リップルウィークリーレポート FXcoin · ETH...

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2020 May27 Topics 松田 康生 米国からメキシコへの本国送金フローの約 10%がリップル ODL を利用 リップルのデベロッパーリレーションズ責任者であるウォーレンアンダーソンは、グローバルな送金会社 が ODL を介して、米国とメキシコ間の”remittance corridors(送金回廊:二国間の送金フローのこと)”の 10%以上を処理しているとコメントした。ケンブリッジ英英辞典によれば、この”remittance”には単なる送 金と”money that is sent by a foreign worker back to their own country”という意味がある。世界銀行によ れば 2019 年にメキシコへの「送金」は推定 385 億ドル(約 4 兆円)でその 9 割以上が米国からの送金で あり、年間 3000-4000 憶円の ODL フローがある計算になる。これはもう試験段階ではなく完全に経済活 動の一部となっている。因みに新技術が爆発的に普及を始める臨界点クリティカルマスは 16%とも言われ ている。 (5 月 26 日 THE DAILY HODL) リップル CTOXRP ベースのステーブルコインは 2 つの世界を統合 リップル社 CTO デビット・シュワルツ氏は、XRP とテザーとの比較で、運営会社への信用でなりたってい るテザーには限界があり、XRP の方がより普遍的だとする一方で、XRP の価格変動に弱みがあるとした。 記事では同氏が以前から XRP レッジャーで独自のステーブルコインを作成できる様に取り組んでいること から、実現すれば両者の長所を集められるとしている。ただ、XRP など既存トークンは価格変動が大きく 決済に向かず、その点ステーブルコインが送金の問題を解決できるとするのは勘違いだと考える。送金人 と受取人が同じ通貨を使うのであればそうとも言えるが、通貨が異なるケースでは、どちらかの通貨に寄 せるか、ブリッジに USD などを使用することになり、ステーブルコインでも変動リスクは残る。しかしブ リッジに USD を使用すると、もれなく米銀のコルレス口座を経由することとなり時間もコストも要する。 そのブリッジの役割を XRP は取って代わろうとしている訳だ。 (5 月 26 日 CRYPTO NEWS FLASH) Weekly Head Line 5 月 21 日 リップルの幹部が米国高速支払い評議会ワーキンググループに参加 XRPARCADE リップル社の製品担当ディレクター、クレイグ・デヴィットは、米国高速決済協議会ワーキンググループに 参加。メンバーは他に FRB・VISA・Master Card・AMEX・BONY など。 5 月 23 日 XRP Ledger を利用したバンキングアプリ Xumm Xpring BITTIMES Xpring は XRPL Labs が開発するバンキングアプリ Xumm を「一般的な仮想通貨ウォレットとは違い、ユー ザーが"自分の銀行"を持てる様々な機能を提供」と紹介。同アプリはベータ版が 4 月に公開されている。 5 月 24 日 Blockchain.com が XRP を取扱開始 XRPARCADE Blockchain Explorer などで有名な Blockchain.com の交換所で XRP の取扱開始。USD 建てと EUR 建てで プライスされている。 5 月 25 日 米国とヨーロッパの間の XRP 送金ボリュームが急増 Crypto News Flash リップルの CTO、デビッド・シュワルツは、EUR / USD ペアでの ODL 使用額が 1 日 150 万ドル増加した ことを確認、効率的で流動性が高いハードカレンシーでも有用と考える顧客が存在したとコメント。 5 月 25 日 仮想通貨取引所バイナンス、ETH、XRP のオプション取引を開始 Cointelegraph ETH にオプションはデリビットなどで提供されているが、XRP では初めて。Option 価格からイールドカー ブの理論値を逆算することも可能となる。 著作権表示@2020 FXcoin 株式会社 本レポートは一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりません。レポート内のいかなる情報又 は意見も、仮想通貨の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありませ ん。本レポートは信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社はその正確性、 適時性、適切性又は完全性を表 明又は保証するものではありません。本レポートは予告なしに内容が変更されることがあります。本レポートは著作物であり、著作権法 により保護され ております。当社の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家へ配布することはできません。 FXcoin リップル ウィークリー レポート

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2020 May27

< Topics > 松田 康生

米国からメキシコへの本国送金フローの約 10%がリップル ODLを利用

リップルのデベロッパーリレーションズ責任者であるウォーレンアンダーソンは、グローバルな送金会社

が ODL を介して、米国とメキシコ間の”remittance corridors(送金回廊:二国間の送金フローのこと)”の

10%以上を処理しているとコメントした。ケンブリッジ英英辞典によれば、この”remittance”には単なる送

金と”money that is sent by a foreign worker back to their own country”という意味がある。世界銀行によ

れば 2019 年にメキシコへの「送金」は推定 385 億ドル(約 4 兆円)でその 9 割以上が米国からの送金で

あり、年間 3000-4000 憶円の ODL フローがある計算になる。これはもう試験段階ではなく完全に経済活

動の一部となっている。因みに新技術が爆発的に普及を始める臨界点クリティカルマスは 16%とも言われ

ている。 (5 月 26 日 THE DAILY HODL)

リップル CTO:XRPベースのステーブルコインは 2つの世界を統合

リップル社 CTO デビット・シュワルツ氏は、XRP とテザーとの比較で、運営会社への信用でなりたってい

るテザーには限界があり、XRP の方がより普遍的だとする一方で、XRP の価格変動に弱みがあるとした。

記事では同氏が以前から XRP レッジャーで独自のステーブルコインを作成できる様に取り組んでいること

から、実現すれば両者の長所を集められるとしている。ただ、XRP など既存トークンは価格変動が大きく

決済に向かず、その点ステーブルコインが送金の問題を解決できるとするのは勘違いだと考える。送金人

と受取人が同じ通貨を使うのであればそうとも言えるが、通貨が異なるケースでは、どちらかの通貨に寄

せるか、ブリッジに USD などを使用することになり、ステーブルコインでも変動リスクは残る。しかしブ

リッジに USD を使用すると、もれなく米銀のコルレス口座を経由することとなり時間もコストも要する。

そのブリッジの役割を XRP は取って代わろうとしている訳だ。 (5 月 26 日 CRYPTO NEWS FLASH)

< Weekly Head Line >

5 月 21 日 リップルの幹部が米国高速支払い評議会ワーキンググループに参加

XRPARCADE リップル社の製品担当ディレクター、クレイグ・デヴィットは、米国高速決済協議会ワーキンググループに

参加。メンバーは他に FRB・VISA・Master Card・AMEX・BONY など。

5 月 23 日 XRP Ledger を利用したバンキングアプリ Xumm

Xpring

BITTIMES

Xpring は XRPL Labs が開発するバンキングアプリ Xumm を「一般的な仮想通貨ウォレットとは違い、ユー

ザーが"自分の銀行"を持てる様々な機能を提供」と紹介。同アプリはベータ版が 4 月に公開されている。

5 月 24 日 Blockchain.com が XRP を取扱開始

XRPARCADE Blockchain Explorer などで有名な Blockchain.com の交換所で XRP の取扱開始。USD 建てと EUR 建てで

プライスされている。

5 月 25 日 米国とヨーロッパの間の XRP 送金ボリュームが急増

Crypto News

Flash

リップルの CTO、デビッド・シュワルツは、EUR / USD ペアでの ODL 使用額が 1 日 150 万ドル増加した

ことを確認、効率的で流動性が高いハードカレンシーでも有用と考える顧客が存在したとコメント。

5 月 25 日 仮想通貨取引所バイナンス、ETH、XRP のオプション取引を開始

Cointelegraph ETH にオプションはデリビットなどで提供されているが、XRP では初めて。Option 価格からイールドカー

ブの理論値を逆算することも可能となる。 著作権表示@2020 FXcoin 株式会社 本レポートは一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりません。レポート内のいかなる情報又は意見も、仮想通貨の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するものではありませ ん。本レポートは信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社はその正確性、適時性、適切性又は完全性を表 明又は保証するものではありません。本レポートは予告なしに内容が変更されることがあります。本レポートは著作物であり、著作権法 により保護されております。当社の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家へ配布することはできません。

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