音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ · 2017-11-01 ·...

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音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ 金井喜一郎 ご依頼いただいたテーマ 音楽資料の特徴 音楽資料へのFRBRの適用 利用者のアクセスのためにメタデータが備え るべきもの 代表的なシステム FRBRの適用の課題(限界) ほぼ,これらに沿ってお話しいたします。 2 平成29年3月16日 平成28年度書誌調整連絡会議 音楽資料へのFRBRの適用その効果と課題金井 喜一郎 1

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~

金井喜一郎

ご依頼いただいたテーマ

• 音楽資料の特徴

• 音楽資料へのFRBRの適用

• 利用者のアクセスのためにメタデータが備えるべきもの

• 代表的なシステム

• FRBRの適用の課題(限界)

ほぼ,これらに沿ってお話しいたします。

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平成29年3月16日 平成28年度書誌調整連絡会議

音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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I. 音楽資料の特徴

音楽資料

• 音楽の資料

–楽譜,録音資料,映像資料(パッケージ系)

–電波やオンラインによる資料(非パッケージ系)

• 音楽に関する資料

–音楽記事,音楽図書,音楽雑誌(テキスト系)

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音楽ジャンル

• 西洋芸術音楽(クラシック)

• 邦楽

• ジャズ

• ポピュラー音楽

• 民謡

• 唱歌・童謡

• 軍歌・軍楽

• 民族音楽など

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音楽資料の特徴

• パッケージ系の音楽メディアの主な特徴1)

①一媒体多作品②一作品多媒体③多言語④多責任性⑤ 総称タイトルとタイトルの非固有性⑥作品の可塑性と断片化

1)松下鈞. 音楽メディアのドキュメンテーションにおける問題点. 情報の科学と技術. 1999, vol. 49, no. 3, p. 100‐105. 

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音楽資料の特徴

①一媒体多作品

• 一枚のCD,一冊の楽譜には多数の異なる楽曲が収録されている。

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音楽資料の特徴

②一作品多媒体

• 作品は,さまざまな出版社,さまざまな演奏,さまざまな媒体で存在する。

–楽譜

• スコア(総譜),パート譜,ミニアチュアスコア,高声用・低声用,ヴォーカルスコア

–録音資料

• カセットテープ,レコード,CD,MD

–映像資料

• ビデオテープ,LD,DVD, BD

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音楽資料の特徴

③多言語

• 作品のタイトル,人名・団体名には,さまざまな言語,表記法がある。–Waltz, op. 64 no. 1

–Waltz no. 6 in D‐flat major, op. 64‐1 "Petit chien"

–Walzer Des dur op. 64/1

– Valse No. 6 "Petit chien"

– Valse, Op. 64‐1 (Petit Chien)

–ワルツ第6番変ニ長調, 作品64‐1:小犬のワルツ

–ワルツ第6番 「小犬」変ニ長調

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音楽資料の特徴

④多責任性

• 作曲者,作詞者,編曲者,演奏者,指揮者,台本作者,校訂者など多様で複合的な責任者が存在する。

–歌曲「野ばら」

• 作曲:シューベルト

• 詩:ゲーテ

⇒ シューベルトの作曲、ゲーテの詩が,それぞれ単独で著作として存在する。また,ゲーテの詩にウェルナーが作曲した歌曲も存在する。

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音楽資料の特徴

⑤総称タイトルとタイトルの非固有性

• 多くの場合,楽曲形式名のような非固有タイトルが用いられる。

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音楽資料の特徴

⑥作品の可塑性と断片化

• 編曲,改作,抜粋などが存在し得る。

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音楽資料検索の難しさ

• なぜ,Mozartの「score and parts to the C.F. Peters edition ofMozart‘s Sinfonia concertante, K. 364 with the orchestralaccompaniment arranged for piano」の書誌レコードの検索は難しいのか。その答えは質問の中に表れている2)

• 音楽資料の記述の複雑さは悪名高く,極端な状況の下でのディスカバリーツールの性能を測定する手段にさえなる(音楽資料が扱えるなら,他の一般的な資料のほとんどを扱える)3)

2) Troutman, Leslie Anne. “The Online Public Access Catalog and music materials:Issues for system and interface design,” Advances in Public Access Catalogs 1. Westport, CT., Meckler, 1992, p. 9‐37.3)Belford, R., Snyder, T., Randall, K.M. “Discovering music: Small‐scale, web‐scale, facets, and beyond,” The Serials Librarian. Vol. 66, No. 1‐4, 2014, p. 174‐181. 

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音楽資料の目録に求められること

• 音楽資料の場合,作品として一箇所に集中させたいし,資料としては利用目的によって,いろいろ識別できなければならない4)

4)伊藤陽子.音楽資料目録の特性とOPAC: OPACを意識した典拠ファイルの構築.TP&Dフォーラムシリーズ.1997,no. 7, p. 24‐45.

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II.利用者の音楽情報要求

利用者の音楽情報要求

• たとえ目録検索システムに音楽資料に対応した詳細な機能を用意しても,それらが実際に活用されなければ意味はない。

• つまり,単に音楽資料の特徴に対応させるだけではなく,利用者の実際の音楽検索要求に基づいて,機能を考える必要がある5)

5)金井喜一郎.音楽資料に関するOPAC検索機能要件: レファレンス記録の分析を通じて.日本図書館情報学会誌.2010,vol. 56, no. 4, p. 190‐208.

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利用者の音楽情報要求

• そこで金井(2010)は,OPACの音楽資料検索機能について,利用者の検索要求に基づきその機能要件の導出を試みた。

• 具体的には,音楽分野のレファレンス記録を分析し,楽譜や音楽録音資料などに特有の利用者ニーズを抽出し類型化した。

• 次いでそのニーズを表現する検索課題25問を作成し,国内の音楽図書館5館のOPACで実際に検索してその検索機能を評価した。

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利用者の音楽情報要求

① 分類・件名の検索② 様々な言語(表現)で記

述される作品を漏れなく検索

③ 責任表示中の役割部分の検索

④ NOT検索⑤ 「作曲者+タイトル」検索⑥ 形態の検索

⑦ 注記の検索

⑧ 個々の収録曲に対する標目(典拠へのリンク)を通じた検索

⑨ 著作責任者の役割別検索

⑩ 歌詞の検索⑪ 収録曲ごとの詳細検索⑫ 音(音高など)の検索

金井(2010)による,音楽資料に関するOPAC検索機能要件

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III.従来のAACR2とMARCを基盤とする音楽目録の欠点

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従来のAACR2とMARCを基盤とする音楽目録の欠点

① 十分な構造および管理メタデータの欠如② 従来のオンライン目録の制限

– 検索項目「著者」に作曲者,演奏者,指揮者などが含まれている

– 検索項目「タイトル」には,統一タイトル,容器上のタイトル,別タイトル,シリーズタイトルなどが含まれている

③ 利用者に通じない事前結合かつマルチファセット標目④ 個々の著作に関するフィールド間の関連性の弱さ

– 一つの資料に複数の著作が収録されている場合に,それぞれの著作に関連する各フィールドの関連づけが弱い

⑤ 一つの著作の異なるバージョン同士の不十分なリンク6)

6)Hemmasi, Harriette. Why not MARC? Proceedings of the 3rd International Conference on Music Information Retrieval (ISMIR). 2002, p. 242‐248.

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従来のAACR2とMARCを基盤とする音楽目録の欠点

• 目録規則によって包括的な統一タイトルが付された場合,個々の作品のタイトルは表わされなくなってしまう。

• これに加え,分出作成数も,楽譜が3まで,録音資料は15までと規定されている。

• さらに,楽曲形式によるタイトルを持つ作品の統一タイトルは,楽曲形式,演奏手段,番号,調などから構成されるが,固有のタイトルを持つ作品の場合には,これらの要素は含まれない。

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IV.音楽資料へのFRBRの適用

音楽資料へのFRBRの適用

• 音楽資料には図書資料とは異なる特徴(I.)があり,利用者はこの特徴に関連した検索要求(II.)を持っているが,音楽図書館のOPACでさえ,この要求を満足に満たすことはできていない。

• これまで既存のMARCは目録規則上の制限によって,音楽資料の特徴や利用者の要求に十分応えることが難しかった(III.)。

• しかしその状況は,FRBRの出現によって変わろうとしている。FRBRは音楽分野と親和性があり,実際,FRBRを実装した音楽検索システムが登場し始めている。

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音楽とFRBR

• FRBRは,音楽分野との相性が良い。

• FRBRが音楽の複雑な書誌世界(bibliographicuniverse)を表現するのに適したモデルであること,逆の言い方をすれば,音楽がFRBRを解

説する際の良い具体例となる7)

7)Vellucci, Sherry L. “FRBR and music”. Understanding FRBR: What it is and how it will affect our retrieval tools. Arlene G. Taylor, eds. Libraries Unlimited, 2007, p. 131‐151.

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音楽とFRBR

村上春樹「ノルウェイの森」

日本語版

講談社単行本,文庫本

Lennon‐McCartney (words & music)「Norwegian wood」

録音用演奏

数々のコンサート

他のアーティストカバー

ピアノ独奏

楽譜

印刷楽譜(フルスコア,ポケットスコアなど),スキャン楽譜,コンピュータ記譜,レコード,CD,

ビデオテープ,DVD,MP3 file,etc.

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OPACのFRBR化

• FRBRで示された概念モデルをOPACに実装する試みであるOPACのFRBR化は,具体的には,FRBRの第1グループの実体(著作,表現形,体現形,個別資料)に基づく検索や表示を可能とする。

• これにより,これまでの体現形中心のOPACでは

不十分であった著作および表現形の集中機能(collocation)が実現される。

• この機能は,音楽分野では利用者の情報要求に照らして特に重要なものである。

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OPACのFRBR化の意義

• まず著作や表現形単位の検索が可能になる。これは収録曲ごとに詳細な責任者を特定した検索ができるということで,上記①一媒体多作品や④多責任性への対応を意味する。

• またレコード上の記述に関わらず著作や表現形を集中させることができれば,③多言語や⑤総称タイトルとタイトルの非固有性にも対応することができ,再現率向上(③多言語に対応)や精度の向上(⑤総称タイトルとタイトルの非固有性に対応)が期待できる。

• さらに,著作と表現形の関連や著作あるいは表現形における「全体と部分」の関連を明確にすれば,⑥作品の可塑性と断片化にも対応可能となる。残る②一作品多媒体についても,表現形や体現形の識別が有効に働くと思われる。

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OPACのFRBR化の方法

• OPACのFRBR化を実現する現在の主な方法は,既存のレコードにFRBRのモデルを適用するものであり,著作や表現形を機械的に同定する方法が用いられている。しかし著作同定が主で,表現形の同定は著作同定に比べて副次的な扱いとなっている。

• 主な手法はデータ項目間の対応づけ(マッピング)であるが,既存のデータ中に関連する項目が少ない表現形については,不十分な結果となっている。

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既存MARCを対象とした音楽著作,表現形同定の可能性

• 金井(2015)8)は,音楽録音資料に特化したMARCを対象に,①文字列照合に基づく同定キーのクラスタリングによって,データ項目間のマッピングより柔軟に,②著作だけではなく表現形の同定も行うことを視野に入れ,著作と表現形同定の可能性を探った。

• その結果,同定結果には「一媒体多作品」(クラシック音楽,ジャズ・ポピュラー音楽ともに)や「作品の可塑と断片化」(クラシック音楽のみ)といった音楽資料の特徴が認められた。

• 一方で,ジャズ・ポピュラー音楽では,作曲者の記述が非常に少ないなどの問題があり,同定に困難が伴った。また,ジャズ・ポピュラー音楽はクラシック音楽と異なり「作品の可塑と断片化」がほとんど認められず,さらに同一の著作や表現形を集中させる必要性もかなり低いことが分かった。

8)金井喜一郎.音楽資料に特化したMARCデータを対象とした「著作」および「表現形」の人手による同定 : OPACのFRBR化のための機械的同定に向けて.三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 2015, 2015年度,p. 25‐28.

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表現形(演奏)の機械的同定に関する問題点

3C2 00 $Aフランツ・M・ファルンベルガー (第1,3,10-15曲),ウーヴェ・タイマー (第2,4-6曲), ピアノ ;ウィーン少年合唱団 ;ウーヴェ・クリスティアン・ハラー (第1,3-6曲),ハンス・ギレスベルガー(第2,4-6曲),指揮≠ 302 01 $A録音: 1975年4月26-30日 (第1,3-6曲),1979年5月1-4日 (第2,7-15曲),ウィーン≠[Toccata MARCのレコードから抜粋]

15曲収録されたCDに関するMARCレコードの一

部分

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V. 利用者のアクセスのためにメタデータが備えるべきもの

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利用者のアクセスのためにメタデータが備えるべきもの

① 音楽資料の特徴に対応

② 利用者の音楽情報要求を満たす

③ 効果的かつ効率的なアクセスに対応

• ここで言うメタデータとは,従来の図書館蔵書に付与される目録データと同義あるいは類義のものであり,特に資料へのアクセスのためのデータを指す。

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利用者のアクセスのためにメタデータが備えるべきもの

• メタデータは通常,図書館職員などの専門家が,実際の業務の中で,各資料を正確に同定できるように多くの要素を含んでいる。しかし,利用者がOPACなどの検索システムを利用する際に,それらすべての要素が常に必要とされるわけではない。つまり,メタデータ要素を増やすことが必ずしも最良の策とは限らず,利用者にとって有用な要素を特定することも重要だと考えられる9)

9)金井喜一郎.利用者の音楽情報要求に基づくメタデータ要素の差別化:FRBR, FRAD, Variationsを対象に.Library and Information Science.2013, no. 70, p. 89‐118.

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利用者にとって有用な要素の特定

• コアな要素

• 利用者の検索要求に基づく要素

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コアな要素:一般(FRBR)

• FRBRでは,第1グループの各実体(著作,表現形,体現形,個別資料)に関わる属性や関連を利用者タスクに照らし合わせて,その重要度を4段階(高い,中位,低い,無し)に評価している。

• 評価は,図書館学文献に見られる実証的研究の成果やFRBR研究グループ外の専門家によっ

て補われてはいるが,大部分は研究グループのメンバーとコンサルタントの知識や経験に基づいている。

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コアな要素:一般(RDA)

• RDAで設定されたコアエレメントは書誌レコードに最低限含めるべき要素であり,その選択には上記FRBRの評価が反映されている。

• コアエレメントは各実体ごとに示されているが,その中から著作に関するエレメントを挙げると次のようになる(音楽以外に特化したエレメントを除く)。

① 著作を同定するために最低限含めるべきエレメント– 著作の優先形タイトル,著作識別子

② 著作の優先形タイトルが異なる著作のタイトルと同一あるいは類似している場合等に追加するエレメント– 著作の形式,著作の日付,著作の出所,その他の著作の特徴,

③ 非固有のタイトルを持つ音楽作品を同定するために記録するエレメント– 演奏手段,番号表示,調

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コアな要素:音楽( V/FRBR )

• インディアナ大学のデジタル音楽図書館プロジェクトV/FRBR(Variations/FRBR)のメタデータモデル(XMLスキーマ)には,frbr,efrbr,vfrbrの三つのレベルがある。

① frbrは,FRBRの実体と属性にFRADの属性の一部が加わったもの② efrbrは,extended frbrの略で,frbrの各実体の属性に注記を加

えたもの③ Variations/FRBRの略であるvfrbrは,Variations/FRBRプロジェクト

のデータの表現を意図しており,efrbrから不要な属性を削除するとともに,音楽資料(特に楽譜と音楽録音資料)の表現に必要な属性を追加している

• Variationsの要素(vfrbr)は,音楽資料に特化しているが,コアと非コアの区別はなされていない。したがって,最低限の要素によるレコードを作成するための,要素選択の基準が示されていない。

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コアな要素:音楽(IAML)

• 1994年に国際音楽資料情報協会(InternationalAssociation of Music Libraries, Archives andDocumentation Centres; IAML)評議会によって任命されたThe Working Group on the CoreBibliographic Record for Music and SoundRecordingsにより策定。

① 印刷譜および手稿譜コアレコード② 録音資料のコアレコード

• コアレコードとは,同定およびアクセスにとって重要と判断されるデータ要素を含んだレコードのことである。

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コアな要素:音楽(MLA)

• MLAのBibliographic Control Committee(BBC)に設置されたWorking Group onWork Records for Musicは,その最終報告において,FRBRおよびFRADモデルに基づき,音楽作品の著作レコードに含まれるべき要素を確認している。

• ここでの音楽作品は西洋芸術音楽(クラシック音楽)を想定しており,また個別(単一)の作品を対象としているため,集合著作や選集は除外されている。

① 全てのレコードが持つべき要素– 少なくとも一つの統制形アクセスポイント,情報源,一つ以上の著作識別子(テーマ索引番号

を含む),レコード識別子

② ほとんどのレコードが持つべき要素– 演奏手段(統制形アクセスポイントの中で使用可能な形式),調,インチピット,詳細な楽器編

成(声を含む),主題や形式・ジャンル(シソーラスや件名標目表から選択されたもの)

③ テキストを伴う作品– 原語,テキストの出所,楽章のタイトル(タイトルが無いときは,テキストの最初の1行),主題,

役名,テキストの最初の1行(タイトルと異なる場合)

④ 複数の部分(楽章,セクション,部分作品)からなる作品– 部分の数,各部分のタイトル,調,インチピット

⑤ 使用可能な時に含まれるべき要素– 異形タイトル,番号表示(テーマ索引番号は著作識別子にもなり得る),ジャンル,関連作品

(リンクで表現されるべき),来歴(作曲の日付や場所,初演の日付や場所,初刊の日付や場所など)

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利用者の検索要求に基づく要素

• 「コアな要素」は,基本的に専門家の判断によるものである。一方で,検索の効果を利用者の視点から考えるなら,要素の選別に利用者のニーズを反映させることが必要。

① 検索ログ調査

② Q&Aサイトのクエリ分析

③ レファレンス記録の分析

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検索ログ調査

• 国立音楽大学附属図書館における1999年4月1日から2000年3月31日までの1年間のOPAC検索ログの分析10)。– よく使われる検索項目を集計した結果,最も多い項目は資料種別で全体の93.8%の検索で使用されていた。次いで人名が57.7%,タイトルが52.4%であった。

– これら以降は,著作者+タイトル,件名,作品番号,注記,請求記号,出版社,が続く。これら以外の項目の使用は1%に満たなかった。

10)森岡倫子.国立音楽大学附属図書館のOPAC検索ログの分析.MLAJ newsletter.2000,vol. 21, no. 2, p. 1‐9. 

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Q&Aサイトやレファレンス記録の分析

• 検索ログ分析は特定のシステムの機能に影響を受けるため,システムの範囲を超えた利用者の情報要求まで把握することはできない。

• 一方Q&Aサイトに投稿されたクエリや図書館のレファレンスなどの記録には,システムの機能に制限されない利用者の情報要求が表れているので,これらの記録を分析することによって潜在的なメタデータ要素の有用性を判断することができると思われる。

• これに加えて,既存のメタデータには存在しない新たな要素の発見にもつながり得る。

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Q&Aサイトのクエリ分析

• Leeは,グーグルアンサーズのクエリ2,208件から,主題(音楽)にふさわしくない503件を除いた1,705件に対してコード化作業を行い,情報要求の同定とそこに含まれる特徴を判別した。

• その結果102の特徴が得られ,各特徴の全クエリに対する出現回数を比較すると,人名,タイトル,日付,ジャンル,役割,歌詞,場所など少数の特徴への集中が見られた。

• さらに,既存の書誌レコードで提供される属性に付け加えるべき要素の発見を目的として,先行研究およびFRBRの属性との比較を行った結果,利用者に関する属性,他の対象(例えば映画)での使用に関する属性,また類似の関連が,その候補に挙がった11)。

11)Lee, Jin Ha. Analysis of user needs and in‐formation features in natural language que‐ries seeking music information. Journal of the American Society for Information Science and Technology. 2010, vol. 61, no. 5, p. 1025‐1045. 

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レファレンス記録の分析• 金井(2013)12)は,図書館のレファレンス記録から音楽に関する実際の情

報要求を抽出し,既存のメタデータ要素集合の各要素がそれらの要求に関連する度合いを計測した。

• 調査には,金井(2010)で使用した3種に新な2種を加えた5種の記録に含まれる合計474件の個別データを,Leeの調査結果(102の特徴)とともに使用した。

• その結果,多くのレファレンス記録が対応づけられた要素(Aレベル)は以下のとおりであった。① 著作のタイトル・表現形のタイトル(66.5%)② 表現形の形式・キャリアの形態(49.7%)③ 責任表示・個人名(46.1%)④ ≪関連≫創造[個人・団体と著作](45.3%)⑤ 著作の形式[ジャンルを含む]・表現形のジャンル/形式/スタイル(42.0%)

• これに次ぐBレベル(10~20%)は5要素,Cレベル(1~10%)は31要素であった。この他に既存の要素集合に追加すべき要素として歌詞(20.1%)が挙げられている。

12)金井喜一郎.利用者の音楽情報要求に基づくメタデータ要素の差別化:FRBR, FRAD, Varia‐tionsを対象に.Library and Information Science.2013,no. 70, p. 89‐118. 

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VI.代表的なシステム

平成29年3月16日 平成28年度書誌調整連絡会議

音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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代表的なシステム①

Scherzo (the V/FRBR test catalog)• Scherzoは、インディアナ大学のデジタル音楽図書館プロジェクト

V/FRBR(Variations FRBR)の試験的目録検索システム。• 1996年に始まったVariationsプロジェクトは,Variations2(2000‐

2005),Variations3(2005‐2008),V/FRBR(2008‐2011)へと引き継がれていく。

• システムの開発とともに,音楽に特化したメタデータモデルの開発が進められた。もともとVariationsのデータモデルは独自のものであった。そのモデルはFRBRと同様に著作中心であり,著作(Work),実体化(Instantiation),コンテナ(Container),メディア・オブジェクト(Media Object),寄与者(Contributor)の各実体よりなる。

• その後Variations3以降になると,よりFRBRに近づいていった。なお,Variationsのシステムはクラシック音楽に焦点を当てている。

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代表的なシステム①

Scherzo (the V/FRBR test catalog)

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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代表的なシステム②

MusicAustralia (Trove)

• MusicAustraliaはNational Library of AustraliaとScreenSound Australiaが共同開発した,オーストラリア音楽と音楽家に関するWebベースのディスカバリーサービス。

• その後2012年には,オーストラリアに関係す

る情報資源の発見と利用を目的とするシステムであるTroveに統合された。

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代表的なシステム②

MusicAustralia (Trove)

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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Page 26: 音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ · 2017-11-01 · ろいろ識別できなければならない4) 4)伊藤陽子.音楽資料目録の特性とOPAC:

(私の試作システム)

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VII. FRBR適用の課題(限界)

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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FRBR適用の課題(限界)

• ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

–作曲者と演奏者

–著作と表現形(と体現形)

• 内容検索

– メロディー,ハーモニー

• 感性検索

–楽しい音楽,悲しい音楽

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ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• 西洋芸術音楽では

• ジャズ・ポピュラー音楽では,上記が成り立たないことが多い。

作曲 楽譜 演奏

著作 表現形

体現形

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表現形

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• 楽譜を書かない。楽譜が読めない。

• 演奏を採譜することで楽譜を出版。

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ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• 楽譜(原曲)があっても,楽譜どおりに演奏しない。

• ジャズに至っては,原形をとどめないことも。

• 作曲(著作?),演奏(表現形?)

• FRBRでは,「著作は表現形を通して実現される」とあるが。。。

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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Page 29: 音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ · 2017-11-01 · ろいろ識別できなければならない4) 4)伊藤陽子.音楽資料目録の特性とOPAC:

ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• 原曲に基づくジャズの即興演奏は,原曲(著作)の単なる演奏(表現形)ではなく創作と表現が同時に行われる著作と考えられる13)

• ポピュラー音楽の演奏は,ジャズの即興演奏ほどではないが,創作性が認められる(創作性が求められる)。

13)Schmidt, Raymond. Composing in real time: Jazz performances as Works in the FRBR model. Cataloging & Classification Quarterly. 2012, vol. 50, no. 5‐7, p. 653‐669.

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ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• ジャズ・ポピュラー音楽の演奏者は,作曲者(Song Writer)と同様に創作者(Creator)と言えるのではないか。

• 「涙のリクエスト」 著作者:芹澤廣明(作曲)

著作者:売野雅勇(作詞)

(チェッカーズは?)

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Page 30: 音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ · 2017-11-01 · ろいろ識別できなければならない4) 4)伊藤陽子.音楽資料目録の特性とOPAC:

ジャズ・ポピュラー音楽(非西洋芸術音楽)

• ポピュラー音楽の多くは,録音スタジオで制作される。

• その完成品がマスターテープ。

• マスターテープ=著作?,表現形?,体現形?

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内容検索

• 多くの人々がタイトルや作曲者などの知識がない状態で,さまざまなメディアによって音楽に遭遇する。

–テレビ,ラジオ,インターネットで偶然聴いた音楽

• タイトルや作曲者は知らないが,メロディーは知っている。

– メロディー検索

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Page 31: 音楽資料へのFRBRの適用 ~その効果と課題~ · 2017-11-01 · ろいろ識別できなければならない4) 4)伊藤陽子.音楽資料目録の特性とOPAC:

感性検索

• 楽しい音楽,悲しい音楽

• 明るい音楽,暗い音楽

• 元気になる音楽

• 眠くなる音楽

• etc.

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最後に,参考まで

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音楽資料へのFRBRの適用~その効果と課題~ 金井 喜一郎

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RDAによる音楽資料記述の主な変更点

• アクセスポイントにおいて,演奏手段の数の制限(3まで)が廃止されたことにより,詳細を記述することが可能となった。

• これまでは作曲者標目のもとに記入されていた声楽作品の台本/歌詞は,テキストの作者のもとに記入することになった。

• カデンツァのアクセスポイントを独立した音楽作品として構築することになった。

• 例えばスタンダード・ナンバーのジャズ演奏のように,改作,即興などの追加的創作を含む演奏では,原曲の作曲者を創作者とはせず,また演奏者は改作者として扱われことになった。これは,前述したジャズにおける原曲と即興演奏との関係(問題)に対する一つの解決策となり得る。

• 書誌レコード上の変更点を見ると,AACR2のGMDが,Content(内容),Media(メディア),Carrier(キャリア)の3要素に置き換えられた。

• アクセスポイントに著作または表現形であることを明示することが可能になった。

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ご清聴ありがとうございました

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