取得と同時に、労働安全衛生の国際規格OHSAS

18001の認証を取得しています。

 JOGMECは、この2つの国際規格を統合して、HSE

マネジメントシステムを運営しており、2006年度(平成

18年度)は健康増進を目的・目標として、労働安全衛生法

に基づき設置した衛生委員会の周知・推進を図っています。

 快適な職場への改善事項について、各部で指名された

HSEリーダー等は、職場の意見や要望等、その内容に応じ

衛生委員を通じて衛生委員会への提案を行います。

 また、職場環境改善に関する意見や提案を受ける専用のメ

-ルボックスを設置しています。

 このメールボックスでは、各職員が日常の業務を行ってい

るなかで気がついた業務の進め方や執務環境の改善提案や相

談、質問など、職員のやる気を高め、職員・組織がより良い

成果を生み出せる明るい組織運営のための意見、提案、相談

を受け付けています。

 なお、匿名性を確保するため、総務部門の限られた職員だ

けがアクセス可能となっており、必ずレスポンスを返すとと

もに、送信者の了解があるものについてはイントラネット

にて機構内に広く周知するように努めています。

 さらに、ニアミス・ヒヤリハット体験の投稿を要請すると

ともに、今までに報告のあった職場内での、事故・事故誘因

報告をイントラネットに掲載し、安全への注意喚起を啓蒙し

ています。

 この他、産業医による「メ-ル健康相談」窓口を設置し、

"メンタルヘルス講習会" を催すなど、健康管理の拡充を推

し進めています。

JOGMECの労働安全衛生活動

労働安全衛生パフォーマンス

�� 環境報告書 2007

Page 27: Kankyou Houkoku 2007

衛 生 委 員 会

予 算 が 発 生 す る 事 項

機 構 全 体 に 及 ぶ 事 項総務部 総務課

理 事 長

担 当 部 署

衛生委員会

(総括管理者)

H S E 活 動

担 当 部 署 担 当 部 署

イ ン ト ラ 掲 載 活動内容 ・ 議事録等

衛生委員会活動の周知方法

産業医の意見(提言)

衛生委員会で調査・審議された意見

指 摘 事 項( 意 見 ・ 提 言 )

理 事 長

調査審議事項については、年度終了の活動報告をもって、議事録の回付先を理事長までとし、下記のとおりの進め方で処理を図る。(急を要する場合はその都度処理)

体制図

��Environmental Report 2007

Page 28: Kankyou Houkoku 2007

環境報告書2007Environmental Report

古紙パルプ配合率100%再生紙を使用

*この報告書は、古紙配合率100%再生紙及び大豆インクを使用しています。 また、印刷工程で有害廃液を出さない水なし印刷方式で印刷しています。

本 部 〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー TEL. 044-520-8600 FAX. 044-520-8710

技術センター 〒261-0025 千葉県千葉市美浜区浜田1丁目2番2号 TEL. 043-276-9212 FAX. 043-276-4061

金属資源技術研究所 〒017-0202 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山宇古館9番地3 TEL. 0186-29-3829 FAX. 0186-29-3849

URL. http://www.jogmec.go.jp/