ノート指導...学力向上推進チーム 平成26年7月16日 No.2 思考過程がわかる...

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学力向上推進チーム 平成26年7月16日 No.2 思考過程がわかるノート指導 子どもにきれいなノートを作らせるのが目的ではありません。 子どものノートづくりに取り組むためには、教師は事前に授業を構想し、具体的な授業場面を想定 した指導の流れを明らかにしなければなりません。日々の取組が教師の子どもの見方を伸ばし、個に 応じた適切な指導につながります。 具体的には、 ・ノート指導における全校共通のルールを作り、共通理解を図る。 ・子どもと同じマス目のノートを教師も使用し、実際の授業場面を想定しながら板書計画を立てる。 ・子どものノートを基に、ノート分析を行い、子どもの変容と指導の手だてを明らかにする。 ・自力解決の意欲を高めるために有効な手だてをノートづくりを通して考える。 ・教科のノートづくりへの意識や関心・意欲を高める取組により、他教科へのノート指導が広がる。 このような取組を継続することが、子どもの学力向上とともに教師としての力量形成につながります。 ◇授業改善のポイント◇ ノート指導のルールの作成と共通理解 ノートは、思考力・判断力・表現力を高める学習 活動に欠くことができないものです。めあてをつ かむ・課題を解決していく・振り返る等各段階で 活用されます。 ノートは、子どもの思考の土台です 授業づくりの視点2【長浜市立虎姫小学校の実践から】 教師が変わる 授業が変わる 学校が変わる 日付 学習課題 自分の考え (自力解決) 友達の考え (ペア・グループ学習等) 学習のまとめ 適用問題 振り返り ※ノートは常に見開きにして使 い、2ページを1時間の学習 にあてると、学びの足跡が分 かりやすいものになります。

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学力向上推進チーム 平成26年7月16日 No.2

思考過程がわかるノート指導

子どもにきれいなノートを作らせるのが目的ではありません。 子どものノートづくりに取り組むためには、教師は事前に授業を構想し、具体的な授業場面を想定

した指導の流れを明らかにしなければなりません。日々の取組が教師の子どもの見方を伸ばし、個に応じた適切な指導につながります。 具体的には、

・ノート指導における全校共通のルールを作り、共通理解を図る。 ・子どもと同じマス目のノートを教師も使用し、実際の授業場面を想定しながら板書計画を立てる。 ・子どものノートを基に、ノート分析を行い、子どもの変容と指導の手だてを明らかにする。 ・自力解決の意欲を高めるために有効な手だてをノートづくりを通して考える。 ・教科のノートづくりへの意識や関心・意欲を高める取組により、他教科へのノート指導が広がる。 このような取組を継続することが、子どもの学力向上とともに教師としての力量形成につながります。

◇授業改善のポイント◇

ノート指導のルールの作成と共通理解

ノートは、思考力・判断力・表現力を高める学習活動に欠くことができないものです。めあてをつかむ・課題を解決していく・振り返る等各段階で活用されます。

ノートは、子どもの思考の土台です

授業づくりの視点2【長浜市立虎姫小学校の実践から】

教師が変わる 授業が変わる 学校が変わる

日付

学習課題

自分の考え

(自力解決)

友達の考え

(ペア・グループ学習等)

学習のまとめ

適用問題

振り返り

※ノートは常に見開きにして使

い、2ページを1時間の学習

にあてると、学びの足跡が分

かりやすいものになります。

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授業場面を想定した板書計画

子どもの変容と指導の手だてを明らかにするノート分析

。授業場面を想定し、板書計画を立てる

授業を構想する教師のノート 授業の板書

※本時のねらいを明らかにし、授業の流れや子どもた

ちの考えを思い描きながら、見開きにまとめたノート

をつくることは、教材を分析・研究する力になります。

※振り返りに書かせたい言葉を書くことで、どのよう

な授業を展開すればよいか見通しがもてます。

※指導のポイントを書いたり、授業後に改善点や授業

の振り返りを書き加えたりすることで、指導のポイント

が明確になります。

◇分析の仕方◇ 〔子どものノートは、学習後毎時間回収します〕 ※画用紙に抽出児のノートを貼り、余白に日付、本時のねらい、抽出児の学習の様子や変容などを書き入れていきます。

※子どもの様子を基に、その時の教師の支援はどうだったのか、その結果どのように変容したのか、今後の指導の重点は何かについて話し合います。

、、

まずは、一時間の授業について分析する授業研究会

をはじめてみましょう。慣れてきたら、一単元の分析を

して、継続的な指導のあり方を考えていくと、先生方の

授業の見方が変わってきます。

教師がノートを構想するメリット 子どものノート

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自力解決の意欲を高めるための手立て

子どもの変容と指導の手だてを明らかにするノート分析

。授業場面を想定し、板書計画を立てる 学習の足跡の提示

学習したことを掲示して残

していくことで、自力解決

の手がかりになります。

図と式を使った説明の仕方を掲示したり、前時のホワイトボードを見せたりすることで、ノート記述のモデルにします。

「前のノートを見てごらん。」

と振り返らせることで、自力

解決の手がかりを見つける

ことができます。

ノートの蓄積

説明モデルの提示

学習したことを、インデック

スをつけたり、綴じてまとめ

たりすることで、既習事項を

活用することができます。

ノートづくりへの意識や関心

・意欲を高める取組

★すべての子どもの学びを支えるポイント★ ○聞きながら書くことは難しい。「聞く時は、聞く」「書く時は、書く」といった時間を設定しましょう。 ○ノートを書いている子どもたちの様子をじっくりと観察しましょう。黒板を見てすぐに写せるとは限 りません。いくつかの子どもの困りポイントが見つかります。

○「書けない子」の書けない理由は一つではありません。いろいろな角度から考えてみましょう。

他教科への広がり 吹き出しに教師のコメント

を書き入れています。

よいノートを見ることで、

ノートづくりのモデルになり

ます。

教師のノート、板書、児童

のノートの三点を揃えた展

示。常時展示し、来校者にも

見ていただいています。

教科の特性に合わせて、指導上の

留意点やポイントをメモしたり、

準備物等も書いたりします。

全校でのノート指導の取組は、一教科

から、他教科へと広がり、教師のノート

・板書・子どものノートの三点による授

業分析ができるようになります。

社会

理科

教師の取組の広がり

◎「明日への一歩No1」で取り上げました「条件に合わせて書く取組実践」について、多数のお問い合わせがありました。実践を掲載させていただいた学校は、長浜市立びわ南小学校です。

ノートづくりの意欲を高める