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1. 観点 2. 1) パーキンソン病の全身振動療法に関する実態調査

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八戸工業高等専門学校紀要第 45  号 (2010, 12)

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( 原稿受付 :2010 年 9 月 24 日 )* 機械工学科** 青森県立保健大学健康科学部理学療法学科

1. はじめに

本研究はパーキンソン病の運動症状および非運動症

状の緩和を目的とした全身振動療法について実態調査

を行い, 医学的および工学的観点からみた諸問題の提

起および議論について報告する。

2. パーキンソン病 1)

パーキンソン病 (Parkinson's Disease:以下 PD) は,

イギリスの医師 J. Parkinson が 1817 年に初めて報告し

た病気である。 当時は振戦麻痺と呼ばれており, 1888

年に J.-M. Charcot が再評価し, 彼の提唱によりパーキ

ンソン病と呼ばれるようになった 2)。

病因は主に中脳の黒質にあるドパミン産生細胞が変性

しドパミン量が減少するためである。 通常, 年をとるに従

い, 脳の神経細胞は減少していくが, PD では通常の加

齢による減少よりも神経細胞が著しく減少する。 また, ド

パミンが減少してしまうと, もう一つの神経伝達物質であ

るアセチルコリンとのバランスが崩れ, アセチルコリンの

作用が相対的に勝った状態となり, 結果として PD の症

状が出てくる。 現時点でなぜ黒質の神経細胞が減少す

るのかはわかっていない。

PD は, 10, 20 代に発病する若年性パーキンソニズ

ムを除いて主に中高齢者 (40 ~ 50 歳以降) に発症し,

ゆっくりと進行する神経変性疾患である。 日本では人口

10 万人あたり 100 ~ 150 人の患者がいるとされている。

65 歳以上ではさらに増加するといわれている。

PD の運動症状は安静時振戦, 筋固縮, 無動または

寡動, 姿勢反射障害という四大症状が顕著にみられる。

また非運動症状は, 睡眠障害, 自立神経障害 (便秘,

発汗過多,流涎,あぶら顔,起立性低血圧,排尿障害),

精神障害 (うつ, 躁, 意欲低下, 幻想, 妄想), 認知

機能障害, 感覚障害が挙げられる。

現時点で PD を根治する治療法はなく特定疾患 (難

病) に指定されている。 ただし生命予後 (寿命) は一

般人とほぼ同じであり, 故に対症療法が基本となり, 治

療の目的は症状を軽減し日常生活を改善することにあ

る。 一般的な薬物治療法では, 主に不足しているドパミ

ンを補うことで症状を緩和することである。 体内でドパミ

ンに変化する L -ドーパやドパミンの代わりに脳に働き

かけるドパミン受容体刺激薬が用いられる。 ただし L -

ドーパの長期治療ではその効果の減弱, 症状の日内変

動, 幻想や妄想, ジスキネジア (不随意運動) などの

副作用も問題となっている。 外科的療法では定位脳手

術が行われている。 薬物治療法などでコントロールが困

難である場合, 定位脳手術は主に, 振戦を和らげるた

めに脳の視床と呼ばれる部位に電極で極小さな凝固巣

をつくる方法と, 動作緩慢に対して行われる淡蒼球内節

の手術がある。 最近では電気凝固による破壊ではなく,

脳に電極を刺入留置による脳深部電気刺激 (DBS) が行

われることが多い 3)。

いずれの療法にしても, 運動機能を改善するためのリ

ハビリは欠かすことはできない。

現在の医療現場では, 一般的に Hoehn-Yahr の重症

度分類 4) が指標として用いられている。 PD 患者が医療

ケアを受ける際に治療方針の目安となるもので, 進行の

過程が重症度に応じて 5 段階に分類されている。

1度 : 一側性の症状

2度 : 両側性の症状

3度 : 姿勢反射障害 ( 歩行障害 ) が加わる

4度 : 姿勢反射障害が憎悪, 介助が必要

5度 : 寝たきり

この分類から見た病気の進行はゆっくりで, 一気に何

段階も進行することはない。 また, 特定疾患 ( 難病 ) 申

請が可能なのは3度以上のみである。

一方で PD を総合的に評価する基準として, 1987 年

にパーキンソン病統一スケール (Unified Parkinson's

パーキンソン病の全身振動療法に関する実態調査

黒沢 忠輝* ・佐藤 勝俊* ・神成 一哉** ・尾﨑 勇**

A Survey of the Actual Condition of Whole Body Vibration Therapy in Parkinson's Disease

By Tadateru KUROSAWA , Katsutoshi SATO , Kazuya KANNARI , Isamu OZAKI

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Disease Rating Scale: 以下 UPDRS) が制定され 5), 世

界中の研究者や医師に広く利用されている。 これは以下

の4つのサブスケールに分けられており,

   Part.1 精神機能, 行動および気分

   Part.2 日常生活動作 (ADL score)

   Part.3 運動能力検査 (Motor score)

   Part.4 治療の合併症

全体で 42 の項目を基本的に 5 段階に分けて点数で

評価して, 重症度を点数で表す。 176 点満点で, 点数

が高いほど重症度が高い。 しかしながら不備な点も指摘

されており, その改訂版である MDS-UPDRS が 2008 年

に発表された 6)。 今後これを用いた研究も増えてくるもの

と考える。

3. 全身振動療法

3.1 神経障害に対する全身振動療法の歴史

神経障害に対して, 全身振動療法は古くから実践さ

れ治療効果がすでに確認されている。 その方法のひと

つに乗馬療法がある。 紀元前 400 年ギリシャで 「負傷

した兵士を移動させる際, 馬に乗せたところ思いがけず

治療効果が上がった」 という記録が残っている。 さらに

1875 年パリで乗馬が麻痺を伴う神経障害にきわめて有

効な療法であることが発見され, 乗馬療法として発達し

世界的に実施されている。 また, 近年の技術の発展に

より乗馬シミュレーター装置が開発され 7), 健康増進器

具として市販されている。

一 方, PD に 対 す る 振 動 療 法 は, 1892 年 J.-M.

Charcot により振動する椅子を用いて始められた 8) が,

彼の死後その研究は忘れ去られた。 しかし近年になり簡

易な全身振動刺激装置が市販されるようになり, それら

を用いた研究が報告されるようになってきた。

3.2 全身振動

全 身 振 動 (Whole Body Vibration : 以 下 WBV) は

近年発展している神経系のトレーニング法のひとつであ

る。 振動を発生させるプラットホームの上に人間が直立

や座位などの様々な姿勢で振動刺激を受けながら姿勢

維持や運動を行うものである。 WBV トレーニングは, は

じめはアスリートにのみに行われていたが, 近年は筋骨

格系および神経系にさまざまな兆候を生じることがわか

り, スポーツ ・ 健康分野では, トレーニング時間の短縮,

筋強度の増大, 柔軟性の向上, 体バランスの向上など

の効果が確認されている。 また医療分野では, 骨形成

促進 (骨粗鬆症), 疼痛緩和 (線維筋痛症), 運動機

能治療 (多発性硬化症, PD) などリハビリテーションや

神経系治療などへの応用が検討されている。 Karel H.

Madou らは, 5 つの振動装置を用いてさまざまな疾患を

持った 14 人を対象に, 実験を行った結果, 姿勢安定

性, 筋力, 骨密度が向上したことを報告している 9)。 T.

Trans らは, 二つの振動装置を用いて, 52 人の女性を

対象に, 25 ~ 30Hz で振動させ, 1週間に2日, それ

を8週間継続させた結果, 膝腱と大腿四頭筋の筋力が

向上したことを確認している 10)。 Jason Hand らは, 一つ

の振動装置を用いて, 50Hz 振幅 4mm, 60 秒を2セッ

ト (セット間休憩 30 秒) で, 1 週間に 3 日, これを 10

週間実行した結果, 腕の筋力が向上したことを報告して

いる 11)。

一方, 近年 PD 症状に対する WBV 刺激の影響につ

いても報告が行われ始めた。 Haas CT らは PD 患者 68

名に対し振動刺激を一定期間与えた結果, UPDRS が

約 15%改善し, 特に振戦と筋固縮症状の緩和を報告し

ている 12)。 Ebersbach G らは PD 患者のバランス障害と

歩行障害に対する WBV と従来の Physical Therapy と

の比較を行い, WBV による改善を報告している 13)。 ま

た, Arias P らは PD 患者に対する WBV とポラセボ効果

の考察を行い 14), PD 患者はプラセボ効果が顕著である

ことを報告している。

4 . 全身振動刺激実験

本実験は PD 患者に WBV を実際に処方する場合,

具体的な課題を探求すべく, 健常者を被験者として全

身振動刺激実験を行った。 その結果および WBV 体験

を基に工学的および医学的観点から考察する。

4 .1 実験装置および実験方法

図 1 に 全 身 振 動 刺 激 装 置 (SIS 株 式 会 社 : Beauty

Seven) を示す。 全身振動刺激装置のプラットホームは

シーソー型で, 左右交互に上下運動する。 振動数は

3.8Hz ~ 12.0Hz の 20 段階に設定でき, 振動の片振幅

は最大で 6.5mm である。

実験方法は, プラットホームに被験者が立ち, 4.3Hz

~ 10.7Hz の間を毎分変化する 10 分間の振動プログラ

ムを運転し, 被験者の全身に振動による刺激を与える。

これを 1 日 1 回,7 日間継続する。 被験者は 2 名であり,

1名は運動習慣のあまりない女性を被験者 A とする。 も

う 1 名は日常より筋力トレーニングを施している男性であ

り被験者 B とする。 いずれも年齢は 20 歳である。

全身振動刺激実験の評価は, 筋硬度, 筋電値, 柔

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21パーキンソン病の全身振動療法に関する実態調査

軟性, 平衡感覚, 歩幅の 5 種類を測定した。 これらは

医療行為を含まず, 被験者を傷つけず簡易に測定でき

るためである。

4.2 測定結果

4.2.1 筋硬度  デジタルフォースゲージ (AND 社製

AD-4932A-50N) を用い, 一定距離を押しつけたときの

筋肉の上腕と下腿の筋肉の反発力を測定した。 図2に

被験者 A, 被験者 B それぞれの実験前と WDV 後の筋

硬度の測定結果を示す。 被験者 A の場合, 上腕には

あまり変化が見られないが, 下腿および大腿の下半身

には筋硬度の変化が見られた。 被験者 B の場合には,

全体的に WDV の影響は見られない結果となった。 これ

は被験者 A が普段運動をあまり行わないことから, WBV

が何らかの運動刺激となったと考えられる。 被験者 B は

普段から運動を行っているため, WBV の影響があまりな

いものと思われる。

4.2.2 筋電値 筋電計 ( 日本光電 RM-5 POWER UNIT)

を用いて, 肘および膝を屈伸させ各筋肉を数回収縮させた

時の筋電値を測定し, ピークの平均値を求めた。 測定箇所

は筋硬度を測る筋肉と同じだが, 対となっている筋肉を同

時に測定した。 対となっている筋肉は橈側手根屈筋と橈側

手根伸筋, 上腕二頭筋と上腕三頭筋, 前脛骨筋と下腿三

頭筋, および大腿四頭筋と大腿二頭筋である。 図3に被験

者 A, 被験者 B それぞれの実験前と WDV 後の筋電ピーク

値の測定結果を示す。 被験者 A の場合, 全体的に WBV

後の筋電値が大きくなっているが, 被験者 B の場合には筋

 

図1 全身振動刺激装置

肉の部位によって結果がバラバラとなっており結果自体の

信憑性が問われる。 これは測定装置の電極が劣化してい

たことから生じたものであるが, WBV の影響は筋電値に

よっても確認できることがわかった。

4.2.3 柔軟性 WBV 前後に長座体前屈の測定を行

い, 柔軟性の変化を確認した。 測定はデジタル長座体

前屈(竹井機器工業)を用いた。 図4に測定結果を示す。

被験者 A,B ともに WBV による柔軟性の向上は明白であ

る。

4.2.4 平衡感覚 WBV 前後に目を閉じて片足立ちを継続

できる時間 (単脚閉眼時立位時間) を測定した。

図5に測定結果を示す。 被験者 A,B ともに WBV によ

る平衡感覚の向上していることがわかる。

4.2.5 歩幅 WBV 前後に 20 歩歩いたときの距離を

測定し, 平均歩幅を算出した。 図6に測定結果を示す。

被験者 A, B ともに WBV による歩幅向上は明白である。

図2 筋硬度

Control Panel

Guide Bar

Platform

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22 黒沢  忠輝 ・ 佐藤  勝俊 ・ 神成  一哉 ・ 尾﨑    勇

5. 考察

本実験を通じて WBV が運動機能に影響を及ぼすこ

とを確認することができた。 しかしながら本実験も試行に

過ぎない。 先行研究においてもそのほとんどが試行であ

り, 健常者や運動機能障害者に対し市販の WBV 装置

でそれぞれが個々に設定した期間の治験を行った結果

を述べているが, 実際に WBV で明らかにすべき点は多

岐に渡る。

5.1 振動刺激の性質

PD 患者に対し加える振動の種類, 周波数, 振幅,

方向と症状改善効果の関係を明らかにしなければなら

ない。 また振動を与える1回の刺激時間, 週に何回か,

継続期間の設定を定量化できるのか, または重症度や

対応する症状に応じた設定が必要なのかをも含む。 これ

は WBV 刺激が患者の何処に作用した結果, つまり中

脳黒質なのか, 三半規管なのか, 神経伝達系全体なの

か, 筋骨格系なのか, それともそれら全部への刺激の

結果なのかを追求することも必要となるだろう。 また, 患

者が刺激を受けるときの姿勢についても検討しなければ

図3 筋電ピーク値

ならない。 健常者は立位や座位など自分自身で様々な

姿勢を保つことができるが, 特に PD 患者は重症になる

ほど自立保持が難しい。 安定した座位か仰臥位または

伏臥位で加振できる装置の開発が必要である。

図4 長座体前屈

 

図5 単脚閉眼時立位時間

図6 歩幅

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23パーキンソン病の全身振動療法に関する実態調査

5.2 振動刺激の抱える問題点

産業界ではさく岩機, 鋲打機, チェンソー等の振動

工具を取り扱うことにより, 身体局所に振動ばく露を長年

受けた結果, 手指 ・ 前腕等の末梢循環障害や末梢神

経障害および運動機能障害やレイノー現象の局所振動

障害を生ずることが知られている 15)。 また, 全身振動の

場合, 低周波では車や船酔いなどにみられる一過性の

自律神経機能失調状態を生ずる場合があることが知られ

ているとともに, 全身振動が筋骨格系, 特に腰椎に有

害に作用する研究報告が多数ある。 Bovenzi らは, バ

ス, 鉄道, トラクターなどの産業車両で従事する者の全

身振動への職業性曝露が腰部椎間板障害を含む腰痛,

坐骨神経痛, 脊柱の退行性変化のリスク増大と関連して

いることを報告している 16)。 また Burdorf らは全身振動

が腰痛発症のリスクファクターであることは文献的に明ら

かであると述べている 17)。 さらに種々の研究において,

全身振動曝露は頚肩障害, 消化器障害, 循環器障害,

聴覚障害および生殖器障害の危険があるとも言われて

いる。

一方, 日本工業規格では生体力学的調査や疫学的

調査における全身振動の測定方法及び評価に関する基

本的要求事項を定めており 18), 振動暴露時間と最大加

速度の指針を示している。 また, 日本産業衛生学会 ・

振動障害研究会全身振動に関する許容基準案作成ワー

キング ・ グループでは, 常習的な曝露に対する全身振

動の許容基準を腰痛予防の立場から, 8 時間等価周波

数補正加速度実効値 0.5 m/s2 を許容値とすることを提

言している 19)。これは ISO や EU 指令と同じレベルである。

本研究で用いた実験装置の振動プログラムは等価周波

数補正加速度実効値に置き換えると 0.95 m/s2 にも達

し, 被験者からも特に下肢や股関節に振動刺激の余韻

が残存することを報告している。 また被験者が振動周波

数に同調して下肢を動かし振動振幅を吸収すれば下肢

筋肉や神経系を働かせることになるかもしれないが, も

し同調しなければ体幹や頭部骨格系にまで直接振動が

響くことが被験者からも報告されている。 筋骨格系のぜ

い弱化しているであろう PD 患者に振動刺激を適用する

場合には, 上記も含め慎重に対応しなければならない。

5.3 UPDRSの問題点

UPDRS ま た は MDS-UPDRS は Hoehn-Yahr 重 症 度

分類に比べて詳細な判定ができる反面, 設問の 5 段階

評価は患者の問診診断を行った医師の判断であり, い

わゆる医師の主観に頼るしかなく定量的な評価とは言い

難い。 そのため振戦や筋固縮などを定量的に測定でき

る計測装置の開発が医工学分野で望まれている。

6. まとめ

本調査により WBV の PD への応用は始まったばかり

であり, 医学のみならず工学および産業的に広く関わり

を持ち, さらなる探求が必要であることがわかった。

本研究課題は平成 21 年度八戸高専学内教育研究プ

ロジェクト 「地域の保健教育 ・ 医療機関との連携による

医療支援機器の開発」 および八戸高専 ・ 青森県立保

健大学の 「学学研究談話会」 により発足した。

また, 本実験に際し, 測定装置を貸与いただいた八

戸高専総合科学科体育科に謝意を表する。

参 考 文 献

1) 山永 , 野尻 , 図説パーキンソン病の理解とリハビリテー

ション : Parkinson's disease, 三輪書店 ,2010.

2) Y. Mizuno, et al, Progress in the pathogenesis and

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Lond B Biol Sci., 363, 2215-2227, 2008.

3) 深谷 , 片山 , 脳深部刺激療法によるパーキンソン病

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347-352, 2003.

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10) T. Trans, et al, Effect of whole body vibration exercise

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11) Jason Hand, Susan Verscheure, Louis Osternig, A

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24 黒沢  忠輝 ・ 佐藤  勝俊 ・ 神成  一哉 ・ 尾﨑    勇

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