HBsペプチド融合体によるワクチン創製技術...本プレゼンテーションの構成...

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HBsペプチド融合体によるワクチン創製技術 -多様なワクチン創製のための素材- 浜松医科大学・医・感染症学 感染機構解析分野 上田啓次 2009. 3. 27 JST新技術説明会

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HBsペプチド融合体によるワクチン創製技術-多様なワクチン創製のための素材-

浜松医科大学・医・感染症学感染機構解析分野

上田啓次

2009. 3. 27JST新技術説明会

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本プレゼンテーションの構成

I. ワクチンに関する諸問題・ワクチン開発の問題点

II. 上記、問題点を克服するためのアプローチ-HBsペプチド融合体-

(1) B型肝炎ウイルス粒子(2) HBs蛋白の粒子形成能を利用したワクチン開発

III. まとめ

IV. 今後の展開

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ワクチンに関する諸問題

ワクチン開発の困難な病原微生物

1.C型肝炎ウイルス(HCV)2.ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)3.マラリア4.Etc.,

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ワクチンに関する諸問題

1.ウイルス増殖による不活化ワクチン2.継代による弱毒化ワクチン

3.組換えDNA技術によるワクチン

場所的・時間的問題試行錯誤

確実な効果

1.一定の産生技術(万能型産生技術)2.確実な効果(高力価)

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本プレゼンテーションの構成

I. ワクチンに関する諸問題・ワクチン開発の問題点

II. 上記、問題点を克服するためのアプローチ-HBsペプチド融合体-

(1) B型肝炎ウイルス粒子(2) HBs蛋白の粒子形成能を利用したワクチン開発

III. まとめ

IV. 今後の展開

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B型肝炎ウイルス粒子

✔ それぞれの膜蛋白の粒子形成における役割は?

coregenome

large S

middle S

small S

HBV粒子S I II

preS2 S I II

preS2preS1 S I II

GlyGly

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HBV成熟粒子形成には

3つのウイルス膜蛋白が必要である

LS+MS+SS MS+SSor SS only

LS+MS

分泌されず

Small S (SS or HBs) S I II

Middle S (MS) preS2 S I II

Large S (LS) preS2preS1 S I II

GlyGly

SSには強い粒子形成能がある

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• HCVやHIVなどの膜抗原発現によるワクチン開発への応用

HBs粒子形成能を利用したワクチン開発

I II

COOHNH2

SS

COOH

I II

NH2

異種抗原

異種抗原

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異種抗原付加SS(HBs) engineeringのデザイン

疎水性

SS

異種抗原(His6)

226aa

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異種抗原付加HBs発現・精製戦略

SSSS

異種抗原(His6)

エンハンサー・プロモーター

ほ乳類発現ベクター

培養細胞

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His6-HBs の精製

300mMイミダゾール

……

洗浄

溶出

SDS-PAGE

培養細胞

上清 or 抽出液

フラクション

ウェスタンブロット

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培養細胞におけるHis6-HBsの発現/IFA

Anti-His6 or anti-XpressDAPI

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培養細胞におけるHis6-HBsの発現・精製

lysate medium#4-2 #4-11 #9-2 #9-10

UB: unboundE : eluted

UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2 UB E1 E2

#4-2 #4-11 #9-2 #9-10

250

150

100

75

50

37

25

20

15

10 Anti-His6 (mAb)

SSSSHis6His6

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His6-HBsに対する抗体産生誘導能

N=5 N=5

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本プレゼンテーションの構成

I. ワクチンに関する諸問題・ワクチン開発の問題点

II. 上記、問題点を克服するためのアプローチ-HBsペプチド融合体-

(1) B型肝炎ウイルス粒子(2) HBs蛋白の粒子形成能を利用したワクチン開発

III. まとめ

IV. 今後の展開

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まとめ

• 異種抗原をN末に付加したHBs抗原(His6-HBs)の培養細胞での発現に成功した.

• 発現したHis6-HBsは粒子を形成していると

考えられた.

• 発現したHis6-HBs有効に抗体産生を誘導

した.

以上の結果はタグ部分を付け替えるだけで産生可能な万能型ワクチン創製技術の可能性を示唆している.

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今後の展開

• 粒子形成に関し、電顕等でより具体的な証拠を得る.

• バキュロウイルス(昆虫細胞)や酵母タンパク発現系を用い大量発現系を樹立する.

• HCVやHIV、マラリア等のワクチン未開発の病原微

生物のエピトープ付加の可能性と免疫誘導能について検討する.

上記の展開に関し、共同研究・開発を推進するパートナーを募集しています

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• 御清聴ありがとうございました。ー本件に関する御問い合わせは下記までお願い

致しますー

連絡先:国立大学法人浜松医科大学知材活用推進本部知材活用コーディネーター

小野寺雄一郎、四本喬介、狩野 保e-mail: [email protected]: 053-435-2681FAX: 053-435-2179