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標準模型とヒッグス場 スケールの階層性とくりこみ群 標準模 …...2008/07/01...
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2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 1
寺尾治彦(素粒子論研究室)
標準模型とヒッグス場
スケールの階層性とくりこみ群
標準模型の問題とLHC
新しい物理の検証
量子論的スケール不変性とヒッグスセクターの拡張
おわりに
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 2
標準模型とヒッグス場
粒子・反粒子対生成・対消滅
相対論的場の量子論
粒子数や種類が変化する相互作用を記述
高エネルギーでの現象 ⇒ 相対論
粒子 = 波動 = 場の励起状態 (基底状態 = 真空)相互作用と仮想粒子
電磁気力 フォトン(光子)
弱い力 ウィークボゾン
強い力 グルーオン
重力 グラビトン(重力子)
量子揺らぎ
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標準模型とヒッグス場
クォーク・レプトン
特徴
質量以外全く同じ属性 ・・・ 世代
桁違いに異なる質量 ・・・ 質量階層性
ニュートリノ振動 0.1
1
10
100
1000
10000
100000
1000000
世代
log(質量[MeV])
u, c, t d, s, b e, μ,τ
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標準模型とヒッグス場
電磁相互作用ゲージ対称性
くりこみ可能性 朝永、Schwinger(1947-8)発散の処方
有限な物理量
異常磁気能率(g因子)
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標準模型とヒッグス場
弱い相互作用ミューオン(μ)の崩壊
SU(2)ゲージ対称性
ウィークボゾンの質量
ヒッグス機構
低エネルギーでは、相互作用が極めて弱くなる。
くりこみ可能
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標準模型とヒッグス場
強い相互作用クォークとカラー
SU(3)ゲージ対称性
くりこみ可能
クォークの閉じ込め
なぜクォーク、グルーオンは単体で観測されない
ミレニアム賞問題の1つ
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 7
標準模型とヒッグス場
ヒッグス場標準模型の素粒子
ヒッグス機構
「物質構造総論」で
湯川相互作用
クォーク・レプトンの質量と混合
質量0のニュートリノ
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標準模型とヒッグス場
標準模型の成功と影ヒッグスボゾンの質量
標準理論における唯一不定な
パラメータ
⇒ もうほとんど分かっている?
NO!
ゲージ原理の成功
ゲージ対称性 ⇒ 大統一理論
湯川相互作用、ヒッグスセクターの問題
くりこみ理論の成功
量子補正まで含めて良い精度で検証されている(LEP)実は、くりこみ不可能性が重要
LEP/LHC
SPS
8.6km
CERN
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スケールの階層性とくりこみ群
大統一理論くりこみ群と漸近自由性
結合定数の統一
結合定数
大統一
強い力
電弱統一
“電磁気力”
“弱い力”非常に緩やかに変化
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 10
大統一理論クォーク・レプトンの統一 「物質構造総論」
電荷の量子化
陽子崩壊
スケールの階層性とくりこみ群
強い力
u u u
d d d
e
弱い力
弱い力新しい力(X粒子)ν
d
u
du d
+e
スーパーカミオカンデSuper KAMIOKANDE
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スケールの階層性とくりこみ群
ニュートリノの質量シーソー機構
ヒッグスボゾンとのくりこみ可能な相互作用はない
次元5の相互作用(くりこみ不可能)
マヨラナニュートリノ
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 12
スケールの階層性とくりこみ群
素粒子物理のスケール階層的スケール
プランクスケール :コンプトン波長~ブラックホール半径
重力の量子論のスケール
QCDと古典的スケール不変性
が実現している理由は?
QCDには固有のスケールがない(スケール不変)
量子効果でスケール不変性が破れている
くりこみ群:階層的なスケールをつなぐ方法
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 13
スケールの階層性とくりこみ群
磁性体の“真空”2次元のスピンモデル
計算機シミュレーション
によって生成した状態
揺らぎ温度揺らぎ~真空の量子揺らぎ
「揃う(エネルギーの低い状態)傾向」
vs
「乱雑(エントロピーの高い状態)になる傾向」
温度に応じた中間的な状態が最も多く実現
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 14
スケールの階層性とくりこみ群
磁性体の相転移自発的対称性の破れ
高温(反転対称) 低温(反転非対称)
2次相転移
結合定数
磁化
臨界温度
高温相
低温相
高温相?
低温相
繰り込み群 (粗視化の方法)
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スケールの階層性とくりこみ群
くりこみ群—“ミクロ” と“マクロ”の橋渡し—ブロックスピン変換
粗視化: 小さいスケールの揺らぎを平均化する操作
《例》 9つのスピンの多数決をとる。
スケール変換
《例》 長さのスケールを3倍する。
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スケールの階層性とくりこみ群
くりこみ群—“ミクロ”と“マクロ”の橋渡し—基底状態の一つの配位のブロックスピン変換
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くりこみ群—“ミクロ”と“マクロ”の橋渡し—
臨界温度
高温相
低温相
スケールの階層性とくりこみ群
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 18
スケールの階層性とくりこみ群
Wilson流くりこみ群運動量空間
ブロックスピン変換を連続的に変形
運動量カットオフを下げる
非調和振動子の量子力学
摂動展開は漸近級数を与える
くりこみ群は非摂動的に定式化
できる
ただし近似的数値解析になる
くりこみ群の結果は収束
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0λ
−1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
effe
ctiv
e m
ass
Effective mass of single well anharmonic oscillatorW−H RG equation ; cutoff scale = 100
exact resultRG equation1st order perturbation2nd order perturbation3rd order perturbation4th order perturbation5th order perturbation
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標準模型の問題とLHC
ヒッグス場の量子不安定性スカラー場のくりこみ群
Critical Surface (臨界面)質量0の理論質量が非常に小さい理論
質量パラメータの微調整
Naturalness(自然さ)
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
-0.1
0.0
0.1
Critical Surface
Symmetric phase
Broken phase
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標準模型の問題とLHC
ヒッグス場の量子不安定性ヒッグス場の微調整
標準理論の限界
TeVスケールに新しい物理
標準模型は不完全
TeVスケールの新しい粒子・相互作用
によって自然な理論に移行するべき
Large Hadron Collider (LHC)14TeVの陽子-陽子衝突実験2008年に稼動
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 21
標準模型の問題とLHC
暗黒物質観測証拠
銀河の回転
銀河間ガス
銀河団の重力レンズ
WMAPによる宇宙背景放射
暗黒物質の条件
中性
安定
ある程度重い(Cold Dark Matter) ⇒ ニュートリノは不適
標準模型に候補がない
WIMP (Weakly Interacting Massive Particle)暗黒物質の残存量は相互作用の強さに敏感
弱い相互作用の程度 ⇒
「物質構造総論」で
http://map.gsfc.nasa.gov/
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 22
標準模型の問題とLHC
超対称標準模型超対称性
フェルミオンとボゾンを入れ換える対称性
超対称パートナーが導入される (例:クォーク⇔スクォーク)
ヒッグスボゾンの質量への補正が禁止される ⇒ “自然さ”の回復
大統一理論
結合定数の一致
超対称理論の証拠?
暗黒物質
中性の超対称パートナーがWIMPの候補「物質構造総論」で
実験データ
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 23
標準模型の問題とLHC
標準模型の問題クォーク・レプトンの質量構造
湯川相互作用の階層性
クォークとレプトンの混合角の違い
Strong CP問題QCDのCP対称性を破るパラメータ
宇宙項 Dark Energy
「物質」構造総論」で
重力理論との統一
いづれもスケール(またはパラメータ)の問題
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 24
新しい物理の検証
くりこみ可能理論スカラー場のくりこみ群
Renormalized Trajectory低エネルギーで有限個のパラメータ
空間に収束(赤外収束性)
低エネルギーでは自動的にくりこみ
可能理論に近づく
高エネルギーの違いは見えなくなる!
0.0 0.5 1.00.0
0.1
0.2
0.3
0.4
Renormalized
Trajectory
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 25
新しい物理の検証
高エネルギーの情報高エネルギーの情報
くりこみ可能理論(標準模型)からのずれを見る ⇒ 状況証拠
精密測定
陽子崩壊
ニュートリノ振動
Flavor Changing Neutral CurrentLepton Flavor Violation例)
MEG (ポールシェラー研究所、スイス)
宇宙論的観測暗黒物質
宇宙の元素合成
バリオン数生成
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 26
新しい物理の検証
小さい階層性問題 (LEP paradox)標準模型への補正
電弱対称性の破れ
S, T parameter と精密測定(LEP)
小さい階層性問題
標準模型の限界への制限
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 27
新しい物理の検証
ヒッグス質量への制限標準模型のみで精密測定を説明
軽いヒッグスを予言
重いヒッグス粒子の
可能性は?
丁度良い大きさの補正
があれば説明できる
具体的な模型は可能?
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 28
量子論的スケール不変性とヒッグスセクターの拡張
Technicolor模型QCDは古典的スケール不変のために、“自然”ヒッグス粒子を新しいクォーク( Techni-fermion )の複合粒子と考える
問題点
S-parameter中間にベクトル複合粒子(ρ中間子に当る)が飛ぶ寄与が大きい
トップクォークの質量
ヒッグスが複合粒子だと、大きな湯川相互作用を持てない
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 29
量子論的スケール不変性とヒッグスセクターの拡張
量子論的スケール不変性共形場の理論 (Conformal Field Theory)適当なクォーク数を持つQCDは赤外固
定点を持つ(Banks-Zaks fixed point)ヒッグス場の導入
クォークと湯川相互作用するスカラー場
を導入
赤外固定点を持つ(Wilsonくりこみ群を用いた数値解析)
スカラー場は大きな異常次元を持つ
特性
スカラー場の質量の微調整は大きく
緩和される(スケーリングが変わる)
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 30
量子論的スケール不変性とヒッグスセクターの拡張
具体的な模型ヒッグス場の微調整問題に応用
余分にクォークを導入する
余分のクォークがヒッグス粒子と強く相互作用
トップクォーク の質量
“トップクォーク”と余分のクォークの混合
⇒ 大きなトップクォークとヒッグス粒子の湯川相互作用
⇒ 大きなトップクォークの質量
精密測定
余分のクォークが2~3TeVの質量であれば、精密測定と矛盾しないLHCでヒッグス粒子と比較的強く相互作用する余分のクォークが見
つかる
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 31
おわりに
自然さ (Naturalness)は指針となりうるのか?宇宙の平坦性問題
1ナノ秒(10億分の1秒)後までさかのぼると…
初期宇宙のエネルギー密度は異常に臨界密度に近い。偶然そうであったとは考えられない!
447,225,917,218,507,401,284,015 g/cc
0 50 100 (億年)
宇宙のスケール 447,225,917,218,507,401,284,017g/cc
447,225,917,218,507,401,284,016 g/cc
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 32
おわりに
http://www-supernova.lbl.gov/
インフレーション宇宙
指数関数的に急激な膨張
臨界密度の宇宙に自然になる。
WMAPによる“検証”
Nature must be Natural...
2008/5/7 院生セミナー「素粒子の標準模型を超えて」 33