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Gcm#4 アメリカの長編アニメーションの 色とライティング
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アメリカの長編アニメーションの 色とライティング
講師 伊藤頼子
講師 伊藤頼子(いとうよりこ) 自己紹介: アニメーション業界での長い経験 :2D、3D、ストップモーションアニメーション、ゲーム Dreamworks社にて2Dアニメーションの背景画として始める。バックグラウンドペインター・5年間の経験後、3Dアニメーションのビジュアルデベロップメントアーティスト・7年間) CinderBiterにてHenry Selick(ヘンリーセィック)のもとでストップモーションアニメーションのビジュアルデベロップメントアーティスト ゲーム会社にてアートディレクター、 母校美大Academy of Art Universityで講師4 年目 VRオキュラス ”ヘンリー”のビジュアルデベロップメントアート Dreamworks animationとPDI- Dreamworks13年 Imagi USA, CinderBiter( HenrySelick: Stopmoton animation)Freelance work: Arc Studios, Nickelodeon interactive, Occulus(Facebook), PDI-Dreamworks, Illumination studio, Activision, Google Pubished children’s books (絵本出版)など
日本とアメリカのアニメーションの違いは? • スタイル(絵柄)
• 予算
現代のアメリカの長編アニメーションは1980年代以降のディズニー映画の成功に
より多くのスタジオがその手法やスタイルに沿って作り出した。またディスニーの経
験者が他のスタジオに移り、似たような制作方法になる。
Don Bluth, Dreamworks, Pixar, Warne Bro, Blue Sky, Paramount, Sony, Foxなど
ディスニー映画のスタイル・手法とは?
2Dアニメーションの技法は3Dにも生かされている。
• 綿密な計画と、細分化されたパイプライン
• コミッティーによる映画のストーリー制作
アートの違いは?
• 日本は2D アートの長い歴史、浮世絵の世界
• 西洋のアートは光と影を使った絵画
Creating Visual development art for Animation Film 8
アニメーション映画のためのアート製作
Q.ビジュアルデベロップメントアーティストは何をするの?
ビジュアルでのストーリーテリング
映画のルックスを決める重要な仕事
• 映画のビジュアル(デザイン、カラーライティング)を決める
• 監督にビジュアルや設定などで感化させ、手助けする。
– 言葉の説明なしでそのシーンがだいたい何かが理解できる。
– 選ばれたコンテンツで明瞭に描く
– 見ている人をワクワクさせる絵が描ける。創造性豊か
• テクニカルな部分のビジュアル解説
• プロップ、エフェクト、テクスチャー、建設的な絵 •
ビジュアルデベロップメントのアートの種類
⒈ 初期のビジュアルデベロップメントのアート
”LOOK OF ART” (その映画のスタイル)の探求
初期の目的
• スタイルの追求
• スタジオのクルーへの喚起や興味を沸かせる
マダガスカル 1 初期のコンセプト by Yoriko Ito
マダガスカル 1 初期のコンセプト by Yoriko Ito
2.カラースクリプト 映画全体のカラーを節目ごとに大まかに決める
カラースクリプトの目的
映画全体の感情と雰囲気をカラーでシークエンスごとに構成し表現する。その話
の内容と感情のアップダウン(起承転結を使い分ける、キーカラーを使い分ける
時もある)
色、コントラストでストーリーを盛り上げる。
色と感情の関係
明るい色、暗い色、パステルカラー、リミテッドカラー
コントラストと感情の関係
ローコントラスト、ハイコントラスト
シークエンスごとにメリハリをつけること
3.カラーキー シークエンスごとにショットの色構成
カラーキーの目的
ライターへの細かな指示 • 色と雰囲気が大切、ストーリー性がある
• ストーリーボードをシークエンスごとに分けて担当。その場面を表す角度によってキーを作成
4.ロケーションデザイン
各ロケーションを全体的にデザイン、または部分的な
デザイン
• その場面全体を表す:Establish shot (広角レンズの
ショットが多い)
⒌ モメンタムショット 話の場面から:
Momentum shot
話の一部であり、感情を表す場面
モメンタムショットの目的
• 大きなピッチで用いる
• 大まかな映画のスタイル内容を見てわかる(スタジ
オのクルー用)
アクション場面:Action shot ( キャラクター中心が多い)
6.スタイルガイド:Style guide
目的
• 各部署(エフェクト、モデラー、ライター、など)への
アートディレクションの説明
8.ドリームシークエンス
(特別なデザインを必要とする)
目的
• セリフがないことが多く、ビジュアルの見せ所であり、
デザイン性が高く想像的なことが多い。
• ストーリーボードより細やかにビジュアルで話の説明が
できること
9.ストーリーピッチアート
(ストーリーピッチを手助けする)
目的
• ストーリーボードより詳細でもっと映画のイ
メージが想像出来る
• 各コマごとには描かずに要所を選んで描く。
10.キャラクターデザイン 8
専門職であり、そのデザイナーのスタイルで決まる。
仕事の流れ
1.
脚本の内容を監督やプロダクションデザイナーと 話し合
う。監督とPDの映画観、意見を聞き、理解する。そこで自
分の意見やアイデアをどんどん出す。ビジュアルで話を盛
り上げたりロケーションなども具体的に提案したりすること。
そこから自分なりにその映画をビジュアライズする。
3. アサインメント(アサインされた仕事)の手順
スケッチ> サムネイル> レイアウト> トーナルスタディー> トーナルレイアウト >
カラーキー> ファイナルペインティング
*ポイント その場面の状況を考える
• その話の内容に沿った場所背景設定のリサーチ(ネットを使ったり、それに関係した映画
を見たりや本などを読む)
• キャラクターからの視点:感情・恐怖、幸福、感激、悲観、暖かいか寂しいかなどその場
面の季節、時間帯(早朝、午前中、午後、夕方、夕日、夜、深夜)気候(晴天、雨、嵐、霧
、雪など)
• 決まってなければその場面に会った時間帯を選ぶ。場面の感情や状況から選ぶ。(例:
ロマンティック=夕日、ドラマテックな出来事=嵐、雷、雨、 憂鬱な出来事=霧、曇りな
ど)
レイアウトデザイン
あなたがシネマトグラファー
• 場面(ストーリー)にあったレイアウトのデザインを構成する。
• ストーリーボード(基本的な情報のみが多い。簡単なパースとキャラク
ターだけ、また3Dストーリーボードもカメラの動き追ったもの)を見てダイ
ナミックな監督を感化させる絵描くこと。
• レイアウトの技法で場面の感情やストーリーテリングを助ける
デザインが一番大切
レイアウトデザインの技法
1. 見ている人の視点の選択 Point of View (choice of POV) 2. 遠近法、パースペクティブ(目線の位置、1、2、3消終点eye level) 3. 三分の一の規則 Rule of Thirds 4. 左右対称と非対称:非対称の方が面白い、左右対称は安定的(例外
はあるが、避けることがおおい) Symmetric and Asymetrix composition
5. 広角レンズ(アクションに良い)とテレ画角(安定的)、その場面によって使い分ける。 Wide angle and Telephoto angle
6. オーバーラッピング (これによってレイアウトに距離感が出せる)Overlapping (foreground / mid ground/ far ground)
7. グルーピング=グループとしてまとめること Grouping (繰り返し、グルーピング、孤立したもの、ヒーロー的なもの)repeating, grouping, isolate object/hero object)
8. 視点を躍らす(リズム、流れ、方向性、これらはレイアウトを面白くさせるのに重要)Eye Moving (rhythm, flow, directions, pointing)
9. 遠近感とサイズ (類似の形の反復や平行なラインを避ける。使い分けることによって、絵の中に距離感が生まれる))
10. 常にネガティブの部分の形を意識する。Good use of Negative shape
ライティングデザイン
ライティングを使って感情表現とストーリーテリングする
• コントラストの多いものは?
• ローコントラストは?
• ハイキーとローキー
バリュースタディー(トーナル)
レイアウトに明暗をつけたもの。まず最初に グラフィックな形で明暗をつける。サムネイルのようにして幾つかライティングアイデ
アを出す。その中から最も適したものを選び、それを大きくしてもっと細かく明暗をつけたものをトーナルレイアウトと言う。
ライティングは非常に大切。デザインの大きな一部。
ライティングをするときの要点
1. 全体を見て影を使ってデザインをする。
2. キアロスクーロ=明暗 Chiaroscuro 明確な明暗でムードを作る
3. フォーカルポイントを作る (コントラスト・対比で対照的な部分、
一番明るいところ、一番暗いところ)
1. ムードを作る(ダイナミックな光、ドラマティックな光、柔らかい光、逆光)
2. 劇場ライト(人工的な光、スポットライト、逆光)
3. 自然光を使う(時間帯、朝、昼間、夕日、月光)
4. セコンドライトを使う (サイドライト)
5. 影(キャストシャドウ)をうまく使い、デザインする。
6. ローカルバリュー(その物体の持つ明暗)を考える。
7. アトモスフィアー(遠近感、スペース、距離を表す環境 空気の表現)
カラー・色
• メジャースタジオでは主に印象派的な色使いが多い
• 光を表す色使いとライティング(明暗)
• 色とライティングでの感情、時間、季節の表現
色使いのポイント
• フルカラー VS 限定色(リミテッドカラー)
• 冷たい色 VS 暖かい色 光の当たっているところ=暖かい色
影の部分=冷たいい色 午前中=クールライトが当たっているため全体的にと影はクールになる
午後=ワームライトが当たっているため全体的にと影は暖かかくなる
• キーカラーを使ってストーリーテリング フォーカルポイントを作る(孤立色、彩度が高い)
• ムード作り(パステル調の色、彩度の高い色、モノトーン)
• 劇場ライト (人工的な光、スポットライト、逆光)
• 自然光を使う(時間帯、朝、昼間、夕日、月光)
• 複雑なライトソースを駆使する (メインライトソース・トップライト・反射ライト・外から来るバウンスライト、2番
目のライトソース)ローカルカラー(その物体の持つ色)を考える。
• ハイライトには白を沢山使わない。(例外を除いて)
• アトモスフィア (雰囲気、遠近感、スペース、距離を表す環境,空気の表現)
Plein Air Painting 外でのペインティング
外でペイントすることで自然光での違った時間帯や天
候状態での複雑な色とライティングを勉強する。
• 写真からではわからないことがたくさん学ぶことができる。
• ペイントが早くなる。
• 見て目で実際に描いて覚える。
ボックススタディー
• 自然光の設定で、色の箱をペイントさせる。4−5つの色の箱の中に必ず
白と黒を入れる。
• ローカルカラーとバリュー(明暗)を光を当てた中で見る。
• 光があったているところと影の部分を冷たいと暖かい色で分ける
• 色々な光の入り方を(トップライト、レフレクティブライト、バウンスライト)を
見る。
• アドヴァンスではこれの人工的な光と月明かりで、そして部屋の中での状
況の箱を描く。
VR、バーチャルリアリティーのコンテンンツと違い character design by Willy: Guillermo
Wi
Oculus ”Henry”の制作
• デヴェロップメントは同じ
• 制作手順はほぼ同じ
• VR映画は短編アニメとしての要素、なんら変わり無い
• 一つの部屋での出来事=ロケーションが一つ
のためシンプルである
*違いについて
• ライティングがグローバルライティングが多い
• 映画のようにシーンがコンポーズできない
• 視聴者がどこを見るかわからない。(音やキャラクタの動きでストーリー視線を追わせる)
これからの映像業界は
• アニメーションの世界もグローバル化 。
• スタジオは何処へ?
インターネットの普及によりどこでも観れるなんでも観れる
• 仕事のグローバル化 = 仕事が色々な国へと流れている
• ワーキングスタイルの多様化
• オンラインデマンド、ソフトさえあればどこででも観れる。
• VR やMR の開発普及によってより自由に違った世界へ
• コンテンツを作るデベロッパーが増える
• 世界のどの国、人種にでも受け入れられるコンテンツ作り
• 映像供給者プロバイダーが増えスタジオの役目担う。Google, Amazon, Netflix, VRのコンテンツ会
社
ありがとうございました。
完