(信号抑制フィードフォワード) を用いた広帯域LNAの低消 …...LNA PA A/D D/A...

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Gunma-univ. Kobayashi Lab Signal-Suppression Feed Forward (信号抑制フィードフォワード) を用いた広帯域LNAの低消費電力 ノイズキャンセル技術 大樹, ○河内 , 从兵, 神山 雅貴, 高橋 伸夫(群馬大学) 馬場 清一(豊橋技術科学大学), 壇 徹 (オン・セミコンダクター) 小林 春夫 (群馬大学) 平成27年度 電子回路研究会 高知市文化プラザかるぽーと

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  • Gunma-univ. Kobayashi Lab

    Signal-Suppression Feed Forward

    (信号抑制フィードフォワード) を用いた広帯域LNAの低消費電力

    ノイズキャンセル技術

    興 大樹, ○河内 智, 李 从兵, 神山 雅貴, 高橋 伸夫(群馬大学)

    馬場 清一(豊橋技術科学大学), 壇 徹 (オン・セミコンダクター)

    小林 春夫 (群馬大学)

    平成27年度 電子回路研究会

    高知市文化プラザかるぽーと

  • アウトライン 2

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • アウトライン 3

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • 研究背景と目的 4

    受信側 低雑音増幅器:Low Noise Amplifier(LNA) ・・・後段で処理できるレベルまで、雑音・歪みを付加することなく信号を増幅する

    送信側 電力増幅器:Power Amplifier(PA) ・・・できるだけ大きな電力にして信号をアンテナから送信する

    IQ-Mixer

    BPF SW

    or

    DUP

    LNA

    PA

    A/D

    D/A

    PLL

    無線トランシーバ回路

    受信回路

    送信回路

  • 研究背景と目的 5

    受信側 低雑音増幅器:Low Noise Amplifier(LNA) →消費電力は小さいが常に動作(受信信号がいつ来るかわからため) →トランシーバ回路の低消費電力化を目指す

    送信側 電力増幅器:Power Amplifier(PA) →消費電力は大きいが送信時のみ動作

    IQ-Mixer

    BPF SW

    or

    DUP

    LNA

    PA

    A/D

    D/A

    PLL

    無線トランシーバ回路

    受信回路

    送信回路

  • 従来のフィードフォワードノイズキャンセルLNAの概要 6

    vs Rs

    Rf

    Mi x

    + vo y

    -Av,c

    in,Mi

    : 雑音電圧

    : 小信号電圧

    キャパシタやインダクタを使わない構成

    Miのチャネル雑音電流in,Mi(支配的な雑音)をキャンセル

    広帯域で低雑音なLNA!

  • 従来回路のフィードフォワードノイズキャンセル原理 7

    vs Rs

    Rf

    Mi x

    + vo y

    -Av,c

    in,Mi

    : 雑音電圧

    : 小信号電圧

    Miのチャネル熱雑音電流in,Mi(支配的な雑音源)をノードxに帰還

    ノイズキャンセルアンプAv,cで反転増幅

    ノードyの雑音と加算してノイズをキャンセル (同様の原理でMiで発生する歪みもキャンセル可能)

  • 従来回路の課題と提案回路 8

    vs Rs

    Rf

    Mi x

    + vo y

    -Av,c

    in,Mi

    : 雑音電圧

    : 小信号電圧

    ノイズキャンセルアンプAv,cにより新たに電力を付加

    ノイズキャンセルアンプAv,cの消費電力を抑える手法の提案 『信号抑制フィードフォワードノイズキャンセルLNA』

    従来回路の課題:消費電力が大きくなりやすい

  • アウトライン 9

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • 信号抑制フィードフォワードノイズキャンセルLNAの概要 10

    vs Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    vA -Av,c

    + vout vy

    メインアンプ

    ノイズ帰還 +

    Signal-Suppression

    ノイズキャンセルアンプ

    消費電力を抑えつつ、低雑音化を目指す

    Rf2によるAv,cの小信号入力vaの抑制

    Av,cで発生する消費電力を抑える

    Av,cによるノイズキャンセル

  • アウトライン 11

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • 雑音解析(Miについて) 12

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    in,Mi

    -Av,c

    𝑣𝑛,𝑎,𝑀𝑖 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑛,𝑀𝑖

    𝑣𝑛,𝑦,𝑀𝑖 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑛,𝑀𝑖

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑀𝑖 = 𝑣𝑛,𝑦,𝑀𝑖 + −𝐴𝑣,𝑐 𝑣𝑛,𝑎,𝑀𝑖

    Miのノイズ電流in,Miのみを入力として各ノードの雑音電圧を計算

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑀𝑖 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 − 𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑛,𝑀𝑖

  • 雑音解析(Miについて) 13

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑀𝑖 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 − 𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑛,𝑀𝑖 = 0 とするAv,cをAv,c,Mi

    𝐴𝑣,𝑐,𝑀𝑖 =𝑅𝑆+𝑅𝑓1+𝑅𝑓2

    𝑅𝑆+𝑅𝑓2= 1 +

    𝑅𝑓1

    𝑅𝑆+𝑅𝑓2 ・・・Miのノイズキャンセリング条件

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    in,Mi

    -Av,c

  • 雑音解析(Rf1について) 14

    in,Rf1

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c

    𝑣𝑛,𝑎,𝑅𝑓1 = 0 ・・・Rf2やRSに電流が流れないため

    𝑣𝑛,𝑦,𝑅𝑓1 = 𝑅𝑓1𝑖𝑛,𝑅𝑓1

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑅𝑓1 = 𝑣𝑛,𝑦,𝑅𝑓1 + −𝐴𝑣,𝑐 𝑣𝑛,𝑎,𝑅𝑓1

    Rf1のノイズ電流in,Rf1のみを入力として各ノードの雑音電圧を計算

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑅𝑓1 = 𝑅𝑓1𝑖𝑛,𝑅𝑓1 ・・・Rf1のノイズは1倍で出力

  • 雑音解析(Rf2について) 15

    in,Rf2

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c

    𝑣𝑛,𝑎,𝑅𝑓2 = 𝑅𝑓2𝑖𝑛,𝑅𝑓2 + 𝑣𝑥 = 𝑅𝑓2𝑖𝑛,𝑅𝑓2 ・・・RSに電流が流れないため

    𝑣𝑛,𝑦,𝑅𝑓2 = 𝑣𝑛,𝑎,𝑅𝑓2 = 𝑅𝑓2𝑖𝑛,𝑅𝑓2 ・・・Rf1に電流が流れないため

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑅𝑓2 = 𝑣𝑛,𝑦,𝑅𝑓2 + −𝐴𝑣,𝑐 𝑣𝑛,𝑎,𝑅𝑓2

    Rf2のノイズ電流in,Rf2のみを入力として各ノードの雑音電圧を計算

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑅𝑓2 = (1 − 𝐴𝑣,𝑐)𝑅𝑓2𝑖𝑛,𝑅𝑓2

  • 雑音解析(Rf2について) 16

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡,𝑅𝑓2 = (1 − 𝐴𝑣,𝑐)𝑅𝑓2𝑖𝑛,𝑅𝑓2 = 0 とするAv,cをAv,c,Rf2

    𝐴𝑣,𝑐,𝑅𝑓2 = 1 ・・・Rf2のノイズキャンセリング条件

    in,Rf2

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c

  • 雑音解析まとめ 17

    in,Rf2

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c

    in,Rf1

    in,Mi

    𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡2

    = 4𝑘𝑇𝐵 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 − 𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓22

    𝛾𝑔𝑀𝑖 + 𝑅𝑓1 + 1 − 𝐴𝑣,𝑐2

    𝑅𝑓2

    入力としてin,Miとin,Rf1とin,Rf2を考えた場合

    𝐴𝑣,𝑐,𝑎𝑙𝑙 =𝑅𝑆+𝑅𝑓1+𝑅𝑓2 𝑅𝑆+𝑅𝑓2 𝛾𝑔𝑀𝑖+𝑅𝑓2

    𝑅𝑆+𝑅𝑓22

    𝛾𝑔𝑀𝑖+𝑅𝑓2 で 𝑣𝑛,𝑜𝑢𝑡

    2 が最少

    (トータルのノイズキャンセル条件)

  • ノイズキャンセル段を含めた雑音解析 18

    vs

    Rs

    Rf1

    Mi

    vx

    Rf2

    va

    + vout vy

    vs

    Rs

    Rf1

    Mi

    vx

    Rf2

    va

    vy

    vout M3

    M2 -Av,c

    𝐴𝑣,𝑐 =𝑔𝑀2𝑔𝑀3

    𝐹 = 1 + 𝐹𝑀𝑖 + 𝐹𝑅𝑓1 + 𝐹𝑅𝑓2 + 𝐹(𝑔𝑀2+𝑔𝑀3)

    𝐹𝑀𝑖 =𝑅𝑆+𝑅𝑓1+𝑅𝑓2−𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆+𝑅𝑓2

    𝐴𝑣,𝑐𝑜𝑟𝑒

    2𝛾𝑔𝑀𝑖

    𝑅𝑆

    𝐹𝑅𝑓1 =1+𝑔𝑀𝑖𝑅𝑆

    𝐴𝑣,𝑐𝑜𝑟𝑒

    2𝑅𝑓1

    𝑅𝑆

    𝐹𝑅𝑓2 =(1+𝑔𝑀𝑖𝑅𝑆) 1−𝐴𝑣,𝑐

    𝐴𝑣,𝑐𝑜𝑟𝑒

    2𝑅𝑓2

    𝑅𝑆 𝐹(𝑔𝑀2+𝑔𝑀3) =

    1+𝑔𝑀𝑖𝑅𝑆

    𝑔𝑀3𝐴𝑣,𝑐𝑜𝑟𝑒

    2𝛾 𝑔𝑀2+𝑔𝑀3

    𝑅𝑆

    ※𝐴𝑣,𝑐 =𝑔𝑀2

    𝑔𝑀3

    𝐴𝑣,𝑐𝑜𝑟𝑒 =𝑣𝑦

    𝑣𝑥= 1 − 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 𝑔𝑚𝑖

  • 雑音指数FのExcel計算 19

    vs

    Rs

    Rf1

    Mi

    vx

    Rf2

    va

    vy

    vout M3

    M2

    0

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    3

    0 2 4 6 8 10

    F

    Av,c

    Rf1=350Ω, Rf2=20Ω, gMi=20mS,

    RS=50Ω, gM2=9.6mS,

    gM3を変動でAv,c=gM2/gM3を変化

    FMi

    FRf1

    FRf2

    F(gM2+gM3)

    Ftotal

    𝐹 = 1 + 𝐹𝑀𝑖 + 𝐹𝑅𝑓1 + 𝐹𝑅𝑓2 + 𝐹(𝑔𝑀2+𝑔𝑀3)

  • アウトライン 20

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • 歪み解析 21

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    iNL

    -Av,c

    𝑣𝑁𝐿,𝑎 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑁𝐿

    𝑣𝑁𝐿,𝑦 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑁𝐿

    𝑣𝑁𝐿,𝑜𝑢𝑡 = 𝑣𝑁𝐿,𝑦 + −𝐴𝑣,𝑐 𝑣𝑁𝐿,𝑎

    Miの非線形電流iNLのみを入力として各ノードの電圧を計算 ※𝑖𝐷𝑆 = 𝑔𝑀𝑖𝑣𝑋 + 𝛼1𝑣𝑥

    2 + 𝛼2𝑣𝑥3 + ・・・ = 𝑔𝑀𝑖𝑣𝑥 + 𝐼𝑁𝐿

    𝑣𝑁𝐿,𝑜𝑢𝑡 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 − 𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑁𝐿

  • 歪み解析 22

    𝑣𝑁𝐿,𝑜𝑢𝑡 = 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓1 + 𝑅𝑓2 − 𝐴𝑣,𝑐 𝑅𝑆 + 𝑅𝑓2 𝑖𝑁𝐿,𝑀𝑖 = 0 とするAv,cをAv,c,NL

    𝐴𝑣,𝑐,𝑁𝐿 =𝑅𝑆+𝑅𝑓1+𝑅𝑓2

    𝑅𝑆+𝑅𝑓2= 1 +

    𝑅𝑓1

    𝑅𝑆+𝑅𝑓2 ・・・Miの歪みキャンセル条件

    vout vy

    vs= 0 Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    iNL

    -Av,c

  • アウトライン 23

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • 信号抑制技術の概要 24

    vout vy

    Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c

    抵抗Rf2によってノイズキャンセルアンプAv,cへの小信号入力vaを抑える

    ノイズキャンセルアンプAv,cの消費電力を低減(雑音性能と消費電力間で自由度を持つ)

  • Signal-Suppression技術 25

    vout vy

    Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c vy

    va

    vout

    M3

    M2

    gm=一定のとき、 VGS-VTH→小でID→小

    𝑔𝑚 =2𝐼𝐷

    𝑉𝐺𝑆 − 𝑉𝑇𝐻

    信号抑制によりvaへ入力される小信号を抑制 ↓

    M2による非線形成分の考慮が減る ↓

    VGS,M2を下げることができる (※キャンセル段の消費電力はM2のIDに依存)

    信号抑制技術によりノイズキャンセルアンプAv,cの消費電力を抑制

  • 信号抑制技術 26

    vout vy

    Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    va

    +

    -Av,c vy

    va

    vout

    M3

    M2

    𝑣𝑎 = 1 − 𝑅𝑓2𝑔𝑀𝑖 𝑣𝑥

    0 < 𝑅𝑓2𝑔𝑀𝑖 < 2 で 𝑣𝑎 < 𝑣𝑥 となる

    (※ノードaの小信号と雑音の関係により実際に使えるのは0 < 𝑅𝑓2𝑔𝑀𝑖 ≤ 1 )

    ( 1< 𝑅𝑓2𝑔𝑀𝑖 < 2の範囲ではvaがvxと逆位相になる )

  • 雑音と歪みと消費電力(ここまでのまとめ) 27

    vs Rs

    Rf1

    Mi vx

    Rf2

    vA -Av,c

    + vout vy

    Rf2 大 小

    ノイズ性能

    電力

    線形性

    ※Rf1 + Rf2 = 一定とする

  • アウトライン 28

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • ノイズキャンセルのシミュレーション 29

    Rs

    vS

    Rf1 y C1 C3

    VDD1

    RB3

    VB3

    VDD2

    Mia

    M2

    M3

    Mib

    VB1

    RB1

    x CS Rf2 a

    C2

    RB2

    VB2

    vo CL

    i

    メインアンプ ノイズキャンセル段

    ・Rf2, Av,c=gM2/gM3を変化させたときの ノイズキャンセル効果(NF) 歪みキャンセル効果(IIP3)

    の確認

    ・各Rf2のノイズキャンセル点におけるNFと消費電力の比較

  • ノイズキャンセルのシミュレーション 30

    Rs

    vS

    Rf1 y C1 C3

    VDD1

    RB3

    VB3

    VDD2

    Mia

    M2

    M3

    Mib

    VB1

    RB1

    x CS Rf2 a

    C2

    RB2

    VB2

    vo CL

    i

    メインアンプ ノイズキャンセル段

    Mia=Mib=W/L=47um/130nm

    Rf1+Rf2=370ΩでRf2を変化

    VDD1=1.2V, VB1=550mV RB1=50kΩ

    Cs=C1=1nF

    M3=W/L=25um/130nm

    M2=W/L= 変化, i=調整

    VDD2=1.2V, VB3=1V, VB2=調整, RB2=RB3=50kΩ

    C2=C3=1[nF]

    tsmc 90nm CMOSプロセスを使用

  • シミュレーション結果(1/3) 31

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    9

    10

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

    NF

    [dB

    ]

    Av,c

    Av,c vs NF @1GHz

    Rf2=0Ω

    Rf2=10Ω

    Rf2=20Ω

    Rf2=30Ω

    Rf2=40Ω

    Rf2=50Ω

    ・Av,cによるノイズキャンセル効果

    ・Rf2によるノイズキャンセル点の変化

    ・Rf2によるNFの変化

  • シミュレーション結果(2/3) 32

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    14

    16

    0 10 20 30 40 50

    NF

    [dB

    ]

    Po

    wer[

    mW

    ]

    Rf2[Ω]

    Av,c vs 消費電力、NF

    Power

    NF

    Rf2によるNFと消費電力間のトレードオフの関係 ※Av,cは各Rf2のノイズキャンセル条件を満たしたときの値

    𝐴𝑣,𝑐,𝑎𝑙𝑙 =𝑅𝑆+𝑅𝑓1+𝑅𝑓2 𝑅𝑆+𝑅𝑓2 𝛾𝑔𝑀𝑖+𝑅𝑓2

    𝑅𝑆+𝑅𝑓22

    𝛾𝑔𝑀𝑖+𝑅𝑓2

  • シミュレーション結果(3/3) 33

    -8

    -7

    -6

    -5

    -4

    -3

    -2

    -1

    0

    0 2 4 6 8 10

    IIP

    3[d

    Bm

    ]

    Av,c

    Av,c vs IIP3[dBm]

    Av,cによる歪みキャンセルを確認(キャンセル条件Av,c=6) (※IIP3は849MHzと851MHzを入力したときの基本波:849MHzとIM3:847MHz)

  • アウトライン 34

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • Rf2=20Ωのときの周波数特性(設計の一例として) 35

    Rs

    vS

    Rf1 y C1 C3

    VDD1

    RB3

    VB3

    VDD2

    Mia

    M2

    M3

    Mib

    VB1

    RB1

    x CS Rf2 a

    C2

    RB2

    VB2

    vo CL

    i

    メインアンプ ノイズキャンセル段

    Mia=Mib=W/L=47um/130nm

    Rf1=350Ω, Rf2=20Ω

    VDD1=1.2V, VB1=550mV RB1=50kΩ

    Cs=C1=1nF

    M3=W/L=25um/130nm

    M2=W/L= 245um/130nm, 305um/130nm, 275um/130nm

    i=調整,

    VDD2=1.2V, VB3=1V, VB2=調整, RB2=RB3=50kΩ, C2=C3=1[nF]

    M2は(ノイズキャンセル点, 歪みキャンセル点, その中間)で シミュレーション

  • シミュレーション結果(1/2) 36

    -20

    -15

    -10

    -5

    0

    0 2 4

    S11[d

    B]

    frequency[GHz]

    frequency vs S11

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    0 2 4

    NF

    [dB

    ]

    frequency

    frequency vs NF

    0

    5

    10

    15

    20

    0 2 4

    S21

    [dB

    ]

    frequency[GHz]

    frequency vs S21

    Av,c=6 (歪みキャンセル条件)

    Av,c=5.42 (中間値)

    Av,c=4.83 (ノイズキャンセル条件)

  • シミュレーション結果(2/2) 37

    3

    3.2

    3.4

    3.6

    3.8

    4

    4.83 5.415 6

    NF

    [dB

    ]

    Av.c

    NF(1GHz)

    88.28.48.68.8

    99.29.49.69.810

    4.83 5.415 6

    消費電力

    [mW

    ]

    Av.c

    消費電力

    -2.5

    -2

    -1.5

    -1

    -0.5

    0

    4.83 5.415 6

    IIp

    3[d

    Bm

    ]

    Av.c

    IIP3

    Av,cをノイズキャンセル条件に寄せる ⇒低NF、低消費電力実現

    Av,cを歪みキャンセル条件に寄せる ⇒IIP3の改善(小)

    ノイズキャンセル 歪みキャンセル ノイズキャンセル 歪みキャンセル

    ノイズキャンセル 歪みキャンセル

  • アウトライン 38

    ・研究背景と目的

    ・信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術 -概要 -雑音解析 -歪み解析 -信号抑制技術

    ・シミュレーション -動作確認 -設計例

    ・まとめと今後の課題

  • まとめと今後の課題 39

    まとめ ・広帯域向けLNAの低消費電力・低雑音化技術として信号抑制フィードフォワードノイズキャンセル技術を提案した

    ・帰還抵抗Rf2を調整することにより、雑音性能‐消費電力間に自由度を与える

    ・ノイズキャンセル効果、低消費電力化、歪みキャンセル効果の確認した

    ・一設計例を挙げ、その周波数特性を示した

    今後の課題 ・設計の最適化

    ・帰還部の工夫

  • 参考文献 40

    [1] F. Bruccoleri, E. A. M. Klumperink, B. Nauta,

    “Wide-Band CMOS Low-Noise Amplifier Exploiting

    Thermal Noise Canceling,” IEEE Journal of Solid-State

    Circuits, vol.39, no.2, pp.275-282 (Feb. 2004).

    [2] C.-F. Li, S.-C. Chou, G.-H. Ke, P.-C. Huang,“ A

    Power-Efficient Noise Suppression Technique Using

    Signal-Nulled Feedback for Low-Noise Wideband

    Amplifiers,” IEEE Trans on Circuits and Systems II:

    Express Brief, vol.59, no.1, pp.1-5 (Jan. 2012).

    [3] C.-F. Li, S.-C. Chou, P.-C. Huang, “A

    Noise-Suppressed Amplifier with a Signal-Nulled

    Feedback for Wideband Applications”, IEEE Asian

    Solid-State Circuits Conference, Fukuoka, Japan (Nov.2008)

  • 付録 MOSの線形性と消費電力の関係 41

    参考『Linearization Techniques for CMOS Low Noise Amplifiers: A Tutorial 』

    ID[A]

    gm2 [A/V2]

    gm3 [A/V3]

    gm1 [A/V]

    VGS[V]

    VGS[V] VGS[V]

    VGS[V]

    2次, 3次ともにVGS→大で線形性が良くなる

    微分

    微分

    微分

  • 付録:シミュレーション補足 42

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    35

    40

    45

    0 2 4 6 8 10

    AC20dB(1GHz)

    AC20dB(1GHz)

    Miに雑音電流源のモデルとして、Miと並列に交流電流源をつけてAC解析したもの

    メインアンプ単体でのNF・・・1GHzで5.4~5.5dB

  • Q & A 43

    Q. 従来回路との利得の性能差はどのようになっているか A. 従来回路はアンプ段+ノイズキャンセル段の二箇所で信号増幅を行っているのに対し、提案回路では信

    号抑制技術によりノイズキャンセル段の増幅は行わず、アンプ段の増幅のみとなるため、利得は従来回路のほうが高性能となる。

    Q. 帰還抵抗Rf2のノイズが出力に出てしまうということは、これ以上この回路での工夫は難しい。何か考えがあるのかどうか A. 帰還抵抗とは別に信号抑制用のノードをキャパシタで作成するという方向を考え、実際にシミュレーショ

    ン等を行いました。結果は今回のスライドに示しませんでしたが、やはり従来回路よりノイズが増えてしまう結果となりましたが、似たような方向性で検討は可能だと思われる。

    Q. メインアンプ段、ノイズキャンセル段での増幅優先と消費電力のトレードオフは考えているか A. メインアンプ段で優先的に増幅を行い、ノイズキャンセル段の増幅を抑えることで消費電力を抑える提案

    です。なので、ノイズキャンセル段に多少の信号増幅を任せ、メインアンプの消費電力を抑える方向の検討は行えておりません。

    Q. メインアンプ段、ノイズキャンセル段での増幅優先と消費電力のトレードオフは考えているか A. メインアンプ段で優先的に増幅を行い、ノイズキャンセル段の増幅を抑えることで消費電力を抑える提案

    です。なので、ノイズキャンセル段に多少の信号増幅を任せ、メインアンプの消費電力を抑える方向の検討は行えておりません。

  • 発表写真 44