応用情報・午後・ストラテジ系を解く(H23特別)
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平成23年度特別午後の問題と解答
•問題• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2011h23_1/20
11h23tokubetsu_ap_pm_qs.pdf
•解答(+出題趣旨)• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2011h23_1/20
11h23tokubetsu_ap_pm_ans.pdf
•講評• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2011h23_1/20
11h23tokubetsu_ap_pm_cmnt.pdf
目次
•解説編• 設問0. ざっと設問を見る
• 設問1.戦略と契約
• 設問2. アウトソーシングにて得られる効果
• 設問3. アウトソーシングによる影響
• 設問4. アウトソーシングと販路の拡大
• 設問4. コールセンタの活動
•要点カード編• No.001経営戦略
• No.002 競争優位性とシナジー
• No.003 ファイブフォース分析 / 3C分析
• No.004 PPM
• No.005 バリューチェーン
• No.006 調達の実施
• No.007 SLA
設問0. ざっと設問をみる
•設問1:[ a ]、[ b ]、[ d ]、[ e ] に入れる字句を選択する
•設問2:下線①→ アウトソーシングによって得られる効果2つを選択する
•設問3:下線②→ この判断に至った理由(40字)
•設問4:[ c ] に入れる字句(20字)
•設問4:下線③→ これ以外のもう1つ必要な活動(40字)
X
要点カード No.XXX
要点カード No.XXX
B
A
C
・・・確実に正解したい
・・・できれば正解したい
・・・正解できなくても仕方ない
参照すべき要点カードをココに挙げます
問題の難易度をココに書きます
応用情報技術者試験の午後試験は、時間がタイトです。そこで、事前に設問文に目を通し、以下程度の内容を把握しておくとよいでしょう。
設問1. 戦略と契約
•選択肢の用語は、いずれも基本的なものであるため、イメージをつかんでおきたいア. 3C分析→ 「要点カードNo.003」イ. PPM → 「要点カードNo.004」ウ. RFI → 「要点カードNo.006」エ. RFP → 「要点カードNo.006」オ. SLA → 「要点カードNo.007」カ. 事業ドメイン→ 「要点カードNo.001」キ. 守秘義務契約(秘密保持契約:NDA)ク. バリューチェーン→ 「要点カードNo.005」ケ. ファイブフォース分析→ 「要点カードNo.003」
A
要点カード No.005
自社の [ a ] とコアコンピタンスを明確化「シンプルなデザインで使い勝手が良い家具を、首都圏の中流家庭に、手ごろな価格で提供する」
業界の競合状態を分析することによって、その業界の収益性や魅力の度合いを測定する [ b ] を行い…
実施可能なサービス内容や過去の実績などの情報を提供してもらうために、[ e ] を作成して提示する
これらに対する保証を得るために、達成すべき指標を数値化し、[ d ] を締結する
要点カード No.006
要点カード No.007
要点カード No.001
要点カード No.003
要点カード No.004
B
A
B
a
b
d
e
設問2. アウトソーシングにて得られる効果
ア. コールセンタ業務に掛かる人件費を、自社で運営する場合よりも低減させることができる(×)• 必ずしもそうとは言い切れない。確かに、業務にかかわる人材の教育コスト、退職金、福利厚生等の費用が不要になり、人件費を低減できる場合もある。しかし、本問では、自社要因の削減を行うわけではないため、人件費は低減できない。であれば、他社にお願いする以上、相応のコストがかかる
イ. コールセンタの縮小や廃止を円滑に実施できる(○)• 自社で保有する場合と異なり、契約内容によって、コールセンタの規模をコントロールできる
ウ. 自社人材の有効活用を図ることができる(○)• 「コールセンタは自社の要因で運営しており、比較的有能な人材を配置している」やSWOT分析の弱みに「人材不足」とあることから、人材を他の仕事に充てることができる。つまり、経営資源を本来の業務に集中させることができる
エ. 自社要因の削減を支障なく進めることができる(×)• アウトソーシングしようがしまいが、関係がない
オ. 変動費を固定費に変更することができる(×)• 人件費や設備の減価償却費などの固定費を、変動費化することができる
A
設問3. アウトソーシングによる影響
• このように、アウトソーシングにより想定されるデメリットの最たるものは、「業務のノウハウが蓄積されない」ことである。• 他には、「ガバナンスがききにくい」、「会社によっては、情報漏えいのリスクが高まる」、「うまくアウトソースできず、業務が煩雑になるリスクがある」などがある
• しかし、P社のコアコンピタンスは「低コストで製造する技術と体制をもっていること」にあり、コールセンタ業務のノウハウは、重要ではない。
• 問題文中に、「[ビジネスモデルの再認識とコアコンピタンスの明確化] の記述を参考にして」とあるので、“コアコンピタンス”に触れないわけにはいかない。• なので、解答は、「コールセンタの運営ノウハウを失っても、自社のコアコンピタンスには影響しないから。」くらいか。
B
要点カード No.002
デメリットとしては、コールセンタの運営ノウハウを蓄積し、独自の工夫を加えることを実施しにくい点が挙げられる。
設問4. アウトソーシングと販路の拡大
アウトソーシング委託先で訓練済の人員や運営ノウハウを活用することによって、早期に [ c ] できるというメリットも享受できる。
A
コールセンタでは、顧客からの照会・要望・クレームを受け付けているものの、通販は行っていない。・・・販路を拡大するために、電話による通販とインターネットによる通販を始めることにした。・・・
コールセンタでは、これまで行っていた業務に加えて、電話による通販の受付業務を新たに実施することになる。インターネットによる通販が増加してきたら、電話による通販の停止を検討したい。
[P社の概要] に、次のように書かれている。
これらから、「訓練済みの人員や運営ノウハウを活用することによって、早期に電話による通販の受付業務を開始できるというメリットも享受できる。」となる。
設問4. コールセンタの活動
コールセンタには、顧客満足度を向上させることによって、販売促進を図るという重要な役割が求められる。具体的には、③商品購入へのアドバイス、照会への迅速な回答などである。
B
設問では、「もう1点実現すべき活動」、「コールセンタで得た情報を活用するのに必要な活動を、本文を参考にして」述べよとある。
[P社の概要] に“コールセンタで得た情報を活用する活動”として、次のような記載がある。
コールセンタで得た情報は、一定期間ごとに取りまとめて仕分けされ、必要に応じて、各担当部署に伝達される。
いかにも“問題で使うんだろうな感”がただよう1文である。ここで、「コールセンタで得た情報」とは、「照会・要望・クレーム」である。顧客満足度を向上させるには、これらの情報にいち早く対応する必要がある。
そこで、「コールセンタで得た照会・要望・クレームの情報を、担当部署に速やかに連絡する活動。」というところか。
経営戦略大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1.経営戦略手法 > (1) 経営戦略
要点カードNo.001
●経営戦略の全体像
経営理念
ビジョン
経営戦略
戦術どのようにするか
何をすべきか
どうなりたいか
なんのために存在するか 企業戦略(成長戦略)
事業戦略(競争戦略)
機能別戦略
人事戦略 財務戦略 営業戦略 開発戦略
事業領域(ドメイン)を規定
→ 競争優位性とシナジーの追求→ 「要点カードNo.002」
アンゾフの成長ベクトル
・市場浸透・新市場開拓・新製品開発・多角化→ PPM「要点カードNo.004」
・5フォース分析・競争の3つの基本戦略
競争優位性とシナジー大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (1) 経営戦略
要点カードNo.002
●競争優位性・・・マネのできない強み(競争者に対して築く独自性)
企業の持続的な競争優位性の源泉→ コアコンピタンス(中核能力)
→ 競争優位性を維持するには、容易に模倣できないことが必要である。
コアコンピタンスの3つの要件(1) さまざまな市場へアクセスする可能性を生み出す(2) 最終製品が特定の顧客の利益に重要な貢献をする(3) 競合他社が模倣することが困難である
長期間かけて蓄積されてきた技術、スキル、知的財産などである
●シナジー・・・相乗効果
(1) 販売シナジー→ 販売経路、販売組織、販売促進手法などの利用により生じる(2) 生産シナジー→ 生産設備、技術ノウハウなどの利用により生じる(3) マネジメントシナジー→ 経営管理能力により生じる
範囲の経済・・・複数の事業を展開することによって、それぞれの事業を独立で営むときよりも、より経済的な事業運営が可能になること(販売チャネル、設備、ブランド、知識、ノウハウなどが得られる)
規模の経済・・・生産量が大きいほど、製品の単位当たりのコストが低下する効果のこと(固定費が分散される)
経営戦略→ 規定されたドメインの中で、競争優位性とシナジーを追究していくこと。
似ている
対比
ファイブフォース分析 / 3C分析大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1.経営戦略手法 > (3) 事業戦略
要点カードNo.003
●ファイブフォース分析(5つの競争要因)
※この図は、次のWebサイトのものであるhttp://www.biz-hacks.com/work/081106.html
(マイケル・E・ポーター)
●3C分析
※この図は、次のWebサイトのものであるhttp://www.itmedia.co.jp/im/articles/0507/27/news116.html
以下の図は、売り上げ減少や利益低下を引き起こしている原因を、3Cを用いて整理したものである。
ファイブフォース分析は、業界の競争構造を分析するのに有効である。
PPM大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略
要点カードNo.004
●PPM(Products Portfolio Management)→ 事業や商品の位置づけを決め、経営資源を最適に配置するためのツール
この図は、次のWebページ中のものです。http://shikaku.impress.co.jp/keyword/ppm.htm
※
PPMの限界• 事業戦略としては、単純化されすぎている。事業分野間の連携は、もっと複雑
• 財務的資源が重視され、質的な評価が軽視されやすい
(具体例)
• 「金のなる木」に投資が必要な場合がある
• 「負け犬」に分類されていても、組織に貢献している場合がある
• 「負け犬」に分類された事業に従事する人のモラール(目標を達成しようとする意欲や態度)が低下する
バリューチェーン大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (3) 事業戦略
要点カードNo.005
●バリューチェーン
この図は、次のWebページ中のものです。http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0502/22/news111.html
※
バリューチェーン企業の活動を、5つの「主活動」と3つ
の「支援活動」に分解する。これら個々の活動単位が、価値を生み出す主体となる。前工程のアウトプットが、後工程のインプットになり、連鎖的に加工が行われる。それぞれの活動にはコストがかかる。バリューチェーン全体が生み出す価値と、このコストとの差が、マージンである。
バリューチェーン分析
企業が行う事業活動を、役割ごとに分解することで、自社のどの部分に強みと弱みがあるか、識別しやすい。
調達の実施大分類7:システム戦略 > 中分類18:システム企画 > 3.調達計画・実施
要点カードNo.006
●ユーザ企業とベンダ企業のやりとり
• 情報提供依頼書• ユーザ企業は、ベンダ企業に対し、システム化の目的や業務内容を示し、RFI(Request For Information:情報提供依頼書)を作成する
• 提案依頼書• ユーザ企業は、ベンダ企業に対し、調達対象システム、提案依頼事項、調達条件などを示したRFP(Request
For Proposal:提案依頼書)及びRFQ(Request For Quotation:見積依頼書)を提示し、提案書、見積書の提出を依頼する
• 提案書・見積書• ベンダ企業では、提案依頼書を基に、システム構成、開発手法などを検討し、提案書や見積書を作成して依頼元に対して提案する
ユーザ ベンダ
RFI
RFP RFQ
提案書
SLA大分類6:サービスマネジメント > 中分類15:サービスマネジメント
要点カードNo.007
● SLA(Service Level Agreement:サービスレベルアグリーメント)
この図は、次の記事のものです。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131106/516305/
※
図. SLAに記載する項目「STOP-IN」サービス及びサービスの目標を特定した、サービス提供者と顧客との合意文書
混雑時の通信速度や処理性能の最低限度や、障害やメンテナンス等による利用不能時間の年間上限など、サービス品質の保証項目を定め、それらを実現できなかった場合の料金の減額などの補償規定を利用契約に含める。規定される項目は原則として定量的に計測可能なもので、上限や下限、平均などを数値で表し、測定方法なども同時に定める。
http://e-words.jp/w/SLA.html