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Title 膀胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影(double contrast cystography)の検討 : 少量の造影剤-Dionosil-を用い た二重膀胱造影 Author(s) 中新井, 邦夫 Citation 泌尿器科紀要 (1967), 13(9): 681-689 Issue Date 1967-09 URL http://hdl.handle.net/2433/113203 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University

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Title膀胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影(doublecontrast cystography)の検討 : 少量の造影剤-Dionosil-を用いた二重膀胱造影

Author(s) 中新井, 邦夫

Citation 泌尿器科紀要 (1967), 13(9): 681-689

Issue Date 1967-09

URL http://hdl.handle.net/2433/113203

Right

Type Departmental Bulletin Paper

Textversion publisher

Kyoto University

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泌尿紀要13巻9号

昭和42年9月

膀 胱 腫 瘍 の 浸 潤 度 の 診 断 に お け る 二 重 膀 胱 造 影

(doublecontrastcystography)の 検 討

少量 の造影 剤 一Dionosi1一 を用 い た二重 膀 胱造影

大阪府立成人病セソター 泌尿器科(医 長:伊 藤秦二博士)

中 新 井 邦 夫

THE VALUE OF DOUBLE CONTRAST CYSTOGRAPHY FOR

STAGING OF BLADDER TUMOURS

Kunio NAKAARAI

From the Department of Urology, the Center for Adult Diseases, Osaka.

(Director-: Sinji Ito, M. D.)

Double contrast cystography was performed to 16 cases of bladder diseases. Characteristic

figures on the X-ray films obtained from 14 cases of advanced bladder tumours associated with

infiltration into the deep muscular layers were listed as follows :

1. Asymmetrical shape of the bladder

a) Severe deformity

b) Fixation of the deformed arae to the pelvic wall

c) Localized diverticle-like enlargement of the bladder wall

2. Localized deformity and rigidity in the shape of the bladder.

Contrast medias, barium-sulfate, urokolin (for bronchography), dionosil aqueous and hytrast

(for bronchography), were compared for their efficiancy. Dionosil aqueous was found to be the best contrast media for the purpose of staging the bladder tumours with double contrast cysto-

graphy. Small amount of dionosil brought a sharp contrast in double contrast cystogram.

  二 重 膀 胱 造 影(double  contrast cystography)

は,決 して新 しい 方 法 では ない が(稲 本 ・1932,

大 越 ・1937),膀 胱 腫 瘍 の膀 胱壁 筋 層 へ の 浸 潤 を

知 る上 に 有 力 な補 助診 断法 の一 つ で あ る.同 じ

目的 の た め の他 の レン トゲ ン的 な補 助 診 断 法,

膀 胱 周 囲 気 体 膀 胱 造 影(peri-pneumo-cysto-

graphy),骨 盤 静 脈撮 影 お よび 骨 盤 動 脈 撮 影 と

比 較 して,は るか に 簡 単 で あっ て,特 殊 な機 械

と技 術 を必 要 とせ ず,日 常 ど こで も行 な う こ と

が で き,患 老 に 与 え る苦 痛 も少 い の で,腫 瘍 の

膀 胱 壁 へ の 浸 潤 の 概 略 を知 るた め には 先 ず 行 な

うべ き検 査法 で あ る.

  二 重 膀 胱 造 影 のた め に用 い られ る造 影 剤 は,

硫 酸 バ リウ ム と炭 酸 ガ ス ま た は空 気 を用 い る場

合 が 最 も 多 い よ う で あ る(辻 等 ・1954,Doyle,

1961,1962,友 吉 等 一1962,Pochaczevskyand

Grabstald,ユ964,Glanville,1964,Lafranceet

むa1.,1964,Shawdoneta1.,1965) .他 方Kje1-

1berg等 は1957年 に尿 道 内 に逆 行 性 に硫 酸 バ リ

ウ ム を注 入 す る こ とが好 ま しい も の で は な い こ

とを報 告 して い るが,Kjellbergと 同 じ教 室 が

ら1960年 にBartleyお よびHelanderがDi-

onodilを 陰 影 陽 性 の造 影 剤 と して用 い て,よ り

簡 単 な操 作 で鮮 明 な影 像 が得 られ る二重 膀胱 造

影 につ い て報 告 し,最 近 に至 る まで この 方 法 を

続 け て い る.著 者 はHelanderと とも に 膀胱 腫

瘍 のStageに つ い て検 討 す る機 会 を得 て,Di-

onodilを 用 い る二 重 膀 胱 撮 影 が す ぐれ た 方 法 で

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682 中新井:膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討

あることを経験した.最 近大阪府立成人病セソ

ターに入院した症例を主 として,二 重膀胱撮影

を再検討した成績を以下に報告する.

1方 法

(A)検 討 した陰影陽性の造影剤,胃 腸造影用の硫ぱ

酸バ リウム,気 管支造影用 の60%油 性 ウロコリソ,気

管 支造影用 の水性ディオ ノジール,気 管支造影用のハ

イ トラス トを用いて検討した.

(B)撮 影方法,造 影剤はいずれ も尿道 よ り膀胱に

挿入 したNo.8の ネ ラ トソカテ ーテル より注入 した.

各操作 は次 のように行なった.

(1)硫 酸バ リウム.

(a)硫 酸バ リウムを100ccを 注入 した 後,患 者

を背腹に回転 させ る.そ の後硫酸バ リウムをネラ トソ

カテ ーテル より排除す るが,全 部を排 除す ることな く

20cc程 度を 残 して 空気100ccを 注入す る(Doyle,

1961,の 方法 に準ず る).

(b)硫 酸バ リウム10乃 至15ccを 充分空虚な膀胱

内に注入 し,次 いで空気100ccを 注入後,患 老を背腹

に.回転 させ る.

(a)(b)の 場合共各操作 の後に撮影するが,撮 影終

了後に再びネ ラ トソカテーテルを挿入 して残存す る硫

酸 バ リウムを十分排除す る.

(2)そ の他の造影剤,充 分空虚な膀胱内にいずれ も

10cc乃 至5ccの 造影剤を注入後,空 気100ccを 注入

し,そ の後患者を背腹に回転 させ る.そ の後 に撮影す

るが,注 入 した造影剤は油性 ウロコ リソの場 合のみ ネ

ラ トソカテ ーテルを通 じて排 除し,そ の他のディオ ノ

ジール,ハ イ トラス トの場合は 自然排尿に より排除 し

た.

(3)体 動について,造 影剤 と空気が注入 された なら

ば,造 影剤が十分粘膜面に分布す る ように患老を回転

させ る.患 者を撮影台上に仰臥させ,検 者が手をそ え

て左右 に数回横鞍 させ る.そ の後撮影台を傾斜させ て

足側 を高挙 し,次 いで頭側を高挙 し,最 後に撮影台 を

水平にす る,

(4)撮 影,腫 瘍 と,そ の基底部 の粘膜,筋 層の状態

を知る 目的 のみであれ ば,小 腫瘍 を最 もよ く見 る位 置

は正接像(tagentialview)で あるので,撮 影は フィ

ルム と腫瘍 の位置関係をこの像を得るよ うに して撮影

するのが理想的であ る.筋 層への腫瘍 の浸潤を検討す

る目的のためには,後 に述べ るように,腫 瘍の存在 部

分 と共 に浸潤を有する膀胱壁が弾力性を失 って伸 展性

を欠 くとい う所見を確実に捉えね ばな らないので,単

に腫瘍を最 も良 く撮す位置の フィルムのみでは不十分

である.ど の位置の撮影方 向が適当かは透視に よって

決定出来 るが(第1a,b図),透 視を行なわない場合

多 くの方向か らの多数の フィルムを用いれば 目的を達

す る ことが 出来 る.Bartley等(1960)は12枚 の異っ

た方向か らのフィル ムを用いて撮影 してい るが,著 者

は患者 の経済的負担を軽減す ることもあって,透 視 を

行 なって必要な位置関係の フィル ムのみを撮す ように

している,

H結 果

膀胱腫瘍は まず レソ トゲソ的に浸潤度を診断 し,最

後に 手術所見 と 病理組織所見 とを 総合 して 最終的な

浸潤度 を 決定 して 相互 に 対比 した.浸 潤 度の分類 は

U.1,C.C.(L'UnionInternationaleContreleCan-

cer)の 分類に従った.検 査を行なった16例 の検査結

果 を第 ユ表に示 した.こ の結果陰影陽性の造影剤 とし

てウ ロコ リンを用いた ものは5例,硫 酸バ リウムを用

いた ものは4例,デ ィオ ノジールを用いた も の は6

例,ハ イ トラス トを用いた ものは1例 となった.腫 瘍

の症例(膀 胱 腫瘍お よび子宮癌の膀胱浸潤)14例 につ

いては,レ 線的診断が不能であった ものは3例 で あ

る.他 の11例 では筋層へ の浸潤の診断に関 しては,手

術お よび病理組織学 的最終診断 と レ線的診断が よく一

致 した.

腫瘍 の膀胱壁への浸潤 を示す レ線像の特徴 として次

の所見 を得た.

(1)膀 胱壁辺縁像 の非対称

(a)高 度の変形.

(b)固 定(体 位を種々に変えても変形 した部分の

骨盤内での位置的関係が変 らない).

(c)憩 室様拡大(Doyle,1961).

(2)膀 胱壁辺縁豫で限局 した不整 な辺縁,お よび硬

化 した 辺縁

判定可能で あった各 フィルムにっ いては膀胱鏡的に

発見 された腫瘍はすべて造影す る ことが 出来,腫 瘍の

数,表 面の性状共 よ く膀胱鏡 の所 見 と一致 した,し か

し腫瘍の基底 の状態に関 しては膀胱鏡所見 よ りもやや

詳細な所見を得た ものがあった.第1a図 は症例11の

乳頭腫であるが,腫 瘍 の細い茎部 を十分確認す ること

が 出来 る.ま た今回検討 したT4お よびT3の 腫瘍で

は,腫 瘍基底の膀胱壁 の硬化性変化お よび変形は腫瘍

そのものの肉眼的に確認 され る局所 よりも広範 囲に広

がっていた(第5a,b図.第6a,b図).

他方T3の 腫瘍 とT4の 腫瘍を区別す る ことは,症

例10の よ うな腫瘍性変化の部分が周囲にはつ き りした

固定状態が認め られ る場合以外は 困難であ った.

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中新井=膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討 683

第1表16例 の 検 査 結 果

症例

1

2

3

4

5

6

7

8

診 断

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

子宮癌膀胱浸潤

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 憩 室

前立腺肥大症

9障 胱 腫 瘍

10

11

12

13

14

15

16

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

膀 胱 腫 瘍

子宮癌膀胱浸潤

膀 胱 腫 瘍

手術 または組織所見に よる浸潤度

T4

T4

T4

T4

T3

レ線像に よる

浸 潤 度

T3-T4

T3-T4

T3-T4

判定不能

T3

判定不能

Tl-T2 判定不能

T3

T3

T3

T4

T2-T3

T3

T3 T4

T3

T4

T3

T4

レ線診断 の根拠になった主変 化 使 用 造 影 剤

高 度 変 形 ウ ロ コ リ ン

高 度 変 形憩 室 様 拡 張 ウ ロ コ リ ソ

高 度 変 形 ウ β コ リ ソ

ウ ロ コ リ ソ

膀胱壁 の一部硬化像 ウ ロ コ リ ソ

膀 胱 壁 の 固 定膀 胱壁 の硬 化像

膀胱 壁 の硬 化像

憩 室 様 拡 張

変形および膀胱壁の硬化像

膀胱 壁 の硬化 像憩 室 様 拡 張

硫 酸 バ リ ウ ム

硫 酸 バ リ ウ ム

硫 酸 バ リ ウ ム

硫 酸 バ リ ウ ム

デ ィ オ ノ ジ ール

ハ イ ト ラ ス ト

デ ィ オ ノ ジ ール

デ ィ オ ノ ジ ール

デ ィ オ ノ ジ ール

護形お・び灘 拡1デ 材 ・ジール

灘 郵 翫1デ,・ ・一・ジール

副作用 としては検査中および検査後に特に認め るぺ

き症状お よび苦痛は無かった.検 査後血尿が増強す る

ことも無か った、ディオ ノジールを用いた症例 で,1

例 に右 尿管への逆流現象が認 め られた(症 例13)(第6

a図),

判 定不能 であった例についてそ の失敗の原 因を検討

した,

(1)ウ ロコリソを用いた場合,膀 胱 内の液体 の排除

が不 十分 であって,油 性の造影剤,ウ ロコ リンは一塊

となって中空に空かび,結 果は単なる気体膀胱撮影 と

な った.

(2)硫 酸バ リウムを用いた場合,2例 共造影剤の粘

膜面への分布が不良であって,造 影剤は一塊 とな り,

結果は単 なる気体膀胱撮影 となった.た だ しこの2例

共硫酸バ リウム10~ ユ5ccを 空虚 な膀胱に注入後空気

100ccを 注入す る硫酸バ リウムに よる撮影法の(b)を

行なった ものであ るが,Doyleの 方法に従 った撮影方

法 の(a)を 行な った場合は十分 に鮮 明な像を得た(症

例7.8).後 者 の方法に 従 う場 合第2図 の ように憩

室 内の粘膜 の状態 まで十分知る ことが 出来た,

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皿 考

中新井:膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討

(1)膀 胱 筋 層 の深 部 へ の腫 瘍 浸 潤 を考 え させ

る所 見 に つ い て.

筋 層 深 部 へ の 浸潤 の あっ た膀 胱 腫瘍10例 お よ

び 子 宮 癌 の膀 胱 壁 へ の 浸潤 の あ っ た1例 か ら,

筋 層 へ の 浸潤 を 示 す と考 え られ る特 徴 的所 見 と

して 先 に 記 した よ うな 所 見 を得 た が,そ の1つ

1つ に つ い て検 討 して み る.

(A)膀 胱 壁 辺 縁像 の非 対 称 に つ い て

正 常 な 膀胱 の前 後 お よび 後前 撮 影 像 が正 中線

で ほ ぼ対 称 的 で あ るの は勿 論 で あ る が,斜 位 像

では 第1斜 位 と第2斜 位 の 像 は,ほ ぼ鏡 像 の 関

係 に あ る(第3a,b図).こ の 二 つ の斜 位 像 を

比 較 し,膀 胱 腫 瘍 の存 在 部 の附 近 で この 関係 が

失 わ れ てい る場 合,筋 層 へ の 腫 瘍 浸 潤 を 示 す も

の と して診 断 的 価 値 が 大 きい(第4a,b図)

こ とは従 来 か ら記 載 され て い る(Pochaczevsky

andGrabstald,1964).し か しDoyle(1961)の

方 法 に よ る硫 酸 バ リウム約20ccを 膀胱 内 に残

す場 合,斜 位 の膀 胱 像 の下 方 の鈍 角 部 に は常 に

不 要 な造 影 剤 が た ま り(第2図),こ の 部 分 の

読 影 を妨 げ る次 点 が あ る.硫 酸 バ リウ ム を全 部

排 除 すれ ば,こ の 欠点 は除 か れ る も の と考 え ら

れ る.少 量(5cc)の デ ィオ ノジ ール を用 い る

場 合 も,こ の よ うな造 影 剤 の残 存 に よる読 影 の

障 害 は全 くな い.

膀 胱 壁 の非 対 称 性 を来 してい る陰 影 の特 徴 と

して次 の も のが 考 え られ た.

(a)高 度 の変 形,筋 層 に高 度 の 変 化 が あ る

場 合,既 に前 後 像 か ら明 らか に 非 対 称 で あ る場

合 も あ る(第4c図)が,症 例15の 子 宮 癌 の 膀

胱 へ の 浸潤 の あ る 場 合(第5a,b図)の よ う

に各 方 向 か らの撮 影 像 共 奇 怪 な変 形 を 示 す場 合

が あ るが,こ の よ うな変 形 は,本 症 例 の よ うに

広 汎 に筋 層 に 浸潤 が 見 られ る場 合 に起 る も の と

考 え られ る.Doyle(1963)は,こ の よ うな高 度

の変 形 を"bizarrebladder"と 呼 び,こ の変 化

は 腫 瘍 の 筋 層 へ の 浸潤 が非 常 に広 汎 に渉 っ た場

合 に現 わ れ る変 化 で あ る と して い る.

(b)固 定,腫 瘍 の存 在 部 の膀 胱 壁 が 体 位 を

如 何 に変 え て も骨 盤 との位 置 関係 を変 えず,気

体 の充 満 度 の 如何 に か か わ らず 伸 展 性 が な い場

合(第4a,b,c図)が あ る.症 例1,2,3,

10,13,16の5例 に この変 化 が認 め られ,T4と

考 え た.症 例10(第4a,b,c図)の よ うな 一

見 して分 る よ うな場 合 は 別 と して,症 例13の よ

うな場 合 の判 定 は や や 困 難 で あ る.正 常 の場 合

斜 位 像 で は気 体 は上 方 に 向 っ て集 中 し,こ の部

分 の膀 胱 壁 は 伸展 し,像 が 歪 む(第3a,b図)

(Doyle1963).本 症 例 で は 傾 斜 を如 何 に 強 く し

て も,疹 痛 を 訴 え る ま で 気 体 を 充 満 してみ て

も,腫 瘍 浸 潤 を示 す膀 胱 壁 部 分 の伸 展 は 認 め ら

れ な か っ た(第6a,b図).Doyle(1961,1963),

Pochaczevsky等(1964)Lafrance等(1964)

は,こ の よ うな変 化 を2枚 の斜 位 像 を 比 較 す る

こ とに よっ て捉 え て腫 瘍 の 膀胱 外 へ の浸 潤 を 知

る こ とが で き る と して い る が,Glanville(1964)

は,こ の よ うな変 化 は単 に筋 層 へ の 浸 潤 のみ に

よっ て も認 め られ るの で,膀 胱 外 へ の腫 瘍 浸 潤

あ り と早 急 に判 断 す る こ とを戒 め てい る.著 者

も2枚 の斜 位 像 の比 較 の み で は膀 胱 外 へ の浸 潤

の有 無 は判 定 で きな い と考 え る.数 枚 の 種 々 な

角度 の異 っ た斜 位 像 の比 較 お よび透 視 下 で の 体

位 の変 換 が必 要 で あ る と考 え られ る.な お既 往

に骨 盤 内 の手 術,骨 盤 内臓 器 に対 す る放 射 線 療

法 を 受 け て い る場 合 は,膀 胱 乃 至膀 胱 周 囲 の 癩

痕 お よび 線維 化 の た め に判 断 を 誤 る場 合 が あ る

こ とが指 摘 され て い る(Doyle1961).

撮 影 を行 な う位 置 的 関 係 か ら,前 壁 乃 至 後 壁

の 限 局 した膀 胱 外 浸 潤 で は,上 に 記 した 変 化 を

簡 単 に捉 え る こ とは や や 困 難 で あ る.

(c)憩 室 様 拡張,膀 胱 腫 瘍 に 近 接 した部 分

の膀 胱 壁 が 限 局性 に 突 出 し恰 も憩 室 の ご と く見

え る場 合 が あ る.こ れ は腫 瘍 性 変 化 を示 す 膀 胱

壁 の 筋 層 が腫 瘍浸 潤 の た め に 弾 力 性 を失 い進 展

性 を 失 う と と もに,腫 瘍 に 近接 し,か つ 浸 潤 の

な い 部 分 に気 体 の 圧 力 が 集 中 して限 局 的 な拡 張

が 見 られ る も の と され て い る(Doyle1963).

Doyle(1961)は,こ の変 化 をPsevdodiver-

ticulumと 呼 ん だ.Pochaczevskyお よび

Grabstald(1964)は,こ の 変 化 を"bladder

horn"と 呼 んで い る.著 者 の 症 例 で は 膀胱 腫

瘍 の3例 に,子 宮 癌 の膀 胱 浸 潤1例 に,こ の 現

象 が 見 られ た.そ の代 表 的 な症 例 を 第7図 に 示

した.著 者 の経 験 では,こ の よ うな 憩 室 様 拡 大

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中薪井:膀 胱腫蕩の浸潤度の診懸におげる二重膀騰造影の検討

の先端部附近紅は腫瘍の筋層への浸潤が少い部

分であって,憩 室様拡大の基底部に筋膳への漫

潤があるものと考えられる。事実,主 腫瘍は こ

の憩室様拡大の基底部にある.

(B)膀 號壁辺縁縁の限局 した不整な辺縁お

よび硬化 した辺縁について.

腫瘍の存在部の膀胱壁に不整な辺縁縁,乃 翌

は歪みの認められる場合筋層への 浸潤と推定

され ることは 古 くから捲摘 されているが(辻

1959,Wallace1959,Smith1954),膀 胱壁の硬

化性の癬晃は,同 様に筋層への漫潤を知る上に

有力であると考えられる.著 老の症例では,そ

れがT3お よびT4の 腫瘍のみであった故でも

あるが,判 定可能であった腫瘍では全例にこの

残晃があった.こ こでいう硬化性の飯晃 とは ユ

枚のフイルム上で,造 影剤の附着の状態,つ ま

り辺縁像の濃淡の差や単なる辺縁の凹凸不平等

の主観的所見をい うものではない.少 くとも第

1,2斜 位を姥較 し,出 来れば,多 数の体位を

変えたフイルムで,気 体を変化のある郎分に集

中させて,腫 瘍浸潤のある筋層部が進展性を欠

くという所見を適確に捉えなければ な らな い

(第6a,b図).

(2)膀 胱外の腫瘍からの膀既壁への漫潤.

子宮癌の膀胱壁への浸潤のあウた第15例 のみ

の検討であるが,膀 胱鏡の所見に比 して,二 重

膀胱撮影における筋層の変化ははるかに大きい

(第Sa,b図).さ らにこの 症例では膀既辺縁

像は不規則な硬化 と拡張が認められる。この結

果,そ の像は全体として奇怪な形を呈 している

が,そ れにもかかわらず膀胱内への腫瘍の突出

は極めて僅かなものが認められるのみである.

膀胱内の腫瘍の像に比べて,あ まりにも過大な

辺縁像の変化は,膀 既外からの腫瘍浸潤紅特徴

的な変化であると考えられる.

以上(ヱ)および(2)に 記 した筋層の変化の部分

は膀胱内に認められる腫瘍性増殖の局所 よりも

広範に広がっている場合がある.従 って手衛前

にこの広範囲の浸潤を知ってお くことは,部 分

切除あるいは術前にしばしば行なわれる生検の

際に,そ れを行なうべき範囲の決定に役立つも

のと考えられる.

685

(3)造 影 剤 の種 類 の選 択 に つ い て

陽 性 の造 影 剤 と して ウ ロ 澱 リソ.硫 酸 バ リウ

ム,デ ィ オ ノジ ール の いず れ を用 い て も,膀 胱

内 の水 分 の排 除 が 十 分 で あ っ て,体 動 が 十 分 行

なわ れ て造 影 鶏 の粘 膜 函 へ の附 着 さ え完 金 で あ

る な らば,ど の造 影 剤 を用 い て も十 分 診 断 の 目

的 達 す る フ イル ム を得 る こ とが 娼来 た.し か

し,ウ ロコ リソを 用 い る場 合,と もす れ ば 造 影

精 が 一 塊 とな っ て膀 胱 内 の 中 空 に 浮 か ぶ傾 向 が

あ り,膀 胱 壁 に 一 様 な 分 布 を 作 る 凱 と も,他 の

造 影 鶏 に 比 しや や 困 難 で あ っ た 。 な お撮 影 終 了

後 に は,造 影 剤 が 油 性 で あ るた め に,排 泄 が や

や 困 難 で あ る こ とを考 え て,カ テ ー テ ル に よっ

て造 影 剤 を 排 除 した.

硫 酸 バ ジウ ムを造 影 剤 と して絹 い る場 合,次

の よ うな 点 に 問 題 が あ る.進 行 した膀 胱 腫 瘍 の

場 合,膀 胱 尿 管 逆 流 現象 は しぼ しば認 め られ る

現 象 で あ るが(Franksson,1950,Doyle,!961,

Glanvilie,1964),著 者 の症 例 で も第13例 に認 め

られ る(第6a図).

この よ うな 症 例 に 硫 酸 バ リウ ム を 用 い る場

合,Brodeur等(1965)は,硫 酸 バ リウム粒 子

が 腎実 質 に まで 到達 し,長 期 間 に わ た っ て尿 中

に バ 夢ウム粒 子 を含 む 円柱 が 認 め られ,総 織 学

的 に は慢 性 の腎 実 質 の炎 症 性 変 化,尿 細 管 の萎

縮 お よび間 質 の線 維 化 を惹 起 す る場 合 が あ る こ

とを指 摘 して い る.

こ の よ う な点 を 考 えれ ば,出 来 る陵 り異 物 作

用 の少 い,分 解 し易 い,生 理 的 な経 路 で排 泄 さ

れ 易 い 造 影 剤 で,し か も粘 藷 性 の 良 い造 影 剤 を

用 い る のが 良 い こ とに な る.

水性 デ ィオ ノ ジー ル は,そ の造 影 され る部 分

は,Propyliodoneで,SodiumCarboxy-methyl

ce1獄oseを 助 溺 と して 水 に 懸 濁 させ た も ので

あ るが,こ れ を 気 管 支 造 影 剤 と して 用 い た 場

合,Propyiiodoneは 水 解 され 易 く,容 易 に 腎 臓

か ら排 泄 され る こ とが知 られ てい る(Lightand

Oster,1966).デ ィ オ ノジ ー一・7Yを気 管 支 造 影 に

用 い る場 合,造 影 の 直後 に一 過 性 の炎 症 が 見 ら

れ るが,03cc/kgを 用 い た 場 合 に は,7日 後,3

週 間後 に は 組 織 学 的 に ほ とん ど変 化 を 認 めず 肉

芽 腫 の 形成 も認 め られ な い(LightaftdOster,

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686 中新井:膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討

1966).こ の よ うな 事 実 か ら,デ ィオ ノジ'ル

は硫 酸 バ リウ ムに 比 して,よ り副 作 用 の少 い 造

影 剤 と考 え られ る.撮 影 後 の フ イル ムに 関 し て

は,著 者 の結 果 か らは,デ ィオ ノジ ール の少 量

を 用 い て行 な っ た 二重 膀 胱 造 影 像 は 硫 酸 バ リウ

ムを 用 い た も のに 比 し て遜 色 が な い.膀 胱 粘 膜

面 へ の造 影 剤 の粘 着 性 は 良 好 で,筋 層 お よび 粘

膜 面 の 状 態 を 良 く知 る こ とが 出来 た.著 者 は

これ 以 外 に ハ イ トラス トに つ い て検 討 した が,

ハ イ トラス トは膀 胱 粘 膜 へ の粘 着 性 が デ ィ オ ノ

ジ ー ル に比 して や や劣 り,流 れ 易 い 印象 を受 け

た.Lightお よ びOster(1966)に ょれ ば,気

管 支 造 影 の際 の造 影 剤 の吸 収,排 泄 がデ ィ オ ノ

ジ ール に 比 較 し て遅 く,局 所 の組 織 の炎 症 反 応

が長 く残 る こ とが 指 摘 され てい る.Bartleyお

よびHelander(1960)は デ ィオ ノジ ー ル 以 外

}⊂ウ ム ブ ラ ジ ール(Umbradil),ウ ロ グ ラ フ ィ

ン,ハ イペ ッ クに つ い て比 較 し,デ ィオ ノジ ー

ル が 最 も良 く 目的 にか な う造 影 剤 で あ る と述 べ

てい る.

造 影 剤 の 量 に つ い て は,デ ィ オ ノジ ー ル の

20cc~15ccを 用 い る場 合(BartleyandHelan-

der,1960)余 分 な造 影 剤 が膀 胱 の底 部 に た ま る

ので,著 者 は5ccの デ ィ オ ノジ ール を 用 い る こ

とに して 》・る が,こ の少 量 の造 影 剤 で 十 分 所 期

の 目的 を達 す る こ とが 出来 た.

撮 影 後 は デ ィ オ ノジ ール を用 い た 場 合,i著 者

は気 体 と して100ccの 空 気 を用 い てい るの み で

あ る の と,上 に記 した よ う に,デ ィオ ノジ ー ル

の体 内 で の分 解,吸 収,排 泄 が 容 易 で あ る こ と

か ら,自 然 排 尿 に よっ て造 影 剤 を排 泄 し てい る

が,こ の た め に操 作 が さ らに簡 単 と な っ て い

る。

陰 性 の造 影 剤 とし ては,著 者 は空 気100ccを

用 い て い る.こ の量 は空 気 栓 塞 を予 防 で き る量

で あ る(Kneise,1958).し か し 上 述 の 変 化 を

一 層 明 らか に知 る た め には 気 体 の 量 が 多 い方 が

良 い.気 体 の量 を多 くす る場 合,一 般 に は酸 素

よ りも血 清 中 へ の溶 解 性 の高 い 炭 酸 ガス が 用 い

られ て い るが(Doyle,1961,BartleyandHelan・

der,1960),Glanville(1964)は 膀 胱 に 対 す る

刺 戟 性 が,炭 酸 ガ ス よ りも一 層 少 い 気 体 とし て

笑 気 ガス を 用 い てい る.

IV結 語

16例 のdoublecontrastcystographyに つ い

て,硫 酸 バ リウ ム,気 管 支 造 影 用 の油 性 ウ ロ コ

リソ.水 性 デ ィオ ノ ジ ール,水 性 ハ イ トラス ト

を 用 い て,そ れ ぞ れ の造 影 剤 の比 較 検 討 を行 な

った.14例 の腫 瘍 症 例 に つ い て,腫 瘍 の膀 胱 筋

層 へ の浸 潤 が 見 られ る場 合 の特 徴 的 な レ線 上 の

所 見 に つ い て 考 察 した.こ の 目的 の た め の造 影

剤 と して デ ィナ ノジ ール は 安 全 かつ 便 利 で あ っ

て,5~10ccの 少 量 で よ く 目的 にか な う造 影 効

果 を もた らす こ とが 出来 た.

文 献

1)Bartley,0.andHelander,C,G.:Acta

radiol.,54:161,1960.

2)Brodeur,A.E.,Goyer,RA。andMelick.

W.:Radiology,85=1080,1965.

3)Doyle,F.H.:Brit,エRadio1,,34=205,

1961.

4)Doyle,F.H.:Brit.J.Radio1.,36:306,

1962.

5)Franksson,C.:Actach圭r.scand.SupPl.

151,1950。

6)Glanville,J。N.:J。Urol.,92:479,1964.

7)稲 本 三 郎=日 泌 尿 会 誌 。,21:369,1932.

8)Kjellberg,S.R.,Ericsson,N.0.and

Rudhe,U.:TheLowerUrinaryTractin

Childhood.AlrnqvistandWiksell,Stock-

holm.1957.

g)Kneise,0.undSchober,K.L.:DieR6-

ntgenuntersuchungderHarnorgane,Georg

Thieme,Leipzig,1958.

10)Lafrance,L.,Lequint,A.etHerbeau,J.:

J'.D'Urol.,71=74,1964.

11)Light,J.PLandOster,W。F.:Am.J.

Roent.Rad.Nuc.Med.,98:468,1966.

12)大 越 正 秋:日 泌 尿 会 誌.,38:8,1947.

13)Pochaczevsky,R.andGrabstald,H.:Am.

J.Roent.Rad.Nuc,Med.,92:365,1964.

14)Smith,W.H.:J.Fac.Radio1.Lond.,6:

48,1954-5.

15)Shawdon,H.H.,Doyle,F.H.andSchack・

man,R.:Brit.J.Uro1.,37=536,1965.

16)Tomich,E.G.,Basil,B.andDavis,B.:

Brit.J.Pharmacol,,8:166,1953.

17)友 吉 唯 夫 ・相 馬 隆 臣 ・桐 山 膏 夫;泌 尿 紀 要.,

8:549,1962.

18)辻 一 郎:膀 胱 腫 瘍 の 病 理 と 臨 床,第15回 日

本 医 学 会 総 会 学 術 集 会 記 録N,769,1959.

19)Wallace,D.M.:Tumourofthebladder.

Vo1.2,EdinburghandLondon.E.&S.

LivingstoneLtd.1959,

(1967年6月12日 受 付)

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中新井:膀 胱腫瘍 の浸潤度の診断における二重膀胱造影 の検討

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第1a図 症 例11,前 後 方 向 よ りの 撮 影 で腫 瘍 の細 い

茎 部(↓)が 明瞭 で あ る.造 影 剤(ハ イ トラス ト)

の膀 胱 粘 膜 へ の 附 着 が 不 十分 で,一 部 残 る,

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第1b図 症例11,後 前方 向 よりの撮影では腫瘍は一見広範 な基底 を有す るように見え る.

第2図 症例8,硫 酸バ リウムを使用.粘 膜の状態をよ く知る事が 出来 るが斜位 の膀胱像の下方の鈍角部には造影剤がた ま り,こ の部 の読影を妨げる.

『 箋

第3b図 正常斜像.第3a図 とほぼ鏡像 の関係にある.

第3a図

あ る.

正常斜位像,第3b図 とほぼ鏡像の関係に

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伽 ・

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魁懸議灘多診 馨

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第4a図 症例10,前 後像 で左右の非対称.右 側壁は

伸 展性を欠 く.膀 胱内に突 出 した,基 底の広い腫瘍が認 められ る.

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688 中新井=膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討

諺二

第4b図 症例10,変 化のあ る右側壁は体位を変えても周囲か ら移動せず,膀 胱 内の気体の多少に よらず伸展性を欠 く.

F 矧

第4c図 症例10,変 化のある右側壁は体位を変 えても,周 囲か ら移動せず,膀 胱 内の気体の多少 に よらず伸展性を欠 く,

7ff:

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第5a図 症例15,子 宮癌 の膀胱壁への浸潤.膀 胱鏡的に認め られ る腫瘍の大 きさ(矢 印)よ りも,は るかに広い筋層 の変化が認 め られ る.不 規則な硬化 と拡

張が辺縁像に認め られ る.

沸 「

_」第5b図 症例15,膀 胱辺縁像は不規則な硬化 と拡張

が認め られ,こ の結果,像 は全体 として奇怪 な形 を呈す る.

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麹膨つ

鋤 綾物.<

第6a図 症例13,腫 瘍浸潤 を示す膀胱壁部分の伸展は認 め られない(矢 印),膀 胱尿管逆流が認め られ る.

▲第6b図 症例13,腫 瘍浸潤を示す膀胱壁 部分の伸展

は認 められない(矢 印)

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中新井:膀 胱腫瘍の浸潤度の診断における二重膀胱造影の検討 689

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第7図 症例12,憩 室様拡張.膀 胱腫瘍 に近接 した部

分の膀胱壁 が限局性に突出し憩室様に拡張す る.腫

瘍はその憩室様拡 張の基底部にあ る(矢 印)