材料モデルの材料モデルのVV 山梨大学 工学部 土木環境工学科 吉田純司...
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材料モデルの材料モデルのVVVV
山梨大学 工学部 土木環境工学科山梨大学 工学部 土木環境工学科
吉田純司 吉田純司
第6期非線形CAE勉強会
~ゴム材料の構成則と破壊基準の構築~
本日話す内容
高減衰ゴムの構成則の構築とその検証
天然ゴムの破断特性とモデル化
1.1. ゴム材料の免震構造への応用ゴム材料の免震構造への応用
積層ゴム支承とは
水平方向
鉛直方向
柔
剛
ゴムと鋼板を積層状に剛結
加速度の低減
構造物の支持
ゴムが非圧縮に近い性質を積極的に利用
⇒ ゴム層の体積変形を制限
層数が少ない支承 層数が多い支承
はらみ出し大⇒鉛直剛性小 はらみ出し小⇒鉛直剛性大水平剛性は,概ね同一
土木における免震土木における免震・1995年兵庫県南部地震以後,積層ゴム支承を採用する橋 梁が増加
・構造物の損傷を局在化 過度に長周期化しない.
・減衰性能を付与 変位応答を低減
構造系全体の挙動に大きく影響
・ゴムの圧縮性を利用して 構造物を支持.
構造系の応答予測精度 ⇒ 積層ゴム支承のモデルの精度
⇒ 桁間衝突,ジョイント部の損傷を回避
動力学的効果+損傷の戦略的な制御
2.高減衰積層ゴム支承の2.高減衰積層ゴム支承の力学特性の概要力学特性の概要
-150
-100
-50
0
50
100
150
-300 -200 -100 0 100 200 300
荷重
[kN
]
せん断ひずみ [%]
-150
-100
-50
0
50
100
150
-300 -200 -100 0 100 200 300
荷重
[kN
]
(水平変位/ ゴム層の総厚)×100
ハードニング
剛性劣化
水平1方向 に変形
鉛直荷重
力学特性
・大きな履歴減衰を有し ている
・剛性劣化やハードニングが が顕著に表れている.
・全体的な荷重が進展する方向 は似通っている.
高減衰ゴムを用いた支承の復元力特性
支承の力学特性の温度依存性
-100
-50
0
50
100
-60 -40 -20 0 20 40 60
0.005[Hz],10℃
0.005[Hz],20℃
load
[kN
]
displacement[mm]
ゴムによっては,同一の載荷速度で,試験温度が異なると異なる力学特性を示す.
3.高減衰ゴムの材料試験3.高減衰ゴムの材料試験
ゴムの材料試験ゴムの材料試験
①単軸引張り試験
②2軸引張り試験③繰り返しせん断試験
④リラクゼーション試験
応力方向の決定ハードニング特性の把握
⇒ エネルギー吸収性能の評価
⇒ 粘性の把握
高減衰ゴム:応力進展に関する部分+エネルギー吸収の部分
4種類の高減衰ゴム,2種類の天然ゴム
温度の影響を小さくするため,常温(20~24)で実施
単軸引張り試験
0
10
20
30
40
1 2 3 4 5 6
Cauchy 応力 [MPa]
伸び比
0
10
20
30
40
1 2 3 4 5 6
Cauchy応力[MPa]
伸び比
天然ゴム
高減衰ゴム
・応力進展の傾向は同じ・残留ひずみやエネルギ ー吸収性能が異なる
一軸固定二軸引張り試験
のび比一定
のび比一定
0
5
10
15
20
25
1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5
引張り方向拘束方向
Cauchy応力[MPa]
伸び比
0
2
4
6
8
10
1 1.5 2 2.5 3
引張り方向拘束方向
Cauchy応力[MPa]
伸び比
天然ゴム 高減衰ゴム
繰り返し単純せん断試験(高減衰のみ)
-3
-2
-1
0
1
2
3
-300 -200 -100 0 100 200 300
1[Hz]0.1[Hz]0.01[Hz]
Cau
chy応
力[M
Pa]
せん断ひずみ[%]
常温において0.01~1Hzでは
速度依存性が少ない
入力変位
固定
試験体
試験体
リラクゼーション試験(高減衰のみ)
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
0 500 1000 1500 2000
Cau
chy
stre
ss [M
Pa]
time [sec]
00.5
11.5
22.5
33.5
0 500 1000 1500 2000
Cau
chy
stre
ss [M
Pa]
time [sec]
どの高減衰ゴムも確実に粘性は存在.
10分間計測
250
150
50
速度:1000 [%/sec]
せん断ひずみ[%]
時間[min]
4.高減衰ゴムの構成則4.高減衰ゴムの構成則
ゴム材料の構成則ゴム材料の構成則
仮定・初期等方性材料である.・材料試験を等温で実施 ⇒ 等温過程である・速度依存性が少ない ⇒ 粘性を塑性で置換
超弾性部
弾塑性部
等方効果
弾塑性体と超弾性体を組み合わせた構成則を提案
エネルギー吸収性能
応力進展方向+剛性劣化
T C D Dp( ) :J = −l q
T TIcy y
Cb
= +−RSTUVW
LNMM
OQPP
0 13
弾塑性部弾塑性部
D D D T T Tp =FHGIKJ
−
32
32 2
12
': ' ': '( )
'T Ty
N
y
Grasser(1991)のモデル
(2) 等方硬化でハードニングを表現(1) 大変形に適用するための拡張
等方硬化でハードニングを表現
・弾性-塑性間の遷移を滑らかに再現・微分方程式型⇒弾性, 塑性を自動判定
微小変形を前提とした弾塑性体
微分方程式で記述される完全弾塑性体
弾塑性部の詳細な式弾塑性部の詳細な式
T C D Dp( ) :J = −m r
T TIcy yB
b
= +−RSTUVW
LNMM
OQPP
0 13
D D D T T Tp =FHGIKJ
−32 2 2
1
': ' ': '( )
'T Ty
N
y
CJF F F F C T T Tpqrs pi qj rk sl ijkl pr sp
Hqs pr
Hrs pq
H= + + −1 δ δ δ( ) ( ) ( )
:速度型方程式 (Jaumann速度を使用)
:塑性ひずみ速度
:等方硬化
CE E
= ∂∂ ∂
2W
14
4 53
( 3) ( 3)1
mC
C CIc cW c I c II
m c
+ −
= − + − + +
:弾性テンソル
c c c m4 5, , , N T by, ,0+材料定数:
超弾性部超弾性部
ハードニング
川端ら(1992)のモデルをベース
1 1 2( 3) ( 3)C CW c I c II= − + −1
32
31
nCc c I
Wn c
+ −
= +
G H, :最大経験ひずみの関数
線形に近い弾性挙動
・物理的意味が明確.・簡便で精度が高い.
1 1 2 2( ) ( )W G W H W= Ξ + Ξ偏差応力分のひずみエネルギー密度関数
ダメージモデルで剛性の劣化を表現
超弾性部の詳細な式
21 1 2 2( ) ( ) ( )
2vW G W H W Wχ= Ξ + Ξ +
1 2 3, , , , , , ,H Hc c c n a bχ α β+
1 1 2( 3) ( 3)C CW c I c II= − + −
13
23
1
nCc c I
Wn c
+ −
= +
ひずみエネルギー密度関数
,C CI II
の第1,第2不変量
: C
1 2v
vW WW WG H Wχ∂ ∂∂ ∂= = + +∂ ∂ ∂ ∂
SE E E E
応力ひずみ関係
G( ) ( ) exp( / )/
Ξ ΞΞ
= + − − −RSTUVWβ β α
α1 1
H a bHm
H( ) / [ exp{ ( )}]Ξ Ξ= − + − −1 1 1 2
材料定数
の低減不変量
ダメージ関数
Ξ it
s t iW s=−∞< ≤max ( )2
2( 1)vCW III= −
構成則の再現性①構成則の再現性①
-10
0
10
20
30
40
0 1 2 3 4 5 6
材料試験
モデル
真応
力 [
MP
a]伸び比
単軸引張り試験繰り返しせん断試験
-2
-1
0
1
2
3
-300 -200 -100 0 100 200 300
材料試験モデル
真応
力[M
Pa]
せん断ひずみ[%]
高減衰ゴム
ゴム材料の力学特性を精度よく再現
-5
0
5
10
15
20
25
0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5
材料試験引張りモデル引張り材料試験拘束モデル拘束
真応
力 [
MP
a]伸び比
本構成則により材料の力学特性を精度よく再現することができた
モデルの再現性①の続き
一軸固定二軸引張り試験
構成則の再現性②構成則の再現性②
-4
-2
0
2
4
6
-400-300-200-100 0 100 200 300 400
材料試験
モデル
真応
力 [
MP
a]
せん断ひずみ[%]
-505
101520253035
0 1 2 3 4 5 6
材料試験
モデル
真応
力 [
MP
a]
伸び比
繰り返しせん断試験 単軸引張り試験
ハードニング特性が大きい高減衰ゴムの場合
本構成則で力学特性を精緻に再現できた
構成則の再現性③
天然ゴム天然ゴム
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0.5 1 1.5 2 2.5 3
材料試験材料試験モデルモデル
Cauchy応力[MPa]
伸び比
-10
0
10
20
30
40
50
1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5
材料試験モデル
Cauchy応力[MPa]
伸び比
一軸固定二軸引張り試験 単軸引張り試験
天然ゴムの力学特性を精度よく再現
5.構造部材レベルでの検証
積層ゴム支承の3軸載荷実験積層ゴム支承の3軸載荷実験
支承に鉛直荷重+水平2方向の変形を付与
210
実橋に用いられている支承の1/3
ゴム層:5[mm]×7層
鋼鈑:2.3[mm]×6枚
FEMと水平2方向載荷実験結果との比較
鉛直荷重
変形変形
-50
0
50
-200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200
載荷実験FEM
荷重[kN]
せん断ひずみ[%]
-60
-40
-20
0
20
40
60
-200 -100 0 100 200
載荷実験FEM
荷重[kN]
せん断ひずみ[%]
-70
-35
0
35
70
-70 -35 0 35 70
Y方向の変位 [mm]
X方向の変位 [mm]
鉛直方向の変位-荷重関係
鉛直に面圧0~7.92[MPa]を繰り返し載荷
概ね実験結果とよく一致している.
-100
0
100
200
300
400
-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
載荷実験
FEM
荷重
[kN
]
変位[mm]
1/4 モデル
鉛直荷重
圧力場[MPa]
FEMと鉛直載荷実験結果との比較
~ゴム材料の破断特性の把握とモデル化~~ゴム材料の破断特性の把握とモデル化~
研究の流れ
画像処理
ゴムの破壊試験(画像計測) ・ 単軸引張試験・ 一軸固定二軸引張試験・ 均等二軸引張試験
破断特性の把握歪から検討
破壊基準の構築
ゴムの材料実験よりゴムの破断特性を把握し,破壊基準を構築する
研究の目的
試験片形状
単軸引張試験用試験片 二軸引張試験用試験片
天然ゴム
せん断弾性係数 G = 98 [N/cm2]
4種類
1.3 3.93.9
9.0
252.62.6
10 103.0 3.0
単位 [mm]
601010
6010
10
円形部分の厚さ:0.5
破断実験の概要
2軸引張試験機
デジタルCCDカメラ
データ入出力用パソコン
画像保存用パソコン
・ 引張開始から破壊までを画像で撮影 ・ 外部で載荷速度を制御 ・ 変位,荷重をデータとして取得
CCDカメラ
画像による歪場の算出が必要
変位場が一様ではないチャック間変位からでは 内部の変形が導出できない
伸長比一定
単軸引張破壊試験 一軸固定二軸引張破壊試験 均等二軸引張破壊試験
載荷速度 0.2 , 2.0 , 20.0 [mm/sec] 載荷速度
0.2 , 2.0 , 20.0 [mm/sec]載荷速度 2.0 [mm/sec]
材料試験の種類
実験の条件
温度 : 20℃
試験片個数 : 各試験において3~5個
白点の位置を座標データとして取得引張前
破壊直前
画像処理方法
画像計測
2値化
ラベリング
点の重心算出
座標データ [pixel]
座標データ [mm]座標変換
点を分類
歪場について
すべての点の変位を内挿
4点で作られる領域の伸長比を計算
破断部分の伸長比
座標データを比較引張前
破壊直前
x 2[m
m]
x1 [mm]
iij
j
xFX∂=∂
ixjX : 無変形状態での位置
: 変形後の位置
1j =(x1方向は 2j =, x2方向は のとき)
(x1方向は , x2方向は のとき)2i =1i =
変形勾配テンソル
λ1
伸長比λ1
λ2
変形勾配テンソルのx1方向の固有値
変形勾配テンソルのx2方向の固有値
歪速度と破断時伸長比の関係 ・・・単軸引張試験,均等二軸引張試験
3
3.5
4
4.5
5
5.5
6
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
単軸均等二軸
λ1
歪速度 [1/sec]
5.45 5.52 5.29
3.58 3.72 3.55
• 歪速度の影響は小さい
• 均等二軸のλ1は単軸のλ1 より小さい
単軸引張破壊試験
均等二軸引張破壊試験
x1
x2
1λ : x1方向の伸長比
3.5
4
4.5
5
0.001 0.01
x2方向の伸長比:1
x2方向の伸長比:2
歪速度 [1/sec]
λ1
歪速度と破断値の関係 ・・・一軸固定二軸引張破壊(x2の伸長比:1,2)
伸長比:1
伸長比:2
3.904.05
• x2方向の伸長比が1,2のときで破断時のλ1
に大きな差はない
x2の伸長比:1
x2の伸長比:2
x1
x2
1λ : x1方向の伸長比
主軸伸長比の関係
x1
x2
>λ1 λ2or λB
最大伸長比基準既往の実験結果
本実験結果
最大伸長比基準が成り立つ
最大伸長比基準の関係は 成り立たない
他のゴムも同様の結果
0
2
4
6
8
0 2 4 6 8
単軸均等二軸λB
λ2
λ1
本実験結果既往の実験結果
Bλ
Bλ
0
2
4
6
8
0 2 4 6 8
単軸一軸固定x
2の伸長比:1
一軸固定x2の伸長比:2
均等二軸
λ2
λ1
2Bλ
2Bλ
1Bλ
1Bλ 1λ : x1方向の
伸長比
2λ : x2方向の
伸長比
破壊基準の構築 ・・・基準化した主軸伸長比から ゴム材料の破壊基準を構築
1 1 min 2 2 min,λ λ λ λ λ λ= = 基準化
minλ :主軸伸長比の最小値
1 2,λ λ :その他の主軸伸長比
破壊基準式
2 1( )BAλ λ= ,A B :パラメータ
ゴムの種類によって主軸伸長比は異なる
ゴムの種類ごとの最適なパラメータを算出する
2.42 10.003λ λ=
λ1
2λ
0.1
1
10
100
0.1 1 10 100
単軸一軸固定x
2の伸長比:1
一軸固定x2の伸長比:2
均等二軸破壊基準
・耐久性、耐候性に優れている
・高いエネルギー吸収性
構造物の防振・制振装置に広く利用
高粘性流体
制震壁
最近の研究:CAEを用いた制震壁の性能予測システムの構築