アジャイル開発の現状と課題 - IPA...2015/10/07  ·...

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Software Reliability Enhancement Center Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Information-technology Promotion Agency, Japan アジャイル開発の現状と課題 アジャイル開発への関心の高まりに応えるために 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(SEC) SECセミナー 2015年10月7日 http://www.ipa.go.jp/sec/index.html

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Information-technology Promotion Agency, Japan

アジャイル開発の現状と課題

~ アジャイル開発への関心の高まりに応えるために ~

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(SEC)

山 下 博 之

SECセミナー2015年10月7日

http://www.ipa.go.jp/sec/index.html

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2Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

プロローグ

ビジネスを取り巻く状況とIT

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3Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

★ ビ ジ ネ ス の 3 要 素

ビジネスの3要素 ヒト

モノ

カネ

情報

時間

ビジネスの4要素

ビジネスの5要素変化対応の俊敏性

(Agility)

Business Intelligence

BigData

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4Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

システム企画工程におけるQCDの優先順位

品質 : 29(28,29)%

コスト: 23(23,24)%

納期 : 48(49,47)%

<出典> ソフトウェアメトリックス調査2014(2013,2012),一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS).

参考データ

調査で収集した1021(918,801)プロジェクトのうち,「QCDのうちのどれかを優先した」という回答(446(377,313)プロジェクト)の内訳 [()内は前年度,前々年度の結果]

<出典> CIOの哲学:三菱重工業 児玉敏雄氏,日経コンピュータ,2012.10.25.

そうした事業環境の中,いわゆる「QCD」のうち,特に納期を重視してものづくりを進めている.品質の確保は当たり前.開発・製造期間を短縮して製品の投入スピードをいかに速くできるかが,世界を相手に競争優位を築くカギになる.

システム開発におけるQCDの優先順位

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5Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

27%

19%

23%

18%15%

12%

8%10%

7% 7%5% 4%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

Tim

e-to

-M

arke

t

加速

変化する優先順位

管理のため

生産性向上

ソフトウェア品質

の向上

IT

とビジネスの

融合改善

プロジェクトの

見える化

リスク削減

開発プロセスの

簡易化

分散チーム管理

エンジニアリング

の導入/向上

コスト削減

保守性/拡張性

向上

チームの

やる気改善

1.Time-to-Marketの加速2.変化する優先順位管理のため

→前回調査と同傾向

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第8回2014より)

35%

30%

40%

32%

アジャイル開発手法の導入理由 (海外_2014年)参考データ

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40% 40% 38%

23%26%

22%25%

20%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

Tim

e-to

-M

arke

t(

製品出荷)

の加速

変化する優先順位

管理のため

生産性向上

ソフトウェア品質

の向上

IT

とビジネスの

融合改善

プロジェクトの

見える化

リスク削減

分散チーム管理

エンジニアリング

の導入/向上

コスト削減

保守性/拡張性

向上

チームの

やる気改善

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

35%

30%

40%

アジャイル開発手法の導入理由 (海外_2015年)参考データ

45%

50%55%

60%

44%

製品出荷予測力

の向上

・上位は前回調査と同傾向・「製品出荷予測力の向上」が新規

59%56%

53%

46%

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7Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

開発(構築)手法の選択

俊敏な開発(構築)手法

a. 非ウォーターフォール型開発(アジャイル開発)

b. クラウドコンピューティング

c. 自動コード生成/ビジネスルールマネジメントシステム(BRMS)

環境の変化に対する俊敏な開発(構築)が求められる場合

作らないで,使う

パラメータを変更するだけ

少しずつ作って,確かめながら

1つのシステム全体を単一の手法で開発(構築)する

ことが適切ではない(ケースもある)?異なる手法で開発した部品の組合せ?

「超高速開発」

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★重視事項は対象・ビジネス状況により異なる

ITシステムの対象や,

それを使うビジネスの状況に応じ,

重視する評価ポイントは異なる

“平均”で語ることは,必ずしも適切ではない.

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ITシステムのクラスと特徴

高信頼

短納期(変化俊敏対応)(高速開発)

重要インフラ等ITシステム

共通基盤系ビジネス戦略ITシステム

サービス系

業務支援ITシステム

適切なアーキテクチャと,構築・運用体制及び手法

各クラスに対応した

・比較的長期間,そのまま運用・障害発生時の社会的影響大・一般利用者の厳しい反応

・先を見通しにくい・激しい環境変化・競争優位の確保

従来のアジャイル開発の主対象

対象は拡大傾向

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10Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

システム構築時の重視事項

基幹系 業務支援情報系

Web・フロント系

管理業務系

データ数 989 966 963 974

品質 76.8 59.2 59.3 76.9

コスト 41.2 54.8 53.1 50.2

開発スピード 14.3 35.9 43.5 12.3

変更容易性 27.7 33.1 32.4 23.6

継承性 34.9 14.5 7.3 33.0

<出典> IT動向調査2014,図表8-3-1, 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS).

システム構築時の重視事項(1,2位の合計%)

品質,継承性重視

開発スピード,変更容易性重視

重要インフラ等ITシステム,Bsys(共通基盤系) ビジネス戦略ITシステム(サービス系)

参考データ

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A financial model of software product development.

<出典> Ram Chillarege: The Marriage of Business Dynamics and Software Engineering,

IEEE SOFTWARE, November/December 2002.

ソフトウェア製品のライフサイクル・モデル例と開発手法

アジャイル ウォーターフォール

ビジネス・ステージと開発手法

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★『価値』で決まる

ITプロジェクトの成功は,

もはやQCDではなく,

(顧客側の)価値や満足で決まる

<アジャイル開発の特徴>

(顧客)“価値”駆動型

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参考データ

ITプロジェクト成功の定義(あるアンケートの例)

<出典> CHAOS MANIFESTO 2014

Triple constraints 15%

On budget 32%

On time 30%

On Target (scope) 26%

On goal 29%

Valuable 52%

Satisfied 41%

All of the above 33%

3 要素(予算,納期,機能充足)

予算

納期

機能充足(スコープ)

目標(*1)

価値

満足

上記6要素の全て

(*1) 組織の戦略目標にどれだけ合致しているか?

6要素のうち,4つまで選択可.(回答数=309)

15%

32%

26%

29%

52%

41%

33%

30%

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★アジャイル開発の適用は増えている

日本でも,

アジャイル開発の導入は進んでいる

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1%

38%

47%

8%

0%3% 3%

多くのプロジェクトで使っている

一部のプロジェクトで使っている

使いたいと考えているが実現していない

使う予定はない

よく分からない/関係ない

その他

無回答

アジャイル開発の適用状況-国内-(1)

0% 1% 4%

48%24%

14%

9%

すべてのプロジェクトに適用しているほとんどのプロジェクトに適用しているだいたいのプロジェクトに適用にしているほとんどのプロジェクトに適用していないすべてのプロジェクトで適用していない分からない無回答

3%

26%

39%

13%

8%

6%

5% 1%

38%

47%

8%

0%

3% 3% 4%

51%29%

5%3%4%4%

~IPA/SECセミナー聴講者アンケート結果から~

2011年11月18日 横浜(109名) 2012年10月24日 東京(76名) 2013年3月18日 東京(104名)

2010年12月2日 横浜(72名)

参考データ

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2%

54%27%

4%2%

9%

2%

アジャイル開発を使っていますか?

多くのプロジェクトで

使っている一部のプロジェクトで

使っている使いたいと考えてい

るが実現していない使う予定はない

よく分からない/関係

ないその他

無回答

2013年10月30日 東京(55名)

http://sec.ipa.go.jp/seminar/20131030.htmlアジャイルジャパン2014(2014.6.27, 東京)

参加者アンケート(265名)

10.2%

60.4%

参考データ

アジャイル開発の適用状況-国内-(2)

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アジャイルジャパン2014

(2014.6.27)

参加者アンケート(265名)

参考データ

アジャイル開発の適用領域状況(例)

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VERSIONONE®: 7th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2013

http://www.versionone.com/pdf/7th-Annual-State-of-Agile-Development-Survey.pdf

導入して

いる

84%

導入して

いない

16%

海外企業におけるアジャイル開発の導入状況

5年以上

14%

2-5年

36%1-2年

38%

1年未満

12%

(アジャイル開発を導入している企業のうち)

アジャイル開発を行っている期間

参考データ

アジャイル開発の導入状況-海外-(2013年)

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VERSIONONE®: 8th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2014

http://www.versionone.com/pdf/2013-state-of-agile-survey.pdf

導入して

いる

88%

導入して

いない

12%

海外企業におけるアジャイル開発の導入状況

5年以上

19%

2-5年

33%

1-2年

40%

1年

未満

8%

(アジャイル開発を導入している企業のうち)

アジャイル開発を行っている期間

海外でのアジャイル開発の導入も拡大傾向

参考データ

アジャイル開発の導入状況-海外-(2014年)

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VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

導入している

94%

導入して

いない

6%

海外企業におけるアジャイル開発の導入状況

5年以上

24%

3-5年

32%

1-2年

29%

1年未満

15%

(アジャイル開発を導入している企業のうち)

アジャイル開発を行っている期間

海外でのアジャイル開発の導入も引き続き拡大傾向

参考データ

アジャイル開発の導入状況-海外-(2015年_1)

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無し

5%

半分以下

50%

半分以上

36%

全て

9%

【アジャイル開発を導入しているチームの割合】

参考データ

アジャイル開発の導入状況-海外-(2015年_2)

VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

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★アジャイル開発の導入ができていない組織も多い

しかし,

アジャイル開発を導入できていない組織は,

いまだに少なからずある

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1%

38%

47%

8%

0%3% 3%

多くのプロジェクトで使っている

一部のプロジェクトで使っている

使いたいと考えているが実現していない

使う予定はない

よく分からない/関係ない

その他

無回答

アジャイル開発の適用状況-国内-(3)

0% 1% 4%

48%24%

14%

9%

すべてのプロジェクトに適用しているほとんどのプロジェクトに適用しているだいたいのプロジェクトに適用にしているほとんどのプロジェクトに適用していないすべてのプロジェクトで適用していない分からない無回答

3%

26%

39%

13%

8%

6%

5% 1%

38%

47%

8%

0%

3% 3% 4%

51%29%

5%3%4%4%

~IPA/SECセミナー聴講者アンケート結果から~

2011年11月18日 横浜(109名) 2012年10月24日 東京(76名) 2013年3月18日 東京(104名)

2010年12月2日 横浜(72名)

参考データ

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2%

54%27%

4%2%

9%

2%

アジャイル開発を使っていますか?

多くのプロジェクトで使っている

一部のプロジェクトで使っている

使いたいと考えているが実現していない

使う予定はない

よく分からない/関係ない

その他

無回答

アジャイルジャパン2014(2014.6.27, 東京)参加者アンケート(265名)

16.8%

0%

50%43%

3%0% 4%

2014年11月12日 東京(28名)http://sec.ipa.go.jp/seminar/20141112.html

2%

46%32%

1%

6%7%

6%

http://sec.ipa.go.jp/seminar/20131030.html

2013年10月30日 東京(55名)

2014年12月17日 東京(68名)http://sec.ipa.go.jp/seminar/20141217.html

参考データ

アジャイル開発の適用状況-国内-(4)

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実績 着手意向 SI実績 着手意向指数 指数 順位 順位

L. アジャイル開発/反復型開発 0.239 0.491 71 23L. ウォーターフォール開発 0.856 0.067 1 119

(参考) 2013年度版L.アジャイル開発/反復型開発 0.286 0.487 79 17L.ウォーターフォール開発 0.858 0.061 3 129

<出典>JISA 報告書(26-J008)概要 情報サービス産業協会 http://www.jisa.or.jp/report/

概要 平成26年度情報サービス産業における技術マップに関する調査報告http://www.jisa.or.jp/Portals/0/report/26-J008.pdf

6 付録要素技術の実績指数・着手意向指数一覧(2014年度版)

参考データ

アジャイル開発の実績・着手意向調査例

アジャイル開発の実績がやや減少.着手意向は依然高い.

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18%

12%11%

9%

6% 6% 6%

4%

0%

5%

10%

15%

20%

企業哲学又は

文化との相性

手法への不慣れ

分からない

従来型開発採用

への外部圧力

チーム内での

反発

文化的な移行の

欠如

マネジメントの

支援の欠如

不十分な

トレーニング

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第7回2013より)

参考データ

11%

8%

6%

3%

失敗なし

その他

導入直後のた

め(初心者)

組織管理・コミュニ

ケーション上の問題

「失敗なし」が最多1.企業哲学・文化との相性2.従来型開発採用への外部圧力3.組織管理・コミュニケーション上の問題

アジャイル型開発プロジェクトの失敗理由 (海外)

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15%

13%

10%

7%

5%

3%

0%

5%

10%

15%

20%

企業哲学又は

文化との相性

手法への不慣れ

分からない

従来型開発採用

への外部圧力

チーム内での

反発

文化的な移行の

欠如

マネジメントの

支援の欠如

不十分な

トレーニング

11%

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第8回2014より)

10%9%

3%

失敗なし

その他

導入直後のた

め(初心者)

組織管理・コミュニ

ケーション上の問題

「失敗なし」が減少「手法への不慣れ」が2ランクアップ

7% 7%

参考データ

アジャイル型開発プロジェクトの失敗理由 (海外)

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42%

37%

6%

30%

0%

10%

20%

30%

40%

企業哲学又は

文化との相性

手法への不慣れ

従来型開発採用

への外部圧力

チーム内での

反発

文化的な移行の

欠如

マネジメントの

支援の欠如

不十分な

トレーニング

44%

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

33%36%

その他・

分からない

組織管理・コミュニ

ケーション上の問題

33%

38%

参考データ

アジャイル型開発プロジェクトの失敗理由 (海外)

50% 「手法への不慣れ」がさらに2ランクアップトップに!

「プラクティス活用リファレンスガイド」を用いて

アジャイル開発手法に慣れよう

「マネジメントの支援の欠如」も大幅(6ランク)アップ

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本日の講演内容

1. ふり返り(IPA/SECの取組み)(1) アジャイル開発の特徴

(2) アジャイル開発の適用領域

(3) 顧客及び経営層の理解

(4) アジャイル開発人材

(5) アジャイル開発の契約

2. アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド

3. 組込み機器・システムとアジャイル開発

4. アジャイル開発の課題

スキップ

本日のフォーカス

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ふり返り:アジャイル開発に関するIPA/SECの取組み

H21(2009)年度 H22(2010)年度 H23(2011)年度 H24(2012)年度

非ウォーターフォール型開発研究会

非ウォーターフォール型開発WG

非ウォーターフォール型開発WG

非ウォーターフォール型開発WG

非ウォーターフォール型開発に関する調査

実証/模擬実験(契約形態)

大規模開発普及要因

プラクティスリファレンスガイド

▲報告書

▲報告書

▲報告書

報告書(公開中)H21年度版 http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20100330a.html

H22年度版 http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20110407.html

H23年度版 http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20120326.html

(大規模開発) http://www.ipa.go.jp/about/press/20120328.html

(普及要因) http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20120611.html

(プラクティス) http://www.ipa.go.jp/about/press/20130319.html

事例収集(1)

課題抽出

課題検討

検証・改善

事例収集(2)

提案

▲報告書

▲報告書

▲報告書

▲報告書

事例収集(3)

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IPA/SECの取組み:ステークホルダと検討項目

経営層

情報システム開発運用部門

契約部門

業務部門開発部門

品質保証部門

契約部門 経営層

人事部門育成部門

顧客(ユーザ企業) ベンダ企業

人材育成方法

アジャイル型開発にふさわしい契約モデル・契約書案

顧客・経営層の理解促進

アジャイル型開発に必要な技術及びスキル

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★対象等に応じてソフトウェア開発手法を選択する

ソフトウェア開発においては,

開発対象と組織・プロジェクトの特徴に応じた

適切な形態・手法の選択が重要

<参考>非ウォーターフォール型(アジャイル)開発の動向と課題,SEC journal, Vol.8, No.4, Dec. 2012.

アジャイル開発に関するIPA/SECの検討結果等は:http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/std/ent02-c.html

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(1) アジャイル開発の特徴

アジャイル開発のプロセスは,

大きく3つのモデルに分類される

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アジャイル開発のモデル - プロセスの対応 -

要求

開発

テスト

<標準>ソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)

要求

開発

テスト

<実際>

注) 図形のサイズは意味を持たない(時間,規模を表さない).

(部品)

ウォーターフォール型

大きなプロセスを順に実施し,それを1回で終了

アジャイル型

小さなプロセスを行き来しつつ実施し,それを何回も反復

注) 図形のサイズは意味を持つ.

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調査事例から導かれた開発プロセス・モデル(1)

モデル1

企画

システム運用

• n=1のケースもあり。

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第1リリース

・・・

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第2リリース

・・・

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第mリリース

考え方シンプルな基本形

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調査事例から導かれた開発プロセス・モデル(2)

モデル2

要求・アーキテクチャ設計・基盤開発

企画

システム運用

• 比較的大規模システム/新規開発で全体のシステム構造が不明確なケースなど

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第1リリース

・・・

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第mリリース

考え方拡張形.基盤・共通部といくつかの機能部とから構成されるソフトウェア(右図)において,最初にまず,基盤・共通部の開発を終えた後,機能部群について,アジャイル開発を行う.基盤・共通部が確固としていないと,追加・変更時の機能部への影響が大きくなりすぎることを避ける.アジャイル開発では,基盤・共通部の変更は,原則として行わない.

基盤・共通部

機能1

機能2

機能3

機能4

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調査事例から導かれた開発プロセス・モデル(3)

モデル3システム運用

・ アジャイル開発では反復ごとにリリースできる品質までテストを行うことが原則だが、各リリース工程前に行う重点的なテストを実施することがある。

・ リリースは複数回繰り返される

企画リリース前

テスト・・・・・・

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第1リリース

リリース前テスト

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第mリリース

考え方顧客やビジネスの特徴から,特に高い品質が求められたり,品質がクリティカルであったりする場合に,リリース前に品質確保のための特別のアクションを実施する.

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ウォーターフォール型

(開発が)

失敗しないための手法

「プロセス」重視 「人」重視

文化が異なる

“計画”駆動型 (顧客)“価値”駆動型

アジャイル開発

(ビジネスが)

成功するための手法

少し試して,その結果に基づいて次のステップを進める.

例) ビルや橋の建設

作るものも使用する技術も明確 計画時には,ビジネス上,システム上の課題が未解決,開始後も変更の可能性大

最初から綿密な計画を立て計画に従って着実に進める.

多くの組織,チーム,個人にとって,アジャイル開発プロセスへの転換は“挑戦的”である.それは,ある種の文化的変革を必要とするからだ.[Agile transformation, IBM]

http://www.ibm.com/smarterplanet/us/en/business_analytics/article/agiledevelopment.html

アジャイルは,プロセスではなく文化である.Michael Sahota: “An Agile Adoption and Transformation Survival Guide: Working with Organizational Culture,” 2012.

ケースバイ

ケースで

使い分け

分析

ウォーターフォール型とアジャイル型との手法の違い

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計画駆動

Q:品質

S:スコープ(R:要求)

C:コスト D:納期

開発プロジェクトのパラメータ間の関係

機能N

:機能M

:機能3

機能2

機能1

要求(優先順)

各機能の価値

実装範囲

S:スコープ(R:要求)

C:コスト

Q:品質

D:納期固定

見積り→実際には変動

固定 固定

優先順に従って変動

価値駆動

品質を維持しようとすると

コストと納期に影響

スコープ(要求)のサイズが品質に影響

優先度の低い機能は実装しても結局は使われない

→無駄な実装はしない

参考QCDの優先順位

全体の価値

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参考データ

全く使われない

45%ほとんど使われな

19%

たまに使う

16%

よく使う

13%

いつも使う

7%

システムの機能の利用度

<出典> Standish group study report in 2000 chaos report

(平鍋健児氏のプレゼン資料掲載)

システム機能の利用度(要求の劣化)

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(2) アジャイル開発の適用領域

アジャイル開発には,その5つの特徴から,

3つの適用領域と,4つの試行領域がある

そして,試行領域への適用が徐々に進み,

適用領域は拡大しつつある

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アジャイル開発の適用領域・試行領域

全てのソフトウェア開発に、これらの特徴を有するアジャイル開発手法を適用できる、あるいはすべきだ、という立場ではない。ビジネスや市場、その他の開発の“コンテキスト”によって、ウォーターフォール型の開発が適している場面もあれば、アジャイル型の開発が適している場面もある。

アジャイル開発は、•「顧客の参画の度合いが強い」•「動くソフトウェアを成長させながら作る」•「反復・漸進型である」•「人と人のコミュニケーション、コラボレーションを重視する」•「開発前の、要求の固定を前提としない」という特徴を持つ。

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アジャイル開発の適用領域

アジャイル開発が得意とし、現在、その適用により効果を挙げている領域:

①ビジネス要求が変化する領域

・要求の変化が激しく,あらかじめ要求が固定できない領域。

②リスクの高い領域

・不確実な市場を対象としたビジネス領域(市場リスク)

・技術的な難易度が高い開発領域(技術リスク)

③市場競争領域

・他社に先駆けた製品・サービス市場投入が命題であり,TTM(Time to Market)の短縮が優先となる領域(Webのサービス,パッケージ開発,新製品開発).

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アジャイル開発の試行領域

アジャイル開発による経験が十分には蓄積されておらず、現在、チャレンジと創意工夫が求められている領域:

①大規模開発

・開発者10人程度を超えると、システム分割、チーム分割が必要。その分割方法、及び、分割されたチーム間のコミュニケーションが課題。

②分散拠点(オフショア含む)開発

・開発拠点が分散し、さらに時差によって分断される場合のコミュニケーション手法、また、それをサポートするツールが必要。

③組織(会社)間をまたぐ開発チームによる開発

・共通のビジネスゴールを持ったチームを組むことが難しい。

④組込みシステム開発

・リリース後のソフトウェア修正が極めて困難であり、採用には工夫要。

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No.規模

部分適用

採用手法 対象システム種別 契約

1 大 独自 B2Cサービス (SNS) 無(自社内)

2 大 Scrum B2Cサービス (ソーシャルゲーム) 無(自社内)

3 大 ○ Scrum ゲームソフト 受託(未公開)

4 大 ○ Scrum+独自 基幹システム 受託(準委任)

5 中 Scrum B2Cサービス (会員サービス) 無(自社内)

6 中 Scrum+XP B2Cサービス (医療・健康) 無(自社内)+オフショア*

7 中 Scrum+XP B2Cサービス (エンタテインメント) 無(自社内)+オフショア*

8 中 XP B2Cサービス (会員サービス) 受託(請負)

9 中 ○ XP B2Cサービス (ECサイト) 受託(請負)

10 中 ○ XP B2Cサービス (会員サービス) 受託(準委任)

中規模:30~100名,大規模:100名以上独自:特に手法を決めず自ら定義,Scrum+XP:両手法を組み合わせて実践

*:準委任

参考中・大規模開発の事例一覧 (H23年度調査)

<出典> http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20120328.html

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適用にあたっての主な工夫(1/3:一覧)

中・大規模開発特有の工夫

組織体制チーム間ローテーション

コミュニケーション段階的朝会チーム跨ぎのふりかえり

展開漸進的な人数増加漸進的な展開社内勉強会

分散拠点開発同一拠点から分散へTV会議

アーキテクチャ組織の共通基盤アーキテクチャの利用アーキテクチャについての教育

システム分割/インテグレーション同じリズム

小規模開発と同様だが特に注意して実施する工夫

コミュニケーション完全透明性

展開パイロット導入認定研修・コンサルタントの利用

分散拠点開発チケットシステムリアルタイムチャット

アーキテクチャアーキテクチャの改善

システム分割/インテグレーション疎結合で分割早期からのインテグレーション継続的インテグレーション

品質重視するビジネス価値ビジネス価値の変化タイムボックス優先の品質自動単体テスト

小規模開発とは逆のアプローチをとる工夫

アーキテクチャ最初のアーキテクチャ構築アーキテクチャ専門チーム運用保守チーム

品質テスト・フェーズ

品質第三者テスト

部分適用必要な部分のみ適用疎結合なチーム工程の見える化

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適用にあたっての主な工夫(2/3)

チーム間ローテーションチーム間の知識伝播促進のため,メンバのローテーションを行う.一時的に速度は落ちるが,各チームの知識を効率よく伝播でき多能工化が高まる.

段階的朝会複数チーム間は朝会を段階的に実施.チーム→全体(→チーム).

漸進的な展開一度にすべてのチームに広げるのではなく,まずは導入障壁の低いところ,最も必要なところから順次導入し,少しずつ展開.ふりかえりで,次はどこに広げていけばいいかを考える.

コミュニケーション・ツールの活用TV会議システム,雑記帳システム(SNS,Blog等)

工夫例(1/2)

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適用にあたっての主な工夫(3/3)

アーキテクチャの重視プロジェクト前半にアーキテクチャを構築する事例が多く,アーキテクチャ専門チームを編成して構築.構築されたアーキテクチャを組織の共通基盤とし,再利用できるようにしている事例あり.

疎結合な機能分割疎結合な機能でサブシステム分割を行う.7割のチームがCI(継続的インテグレーション)を実施.

テスト専用フェーズプロジェクト後半で専用のテストフェーズを実施.プログラム開発の反復を停止する事例と,テストのみの反復期間を設ける事例あり.

工夫例(2/2)

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浮かび上がった問題点

全体計画の把握困難要求の変化や開発状況に応じて着手する順番や範囲を決めるため,プロジェクト開始時にプロジェクト全体の把握が困難な事例あり.

ビジネス企画側にボトルネック発生スクラム導入の結果,ビジネス企画者の決定待ち等のボトルネックが発生した事例が多い.中には開発者の信頼をなくした事例もあり.反復リズムとの不適合状態の発生セキュリティ監査や外部テスト業者,発注者の外部組織や関連組織との関係において,反復リズムと適合せずに問題が発生している事例あり.

主な問題点

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(3) 顧客及び経営層の理解

ユーザ・ベンダ共に,

経営層の一層の理解が求められる

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顧客・経営層は開発への一層の関与が必要

顧客(ユーザ)経営層

ビジネス環境が激しく変化する現状において,ITシステムに関し,従来のように情報システム部門に任せきりでは適切に対応できない.開発形態(*)にも深く関与する必要がある.

(*) アジャイル開発の採用,クラウドコンピューティングの利用,など

ベンダ経営層

俊敏な開発の実績を武器に受注を狙う海外勢等に対抗するためには,自ら俊敏な開発を実施できる体制作りに取り組むと共に,その結果を顧客に売り込む必要がある.

<経営層の責任>・情報システムに関する理解の増進・迅速かつ適切な意思決定・関係部門との経営上の綿密な調整

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予測性:可変要素が将来変化をする予兆を事前にとらえること拡張性:既存のリソース(人,モノ,カネ,情報等)に将来の可変要素を想

定した余裕を持たせておくこと迅速性:起きた変化/起こすべき変化に対して,すぐに対応できること適用性:これまでと違った環境、シチュエーションに,うまく対応できること

<出典> 平成22年度経済産業省委託調査:「IT 経営普及促進に向けた調査研究」報告書,社団法人日本情報システム・ユーザー協会,平成23年2月,p.76.http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2011fy/0022948.pdf

参考

環境変化に即応できるための経営の「柔軟性」

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ユーザ企業には,ビジネス・イノベーションを

実現し,競争優位を維持しつつ持続するために,

変化が求められている.

情報システム部門任せ

業務部門主導市場の監視

(コスト・時間をかけて)信頼性重視で構築

IT投資判断IT予算執行

経営の「柔軟性」

マインドの転換

ユーザ企業

分析

環境変化への対応体制 - ITシステム構築・運用

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ベンダ経営層は開発への一層の関与が必要

顧客(ユーザ)経営層

ビジネス環境が激しく変化する現状において,ITシステムに関し,従来のように情報システム部門に任せきりでは適切に対応できない.開発形態(*)にも深く関与する必要がある.

(*) アジャイル開発の採用,クラウドコンピューティングの利用,など

ベンダ経営層

俊敏な開発の実績を武器に受注を狙う海外勢等に対抗するためには,自ら俊敏な開発を実施できる体制作りに取り組むと共に,その結果を顧客に売り込む必要がある.

<経営層の責任>・情報システムに関する理解の増進・迅速かつ適切な意思決定・関係部門との経営上の綿密な調整

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システム開発ベンダにも求められる「柔軟性」

親会社

子会社

孫会社 孫会社

子会社

孫会社

協力会社

協力会社(子会社)

連携会社

人材のクラウド企画 要求 設計 製造 試験 運用

ウォーターフォール型 アジャイル型(非ウォーターフォール型)

多様性

個人に求められるスキル:“マルチタレント”(IT人材白書,他)

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(4) アジャイル開発人材

アジャイル開発に特徴的なスキル,姿勢がある

アジャイル開発の特徴は,技術者のモチベーションのドライブ要因とマッチしている

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アジャイルジャパン2014

(2014.6.27)

参加者アンケート(265名)

参考データ

アジャイル開発のためのトレーニング

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ToDo Doing Done

タスクボード

<出典> 株式会社豆蔵 堀江弘志:「初めての取組み事例に見るアジャイル導入の勘所」 ,JASA主催/IPA共催セミナー,2011-11-18.http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/events/20111116.html

参考

ビジネス戦略

アジャイル開発プロセスの流れ:スクラムの例

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アジャイル開発者に求められるスキル

アジャイル開発における発注者側に求められること:

(全ての機能の仕様を洗い出す能力よりも)コアとなる機能を見定め,優先度を図りながら開発プロジェクトの運営を指揮していく能力

明確な仕様を決めなくても良いとはいうものの,定期的なサイクルで実物を見てフィードバックのポイントを増やすことにより,実際のシステムを目で確認しながら,積み上げるように仕様を決定していく

アジャイル開発の開発者にとって重要なスキル:

① プロジェクトのアウトプットに関わる判断ではなく,アジャイル開発の進め方を踏襲させるためのファシリテーションスキル

② 反復活動の中で,実際に動くものを作りながら,小規模に,かつトータルにプロジェクトのアウトプットを積み重ねていくスキル

③ 設計,コーディング,テストを一貫して実施出来るスキル

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アジャイル開発人材の育成の考え方

価値

原則

手法

<アジャイル開発の実際>

一つのプロジェクトで全てのプラクティスを使う訳ではない

各プラクティスに厳格な規範はない

様々な方法論・数あるプラクティスから,プロジェクトや組織に適したものを取捨選択し,カスタマイズすることが必要

(平時) 一通りのプラクティスを理解する

(プロジェクト参画時) 使用するプラクティスの習得

全てを完全に身につけるより,価値に従って行動する習慣を確実に身につけることが重要

アジャイル開発を実践する活動項目

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育成開始

スキル診断

卒業検定

標準1ヶ月(習熟度により前後)

開発技術(基礎知識) プロジェクト

キックオフ

ルーキーズ

セミナー

模擬開発

開発開始

・構成管理 / その他ツール・テスト駆動開発・オブジェクト指向プログラム/ 設計

・Java言語 / Eclipse

1日 2~3日 5日

開発メンバ育成 開発チーム育成

OJT

・自己紹介

・チームビルド

・開発環境知識獲得

・業務知識

・フレームワーク

・開発標準

・アジャイル基礎知識

・サブチーム単位に行う・作ったものは捨てる

・開発者向け・ストーリーオーナー向けも別途行う

・プロジェクト憲章

・行動指針

・アジャイル概要

・開発できるレベルまで育てる

組閣

参画 ・プロパー・プロダクトオーナー・パートナー

プロジェクト立上げ

参考

人材育成の事例-スケジュール

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○:立上げ前後の必須教育の領域△:事前に準備が困難でOJTが必要な領域*:内容を組織内で個別に検討する必要がある領域

開発チーム

スクラムマスター

顧客/プロダクトオーナー

先行チーム

リーダー PM 経営者層/購買担当など

アジャイル概要 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

アジャイル基礎知識 ○ ○ ○ ○ ○ ○

アジャイル擬似体験 ○ ○ ○

業務知識 ○ * ○

開発環境 ○ *

基本アーキテクチャ ○ *

業務分析/モデリング △ △

開発技術 △ *

ファシリテーション概要 ○ ○ ○ ○ ○ ○

ファシリテーション演習 ○ ○ ○

アジャイル開発を初めて行う組織を対象

参考

人材育成の事例-対象別育成カリキュラム例

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名称 概要

アジャイル概要 アジャイル開発に携わる方向けの基礎知識

アジャイル基礎知識 一般的なプラクティスについての紹介

アジャイル擬似体験 アジャイル開発のプロセスを体験を通して理解するチームビルディング的な狙いもある

業務知識 開発対象の業務を理解する(内容は先行チームと検討)

開発環境 開発に使用するツールなどを理解する(内容は先行チームと検討)

基本アーキテクチャ 開発対象のシステム構成や、利用するフレームワークなどを理解する(内容は先行チームと検討)

業務分析/モデリング 業務を整理し、開発側に伝えるための手法を理解する

開発技術 開発に必要な技術を身につける(必要に応じて)

ファシリテーション概要 ファシリテーションに関する知識を理解する

ファシリテーション演習 ファシリテーションに関する知識を体験を通して理解する

参考

人材育成の事例-カリキュラム概要

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参考データ

アジャイル開発技術者の仕事に対する感じ方・考え方(1)

出典:「IT人材白書2014」,IPA,2014年4月25日.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

アジャイル開発技術者は,WF開発技術者に比べ,仕事が好きな割合が高い

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出典:「IT人材白書2014」,IPA,2014年4月25日.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

アジャイル開発技術者は,WF開発技術者に比べ,仕事に満足している割合が高い

参考データ

アジャイル開発技術者の仕事に対する感じ方・考え方(2)

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出典:「IT人材白書2014」,IPA,2014年4月25日.

参考データ

スキルを学ぶ(1/2)

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出典:「IT人材白書2014」,IPA,2014年4月25日.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

アジャイル開発技術者は,自主・独学で手法を学んでいる

参考データ

スキルを学ぶ(2/2)

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http://www.ted.com/talks/lang/ja/dan_pink_on_motivation.html

<出典> Dan Pink on the surprising science of motivation (ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」)

報酬のインセンティブは,視野を狭め,心を集中させることから,単純な仕事では効果があるが,そうでない創造的な仕事では逆効果.

成果を高めるのは,内的な動機付けに基づくアプローチ.

すなわち,重要だからやる,好きだからやる,面白いからやる,何か重要なことの一部を担っているからやる,というもの.

仕事において重要な要素は次の3つ:

• 自主性…自分の人生の方向は自分で決めたい

• 成長 …何か大切なことについて上達したい

• 目的 …私たち自身よりも大きな何かのためにやりたい

分析

(ある程度の)裁量

顧客の"価値"を高める

スキルアップになる

上記要素は開発手法とは独立であるが,アプローチのし易さに特徴が反映される.

モチベーション…科学的実証の結果

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941,410

0

1,452,000

450,000 0

771,426

1,446,809

49,024 128,000

100,000

2,362,300

0

554,069

150,000

19,961

254,721

365,416

49,669 104,732 124,170

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

3,500,000

ユーザ企業

ITサービス企業

出典: 「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」概要報告書,2011年 3月(IPA)N/A

N/A

IT技術者の所属先

単位(人)

参考データ

IT技術者の所属先の国別比較

米国ではユーザ企業にIT技術者が所属する割合が高い逆に,日本ではITサービス企業に所属する割合が高い

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アジャイル開発の技術者認定(例)

アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験

アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験コンソーシアム(2014.12.11設立)

http://agilecert.org/

Certified ScrumMaster® etc.

SCRUM ALLIANCE®, Inc.

https://www.scrumalliance.org/

PMI Agile Certified Practitioner (PMI-ACP)®

Project Management Institute, Inc.

http://www.pmi.org/Certification/New-PMI-Agile-Certification.aspx

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(5) アジャイル開発の契約

日本におけるアジャイル開発にふさわしい

契約モデルを提案

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アジャイル開発には、どんな契約がふさわしいのか?

開発内容が決まっていない段階で、開発プロジェクト全体につ

き、一つの請負契約を結ぶのは適切ではない(何をいくらで完

成させるか不明)。

他方、開発プロジェクト全体を準委任契約にすることは、ベン

ダが完成義務を負わない点で、ユーザ側に不安がある(たとえ

成果物が完成しなくても、ユーザは対価を支払う必要) 。

また、アジャイル開発の特徴であるユーザとベンダの協働関係

を、契約に取り入れる必要がある。

契約

注) ユーザ側での労働者派遣契約に基づく開発チーム構成には,契約上の問題は特にない.(内製傾向の高まりに伴い増加?)

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基本/個別契約モデルの概要

企画

システム運用

• n=1のケースもあり。

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第1リリース

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第2リリース

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第mリリース

基本契約

個別契約 個別契約 個別契約

企画

システム運用

• n=1のケースもあり。

第1反復

テスト

開発

要求

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第1リリース

第1反復

テスト

開発

要求

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第2リリース

第1反復

テスト

開発

要求

第1反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求

第n反復

テスト

開発

要求・・・

第mリリース

基本契約

個別契約個別契約 個別契約個別契約 個別契約個別契約

契約

基本契約

個別契約 個別契約個別契約

- 例 -

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド

http://www.ipa.go.jp/about/press/20130319.html

http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20130319.html

※プラクティス:アジャイル開発を実践する活動項目

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2%

54%27%

4%2%

9%

2%

アジャイル開発を使っていますか?

多くのプロジェクトで使っている

一部のプロジェクトで使っている

使いたいと考えているが実現していない

使う予定はない

よく分からない/関係ない

その他

無回答

アジャイルジャパン2014(2014.6.27, 東京)参加者アンケート(265名)

16.8%

0%

50%43%

3%0% 4%

2014年11月12日 東京(28名)http://sec.ipa.go.jp/seminar/20141112.html

参考データ(再掲)

アジャイル開発の適用状況-国内-(4)

2%

46%32%

1%

6%7%

6%

http://sec.ipa.go.jp/seminar/20131030.html

2013年10月30日 東京(55名)

2014年12月17日 東京(68名)http://sec.ipa.go.jp/seminar/20141217.html

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42%

37%

6%

30%

0%

10%

20%

30%

40%

企業哲学又は

文化との相性

手法への不慣れ

従来型開発採用

への外部圧力

チーム内での

反発

文化的な移行の

欠如

マネジメントの

支援の欠如

不十分な

トレーニング

44%

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

33%36%

その他・

分からない

組織管理・コミュニ

ケーション上の問題

33%

38%

50% 「手法への不慣れ」がさらに2ランクアップトップに!

「プラクティス活用リファレンスガイド」を用いて

アジャイル開発手法に慣れよう

「マネジメントの支援の欠如」も大幅(6ランク)アップ

参考データ(再掲)

アジャイル型開発プロジェクトの失敗理由 (海外)

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ガイドの特徴

• 55個*のプラクティス,26個の事例,9つの活用ポイント 計224ページ

• 日本国内の開発現場からのヒアリングにより収集した知見を,パターン記述形式で取りまとめ

• MS-Wordファイルを公開し,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下に,改変自由・営利目的利用可で使用許諾

* 類似のものを統合し,最終的には45個

アジャイル開発を実践する活動項目

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0%

20%

40%

60%

80%

100%

日次ミーティング

ふりかえり

イテレーション計画ミーティング

イテレーション

紙・手書きツール

持続可能なペース

チーム全体が一つに

バーンダウンチャート

タスクボード(タ

スクカード

)

ユニットテストの自動化

インテグレーション専用マシン

集団によるオーナーシップ

自己組織化チーム

継続的インテグレーション

組織にあわせたアジャイルスタ…

スプリントバックログ

リリース計画ミーティング

ファシリテータ(スクラムマス…

迅速なフィードバック

コーディング規約

ユーザーストーリー

プロダクトバックログ

(優先順…

ベロシティ計測

リファクタリング

共通の部屋

プロダクトオーナー

スプリントレビュー

自動化された回帰テスト

プランニングポーカー

シンプルデザイン

柔軟なプロセス

テスト駆動開発

オンサイト顧客

人材のローテーション

ペアプログラミング

スパイク・ソリューション

アジャイルコーチ

受入テスト

顧客プロキシ

バグ時の再現テスト

逐次の統合

インセプションデッキ

ニコニコカレンダー

かんばん

システムメタファ

プラクティス適用率 (n=26)

適用プラクティス (全体)

※:適用数は、適用を1件、部分的に適用を0.5件として集計した。※ システムメタファは国内の26事例の中で活用されている事例はなかった。『ガイド編 プラクティス解説』では、海外の事例を調査した。

日次ミーティング、ふりかえり、イテレーション計画ミーティング、イテレーションの順に適用率が高く、これらはアジャイル開発を行う上でのほぼ必須のプラクティスであると言える。これらのプラクティスはScrumとXPに共通するプラクティスである。

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プラクティス例概要 – 日次ミーティング

状況

チームは、プロジェクトのタスクをこなすためにほとんどの時間を使い、状況や情報の共有のために取れる時間がほとんどない。

問題

情報の共有遅れが問題を大きくする。情報共有の時間が取れないまま、状況認識と問題対処への判断が遅れると、問題が大きくなるなど、より深刻な状況を招いてしまう。

フォース

関係者が多忙なため、情報共有のための時間が取れない。情報共有の間隔が空いてしまうと、情報量が増え、共有に必要な時間が余分にかかる。

解決策

必要な情報を短い時間で毎日共有する。関係者が長時間、時間を取れないようであれば、短い時間(15分を目安に)で済むように、共有を必要な情報に絞る。

利用例

事例(9): 遠隔地にいるメンバーも日次ミーティングに参加するため、チャットツールや電話会議システムを利用した。

事例(17): 1日3回(朝、昼、夕)10分程度のミーティングを実施。問題を報告/解決するためのリズムが開発メンバー全員に浸透して、短期での問題提起ができている。

留意点

必ずしも朝の時間帯にこだわらず、関係者が集まりやすい時間帯に開催する(例えば、終業近い時間帯に開催する夕会)。

リファレンスガイド

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プラクティス例概要 – ふりかえり

状況

イテレーション毎に、チームは動くソフトウェアとして成果を出そうとしている。イテレーションを繰り返して、チームはソフトウェアを開発していく。

問題

開発チームは、そこに集まったメンバーにとって最適な開発プロセスを、最初から実践することはできない。

フォース

イテレーションでの開発はうまくいくこともあるが、うまくいかないこともある

解決策

反復内で実施したことを、反復の最後にチームでふりかえり、開発プロセス、コミュニケーション、その他様々な活動をよりよくする改善案をチームで考え実施する機会を設ける。

利用例

事例(25): 当初はKPT[※1]を用いてふりかえりを行っていたが、ファシリテータの技量にふりかえりの質が依存してしまう、声の大きいメンバーに影響を受けてしまうことに気づいた。そのため、意見を集めるやり方として、555(Triple Nickels)[※2]を用いることにした。

ふりかえりにチームが慣れていない場合は、進行で各人の意見をうまく引出すようにしないとうまくいかない。

問題点を糾弾する場にしてしまうと、改善すべき点を積極的に話し合えなくなってしまう。

改善案を出しても、実際に実行可能なレベルの具体的なアクションになっていないと実施されない。

※2 アクションや提案に対するアイデアを出すための手法。5人程度のグループで、各人が5分間ブレインストーミングをしてアイデアを書き出す。5分経過したら紙を隣の人にまわし、新しいアイデアを書き加える。

留意点

※1 メンバー全員で、Keep(よかったこと・続けたいこと)、Problem(問題・困っていること)、Try(改善したいこと・チャレンジしたいこと) を出し合い、チームの改善を促す手法。

リファレンスガイド

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プラクティス例概要 – イテレーション計画ミーティング

状況

開発を一定期間のサイクル(イテレーション)で繰り返し行っている。プロダクトバックログの内容を、チームとプロダクトオーナーの間で合意している。

問題

リリース計画は遠い未来の目標のため、それだけではイテレーションで何をどのように開発すれば良いか分からない。

フォース

ユーザーストーリーのまま、イテレーションの詳細な計画を立て、開発を進めていくのは難しい。

解決策

イテレーションで開発するユーザーストーリーと、その完了までに必要なタスクおよびタスクの見積りを洗い出すミーティングを開く。

利用例

留意点

見積りに関してチームが水増しする懸念を持つかもしれないが、チームを信じるべきである。プロジェクトの目的を理解したチームは、見積りが大きく外れるようであれば、自らその原因を分析し、次の見積りに活かすはずである。

G社事例(9): ペーパープロトタイピング[※1]を用いたUIデザインの共有と受入れ条件の確認をイテレーション計画ミーティングで行っていた。そのため、計画にはかなり時間を要していたが、見積りの前提が具体的になったため、見積り作業時間の削減に繋がった。

※1 紙などを使った試作品でユーザビリティテストを行うこと。

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事例概要 <<中大規模適用プロジェクトの事例>> 事例(4) C社

プロフィール

既存のサービスのリプレイス開発。単純なサービスのリプレイスではなく、新しい要件も加えながら開発したいとの要望があり、C社から顧客にアジャイル開発を提案して開始した。リプレイスといいながらも、顧客から要件を聞き出しながら開発を進めていった。要件が固められない部分のみアジャイル開発を行い、要件が明らかな部分についてはウォーターフォール型開発を実施した。

特徴的なプラクティス

日次ミーティング: 複数のチームが存在したため、二段階の構成で実施していた。(チーム間→チーム毎)。

ふりかえり: チーム毎に実施した場合には、他のチームへの不満などばかりになってしまい機能しなかった。そのために、複数チームの混成で実施することにより、問題へ集中するように意識を変えさせた。また、反復毎のふりかえりとは別に、四半期単位でも実施して大きな改善点について話しあった。

顧客プロキシ: 当初は顧客に要件管理をしてもらっていたが、機能しなくなったため、C社の社員が顧客の会社へ出向して顧客プロキシとなり全面的に支援した。

システム種別 B2Cサービス

規模

中規模開発者 32名インフラ 4名管理その他 23名計 59名

手法 XP

契約 準委任契約 (四半期毎に更新)

期間 2年

開発拠点 東京、地方を含めた3拠点

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活用のポイント (1)(1) 短納期、開発期間が短い

開発対象のボリュームに比して、開発期間が短い場合、チームの開発速度を計測し、そのスピード感で、予定している開発量が期限内に完了するのか、常に点検する必要があるため、「ベロシティ計測」と、「バーンダウンチャート」を活用する。ベロシティ計測は、関係者であるプロダクトオーナーが理解できる基準で計測する必要がある(H社事例(11))。バーンダウンチャートは、関係者と定期的に共有する機会を設けることが活用のポイントである(B社事例(2)、J社事例(17)(18))。

(2) スコープの変動が激しい

開発中に要求の変更が頻繁に発生することが予想されるプロジェクトでは、チームが扱う要求の全体像と状態、直近のイテレーションで何を開発するかが分かっており、柔軟に優先順位を変えられる必要があるため、「プロダクトバックログ(優先順位付け)」、「スプリントバックログ」および「プロダクトオーナー」を活用する。プロダクトバックログ(優先順位付け)は、イテレーション毎に整理を行い、チーム全員で優先順位と内容を合意すると良い(B社事例(2))。プロダクトオーナーは、業務や全社的に全体最適となる判断を行うこと(G社事例(10))。

(3) 求められる品質が高い

品質要求が高いプロジェクトでは、テストに関するプラクティスである「自動化された回帰テスト」、「ユニットテストの自動化」を活用する。自動化された回帰テストやユニットテストの自動化は、プロジェクトの初期段階で、実施有無、実施のための取決め、使用ツールを検討しておくことがポイントである。これを後回しにすると、必ず機能開発が優先され、自動化にたどりつかない(B社事例(2))。

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活用のポイント (2)(4) コスト要求が厳しい

必要のないものを作るムダをなくし、必要なものをより素早く提供することがROI(費用対効果)の向上につながり、コスト要求に応えることができる。そのためには、的確に顧客の要求を把握し、認識の相違をなくす必要があるため、「プロダクトバックログ(優先順位付け)」を活用する。また、開発機能がプロダクトオーナーの意図通りになっているか否かの検証のために、「受入テスト」を活用する。「オンサイト顧客」には、優先順位や仕様の確認がその場で確認することができ、迅速に方針を決められるというメリットがある(K社事例(20))。

(5) チームメンバーのスキルが未成熟

スキル的に未成熟なメンバーが成長していく機会として、プロジェクトを計画する必要があるため、「ペアプログラミング」と「ふりかえり」を活用する。ペアプログラミングは、ベテランとメンバーが一緒に仕事をすることで、技術的な指導を行うのに適したプラクティスである(C社事例(4))。ふりかえりは、メンバーの成長の機会として捉えることができる。ふりかえりのやり方自体も見直しながらチームに適したやり方を模索すると良い(E社事例(6))。

(6) チームにとって初めての技術領域や業務知識を扱う

プロダクトの背景にある業界の知識や、要求の理解と実装に必要な業務知識の獲得が必要となるため、「スパイク・ソリューション」と「システムメタファ」を活用する。スパイク・ソリューションを適用することは、リスクとなりそうな技術課題について、プロジェクトの初期段階で実験的に小さく試しておくことであり、チームとプロジェクトを後々助けることに繋がる(C社事例(4))。システムメタファは、開発者にとって、なじみの薄い業務知識を理解する手段として、有効と考えられる。

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活用のポイント (3)(7) 初めてチームを組むメンバーが多い

初めてチームを組むメンバーが多い場合、チームが向かう方向を明確にすることと、チームビルディングが必要となるため、「インセプションデッキ」や「ニコニコカレンダー」を活用する。インセプションデッキは、作成を通じて、プロジェクトの目的や目標が明らかとなる(B社事例(1))。ニコニコカレンダーは、メンバーの感情や状況を可視化し、チームメンバーのことを知ることがポイントになる(E社事例(6))。

(8) オフショアなど分散開発を行う

プロダクトオーナーと開発チームが別の拠点にいる場合、オンラインでのコミュニケーション手段を検討し、頻繁にコミュニケーションが取れるようにする必要があるため、「日次ミーティング」や「顧客プロキシ」を活用する。TV会議システムを使った日次ミーティングは、離れた者同士が毎日顔を合わせる機会として、ぜひ活用するべきである(G社事例(9))。顧客プロキシは、分散した環境下でも、迅速なフィードバックが得られる工夫をしなければならない。

(9) 初めてアジャイル開発に取り組む

初めてアジャイル開発に取り組む際には、書籍や文書だけではなく人から人にやり方を伝えることが有効であるため、社内にアジャイル開発に取り組んだ経験のある人がいる場合はその人に、社内にない場合は、社外からアジャイルコーチを頼んで導入の手伝いをしてもらうのがよい。初めて取り組む場合は、イテレーション期間を短くした上で、ふりかえりの中で改善点をチームで考え実行していくことが不可欠となる。

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組込み機器・システムとアジャイル開発

組込み機器・システムの開発に対しても,

アジャイル開発手法の適用が必要となってきている

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アジャイル開発による経験が十分には蓄積されておらず、現在、チャレンジと創意工夫が求められている領域:

①大規模開発

・開発者10人程度を超えると、システム分割、チーム分割が必要。その分割方法、及び、分割されたチーム間のコミュニケーションが課題。

②分散拠点(オフショア含む)開発

・開発拠点が分散し、さらに時差によって分断される場合のコミュニケーション手法、また、それをサポートするツールが必要。

③組織(会社)間をまたぐ開発チームによる開発

・共通のビジネスゴールを持ったチームを組むことが難しい。

④組込みシステム開発

・リリース後のソフトウェア修正が極めて困難であり、採用には工夫要。

再掲

アジャイル開発の試行領域

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組込み製品開発の特徴

顧客(エンドユーザ)が見えない

経験と想像に基づく要求設定

未来予測の要求への反映

多くの関係者(関連部署)との協力による開発推進

市場からのフィードバックを迅速に行う仕組み

短いサイクルで機能を積み上げ,評価しつつ,製品の価値を高めていく

そもそも開発開始前の

真の要求の確定は不可能

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日米における今日のデバイスの比較

<出典>クリストファー・テイト「イノベーションを生み出す日本へ、再び

~ソフトウェアとハードウェアの対話が、日本に強さもたらす~」ET-West 2013 ヒートアップセッションHU-5講演,2013年6月14日,大阪.

ハードウェアソフトウェア

ハードウェア

ソフトウェア

インターネットを介した改善

日本 米国(シリコンバレー)

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組込み機器・システムとアジャイル開発

利用者の購入後に

インターネットを介して

定期的に機能拡張*

アジャイル開発

クラウド

エンドユーザ側データの収集の仕組みがある

* エンドユーザからのフィードバック対応を含む

真の要求

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組込み系とエンタプライズ系の技術者間の協働

機器・システムだけを見ていては不十分(イノベーションに結びつきにくい)

・機能拡張の仕組み(サーバ/バックヤード/クラウド側)の理解

・機能拡張項目選定のトリガ(利用者の声を捉える仕組み)の理解

組込み系とエンタプライズ系の協働/両スキルの獲得

エンドユーザ側データの収集の仕組みと運用

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出典:「IT人材白書2014」,IPA,2014年4月25日.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

業務において最もよく用いられる開発プロセス(技術者別)

参考データ

アジャイル開発を用いる技術者

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アジャイル開発の課題

<背景の出典> All-in-One Agile Lifecycle Management Solutionhttp://www.versionone.com/product/agile-project-management-tool-overview/

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★アジャイル開発では顧客との調整が難しい

アジャイル開発においては,

顧客との調整が難しい

顧客(ビジネス)側の理解・認識も重要

一層の連携を!!

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アジャイルジャパン2014

(2014.6.27)

参加者アンケート(265名)

参考データ

アジャイル開発のプロジェクト管理

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★アジャイル開発の契約は運用で解決できる

優先順位の問題.

アジャイル開発が真に必要であると判断し,

リスクをとる覚悟があれば,

契約の問題は,

運用を工夫することにより解決できるはず

私見

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★アジャイル開発はそのままでは生産性が低い

アジャイル開発の生産性を高めるためには,

ツールの活用,特に,

テストの効率化(自動化等)が必須である

日本におけるソフトウェア開発一般の生産性は,諸外国に比べて低いと言われている.※

ALM(Application Lifecycle Management)の導入も検討すべきである.

※平成25年度 年次経済財政報告,内閣府http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je13/13.html

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WF アジャイル xRADアジャイル

/WFxRAD/WF

総費用/JFS

平均 112.19 135.45 40.70 1.21 0.36

係数 28.20 57.65 6.40

工数/JFS

平均 1.28 2.15 0.48 1.68 0.37

係数 0.44 1.60 0.26

工期/JFS

平均 0.31 0.24 0.10 0.77 0.32

係数 0.04 0.04 0.03

データ数 337 51 43

3種開発法の比較(参考値)

<出典> ソフトウェアメトリックス調査2014,図表6-258,一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS).

注) xRADは超高速開発手法のツールの一つ.平均は各開発法のデータの平均値であり,係数はJFSの1単位増加に伴う総費用,工数,工期の増加を示す.係数が大きいと,システム開発規模の増加につれて各要因の値の増加がより大きくなることを示す.

アジャイルは,テストを繰り返す等の理由により,工数大

参考データ

各種開発手法の比較例

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<出典> ソフトウェアメトリックス調査2014,図表7-60,7-61,一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS).

0

20

40

60

80

100

120

140

テストツールの使用の分布 テストツール使用の有無

件数(件)

割合(%)

使用している 153 27.0

使用していない 414 73.0

合計 567 100.0

(件)

127

71.3%

21

11.8%18

10.1%

8

4.5%4

2.2%

テストツールの活用により,繰返しテストの効率化を

参考データ

適切なツールの活用(テストツールの活用状況)

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<出典> Scott W. Ambler: “Why Agile Software Development Techniques Work: Improved Feedback”http://www.ambysoft.com/essays/whyAgileWorksFeedback.html

参考データ

ALM(Application Lifecycle Management)(1/2)

修正/変更に必要なコストとプラクティス/技法

開発の初期段階で不具合を発見・対処すればコストは小さい

アジャイル開発のプラクティスの活用

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参考データ

ALM(Application Lifecycle Management)(2/2)

全ステークホルダを対象とし,企画からデリバリまで一貫したマネジメントが有効

『ツール・クラウド』への期待

<出典> Scott W. Ambler: “Why Agile Software Development Techniques Work: Improved Feedback”http://www.ambysoft.com/essays/whyAgileWorksFeedback.html

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★アジャイル開発向けのアーキテクチャがあるはず

アジャイル開発向けのアーキテクチャ(ソフトウェア構造)へのヒント…開発手法によるプロジェクト成功/失敗の比較

14%

57%

29%

ウォーターフォール

42%

49%

9%

アジャイル

完全成功

(Successful)

一部成功

(Challenged)

失敗 (Failed)

出典:CHAOS MANIFESTO 2011

注) 2002~2010年のCHAOSプロジェクト・データベースの内容をもとに集計

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要求変化対応ソフトウェア・アーキテクチャ(BRMS 1/2)

ビジネス・アーキテクチャ 写像 ITシステム・アーキテクチャ

ビジネス戦略 → IT戦略

ビジネス・プロセス+

ビジネス・ルール

固定的・汎用的 変更不要

変動的・個別的 変更対象

エンジン

ビジネス・プロセスが,ビジネス・ルールを実行

ビジネス環境の変化要求変化対応ソフトウェア・アーキテクチャ

ビジネス環境の変化に伴う,ビジネス・ルールの変動に対応する,パラメータのみ(小規模)を変更

XMLベースのマークアップ言語による記述?

SEC特別セミナー(2011.7.12)講演「ビジネスアナリシス最前線~北米のビジネスアナリシスを取り巻く最新技術動向解説~」(IIBA日本支部理事.宗雅彦)http://sec.ipa.go.jp/seminar/2011/20110712.htmlの内容をもとに作成

パラメータ

コア部分に適用

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要求変化対応と安心・安全(BRMS 2/2)

システムの複雑さは信頼性を低下させる

ルール処理モジュール

第3階層

第2階層

第1階層 ルール1

ルール21

ルール31 ルール32

ルール22

ルール33

ルール・データ

モジュール5

モジュール2

モジュール1

モジュール4

モジュール3

v.s.

変化に追随しないシステムは安心して使えない

システム システム

変更

変更

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要求変化対応ソフトウェア・アーキテクチャ(マイクロサービス 1/2)

<出典> James Lewis: Microservices, ThoughtWorks, 25 March 2014.

http://martinfowler.com/articles/microservices.html

複数の小さな“サービス”を組み合わせてアプリケーションを構築各サービスは独立にデプロイされ,疎結合で独立動作.

従来の“モノリシック”タイプ マイクロサービス

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要求変化対応ソフトウェア・アーキテクチャ(マイクロサービス 1/2)

俊敏な変更が可能

独立チームで特徴を活かす

<課題>不得手な制御もあるトラブル時の対応に配慮要開発・運用の効率化のための支援環境が重要

マイクロサービスの特徴

必要なサービスのみ,変更・置換他のサービスへの影響の考慮不要

制約が少なく,工夫・挑戦する意識の高まり責任の明確化

サービス3

サービス2

サービス1

サービス5

サービス4

軽量な,標準インタフェース置換対象

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★アジャイル文化への組織の転換はタフなこと

アジャイル文化への組織の転換

(Agile transformation)

多くの組織,チーム,個人にとって,アジャイル開発プロセスへの転換は“挑戦的”である.それは,ある種の文化的変革を必要とするからだ.[Agile transformation, IBM]

アジャイルは,プロセスではなく文化である.Michael Sahota: “An Agile Adoption and Transformation Survival Guide: Working with

Organizational Culture,” 2012.

http://www.ibm.com/smarterplanet/us/en/business_analytics/article/agiledevelopment.html

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53%42%

35%33%

30%28%

23%

13% 13%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

組織文化の

変化能力

変化への

一般的な抵抗

アジャイル

経験者不足

マネジメントの

支援

プロジェクトの

複雑さ・

規模

顧客の協力

規模拡大への

対応の自信

移行までに

許される時間

予算の制約

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第8回2014より)

55%

25%

13%

WFフレームワークへ

のアジャイルの整合

特になし

1.組織文化の変化能力2.変化への一般的な抵抗3.WFフレームワークへのアジャイルの整合

→前回調査と同傾向

アジャイル開発手法の導入拡大の障壁 (海外)参考データ

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44%

34%32%

35%

29%

24%

15%

22%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

組織文化の

変化能力

アジャイル

経験者不足

マネジメントの

支援

顧客の協力

規模拡大への

対応の自信

特になし

変化への

一般的な抵抗

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

55%

23%

16%

WFフレームワークへ

のアジャイルの整合

アジャイル開発手法の導入拡大の障壁 (海外)参考データ

上流での計画不足

への管理上の懸念

経営管理の浪費

に関する懸念

1.組織文化の変化能力はトップ変わらず2.経験者不足が上位に3.新規2項目追加:

・上流での計画不足への管理上の懸念・経営管理の浪費に関する懸念

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42%

37%

6%

30%

0%

10%

20%

30%

40%

企業哲学又は

文化との相性

手法への不慣れ

従来型開発採用

への外部圧力

チーム内での

反発

文化的な移行の

欠如

マネジメントの

支援の欠如

不十分な

トレーニング

44%

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

33%36%

その他・

分からない

組織管理・コミュニ

ケーション上の問題

33%

38%

50% 「手法への不慣れ」がさらに2ランクアップトップに!

「マネジメントの支援の欠如」も大幅(6ランク)アップ

参考データ(再掲)

アジャイル型開発プロジェクトの失敗理由 (海外)

継続的に上位に位置する

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★アジャイル開発に取り組むためにマインドを変える

私見メンバ間のスキル・能力にばらつきの多いソフトウェア開発チームにおいて,生産性を高め,所定の品質を確保するために,自由度と柔軟性を低くする方向,すなわち,プロセスの標準化や自動化が進められる.

このような創造性を発揮する機会が少ない状況において,「このままでよいのか?」という疑問を抱いたメンバは,自ら勉強する中で,顧客の「価値」を重視するアジャイル開発に取り組んできた.

標準化・自動化されたプロセスの下でのソフトウェア開発組織で“居心地の良さ”を感ずるメンバに対し,アジャイル開発の技術のみを訓練するとするならば,果たしてうまくいくのだろうか?

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★彼を知り己を知れば百戦殆うからず

システム開発・運用においては,

開発・運用対象と組織・プロジェクトの特徴に応じた

適切な形態・手法の選択が重要

彼を知り己を知れば百戦殆うからず(孫子)

失敗しません!変わる 変える

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アジャイル開発に関するIPA/SECの検討結果等は:http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/std/ent02-c.html

ご清聴,ありがとうございました

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補足情報

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アジャイル宣言における4つの価値

アジャイル宣言(Agile Manifesto)アジャイルな開発手法の提唱者17名が集まり,2001年に発表.http://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

私たちは,ソフトウェア開発の実践を手助けする活動を通じて,よりよい開発方法を見つけだそうとしている.

この活動を通して,私たちは以下のことを重視する:

①プロセスやツールよりも,個人と対話を

②包括的なドキュメントよりも,動くソフトウェアを

③契約交渉よりも,顧客との協調を

④計画に従うことよりも,変化への対応を

すなわち,①~④の各文の前者(「よりも」の前の言葉)に価値があることを認めながらも,私たちは後者(「よりも」の後の言葉)の事柄により価値をおく.

参考

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アジャイル宣言の背後にある12の原則私たちは以下の原則に従う。

①顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する。

②要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎する。

変化を味方につけることによって、顧客の競争力を引き上げる。

③動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースする。

④ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働く。

⑤意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成する。

環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼する。

⑥情報を伝える最も効率的で効果的な方法は、フェイス・トゥ・フェイスで話をすることである。

⑦動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度である。

⑧アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進する。

一定のペースを継続的に維持できるようにしなければならない。

⑨技術的卓越性と優れた設計に対する不断の注意が機敏さを高める。

⑩シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質である。

⑪最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出される。

⑫チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整する。

参考

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↙安心←

変化の俊敏な反映

情報技術

ITシステム

ITサービス

国民生活社会経済活動

依存

変化

変化

反映

• 価値観• ライフスタイル• 法制度• 社会情勢• ビジネストレンド• …

• 技術動向• 新技術• コスト• …

<変化>の拡大傾向時間的:頻繁に量的:広範囲な影響質的:複雑化

安全←

高信頼化

(要求の変化)

<依存>の拡大傾向時間的:常時化量的:広範囲化質的:クリティカル域

⇒このような傾向を考慮した,ITシステムの開発・運用

環境

分析

ITシステムへの依存と,システム環境の変化

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外部ビジネス環境

ビジネス戦略

IT戦略

ITシステム

要求が固定されない

↓リスク

システム開発スケジュールの遅延

要求を固定化

↓リスク

外部ビジネス環境の変化への迅速な対応の遅れ

要求内部状態

技術動向

分析

要求の固定が(ビジネス)リスクを拡大

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業務改善ニーズ業務運営 業務設計

顧客・サプライチェーン 環境変化(顧客・市場・技術・政策)

組織的支援

構成情報構成情報

企業価値

企業価値

機能

業務改革等への参加

改革・改善サイクル

SLA管理

サービスデスク

インシデント・問題管理

キャパシティ管理

オペレーション管理

IT運用 IT取得

SLCPでカバーしているプロセス

設計

開発/構築

テスト

移行

ITプロジェクト管理

経営(CIO含む) 経営(CIO含む)

業務改革企画

IT企画

要件定義/SLA定義SLA

業務開発業務の改革・改善経営・業務の運営

ITの運用 ITの改革・改善 IT開発

②サービスマネジメント

①業務改革プロジェクト

経営

業務

システム

SW

環境

移管/移行

教育/移行

新規開発

拡充開発(完全化保守)

保守開発(適応保守)

業務運用とアジャイル開発

出典:共通フレーム2013

全体最適『“運用→開発→運用”

という流れで全体を捉えるべき』

このサイクルを短期間でまわす

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時間

時間

パフォーマンス

↑初期リリース

↑初期リリース

「価値」(スループット)は,面積で表される

パフォーマンス

継続的デリバリーでスループットを大きく

<出典>河合太郎(ヤフー):大規模開発におけるリーン・スタートアップ,Innovate 2013, 2013.10.28.

トップダウン:ビジョン

ボトムアップ:トレーニング

• コミュニケーションが最も重要

• 変化に対する抵抗が最大の障害

分析

アジャイル開発の推進に向けて

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54%

11%

9%

7%

4%

4%2%

2%2% 2% 1%1% 1%

Scrum

Scrum/XP Hybrid

Custom Hybrid

Scrumban

Kanban

Don't Know

XP

Feauture-Driven-Dvelopment

Lean

Other

Agile Unified Process

Agile Modeling

DSDM Atern

・スクラム系が多い・カスタム・ハイブリッドも伸びている

参考データ

VERSIONONE®: 7th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2013

http://www.versionone.com/pdf/7th-Annual-State-of-Agile-Development-Survey.pdf

使用するアジャイル手法

ハイブリッド型の適用が進む(1_1/2)

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参考データ

使用するアジャイル手法

ハイブリッド型の適用が進む(1_2/2)

55%

10%

8%

6%

5%

4%3%2%2%

1%1% 1%1%1%

Scrum

Scrum/XP Hybrid

Custom Hybrid

Scrumban

Kanban

Iterative Development

I Don’t Know

Lean Development

Other

Agile Modeling

Feature-Driven

Agile Unified

DSDM/Atern

XP

VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

・上位は不変・XPの順位低下

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28 percent of 450 software professionals

said they use a hybrid approach.

Another 12 percent use lean software development,

which includes agile processes.

Source: 2011 Agile ALM and Testing Survey,

SearchSoftwareQuality.com

Of 4,770 respondents from 91 countries,

90 percent said they use some form of agile.

Only 27 percent of respondents solely use one type of agile,

while 35 percent mix agile with waterfall,

and 39 percent mix agile with Scrum.

Source: Analysis.Net and VersionOne Source: PM NETWORK,

January 2012, Vol. 26, No. 1

ハイブリッド型の適用が進む(2/2)参考データ

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出典:「IT人材白書2013」,IPA,2013/3/28.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

アジャイル開発技術者の仕事に対する感じ方・考え方(1)参考データ

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125Copyright © 2010-2015 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement CenterSECセミナー(2015-10-07)

Q. 今の仕事に一生懸命取り組んでいる

アジャイル型 :28.4%

ウォーターフォール型:12.5%

Q. 仕事が好きである

アジャイル型 :23.4%

ウォーターフォール型: 9.9%

Q. この仕事をしていることを誇りに思う

アジャイル型 :19.9%

ウォーターフォール型: 7.3%

<回答=「よく当てはまる」の割合>

出典:「IT人材白書2013」,IPA,2013/3/28.http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

アジャイル開発技術者の仕事に対する感じ方・考え方(2)参考データ

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド 事例一覧 (1)

調査先 No. 採用手法[※1] 特徴 システム種別 契約関係[※2] 開発言語

A社0 Scrum+XP B2Cサービス (広告配信) 自社開発 Java, PHP, Perl

1 Scrum+XP B2Cサービス (広告配信) 自社開発 Ruby

B社2 Scrum+XP B2Cサービス (SNS) 自社開発 Java

3 Scrum+XP B2Cサービス (メール配信) 自社開発 Java

C社 4 XP+WF 中規模 B2Cサービス (メール配信) 受託開発 (準委任) Java

D社 5 XP B2Cサービス (SNS) 自社開発 Java, PHP, Ruby

E社6 Scrum 初導入 社内システム 自社開発 C#

7 Scrum+WF 中規模 社内システム 受託開発 (請負) Java, COBOL

F社 8 Scrum+WF 中規模 社内システム 自社開発 C#

G社9 Scrum+XP 初導入 社内システム 実証事業 Ruby

10 Scrum+XP 社内システム 受託開発 (請負) Ruby

H社

11 Scrum B2Cサービス (音楽配信)自社開発 + オフショア(準委任)

Java, C#, Objective-C

12 Scrum B2Cサービス (エンターテイメント)自社開発 + オフショア(準委任)

Java, C#, Objective-C

13 Scrum 社内システム自社開発 + オフショア(準委任)

Java

14 Scrum B2Cサービス (ヘルスケア)自社開発 + オフショア(準委任)

C#

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド 事例一覧 (2)

※2:自社開発 → 自社組織内に開発部隊あり、一部パートナー(派遣)受託開発 → 自社組織内に開発部隊なし、外部ベンダに発注している

※1:XP:エクストリームプログラミング、Scrum:スクラム、WF:ウォーターフォール、UP:統一プロセス、もしくは、これらの手法の組み合わせ

中大規模(30名以上):6件 初導入:2件

調査先 No. 採用手法[※1] 特徴 システム種別 契約関係[※2] 開発言語

I社 15 Scrum中規模(組織展開)

B2Cサービス (広告配信) 自社開発 Java, Objective-C

J社

16 XP B2Cサービス (スマートフォンアプリ) 受託開発 (請負) Java

17 XP B2Cサービス (クラウド基盤) 受託開発 (請負) Java

18 XP B2Cサービス (クラウド基盤) 受託開発 (請負) Java

19 XP B2Cサービス (PaaS) 受託開発 (請負) Java

K社 20 Scrum B2Cサービス (ECサイト) 受託開発 (請負) PHP

L社

21 Scrum+UP 社内システム 受託開発 (請負) Java

22 Scrum+WF 大規模 社内システム受託開発 (準委任)

Java

23 Scrum+WF 技術評価 受託開発 (請負) Java

24 Scrum パッケージ自社開発 + オフショア (請負)

C#

M社 25 Scrum大規模(組織展開)

B2Cサービス (ソーシャルゲーム) 自社開発 Perl

全26事例

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド プラクティス一覧 (1)

カテゴリ サブカテゴリ プラクティス 説明

プロセス・プロダクト

プロセス

リリース計画ミーティング プロダクトリリースのためのリリース計画ミーティング

イテレーション計画ミーティングイテレーション(スプリント)ごとのリリース計画やアクティビティなどを計画するミーティング

イテレーション ゴールや結果にアプローチするプロセスを繰り返すこと

プランニングポーカー スプリント計画時のタスクを見積もるためのプランニングポーカー

ベロシティ計測 プロジェクトベロシティの計測

日次ミーティング 現在の問題を解決するための短いデイリーミーティング

ふりかえり 前のスプリント(イテレーション)から学ぶためにふりかえる

かんばん ジャストインタイムの継続的なデリバリを強調した管理手法

スプリントレビュー 完了した仕事を表明するスプリントレビューミーティング

タスクボード(タスクカード) ボードに貼られたメンバーが継続的に更新するタスク

バーンダウンチャート スプリント進捗をモニターするためのバーンダウンチャート

柔軟なプロセス状況や環境の変化に対応できる柔軟なプロセスにしている、もしくは、プロセスを柔軟に変更している

プロダクト

ユーザーストーリー要求についての会話を行うときの開発チームとプロダクトオーナーの間の合意事項

スプリントバックログプロダクトオーナーとチーム間でのスプリントバックログへの相互コミットメント

インセプションデッキ 10の質問によりプロジェクトの属性を明らかする

プロダクトバックログ(優先順位付け)

プロダクトオーナーによる優先順位(プロダクトバックログ)の管理

フィードバック 迅速なフィードバック 迅速なフィードバックを得られるような取組みを行っている

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド プラクティス一覧 (2)

カテゴリ サブカテゴリ プラクティス 説明

技術・ツール

設計開発

ペアプログラミング すべての製品コードはペアプログラミングで開発している

自動化された回帰テスト 自動化された回帰テストを行っている

テスト駆動開発 単体テストを書き、そのテストを通るようなコードを実装する

ユニットテストの自動化 ユニットテストの自動化

受入テスト 受入テストの実施と、その結果を公開している

システムメタファ関係者全員が、そのシステムがどのように動くかについて伝えることができるストーリー

スパイク・ソリューションリスクを軽減するために、隠れた問題を探索するための簡単なプログラム(スパイク・ソリューション)の試作

リファクタリング 定常的なリファクタリング

シンプルデザイン 設計をシンプルに保つ

逐次の統合 一度に統合するコードはひとつだけとする

継続的インテグレーション 継続的インデグレーション、または頻繁なインテグレーション

集団によるオーナーシップ 全員がすべてのコードに対して責任を持つ

コーディング規約 同意された標準のためのコーディング規約

障害対応 バグ時の再現テスト バグが見つかったとき、そのテストがまず最初に作られる

利用ツール 紙・手書きツールポストイット(付箋紙)やCRC(class-responsibility-collaboration)カードなどの使用

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アジャイル開発プラクティス活用リファレンスガイド プラクティス一覧 (3)

カテゴリ サブカテゴリ プラクティス 説明

チーム運営・組織・チーム環境

顧客プロキシ要件や仕様をまとめるために顧客の業務に精通した顧客プロキシの設置

オンサイト顧客 顧客といつでも/定期的にやりとりが可能である

プロダクトオーナー プロダクトオーナー役の設置

ファシリテータ(スクラムマスター)

スクラムマスターによる開発プロセスとプラクティスのファシリテーション

アジャイルコーチ アジャイルコーチがプロジェクトに参加している

自己組織化チーム チームメンバーがタスクに志願するなど自律的なチームになっている

ニコニコカレンダー ニコニコカレンダーを用いてメンバーの気持ちを見える化している

進め方 持続可能なペース 継続的なペースで開発している

組織導入組織にあわせたアジャイルスタイル

組織にあった適切なアジャイルスタイルを用いるようにしている

ファシリティ・ワークスペース

共通の部屋 オープンスペースがチームに与えられている

チーム全体が一つに チーム全員がひとつのゴールに向かうような取組みを行っている

人材のローテーション 多能工の育成などのため人材のローテーションを行っている

インテグレーション専用マシン 特定のインテグレーション用コンピュータ

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70%60%50%40%30%20%10%0 80% 90%

75%

72%

69%

58%

55%

70%

60%

50%

47%

44%

30%

28%

22%

25%

45%

41%

39%

29%

55%

38%

56%

74%

85%

17%

15%

12%

1 Daily Standup3 Iteration Planning2 Retrospectives ⇗110 Unit Testing ⇘117 Release Planning8 Burndown/ Team-Based Estimation23 Velocity14 Continuous Integration

Automated Builds20 Coding Standards ⇘226 Dedicated Product Owner

Integrated Dev /QA24 Refactoring9 Digital Taskboard ⇗225 Open Workarea21 Story Mapping44 Kanban32 TDD ⇘335 Pair Programming12 Collective Code Ownership38 Automated Acceptance Testing

Continuous DeploymentAnalog TaskboardAgile GamesCycle TimeBDD

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第8回2014より)↑ 左の数値は,日本の事例調査における順位

参考データ

調査事例:活用されているプラクティス (海外_2014年)

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70%60%50%40%30%20%10%0 80% 90%

79%

71%

65%

56%

50%

69%

65%

48%

46%

38%

29%

24%

21%

24%

43%

36%

34%

27%

53%

31%

53%

79%

80%

13%

9%

Daily StandupShort iterationsPrioritized backlogsIteration PlanningRetrospectivesUnit TestingRelease PlanningTeam-Based EstimationIteration reviewsTaskboardContinuous IntegrationDedicated Product OwnerIntegrated Dev&testingCoding StandardsOpen WorkareaRefactoringTDDKanbanStory MappingCollective Code OwnershipAutomated Acceptance TestingContinuous DeploymentPair ProgrammingAgile GamesBDD

(VersionOne社 アジャイル開発の現状調査第9回2015より)

参考データ

調査事例:活用されているプラクティス (海外_2015年)

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58

48

44

44

39

30

29

25

23

11

0 10 20 30 40 50 60 70

On-time delivery

Product quality

Customer/user

Business value

Product scope

Project visibility

Productivity

Predictability

Process improvement

Don't know

アジャイル開発の成功の尺度参考データ

VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

%

分からない

プロセス改善

予測性

生産性

プロジェクトの可視性

プロジェクトのスコープ

ビジネス価値

顧客/利用者

製品の品質

納期遵守

やはり,「納期」が一番ITプロジェクト一般とは異なる結果

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0 10 20 30 40 50 60 70

VelocityIteration burndownRelease burndown

Pianned vs. actual stories per iterationBurn-up chart

Pianned vs. actual release datesCustomer/user satisfaction

Work-in-Process (WIP)Defects in to production

Defects over timeBudget vs. actual cost

Defect resolutionEstimation accuracy

Business value deliveredIndividual hours per iteration/week

Cycle timeTest pass/fail over time

Scope change in a releaseCumulative flow chart

Earned valueCustomer retention

Revenue/sales impactProduct utilization

参考データ

VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

アジャイル開発の成功を測る(日々の)指標

%

開発速度(59%),反復バーンダウン(51%),リリースバーンダウン(39%)の順

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42

40

39

35

31

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

Consistent process &practices

Executive sponsorship

Implementation of a common tool

across teams

Agile consultants or trainers

Internal agile support team

参考データ

VERSIONONE®: 9th ANNUAL STATE of AGILE DEVELOPMENT SURVEY, 2015

http://www.versionone.com/pdf/state-of-agile-development-survey-ninth.pdf

大規模開発へのアジャイル手法適用の成功要因

%

首尾一貫したプロセスとプラクティスが重要

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付録

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アジャイル開発のメトリクス

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015.

http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

ソフトウェア・メトリクスの用途(一般):計画,予測 Planning, forecasting

監視と制御 Monitoring & control

パフォーマンス改善,ベンチマーキングPerformance improvement, benchmarking

5つのコア・メトリクス(一般): 規模 Product(size) 品質(信頼性) Quality 工数 Effort 工期 Duration 生産性 Productivity

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開発手法とメトリクス

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015.

http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

コア・メトリクス アジャイル開発 ウォーターフォール型開発

規模Product(size)

features, stories FP, CFP, UCP

品質(信頼性)Quality

defects/iteration,defects,Mean Time to Defect (MTTD)

defects/release,defects,Mean Time to Defect (MTTD)

工数Effort

story points *) person months

工期Time

duration (months) duration (months)

生産性Productivity

velocity(story points/iteration)

hours/FP

*) Story points are subjective and only apply to this project and this team

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計画・予測用メトリクス

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015. http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

指標(Metric) 目的 測定方法

フィーチャー数(number of features)

1.Insight into the size of the product

(and the entire release).

2.When status applied to features:

insight in progress.

The product comprises features that

in turn comprise stories. Features

are grouped as ‘to do’, ‘in progress’,

and ‘accepted’.

反復/リリース当りの計画ストーリー数(number of planned stories

per iteration/release)

1.Insight into the size of the product

(and the entire release).

2.When status applied to stories:

insight in progress.

The work is described in stories,

which are quantified in story points.

Stories are grouped as ‘to do’, ‘in

progress’, and ‘accepted’.

反復/リリース当りの受入れストーリー数(number of accepted

stories per iteration/

release)

To track progress of the

iteration/release

Formal registration of accepted

stories.

チームの開発速度(Team Velocity)

Refer to Monitoring & Control

コード行数(LOC)

Indicates amount of completed work

(progress), calculation of other

metrics i.e. defect density.

According to rules agreed upon

which LOC’s to count.

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監視・制御(進捗,パフォーマンス)用メトリクス(1/2)

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015. http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

指標(Metric) 目的 測定方法

反復のバーンダウン(Iteration Burn-down)

Performance per iteration, ‘are we on

track?’.

Effort remaining (in hrs) for the

current iteration (effort spent/

planned expresses performance).

反復当りのチーム開発速度(Team Velocity per

Iteration)

To learn historical Velocity for certain

Team. Cannot be used to compare

different teams.

Number of realized story points per

iteration within this release. Velocity

is team and project specific.

リリースのバーンダウン(Release Burn-down)

To track progress of a release from

iteration to iteration ‘are we on track

for the entire release’.

Number of story points ‘to do’ after

completion of an iteration within the

release (extrapolation with certain

velocity shows the end date).

リリースのバーンアップ(Release Burn-up)

How much ‘product’ can be delivered

within the given time frame.

Number of story points realized after

completion of an iteration over the

total number of story points (of the

release). On a time line it shows the

progress of ‘scope completion’.

反復当りのテストケース数(Number of test cases per

Iteration)

To learn amount of test work per

iteration. To track progress of testing.

Number of test cases per Iteration

recorded as ‘sustained’, ‘failed’ and

‘to do’.

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監視・制御(進捗,パフォーマンス)用メトリクス(2/2)

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015. http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

指標(Metric) 目的 測定方法

開発サイクル時間(チームの受容力)

(Cycle Time

(Team’s capacity))

To determine bottlenecks of the

process; the discipline with the

lowest capacity is the bottleneck.

Number of stories that can be

handled per discipline within an

iteration (i.e. analysis- UI-design-

coding - unit test- syst.-test).

リトルの法則(Little’s Law – ‘cycle times

are proportional to queue

length’.)

Insight into duration; we can predict

completion time based on queue

length.

Work in progress (# stories) divided

by the capacity of the process step.

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改善(プロダクト品質,プロセス改善)用メトリクス

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015. http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

指標(Metric) 目的 測定方法

累積不具合数(Cumulative number of

defects)

To track effectivity of testing.Logging each defect in defect

management system.

テストセッション数(Number of test sessions)

To track testing effort and compare it

to the cumulative number of defects.

Extraction of data from the defect

repository.

不具合密度(Defect density)

To determine the quality of the

software in terms ‘lack of defects’.

The cumulative number of defects

divided by 1000LOC’s (KLOC).

不具合の原因分布(Defect distribution per

origin)

To decide where to allocate quality

assurance resources.

By logging the origin of defects in the

defect repository and extract the

data by means of an automated tool.

不具合のタイプ分布(Defect distribution per

type)

To learn what type of defects are the

most common and help avoid them

in the future.

By logging the type of defects in the

defect repository and extract the

data by means of an automated tool.

不具合の解決時間(Defect Cycle Time)

Insight in the time solve a defect

(speed of defect resolution).

The faster the resolution, the lesser

coding ‘on top’ will be produced.

Opening date of the defect minus the

resolution date (usually the closing

date in the defect repository).

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アジャイル開発用メトリクスのまとめ

<出典> John Kammelar: Agile Metrics, Nesma, 28/04/2015. http://nesma.org/2015/04/agile-metrics/

1.The metrics used within the Agile methods and the units used (story points,

velocity) are not standardized. This makes benchmarking problematic, if not

impossible. 標準化されていない→ベンチマーキングをする上で問題となる

2.When realized story points are expressed as LOC’s, a correspondence may be

established with standardized functional size units (FPn); even an

organization’s productivity or team productivity may be determined. FPが標準?

3.Agile methods could benefit from incorporating product metrics in consequence

of an increase in customer satisfaction as a result of a higher product quality

and lower development costs through improved understanding of the software

development process. 顧客満足度向上のためにプロダクトメトリクスの導入

4.Within the Agile community many metrics are developed, that essentially are

the same as metrics within the waterfall method, albeit they use agile-own units

and concepts. 本質的にはウォーターフォール型と同じメトリクス

5.Agile methods do not recognize ‘functional size’. The ‘size’ of a release is

expressed as number of features or stories. The measurement ‘story points’

does not yield a (functional) size, but rather an amount of required effort.

機能量は分からない