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メンタルヘルスソーシャルワーカー(精神保健福祉...
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メンタルヘルスソーシャルワーカー(精神保健福祉士)の役割と課題
日本精神保健福祉士協会 柏木一惠
所属は公益財団法人 浅香山病院精神科医療福祉相談室
開院:大正11年11月
許可病床数:1171床
精神:14病棟 816床
(精神科相談室PSWは19名)
一般科:223床(MSWは5名)
・救急病棟50床×2、急性期病棟 60床、認知症治療病棟60床×2・療養病棟3棟、精神一般病棟3棟、・地域移行機能強化病棟60床、精神科身体疾患合併症病床50床、特殊疾患治療病棟60床ただし、稼働病床は700床にも満たない。診療科目 精神科・内科・外科・整形外科・泌尿器科皮膚科、眼科等
関連施設(社会福祉士を含め総勢50名のSWが配置)
老人保健施設2つ・訪問看護ステーション
ケアプランセンター・地域包括支援センター
特別養護老人ホーム
認知症疾患医療センター・認知症初期集中支援チーム
就労移行・就労継続A/B、相談支援事業所
地域活動支援センター、宿泊型自立訓練
デイケア(大規模2つ)
精神保健福祉士の就労分野~(公社)日本精神保健福祉士協会構成員の勤務先種別割合~
42.6%
21.2%
3.0%
3.5%
1.9%
3.6%2.2%
0.7%
1.3%0.1%
4.6%
0.1%0.4%
2.9%
1.9%
0.4%
9.0%
0.4%
日本精健福祉士協会構成員(N=11,341)病院・診療所等
障害福祉サービス事業所等
保健所・保健センター・精神保健福祉センター等
福祉事務所・児童相談所・保護観察所・教育委員
会等その他の国・都道府県・市町村
高齢者対象施設等
福祉関係施設
障害者職業センター等
社会福祉協議会
発達障害者支援センター
各種学校
ホームレス支援
更生保護施設、矯正施設等
個人事務所・一般企業・民間相談機関等
その他
勤務先はあるが種別不明
ソーシャルワーク専門職のグローバル定義
◦ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、及び地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるように、人々や様々な構造に働きかける。
◦ソーシャルワーク専門職の中核となる任務には、社会変革・社会開発・社会的結束の促進、および人々のエンパワメントと解放がある。
精神保健福祉士とソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーとは、生活する上で困っている人々や生活に不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々に対し、関係を構築し、問題解決のための援助を提供する専門職の総称。被援助者のエンパワメントを促し、その人を取り巻く社会的環境にも働きかけることを特徴とする。
制度創設時に求められた精神保健福祉士の役割は「精神障害者」の社会復帰を支援する人材
ソーシャルワークは貧困、剥奪、社会的不利益を被っている人々とともにある。社会的入院者は、国策による社会的排除(国民の差別意識もまたそれによって醸成された)によって、市民権を剥奪された人々である。この社会の不平等・不公平の問題に取り組まずに、ひとの尊厳を守るソーシャルワークの実践はありえない。
用語の整理“精神保健福祉士”
国家資格名称:1997年12月以降「精神保健福祉士」
それ以前の通称:精神医学ソーシャルワーカー(Psychiatric Social Worker/PSW)
今後目指す名称:メンタルヘルスソーシャルワーカー(Mental Health SocialWorker/MHSW)
ソーシャルワーカー
精神保健福祉士(資格未取得者=PSW)
社会福祉士
精神医学ソーシャルワーカー(PSW) ⇒MHSW
精神保健福祉士
1998年
広がる精神障害者の定義。PSWのカバーする領域も核から周縁へ。
精神保健福祉法
この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。
障害者基本法
身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
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メンタルヘルス課題を持つ国民
福祉的支援を必要とする精神障害者
医療的支援を必要とする精神障害者
医療にかかっている精神障害者は392万4千人
障害福祉サービス等を利用している精神障害者は約16万人、手帳所持者は80万人弱。
格差社会とメンタルヘルス(WHO健康の社会的決定要因から)◦ 社会経済要因、なかでも貧困は、人における疾病と死亡の最大の要因。
◦ 健康状態の差は、ライフスタイルや環境、保健医療の違いによって起こるが、これらを決定しているのは政治的、社会的、経済的要因。生まれついた社会によって健康格差ができることは、本人の責任ではなく、社会が引き起こしている不公平。
◦ どの社会でも、社会階層が低くなるほど、平均寿命は短く、多くの疾病がみうけられる。これは、資産のなさ、教育程度の低さ、不安定な仕事、貧しい住環境などによる社会的経済的ストレスの多い状況での生活が影響する
◦ 慢性的なストレスの根本要因を減らすために、学校、職場、その他の組織における社会的環境のありかたは重要
◦ 幼少期の発達と教育が健康に及ぼす影響は、生涯続く。貧困、社会的排除、差別は、困窮や憤りを引き起こすことで、命を縮める。絶対的貧困のみならず、相対的貧困は、世間並みの住環境、教育、交通といった、積極的に生きていくことに不可欠なものを遠ざけてしまう。社会的排除は、人種差別などの差別、スティグマ化(レッテル貼り)、敵意、失業でも生じる。貧困と社会的排除により離婚、別居、障害、病気、薬物使用、社会的孤立などの危険性が高まり、それがまた貧困や社会的排除をもたらすという悪循環を生み出す。
◦ 友情、良好な人間関係、強いサポートネットワークは、家庭、職場、地域社会における健康を推進する。社会的に支えられていると感じることが、生きていく上での精神的、現実的な励みとなる。他者からの社会的・精神的な支えを期待できない場合、人々の健康状態は悪化しやすい。
日本のメンタルヘルス課題は?
従前の医療・医学の在り方では対応不可能な課題へのニーズが高い。狭い意味での「精神科医療」の提供のみでは解決できないメンタルヘルス課題が増大している。
1.対人関係の複雑化による発達障害児(者)の適応困難
2.妊産婦の自死、児童虐待の背景にある周産期精神障害
3.児童・思春期のいじめによる不登校、引きこもり。自死(自殺者総数は減少しているが、若者の自殺は漸増)など。
4.働き方改革を要する過重労働やリストラ、非正規雇用による社会・経済的要因による労働者の精神障害。
5.高齢化の進行による認知症の増加は、認知症を取り巻く新たな社会問題(社会的入院、介護うつ、介護難民、虐待など)を誘発する。
6.頻発する災害と長引く避難生活によるストレス
7.薬物・ギャンブル障害等の嗜癖性障害(アルコール依存症、不法薬物の使用や喫煙は全て社会的・経済的に不利な状況と密接に関わっている。貧しい住宅事情、低賃金、孤立した親、失業、ホームレスといった社会的喪失と喫煙率の高さおよび禁煙率の低さは表裏一体である。(WHO健康の社会的決定要因から)
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発達障害支援センター
ライフサイクルにおけるメンタルヘルス課題
胎生期 乳幼児期 学童期 思春期 成人前期 成人後期 老年期
人 の 生 涯
メンタルヘルス課題
対
応
機
関
保 健 所・精神保健福祉センター・市町村保健センター
医 療 機 関
・母体に加わる有害因子(アルコール・薬物)・マタニティブルー・産褥期
・親による虐待,ネグレクト
・育児不安
・学校への不適応・行動異常・不登校・心身症,チック,緘黙・いじめ,非行・ADHD
・不登校・家庭内暴力・校内暴力・ひきこもり・自殺企図・神経性食欲不振・社会的逸脱行動
・社会的ひきこもり・ニート・統合失調症等の精神疾患・燃え尽き症候群
・中年の危機・アルコール・うつ状態・自殺
・健康不安・喪失体験と孤独・自殺・認知症・うつ状態
学 校
児童相談所 産業保健機関(職場内外)
EAP機関
地域包括支援センター
矯正施設・司法機関
医師、保健師、看護師、教師、スクールカウンセラー、臨床心理士、産業医との多職種協働の中にあって、クライエントの福祉的課題に機関内外の精神保健福祉士が
対応
災 害 PTSD
救命救急センター ターミナルケア
地域自殺対策推進センター
高次脳機能障害相談支援機関
家庭・学校・職場・地域などの各領域認知症疾患医療センター
子どもと精神保健福祉士(スクールソーシャルワーク領域)
◦ 子どもたちの置かれている現状の課題
地域社会
家庭子ども
ひとり親
発達障害
ゲーム依存
不登校 いじめ
非行
虐待
精神疾患
孤立
貧困
ひきこもり
非正規雇用
災害
義務教育すべての子どもが対象
自殺
認知症格差
子どもの問題の背景に各ライフサイクルのメンタルヘルスの問題が複合的に絡んでいることや支援未介入の問題も存在する
スクールソーシャルワーカー
学校をベースに問題を人と環境の関係性で捉えて支援
交互作用交互作用
リストカット
交互作用
依存症と精神保健福祉士(薬物依存症)
薬物依存によって引き起こされる問題
地域社会家庭本人
ひとり親/両親不仲
発達障害
うつ病などの精神障害
不登校孤独・いじめ
非行・犯罪
虐待
精神疾患
孤立
貧困
ひきこもり
非正規雇用・失業
災害自殺
格差
薬物依存の問題の背景にも各ライフサイクルのメンタルヘルスの問題が複合的に絡んでいることや支援未介入の問題も存在する
1.健康問題2.経済・労働問題3.非行・犯罪問題4.事故と自殺5.家族問題と子どもの問題
交互作用
交互作用
対人関係が苦手
薬物依存症への対策~精神保健福祉士の課題予防①薬物依存症に関する啓発②薬物乱用防止教育の充実③相談窓口とその周知④薬物対策の充実(司法と医療の連携、啓発活動による危険性の周知など)更生と治療と社会復帰①治療機関の増加と充実②回復施設の増加と充実③更生と回復と社会復帰のための連携
社会の変動に対応できない社会保障制度が社会の病理を拡大する
◦ 社会保障費削減は、生存権を脅かし、貧困や格差をさらに拡大していく。精神障害者の生活を脅かすだけでなく、社会保障制度が脆弱化すれば、雇用や労働条件の悪化にもつながり、それが気分障害等のリスクファクターとなる。介護の必要な人が経済的条件によって利用できなくなり、家族負担が増大する可能性もある。そしてそのことが介護うつや自殺など新たなメンタルヘルス課題を生み出していく。
SWなら注目しよう!社会保障制度の行方
◦ 1.社会保障・税一体改革
◦ 2.生活保護制度改革
◦ 3.少子化対策、子ども・子育て支援制度
◦ 4.医療・介護制度改革
◦ 5.公的年金制度改革
◦ 6.障害者総合支援法 などなど
新たに顕在化する、地域で暮らす精神障害者の問題
◦ 8050問題とは、ひきこもりの長期化などにより、本人と親が高齢化し、支援につながらないまま孤立してしまうこと。1980年代に「ひきこもり」が社会問題となったが、30年たった今、当時10代~20代だった人が40代~50代になり、親の世代が70代~80代と高齢化し、深刻な問題になっている。その中でも、もっとも深刻なのが、精神障害のある子どもとその親の孤立化。精神的に追いつめられた子どもが親に暴力をふるったり、それに耐えかね、また将来を悲観した親が我が子を手にかけるといった事件は、近年、後を絶たない。(親亡き後問題も同根)
◦ ゴミ屋敷、ネグレクト、虐待、支援拒否、依存症や執拗な妄想による近隣とのトラブルなど様々に地域社会で起きる困りごとは、精神障害と関係している(と言われている)
早期発見、早期対応、予防の観点と言われても、問題が浮上してきた時点ですでに対応困難。問題の顕在化に並行して、社会的排除が進行する。
誰が担う?この地域の課題◦ でも家族が困っても、地域住民が困っても、地域の支援者が困っても、どこも責任をもって対応してくれない。その先にあるのが寝屋川監禁死事件、三田市監禁事件ではないか。かの親たちはなぜここまで追い込まれたのか、なぜ家族だけで抱え込んだのか、なぜ助けを求めなかったのか?
◦ 孤立死(孤独死)も生あるうちに地域社会との接点を持たず、支援にアクセスできなかった結果ともいえる。孤独死とは、生存時に無縁社会で生きたという証明のようなもの。
◦ 行政は、個人情報の壁や本人の意思に反する支援はできないという錦の御旗を振りかざす。
◦ 日本の制度やサービスの申請主義が悲劇を助長する。
◦ 弱体化した家族に、教育・福祉・介護を期待し、さらには扶養を押し付ける日本の社会保障制度。家族依存社会の重圧が経済的にも社会的にも心理的にも家族を追い詰めていく。
◦ こうして治療や支援を受けることができない障害者とその家族は高齢化や孤立化がすすみ、さらに受診困難・支援困難となって、問題を益々深刻化させていく。
病める社会と戦う覚悟は?
◦格差が生み出す不寛容な社会◦ ひとびとによる過剰な批判やバッシングなどが、いつの時代より増殖しているように感じる。ヘイトスピーチ、ブログやTwitterの炎上、多種多様なクレーマーの存在。➡こどものいじめ、障害者差別、大人のうつなどが不寛容社会のスケープゴートとなっている。
◦共生社会◦ 多様な負の条件を持つ人々と共に生きることは、様々な対立や軋轢を覚悟しなければならないかもしれない。それでもなお社会を構成する全ての人々が多様な人々と共に生きることの責任と覚悟をもってはじめて、すべての人々の尊厳が守られる共生社会の実現が可能になる。
◦つねに社会から排除される側に立ち、その人権を擁護することを使命とする精神保健福祉士は不寛容社会に抗い、排除する側に変革を迫り、真の共生社会の実現に力を尽くしていく社会的責務がある。
◦病める社会が生み出す様々なメンタルヘルス課題は、社会の変革なしに解決できない。社会からの挑戦、精神保健福祉士に受けて立つ覚悟と力はあるだろうか?