JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ...

74
3-1 第1章 解析データの指定 1.1 機能構成 メニューから[手法選択]-[多変量解析]-[構造方程式モデリング(SEM)]を起動後,解析データの指定をおこ ないます.解析データの指定の機能構成は以下の通りです. データ形式の指定 全変数を使用 データ 形式? 生データ形式 分散共分散(相関係数)行列形式 全変数を使用しない 構造方程式モデリング 分析データの 選択 全変数を 使用? 全変数を 使用? 層別? カテゴリの指定 層別する 層別しない 変数の指定 全変数を使用 全変数を使用しない SEMモジュールの起動 (SEMプロジェクト新規作成) サンプル数の指定 変数の指定 SEMモジュールの起動 (既存ファイルを開く) ワークシート上の データを分析 既存ファイルを開く 1.1 機能構

Transcript of JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ...

Page 1: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-1

解析データの指定

PART3

第1章

第1章 解析データの指定

1.1 機能構成

メニューから[手法選択]-[多変量解析]-[構造方程式モデリング(SEM)]を起動後,解析データの指定をおこ

ないます.解析データの指定の機能構成は以下の通りです.

データ形式の指定

全変数を使用

データ

形式?

生データ形式 分散共分散(相関係数)行列形式

全変数を使用しない

構造方程式モデリング

分析データの

選択

全変数を

使用?

全変数を

使用?

層別?

カテゴリの指定

層別する

層別しない

変数の指定

全変数を使用 全変数を使用しない

SEMモジュールの起動

(SEMプロジェクト新規作成)

サンプル数の指定 変数の指定

SEMモジュールの起動

(既存ファイルを開く)

ワークシート上の

データを分析

既存ファイルを開く

1.1 機能構成

Page 2: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-2

1.2 分析データの選択

StatWorks のメニューから[手法選択]-[多変量解析]-

[構造方程式モデリング(SEM)]を起動すると,プロジェクト

の「分析データの選択」ダイアログが表示されます.

①ワークシート上のデータを使って構造方程式モデリング

をおこないます. (SEM プロジェクトが新規作成されま

す)

②既存ファイルを開きます. (SEM プロジェクトは新規

作成されません)

SEMプロジェクトを新規作成すると,StatWorks のワークシート上に入力されたデータをデータシートに取り込んだ

SEM モジュールが起動します.SEM プロジェクトではデータとパス図,分析結果が一まとめになっており,分かり

やすい操作で一連の解析をおこなうことができます.

SEM の内容については「PART1 第1章 構造方程式モデリング(SEM)の概要」をご覧ください.

本マニュアルでは,「ワークシート上のデータを分析」を選択した場合を想定して各機能の説明をします.

SEM プロジェクトを新規作成せずに,個別に既存のデータシートやパス図を使って分析をおこなう場合については,

「PART3 第7章 個別ウィンドウ」をご覧ください.

1.2 分析データの選択

Page 3: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-3

解析データの指定

PART3

第1章

1.3 データ形式の指定

「SEM プロジェクトの新規作成」を起動すると,「データ形式の指定」ダイアログが表示されます.

ここで分析に使用するデータの形式を指定します.

①対象シート:分析に使用する StatWorks のワークシートを指定します.(複数のシートを指定した場合は,多母集団

の同時分析をおこないます)

②StatWorks のワークシート上の全変数を使用する場合は,チェックを入れたままにします.(ただしマスクした変数

は除きます)ここのチェックを外して「OK」ボタンを押した場合は,次に「変数の指定」ダイアログが表示されます.

「変数の指定」ダイアログについては「1.4 変数の指定」をご覧ください.

③StatWorks のワークシート上でマスクされたサンプルを分析から除外する場合は,チェックを入れます.

④データ形式:StatWorks のワークシート上に入力したデータが「生データ形式」なのか,「分散共分散(相関係数)行

列形式」なのかを指定します.

(※データ入力形式についての詳細は PART1をご覧ください.)

⑤層別:対象シートが1枚で,層別変数を用いて多母集団の分析をおこなう場合は「層別する」を指定し,層別変数を

指定します.また,使用するカテゴリを絞り込みたい場合は「カテゴリ指定」ボタンを押します.カテゴリ指定につい

ての詳細は「1.5 カテゴリの指定」をご覧ください.

ボタン 機能

全シートを選択します.

データ形式の指定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

1.3 データ形式の指定

Page 4: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-4

1.4 変数の指定

「データ形式の指定」ダイアログ上で「全変数を使用(マスク変数除く)」のチェックを外して「OK」ボタンを押した場

合は,「変数の指定」ダイアログが表示されます.

ここで使用する変数を指定します.

生データ形式の場合

①シート:対象となっているシート名を表示します.

②グループ名:対象となっているグループ名を表示しま

す.

③変数一覧:StatWorks のワークシート上に入力した変

数(量的変数,質的変数)の一覧です.

④使用変数:分析に使用する変数の一覧です.

⑤StatWorks のワークシート上でマスクされた変数を

分析から除外する場合は,チェックを入れたままに

します.

ボタン 機能

選択した変数をリストに取り込みます.

選択した変数をリストから外します.

全変数をリストに取り込みます.

全変数をリストから外します.

ワークシート上に入力した変数(量的変数,質的変数)が変数一覧に載っているので,変数一覧から使用する変数を

選択して ボタンを押します.指定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

③ ④

クリック 使用変数を

選んだ状態で 使用変数が

追加された

① ②

1.4 変数の指定

Page 5: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-5

解析データの指定

PART3

第1章

分散共分散(相関係数)行列形式の場合

①シート:対象となっているシート名を表示します.

②グループ名:対象となっているグループ名を表示しま

す.

③変数一覧:StatWorksのワークシート上に入力した変数

(量的変数)の一覧です.

④分散共分散(相関係数)行列:分散共分散(相関係数)

行列として使用する変数の一覧です.

⑤標準偏差:標準偏差として使用する変数です.

⑥平均:平均として使用する変数です.

⑦StatWorksのワークシート上でマスクされた変数を分析

から除外する場合は,チェックを入れたままにします.

⑧サンプル数:分散共分散(相関係数)行列を計算する

ために使用したサンプル数を指定します.

ボタン 機能

選択した変数をリストに取り込みます.

選択した変数をリストから外します.

全変数をリストに取り込みます.

全変数をリストから外します.

ワークシート上に入力した変数(量的変数)が変数一覧に載っているので,変数一覧から分散共分散(または相関係

数)行列として使用する変数を選択し, ボタンを押します.ワークシート上にデータの標準偏差や平均が入力さ

れている場合には,標準偏差や平均の変数も指定します.サンプル数の欄には,分散共分散(相関係数)行列を

計算するために使用したサンプル数を,キーボードを使って入力します.標準偏差や平均の指定は任意ですが,

サンプル数の指定は必須となります.

指定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

③ ④

クリック 各使用変数を

選んだ状態で

変数が指定

された

サンプル数

を入力

① ②

1.4 変数の指定

Page 6: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-6

1.5 カテゴリの指定

「データ形式の指定」ダイアログで「カテゴリ指定」ボタンを押すと,「カテゴリの指定」ダイアログが表示されます.初

期設定では全カテゴリが指定されているので,使用しないカテゴリがあれば,指定から外します.

①カテゴリ名称:StatWorks のワークシート上で設定した

カテゴリ名称が表示されます.

②度数:各カテゴリの度数を表示します.

ボタン 機能

全変数を選択します.

指定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

① ②

1.5 カテゴリの指定

Page 7: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-7

解析データの指定

PART3

第1章

1.6 サンプル数の指定

「データ形式の指定」ダイアログでデータ形式を「分散共分散(相関係数)行列形式」とし,「全変数を使用(マスク変

数除く)」にチェックを入れた状態で「OK」ボタンを押した場合は,「サンプル数の指定」ダイアログが表示されます.

ここで標準偏差,平均が入力された変数,およびサンプル数を指定します.標準偏差や平均が入力された変数を

指定するには,「変数指定」ボタンを押すか,標準偏差や平均のセルをダブルクリックして,「標準偏差/平均の指定」

ダイアログを表示させます.サンプル数はキーボードを使って入力します.

標準偏差や平均の指定は任意ですが,サンプル数の指定は必須となります.

(「標準偏差/平均の指定」ダイアログについては「1.7 標準偏差/平均の指定」をご覧ください.)

①シート名:対象となっているシート名を表示

します.

②標準偏差:標準偏差として使用する変数で

す.

③平均:平均として使用する変数です.

④サンプル数:分散共分散(相関係数)行列を

計算するために使用したサンプル数を指定

します.

⑤変数指定:「標準偏差/平均の指定」ダイア

ログを表示します.

指定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

② ③ ④

1.6 サンプル数の指定

Page 8: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-8

1.7 標準偏差/平均の指定

「サンプル数の指定」ダイアログで「変数指定」ボタンを押すか,標準偏差や平均のセルをダブルクリックした場合

に,「標準偏差/平均の指定」ダイアログが表示されます.

ここで標準偏差,平均が入力された変数を指定します.

①シート:対象シートを指定します.

②設定項目:標準偏差を設定するか,平均を設定

するかを選択します.

③変数一覧(量的変数):標準偏差や平均として使

用する変数を指定します.

まず,シートが対象シートとなっているかを確認します.標準偏差を指定するには,設定項目を「標準偏差」とし,変数

一覧から標準偏差が入力された変数を指定して「適用」ボタンを押します.平均を指定するには,設定項目を「平均」

とし,変数一覧から平均が入力された変数を指定して「適用」ボタンを押します.

標準偏差の指定

平均の指定

全ての指定が終わったら,「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

① ②

設定項目を標準

偏差にして 標準偏差が入力さ

れた変数を指定

標準偏差が入力さ

れた変数を指定

設定項目を平均

にして

クリック クリック

1.7 標準偏差/平均の指定

Page 9: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-9

データシート

PART3

第2章

第2章 データシート

データシートでは入力したデータを確認することができます.また,母集団や変数情報の設定をおこないます.

2.1 機能一覧

2.1.1 メニューボタン

データシートで使用するメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

母集団の設定 母集団の追加,削除,名称の変更,順番の変更をおこないます.(2.2 参照)

変数情報 変数の名称などの設定をおこないます.(2.3 参照)

モデルウィザード パス図を作成するためのウィザードを起動します.(2.4 参照)

2.1.2 分析メニュー

データシートで使用できる分析メニューは以下の通りです.

機能 内容

母集団の設定 母集団の追加,削除,名称の変更,順番の変更をおこないます.(2.2 参照)

変数情報 変数の名称などの設定をおこないます.(2.3 参照)

モデルウィザード パス図を作成するためのウィザードを起動します.(2.4 参照)

分析実行(全モデ

ル)

編集モデルと保存モデルの全モデルを使って分析を実行します.(詳細は「第6章 その

他の機能」をご覧ください.)

保存モデルの整理 保存したモデルの削除や名称の変更をおこないます.(詳細は「第6章 その他の機能」を

ご覧ください.)

2.1 機能一覧

Page 10: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-10

2.2 母集団の設定

データシートのメニューボタン「母集団の設定」を押すと,「母集団の設定」ダイアログが表示されます.

ここで母集団の名称の変更がおこなえます.

①名称:「母集団の名称」ダイアログを表示し,そこで母集団の名称

を変更します.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

なお,母集団の追加や削除,順番の変更は SEM モジュール上で

SEM プロジェクトファイルを新規作成した場合のみ,おこなえます.

「母集団の名称」ダイアログ

「母集団の設定」ダイアログにおいて名称を変更したい母集団を選択し(複数可),「名称」ボタンを押すと,「母集団の

名称」ダイアログが表示されます.

①名称:母集団の名称を編集します.

②表示グループ:「選択グループ」にすると,「母集団の設定」ダイ

アログで選択したグループのみを表示します.「全グループ」

にすると,全グループを表示します.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

2.2 母集団の設定

Page 11: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-11

データシート

PART3

第2章

2.3 変数情報

データシートのメニューボタン「変数情報」を押すと,「変数情報」ダイアログが表示されます.ここで変数の名称な

どの設定がおこなえます.

生データ形式の場合

①データ形式:データ形式を表示します.

②グループ:対象となっているグループ名を表示します.

③変数の数:データシート上の変数の数を表示します.

④サンプル数:データシート上のサンプル数を表示しま

す.

⑤変数名:データシート上の変数の名称を表示します.こ

こで名称を編集することも可能です.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

分散共分散(相関係数)行列形式の場合

①データ形式:データ形式を表示します.

②グループ:対象となっているグループ名を表示します.

③変数の数:データシート上の変数の数を表示します.

④サンプル数:分散共分散(相関係数)行列を計算するた

めに使用したサンプル数を表示します.ここでサンプル

数を変更することも可能です.

⑤変数名:データシート上の変数の名称を表示します.こ

こで名称を編集することも可能です.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

① ② ③

④ ⑤

① ② ③

④ ⑤

2.3 変数情報

Page 12: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-12

2.4 モデルウィザード

パス図は各オブジェクトを配置して作成しますが,モデルウィザードを使うと,パス解析モデル,潜在構造

モデル,潜在成長曲線モデルの3モデルを簡単な操作で作成することができます.(モデルウィザードを使用せ

ずにパス図作成する方法については「第3章 パス図」をご覧ください.)

データシートのメニューボタン「モデルウィザード」を押すと,「パス図の新規作成」ダイアログが表示され

ます.ここで作成したいモデルを選択します.

名称 特徴

パス解析モデル パス解析モデルのパス図を作成するためのウィザードが起動します.1 ステップでパス

解析モデルのパス図を作成することができます.(2.4.1 参照)

潜在構造モデル 因子分析モデル,多重指標モデルのパス図を作成するためのウィザードが起動しま

す.3 ステップで因子分析モデル,もしくは,多重指標モデルのパス図を作成すること

ができます.(2.4.2 参照)

潜在成長曲線モデル 潜在成長曲線モデルのパス図を作成するためのウィザードが起動します.2 ステップで

潜在成長曲線モデルのパス図を作成することができます. (2.4.3 参照)

パス図ウィンドウ 初期状態のパス図ウィンドウを開きます.(ツールボタンを使ったパス図の作成方法

については「第3章 パス図」をご覧ください.)

2.4 モデルウィザード

Page 13: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-13

データシート

PART3

第2章

2.4.1 パス解析モデル

観測変数の因果関係の設定

観測変数間の因果関係を表す方程式を以下の手順で指定します.

① 方程式の目的変数(左辺)を「変数一覧」リストで指定し(1個),目的変数の「>」ボタンを押します.

② 説明変数(右辺)を「変数一覧」リストで指定し(複数可),説明変数の「>」ボタンを押します.

2.4 モデルウィザード

目的変数を

選んだ状態で クリック

目的変数が指定

された

クリック 説明変数が指定

された

説明変数を

選んだ状態で

Page 14: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-14

③ 方程式の目的変数,説明変数を指定し終えたら,「追加」ボタンを押し,パス解析モデルの目的変数と説

明変数を追加します.

④ 以上の手順を方程式数分繰り返します.

⑤ 「OK」ボタンを押すと,指定したパス解析モデルがパス図上に表示されます.

2.4 モデルウィザード

2.4 モデルウィザード

クリック

目的説明と説明

変数を指定し終

えたら

パス解析モデル

に変数が追加さ

れた

Page 15: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-15

データシート

PART3

第2章

2.4.2 潜在構造モデル

因子と指標の設定

モデルに含める因子(潜在変数)とその指標(Indicator)を指定します.指標とは,潜在変数が影響を与え

る観測変数のことです.指定の方法は以下の通りです.

① 「因子構造」グループの因子名称をモデルに取り込む因子の名称とします.

② その因子の指標を「変数一覧」リスト上で選択し,「>」ボタンを押します.

2.4 モデルウィザード

因子名称を設定

する

因子の指標を変数

一覧から選択して クリック

因子の指標が設

定された

因子構造グループ

Page 16: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-16

③ 因子名称と指標が正しく設定されていることを確認した後,「追加」ボタンを押し,因子および指標を潜

在構造モデルに追加します.

④ 以上の操作を因子数分おこないます.

「次へ」ボタンを押すと,モデルに因子が二つ以上含まれる場合は因子間の因果関係を設定する画面が表示さ

れ,因子が一つの場合は指定したモデルがパス図上に表示されます.

2.4 モデルウィザード

因子名称

と 指標が

正しく設定

さ れ て い

ることを確

認して クリック

モデルに因子と指

標が設定された

例えば,同様の操作で

変数 4 を指標にした F2

(潜在変数2)と

変数5を指標にした

F3(潜在変数 3)を

設定する

Page 17: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-17

データシート

PART3

第2章

因子間の因果関係の設定

モデルに因子を二つ以上設定した場合の,因子間の因果関係の設定方法について説明します.

潜在変数間の因果関係を表す方程式を以下の手順で指定します.

(因子間に因果関係を想定しない場合は,直ちに「次へ」ボタンを押してください.)

①方程式の目的変数(左辺)を「因子一覧」リストで指定し(1個),目的変数の「>」ボタンを押します.

②説明変数(右辺)を「因子一覧」リストで指定し(複数可),説明変数の「>」ボタンを押します.

2.4 モデルウィザード

方程式の目的

変数を因子一

覧から指定し

方程式の目的変数

が設定された

方程式の説明

変数を因子一

覧から指定し

方程式の説明変数

が設定された

クリック

クリック

Page 18: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-18

③方程式の目的変数,説明変数を指定し終えたら,「追加」ボタンを押し,潜在構造モデルに追加します.

④以下の手順を方程式数分繰り返します.

「次へ」ボタンを押すと,独立な因子が2個以上あれば因子間相関を設定する画面を表示し,なければ指定し

た潜在構造モデルがパス図上に表示されます.

因子間相関の設定

独立な因子が2個以上ある場合の,因子間相関の設定方法について説明します.

独立な因子間の相関(共分散)の設定をおこないます.

相関を設定したい因子(2個以上)を「独立な因子」リストで指定し,「>」ボタンを押してください.

ただし,「独立な因子」リストで3つ以上の因子を指定し「>」ボタンを押した場合は,指定した因子の全ての

組み合せに対して相関が設定されます.

2.4 モデルウィザード

方程式の目的

変数,説明変

数を指定し終

えたら

潜在構造モデルに

目的変数と説明変

数が設定された

クリック

相関を設定した

い因子を指定し

因子間の相関が

設定された クリック

Page 19: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-19

データシート

PART3

第2章

「OK」ボタンを押すと,指定されたモデルがパス図上に表示されます.

2.4.3 潜在成長曲線モデル

潜在成長曲線モデルの設定も,同様に,ウィザードの指示に従って,使用変数,観測変数が測定された時間,次数

などを入力しおこないます.

①潜在成長曲線モデルで使用する変数を「変数一覧」リストで指定し,「>」ボタンを押して使用変数に取り込

みます.また,観測変数が測定された時間を入力し,「次へ」ボタンを押します.

2.4 モデルウィザード

使用する変数を

選んだ状態で

クリック

使用変数が

設定された

観測変数が測

定された時間

を入力する

Page 20: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-20

②潜在成長曲線モデルオプションで使用するモデルを指定します.

③最後に,何次のモデルにするかを選択しクリックします.

④指定されたモデルがパス図上に表示されます.

2.4 モデルウィザード

使用するモデル

を指定する

何次のモデルかを

選択しクリックする

Page 21: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-21

パス図

PART3

第3章

第3章 パス図

パス図では変数の因果関係を表すモデル図を作成します.また,モデルに対する各種設定をおこないます.

3.1 機能一覧

3.1.1 メニューボタン

パス図で使用するメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

データ設定 質的変数(順序尺度)の指定とサンプルのマスク,サンプルの重み付けの設定をおこない

ます.(3.3 参照)

パス設定 変数間にパスを設定します.(3.4 参照)

分散共分散設定 変数間に分散共分散を設定します.(3.5 参照)

パラメータ推定方法 パラメータの推定方法を設定します.(3.7 参照)

等値制約 等値制約を設定します.(3.8 参照)

効果の分解 効果を直接効果と間接効果に分解します.(3.9 参照)

Excel 出力 作成したパス図を Excel に出力します.

オプション データ出力・計算処理と表示に関する設定をおこないます.(3.10 参照)

分析実行 分析を実行します.(機能は分析実行(編集モデル)と同じになりますが,詳細は「第6章

その他の機能」をご覧ください.)

3.1 機能一覧

Page 22: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-22

3.1.2 分析メニュー

パス図で使用できる分析メニューは以下の通りです.

機能 内容

欠測値の扱い 欠測値に対する処理を指定します.(3.11 参照)

データ設定 質的変数(順序尺度)の指定とサンプルのマスク,サンプルの重み付けの設定を

おこないます.(3.3 参照)

パス設定 変数間にパスを設定します.(3.4 参照)

分散共分散設定 変数間に分散共分散を設定します.(3.5 参照)

パラメータ推定方法 パラメータの推定方法を設定します.(3.7 参照)

等値制約 等値制約を設定します.(3.8 参照)

不等式制約 不等式制約を設定します.

LM 検定(パラメータの追加) パラメータの追加に関する検定をおこないます.(3.12 参照)

ワルド検定(パラメータの削除) パラメータの削除に関する検定をおこないます.(3.13 参照)

効果の分解 効果を直接効果と間接効果に分解します.(3.9 参照)

Excel 出力 作成したパス図を Excel に出力します.

オプション データ出力・計算処理と表示に関する設定をおこないます.(3.10 参照)

分析実行(編集モデル) 編集モデルを使って分析を実行します.(詳細は「第6章 その他の機能」をご覧

ください.)

分析実行(全モデル) 編集モデルと保存モデルの全モデルを使って分析を実行します.(詳細は「第6

章 その他の機能」をご覧ください.)

保存モデルの整理 保存したモデルの削除や名称の変更をおこないます.(詳細は「第6章 その他

の機能」をご覧ください.)

3.1 機能一覧

Page 23: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-23

パス図

PART3

第3章

3.2 ツールボタン

パス図の作成で使用するツールボタンは以下の通りです.

オブジェクトの選択:編集モードに切り替え,オ

ブジェクトの選択や移動をおこないます.

共分散(曲線)の追加:変数間に曲線の分散

共分散を設定します.(3.2.2参照)

観測変数V の追加:観測変数を追加します.

(3.2.1参照)

回帰モデルの設定:複数の変数から 1 つの変

数へのパスが存在するような回帰モデルを設

定します. (3.2.3参照)

潜在変数 F の追加:潜在変数を追加します.

(3.2.1参照)

因子モデルの設定:1 つの変数から複数の変

数へのパスが存在するような因子モデルを設

定します. (3.2.4参照)

V に付随する誤差 E の追加:観測変数に誤差

変数を追加します.(3.2.1参照)

共分散の設定:変数間に共分散を設定しま

す.(3.2.5参照)

F に付随する誤差 D の追加:潜在変数に誤差

変数を追加します.(3.2.1参照)

因子と指標の設定:因子構造を設定します.

(3.2.6参照)

平均構造の追加:平均を追加します.(3.2.1

参照)

テキストの追加:テキストを追加します.(3.

2.7参照)

パス(直線)の追加:変数間に直線のパスを設

定します.(3.2.2参照)

推定値の表示 ON/OFF:推定値の表示/非表

示を切り替えます.

パス(曲線)の追加:変数間に曲線のパスを設

定します.(3.2.2参照)

パス図の初期化:パス図を初期化します.

共分散(直線)の追加:変数間に直線の共分散

を設定します.(3.2.2参照)

オブジェクトを削除するには,該当するオブジェクトをクリックしそのままDeleteキーを押します.

3.2 ツールボタン

Page 24: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-24

3.2.1 変数の作成/追加

パス図に新規変数(観測変数)を作成および追加するには,ツールボタン「観測変数 V の追加」 を押してから

パス図上をクリックします.

「観測変数の指定」ダイアログが表示されます.

ワークシート上に入力した変数が左側の変数一覧に

載っているので,使用する変数を選択して ボタ

ンを押します.

また,使用変数から変数を削除したい場合は,削除

する変数を選択して ボタンを押します.

使用変数が設定されたら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.パス図に使用変数が追加されます.

同様に,潜在変数 ,観測変数に付随する誤差変数 ,潜在変数に付随する誤差変数 ,平均 も,ツー

ルボタンを押してからパス図をクリックして追加することができます.

パス図上をクリック

ツールボタン を押してから

クリック 使用変数を

選んだ状態で

使用変数が

追加された

3.2 ツールボタン

Page 25: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-25

パス図

PART3

第3章

3.2.2 パス/共分散の設定

変数間に.直線のパスを引くには,ツールボタン「パス(直線)の追加」 を押してから,始点の変数をクリックし,

終点の変数をクリックします.例えば,変数2→変数5とパスを引きたい場合には,ツールボタン「パス(直線)の追加」

を押してから,変数2をクリックし,次に変数5 をクリックします.

同様の操作で,曲線のパス ,直線の共分散 ,曲線の共分散 も設定することができます.

パスを設定する場合,終点の変数には自動的にE1やD1が付きますが,これは誤差を

表しています.(Eは観測変数に付随する誤差,Dは潜在変数に付随する誤差)

始点の変数をクリックし 終点の変数をクリックします

ツールボタン を押してから

変数2→変数5 の

パスが引かれた

3.2 ツールボタン

Page 26: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-26

3.2.3 回帰モデルの設定

ツールボタンを用いて,回帰モデルを簡単な操作で設定することができます.

複数の変数から 1 つの変数へのパスが存在するようなモデルを回帰モデルといいます.回帰モデルを設定するに

は,

① まずツールボタン「回帰モデルの設定」 を押します.

② それから,パスが入る 1 変数をクリックし,その後にパスが出発する変数(複数可)をクリックしていきます.

③ 後に,再びパスが入る変数をクリックして一巡することで,回帰モデルの設定が終わります.

例えば,変数2,変数3,変数4 の 3 変数から変数5 へのパスが存在するような回帰モデルを設定する場合は,ツー

ルボタン「回帰モデルの設定」 を押してから,変数 5→変数 2→変数 3→変数 4→変数 5 の順番でクリックしま

す.

パスが入る変数をク

リック

ツールボタン を押してから

パスが出発する変

数をクリック

後にパスが入る

変数を再びクリック

回帰モデルが設定

された

3.2 ツールボタン

Page 27: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-27

パス図

PART3

第3章

3.2.4 因子モデルの設定

ツールボタンを用いて,因子モデルを簡単な操作で設定することができます.

1 つの潜在因子から複数の観測変数へのパスが存在するようなモデルを 1 因子モデルといいます.1 因子モデルを

設定するには,

① まずツールボタン「因子モデルの設定」 を押します.

② それから,パスが出発する潜在因子をクリックし,その後にパスが入る観測変数(複数可)をクリックしていきま

す.

③ 後に,再びパスが出発する潜在因子をクリックし一巡すると,「パスの種類」ダイアログが表示されます.

④ 「パスの種類」ダイアログでパスを設定し「OK」ボタンを押すと,因子モデルの設定が終わります.

(「パスの種類」ダイアログについては,詳しくは「3.6パスの種類」をご覧ください.)

例えば,潜在因子F1から変数2,変数3,変数4の3変数へのパスが存在するような因子モデルを設定する場合は,

ツールボタン「因子モデルの設定」 を押してから,F1→変数2→変数3→変数4→F1 の順番でクリックします.

3.2 ツールボタン

パスが出発する潜在

因子をクリック

ツールボタン を押してから

パスが入る観測

変数をクリック

後にパスが出発する

潜在因子を再びクリック

1 因子モデルが

設定される 「パスの種類」ダイアログで

パスの種類を設定し「OK」

ボタンを押す

Page 28: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-28

3.2.5 共分散の設定

ツールボタンを用いて,変数間の共分散を簡単な操作で設定することができます.

変数2,変数3,変数4,変数5 の全変数間に共分散を設定するには,

① まずツールボタン「共分散の設定」 を押します.

② それから,共分散を設定する変数をクリックしてきます.

③ 後に,一番 初に指定した変数をクリックし一巡すると,変数間に共分散が設定されます.

例えば,変数2,変数3,変数4,変数5の全変数間に共分散を設定するには,ツールボタン「共分散の設定」

を押してから,変数2→変数3→変数4→変数5→変数2 の順番でクリックします.

共分散を設定する変数をクリック

(例えば,変数2,変数3,変数4,

変数5 の順番でクリック)

ツールボタン を押してから

後に,一番 初に指定した

変数を再びクリック

(今回は変数2 をクリック)

共分散が設定された

3.2 ツールボタン

Page 29: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-29

パス図

PART3

第3章

3.2.6 潜在因子と指標の設定

パス図に潜在因子と指標を追加するには,ツールボタン「因子と指標の設定」 を押してからパス図上をクリック

します.ここで,潜在変数が影響を与える観測変数を「指標」と呼んでいます.

「因子構造の設定」ダイアログが表示されます.ここで潜在因子の名称と指標を指定します.

①因子記号:潜在因子の記号を表示します.

②因子名称:潜在因子の名称を設定します.

③変数一覧:潜在因子の指標となる変数候補

の一覧です.

④指標(Indicator):潜在因子の指標(潜在変

数が影響を与える観測変数)として指定さ

れた変数です.

⑤因子構造の種類:パスの種類を通常,傾き,

切片から指定します.(傾きと切片は潜在成

長曲線モデルで使用します.)

⑥因子負荷量の種類:自由なパラメータか固

定パラメータかを指定します.

固定パラメータ…値を与えて固定するパラメ

ータ

自由なパラメータ…推定をおこなうパラメータ

⑦初期値,増分:因子構造の種類が「傾き」

の時には初期値と増分を,「切片」の時には

初期値を指定します.

パス図上をクリック

ツールボタン を押してから

① ②

③ ④

3.2 ツールボタン

Page 30: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-30

因子構造の種類について

通常…通常のパスであり,自由なパラメータか固定パラメータかを指定します.

傾き…固定パラメータとし,初期値と増分を与えます.例えば指標が4つで初期値を1,

増分を2とした場合,4指標への固定パラメータ値は1,3,5,7に設定されます.

切片…固定パラメータとし,初期値を与えます.例えば指標が4つで初期値が1の場合,

4指標への固定パラメータ値は1,1,1,1に設定されます.

まず,潜在因子の名称を設定します.また,変数一覧から潜在因子の指標(潜在変数が影響を与える観測変数)と

なる変数を指定して ボタンを押します.

潜在因子の指標が設定されました.

因子名称を設定

潜在因子の指標とな

る変数を指定して

クリック

潜在因子の指標が

設定された

3.2 ツールボタン

Page 31: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-31

パス図

PART3

第3章

各因子構造の設定は,指標リストで設定したい指標を指定し,画面右側の因子構造の種類で種類を設定します.

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

パス図に潜在因子と指標が設定されました.

各因子構造の設定は,指標リス

トから設定したい指標を指定

し,画面右側で種類を設定する

3.2 ツールボタン

Page 32: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-32

3.3 データ設定

データが生データ形式の場合,パス図に

おいて,メニューボタン「データ設定」を押す

か,[分析]メニューから「データ設定」を選択

すると,「データの設定」ダイアログが表示さ

れます.

①質的変数(順序尺度)の指定:分析時に量的変数ではなく質的変数(順序尺度)として扱いたい変数を指定します.

②サンプルのマスク:分析時に除外(マスク)したいサンプルをあった場合に,除外するサンプルを指定します.

③サンプルの重み付け:サンプルの重み付けをおこないたい場合に,重み(ウェイト)が入力された変数を指定しま

す.

④グループ:多母集団の分析をおこなう場合に,データ設定をするグループの切り替えをおこないます.

3. 3.1 質的変数の指定

「データの設定」ダイアログで「質的変数(順序尺度)の指定」ボタンを押すと,「質的変数の指定」ダイアログが表示

されます.

ワークシート上に入力した変数が左側の変数一覧

に載っているので,分析時に質的変数(順序尺度)と

して扱う変数を選択して ボタンを押します.

また,質的変数(順序尺度)から変数を削除したい場

合は,削除する変数を選択して ボタンを押しま

す.

質的変数(順序尺度)が設定されたら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

クリック

変数を選んだ状態

質的変数(順序尺

度)が追加された

3.3 データ設定

Page 33: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-33

パス図

PART3

第3章

3.3.2 マスクサンプルの指定

「データの設定」ダイアログで「サンプルのマスク」ボタンを押すと,「マスクサンプルの指定」ダイアログが表示され

ます.

ワークシート上に入力したサンプルが左側のサン

プル一覧に載っているので,分析時に除外するサン

プル(マスクサンプル)を指定して ボタンを押し

ます.

また,マスクサンプルからサンプルを削除したい場合

は,削除するサンプルを選択して ボタンを押し

ます.

分析時に除外するサンプルが設定されたら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

クリック

サンプルを選んだ

状態で

マスクサンプルが

追加された

3.3 データ設定

Page 34: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-34

3.3.3 サンプルの重み付け

「データの設定」ダイアログで「サンプルの重み付け」ボタンを押すと,「サンプルの重み付け」ダイアログが表示さ

れます.

①サンプルの重み付け:サンプルの重み付けをおこなうかどうかを選択します.重み付けをおこなう場合は,

重みとする変数を指定します.

②重みの種類:サンプルの重み付けをおこなう場合に,使用する重みの種類を,オリジナルウェイト,正規化ウェイト,

有効ウェイトから選択します.

重みの種類 特徴

オリジナルウェイト 入力された値をそのまま使用します.(デフォルト)

正規化ウェイト 合計がサンプル数となるように調整した値を使用します.

有効ウェイト 合計が有効サンプル数となるように調整した値を使用します.

③グループ:対象となっているグループ名を表示します.

サンプルの重み付けを設定したら、「OK」ボタンを押して,ダイアログを閉じます.

3.3 データ設定

Page 35: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-35

パス図

PART3

第3章

3.4 パス設定

パス図において,メニューボタン「パス設

定」を押すか,[分析]メニューから「パス設

定」を選択すると,「パス設定」ダイアログが表

示されます.

自由なパラメータを設定したい場合は,パスを設定したい

箇所をクリックします.「*」が表示され,自由なパラメータが

設定されます.

固定パラメータを設定したい場合は,パスを設定したい

セルに固定パラメータの値を半角数字で入力します.

設定したパラメータを削除したい場合は Delete キーを押します.

パスの設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.パス図にパスが追加されます.(「適用」ボタン

を押すと,パスは設定できますが,ダイアログは閉じません.)

パスが出発

する変数 パスが到着する変数

3.4 パス設定

Page 36: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-36

3.5 分散共分散設定

パス図において,メニューボタン「分散共

分散設定」を押すか,[分析]メニューから「分

散共分散設定」を選択すると,「分散共分散

設定」ダイアログが表示されます.

①分散共分散を設定します.

②オプション:分散共分散の矢線の接続位置

と線の種類を設定します.

自由なパラメータを設定したい場合は,パスを設定したい

箇所をクリックします.「*」が表示され,自由なパラメータが

設定されます.

固定パラメータを設定したい場合は,パスを設定したい

セルに固定パラメータの値を半角数字で入力します.

設定したパラメータを削除したい場合は Delete キーを押します.

分散共分散の設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.パス図に分散共分散の矢線が追加され

ます.(「適用」ボタンを押すと,分散共分散は設定できますが,ダイアログは閉じません.)

3.5 分散共分散設定

Page 37: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-37

パス図

PART3

第3章

3.6 パスの種類

「パス設定」ダイアログか「分散共分散設定」ダイアログにおいて,2 つ以上のセルをドラッグすると,「パスの種類」

ダイアログが表示されます.

ここでパスの種類の設定がおこなえます.

①パスの種類:パスの種類を「全て自

由なパラメータ」,「最初の1つは固

定パラメータ,残りは自由なパラメ

ータ」,「切片からのパス」,「傾きか

らのパス」から選択します.また,

既に設定したパスを削除することも

できます.(傾きと切片は潜在成長曲

線モデルで使用します.)

固定パラメータ…値を与えて固定す

るパラメータ

自由パラメータ…推定をおこなうパ

ラメータ

②値の設定:パスの種類を「切片からの

パス」や「傾きからのパス」とした場合

に,値の初期値や増分を設定します.

③ダイアログを表示せずにパスの設定

を繰り返しおこないたい場合は,チ

ェックを入れてください.

パスの種類 特徴

全て自由なパラメータ すべてのパスを自由なパラメータに設定します.

初の1つは固定パラメータ,

残りは自由なパラメータ

1 つ目のパスを固定パラメータ(パラメータ値は 1),残りのパラメータを自由なパ

ラメータに設定します.

切片からのパス 切片からのパスを設定します.初期値(切片)を入力してください.

傾きからのパス 傾きからのパスを設定します.初期値(切片)と増分(傾き)を入力してください.

パスの設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

パスの種類について

切片からのパス…初期値(切片)を与えます.例えばパスが4つで初期値が1の場合,

各パラメータ値は1,1,1,1に設定されます.

傾きからのパス…初期値(切片)と増分(傾き)を与えます.例えばパスが4つで初期

値を1,増分を2とした場合,各パラメータ値は1,3,5,7に設定されます.

3.6 パスの種類

Page 38: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-38

3.7 パラメータ推定方法

パス図において,メニューボタン「パラメータ推定方法」を押すか,[分析]メニューから「パラメータ推定方法」を選

択すると,「パラメータ推定方法」ダイアログが表示されます.

ここで,母集団の分布,分析内容,パラメータの推定方法,ロバストオプションを指定できます.

3.7 パラメータ推定方法

Page 39: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-39

パス図

PART3

第3章

①母集団の分布:データが従っている分布を指定します.

多変量正規分布,楕円分布,尖度が一定でない分布(分布のパラメータの計算方法として尖度の算術平均か

尖度の幾何平均かを選択),分布を仮定しない,から指定して下さい.ただし,分布を仮定しない場合は大量

のサンプル(数千程度)が必要となります.本項目の設定を正しく行わないと,カイ二乗検定統計量やパラ

メータ推定値の標準誤差などが正しく推定されない可能性があります.デフォルトは多変量正規分布となり

ます.

②分析内容:分析の内容を,共分散構造の分析,相関構造の分析,z スコアの共分散構造の分析,から指定し

ます.ただし,分析内容の指定は平均構造がない場合のみ有効となります(平均構造がある場合は,強制的

に「平均構造・共分散構造の分析」となります).

分析内容 概要

共分散構造の分析 分散共分散行列を分析対象とする場合に指定します.

相関構造の分析 相関係数行列を分析対象とする場合に指定します.

zスコアの共分散構造の分析 zスコア(基準化したデータ)の分散共分散行列,すなわち,相関係数行列

を分析対象とする場合に指定します.本設定では相関係数行列を分散共分散

行列と見なして分析を行う点が相関構造の分析と異なります.

変数間のスケールが違いすぎて分散共分散行列を対象とした場合はパラメ

ータ推定が収束しない場合や,相関係数行列を分析対象とした場合の推定値

等を確認したい場合などに有用ですが,出力される統計量のいくつかは正し

くない可能性があることに注意が必要です.

※EQSプログラムマニュアルp67参照

③パラメータ推定方法:パラメータの推定方法を,最小二乗法(LS),一般化最小二乗法(GLS),最尤法(ML)

から指定します.デフォルトは最尤法(ML)です.

④ロバストオプション: 以下の分布の仮定の崩れや外れ値への対処方法を指定できます.

これらの対処方法を指定しない場合は「なし」を選択します(デフォルトは「なし」).

ロバストオプション 概要

ロバスト統計量の表示 分布の仮定が崩れている可能性がある場合の対処方法です.

分布の仮定が崩れた場合,パラメータ推定値(点推定値)はそれほど

影響を受けませんが,パラメータ推定値の標準誤差やカイ二乗検定統

計量が正しく推定されない可能性があります.(※狩野 裕・三浦 麻

子(1997)『グラフィカル多変量解析』,現代数学社,p.159参照)

本項目を選択すると分布の仮定の崩れに対しスケールを調整したカイ

二乗検定統計量やパラメータ推定値の標準誤差が出力されます.相関

構造を分析する場合など,明らかに分布の仮定が崩れている場合は,

これらのロバスト統計量を参照します.

サンプルの重み付け(自動) 外れ値の存在が疑われる場合の対処方法です.

分散共分散行列,平均がロバストになるようにサンプルに自動的に重

みが付与されます.

本設定を選択した結果,極端に小さい重みが付与されたサンプルは外

れ値の可能性があります.

⑤グループ:対象となっているグループ名を表示します.

3.7 パラメータ推定方法

Page 40: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-40

なお,データ形式や欠測値の扱いの設定内容などにより,指定可能な項目が下記のように変わります. データ形式

欠測値の扱い

分析内容

母集団の分布

分散共分散形式

生データ形式

リスト毎の削除

最尤法

ペア毎の削除

相関構造の分析

尖度が一定でない分布

分布を仮定しない

母集団の分布 多変量正規分布 ○ ○ ○ ○ ○ ○ - -

楕円分布 ○ ○ ○ × ○ × - -

尖度が一定でない分

布 × ○ ○ × ○ × - -

分布を仮定しない × ○ ○ × ○ ○ - -

分析内容 共分散構造の分析 ○ ○ ○ × ○ - ○ ○

相関構造の分析 ○ ○ ○ × ○ - × ○

z スコアの共分散構

造の分析 × ○ ○ × ○ - ○ ○

パラメータ推定

方法

最小二乗法 ○ ○ ○ × ○ ○ × ○

一般化最小二乗法 ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○

最尤法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ロバストオプシ

ョン

なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ロバストオプション

の表示 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

サンプルの重み付け

(自動) × ○ ○ × × × ○ ×

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

3.7 パラメータ推定方法

Page 41: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-41

パス図

PART3

第3章

3.8 等値制約

多母集団の同時分析などでは,パラメータ間に制約をおいてから分析をすることが一般的です.パス図において,

メニューボタン「等値制約」を押すか,[分析]メニューから「等値制約」を選択すると,「等値制約」ダイアログが表示さ

れます.

ここで,等値制約が設定できます.

① パラメータ一覧:パス図上に存在するパラメータを一覧表示します.

② 変数名:変数を変数名称で表示するか,変数記号で表示するかを指定します.変数名称にする場合は,文字数

を 4byte から 100byte までの長さに指定できます.

③ 等値パラメータ:等値制約で使用するパラメータを指定します.

④ 「パラメータ一覧」表示項目:「パラメータ一覧」に表示するグループ,パラメータ種類,変数種類を指定します.

⑤ 等値制約:「等値パラメータ」に指定したパラメータを用いて等値制約を設定します.

ボタン 機能

全シートを選択します.

選択した変数をリストに取り込みます.

選択した変数をリストから外します.

全変数をリストに取り込みます.

全変数をリストから外します.

等値パラメータのリストにあるパラメータを用いて等値制約式を追加します.

等値制約のリストで選択された等値制約式を削除します.

3.8 等値制約

Page 42: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-42

パラメータの表示形式は以下のようになります.

( 1 PAT, X1←F1 )

① ② ③

①パラメータのグループです.1 はグループ 1,2 はグループ 2,…を表します.

②パラメータの種類です.PAT はパス,COV は共分散,VAR は分散,AVE は平均を表します.

③パラメータの変数です.例えば,X1←F1 であれば,F1 から X1 へのパラメータという意味です.ここで,V は観測

変数,F は潜在変数,E と D は誤差を表します.

グループ 1 の F1 から X1 へのパスとグループ 2 の F1 から X1 へのパスが等しいという制約を設定するとします.

すなわち,(1, PAT, X1←F1)=(2, PAT, X1←F1)という等値制約を設定します.

①まず,パラメータ一覧から(1, PAT, X1←F1)を選択し ボタンを押します

②次に,パラメータ一覧から(2, PAT, X1←F1)を選択し ボタンを押します.

パラメータ一覧のリストから

(1, PAT, X1←F1)を選択する ボタンを押して

(1, PAT, X1←F1)を等値

パラメータのリストに追加する

パラメータ一覧のリストから

(2, PAT, X1←F1)を選択する ボタンを押して

(2, PAT, X1←F1)を等値

パラメータのリストに追加する

3.8 等値制約

Page 43: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-43

パス図

PART3

第3章

③等値パラメータのリストにこの 2 つのパラメータが表示されたら ボタンを押します.

④等値制約に(1, PAT, X1←F1)=(2, PAT, X1←F1)が設定されました.

等値パラメータのリストに

(1, PAT, X1←F1),

(2, PAT, X1←F1)が

表示されたら

ボタンを押して

等値制約を追加する

等値制約に

(1, PAT, X1←F1)=(2, PAT, X1←F1)

が設定された

3.8 等値制約

Page 44: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-44

3.9 効果の分解

総合効果を直接効果と間接効果に分解することによって,効果の大きさや経路を確認することができます.

分析をおこなった後に,パス図において,メニューボタン「効果の分解」を押すか,[分析]メニューから「効果の分

解」を選択すると,「効果の分解」ダイアログが表示されます.

「効果の分解」ダイアログでは,直接効果と間接効果を分解して表示します.

①説明変数:効果の説明変数を選択し

ます.

②目的変数:効果の目的変数を選択し

ます.

③総合効果(非標準解)を表示していま

す.

④総合効果(標準解)を表示していま

す.

⑤分解した効果の種類と非標準解,標

準解,効果の経路を表示しています.

「効果の分解」ダイアログで効果のセルをクリックすると,パス図上の該当するパスが太線で強調表示されま

す.

① ② ③ ④

TOX→R2→Vth のパ

スが強調表示される

TOX→R2→Vth の間

接効果をクリックすると

3.9 効果の分解

Page 45: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-45

パス図

PART3

第3章

非標準解と標準解の違いについて

全部の変数の分散を1に標準化したときの推定値を標準解といいます.それに対して,標準化をせずに,もと

の変数の単位に依存して決まるパラメータを非標準解といいます.

パス図に登場する矢線や変数について,標準解と非標準解の場合に推定される値は以下の通りです.

片側矢線 両側矢線 変数

非標準解 パス係数(偏回帰係数) 共分散 分散

標準解 標準パス係数(標準偏回帰係数) 相関係数 分散=1

パス係数に関しては,非標準解の場合が重回帰分析の偏回帰係数,標準解の場合が重回帰分析の標準偏回帰

係数に相当します.両線矢線については,非標準解においては共分散,標準解の場合は,標準化した場合の

共分散,すなわち相関係数が推定されます.

※朝野 煕彦・鈴木 督久・小島 隆矢(2005)『入門共分散構造分析の実際』,講談社,P122-125 参照

間接効果,直接効果,総合効果について

各効果の内容は以下の通りです.

間接効果:原因変数が,モデル内の他の変数を介して結果変数に与える影響のこと

直接効果:原因変数が,モデル内の他の変数を介さずに,ダイレクトに結果変数に与える影響のこと

総合効果:直接効果と間接効果の合計

間接効果は,(原因変数→経由する他変数の直接効果)と,(経由する他変数→結果変数の直接効果)の積と

なります.

例)(変数3を介した変数2→変数4の間接効果)=(変数2→変数3の直接効果)×(変数3→変数4の直接

効果)

変数2 変数3 変数4

また,総合効果は各効果の合計となります.

例)(変数2→変数5 の総合効果)=(変数3 を介した変数2→変数5 の間接効果)+(変数4 を介した変数2→変数

5 の間接効果)

変数2

変数3

変数5

変数4

※朝野 煕彦・鈴木 督久・小島 隆矢(2005)『入門共分散構造分析の実際』,講談社,P158-161 参照

3.9 効果の分解

Page 46: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-46

3.10 オプション

パス図において,メニューボタン「オプション」を押すか,[分析]メニューから「オプション」を選択すると,「オプ

ション」ダイアログが表示されます.

データ出力・計算処理タブ

① データ出力:分析データ(重み含む)や因子得点を新規ウィンドウに出力したい場合は,各項目にチェックを入

れてください.因子得点を出力する場合は,推定方法をGLS推定法,回帰推定法から選択できます.(デフォル

トはチェックあり)

② 「EQS出力」設定:「EQS出力」タブに関する設定をおこないます.因子平均やパラメータ推定値の相関を出力し

たい場合は,各項目にチェックを入れてください.小数点以下桁数も設定できます.(1 桁から 7 桁まで設定可.

デフォルトは 7 桁.)

計算処理(パラメータ推定処理)

③ 大反復回数:パラメータ推定処理の 大反復回数を指定します.( 大500 まで設定可.デフォルトは 500)

④ 収束判定基準値:パラメータ推定処理の収束判定基準値を指定します.デフォルト値は0.001ですが,値を指定

することもできます.

⑤ 許容誤差:許容誤差(0 と見なす範囲)を指定します.デフォルト値は 0.000001 ですが,値を指定することもでき

ます.

3.10 オプション

Page 47: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-47

パス図

PART3

第3章

表示設定タブ

① 推定値:分析実行後に推定したパラメータ推定値をパス図上表示したい場合は「推定値を表示」にチェックを入

れます.推定値を表示する場合は,表示内容を非標準解,標準解,初期値,パラメータ名称から選択します.

② タイトル:パス図上にタイトルを表示する場合は「タイトルを表示」にチェックを入れます.「タイトル編集」ボタンを

押すと,タイトルを編集できます.

③ パス:パス図上に表示するパスを指定します.ここで,V->V は V から V へのパス,という意味であり,V は観測

変数,F は潜在変数,E は観測変数の誤差,D は潜在変数の誤差を表しています.

④ 変数:パス図上に表示する変数を指定します.

⑤ 共分散:パス図上に表示する共分散を指定します.ここで V<-->F は V と F の共分散という意味であり,V は観

測変数,F は潜在変数,E は観測変数の誤差,D は潜在変数の誤差を表しています.

⑥ 変数名:パス図上の変数を,変数名称で表示するか,変数記号で表示するかを選択します.

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

⑤ ⑥

3.10 オプション

Page 48: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-48

3.11 欠測値の扱い

パス図において,[分析]メニューから「欠測値の扱い」を選択すると,「欠測値の扱い」ダイアログが表示され

ます.ここで,欠測値に対する処理を指定します.

名称 特徴

リスト毎の削除 一つでも欠測値があるサンプルを分析から除外します.(デフォルト)

尤法 分析対象の分散共分散とパラメータを同時に推定します.ただし,モデルに平均構造を

入れる必要があります.この時,標準誤差の計算で使用する情報行列(フィッシャー情

報行列,観測情報行列)を指定します.

ペア毎の削除 分散,共分散等の計算毎に有効なサンプルを使用します.この時,標準誤差の計算で

使用する情報行列(フィッシャー情報行列,観測情報行列)を指定します.

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

3.11 欠測値の扱い

Page 49: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-49

パス図

PART3

第3章

3.12 LM検定(パラメータの追加)

パス図において,パラメータを追加した方がいいかどうかを検討したい場合に LM 検定をおこないます.

パス図において,[分析]メニューから「LM 検定(パラメータの追加)」を選択すると「LM 検定」ダイアログが表示

されます.ここで,パラメータの追加に関する検定の設定をおこないます.

①LM 検定の実行:LM 検定(パラメータの追加に

関する検定)をおこなうかどうかを指定します.

②LM 検定オプション:LM 検定の検定内容の設

定をおこなうことができます.

LM 検定オプションの内容は以下の通りです.

LM検定オプション 特徴

LM 検定で必ず追加

するパラメータを指定

LM 検定で必ず追加するパラメータをグループ毎に指定します.また,指定したパラ

メータを取り込む順序(カイ二乗値を基準に取り込み,指定した順序で取り込み)を

指定します.

指定パラメータ群を

対象に LM 検定を実行

対象とするパラメータ群を指定して LM 検定を実行します.

観測変数,潜在変数の

群分けをおこなう

観測変数と潜在変数の群分けをおこない,各変数群に対してどのパラメータ

(群内のパラメータ,隣接する群間のパラメータ,一つの群を挟む群間のパラメータ)

を LM 検定の対象とするのかを指定します.(ただし,多母集団の場合は設定不可)

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

3.12 LM検定(パラメータの追加)

Page 50: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-50

3.13 ワルド検定(パラメータの削除)

パス図において,パラメータを削除した方がいいかどうかを検討したい場合にワルド検定をおこないます.

パス図において,[分析]メニューから「ワルド検定(パラメータの削除)」を選択すると「ワルド検定」ダイアログが

表示されます.ここで,パラメータの削除に関する検定の設定をおこないます.

①ワルド検定の実行:ワルド検定(パラメータの削

除に関する検定)をおこなうかどうかを指定しま

す.

②ワルド検定オプション:ワルド検定の検定内容

の設定をおこなうことができます.

ワルド検定オプションの内容は以下の通りです.

LM検定オプション 特徴

ワルド検定の有意水準

(0.0~1.0)

ワルド検定をおこなう場合に,有意水準を入力します.(デフォルトは 0.05)

必ず削除するパラメー

タ,対象外パラメータを

指定

ワルド検定実行時に対象外とするパラメータと必ず削除するパラメータをグループ毎に

指定します.また,指定したパラメータを削除する順序(カイ二乗値を基準に削除,指定

した順序で削除)を指定します.

設定が終わったら「OK」ボタンを押してダイアログを閉じます.

3.13 ワルド検定(パラメータの削除)

Page 51: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-51

分析結果

PART3

第4章

第4章 分析結果

分析結果ではデータとパス図をもとにした分析結果を表示します.

4.1 機能一覧

4.1.1 メニューボタン

分析結果で使用するメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

モデルの保存 編集モデルを保存します.(詳細は「第6章 その他の機能」をご覧ください.)

解の種類 解の種類を設定します.(4.2 参照)

因子得点/データ 因子得点/データを表示します.

潜在変数の GM 潜在変数間のグラフィカルモデリングをおこないます.

オプション 統計量と変数の表示設定をおこないます.(4.3 参照)

4.1.2 分析メニュー

分析結果で使用できる分析メニューは以下の通りです.

機能 内容

コマンドファイル出力 コマンドファイル(*.EQS)を出力します.(4.4 参照)

解の種類 解の種類を設定します.(4.2 参照)

因子得点/データ 因子得点/データを表示します.

潜在変数の GM 潜在変数間のグラフィカルモデリングをおこないます.

オプション 統計量と変数の表示設定をおこないます.(4.3 参照)

モデルの保存 編集モデルを保存します.(詳細は「第6章 その他の機能」をご覧ください.)

保存モデルの整理 保存したモデルの削除や名称の変更をおこないます.(詳細は「第6章 その他の機

能」をご覧ください.)

4.1 機能一覧

Page 52: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-52

4.2 解の種類

分析結果のパラメータ推定値の画面において,メニューボタン「解の種類」を押すか,[分析]メニューから「解の種

類」を選択すると,表示する解の種類を指定できます.

非標準解と標準解の違いについて

全部の変数の分散を1に標準化したときの推定値を標準解といいます.それに対して,標準化をせずに,もと

の変数の単位に依存して決まるパラメータを非標準解といいます.

パス図に登場する矢線や変数について,標準解と非標準解の場合に推定される値は以下の通りです.

片側矢線 両側矢線 変数

非標準解 パス係数(偏回帰係数) 共分散 分散

標準解 標準パス係数(標準偏回帰係数) 相関係数 分散=1

パス係数に関しては,非標準解の場合が重回帰分析の偏回帰係数,標準解の場合が重回帰分析の標準偏回帰

係数に相当します.両線矢線については,非標準解においては共分散,標準解の場合は,標準化した場合の

共分散,すなわち相関係数が推定されます.

※朝野 煕彦・鈴木 督久・小島 隆矢(2005)『入門共分散構造分析の実際』,講談社,P122-125 参照

4.2 解の種類

Page 53: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-53

分析結果

PART3

第4章

4.3 オプション

分析結果のパラメータ推定値の画面において,メニューボタン「オプション」を押すか,[分析]メニューから「オプ

ション」を選択すると,パラメータ推定値画面における表示項目の設定をおこないます.

① 表示統計量:表示する統計量を標準誤差,z 値,p 値(両側),ロバスト標準誤差,ロバスト z 値,ロバスト p 値(両

側),寄与率から指定します(複数指定可).また,セルの着色についての設定(着色しない,z 値を基準に着色,

ロバスト z 値を基準に着色,点推定値の行を着色する/しない)ができます.(デフォルトの表示統計量は標準誤

差,z 値,寄与率)

② 出力項目:出力項目を「推定値(方程式形式)」か「推定値(行列形式)」とした場合に,画面上に出力する項目を

方程式,独立変数の分散共分散から指定します(複数指定可).(デフォルトの出力は方程式,独立変数の分散

共分散)

③ グループ:対象となっているグループ名を表示します.

④ 方程式(行列形式):出力項目を「方程式(行列形式)」とした場合に表頭(列)と表側(行)に表示する変数を指定

します.デフォルトは全変数なので,表示したくない変数は指定から外してください.

⑤ 独立変数の分散共分散:出力項目を「推定値(方程式形式)」か「推定値(行列形式)」とした場合に,独立変数の

分散共分散の表頭(列)と表側(行)に表示する変数を指定します.デフォルトは全変数なので,表示したくない

変数は指定から外してください.

ボタン 機能

表示変数の設定を全グループに適用します.

全変数を選択または選択解除します.

④ ①

4.3 オプション

Page 54: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-54

4.4 コマンドファイル出力

分析結果の全画面において,[分析]メニューから「コマンドファイル出力」を選択すると,コマンドファイル(*.EQS)

を出力します.出力したコマンドファイルを使って直接モデルを編集することができます.

「コマンドファイル出力」を選択すると,「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます.そこで保存するコマンドファ

イルの名称と保存フォルダを指定します.

コマンドファイルと共にデータファイル(グループ数分)も自動的に同じフォルダに保存されます.

コマンドファイルを使った分析実行については「第7 章 個別ウィンドウ」をご覧ください.

4.4 コマンドファイル出力

Page 55: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-55

分析結果の見方

PART3

第5章

第5章 分析結果の見方

分析結果では「予備解析」,「欠測データ診断」,「モデル適合度」,「パラメータ推定値」,「モデルの修正」,

「EQS 出力」が出力され,タブまたは機能ツリーをクリックすることにより分析結果画面を切り替えることが

できます.また,「EQS出力」以外の画面では複数の出力項目が存在し,出力項目は各画面上の「出力」リスト

で切り替えることができます.

各分析結果の着目点・注意点について説明します.

5.1 予備解析

分析結果の「予備解析」は,データ形式が生データ形式の場合に,出力されます.

「予備解析」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項目 主な出力 着目点・注意点 その他

基本統計量 基本統計量

歪度(ひずみ),尖度(とがり)で周辺分布の形状を

確認する.歪度(ひずみ),尖度(とがり)の絶対値が

大きい変数が存在すると,観測データは多変量正

規分布に従っていない.

なお,質的変数(順序尺度)に対する基本統計量は

特に意味が無いことに注意が必要.

正規性の確認 多変量尖度

観測データが多変量正規分布に従っているかどう

かを確認する.標準化多変量尖度の絶対値が3より

大きい場合は,観測データが多変量正規分布に従

っていないことが疑われる. ※EQS6™プログラムマニュアル P110参照

サンプル数が 100 以下の場合は正規性に関する

BONETT-WOODWARD-RANDALL検定の検定結

果が出力されるので,その検定結果も参考にするこ

とができる.多変量正規分布に従っていない場合

は,外れ値の有無の確認や変数変換の必要性の検

討などを行う.それらを行った上でも多変量正規分

布に従っていないことが疑われる場合は,ロバスト

統計量を使用することが有力な対処方法の一つで

「出力」リストで

出力項目の切り替え

タブで分析結果画面

の切り替え

機能ツリーで分析結

果画面の切り替え

5.1 予備解析

Page 56: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-56

ある.

標準化多変

量尖度への

寄与度が高

いサンプル

上位5 位

寄与度が大きいサンプルは外れ値の可能性があ

る.寄与度が大きいが外れ値ではないサンプルが

存在する場合は,サンプルの自動重み付け機能を

利用することが有力な対処方法の一つである※

EQS6™プログラムマニュアル P111参照

質的変数 変数の数

質的変数(順序尺度)

が存在する場合のみ

出力される.

多分系列

相関係数

質的変数(順序尺度)と量的変数の間の相関係数の

推定値が表示される.

多分

相関係数

質的変数(順序尺度)間の相関係数の推定値が表

示される.

ロバスト

統計量

ロバスト

統計量

サンプルの自動重み

付け(ロバストオプシ

ョン)を行った場合の

み出力される.

割り当てられ

た重みが小さ

いサンプル

上位5 位

割り当てられた重みが小さいサンプルは外れ値の

可能性がある.

5.2 欠測データ診断

分析結果の「欠測データ診断」は,欠測値の扱いを「 尤法」もしくは「ペア毎の削除」とした場合に出力されます.

「欠測データ診断」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項目 主な出力 着目点・注意点 その他

欠測パターン

サンプル数,

欠測パター

ンの数

欠測の現れ方に特定の傾向がないかどうかを確認

する.

欠測パター

ン 同上

ペア毎の

統計量

ペア毎の

統計量

予備解析 欠測データ診断

5.1 予備解析

5.2 欠測データ診断

Page 57: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-57

分析結果の見方

PART3

第5章

5.3 モデル適合度

分析結果の「モデル適合度」は,分析をおこなった場合は常に出力されます.

「モデル適合度」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項目 主な出力 着目点・注意点 その他

推定処理の

報告

統計的推測

方法

推定処理の

収束状況

収束したかどうかを確認する.収束していない場

合,パラメータ推定値等の分析結果は参考にならな

い.収束していない場合は収束回数を増やすか

( 大500 回),初期値の変更を行う.

なお,「収束:パラメータ推定処理は行われません

でした.反復回数:0 回」の場合はエラーが発生し推

定処理が行われなかったことを意味する.SEM プロ

ジェクトの「EQS 出力」タブ,もしくは,「分析情報」ウ

ィンドウの「警告・エラー」タブでエラー内容を確認

し,モデル等を修正する必要がある.

推定処理に

おけるエラー

推定処理中に発生した警告・エラーを表示する.本

項目に警告・エラーが発生した場合は,モデルに

データへの不適合や,識別不能などの問題がある

(すなわち,悪性の不適解である)可能性がある.た

だし,標本変動の影響である場合(すなわち,良性

の不適解の場合)もあり,警告・エラーの発生が直ち

に受け入れられない結果であることを意味せず,原

因を慎重に調べる必要がある.

なお,推定処理中に警告,エラーが発生しなかった

場合は,「推定処理中に問題は発生しませんでし

た.」と表示される.

※朝野 煕彦・鈴木 督久・小島 隆矢(2005)『入門共分散

構造分析の実際』,講談社,P114 参照

表示される主なエラ

ーメッセージは付録

のエラー一覧参照.

多母集団の

同時分析

適合度

カイ二乗検

定,適合度指

カイ二乗検定はサンプル数が多くなると検出力が高

くなり棄却されやすくなるので,サンプル数が多い

場合は適合度指標で評価するのがよい.一方,適

合度指標はサンプル数の影響を受けにくい.この

ため,適合度の確認においては,サンプル数に応

じてカイ二乗検定と適合度指標のどちらを重視する

かを変えることが一般的である.

ただし,適合度の基準は絶対的なものではなく,状

況により柔軟に対応したほうがよい(例えば,多少

適合度が悪くても,固有技術的な見地からモデルを

採用することもあり得る).また,GM により探索的に

モデルの構築を行った場合,適合度指標は参考に

ならず,別のデータセットで適合度を検証する必要

がある. ※朝野 煕彦・鈴木 督久・小島 隆矢(2005)『入門共分散

構造分析の実際』,講談社,P119 参照

5.3 モデル適合度

Page 58: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-58

適合度

(ロバスト)

カイ二乗検

定,適合度指

分布の仮定が崩れる場合,通常の適合度に関する

統計量(カイ二乗検定統計量等)は適切ではなく,

判断を誤る可能性がある.本項目の出力は分布の

崩れに対しスケールを調整した適合度であり,相関

構造の分析の場合など,分布の仮定が崩れる場合

は通常の適合度の統計量ではなく,こちらの適合度

の統計量で判断する必要がある. ※EQS6™プログラムマニュアル P140参照

ロバストオプションで

「ロバスト統計量の表

示」を選択した場合に

出力される.

分散共分散の

残差 残差行列

標準化残差

の大きい変

数の組み合

わせ

標準化残差の大きい変数の組み合わせがあれば,

現在のモデルはその変数間の共分散を十分に再

現できていないことを意味する.この情報は,モデ

ルの修正を行う場合に参考にすることができる.

信頼性係数

モデル適合度

5.3 モデル適合度

Page 59: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-59

分析結果の見方

PART3

第5章

5.4 パラメータ推定値

分析結果の「パラメータ推定値」は,分析をおこなった場合は常に出力されます.

「パラメータ推定値」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項目 主な出力 着目点・注意点 その他

推定値

(方程式形式)

測定方程式,

構造方程式

推定値(方程式形式)と推定値(行列形式)は表示上

の違いだけであり,見やすい形式の出力を選択す

る.

独立変数の

分散共分散

推定値

(行列形式) 方程式

独立変数の

分散共分散

効果の分解 効果の分解

ある変数からある変数への効果(総合効果)を間接

効果と直接効果に分けて把握できる.なお,パス図

上のメニュー「効果の分解」でより詳細に確認するこ

とができる.

モデル

分散共分散

モデル

分散共分散 モデルから得られる分散共分散行列を表示する.

パラメータ推定値

5.4 パラメータ推定値

Page 60: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-60

5.5 モデルの修正

分析結果の「モデルの修正」は,LM 検定やワルド検定が設定された場合に出力されます.

「パラメータ推定値」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項目 主な出力 着目点・注意点 その他

ワルド検定(等

値制約の追加)

ワルド検定(パ

スの削除)

パスを多く設定しすぎている時に,どのパスを削除

すべきかについての指標となる

LM 検定(等値

制約の削除)

LM 検定(パス

の追加)

モデルの適合度が低い時に,どこにパスを追加す

べきかについての指標となる.

5.6 EQS出力

分析結果の「EQS 出力」は,分析をおこなった場合は常に出力されます.

「EQS 出力」の着目点・注意点は以下の通りです.

出力項

目 主な出力 着目点・注意点 その他

EQS

出力 -

EQS での分析結果がテキスト形式で出力される.た

だし,ここで出力される内容の多くはデータシート,

パス図,分析結果内の他の画面で確認することが

できる.

モデルの修正 EQS 出力

5.5 モデルの修正

5.6 EQS出力

Page 61: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-61

その他の機能

PART3

第6章

第6章 その他の機能

本システムでは,モデルを保存する機能があり,モデルを複数作成することによって分析結果の比較ができます.

現在編集中のモデルを「編集モデル」,保存したモデルを「保存モデル」と呼びます.

ここでは,各モデルの保存や実行について説明します.

データ

編集モデル

保存モデル

パス図

分析結果

パス図

分析結果

保存モデル2

保存モデル1

パス図

分析結果

拡大

機能ツリー

6.1 モデルの保存

編集モデルの分析結果の全画面において,メニューボタン「モデルの保存」を押すか,[分析]メニューから

「モデルの保存」を選択すると,「保存モデルの名称」ダイアログが表示されます.ここでモデルの名称を入力し

(初期設定では,「”モデル”+日時」の名称となります),「OK」ボタンを押すと,現在の編集モデルを保存モ

デルとして保存します.

6.1 モデルの保存

Page 62: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-62

6.2 モデルの編集

保存モデルはモデル(データ設定,パス図,パラメータ推定方法)を変更できません.保存モデルのモデルを

変更したい場合は,保存モデルを一旦,編集モデルに置き換えます.

保存モデルのパス図,分析結果の全画面において,メニューボタン「モデルの編集」を押すか,[分析]メニュー

から「モデルの編集」を選択すると,下のような確認ダイアログが表示されます.

ここで「はい」を選択すると,「6.1 モデルの保存」の「保存モデルの名称」ダイアログが表示され,現在の編集モデル

を保存してから,表示している保存モデルを編集モデルに置き換えます.

「いいえ」を選択すると,現在の編集モデルは保存せずに,表示している保存モデルをそのまま編集モデルに置き

換えます.

6.3 保存モデルの整理

全画面において,[分析]メニューから「保存モデルの整理」を選択すると,「保存モデル一覧」ダイアログが表示

されます.ここで保存モデルの削除,名称の変更,順番の変更がおこなえます.

①全:全保存モデルを選択します.

②削除:選択された保存モデルを削除します.

③名称:「保存モデルの名称」ダイアログを表示し,そこで保存モ

デルの名称を変更します.

④上へ:選択された保存モデルの順番を 1 つ前に変更します.

⑤下へ:選択された保存モデルの順番を 1 つ後に変更します.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

① ② ③ ④ ⑤

6.2 モデルの編集

6.3 保存モデルの整理

Page 63: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-63

その他の機能

PART3

第6章

「保存モデルの名称」ダイアログ

「保存モデルの名称」ダイアログにおいて名称を変更したい保存モデルを選択し(複数可),「名称」ボタンを押すと,

「保存モデルの名称」ダイアログが表示されます.

①名称:保存モデルの名称を編集します.

②表示モデル:「選択モデル」にすると,「保存モデル一覧」ダイ

アログで選択したモデルのみを表示します.「全モデル」にす

ると,全モデルを表示します.

設定が終わったら,「OK」ボタンを押します.

6.3 保存モデルの整理

Page 64: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-64

6.4 分析実行(編集モデル)

編集モデルのパス図において,[分析]メニューから「分析実行(編集モデル)」を選択すると,編集モデルのパス

図を使って分析が実行されます.(編集モデルのパス図のメニューボタン「分析実行」と同じ機能になります.)

また,機能ツリーの編集モデルの「分析結果」下のアイコンをクリックすることにより,編集モデルの分析を

実行することもできます.

編集モデルだけではなく,全モデルを分析実行したい場合は,メニューバーから[分析]-[分析実行(全モデル)]を選

択してください.(分析実行(全モデル)については 6.5 をご覧ください.)

6.5 分析実行(全モデル)

編集モデルのデータシート,パス図において,[分析]メニューから「分析実行(全モデル)」を選択すると,データ

シートのデータと,編集モデルと保存モデルの全モデルのパス図を使った分析が一斉に実行されます.

「分析実行」ボタン 機能ツリーの「分析結果」

下のアイコン

6.4 分析実行(編集モデル)

Page 65: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-65

個別ウィンドウ

PART3

第7章

第7章 個別ウィンドウ

第1 章から第6 章まで,SEM プロジェクトの各機能の説明をしましたが,ここでは SEM プロジェクトを作成しない場

合の個別ウィンドウの機能を説明します.

個別ウィンドウは以下のファイルにより構成されます.

ファイル種類 拡張子 内容

EQS データファイル ESS データのファイル.(7.2 参照)

パス図ファイル EDS パス図を保持するファイル.(7.3 参照)

モデルファイル EQX モデル情報を保持するファイル(キーボードでの編集不可)(7.4 参照)

コマンドファイル EQS モデル情報を保持するファイル(キーボードでの編集可)(7.5 参照)

分析実行ファイル OUT 分析結果のファイル(7.6 参照)

参考) SEM プロジェクトを使って分析を進めた場合には,内部的には以下の各ファイルが分析のステップ毎に生成

されています.

①データ作成

②パス図作成

③分析結果表示

EQSデータ

ファイル

パス図

ファイル

モデル

ファイル

コマンド

ファイル

分析実行

ファイル

出力

出力

出力

Page 66: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-66

7.1 解析フロー図

JUSE-StatWorks SEM 因果分析編の,(SEM プロジェクトを作成しない場合の)個別ファイルを使った解析フロー図

は以下の通りです.

Yes

データファイルを開く

分析種類の指定

モデルの設定

パス図を使用し

ているか?

モデルファイルの出力

等値制約の設定

分散共分散の設定

パスの設定

変数の指定

多母集団の分析

か?

全グループの設

定が済んだか?

結果出力

Yes No

No ※

Yes

No

EQSデータ

ファイル

パス図ファイルを指定

分析実行

ファイル

コマンドファイルの出力

コマンドファイルの編集

分析実行 コマンドファイル

形式で保存 パス図

ファイル

モデルファイル作成

Yes

分析実行

モデル

ファイル

コマンド

ファイル

※多母集団の同時分析をおこなう場合,グループ数分,モデルの設定を繰り返します.

7.1 解析フロー図

Page 67: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-67

個別ウィンドウ

PART3

第7章

7.2 EQSデータファイル(*.ESS)

データのファイルです.メニュー[ファイル]-[開く]を選択すると,既存の EQS データファイルを開くことができます.

EQS データファイルで使用できるメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

パス図 パス図を作成するためのウィザードを起動します.内容はモデルウィザードと同じになりま

す.(「第2 章 データシート 2.4 モデルウィザード」参照)

変数情報 変数の名称などの設定をおこないます.(「第2 章 データシート 2.3 変数情報」参照)

モデルファイル作成 分析種類とモデルの設定をおこない,モデルファイル(*.EQX)を作成します.(7.7 参照)

7.3 パス図ファイル(*.EDS)

パス図を保持するファイルです.メニュー[ファイル]-[開く]を選択すると,既存のパス図ファイルを開くことができま

す.また,メニューの[ファイル]-[新規作成]を選択して,新規作成することができます.

パス図ファイルで使用できるメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

パス設定 変数間にパスを設定します.(「第3 章 パス図 3.4 パス設定」参照)

分散共分散設定 変数間に分散共分散を設定します.(「第3 章 パス図 3.5 分散共分散設定」参照)

効果の分解 効果を直接効果と間接効果に分解します.(「第3 章 パス図 3.9 効果の分解」参照)

Excel 出力 作成したパス図を Excel に出力します.

モデルファイル作成 分析種類とモデルの設定をおこない,モデルファイル(*.EQX)を作成します.(7.7 参照)

7.2 EQSデータファイル(*.ESS)

7.3 パス図ファイル(*.EDS)

Page 68: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-68

7.4 モデルファイル(*.EQX)

モデル情報を保持するファイルです.メニュー[ファイル]-[開く]を選択すると,既存のモデルファイルを開くことが

できます.また,メニューの[ファイル]-[新規作成]を選択して,新規作成することができます.

モデルファイルはキーボードを使って編集ができないので,「モデルファイル作成」の機能を使って編集します.

モデルファイルで使用できるメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

モデル設定 分析種類とモデルの設定をおこない,モデルファイル(*.EQX)を作成します.(7.7 参照)

変数の指定 使用変数と潜在変数,平均構造の有無を指定します.(7.7.3 参照)

パス設定 変数間にパスを設定します.(「第3 章 パス図 3.4 パス設定」参照)

分散共分散設定 変数間に分散共分散を設定します.(「第3 章 パス図 3.5 分散共分散設定」参照)

等値制約 等値制約を設定します.(「第3 章 パス図 3.8 等値制約」参照)

LM 検定(追加) パラメータの追加に関する検定をおこないます.(「第 3 章 パス図 3.12 LM検定(パラメ

ータの追加)」参照)

ワルド検定(削除) パラメータの削除に関する検定をおこないます.(「第3 章 パス図 3.13 ワルド検定(パラ

メータの削除)」参照)

オプション データ出力・計算処理と表示に関する設定をおこないます.(「第3章 パス図 3.10 オプ

ション」参照)

分析実行 分析を実行します.

7.4 モデルファイル(*.EQX)

Page 69: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-69

個別ウィンドウ

PART3

第7章

7.5 コマンドファイル(*.EQS)

モデル情報を保持するファイルです.メニュー[ファイル]-[開く]を選択すると,既存のコマンドファイルを開くことが

できます.モデルファイルとほぼ同じ内容ですが,コマンドファイルはキーボードを使って編集することができる点が

異なっています.

コマンドファイルで使用できるメニューボタンは以下の通りです.

機能 内容

分析実行 分析を実行します.

7.6 分析実行ファイル(*.OUT)

分析結果のファイルです.メニュー[ファイル]-[開く]を選択すると,既存の分析実行ファイルを開くことができます.

キーボードを使った編集が可能

7.5 コマンドファイル(*.EQS)

7.6 分析実行ファイル(*.OUT)

Page 70: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-70

7.7 モデルファイル作成

個別ウィンドウ(個別ファイル)を使って分析する場合,モデルファイルを作成して分析をおこないます.

EQS データファイル,パス図ファイル,モデルファイルのいずれかの個別ウィンドウにおいて,メニューボタン「モ

デルファイル作成」を押すか,[分析]メニューから「モデルファイル作成」を選択すると,モデルファイル作成のための

設定ウィザードが起動します.

7.7.1 分析種類の指定

まず,「分析種類の指定」ダイアログが表示されます.

分析種類

①分析種類:分析種類を「1母集団の分析」,「多母集団の同時分析」から選択します.

②母集団の数:多母集団の同時分析をおこなう場合に,母集団の数を指定します.

欠測値の処理方法

③処理方法:欠測値の処理方法を「リスト毎の削除」,「最尤法」,「ペア毎の削除」から選択します.

リスト毎の削除‥解析対象の観測変数に一つでも欠測値が存在するサンプル分析から除外します.

最尤法‥分析対象の分散共分散とモデルのパラメータを同時に推定します.(ただし,モデルに平均構造を

入れる必要があります.)

ペア毎の削除‥各分散,共分散等の計算毎に,有効なサンプルを使用します.

④標準誤差の計算方法:欠測値の処理方法を「最尤法」か「ペア毎の削除」とした場合に,標準誤差の計算

方法に「フィッシャー情報行列」と「観測情報行列」のどちらを用いるかを選択します.

⑤詳細指定:「欠測値の扱い」ダイアログを表示します.

「分析種類の指定」ダイアログで「次へ」ボタンを押すと,「モデルの設定」ダイアログが表示されます.

7.7 モデルファイル作成

Page 71: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-71

個別ウィンドウ

PART3

第7章

「欠測値の扱い」ダイアログ

7.7.2 モデルの設定

「モデルの設定」ダイアログでは,データとモデル作成方法,統計的推測方法,分析内容を設定します.

④ ⑥

7.7 モデルファイル作成

Page 72: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-72

①グループ番号:対象となっているグループ名を表示します.

タイトル

②タイトル:モデルのタイトルを設定します.

データ

③ファイル名:モデル作成に使用するデータファイル(*.ESS)を指定します.指定すると,下に自動的に,

指定したデータの変数の数とサンプル数,データ形式が表示されます.

④質的変数の設定:「質的変数の指定」ダイアログを表示し,質的変数として扱う変数を指定できます.機能

については「第3章 パス図 3.3 データ設定」をご覧ください.

⑤サンプルのマスク: 「マスクサンプルの指定」ダイアログを表示し,解析から除外するサンプルを指定で

きます.機能については「第3章 パス図 3.3 データ設定」をご覧ください.

⑥サンプルの重み付け: 「サンプルの重み付け」ダイアログを表示し,ワークシート上に入力された重み(ウ

ェイト)を使用して,サンプルに重み付けをおこなうことができます.機能については「第 3 章 パス図

3.3 データ設定」をご覧ください.

モデル作成方法

⑦作成方法:モデルの作成方法を「パス図から作成」「モデルビルダーで作成」から選択します.

⑧パス図:モデル作成方法を「パス図から作成」とした場合に,どのパス図を用いるのかを指定します.

統計的推測方法

⑨母集団の分布:母集団の分布の仮定を「多変量正規分布」,「楕円分布」,「Heterogeneous Kurtosis(幾何平

均)」,「Heterogeneous Kurtosis(算術平均)」,「分布を仮定しない」から選択します.

⑩推定方法:推定方法を「最小二乗法(LS)」,「一般化最小二乗法(GLS)」,「最尤法(ML)」から選択しま

す.

⑪ロバストオプション:ロバストに関するオプション設定を「なし」,「ロバスト統計量の表示」,「サンプル

の重み付け(自動)」から選択します.

ロバスト統計量の表示‥分布の仮定に崩れに対しロバストとなるように調整したカイ二乗値,標準誤差な

どを出力します.

サンプルの重み付け(自動)‥外れ値などに対し平均,分散共分散がロバストになるように,自動的にサ

ンプルに重み付けをします.

分析内容

⑫分析内容:分析内容を「共分散構造の分析」,「相関構造の分析」,「Zスコアの共分散構造の分析」,「平均・

共分散構造の分析」から選択します.

「質的変数の指定」ダイアログ

「マスクサンプルの指定」ダイアログ

7.7 モデルファイル作成

Page 73: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-73

個別ウィンドウ

PART3

第7章

「サンプルの重み付け」ダイアログ

「モデルの設定」ダイアログで,モデル作成方法を「モデルビルダーで作成」に設定し,「次へ」ボタンを押す

と,「変数の指定」ダイアログが表示されます.

7.7.3 変数の指定

「変数の指定」ダイアログでは,使用変数と潜在変数,平均構造の有無を指定します.

①グループ番号:対象となっているグループ名を表示し

ます.

潜在変数

②潜在変数の数:潜在変数の数を設定します.

平均構造

③平均構造のあるモデル:平均構造のあるモデルを考え

たい場合は,ここにチェックをいれます.

観測変数

④観測変数:分析に使用する変数を観測変数の変数一覧

から選択します.デフォルトでは全変数が選択された状態

になっているので,不要な変数は使用変数から外してく

ださい.

ボタン 機能

選択した変数をリストに取り込みます.

選択した変数をリストから外します.

全変数をリストに取り込みます.

全変数をリストから外します.

「変数の指定」ダイアログで設定をし,「次へ」ボタンを押すと,「パス設定」ダイアログが表示されます.

① ② ③

7.7 モデルファイル作成

Page 74: JUSE-StatWorks/V5 SEM 因果分析編 ユーザーズマ …sns.dousoukai.eng.mie-u.ac.jp/manual/bunkatsu/_pdf/sem/...3-3 解析データの指定 PART3 第1章 1.3 データ形式の指定

3-74

7.7.4 パス設定

「パス設定」ダイアログでは,各変数間にパスを設定し

ます.機能については「第 3 章 3.4 パス設定」をご覧く

ださい.

「パス指定」ダイアログで設定をし,「次へ」ボタンを押す

と,「分散共分散設定」ダイアログが表示されます.

7.7.5 分散共分散設定

「分散共分散設定」ダイアログでは,各変数間に分

散共分散を設定します.機能については「第3章 3.5

分散共分散設定」をご覧ください.

「分散共分散指定」ダイアログで設定をし,「次へ」ボ

タンを押します.

1 母集団の分析の場合はただちにモデルファイルが出力されますが,多母集団の同時分析の場合は,グループ

数分,モデルの設定を繰り返します.全グループのモデル設定が完了すると,「等値制約の設定」ダイアログが

表示されます.

7.7.6 等値制約の設定

「等値制約の設定」ダイアログでは,パラメータに等値条件を設定します.機能については「第 3 章 3.8

等値制約」をご覧ください.

「等値制約の設定」ダイアログで設定をし,「OK」ボタンを押すと,モデルファイルが出力されます.

7.7 モデルファイル作成