青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … ·...

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青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り組むみなさん(平成25年度採択以前)) (※現在と農業次世代人材投資事業の要件が異なる点があります。事業活用の際には現時点の要綱等を御確認ください。) 米麦等 野菜 果樹 畜産 平成25年度採択 立柳 慎光さん (岩手県) 斗沢 亮一さん・恭子さん (青森県) 高橋 幸大さん (茨城県) 髙長根 博樹さん (青森県) (2013年度) 加藤 弦太さん (新潟県) 玉山 龍輔さん (岩手県) 角田 佑介さん (山梨県) 北村 正明さん (山口県) 池本 卓哉さん (岐阜県) 中山 建さん (宮城県) 前坂 治臣さん (岐阜県) 太輔さん (鹿児島県) 松尾 高敬さん (三重県) 工藤 一磨さん (秋田県) 尾畑 保行さん (三重県) 永市 明仁さん (愛媛県) 飯塚 祐樹さん (兵庫県) 小堀 喬久さん (茨城県) 甲斐 直樹さん (広島県) 鶴見 彰浩さん (島根県) 尚希さん (栃木県) 吉川 洋充さん・知甫さん (高知県) 井上 裕也さん (愛媛県) 星野 勝一さん (群馬県) 福島 敬之さん・そよ子さん (沖縄県) 牧野 英二さん・涼子さん (埼玉県) 松山 寛さん (愛媛県) 片桐 崇さん (新潟県) 淺川 剛さん (福井県) 石倉 至さん (三重県) 鯨岡 恵さん (三重県) 川畑 富寿さん (三重県) 朽木 洋輔さん・麻衣子さん (三重県) 岡田 芳洋さん (京都府) 小島 晋さん (岡山県) 山下 晋平さん (福岡県) 平成24年度採択 三上 紘史さん (青森県) 中村 一大さん・恵さん (秋田県) 真仁さん (北海道) 渡邉 剛さん (北海道) (2012年度) 佐藤 岳杜さん (秋田県) 高橋 征志さん (秋田県) 佐藤 志峰さん (秋田県) 田原 正太さん (島根県) 三輪 忠士さん (岐阜県) 西尾 佑貴さん・沙織さん (山形県) 国重 左門さん・妙子さん (山形県) 貞光 雅彰さん (福岡県) 石川 卓哉さん (愛知県) 安孫子 知也さん (山形県) 関根 幹弘さん (群馬県) 高岩 寿志さん (宮崎県) 伊藤 祐太さん (三重県) 宗像 堅固さん (福島県) 清水 優一郞さん・由枝さん (長野県) 福元 敏郎さん (宮崎県) 野瀬 智彦さん (滋賀県) 宮杉 隆広さん (福島県) 川瀬 量哉さん (新潟県) 上手 隆司さん (山口県) 高萩 和彦さん (茨城県) 酒井 啓充さん・良子さん (愛知県) 江面 暁人さん (北海道) 関根 淳さん (群馬県) 片山 篤さん (和歌山県) 大橋 一幸さん (埼玉県) 中下 祐介さん (島根県) 柴海 祐也さん (千葉県) 角井 雅之さん (山口県) 田中 智仁さん (千葉県) 太田 勝豊さん・佳美さん (岡山県) 佐藤 映志さん (長野県) 金光 祐二さん (愛媛県) 西久保 武揚さん (静岡県) 小林 弘典さん (福井県) 横矢 大介さん (愛知県) 長屋 建志さん (岐阜県) 阪野 彰さん (奈良県) 福谷 雄一郎さん (島根県) 宮本 克己さん (岡山県) 福田 雄志さん・沙織さん (広島県) 浅樋 真一さん (徳島県) 松永 佳之さん (徳島県) 山田 良二さん (高知県)

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青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り組むみなさん(平成25年度採択以前))(※現在と農業次世代人材投資事業の要件が異なる点があります。事業活用の際には現時点の要綱等を御確認ください。)

米麦等 野菜 果樹 畜産平成25年度採択 立柳 慎光さん (岩手県) 斗沢 亮一さん・恭子さん (青森県) 高橋 幸大さん (茨城県) 髙長根 博樹さん (青森県)(2013年度) 加藤 弦太さん (新潟県) 玉山 龍輔さん (岩手県) 角田 佑介さん (山梨県) 北村 正明さん (山口県)

池本 卓哉さん (岐阜県) 中山 建さん (宮城県) 前坂 治臣さん (岐阜県) 叶 太輔さん (鹿児島県)松尾 高敬さん (三重県) 工藤 一磨さん (秋田県) 尾畑 保行さん (三重県) 永市 明仁さん (愛媛県)飯塚 祐樹さん (兵庫県) 小堀 喬久さん (茨城県) 甲斐 直樹さん (広島県)鶴見 彰浩さん (島根県) 磯 尚希さん (栃木県) 吉川 洋充さん・知甫さん (高知県)井上 裕也さん (愛媛県) 星野 勝一さん (群馬県) 福島 敬之さん・そよ子さん (沖縄県)

牧野 英二さん・涼子さん (埼玉県) 松山 寛さん (愛媛県)片桐 崇さん (新潟県)淺川 剛さん (福井県)石倉 至さん (三重県)鯨岡 恵さん (三重県)川畑 富寿さん (三重県)朽木 洋輔さん・麻衣子さん (三重県)岡田 芳洋さん (京都府)小島 晋さん (岡山県)山下 晋平さん (福岡県)

平成24年度採択 三上 紘史さん (青森県) 中村 一大さん・恵さん (秋田県) 荒 真仁さん (北海道) 渡邉 剛さん (北海道)(2012年度) 佐藤 岳杜さん (秋田県) 高橋 征志さん (秋田県) 佐藤 志峰さん (秋田県) 田原 正太さん (島根県)

三輪 忠士さん (岐阜県) 西尾 佑貴さん・沙織さん (山形県) 国重 左門さん・妙子さん (山形県) 貞光 雅彰さん (福岡県)石川 卓哉さん (愛知県) 安孫子 知也さん (山形県) 関根 幹弘さん (群馬県) 高岩 寿志さん (宮崎県)伊藤 祐太さん (三重県) 宗像 堅固さん (福島県) 清水 優一郞さん・由枝さん (長野県) 福元 敏郎さん (宮崎県)野瀬 智彦さん (滋賀県) 宮杉 隆広さん (福島県) 川瀬 量哉さん (新潟県)上手 隆司さん (山口県) 高萩 和彦さん (茨城県) 酒井 啓充さん・良子さん (愛知県)江面 暁人さん (北海道) 関根 淳さん (群馬県) 片山 篤さん (和歌山県)

大橋 一幸さん (埼玉県) 中下 祐介さん (島根県)柴海 祐也さん (千葉県) 角井 雅之さん (山口県)田中 智仁さん (千葉県) 太田 勝豊さん・佳美さん (岡山県)佐藤 映志さん (長野県) 金光 祐二さん (愛媛県)西久保 武揚さん (静岡県)小林 弘典さん (福井県)横矢 大介さん (愛知県)長屋 建志さん (岐阜県)阪野 彰さん (奈良県)福谷 雄一郎さん (島根県)宮本 克己さん (岡山県)福田 雄志さん・沙織さん (広島県)浅樋 真一さん (徳島県)松永 佳之さん (徳島県)山田 良二さん (高知県)

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25年度採択(米麦等)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例も含まれています。

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立柳 慎光 さん (40歳)

経営の推移と今後

水稲 6 ha飼料用米 6 ha受託(乾燥調製)60 ha

・規模拡大に向け、経営体育成支援事業により大型トラクタ等を導入して作業効率を向上

・農業所得は430万円

新規就農までの経緯・背景

農家の長男として、いずれは家業を継がなければならないと感じたこと、両親が元気なうちに仕事を覚える必要があると思ったことから、勤めを辞めて平成26年に就農を決意。

経営発展のポイント

岩手県八幡平市

・高密度播種苗技術を試験的に導入し、労力削減効果等を検証中

・乾燥調製ライン更新で効率向上・農業所得の目標は1,000万円

就農希望者の研修を受け入れ、地域の担い手として育成する。

数年後には1,500万円以上の所得目標を立て、農業法人を

設立する予定。

基盤整備予定地区での中核的な担い手となる予定。

(営農類型:土地利用型)(中山間)

今後の取組

・農業法人の設立を予定・農業所得の目標は1,500万円

水稲 8 ha飼料用米 8 ha受託(乾燥調製) 80 ha

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成26年1月に経営開始・鉄コーティング直播を導入し、

規模拡大に対応・初年度の農業所得は-400万円

経営開始型は、規模拡大に向けた効率化のため、乾燥機、自走草刈り機などの設備投資に活用。

・親の経営基盤を引き継いで経営を開始。近隣から農地を集積し、規模拡大している。

・地域の乾燥調製を受託することにより収益を確保するとともに、高品質米生産に貢献している。

・水稲鉄コーティング直播技術を導入し、春作業の省力化と作期分散を図っている。

・農業改良普及センターや近隣の農家、JA青年部の先輩から技術的な助言や情報提供を受けている。

農業次世代人材投資資金、

の活用例

水稲 9 ha飼料用米 8 ha受託(乾燥調製) 90 ha

水稲 10 ha飼料用米 11 ha受託(乾燥調製)100 ha

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。

たちやなぎ しんこう

はちまんたいし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

農業経営改善計画の認定状況:平成31年2月に認定(平成26年2月認定の再認定)

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加藤 弦太 さん (32歳)

経営の推移と今後

水稲 772a露地野菜 3a大豆 291a

・公庫資金等を活用し、乾燥機、トラクターを購入

・農業所得は約300万円

新規就農までの経緯・背景農家出身、高校と大学で農学を学んだ。卒業後、生鮮食品の販売会

社へ就職し、営業職を経験した。営業の仕事をするうちに自分の生産した農産物を販売したいとの強い思いを持ち、就農を決意。

平成23年に親元就農し、平成26年に親の経営を継承した。

経営発展のポイント

新潟県長岡市

・多収品種を契約栽培・作業受託を拡大し、2ha

・水稲の作付面積、作業受託を拡大する。

・収量、品質を安定させるため、ICT技術等を取り入れ、気象条件に応じた栽培技術を習得する。

・地元法人と連携しながら、地域の農地を守りたい。

(営農類型:土地利用型(水稲、大豆))(平地)

今後の取組

・水稲の更なる収量増加・作業受託を5haに拡大・農業所得の目標は500万円

水稲 703a露地野菜 10a大豆 350a

水稲 703a露地野菜 10a大豆 350a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成26年に経営開始、認定農業者に認定される

・各種研修に参加、栽培技術を習得・農業所得は約130万円

・経営1年目は、生活資金に活用。

・2年目以降は、機械や設備の資金として活用。

・経営1年目から、県主催の研修や青年農業者グループ活動等に積極的に参加することで栽培技術を習得し、相談相手や仲間を作った。

・収穫期の異なる水稲4品種を組合せて作付けすることで作期分散を図り、経営が安定。

・自身の農業経営以外に、地域の農事組合法人の構成員として大豆や施設トマト等の栽培を手伝う。

・農事組合法人所有のコンバイン、田植機等の農業機械を共同利用することで低コスト化。

農業次世代人材投資資金

の活用例

水稲 1,500a露地野菜 10a大豆 350a

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

か と う げ ん た

ながおかし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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経営の推移と今後

水稲 8ha

新規就農までの経緯・背景

実家は農家であるが、高校卒業後3年間民間企業に勤めていた。しかし、地元の水稲作業受託農家(受託面積20ha)が離農されるため受託面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成25年に就農した。

経営発展のポイント

栽培技術の向上により良食味米を生産し、高単価での販売先を確保する。

15haまで規模拡大するとともに、乾燥作業や収穫作業受託を拡大し、農業所得700万円を目指したい

(営農類型:土地利用)(中山間)

今後の取組

・良食味米を生産し、高単価での販売先を確保する

・農業所得の目標は700万円

経営初期(1~2年目) 現在(6年目) 今後の目標(10年目)

・経営1年目は、除草作業が不徹底だったので、2年目以降は除草のための薬剤変更や資材の大量購入によるコスト削減に取り組んだ。3年目からは、高単価の品種の面積拡大や特別栽培米の導入などにより、徐々に農業所得が増大した。

・4年目から、ふるさと納税に取り組むなど個人販売にも力を入れている。・3年目に資金でトラクター、5年目には自己資金で田植機を購入、6年

目の今年は補助金を活用して乾燥機を購入予定であり、作業受託拡大により経営が安定してきた。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

岐阜県飛騨市

池本 卓哉 さん(27歳)

農業次世代人材投資資金により、田植機を購入。経営初期の収入の少ない時期にも生活できた。青年等就農資金によりトラクターを導入。

3~5年目

水稲 9ha水稲作業受託0.5ha

水稲 15ha水稲作業受託1ha

水稲 9ha水稲作業受託1ha

・補助金で乾燥機購入予定

・個人の受託作業(乾燥、田植)を拡大し、農業所得目標は500万円

・販売先をふるさと納税や個人、直売所等にも拡大

・資金でトラクター、自己資金で田植機購入

・高単価の品種の面積拡大・農業所得は約370万円

・平成25年に親とは別経営で経営開始

・除草作業の不徹底や技術が低く農業所得は約190万円

・薬剤変更やコスト低減に取り組む

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

いけもと たくや

ひだし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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松尾 高敬さん (42歳) 株式会社マルタカ農産

経営の推移と今後

水稲 300a小麦 1,600a露地野菜 自家用程度

・機械を増強・育苗ハウスを修繕・露地野菜はキャベツ主体

新規就農までの経緯・背景実家は農家であったが学卒後は民間企業に勤めた。サラリーマンとし

て働きながら、農業機械のオペレーターをしていた知人の農作業を手伝ううちに直接農作業を依頼されるようになり、機械の取引先の所長から「腹をくくれ」と後押しを受け、農業の道へ(平成25年経営開始)。

経営発展のポイント

三重県度会郡玉城町

・株式会社マルタカ農産を設立し法人化

・障がい者を雇用し農福連携・ASIAGAP認証を取得(青果物)

(営農類型:土地利用型作物)(平地)(法人)

今後の取組

今こうやって農業の仕事ができているのは地域の方々に支えられてきたからで、一人だけでは絶対にここまでできていなかった。人から土地を預かって作業をさせていただいているので、信頼を得なければいけない。従業員にも「まずあいさつが基本」と教えている。これからも、地域の方々との「コミュニケーション」を大切にしていきたい。

・所得目標 500万円以上・農産物の6次化を検討・販路開拓も意識しながら他作

物でもGAP認証を取得

水稲 800a小麦 2,200a露地野菜 80a

水稲 1,600a小麦 2,500a露地野菜 350a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目)今後の目標(~10年目)

水稲 2,500a小麦 3,500a露地野菜 650a施設野菜 10a

・平成25年に経営開始・開始当初は天候に左右され

経営状況は不安定

経営開始当初は天候などに左右され、安定した収入がなかった。農業次世代人材投資資金があったので、運転資金に活用し経営の助けになった。

・借入地での丁寧な農作業に努めるとともに、地域の方々のとのコミュニケーションを大切にすることによって信頼を得て、規模拡大をしてきた。

・作物の栽培にはなるべく化学肥料は使わずに値段が高くても有機質肥料を使い、牡蠣殻や米ぬかなど近隣で出た資源も再利用して、生産したものを誰もが安心しておいしく食べられるようにしようと日々勉強している。

農業次世代人材投資資金の活用例

まつお たかのり

わたらいぐんたまきちょう

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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飯塚 祐樹 さん (39歳)

経営の推移と今後

水稲 380a黒大豆 10a

• 農地中間管理機構を活用し、規模拡大

• 農業所得は約200万円

新規就農までの経緯・背景

実家は兼業農家であったが、他産業に従事していた。ある時、食の大切さを実感し、農業を志した。1年間研修機関で研修後、農業法人でさらに研修し、同法人で雇用就農した。その後、雇用先の法人の支援の元、平成25年に親の経営とは別に独立就農した。

経営発展のポイント

兵庫県姫路市

・直売等販路拡大・農業所得は約500万円

積極的に研修生を受入れ、次世代の農業者の育成に努めたい。

規模拡大に伴い、雇用就農も検討し、将来的には法人化を目指す。

(営農類型:水稲)(中山間)

今後の取組

・法人化を目指す・農業所得の目標は

約1,000万円

水稲 900aその他 95a

水稲 1,180aその他 135a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

水稲 2,000aその他 200a

写真

• 平成25年に経営開始• 元雇用先の直売所へ出

荷する形で経営スタート

農業次世代人材投資資金や無利子融資を活用し、トラクター等大型機械を購入

• 法人での雇用就農の時代に、栽培技術や経営手法の習得だけでなく、地域や関係機関との人脈をつくっていたため、独立就農する際、困った時は相談し、助け合うことができた。

• 無利子融資を活用して、機械導入を図った。• 独立就農後も積極的に若手農業者や同業者との集まりに参加し、情報

収集、販路拡大、経営発展に活かすことができた。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

いいづか ゆうき

ひめじし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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鶴見 彰浩 さん (37歳)

新規就農までの経緯・背景

勤務していた会社を退職したのをきっかけに、親の水稲・野菜経営を引き継ぐ決意をした。

水稲および野菜について、平成24年8月から作目毎にそれぞれ1名の認定農業者のもとで1年間研修を行った。

また平成24年1月~12月には、出雲市独自の事業であるアグリビジネススクール(就農チャレンジ科・野菜チャレンジ講座)も受講した。

その後、平成25年7月に669aの経営規模で就農した。

経営発展のポイント

島根県出雲市

材料費の削減や栽培技術・知識の向上を目標とし、経営のさらなる安定化を目指す。

作目によっては病害等の影響もあったため、それらの改善にも取り組む。

(営農類型:水稲・野菜)(平地)

今後の取組

青年等就農資金の借り入れや県の事業の活用を行い、コンバインやトラクター等の機械およびパイプハウスを導入。農業次世代人材投資資金についても、機械・設備の導入費用として活用した。

水稲(コシヒカリ・きぬむすめ)を経営の軸としながら、白ネギ・キャベツ・ホウレンソウ等の野菜も栽培する多角的な経営を行っている。

パイプハウスの導入により、ホウレンソウ・こまつなの安定した収穫が可能になった。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

つる み あき ひろ

いずもし

経営の推移と今後

・平成27年に県事業でパイプハウスを導入

・平成28年に県事業でコンバイン等機械を導入

・農業所得は約230万円

・各種機械の導入や安定した経営により、農業所得が270万円を超える

・JA事業でパイプハウスを導入

・認定農業者を目指す・更なる経営の安定を目指す

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成25年に経営開始・平成26年から

農業次世代人材投資資金の給付を開始

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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【愛媛県】営農類型:土地利用型作物・平地(米)

「農道まっしぐら」

井上 裕也(42歳) Uターン

愛媛県西予市

1 就農の動機・理由

愛媛県西予市宇和町の米専作農家の

方々から、後継者不足による将来への不

安の声が聞かれるようになり、米農家の

息子として生まれた自分が、将来、宇和

町の米生産の担い手になり、その一助に

なればという想いがあり米農家の後継者

となることを決意した。

地域に密着した営農・地産地消と、安

全・安心な米作りを目標に、顔の見える

生産者として、地域の農業を守り、地域

の魅力を発信していきたいと考えている。

2 農業経営の概要

〇経営の展開 項

就農前の経営

(平成 24 年)

現在の経営

(平成 30 年)

将来の経営

5 年後

労働力

男 1人(父)

女1人(母)

(農業労働力)

男2人(本人、父)

女1人(母)

(農業労働力)

男1人(本人)

女1人(妻)

(農業労働力)

経営耕地

水田 700a 畑 a 樹園地 a 計 700a

水田 1370a 畑 a 樹園地 a 計 1370a

水田 2500a 畑 a 樹園地 a 計 2500a

経営内容

水稲 700a 小麦 a 大豆 a

水稲 1000a 小麦 370a 大豆 370a

水稲 1300a 小麦 1200a 大豆 1200a

〇農業用施設

農業用倉庫(77 ㎡、84 ㎡)

〇主要農業機械

トラクター(35・60 馬力)各 1 台

田植機(6 条植え) 1台

コンバイン(4 条刈り) 1台

乾燥機(50 石) 1台

籾摺り機(5 インチ) 1台

フォークリフト 1.8t 1台

3 あしあと

(1) 就農までの主な経歴

昭和 50 年 西予市宇和町生まれ

平成 8 年 宇和町社会福祉施設協

会勤務 平成 24 年 10 月~平成 25 年 3 月

営農インターン(農家

子弟対象の短期コース)

平成 25 年 4 月 就農

(2) 就農後の経営の展開過程(現在) 作目:米・麦・大豆 品種等の変化: 品種「コシヒカリ」「にこまる」

を中心に栽培。新たに「あきだわ

ら」を導入。

生産方式: 水稲は播種から栽培、収穫、乾燥、

籾摺りまで一貫体系。 労働力:繁忙期に実父が援助

4 就農時の取り組み(平成 25 年)

(1) 就農地の確保

自己所有地は無い。親族からの借入

れが 1.2ha で、他の 8.4ha は第三者か

らの借入れで、全て利用権設定済み。

(2) 技術・経営能力等の習得

公益財団法人えひめ農林漁業振興機

構が実施する営農インターン推進事業

の短期コースを活用し、地元の先進農

家で研修。就農後も引き続き指導を仰

いでいる。

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【愛媛県】営農類型:土地利用型作物・平地(米)

(3) 資金の確保

平成 25 年度に経営体育成支援事業

を活用して乾燥機を導入。トラクター

(60 馬力)はJAとのリース契約。

(4) 住宅の確保

実家で両親と同居。

5 農業経営の特徴

現在は水稲中心の作付け体系。早生の

「コシヒカリ」、普通期「にこまる」

「あきだわら」、飼料米の作付けにより

労働配分をしている。

また、自宅で乾燥・籾摺り、袋詰めを

行い、インターネット等で販売してい

る。

6 今後の経営の目標

規模拡大し労働時間、維持管理費の削

減で低コスト米づくりを目指す。

また、消費者ニーズを捉え、多様な

精米形態、包装量、価格帯のラインナ

ップを揃えていきたい。

化学肥料・農薬を削減した「特別栽培

米」の栽培にも取り組み、首都圏等の

消費地への供給を模索していきたい。

また、転作作物(麦・大豆)も規模

拡大と直接販売ができないか検討して

いる。

6次産業化については、加工業者と

連携を始めたところで、自分が作った

米を使用した清酒作りを始めている。

麦大豆については、加工業者に原料

として販売し、「しょうゆ」が作られて

いるため、今後生産拡大を検討してい

きたい。

7 成功したキーポイント

「人との出会いを大切にすること!」

将来の経営ビジョンが同じだった地

元の水稲栽培を行なう若い農業者との

出会いがあり、協同で米生産・販売に

ついて新たに取り組み、その仲間と共

に日々新しいチャレンジをしている。

また、地元の米を生産する仲間や、

父・先進農家から指導を仰ぎ、技術の

習得・販売情報を得て、経営の改善を

図ってきた。

SNS(ソーシャル・ネットワーキ

ング・システム)を通じ、全国の新規

就農者間で情報交換を行い、農業経営

の悩み等について解決できた。

※H28 年、宇和米を PR するため、西

予市の米生産を専業で行う若い 4 人で

「田力本願株式会社」を立ち上げた。

8 就農を目指す方へのアドバイス

就農時の初期投資(農地、農業機械、

施設)は必要最低限に抑えることが必

要だと思います。

また、就農前に農業研修をしっかり

行うことで、継続した経営ができると

思います。

9 参考

都会暮らしから、田舎で農業を始め

ようと夢見ておられる方に参考になれ

ばと思い、農家の様子をブログ等で情

報発信させていただいております。

☆個人ブログ

https://ameblo.jp/yuuyasyoueikoharu

☆田力本願株式会社

https://ja-jp.facebook.com/meguri.

otokomai/

執筆機関

愛媛県南予地方局

産業経済部八幡浜

支局地域農業育成室

西予指導班

電話番号

0894-62-0407

Page 11: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

25年度採択(野菜等)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例も含まれています。

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斗沢 亮一さん(48歳)・恭子さん (48歳)

経営の推移と今後

にんにく 170aながいも 145aごぼう 74a

・収量、品質ともに安定し、作付け品目の価格も上昇

・農業所得は約490万円

新規就農までの経緯・背景

農家の出身であり、いずれは農業を継承しようと考えていた。父母も高齢になり農業を継続することが難しくなってきたことと、また、

少しでも早く農業技術を継承しようと思い、平成25年に就農した。

経営発展のポイント

青森県十和田市

・単収の良かった品目の規模を拡大。

・農業所得は800万円超

・農地は十分にあるため、規模は現状維持したまま、安定した経営基盤を築く。

・減農薬栽培等の栽培技術も順次導入し、農業所得の向上を目指していく。

(営農類型:露地野菜)(中山間)

今後の取組

・現状の規模を維持し、安定した経営を行っていきたい。

・所得目標は1,000万円

にんにく 117aながいも 134aごぼう 90a

にんにく 70aながいも 180aごぼう 100a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目)

・平成25年に経営開始・病害虫の発生等により、

初年度の農業所得は約-30万円・農業次世代人材投資資金で生計

を維持

今後の目標(6~8年目)

にんにく 70aながいも 180aごぼう 100a

・経営1、2年目は病害虫の発生により収量が少なく、さらに、作付けした品目の価格が落ち込み所得を上げられなかったため、農協の指導員とも相談し、土づくりや作業の見直しを図った。

・3年目に収量が安定しはじめ、さらに、作付けした品目の価格が上昇し、所得が大幅に増加。翌年以降は単収の良かった品目の作付面積を増やし、収入の増加につながった。

農業次世代人材投資資金

の活用例

1、2年目は生活費として活用3年目以降は機械の

購入費用等に活用

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

とさわ りょういち

とわだし

きょうこ

・農業経営改善計画の認定状況:経営開始1年目に認定済み

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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玉山 龍輔 さん (41歳)

経営の推移と今後

トマト 20a(ハウス10棟)

・同じ地区で農地を借地し規模拡大(第2ほ場)

・県単補助事業等でハウス導入・販売額は約2,250万円

新規就農までの経緯・背景

非農家出身であるが、自分が経営者として向いている職業は何かを考え、農業が合っていると思い就農を決意した。勤めていた建設会社を退職後、1年間キャベツ等の栽培を研修、翌年は就農作目をトマトに決め準備型研修制度で1年間研修、その間に借地できる農地を見つけ平成25年に就農した。

経営発展のポイント

岩手県盛岡市

・前年度に国庫補助事業でハウスを導入し規模拡大した1年目の経営

・目標販売額は2,900万円

就農10年目までには、4,000万円以上の販売が実現できる規模をめざす。

トマトを中心とした周年生産の農業経営を行い、常時雇用ができる経営を目指す。

今後の取組

・さらにハウス導入し規模拡大・トマトを中心とした周年生産

を行う農業経営を目指す・目標販売額は4,200万円

トマト 50a(ハウス25棟)

トマト 71a(ハウス34棟)

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~10年目)

トマト 100a(ハウス50棟)

・平成25年に経営開始・ハウスは中古の資材で

自分で建設・販売額は約970万円

就農前の研修は、準備型で実施。就農後は経営開始型の交付を受け、ハウス導入の自己負担分や、運転資金に活用。

・就農1年目は、研修先農家で教わった栽培技術になるべく忠実に努力した結果、10a当たり収量は約14tで、地域のトップクラスの単収をあげた。現在も高い単収を維持しながら、経営規模拡大を行っている。

・中古ハウス等の建設は自分で行い、経費を抑えている。・販売はJA出荷で共同選果であるため、生産活動に集中できている。・地域住民との人付き合いも良好で、農地情報や中古資材の援助が受け

られている。労働力は、地域の人を中心に雇用している。

農業次世代人材投資資金、

の活用例

(営農類型:施設野菜)(中山間)

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

たまやま りゅうすけ

もりおかし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

農業経営改善計画の認定状況:平成30年5月に認定

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中山 建 さん (36歳)(営農類型:露地野菜)

(中山間)

露地畑70a

・地域から畑を任され始める。・中古ハウスを1棟賃借・顧客が増え、1出荷あたりの売上は約¥30,000/回

会社員時代に周りからよく聞いた「農業は悪い仕事ではないが、一生続

ける仕事ではない」という言葉に疑問を感じ、あえて農業に挑戦したくなった。

また自分の商品を自分で作って自分で売りたい、という願いをかなえるために平成24年に就農。

・ハウスを1棟建築・獣害対策に狩猟免許取得・1出荷あたりの売上は¥50,000/回

・近日、現住居を買取・リフォームの上で、イベントスペースとして直売客向けに活用したい。

・草刈り・耕作といった農業以外の部分でも、町おこしに貢献していきたい。

・自宅周辺の農地を取得し、一部はイベント用に整備・ハウスを増やし端境期対策・目標出荷額¥65,000/回

露地畑120aハウス1棟

露地畑150aハウス2棟

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

露地畑200aハウス3棟

・平成24年に経営開始・まだ顧客が少なく、1出荷あたりの売上は約¥10,000/回・貯金や妻の農外所得で生計

自己資金では負担が大きい農業機械を揃えるのに大いに助かった。

・経営1年目から、有機野菜の少量多品目生産・週2回直売出荷を続けている。市場等に出荷しないことで直売に集中でき、口コミ等で広まって固定客も増えてきた。

・自己資金では負担が大きい農業機械を、農業次世代人材投資資金でそろえることができ、作業の効率化に大きなプラスとなった。

・農場のパンフレットやWEBサイトを制作し、継続的に営業活動を続けることで引き合いが常時ある状況を作れている。

宮城県村田町

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント今後の取組

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

なかやま はじめ

むらたまち

農業経営改善計画の認定状況:経営開始7年目に認定済み

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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工藤 一磨 さん (28歳)

経営の推移と今後

秋冬ネギ 50a

GLOBALG.A.P.の取得、契約栽培の開始

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

秋田県にかほ市

・経営拡大にともなって、作業舎等の設備も必要になっている。

・経営規模の拡大を目指しつつ、栽培管理レベルの維持すること

が目標で有り、課題となっている。

・法人化し、ネギ単作で10ha栽培、売上1億円を目標とする。

・東京オリンピックへの食材提供、輸出等を予定している。

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

秋冬ネギ 80a夏ネギ 70a

大半を契約栽培とする。

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

法人化により10haまで栽培面積を増やす。1億円の売り上げが目標。

農業次世代人材投資資金及び無利子融資は農業機械(ネギ用)等の機械に投資することができた。

・実家は農家で、地元である秋田県にかほ市にUターン就農するため、就農前には2年間秋田県大潟村で農業研修を行った(水稲、大豆、小麦、ネギ、大根)。

・就農地で栽培が盛んなネギを栽培品目とし、平成26年に就農。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・経営1年目は市場出荷および知り合いの飲食店に出荷をしていた。・経営2年目にはGLOBALG.A.P.を取得し、外資系スーパーとの契約

栽培を行い、出荷している。・外資系スーパーに対し、夏ネギの出荷に関して提案を行い、

夏ネギの面積増加につながった。

秋冬ネギ 80a夏ネギ 120a人手が必要となる収穫調整作業は地域からのパートや大学生のアルバイトを雇用し行っている。

くどう かずま

にかほし

農業経営改善計画の認定状況:経営開始1年目に認定済み

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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こぼり たかひさ

小堀 喬久 さん (30歳)

経営の推移と今後

ベビーリーフ 30a(ハウス12棟)

・青年等就農資金を活用しハウスを規模拡大

・臨時雇用1名を確保・農業所得は約200万円

新規就農までの経緯・背景

実家は農家だったが、自分の力で農業経営を行いたいと考え、独立就農することを決意した。農地・施設をリースすることができた鉾田市で就農し、経営品目は、機械や施設の利用率が高く周年で栽培できる「ベビーリーフ」を選定した(平成25年経営開始)。

経営発展のポイント

ほこたし

茨城県鉾田市

・販路を新たに開拓し、契約出荷も開始

・販売金額1.5千万円、農業所得250万円超

2年後には、500万円以上の所得目標を立て、農業法人を設立予定。

ベビーリーフに加えて、新規品目としてコマツナ等の葉物類を導入し、経営発展させたい。

(営農類型:ベビーリーフ)(平地)

今後の取組

・常時雇用者を確保し、新規品目を導入

・農業法人設立を予定・農業所得の目標は500万円

ベビーリーフ 95a(ハウス31棟)

ベビーリーフ 95a(ハウス31棟)

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

ベビーリーフ 95aコマツナ 20a(ハウス40棟)

・平成25年に経営開始・全量JA出荷により、

農業所得は約100万円・農業次世代人材投資資金

により生計が安定

・経営初期は夏場の高温で収穫量が落ち込んだが、遮光ネットの展張や適切な潅水管理等を心がけ、年間 大8回転できる周年栽培となった3年目から農業経営が安定した。

・青年等就農資金を活用して、パイプハウスを新設して規模拡大を進め、就農5年目に目標の農業所得を達成した。

・県が開催する「いばらき農業アカデミー法人化促進講座」に参加し、農業法人設立に必要な税務、労務管理等の基礎知識を習得した。

・就農6年目には、認定農業者に認定された。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

農業次世代人材投資資金は経営が安定するまでの生活費として活用。無利子融資(青年等就農資金)は、パイプハウスの規模拡大に活用。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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磯 尚希 さん (37歳)

新規就農までの経緯・背景実家のトマト農家は兄が継承し、自身は民間企業に勤めていた。しか

し、東日本大震災を機に食の安全性について深く考えるようになり、以前から興味のあった農業を自ら始めようと決意。農業法人で露地野菜を主に研修した後、高所得を得られる作目として“いちご”を選択。平成24年に就農した。

経営発展のポイント

栃木県さくら市

これまでの経営・栽培上の重点目標は、「収量性(単収)向上」としてきた。しかし、今後は経営の幅を広げるために新たな販路を開拓する必要があると考えており、そのためにも、環境制御技術等の新技術に目を向けながら、食味などのバラツキが少ない高品質ないちご生産に取り組んでいきたい。

(営農類型:いちご)(平地)

今後の取組

・スカイベリーのみで規模拡大・収量の安定に加え品質面の向

上にウェイトを置く・雇用を確保し生産の効率化を

図る

経営の推移と今後今後の目標(7年目~)

とちおとめ 9a→15a

・スカイベリーを導入・総収量 10.8t → 11.8t・両品種ともに10a当たり収量

がJA出荷者で1位になる

・総収量 11t → 19t・経営開始5年目から認定農業者・全量スカイベリーに切り替える・facebookを利用し情報交換

とちおとめ 12aスカイベリー 3a

とちおとめ 9a → 0aスカイベリー 6a → 23a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目)

スカイベリー 23a+α

・栽培面積9aで経営開始・技術力の高い先輩農家に教

わりながら、生産量は10a当たり6.6tを2年とも達成

経営開始型の受給は、初期の運転資金確保や生活費の支えとなり、新規就農時の不安が解消された。

・農地、施設、機械等を第三者のいちご生産農家から貸借することができたため、 小限の初期投資で経営を開始することができた。

・JAいちご部会に所属。積極的に先輩農家から栽培技術、病害虫防除等の指導を仰ぎ、研修内容を補う栽培技術を習得できた。

・体力的にも充実している同年代の男性を常時雇用することで、適期作業が可能となり、安定した収穫を確保することができた。

・単収増加を重視しながらも、規模拡大と品種転換を段階的に進め、さらに所得向上に向け、シーズン終了後には販売実績や栽培管理体系等を分析し、課題解決を図っている。

農業次世代人材投資資金の

活用例

いそ なおき

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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星野 勝一 さん (39歳)

経営の推移と今後

雨よけトマト25~30a(ハウス6~12棟)

新規就農までの経緯・背景

実家は露地野菜、花き等を生産する農家であったが、大学卒業後は都内の大手IT企業に10年間勤務。子供と家族のこれからを考えたときに、自分が生まれ育った環境で子供を育てたいという思いに。当時片品村で生産量が増えていた雨よけトマトを経営品目として選択し、平成25年に就農。

経営発展のポイント

群馬県片品村

• 複合品目としてワイン用ブドウを導入

• 大玉の農協出荷を中心とした経営

• 農業所得は約342万円

雨よけトマトの生産を現在の規模で維持し必要な所得を確保しつつ、複合品目として新規に導入したワイン用ブドウの利益化、商品化を目指す。

(営農類型:トマト)(中山間)

今後の取組

• 全棟に点滴チューブを導入し省力化を進める。

• ワイン用ブドウの利益化• 農業所得の目標は800万円

雨よけトマト40~55a(ハウス16~20棟)

雨よけトマト60a(ハウス22棟)ブドウ30a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

雨よけトマト70a(ハウス26棟)ブドウ30a

• 平成25年に経営開始• 大玉、中玉、小玉を生産• 初年度の農業所得は約31万円• 農業次世代人材投資資金や

農外所得で生計

農業次世代人材投資資金は農業所得の少ない初期に資材購入や生活費として役だった。

• 普及指導員及びJA営農指導員等の巡回指導による技術指導があったため研修経験がない状況で1年目から黒字決算とすることができた。

• JAのトマトセンター出荷を中心にすることや点滴自動灌水装置の導入で省力化することができた。また点滴灌水の導入は、地域の農業用水の水不足に対応することができ、規模拡大を可能にした。

• 農業資材展示会への参加やインターネットにて情報収集を行い毎年新しい資材、機械を積極的に試し、効率化や低コスト化を進めることができた。

農業次世代人材投資資金

の活用例

• 県単補助事業及び近代化資金を活用しハウス導入

• 点滴チューブを導入し労力• 削減、病害の発生軽減に成功• 4年目農業所得は約205万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ほしの しょういち

かたしなむら平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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牧野 英二さん(48歳)・涼子さん(43歳)

経営の推移と今後

露地野菜 70a(なす20a、ブロッコリー20a等)

・農地拡大とともに新規品目を栽培・農業所得は約60万円(4年目は雪

害により一時マイナスとなる)・3年目から農業次世代人材投資資

金を受給

新規就農までの経緯・背景

実家は非農家、夫は農業機械の研究開発の仕事、妻は酪農ヘルパーに5年従事。生涯現役で働くことのできる農業に魅力を感じ、新・農業人フェアへの参加やさいたま市の体験農園の実践を経て、2人で自然豊かな児玉地域への就農を決意。本庄市児玉地区の指導農家から指導を受けながら、埼玉県農業大学校の職業訓練や児玉地域明日の農業担い手育成塾で約1年研修後、平成23年6月、本庄市に農地と住宅を確保し、新規就農。

経営発展のポイント

埼玉県本庄市

・農地拡大はすすむ・農業所得は約170万円

栽培技術の向上や作業の省力化で所得250万円を目標に経営の安定をはかる。

一昨年、地元農産物をPR活動するグループ「本庄農業女子」を立ち上げ、その活動も含め地域の農業に貢献していきたい。

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

・効率的な安定生産を実施・地域農業をPR・農業所得目標は250万円

露地野菜 150a→210a(ブロッコリー60→80a、たまねぎ35a、なす・ニガウリ10a、カリフラワー10→30a等)

露地野菜 200a(ブロッコリー70a、たまねぎ゙30a、カリフラワー30a、なす・ニガウリ10a等)

経営初期(1~2年目)

3~6年目 現在(7年目) 今後の目標(10年目)

露地野菜 約200a(品目は、ほぼ同様)

・平成23年6月に経営開始・2年目の農業所得は

約-120万円

平成26年の雪害で4年目の所得が落ち込んだが、倒壊した作業場の再建等に資金を活用し、経営の危機を回避することができた。

・品目は、指導農家と同様の地域の主要野菜を作付け、その後、新規品目も追加し、自分たちに合った露地野菜経営を実践。

・農地は、当初、指導農家や地域の知り合いの伝手で借りていたが、年数が経つうちに、地域の支援を受け、スムーズに拡大していくことができた。

農業次世代人材投資資金の活用例

左:指導者、中央:涼子氏、右:英二氏

ほんじょうし

ま き の え い じ りょう こ

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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片桐 崇 さん (41歳)

経営の推移と今後

ハウストマト 20 aハウス冬菜 10a露地野菜 23a(ねぎ、アスパラガス等)

・トマトの適期栽培、適正管理のためハウス冬菜を中止

・ねぎ皮むき機を補助事業で導入

新規就農までの経緯・背景

非農家出身で県外民間企業に勤めていたが、子どもたちの将来のために安全安心な食品を自ら生産したいとの想いから就農を志し、妻の実家のある新潟市北区内の農業法人で1年半研修し、野菜栽培技術を習得。その後、親戚農家からハウス建設地等を確保し、平成25年に独立自営就農した。

経営発展のポイント

新潟県新潟市北区

・トマトの作期を拡大し、長期間出荷、所得向上を図る

・市基本構想の所得水準を達成

経営初中期は病害や作業遅れなどにより収量・品質が上がらず苦労したが、栽培技術向上に向き合うことで経営を改善できる手応えを実感した。今後も技術修得に向けて勉強機会をもちながら、主力部門のハウストマトを拡大し、露地野菜の畑をハウス周辺に集めて効率化を図り、コンパクトで余裕のある経営スタイルを目指したい。

(営農類型:野菜)(平地)

今後の取組

・新規直売所への出荷を検討・ねぎの収量アップと販売時期

拡大で直売の所得向上を図る

経営初期(1年目) 経営中期(2~3年目) 現在(4~5年目) 今後の目標(6~7年目)

・県補助事業でハウス導入・資金繰り対策のため新規

参入者向け制度資金活用

経営初期の諸資材等の購入に活用し、作柄不良時の売上減でも資金繰りができた。

・研修は4月開始で当初2年計画のところ、経営の柱であるハウストマト等の栽培歴を考慮し、研修を2年目秋で切り上げ、経営を開始。

・研修終了後も研修先から技術協力を得ており、また地元ハウス組合の勉強会や地元農業者同士の交流機会、普及指導センター等の指導で栽培技術を着実に向上させてきた。3年目以降は計画の所得目標を達成。

・主力部門の安定化を重視し、経営規模の見直しを経営初期に決断した。・主力のトマトは主にJA出荷で安定した収入源を確保し、労力の許す

範囲で露地野菜品目の幅を広げ、直売により所得拡大を図った。

農業次世代人材投資資金

の活用例

ハウストマト 20 a露地野菜 17a(ねぎ、にんじん、ブロッコリー、キャベツ)

ハウストマト 20 a露地野菜 40a(ねぎ・にんじんを

拡大)

ハウストマトを拡大露地野菜は現状規模維持(新規導入品種を検討、農地

を拠点近くに集積)

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

か た ぎ り た か し

にいがたしきたく平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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淺川 剛 さん (42歳)

経営の推移と今後

軟弱野菜 56a(ハウス2棟)

・遊休ハウスを修繕し借受け規模拡大

・雇用導入しキュウリ栽培開始・農業所得は約200万円

新規就農までの経緯・背景

消費者の目に見える農業、より喜ばれる農業への憧れを持っていた。初期の設備投資が不要で借受け可能な既存施設が見つかった福井市佐野町で平成24年に独立就農。

経営発展のポイント

福井県福井市

・販路を新たに開拓し直売をさらに拡大

・農業所得は約550万円

3年後には、8,000万円以上の販売目標を立て、農業経営の法人化を予定。

東京オリンピックまでに、GAPの認証を得て、有利販売につなげ、さらなる経営規模拡大を目指す。

(営農類型:施設園芸)(中山間)

今後の取組

・農業法人の設立を予定・雇用を確保し規模拡大・農業所得の目標は2,000万円

施設キュウリ 24a 他軟弱野菜56a(ハウス4棟)

施設キュウリ 48a 他軟弱野菜43a(ハウス4棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

施設キュウリ 96a 他(ハウス10棟)

・平成24年に経営開始・当初はホウレンソウ、

コマツナ等の軟弱野菜中心に栽培・農業所得は約40万円

借り受けたハウスの修繕費用等に活用

・経営初期に軟弱野菜の栽培により、ハウス土壌の特性を確認し、一部施設キュウリの栽培を開始。

・近隣の遊休ハウスの確保を機に、雇用の導入によるキュウリの本格生産を開始し、軟弱野菜等と組み合わせた施設利用体系を確立。

・新規就農者仲間とイベントグループを結成し、消費者とふれあう直売活動を強化することにより農業所得を安定化。

農業次世代人材投資資金

の活用例

あさかわ つよし

ふくいし

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度 更新

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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石倉 至 さん (38歳)

経営の推移と今後

露地野菜 30aハウス2棟

・徐々に農地が集まる。・数度の台風被害。・農業所得は30~250万円

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

三重県北牟婁郡紀北町

・品目をしぼり、規模拡大に向けて収穫機などの機械を購入。

・品目をニンニクに絞って規模拡大を目指す。

・加工にも取り組み、商品化する。

・法人化も視野に入れていきたい。

・目標は面積2ha、農業所得1千万円。

(営農類型:野菜)(中山間)

今後の取組

・加工品にも取り組み、所得向上を目指す。

・農業所得の目標は1千万円

露地野菜 100aハウス2棟

露地野菜 150aハウス2棟

経営初期(1年目) 2~6年目 現在(7年目) 今後の目標(6~8年目)

露地野菜 200aハウス2棟

・カボチャを主軸に、少量多品目の露地野菜を栽培。

・初期投資もあり、初年度は赤字。

・ハウス建設などの初期投資。

・収穫機などの購入。

・海外研修に行くことで農業で生活していくための心構えができた。・土地柄、雨や台風が多く、獣害にも悩まされた。その対策を考え、

品目を選び、栽培スケジュールを組んだ。その土地に合ったものをしっかり研究しながら作っていった。

・経営開始時は少量多品目の野菜を栽培していたが、気候や経営に合うものにしぼり、確実に良いものを作るようにしたこと。

・地元の若手農業者グループの活動に積極的に参加し、交流を持つことで情報や刺激を得ている。

農業次世代人材投資資金の活用例

大学卒業後、県外で働いていたが、農業への興味を持ち続け、海外での農業研修に申込んだ。約1年半の研修の後、三重県に戻って農業法人に就職。その後、農地の見つかった故郷の紀北町で平成26年に経営を開始した。

いしくら いたる

きたむろぐんきほくちょう

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 23: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

鯨岡 恵 さん (35歳)

経営の推移と今後

ハウストマト 5a軟弱野菜 33aレタス 4a

・ハウスを増設し、近隣にないパプリカの有機栽培を開始

・販売金額は約600万円

新規就農までの経緯・背景地球環境問題に関心を持ち、大学で農業や環境について学ぶ中で、地

球環境に過度に負荷をかけない農法を実践したいと、非農家から農業を志し、地元に戻り有機栽培農家等での研修・雇用就農で技術を習得した。

震災の影響で地元での就農をあきらめ、「新・農業人フェア」で紹介された三重県での研修先で研修をしていたところ、研修先の近くで農地が見つかり、平成25年に就農した。

経営発展のポイント

三重県名張市

・ハウスの環境制御技術の導入・常時雇用者の導入・販売金額目標は約750万円

・研修生を受け入れて後継者育成にも取り組み、環境問題も見据えて有機農業をもっと広げていきたい。

・環境制御などの新しい技術を取り入れながら、収量と売上の向上を目指したい。

(営農類型:有機農業・野菜)(中山間)

今後の取組

・担い手確保・経営強化支援事業を活用し、ハウスを増設予定

・販売金額目標は約650万円

ハウストマト 5aパプリカ 3a軟弱野菜 50→66aレタス 5a

ハウストマト 5aパプリカ 3a軟弱野菜 66aレタス 5a

経営初期(1年目) 2~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~9年目)

ハウストマト 5aパプリカ 5a軟弱野菜 82a

・平成25年に経営開始・就農支援資金、経営体育成支援

事業等を活用して、施設・機械を整備

・研修先の近くで就農し、同じ販売グループで出荷することによって、技術的な相談もでき、1年目からほぼ計画に近い生産・販売ができた。

・就農支援資金や補助金を活用して、施設・機械を整備してきた。・有機栽培のため、パプリカの栽培当初は、害虫被害に悩んだが、天敵

昆虫を利用することによって、解決することができた。・畑の除草管理をきっちりとすることにより、地元からの信頼を得て、

畑を借りないかという申し出を受け、規模拡大している。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・農業次世代人材投資資金は、運転資金に活用。

・就農支援資金は、農業用施設・機械等の整備に活用。

くじらおか めぐみ

なばりし

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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川畑 富寿 さん (34歳)

経営の推移と今後

青ネギ 100a

・ほ場特性と季節に合わせた栽培、新品種導入、湿害対策等を実施

・安定的な生産と高単価期の的確な出荷に成功

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

三重県伊勢市

・部会全体の課題である湿害対策、連作障害対策等に率先して取り組む

・若手生産者にアドバイスを行う

(営農類型:露地野菜(青ネギ))(平地)

今後の取組

・農地集積による作業効率向上・湿害対策、連作障害対策等に

よる単収及び秀品率の向上・売上目標は1,200万円

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6~7年目) 今後の目標(8~10年目)

・平成24年に経営開始・安定的な周年出荷できず・月1回の振り返りと先輩

農家からの情報収集で技術向上

・農業次世代人材投資資金は経営初期の運転資金に活用・無利子融資で機材等を取得(予冷庫、トラクター、移植機等)

・経営1年目は台風被害等により作業が計画通りに進まず安定的な生産・出荷ができず廃棄も多く出た。

・月1回程度、JAと普及センターと行う「経営・技術検討会」による振り返りや、自ら先輩農家にアドバイスを求めたこと、反省点を次期作に確実に活かしたことにより栽培計画作成力、技術力が大きく向上。

・ほ場特性を把握し、新品種の導入や湿害対策等を行うことにより安定的な生産及び高単価期に合わせた的確な出荷に成功。

・JA伊勢青ねぎ部会の課題(湿害対策、連作障害対策)に率先して取り組む。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例・兼業農家出身で、会社員を経て三重県内の農業生産法人に就職。・農業生産法人では、水稲栽培の全ての工程作業及び青ネギの栽培からJA

出荷までの工程作業にそれぞれ2年間従事、その後自宅のある伊勢市で青ネギで平成24年に新規就農。農地は知人の紹介による借入、自己所有の水田。

青ネギ 100a→110a 青ネギ 110a→150a 青ネギ 150a

・農地集積により作業効率向上を目指す。・湿害対策、連作障害対策により単収及び秀品率の向上を

目指す。・売上目標は1,200万円

いせし

かわはた とみひさ

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

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朽木 洋輔さん(37歳)・麻衣子さん(33歳)

経営の推移と今後

キュウリ 10a(ハウス1棟)

・当初計画を1年前倒しして規模拡大

・規模拡大に伴う収穫量の増加にはパート雇用により対応

・農業所得は約57万円

新規就農までの経緯・背景建築関係の仕事をしていたが仕事を辞め、ハローワークを訪問して

市内のキュウリ農家での研修を紹介された。研修先での経験により、農業の魅力・やりがいを肌で感じて独立・自営就農を希望し、研修先や農業委員会等の協力のもと、自宅近隣で農地を取得して平成25年に就農した。

経営発展のポイント

三重県津市

・販路を新たに開拓し、産直市での直売やインターネット販売にも着手

・農業所得は約250万円

栽培面積を10a拡大するとともに、CO2施用機や循環扇などの設備投資を行いたい。

小学校入学前の幼児が2人いるので、安心して生活できる所得を確保したい。

(営農類型:野菜)(平地)

今後の取組

・順調に経営拡大しており、認定農業者を目指している

・従業員が確保できれば、さらに面積を拡大したい

キュウリ 17a(ハウス2棟)

キュウリ 17a(ハウス2棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(10年目)

キュウリ 27a(ハウス3棟)

・平成25年に夫婦で経営開始・就農支援資金を利用して

ビニルハウスを建設・農業所得は約98万円の赤字

就農支援資金はビニルハウス建設費用等として活用。農業次世代人材投資資金は

生活費補てんと不慮の事態に備えて確保

・みえの就農サポートリーダー(先進農家)から3年かけて習得した栽培技術(抑制栽培と半促成栽培の組み合わせによる年2作技術)等により、経営開始初年度から10a当たり25tを収穫し、ハウス増設の計画を1年前倒しするほど順調に経営を発展させた。

・経営開始当初から環境に配慮した栽培に取り組み、「みえの安心食材」認証制度を活用して、直売所出荷時の高付加価値化を図っている。

農業次世代人材投資資金、無利子融資の活用例

くつき ようすけ まいこ

つし

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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おかだ よしひろ

岡田 芳洋 さん (28歳)

経営の推移と今後

イチゴ 12a(ハウス 4棟)花き 3a(ハウス 1棟)水稲 1ha

・ウェブを開設・ネット販売を開始

新規就農までの経緯・背景

非農家の出身だが、小さい頃から母方の祖父の農業をする姿を見て育った。自分も農業に取組みたいと思い農業大学校に進学。卒業後、実践研修を経て平成25年に就農。

経営発展のポイント

きょうたんごし

京都府 京丹後市

・中古ハウスを導入・農業所得:約230万円

・お客様に快適にイチゴ狩りを楽しんでいただけるよう、

適正な規模拡大を図りたい。

・施設の有効利用を図るため、跡作栽培に取組みたい。

(営農類型:野菜)

今後の取組

・販路開拓・農業所得目標:550万円

イチゴ 15a(ハウス 5棟)水稲 1ha

イチゴ 18a(ハウス 6棟)水稲 1ha

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

イチゴ 24a(ハウス 8棟)水稲 1ha

・平成25年に経営開始・初年度の農業所得は無かった。

・就農時はイチゴ、花き、水稲の複合経営に取組んだ。・イチゴ狩りの集客が順調で、花き栽培には労働力等を配分できなく

なったため、花き栽培は縮小し、イチゴのハウスを増設した。・顧客との双方向の情報交流を図るためにウェブを開設した。・ウェブ開設を契機にネット販売も行っている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・施設の修理・改善・中古ハウス導入・イチゴベンチ一式購入・販促活動など

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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小島 晋 さん (39歳)

経営の推移と今後

夏秋トマト 21a(ハウス10棟)

新規就農までの経緯・背景

県外で他の仕事に就いていたが、先進的なトマト経営に触れる機会があり、農業への強い憧れを持つようになった。地元の農業者の方の勧めもあり、地域で産地化されているトマトに決定。市が主催する農業スクール等で技術を学び、実家の遊休農地を活用して平成26年に経営を開始した。

経営発展のポイント

岡山県高梁市

・品種や機械の改善に取り組む・収量が改善、10tを超える・売上600万円に近づく

・安心安全でおいしいトマトを安定供給する。

・秋季の収量をあげ、10aあたり11t以上をキープ。

・さらに10a規模拡大を図る。

(営農類型:野菜)(中山間)

今後の取組

・安定して反収11t以上の収量を確保

・売上目標1,000万円・認定農業者(経営5年目)

夏秋トマト 21a(ハウス10棟)

経営初期(1~2年目) 現在まで(3~4年目) 今後の目標(5~10年目)

写真

・平成26年に経営開始・県補助事業によりハウス導入・初年度の反収10t、売上490万円・2年目は大幅減収に

・防除ロボットの導入や施設の改良に投資。

・資金の交付で安心して実行できた。

・雨よけハウス21aで夏秋トマト(養液土耕)の経営を開始。近隣農家のサポートを受け、1年目から10aあたり10tを収穫。

・2年目に大幅な減収となり、技術改善の必要に迫られた。・地域の指導者の助言を得て、土質に合わせた品種の選択、性能を重視

した防除機の導入等、改善を重ねた。・4年目には10aあたり11tを超え、部会でも上位に入る生産者に成

長。

農業次世代人材投資資金

の活用例

夏秋トマト 30a(ハウス15棟)

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

お じま すすむ

たかはしし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 28: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

山下 晋平 さん (25歳)

経営の推移と今後

実家が水田農業を営んでおり、幼い頃から手伝いで農業と関わってきた。高校卒業後は県農業大学校へ進学し、主に水田農業を学んでいたが、近

隣にトマト農家が多く、手伝いに行く中で、トマト生産に魅力を感じるようになった。農業大学校の卒業時期にタイミングよくハウスの空きが見つかったため、ハウスを借り受けて平成25年に就農。

新規就農までの経緯・背景

・JAの生産部会に所属し、栽培技術の向上のため、研修会等へ積極的に参加している。また先輩、同年代問わず、情報交換、意見交換を積極的に行い、ハウス内生育状況を確認し合う等、切磋琢磨できる環境作りを心がけている。

・4Hクラブや地元消防団に所属し、農業以外でのつながり作りも積極的に行うことで、何でも相談しあえる仲間づくりをしている。

・経営5年目のハウス新築の際には、国庫補助事業(産地パワーアップ事業)並びに農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)を活用。

経営発展のポイント

福岡県うきは市

・毎年安定した収量を確保するために、栽培技術を向上させ、先輩、同年代の生産者に負けない経営を目指す。

・年間を通じた雇用を確保することで、適期作業の徹底、防除の徹底等、品質向上に向けた取組を実施する。

(営農類型:施設野菜)(平地)

今後の取組

・種苗代や肥料代等の運転資金

・ハウス設備の修繕費

農業次世代人材投資資金

の活用例

トマト 17a(ハウス施設 RW栽培)・平成25年6月就農・栽培用ベッドや内張カーテ

ン資材等の手直しで初期投資がかなり必要であった。

・2年目の農業所得は250万超※RW=ロックウール

トマト 17a(ハウス施設 RW栽培)

・病気の発生等で収量が伸び悩む。

・4年目には認定農業者となり、国庫補助事業を活用しハウスを新築。

・農業所得は200~300万。

トマト 35a(ハウス施設 RW栽培)

・新築したハウスにて栽培を開始。

・面積増による作業の遅れが出ないように雇用を確保した。

・今年度収量は部会上位となる見込み。

トマト 35a(ハウス施設 RW栽培)

・収量の向上により、部会でも上位の収量を確保を目指す。(30t/10a)

・目標販売額3,500万・目標所得 1,000万

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

やました しんぺい

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 29: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

25年度採択(果樹)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例も含まれています。

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たかはし ゆきひろ

経営の推移と今後

露地ブドウ 25a

・雨よけ設備を整備して、病害を軽減し、収量確保。

・庭先販売に加え、地元の直売所でも販売を開始。

・「欧州系品種」栽培を拡大。

新規就農までの経緯・背景

工業系の大学を卒業し、建設業に就職したものの、祖父が栽培していたブドウへのあこがれがあったことから、会社を退職して、県立農業大学校で2年間技術を習得し、更に、自宅近くのブドウ園で2年間研修。その後、研修先近くで、栽培をやめるブドウ園が見つかり、日立市で独立し平成23年に就農。

経営発展のポイント

ひたちし

茨城県日立市

・新たにブドウ園を借受け、、面積拡大。

・雨よけ設備を全ほ場で整備完了。

5年後には、年間農業所得1,000万円を超えるよう、高単価が狙える「欧州系品種」の面積を拡大し、生産量を増やすと共に、直売所を充実して、販売額を増やしていく。

また、ブランド化に取り組み、有利販売につなげていきたい。

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・経営開始後に定植した「欧州系品種」が成木化。収量増加。

・面積拡大や直売施設の充実等を行い、農業所得1,000万円を目指す。

露地ブドウ 15a施設(雨よけ)ブドウ 15a

施設(雨よけ)ブドウ 45a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(7年目) 今後の目標(12年目)

施設(雨よけ)ブドウ 60a

・平成23年に経営開始。・病害の発生により低収量。・品種は全て「巨峰」だったが、

一部を伐採し、高収益が見込める「欧州系品種」の苗木を定植。

病害軽減のため、雨よけ設備の整備が急務であった中、農業次世代人材投資資金は非常に役立った。

・栽培を引き継いだブドウ園は、露地栽培だったため、病害(晩腐病)の発生に悩まされたが、県の普及員や近隣の先輩農業者からの助言により、雨よけ設備を補助事業等を活用して徐々に整備した結果、病害が減り、収量が安定した。

・県の共励会にも積極的に参加し、技術を磨いた。その結果、粒ぞろいや粒張りがよい、形と色の良い、高品質・高単価の房が生産できるようになった。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

高橋 幸大 さん (42歳)

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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角田 佑介 さん (35歳)

経営の推移と今後

モ モ 20aブドウ 16a

・妻が専従者となる。・中古のリフトを購入し

機械を全て揃える。・農業所得2年目約180万円。

新規就農までの経緯・背景

非農家出身。正社員として民間企業に勤めていたが、農業という仕事に将来性を感じ、農業法人で2年間研修後、地元甲州市の市単事業で1年間研修し、平成26年、同市で農地を確保して就農。

経営発展のポイント

山梨県甲州市

・ブドウの病害が多発した年だったが、適期防除により収量確保。単価良好。

・農業所得は約240万円。

・雇用による労働力確保や、省力化技術の導入などにより、規模拡大を図っていく。

・子育てと両立しながら経営発展を図っていく。

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・雇用による労働力確保や、省力化技術の導入などにより、規模拡大を図っていく。

・農業所得目標は250万円以上。

モ モ 50aブドウ 32a

モ モ 50aブドウ 32a

経営初期(1年目) 2~3年目 現在(4年目) 今後の目標(5~7年目)

モ モ 50aブドウ 42a

・平成26年に経営開始。・妻の農外収入と合わせ

て生計を立てる。・農業所得は約183万円。

中古農業機械の購入等

・果樹専業とし、モモとブドウの農地を確保して徐々に面積を拡大。・近隣農家の紹介で成園を取得し、1年目から収量を確保。・収穫ロスを低減させるため、ブドウ病害虫の適期防除、モモの適期収

穫に努めている。・JA出荷により販売先を確保。・妻が専従者となるとともに、両親の手伝いも随時得ることにより、負

担の大きい雇用費を抑制。

農業次世代人材投資資金

の活用例

こうしゅうし

つのだ ゆうすけ

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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経営の推移と今後

桃 1.2ha

新規就農までの経緯・背景

実家は農家であるが、大学卒業後2年間民間企業に勤めていた。しかし、農業の方が所得が高いことを知り、また農業の楽しさや魅力も両親から伝え聞いていたこともあって、平成23年からは親元で2年間研修、平成25年に経営継承して就農した。

経営発展のポイント

現在委託してジュース加工を試作中だが、5年後には、加工施設の建設による6次産業化にも取り組みたい。

3haまで規模拡大し、農業所得1,300万円を目指したい

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・加工施設建設により6次産業化に取り組み、事業の多角化

・果樹園確保により面積拡大

・農業所得目標は1,300万円

経営初期(1~2年目) 現在(6年目) 今後の目標(10年目)

・経営1年目に、収穫時期が集中して収穫作業が大変だったため、長期に分散して収穫できるように古い桃の樹を伐採し、新たに早生品種や晩生品種の苗木を購入した。その結果、収穫作業が分散され労働改善に繋がったこと、廃棄する桃が減って長期的に収入が確保でき所得率が向上したため、経営が安定した。

・2年目以降は、生産性の低い桃の樹を伐採して整理し、樹の仕立て方を工夫することで仕事が効率的に出来るようになった。

・3年目に農業次世代人材投資資金でスピードスプレーヤを導入し、リース代が軽減した。

農業次世代人材投資資金

の活用例

岐阜県高山市

前坂 治臣 さん(30歳)

苗木を積極的に購入でき、収入の無い時期にも生活できた。

3~5年目

桃 1.4ha 桃 3ha桃 1.6ha

・委託加工により桃ジュースを試作

・農業所得目標は700万円

・販売先を市内の飲食店や直売所にも拡大

・農業次世代人材投資資金により、自社専用の出荷箱を作成、機械類も充実させた

・農業所得は約630万円

・平成25年に経営継承により経営開始

・生産性の低い古い樹を伐採して、早生品種・晩生品種を導入した

・農業所得は約390万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

まえさか はるおみ

たかやまし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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尾畑 保行 さん (37歳)

経営の推移と今後

柑橘 196a

・倉庫の導入により作業効率が向上

・マルチ栽培を行うようになり、果実品質向上

・農業所得約200万円

新規就農までの経緯・背景

両親の柑橘経営が厳しくいずれ手伝いたいと思っていた頃、東日本大震災を機に帰郷。当初は両親の作ったものを売る手伝いをしようと考えていたが、水害を経験し「売るものがないと意味がない」と考え、両親からの独立を決心。法人で1年間研修を行い、平成25年6月に就農した。

経営発展のポイント

三重県御浜町

・就農1年目で植えた不知火を収穫し収量増加

・選果機の更新により、選果効率向上

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・新品種の導入・地域で味が一番の味3号を作

る・目標農業所得400万円

柑橘 196a 柑橘 181a

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(6~8年目)

柑橘 181a

・平成25年に経営開始・年間を通じた作業の流

れを理解・農業所得約100万円

・就農1年目は資金と時間がなく、品質の良いものを作れなかった。その年の父親の作った農産物と比べて品質に大きな差があり、マルチ栽培を決意。2年目以降、果実の品質が向上した。

・3年目以降は農村青少年クラブに参加し普及指導員から指導を受け、栽培技術が向上し経営が安定した。

・農村青少年クラブを通じて知り合った柑橘農家と積極的に情報交換を行い、技術の研鑽に努めた。

農業次世代人材育成投資資金の活用例

・共選出荷に向けて、自分が納得できるものをつくりたい。そのために栽培技術を向上させる。

・収穫、剪定などの作業を効率よく行い、高い収益を上げる。

・点滴潅水、マルチ栽培のための設備投資

・生活資金・畑や倉庫などの賃貸料

おばた やすゆき

みはまちょう

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 34: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

甲斐 直樹 さん (31歳)

経営の推移と今後

柑橘類 65a(ハウス20a)

・ハウスグリーンレモンを導入し所得向上に成功

・農業所得は約180万円

新規就農までの経緯・背景

千葉県非農家出身で様々な場所で農業研修を受け、最終的に「広島県果樹農業振興対策センター宮盛農園」の研修1年を経て、安芸津町で就農。市・JA・芸南果樹研究同志会など関係機関の協力もあり、地元先進農家ほ場を譲り受け、円滑に就農できた。(平成25年経営開始)

経営発展のポイント

広島県東広島市

・デコポン新品種「安芸の輝」の早期出荷による有利販売に着手

・農業所得は約250万円

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・収益性の高いレモン栽培を重点化

・農業所得目標は500万円

柑橘類 75a(ハウス30a)馬鈴しょ 10a

柑橘類 75a(ハウス30a)馬鈴しょ 20a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

柑橘類 110a(ハウス40a)馬鈴しょ 40a

・平成25年に経営開始・病害虫の発生により、

初年度の農業所得は約30万円

〇準備型

研修に係る小農具,交通費等に充当〇経営開始型

経営開始1年目の病害虫被害による減収をカバー

・柑橘栽培とブランド馬鈴しょの栽培、ハウスレモン栽培を柱としてJA販路により安定生産を目指す。

・農地は、地元先進農家ほ場を譲り受けたため、果樹苗の購入・育成やハウス建設費用などの初期投資の負担がなかった。

・労力は、援農ボランティア制度を利用した(そこで妻と出会う)・技術面は、広島果実連駐在技術員や認定農業者から指導を受けた。・果樹経営安定対策事業(改植支援事業)を活用してデコポンへ改植し

た。

・周辺の空き園地を借り受けて、レモンへの改植による規模拡大を進める。・新規就農希望者の受け皿(研修場、雇用)を目指す。・県やJAなど関係機関と連携して、レモン栽培を柱とし

て安定生産、拡大を図る。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

か い なお き

ひがしひろしまし

農業次世代人材投資資金、の活用例

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 35: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

吉川 洋充さん・知甫さん (30歳)

経営の推移と今後

ショウガ 8a直販向け野菜 13a

・中古ハウスを借りて、経営の柱をハウスミカンとする。

・平成27年に妻が就農・農業所得はハウスミカン約

150万円、ショウガ約50万円

新規就農までの経緯・背景

夫の実家がミカン農家。夫は他の仕事に就いていたが、親の仕事を手伝っていて、農業の方が自分に向いていると感じた。平成25年2月に親とは別に経営を開始した。妻は祖父母が農業をしていて、以前から農業に興味があり、結婚を機に妻も就農した。

経営発展のポイント

高知県香南市

2年後には、ハウスミカンの規模拡大・栽培技術向上を図り、600万円以上の所得を目指す。

・栽培技術が向上し、所得

も安定してきた。・農業所得はハウスミカン

約330万円、ショウガ約70万円

(営農類型:果樹)(平地)

今後の取組

・炭酸ガス施用装置を導入し、規模拡大。さらに所得増を目指す。

・農業所得はハウスミカン約500万円、ショウガ約100万円

ハウスミカン 20aショウガ 8a

ハウスミカン 20aショウガ 8a

経営初期(1年目) 2~3年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

ハウスミカン 30aショウガ 8a

・平成25年に経営開始・就農当初は夫のみ

農業次世代人材投資資金(経営開始型)を経費に活用。経営開始初期の経営が不安定な時期に一定の収入があるのは安心できた。

・経営1年目は、夫がショウガ8a、直販所向けの野菜など13aを栽培。・経営2年目には、施設を借り、ハウスミカンの栽培を始める。・経営3年目からは、妻も就農し、労力的に余裕ができる。ハウスミカ

ンの出荷も始まる。・経営4年目からは、さらに増収を目指し、炭酸ガス施用を検討。積極

的にJA部会の現地検討会や地域での研究会へ参加、先輩農家の教えを乞い、施用技術の研究を重ねた。

・経営6年目に補助事業を活用し、炭酸ガス施用装置を導入した。

農業次世代人材投資資金の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

よし かわ ひろ みつ ち ほ

こうなんし

・認定農業者(経営2年目)

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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福島 敬之さん(45歳)・そよ子さん(36歳)

経営の推移と今後

パインアップル 214a

・農業機械は順次導入し、農地の規模を拡大。

・3年目農業所得は約234万円・4年目農業所得は約559万円

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

沖縄県東村

・農業振興公社を通じてスーパーL資金を活用し、農地を購入し、規模を拡大。土地購入と土地改良で経費増。

・農業所得は0万円

(営農類型:果樹)(中山間)

今後の取組

・肥培管理をしっかり行い、面積を縮小しても売上げは変わらないように維持する。・農業所得の目標は700万円

パインアップル447a パインアップル647a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

パインアップル400a

・平成25年に妻と共同で経営を開始。

・初年度は、義父のパインアップルを収穫し、所得としていた。

・農業所得は約6万円

・義父が指導農業士のため、指導を受けながら義父に近づけるよう、また経営発展のため技術習得に努め、3年目には所得向上した。

・沖縄県の新規就農講座での研修を受け、機械の操作の方法や栽培方法などの全ての研修に参加し、農業に対する基礎から勉強。

・経営の基本を達成するために、逆算し栽培面積を確定していき、後々規模拡大するような目標を立てて栽培をしている。

農業次世代人材投資資金

の活用例実家は農家ではなかったが、義父が送ってくれたパインアップルを食べた時、そのおいしさに感動した。そこから農業に興味を持ち、義父から農業をしないかと何度か誘われ、妻の実家の沖縄に帰り、平成25年に夫婦で農業をすることになった。

新規で農業をやりたいという人の受け入れ先が少ないため、指導農業士の認定を取り、積極的に新規就農者の研修先となって、農業で生計を立てられるよう指導すると共に、新規就農者の助けになりたい。

地域でブランド化に取組むパインアップルの新品種「ゴールドバレル」の産地直送の販路を拡大することで、売上増を目指す。

生活費や農業資材の購入に資金を活用

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

たかゆき

ひがしそん平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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【愛媛県】営農類型:中山間・果樹(うんしゅうみかん、中晩柑)

「みかん人生まっしぐら」

松山 寛(34 歳)新規参入 非農家

愛媛県八幡浜市

1 就農の動機・理由

〔新規就農までの経緯・背景〕

県外出身で高校の時に以前から関心を抱

いていた農業、中でもみかんづくりの道へ

進もうと決意。愛媛県立農業大学校で同世

代の後継者達に刺激を受け、就農した農業

生産法人で経験を積ませてもらい、独立へ

の自信を付けた。妻の実家の園地を基盤に

就農に至った。

2 農業経営の概要〔経営の推移と今後〕

〇経営の展開

経営初期

1~2年目

(平成 25 年)

現在の経営

5 年目

(平成 30 年)

今後の目標

6~8年目

労働力

男1人(本人)

女1人(妻)

男1人(本人)

女1人(妻)

男1人(本人)

女1人(妻)

経営耕地

水田 a

畑 a

樹園地 140a

計 140a

水田 a

畑 a

樹園地 240a

計 240a

水田 a

畑 a

樹園地 240a

計 240a

経営内容

温州みかん

140a

〔3~4 年目〕 樹園地 205a (温州みかん

200a 紅まどんな 導入 5a)

温州みかん

230a

紅まどんな

10a

温州みかん

230a

紅まどんな

10a

収量・収益性の安定を目指す

〇農業用施設

倉庫(賃借)

〇主要農業機械

トラック(1.5t)

動噴

選果機

3 あしあと

(1) 就農までの主な経歴

出身地 千葉県

職歴 農業生産法人㈱ニュウズ

就農年月日 平成 25 年 4月

(2) 就農後の経営の展開過程

作目 柑橘(温州みかん)

品種等の変化

主に宮川早生・南柑 20 号。主力は

温州みかんだが、園地条件を見極め優

良な晩柑類への改植を徐々に進めてい

った。

生産方式

露地慣行栽培

農協出荷

4 就農時の取り組み

(1) 就農地の確保

妻の実家の園地 60aを基盤に地元

で規模を拡大していく。

Page 38: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

【愛媛県】営農類型:中山間・果樹(うんしゅうみかん、中晩柑)

(2)資金の確保〔農業次世代人材投資資 金、青年等就農資金の活用例〕: 青年就農給付金(現:農業次世代人材 投資資金)を活用。規模拡大に伴う改 植時に助かった。

(3)住宅の確保:借家

(4)その他

・妻と共同で農業経営を開始。 ・真穴ブランド産地の段畑でのスプリ ンクラー営農を実施。

5 農業経営の特徴(就農当初)

140aの温州みかん園地を耕作している

が、所有地は無く全て借地の状態。また、

小規模の園地が散在しており、生産性も低

い。

老木園も多いため改植を進めている段

階の為、面積の割には収量も少ないが、今

まで培ってきた自分の力を発揮していけば

大きな成長につながると確信している。

〔経営発展のポイント〕

園地基盤が少なかったので、園地の確

保に努めるとともに、園地条件を見極めな

がら優良な柑橘類への改植を進めた。

農業大学校卒業後、農業法人で生産か

ら販売出荷までの一連を経験していたため、

就農後の経営に関して自分の考え方や視野

を広くすることにつながっている。

6 今後の経営の目標

経営開始 5 年間は改植・園地整備、5~

10 年間で設備の充実、10~15 年間で収

量・収益性共に安定を目指す。

今後、山採りで 100 トン採れるように頑

張っていきたい。

7 成功したキーポイント

自分の人生の節目にはかならず後押し

してくれる人や新しい出会いがあり、周り

の人の力が自分の一歩になった。

そして、農業を新たに始めるにはブレ

ない気持ち、目的と目標を見失わない事が

大切。

剪定作業風景

執筆機関 愛媛県南予地方局産業経済部 八幡浜支局地域農業育成室 電話番号直 0894-23-0163

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25年度採択(畜産)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例も含まれています。

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髙長根 博樹 さん (46歳)

経営の推移と今後

繁殖牛 親牛 4頭

・親牛を増頭し規模拡大・ラッピング機を購入し

良質飼料の確保を図る・農業所得200万円超

新規就農までの経緯・背景

就農前は建築関係に従事し、いずれは、実家の繁殖肉牛等の経営を引き継ぐつもりだったが、親が高齢になってきたことや、農業次世代人材投資資金による支援があったため、予定を早めて平成25年に就農を決意。

経営発展のポイント

青森県新郷村

・葉たばこ移譲を受ける・農業所得600万円超

現在の経営規模を維持しつつ、建設業の経験を生かして自ら牛舎を改築し、機械作業を可能にするなどの作業性の改善に取り組む。

(営農類型:畜産)

今後の取組

・古い牛舎を改築し作業性の改善を図る

・繁殖管理に注力し、分娩間隔の短縮を図る

繁殖牛 親牛 6~7頭

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

・平成25年に経営開始・初年度の農業所得は

-15万円

・経営開始から少しずつ親牛を増やし、経営規模を拡大。・子牛の安定生産を図るため、繁殖管理に力を入れており、平均分娩間

隔は386日と短い。・受胎牛を公共牧場へ放牧し、労力軽減や飼料費節減を図っている。・5年目には、葉たばこの移譲を受け、経営安定化、所得向上が図られ

た。・就農時期を早め、親が元気なうちに一緒に作業することで、細かいノ

ウハウなどの技術の継承ができた。・地域の若手畜産農家とも積極的に交流し情報収集に努めている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

繁殖牛 親牛 7頭葉たばこ 97a等

繁殖牛 親牛 7頭葉たばこ 70a等

運転資金として活用

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

たかながね ひろき

しんごうむら平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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北村 正明 さん (40歳)

経営の推移と今後

ブロイラー出荷頭数15万羽/年

・技術研修に積極的に参加し、スキルアップ

・農業所得は約290万円

新規就農までの経緯・背景幼少期より家業の養鶏業を手伝う中でブロイラー経営に興味を持つ。

平成25年に両親の経営を引き継ぎ就農した。

経営発展のポイント

山口県長門市

・平成27年青年部を設立し仲間づくりや人づくりを積極的に実施

・農業所得は約570万円

システム鶏舎を導入し、生産性の向上及びコスト縮減を図り、経営規模を拡大したい。

また、仲間づくりを進め、地域の養鶏業(農業)を盛り上げたい。

(営農類型:ブロイラー)(中山間)

今後の取組

・システム鶏舎の導入で更なる生産性向上を目指す

・農業所得の目標は1,000万円

経営初期(1年目) 2年目 現在(4年目) 今後の目標(5~8年目)

写真

・平成25年に経営開始・地元養鶏農業協同組合

から鶏舎をリース・初年度農業所得は約150万円

・重機購入費用・運転資金

・就農後は積極的に研修に参加し、省力管理の飼育技術を習得。・両親からの経営技術の伝承が、スムーズに出来たことで、出荷成績の良

いブロイラーを飼育出来ている。・定期的にブロイラー部会を開催し、仲間との交流や情報交換を積極的

に実施するなど、部会全体のレベルアップを図っている。・飼養衛生基準を順守し、定期的に検査を受けるなど、防疫面にも非常

に気を遣い、安心安全なブロイラーの提供に常に心がけている。・自身が中心となり、平成27年に地元養鶏組合のブロイラー部会に青年

部を設立。農業経営の傍ら、部会長として仲間づくりを積極的に行っている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

き た む ら ま さ あ き

ブロイラー出荷頭数18万羽/年

ブロイラー出荷頭数19万羽/年

ブロイラー出荷頭数20万羽/年

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ながとし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

Page 42: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

叶 太輔 さん (29歳)

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

実家は農家であり、小さい頃から農業に触れることが多く、牛飼いに興味を持っていた。高校卒業後は農業大学校に進学し畜産について学ぶ。平成23年から父の経営する生産牛経営を手伝いながら就農の準備を進め、平成25年に一部継承し、生産牛9頭で畜産経営を開始。

経営発展のポイント

鹿児島県大島郡与論町

450万円以上の所得目標を立て、近隣農地の取得や借入、機械の導入による規模拡大を図り、粗飼料自給率の向上とコスト低減、子牛の販売価格の向上を目指す。

(営農類型:肉用牛)(離島・平地)

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

作業機械の導入や牛舎の増築等、経営基盤の安定に役立った。青年等就農資金を活用し増頭を図った。

・経営開始2年目に補助事業を活用し、トラクターを導入したことで良質粗飼料の確保が可能となり粗飼料自給率が向上。

・資金を活用して生産牛の増頭を図り、規模拡大を達成。・生産コスト低減と所得向上に向けた新たな飼料作物品種の栽培を開始。・町役場、県及び農協を交えた経営相談で、現状の把握や今後の改善策

について指導を受けた。

農業次世代人材投資資金、

青年等就農資金の活用例

生産牛 18頭・農業所得は約90万円

生産牛 26頭・トラクターを活用し、

飼料畑拡大や粗飼料自給率向上を図る。

・自己資金で牛舎の増築を実施。

・農業所得は約360万円

生産牛 26頭・繁殖成績の向上により、

当初の予定よりも牛舎が不足しており、牛舎の増築を継続中。

生産牛 30頭・農地を取得し飼料畑の拡

大によるコスト低減を目指す。

・子牛価格の向上。・農業所得目標は450万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

かのう だいすけ

おおしまぐんよろんちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成25年度

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【愛媛県】営農類型:畜産・牛(酪農)

「地域を支える酪農」

永なが

市いち

明仁あきひと

(38 歳)

西条市三芳【Uターン】

1 就農の動機・理由

大阪で会社勤めをしていたが、地元

には農業後継者が少ないのでなんとか

して農地を守りたいという思いと、地

元で仕事をするなら農業をしたいとい

う思いがかねてからあり、両親の高齢

化に伴い、実家の農業を継ぐことを決

意した。

また、いとこの結婚式に出席した時、

両親が喜んでいたのを見て、親孝行を

するのは地元に帰るのが一番と思った。

2 就農までの足跡

(1) 就農までの主な経歴

H11 年 3 月 高校卒業

H14 年 3 月 専門学校卒業

H14~21 年 大阪にて勤務

H21 年 親の経営に従事

H26 年 就農

(2) 就農に向けて不安に思ったことと

その対策

会社員と違い、生活環境の違いに不

安を覚えたが、時間が解決してくれる

しかなかったので、慣れた。

3 就農時の取り組み

(1) 就農地の確保

親元就農のため、確保されていた。

(2) 農業機械・施設の確保

親元就農のため、当初から導入済。

牛舎は、一部増築した。

(3) 技術・経営能力等の習得

県畜産研究センターで家畜人工授精

の技術を習得し、外部委託していた人

工授精を本人が担当することになった。

(4) 資金の確保

青年就農給付金(経営開始型)を受

給しており、農業経営に必要な農業機

械、材料等の整備を進めている。

(5) 住宅の確保

実家で両親と同居

(6) その他

周桑農協青年部等に加入して交流を

深めるとともに、組織活動に積極的に

参加して農業者と情報交換を行い、自

らの経営に生かしている。

飼料品質を確認して給餌

4 農業経営の概況

○経営の展開過程

Page 44: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

【愛媛県】営農類型:畜産・牛(酪農)

酪農に従事し、愛媛県酪農業協同組合

連合会に全量出荷を行っている。

また、耕種農家と連携して飼料稲(WCS)

に取り組んでいる。

就農前の経営

(平成 21 年)

現在の経営

(平成 30 年)

将来の経営

(平成 33 年)

労働力

男 1人 (父)

女 1人 (母)

男 2人(本人)

(父)

女 1人(母)

男2人(本人)

(父)

女2人(母)

(妻)

経営耕地

水田 580 a

水田 577 a

水田 600 a

経産牛 35頭

育成牛 13頭

水稲 12 a

飼料稲 220a

飼料作物 551 a

経産牛 27頭

育成牛 13頭

水稲 12a

飼料稲 225 a

飼料作物 706 a

経産牛 40頭

育成牛 13頭

水稲 12a

飼料稲 300 a

飼料作物 800 a

○農業用施設

牛舎 1 棟 396 ㎡

農業用倉庫 1 棟 200 ㎡

○主要農業機械

パイプラインミルカー 5 台

バケット 1 台

自動給餌機 1 台

バルククーラー 1 台(1t)

バーンクリーナー 1 台

トラクター 各 1 台

(42・42・42・40・35・35ps)

田植え機 1台(5条植)

トラック 2台(2t、軽)

草刈り機 2 台

飼料稲用コンバイン 1 台

(三芳生産集団)

ラップマシーン 1 台

(三芳生産集団)

5 農業経営の特徴

雌雄判別技術を用いて優秀な乳牛

を人工授精して後継牛を確保し、飛

躍的に牛群改良が進んだ。

自動給餌機を使った分割給餌によ

り、栄養管理の改善と省力化を図って

いる。

地元の飼料生産集団と連携して自

給飼料を生産し、低コスト化を図って

いる。

6 今後の経営の目標と課題

自給粗飼料を増やして購入飼料費

を節減する。

飼料稲及び飼料作物の面積拡大を

行う。

7 就農を目指す方へのアドバイス

組織活動等には積極的に参加し、

同じ農業者と親睦を深め、情報交換

を行ってほしい。同じ農業者という

同志となるので協力をしながら日本

農業を支えていきましょう。

牛群の個体管理

執筆機関

県東予地方局産業振興課地域農業育成室

電話番号 0898-68-7322

Page 45: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

平成24年度採択(米麦等)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例です。

Page 46: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

三上 紘史 さん (27歳)

経営の推移と今後

水稲 170aミニトマト 10a

・規模拡大によって農業所得はおおむね計画どおりとなった。

・平成28年に水稲部門を法人化した。

新規就農までの経緯・背景

後継者不足の地域に貢献し、安全で安心な農産物を作りたいという思いがあり、農業高校を卒業後、平成23年に実家の経営を継承した。

経営発展のポイント

青森県青森市

・規模拡大を続け、水稲の所得は約560万円、野菜の所得は約120万円となった。

今後も、規模拡大に向けた取組を続けていく。

また、栽培技術の向上による増収やGAP等への取組も検討していく。

(営農類型:水稲、露地野菜)(平地)(法人)

今後の取組

・更なる経営規模拡大を目指す・栽培技術の向上による増収を

図るほか、GAP等の取得を検討していく。

水稲 2,686aミニトマト 10a

水稲 3,491aミニトマト 10a

経営初期(1~2年目) 3~7年目 現在(8年目) 今後の目標(9年目~)

水稲 3,840aミニトマト 18a

・平成23年に経営開始・初年度の農業所得は

約50万円

経営初期の生活費に充てたほか、設備投資にも活用

・水稲を経営の柱とし、ミニトマトの施設栽培に取り組んだ。・農業用機械について、経営初期は賃借していたが、農業次世代人材

投資資金を活用し、順次購入していった。・ハウスは2棟を賃借し、4棟を新規に購入することで、6棟体制で

ミニトマト栽培に取り組んだ。・漸増的に経営規模拡大を図り経営を発展させた。・農業次世代人材投資資金の交付終了後は、水稲部門を法人化し、

さらなる経営発展に取り組んだ。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

みかみ ひろし

あおもりし

・農業経営改善計画の認定状況:経営開始1年目に認定済み

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 47: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

佐藤 岳杜 さん(35歳)

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

秋田県大館市

すぐに所得が向上するとは思っていない。親の経営を移譲

することにより経営面積が大幅に増加するため、作業体系の見直し等を行い、効率化を図っていく。

今後は売上高や農地拡大の長期的な目標をたて、徐々に農地を借入れ、タイミングを計りながら設備投資を行い、安定した所得を得られるように努力していく。

(営農類型:水稲、露地野菜)(中山間)

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

就農当初は収入が少なく不安であったが、資金のおかげで思い切って農業に取り組むことができ、機械等の導入ができた。

農業次世代人材投資資金

の活用例一度は民間企業に勤めたものの、農家出身であり、子供の頃から収穫時の達成感や、新鮮な野菜を食べられることへの喜びを感じていた。平成24年に両親のもとで学びながら就農することを決意し、親の経営の一部を継承し農業経営を開始した。

・平成24年経営開始・収入が少なく、資金で生計・初年度の農業所得▲23万円

山の芋 30a枝豆 30a

山の芋 30a枝豆 80aアスパラガス 25a

・県の事業で枝豆播種機を導入し規模拡大。・大雪によりハウス2棟が倒壊・農業所得102万円

山の芋 30a枝豆 110a葉物野菜 25a

・枝豆の面積を拡大・冬期農業への挑戦・経営が安定してきている

・親から経営移譲し、規模拡大・農業所得の目標は600万円

水稲 1,000a山の芋 30a枝豆 110a葉物野菜 25a

さとう たけもり

おおだてし

・PDCAサイクルを心がけ営農している。まずは明確な目標を立て、目標達成に向けて計画を立て、実行、結果を評価・確認し、次年度に改善する。

・この流れを繰り返すことにより、年々経営が改善され、所得が向上している。

・「秋田のえだまめ日本一」に向け、枝豆の作付を拡大。冬期間は、育苗ハウスでほうれん草やアスパラ菜等の葉物栽培を行っている。

・地域の離農農家から農地を借入れ、年々面積を拡大している。

農業経営改善計画の認定状況:経営開始6年目に認定済み

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 48: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

三輪 忠士 さん (42歳) 農業生産法人PLUS(株)

経営の推移と今後

水稲 0.6ha米粉用水稲 1.7ha

・育苗ハウス、ライスセンター、米粉等加工施設を導入し規模拡大

・売上げは約1,300万円

新規就農までの経緯・背景実家は兼業農家であったが、土木系専門学校を卒業後、土木関係の会

社に勤務・独立。岐阜県が米粉加工を推進していたことから米粉に興味を持ち、平成22年に米粉商品の製造・販売を開始。平成24年に法人化するとともに、地域の水稲作の減少に危機感を覚え、自ら水稲栽培を開始して加工原料米を確保。

経営発展のポイント

岐阜県関市

・米粉製品のラインアップを委託加工を含め30種類に拡大し販路を開拓

・売上げは約3,400万円

野菜農家、JA、商工会等との連携により米粉製品のラインアップを増やすとともに、雇用体制を確立させ、新規就農者を受け入れて経営の強化を図る。

教育機関と連携し、若い人に6次産業化の魅力を伝えたい。夢は、世界中でPLUSのグルテンフリーライスパスタが認

知され、食されること。

(営農類型:土地利用型)(平地)

今後の取組

・地元地域を中心に栽培面積を拡大

・製品ラインアップを拡充・売上げ目標は6,000万円

水稲 3.4ha米粉用水稲 5.0ha作業受託 1.1ha

水稲 7.0ha米粉用水稲 2.5ha作業受託 1.1ha

経営初期(1年目) 4年目 現在(6年目) 今後の目標(8~10年目)

水稲 5ha米粉用水稲 11ha作業受託 1ha

・平成24年に経営開始・初年度の売上げは約500万円・農業次世代人材投資資金を機

械・設備の導入に活用

米粉加工用の機械・設備等に活用。商品開発が進んだ。

・ 6次化のセミナーを受講し、生産から加工・販売までの経営を目指すために農業に参入。

・経営初期は、所有する農業機械がなく、2年間は実家の機械をリース。その後、市の助言を得て、補助事業を活用して田植機、トラクターを導入。経営面積は、地元を中心に利用権設定により拡大。

・24年に6次産業化総合化事業計画の認定を受け、乾麺パスタの開発を開始。27年に新たな米粉等加工施設を建設し、パスタ等の新商品を製造。岐阜県代表品種の「ハツシモ」にこだわり、グルテンフリー商品として、クッキー、ラスクなどの委託加工品を含め品揃えを拡大。

農業次世代人材投資資金の活用例

みわ ただし

せきし

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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石川 卓哉 さん (34歳)

経営の推移と今後

水稲、露地野菜( 80a )

・米を直売し、完売・生産が安定し、収入が

増加・中古の農業機械が揃い、

労力を軽減・農業所得は約200万円

農業関係のNPO法人設立に関わった後、有機農業をしたくて就農を決

意。実家は農家であるが、親の経営とは別経営で、地域の耕作放棄地(主に水田)を取得し、平成21年4月に就農。

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

愛知県田原市

・1名雇用・6次産業化に向け、食品

加工施設を整備・野菜等の出荷施設を整備

・6次産業化を実現し、所得を確保するととも

に地域経済の活性化を図りたい。

・消費者向けに農家体験・民泊を実施したい。

・規模拡大を図り、経営を安定させたい。

(営農類型:水稲、野菜)(平地)

今後の取組

・6次産業化により、米加工品を商品化

・農作業体験や農家民泊を実施・農業所得の目標は800万円

水稲、露地野菜(3ha ) 水稲、露地野菜、施設野菜(5.5ha)

経営初期(1~2年目) 5年目 現在(10年目) 今後の目標(13~15年目)

水稲、露地野菜、施設野菜(10ha)・平成21年に就農

・1年目は、水稲の雑草、露地野菜の病害虫被害に苦慮。

・2年目は、様々な書物等で勉強し、被害を軽減

・農地の取得等

・名古屋市や豊橋市で開催されたオーガニック朝市に出荷したことで取引先、販売先を獲得。

・インターネットを活用し、農業機械を中古で導入するなど、イニシャルコストを低減。

・市から農地の情報を得て、農地を取得。・親から施設等を受け継いで、大玉トマト等の出荷を開始。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

いしかわ たくや

たはらし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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伊藤 祐太さん (34歳)

経営の推移と今後

水稲2.2ha,キャベツ0.5ha

・販売単価向上のため、ミルキークイーンの契約販売を始める

・HPの開設と通信販売の開始

新規就農までの経緯・背景

農業を取り巻く問題が大きいことに危機感を持ち、自分のような若さとパワーが必要ではないかと就農を決意した。そこで農業法人に5年間勤務して水稲・小麦・大豆・露地野菜の栽培技術を学んだ後、平成24年に実家の農業経営を継承した。

経営発展のポイント

三重県いなべ市

圃場の大面積化や新技術の導入により省力低コスト化を目指す。新技術としては水稲の直播栽培に取り組んでみたい。また、一層の麦・大豆の品質・収量向上に努め収益の拡大に努めたい。

・飼料米とそばの作付開始・大豆・麦の単収向上に力

を入れる・所得が500万円を超える

(営農類型:土地利用型作物)(中山間)

今後の取組

・なお一層の規模拡大、単収向上を目指す

・新技術の導入により、省力低コスト化を目指す

水稲9ha,小麦5ha,大豆3ha,キャベツ1ha

水稲15ha,小麦7ha,そば2.5ha,大豆7ha,キャベツ0.3ha

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~9年目)

水稲20 ha,小麦15 ha,大豆15ha,そば3.5 ha

・平成24年に経営開始・経営開始当初運転資金に

不安があったが、農業次世代人材投資資金等で乗り切ることができた

・農業次世代人材投資は、運転資金等に活用

・青年等就農資金でコンバイン、トラクターを導入し規模拡大につなげた。

・水稲、小麦、大豆を中心とし一部露地野菜(キャベツ)をとりいれた経営で、年々規模を拡大している。

・青年等就農資金の利用により大型機械を導入した結果、順調な規模拡大が可能となった。

・丁寧適切な栽培管理ができているため、地域からの信頼も厚く、経営面積の拡大が順調である。

・さまざまな技術に工夫を加え、麦・大豆の単収向上に努めている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

いとう ゆうた

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。 青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成30年度更新

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野瀬 智彦 さん (27歳)

経営の推移と今後

水稲+麦+大豆13haを親から継承し、経営開始。

・規模拡大し、所得向上を図る。

新規就農までの経緯・背景

祖父が認定農業者であったことから農業に興味を持ち、平成20年から祖父の下で農業見習いを始め、平成22年には本格的に農業経営に従事し、就農。その後、祖父が高齢となってきたため、平成24年に経営を引き継いだ。

経営発展のポイント

ひこねし

滋賀県彦根市

水稲は、滋賀県が実施している環境こだわり農産物の認証を100%受け、良食味と収量の安定を目指す。

近隣集落でも集積を進め、さらなる規模拡大を行い、所得、収益の向上を図る。

(営農類型:水稲、麦、大豆)(平地)

今後の取組

・さらなる規模拡大と雇用の導入、新技術の検証や省力化により、安定した経営を行う。

水稲+麦+大豆14haに規模拡大。

経営初期(1年目) 経営2~5年目 現在(7年目) 今後の目標(10年目)

・平成24年経営開始

農業経営開始と同時に経営開始型農業次世代人材投資資金を老朽化した設備の入れ替え等に活用し、経営安定・定着に結び付いた。

・経営1年目から認定農業者となり、親から継承した基盤を有効活用しつつ、集落内の農地の集積を進め、農地拡大をしてきた。

・ほ場条件の悪い農地も丁寧な作業により、収量および品質の向上に努めてきた。

・計画の達成にむけて、市役所や地域の普及センターによる経営や技術へのアドバイスを受け、安定的な営農に繋がった。

農業次世代人材投資資金の活用例

水稲+麦+大豆14ha

・拡大した面積を維持し、経営安定を実現している。

水稲+麦+大豆 18ha

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

のせ ともひこ

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 52: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

上手 隆司 さん (34歳)

経営の推移と今後

水稲 162a大豆

・農地集積により規模拡大・農業所得は約140万円・認定農業者(平成23年11月)

新規就農までの経緯・背景地域農業の担い手不足が深刻化する中、出身地である長門市に平成21

年にUターン就農(親元就農)。就農後は、経営規模を徐々に拡大しながら地域農業の振興及び集落機

能の維持に尽力し、地域住民からの信頼も非常に厚い。

経営発展のポイント

山口県長門市

・農業法人を設立・農業経営を複合化・農業所得は約200万円

高齢化、後継者不足による農地の荒廃を防ぐため、耕作放棄地対策に尽力したい。

安心安全な食料を消費者に届け、食料自給率の向上に繋げたい。

(営農類型:水稲・露地野菜)(中山間)

今後の取組

・農地中間管理機構を利用し、計画的な規模拡大をめざす

・農業所得の目標は500万円

水稲 483a大豆

水稲 1,000a大豆野菜 10a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(7~8年目) 今後の目標(9~10年目)

大豆 620a飼料用米 420小麦 300aはだか麦 100

写真

・平成21年に経営開始・初年度農業所得は約10万円

・機械設備導入費用・資材購入費用・運転資金

・農地中間管理機構を利用して、計画的に農地を集積し、規模を拡大。・経営規模の拡大に合わせて乾燥施設を増設し、フレコン出荷を取り入れ

るなどにより、労働の省力化に成功。・浅層暗渠の施工、耕畜連携による堆肥投入等を行い、大豆や野菜を

経営に取り入れ、複合経営に取り組むことで、農業収入を増大。・平成28年に、経営を法人化することにより、労務管理や税務管理など

見直し、経営の合理化を図る。

農業次世代人材投資資金

の活用例

か み て た か し

11a 47a 500a a

a

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ながとし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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江面 暁人さん (37歳)

経営の推移と今後

畑作 約42ha(小麦・馬鈴薯・甜菜・スイートコーン)

・3年目の農業所得は約150万円・4年目に農家民宿開始・4年目の農業所得は約600万円

新規就農までの経緯・背景上場企業でやりがいをもって働いていたが、この先のワークライフバ

ランスを考え、転職先の一つとして農業を選択。知人の紹介により北見市で研修。その後、農業経営継承事業を活用し、知人を通じ知り合った農業者から、第三者継承で農地・農機具等を引き継いだ形で就農。

経営発展のポイント

北海道遠軽町

・直売・農家民宿は口コミで広がり、海外からもお客が来るようになった

・企業研修の受入開始(2社/年)

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:畑作)

今後の取組

・農業経営規模は現状維持・直売・農家民宿・農業体験等

を強化し経営の多角化・発展に取り組む

・所得目標1千万円

経営初期(1~2年目) 2~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成24年に経営開始・施設の減価償却費がかさみ、初

年度の農業所得は約▲100万円・2年目にネットでの直売開始・2年目の農業所得は約150万円

・経営の運転資金

・施設設備の減価償却

・経営当初、施設の減価償却費がかさみ農業所得は低かったものの、前経営者の栽培手法を忠実に再現することで、前経営者と同程度の農業収入を確保し、2年目から経営は比較的安定。

・「ボラバイトさん」の活用により人件費を抑制するとともに、ファンづくりのためコンテンツを意識した情報をSNSで地道に発信し続けた結果、メディアに取り上げられ、ネット販売の注文が増加。

・農家民宿や企業研修の受け入れを始めたことによって、農外収入も確保。

畑作 約42ha(小麦・馬鈴薯・甜菜・スイートコーン)

畑作 約42ha(小麦・馬鈴薯・甜菜・スイートコーン)

畑作 約42ha(小麦・馬鈴薯・甜菜・スイートコーン)

給付金の活用

・現在取り組んでいる直売・農家民宿・農業体験等を強化し経営の多角化・発展に取り組んでいく。

・生産・販売だけでなく、既存の範疇にない新たな農業の価値を見いだしていきたい。

・一人でも多くの農外参入を支援するため、成功モデルになりたい。

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

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24年度採択(野菜等)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例です。

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中村 一大さん(41歳)・恵さん (39歳)

経営の推移と今後

トルコギキョウ10a

・トルコギキョウの期間外の12月~3月の葉物野菜の栽培を開始。

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

秋田県鹿角市

・トルコギキョウの他にス トック等を栽培開始。

(営農類型:花き、施設野菜)(中山間)

今後の取組

・品質の良いものを栽培するよう心掛ける。

・売り上げ600万円を目指す。

トルコギキョウ10aその他花き 3a葉物野菜 ハウス3a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成25年3月から経営開始。

・農業次世代人材投資資金を現地視察費用等に活用。

・トルコギキョウを主に栽培している。トルコギキョウには、たくさんの品種があり、その中から自分の栽培方法、鹿角の気候にあった品種を見つけて栽培するようにしている

・トルコギキョウの主な栽培期間は3~11月なので、栽培期間外でハウスが空く時期には、葉物野菜を栽培することで年間を通して農業収入を得られるようにしている。

農業次世代人材投資資金の活用例

農業短期大学で園芸を学び、その後、花きに携わる職に就いた。実家が花き農家で、自分自身も「いずれは地元で農業を経営したい」

という思いがあった。その思いを実現するため、平成25年に地元に帰り夫婦で花き栽培を

開始した。

・就農後に子供が生まれ、子育てが大変な時期に、農業次世代人材投資資金があったことで、農業と子育てを両立出来、現在も家族で営農出来ている。

トルコギキョウ 10a葉物野菜 ハウス 3a

トルコギキョウ 10aシンテッポウユリ 5aその他花き 3a葉野菜 ハウス3棟

・今後は、トルコギキョウ以外の花きを増やしていく予定。・次は、シンテッポウユリの導入を考えている。・秀品の割合が今よりも多くなるように、栽培技術を向上

させて、売り上げ目標600万円を目指す。

なかむら たかひろ

かづのし

めぐみ

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 56: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

高橋 征志 さん (33歳)

経営の推移と今後

水稲 1,000a大豆 200aりんご 50aねぎ 150a

新規就農までの経緯・背景

実家が農家であり、もともと農業に興味はあったが、大学在学中にその思いが強くなり、大学卒業後、県果樹試験場で2年間研修し、りんご等の技術を習得のうえ、平成24年に経営開始。

経営発展のポイント

秋田県湯沢市

・大豆面積を拡大・H29年度より園芸メガ

団地に参画(ねぎ)

・地域の園芸メガ団地への参画で経営目標が具体化し、大

豆・ネギ(露地)を中心とした経営体系を確立する。

・今後はさらなる経営拡大のほか、これまで学んできた知

識や経験を後輩や地域に役立てることで、地域農業の活

性化に貢献したい。

(営農類型:露地野菜)(中山間)

今後の取組

・ネギ面積を拡大・農業所得の目標は600万円

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・平成24年に経営開始・農業所得は約50万円ほど・給付金や妻の農外所得で生計

・親の営農形態は水稲及び大豆・果樹がメインであったが、経営を継承し自身が経営者となったときにリスク分散を図るため、地域の戦略作物でもあり、栽培時期も重ならないネギを取り入れた。

・平成29年からネギの園芸メガ団地(注:野菜や花卉の生産額を飛躍的に向上させるための秋田県の補助事業。湯沢市では湯沢、稲川、雄勝地区で露地栽培によるねぎ、小ギクによる団地形成を行う。)に参画し、今後はさらなる経営拡大を図っていく。

農業次世代人材投資資金

の活用例

水稲 1,050a大豆 200aりんご 50aねぎ 140a

・農業所得は45万円ほど

水稲 850a大豆 670aりんご 50aねぎ 140a

水稲 850a大豆 1,000aりんご 50aねぎ 200a

経営開始初期にネギ皮むき機や軽トラックのほか、種苗費、人件費に投資することができた。

たかはし せいし

ゆざわし

農業経営改善計画の認定状況:経営開始1年目に認定済み

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 57: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

西尾 佑貴さん(33歳)・沙織さん (33歳)

経営の推移と今後

野菜 32a

・自分たちの目指す農業と周囲の農家との折り合いがつき、会員数も口コミにより順調に増加

・農業所得は約270万円

新規就農までの経緯・背景

非農家出身の夫・佑貴さんは植物や生き物、環境問題への関心がきっかけで農業を志し、農大卒業後愛知県の農業法人に就職。その頃に読んだある本がきっかけで有機農業を目指すようになり、栃木県で研修を開始。その研修先で妻の沙織さんと出会い、結婚を機に沙織さんの地元寒河江市で平成23年に就農。

経営発展のポイント

山形県寒河江市

・飲食店向けの販路の拡大を目指し、需要のある品種の野菜栽培の技術向上に励む

・農業所得は約300万円

・米・家畜も導入し、有畜複合農業を目指す

・作物の栽培にお客さんが携われるような環境づくり

・同じ志を持つ農業者の育成に携わる

・佑貴さんの出身地愛知県に第二農場を!

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

・生産性・品質の向上・飲食店からの珍しい品目の

要望等に応えられるよう栽培技術の習得を図り販路を拡大

野菜 70a(ハウス2棟)

野菜 120a(ハウス2棟)

経営初期(1~4年目) 5~7年目 現在(8年目) 今後の目標(8~10年目)

野菜 120a(ハウス4棟)・平成23年に経営開始

・会員が少なく厳しい経営状況

・野菜を持って訪問販売や、マルシェへの出店などによる宣伝を継続的に実施

農業次世代人材投資資金を生産資材購入に活用

・会員の自宅まで旬の野菜を配達し、栽培から顧客の手元に届くまで全て自己完結で農業を営む(県外などの遠方の場合は宅配便)

・就農当初は野菜の訪問販売やマルシェへの出店を継続的に行い、地道に会員を増やした

・「食べている人みんなの家庭菜園を請け負っている」という気持ちを大切に、有機肥料無農薬で作った野菜を気軽に長く食べられる価格で提供している

・SNSを使い、生産仲間との交流や顧客への情報提供を行う

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

にしお ゆうき

さがえし

さおり

農業経営改善計画の認定状況:経営開始6年目に認定済み

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 58: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

安孫子 知也 さん (35歳)

経営の推移と今後

花き 31a(ハウス6→10棟)

・ハウス3棟を追加で自主建設

・出荷先は主にJAや産直・農業所得は約300万円・就農6年目で認定農業者

新規就農までの経緯・背景大学卒業後、自分の今後を模索している時に非農家出身ながら、自分

の手でものを創り上げる農業という職業に興味を持っていた。人手を求める知り合い農家からの声掛けにより、さくらんぼや水稲、花きなど様々な農作業に携わる中で、花き栽培に興味を持ち、就農を決意。その後山形県農業総合研究センター園芸試験場の花き担当の臨時職員として勤務する傍ら、花き栽培に挑戦し、平成23年に就農。

経営発展のポイント

山形県寒河江市

・出荷先は主にJAと産直・トレンドに左右されな

い品目や品種を選択し、効率的な栽培スケジュールを構成

現在、基本的な労働力は本人のみ。今後も、少ない人員で農作業がこなせるよう、作業の効率化を意識しながら、品質の向上にも取り組む。

今まで教わったこと、サポートしてもらったことを、今後地域で就農する新規就農者に伝えていく。

(営農類型:花き)(平地)

今後の取組

・出荷先は主にJAと産直・目標農業所得500万円・栽培スケジュールに沿った作

業の実施により効率性の向上を図る

花き 46a(ハウス10→13棟) 花き 46a

(ハウス13棟)

経営初期(1~4年目)5~7年目

現在(8年目) 今後の目標(9~10年目)

花き 46a(ハウス13棟)

・平成23年に経営開始・初年度は施設整備のみ・2年目までの農業所得は

農業次世代人材投資資金を除くとマイナス

・ハウス4棟を追加で自主建設し、4年目の農業所得は約150万円

・就農当初は経験不足により、天候に応じた管理や適期に作業を行うことができなかったが、山形県農業技術普及課やJAの花き担当者、先輩農業者からの助言を得て、就農5年目には農業所得300万円を達成。

・初回のハウスの導入については、就農支援資金を活用し建設。2回目以降のハウス導入においては、ハウス用の資材を再利用するとともに、自らの手で建設し経費削減に努めた。

・価格変動の少ない品種を作付することで、毎年一定のスケジュールで栽培し、効率を上げている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

あびこ ともや

さがえし

農業経営改善計画の認定状況:経営開始6年目に認定済み

農業次世代人材投資資金を資材(ハウス資材、苗、肥料、農薬)購入に活用

就農支援資金は、ハウス建設費用に利用

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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宗像 堅固 さん (40歳)

経営の推移と今後

夏秋トマト 22a(ハウス10棟)

・施設等の整備が完了し、所得が徐々に向上する

・農業所得は約150万円

新規就農までの経緯・背景

元々は民間企業に勤めていたが、通っていたスキー場でトマト農家に誘われる。平成20年に就農を決意し離職。南郷トマト生産組合に相談し、先進トマト農家のもとで2年間研修を受け、その間に農地の取得とハウスの建設を行い、平成23年に就農。

経営発展のポイント

福島県南会津町

・単収と品質の向上により経営の安定化が図られる

・農業所得は約300万円

今後も規模拡大を行う予定はなく、高品質なトマト生産をすることで所得増加を目指していく。

南郷トマト生産組合でJGAPの団体認証を得るために地域のトマト農家と連携して生産工程の見直しと改善を図る。

(営農類型:施設野菜)(中山間)

今後の取組

・経営規模は現状を維持しつつさらに品質を向上させ、所得向上を目指す

・農業所得の目標は500万円

夏秋トマト 22a(ハウス10棟)

夏秋トマト 22a(ハウス10棟)

経営初期(1~4年目) 5~6年目 現在(7年目) 今後の目標(8年目~)

夏秋トマト 22a(ハウス10棟)

・平成23年に経営開始・農業用資材、設備への

投資により、農業所得はほぼ0・給付金や農外所得等で生活

・研修中に先進農家から学んだことやJA・普及所から指導された内容を忠実に行い、堅実な営農を意識して技術の向上に努めた。

・ハウス建設、資材購入の際には県、町の補助事業を活用し、作業機械は研修先農家から借用し、可能な限り初期経費を抑えた。

・寒暖差の激しい地域なので、トマトには温度以外のストレスを極力かけないように心掛けた。

・栽培面積を拡大するよりも、管理に手間をかけ、単収と秀品率を高めた。

農業次世代人材投資資金、無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

むなかた けんご

みなみあいづまち

・次世代資金の使途を記載。・無利子融資(就農支援資金)を

利用し、ハウスや潅水設備の設置、また圃場に井戸を掘り、水の供給を安定させた。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 60: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

宮杉 隆広 さん (44歳)

経営の推移と今後

ネギ 20a

・経営面積を1.5倍に拡大・農業所得は約100万円

新規就農までの経緯・背景

実家は非農家で民間企業に勤めていたが、退職し市の新規就農者へ

の支援制度を活用、市内の先進ネギ農家のもとで約2年間研修を受けた

後、平成21年春に就農。

経営発展のポイント

福島県いわき市

・新たな販路を開拓し、レタス、キャベツ等も栽培を始める

・農業所得は約150万円

・ 農業所得及び農地面積の増加。

・ 現在ネギ以外にはレタス、キャベツを栽培しているが、

これらに加え、ハクサイ、ダイコン等新品目導入を目指す

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

・ハクサイ・ダイコン等の新たな品目を導入予定

・農業所得の目標は、約250万円

ネギ 30a ネギ 35a

経営初期(1~3年目) 4~6年目 現在(7~9年目) 今後の目標(10~12年目)

ネギ 55a

・平成21年に経営開始・市内先進農家にて技術

を習得・農業所得は約80万円

・技術を学んだ先進農家より経営開始に必要な資産を中古で導入する

ことにより初期投資に負担をかけない経営を実践。

・パイプハウスで育苗を行うことで、ほぼ通年でネギを出荷出来る体

制を確立。

・収穫したネギは全てJAへ出荷している。また、ネギ以外にもレタス

キャベツ等を出荷している。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

みやすぎ たかひろ

いわきし

農業次世代人材投資資金を利用し、経営初期の運転資金(肥料等の生産資材やハウス取得費)と生活費に活用

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 61: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

たかはぎ かずひこ

経営の推移と今後

アスパラガス 15a(ハウス5棟)ショウガ等 13a

・新品目として干し芋(加工)を導入・レンコンの試験栽培を開始・販売金額約230万円、所得が

黒字化

新規就農までの経緯・背景実家は農家ではなく大学卒業後は民間企業に勤めていたが、新・農業

人フェアで相談をしたことがきっかけで農業に興味を持ち、県立農業大学校での研修や城里町の研修受入れ農家での1年間の研修につながった。その後、住居や農地を見つけ、施設等を整備し同町で平成24年に独立就農した。

経営発展のポイント

しろさとまち

茨城県城里町

・技術向上によりアスパラガスの収量が安定

・レンコンの本格栽培開始・販売金額約400万円、所

得約150万円

栽培品目の増加と規模拡大を図ることで、販売金額1,000万円、所得500万円の早期実現を目指す。

農産加工品(委託加工)の充実により、販路を拡大し経営の多角化を図っていく。

(営農類型:施設野菜+露地野菜)(中山間)

今後の取組

・委託加工による商品開発・レンコンの栽培面積を拡大・目標は販売金額600万円、

所得300万円

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

・平成24年に経営開始・就農当初は、アスパラ

ガスに病害虫が発生し低収量、所得は約-40万円

・農業次世代人材投資資金で生計

農業次世代人材投資資金は生活資金や就農時の設備投資等に活用。また無利子融資(就農支援資金)を活用しパイプハウス等を整備。

・経営開始時の機械装備等については、できるだけ中古で揃えるなど初期投資を抑えた。

・無利子融資(就農支援資金)や経営体育成支援事業などを活用し、パイプハウスや潅水設備等を円滑に整備した。

・減農薬、減化学肥料栽培に力を入れ、安全・安心で高付加価値な農産物販売に取り組んだ。

・販売先として、直売のほかレストランや青果店等との直接取引など販路開拓に力を入れ、有利販売に取り組んだ。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

アスパラガス 15a(ハウス5棟)ショウガ等 35a

アスパラガス 15a(ハウス5棟)ショウガ等 20a

アスパラガス 15a(ハウス5棟)ショウガ等 55a

高萩 和彦 さん (38歳)

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 62: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

関根 淳 さん (36歳)

経営の推移と今後

露地野菜 50a→65a人参、ホウレンソウ、タマネギ苗、ブロッコリー、レタス、ネギなど

地域農協に勤務していたが、農家さんとのやりとりの中で、農業が自分にあった職業だと感じて就農を決意する。親族等の農地を中心に借り受け、平成24年に営農開始。

新規就農までの経緯・背景

• A品率の向上、無理のない作付け計画。• 新規作物を積極的に試作、導入。• 国、県の補助事業を利用してハウス新設。• 販売ルートの拡大(農協、学校給食、直売所)。• 3年目で軌道に乗り、(旧)青年就農給付金の給付は2年半で終了。

その後すぐに認定農業者になる。

経営発展のポイント

群馬県高崎市

・来年度は1,000万円以上の売上げ目標。・現在は家族労働のため、繁忙期(4・11月)に

パートの雇用を検討。

(営農類型:露地野菜、施設野菜)(平地)

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(7年目) 今後の目標(8年目~)

・H24に経営開始・色々な作物を試す・学校給食へ販売・1年目の農業所得は-46万円

農業次世代人材投資資金は農工具、資材の購入に活用。

農業次世代人材投資資金の活用例

・農地を着実に拡大・計画的な作付けを実施・経営体育成支援事業を利用し

ハウス2棟新設(H27)・3年目の農業所得は337万円。

軌道に乗ったことを実感。

・県の補助事業を利用してハウス2棟増設(H29)

・苗販売の拡充

・夏場の作付け品目を検討・苗販売をさらに拡大・今後は売上げ&農業所得

1,000万円を目指す

露地野菜 131a施設野菜・苗 900㎡タマネギ、ブロッコリー、エダマメ、チンゲンサイ、オクラ、ネギ苗、タマネギ苗、などなど

露地野菜 65a→100a施設野菜・苗 440㎡

露地野菜 131a施設野菜・苗 900㎡

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

せきね じゅん

たかさきし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 63: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

大橋 一幸 さん(31歳)

経営の推移と今後

露地野菜110a→190a ・生産が安定。

規模拡大に伴い経費増。・農業次世代人材投資資金

を次作準備に活用することにより、経営を軌道に乗せる。

・売上1,500万円、農業所得は約200万円

新規就農までの経緯・背景・県農業大学校を平成19年に卒業。実家は農家ではないが、独立自営就農を

目指し先進農家において1年半、県農林公社において2年間の営農実践研修を実施、平成23年に就農計画が認定され、住所地の伊奈町農業委員会において農地の利用権設定が認められ、就農。

・就農に際して就農支援資金や事業等を活用しトラクタ等必要な機械を整備した。

経営発展のポイント

埼玉県北足立郡伊奈町

・飲食店や惣菜工場へ販路拡大。

・生活安定し、本人結婚。妻も手伝う。

・売上1,500万円、農業所得は約280万円

3年後には、近隣市町も含めて10haの露地野菜経営を目指す。

また、将来は法人化を目指し企業的な経営へと移行したい。

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

・中間管理機構を活用し、規模拡大。

・農業法人の設立を予定。・農業所得の目標は1,000万円

露地野菜 450a 露地野菜 550a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~7年目) 今後の目標(8~10年目)

露地野菜 1000a

・友人と平成23年110aで経営開始

・初年度売り上げ 550万円農業所得は約65万円

・国庫事業活用で農業機械整備

経営体育成支援事業と就農支援資金を活用しトラクタ等必要機械を整備、農業次世代人材投資資金は規模拡大に伴う次作準備や雇用の資金として活用できた。

・大学校卒業後、大規模野菜農家において野菜栽培についてのノウハウを学び、公社の実践研修において学んだことを体現でき、自信がついた。

・経営開始にあたり、関係機関の協力・連携体制により、農地の確保と事業活用による必要な農業機械の整備ができた。

・大学校時代の同級生とともに、相談しながら生産や販売に取り組み、それぞれの得意分野を生かして、生産と販売を軌道に乗せることができた。

農業次世代人材投資資金、無利子融資の活用例

おおはし かずゆき

きたあだちぐんいなまち

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 64: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

しば かい ゆう や

柴海 祐也 さん (32歳)

経営の推移と今後

露地野菜 120a農業所得0~100万円

・飲食店への販売を開始。・順調に販路は増えるが、

生産は安定してきたものの、まだまだ生産力を向上できない。

新規就農までの経緯・背景

実家は農家だが、営農は別経営。大学にて植物の生理生態、農作業の基本を学ぶ。その後1年間国内外の様々な形態の農家にて農業を学ぶ。さらに都内の飲食店にて、青果の仕入れや販売、飲食店運営やマネジメントなどを経験した後、平成21年(2009年)より自己資金により印西市に就農。

経営発展のポイント

いんざいし

千葉県印西市

・加工品製造を開始。・サラダ野菜の生産開始。・ハウスの増築。・雇用の導入。

出荷場や農業機械への投資を行い、効率化を図る。

2021年までに販売額1億円、1,000万円の所得目標を立てる。

(営農類型:野菜・多品目)(有機農業)

今後の取組

・出荷場や農業機械への投資を行い、効率化を図る。

・所得目標は1,000万円。

露地野菜 150a農業所得100~250万円

露地野菜 210a農業所得400~600万円

経営初期(1~3年目) 4~6年目 現在(7~9年目) 今後の目標(10~12年目)

露地野菜 400a

・個人宅向け野菜セットを開始。

・作りながら、無農薬のリスクを実感する。

・農産物加工の際に使用する機械の導入・トラクター購入

・多品目生産により多種多様な消費者に販売。・多品目・多販路により様々なリスク分散。・単品出荷はせず、すべてお任せ野菜セットにして出荷。・飲食店には花や蕾まで提案することで、収益率の向上を図る。・加工品の製造販売をしてA.B品の野菜のロスは5%以下。・生産から販売までを行うことでストーリーをつなぐ。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 65: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

た なか ともひと

田中 智仁 さん (31歳)

経営の推移と今後

キャベツ 77aミニトマト他 16a

・土壌改良、排水対策、緑肥導入、育苗管理、病害虫防除・防寒対策を徹底

・所得250万円超え達成(4年目)

新規就農までの経緯・背景

・実家は専業農家。JAに就職し、そこで生産の現場に触れ、努力した

分見返りが得られる農業に魅力とやりがいを感じ、平成25年3月に

親と別部門(キャベツ、ミニトマト)で就農した。

経営発展のポイント

ちばし

千葉県千葉市

・出荷量も安定・農業所得は約527万円

・東京オリンピック開催を控える中で、今後海外からの観光

客にも日本の野菜の美味しさを伝えたい。

・今後さらに生産量の向上を図るとともに、雇用の活用、

販路拡大等により、経営の発展を目指したい。

(営農類型:施設野菜、露地野菜)(平地)

今後の取組

・加工用契約キャベツを市場出荷し、残りを直売

・ミニトマトの市場出荷・雇用の活用

キャベツ 100aミニトマト他 13a

キャベツ 150aミニトマト他 13a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

キャベツ 200aミニトマト他 25a

・平成25年3月経営開始・排水不良、高温・凍結

などの被害で苦しむ。・初年度の農業所得は約18万円

・ハウスの修繕費(被覆の張り替え)

・肥料、資機材費

・経営1~2年目に圃場の排水不良、高温障害、凍害などに苦しんだが、JAの部会を通じて県内外の事例視察や生産者同士の情報交換により課題解決のノウハウを学び、3~4年目に耕盤層の破壊や明渠の整備による排水不良の解消、施肥・病害虫防除計画の見直し、高温障害・凍結対策、緑肥の導入、育苗管理の徹底など、集中的に課題の改善に取り組み、経営が安定した。

・海外農業も視察することにより、農業に対する視野が広がった。・全ての作業を自分が行えるよう、技術習得を心掛けてきた。

農業次世代人材投資資金の活用

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 66: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

佐藤 映志 さん (41歳)

経営の推移と今後

ブロコッリー他 290a

・JAの助成制度を活用しトラクターを更新

・中古ハウスを導入・売上は1,500~2,000万円

新規就農までの経緯・背景

林業関係の仕事に10年ほど従事する傍ら、家庭菜園程度ではあるが、農業に取り組んでおり、農業に対する関心を以前から持っていた。その後、農業法人へ転職し栽培技術を学んだことで、農業を一生の仕事にする決心がついた。農業への支援策に魅力を感じた富士見町で独立し就農。

経営発展のポイント

長野県富士見町

・ハウスでミニトマトの栽培を始める

・売上は約2,500万円

ハウス栽培を拡大し年間を通して雇用ができるような経営を行う。また、法人化も視野に入れている。

将来は、観光も視野に入れ、地域の魅力発信の場を作っていきたい。

(営農類型:野菜)(中山間)

今後の取組

・農業法人の設立を検討・経営面積の拡大・年間を通して雇用ができる

経営を目指す

ブロッコリー他 570a(ハウス10a)

ブロッコリー他 570a(ハウス10a)

経営初期(1~2年目) 3~5年目 現在(6年目) 今後の目標(6~8年目)

ブロッコリー他 800 a(ハウス30a)

写真

・平成24年に経営開始・台風襲来により多くの

ブロッコリーが被害を受ける

・生産資材の導入や人を雇うための支えとなった。・就農2年目の台風被害の際には、資金があったことで、営農を継続することができた。

・資金を活用することにより、経営1年目からパートさんを雇うことに躊躇することなく、人手をかけ効率的な作業を行うことができた。

また、資材や機械などを積極的に活用して生産効率の向上に取り組むことで、計画的な生産を行っている。・当初は根こぶ病が多く発生し経営を圧迫したが、先輩農業者、青年農業者など農業者同士での情報交換や、普及センターからの助言により改善を図り、徐々に克服していっている。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

えいじ

ふじみ平成30年度 作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 67: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

西久保 武揚さん (44歳)

経営の推移と今後

セルリー 62aメロン 1a

新規就農までの経緯・背景

東京で民間企業に勤務していたが、農業をやりたいという子どもの頃からの希望を実現させるため、農業を志した。就農に向けて情報を収集し、県が実施する「がんばる新農業人支援事業」を利用して栽培技術の研修をセルリーの生産農家の元で1年間受けた後、平成24年4月に就農。

経営発展のポイント

静岡県浜松市

・技術向上、反収増加・施設・農機具の修繕及び更新・農業所得は約600万円

・規模拡大(15a)に伴う労働力確保(1名)

・施設・農機具の老朽化に伴う更新

・高品質と反収増加を目指し課題の改善を図る

・部会組織への積極的な参加と貢献を目指す

(営農類型:野菜)(平地)

今後の取組

・規模拡大15a(ハウス)・労働力確保(1名)・農業所得の目標は約800万円

経営初期(1~3年目) 4~6年目 現在(7年目) 今後の目標(8~10年目)

・平成24年に経営開始・農業所得は250万円

・就農支援資金を活用し、育苗ハウスを建設。・平成24年~29年まで 青年等就農資金を活用・生産基盤が確立できた

<資金・設備>・研修受入農家と農協の斡旋により農地、ハウスを確保し、営農を開始。・平成24年、就農支援資金により育苗ハウスを建設、自己資金により

既設ハウスの修繕とトラクタ等機械類を購入。<技術>・地域の生産者、部会、農協、県などが栽培技術をサポート。・平成29年、レッドキャベツの栽培を開始し、経営規模を拡大。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

セルリー 70aメロン 6aレッドキャベツ 6a

セルリー 70aメロン 6aレッドキャベツ 6a

セルリー 80aメロン 10aレッドキャベツ 6a

・規模拡大12a(ハウス)・裏作への挑戦(レッドキャベツ)・農業所得は約300万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

にしくぼ たけあき

はままつし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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小林 弘典 さん (43歳)

経営の推移と今後

メロン 7.5aニンジン 25a

新規就農までの経緯・背景非農家出身。滋賀県で10年以上小売業で働き、自分で生産から販売まで

手掛けられる商売がしたいと考えるようになった。新・農業人フェア等に足を運ぶうち、福井県への移住と就農を決意。平成23年8月からあわら市波松の谷川農園で里親研修を受け、平成24年8月に就農した。

経営発展のポイント

福井県あわら市

・白ネギの面積が300aを超える。

・農業所得は約420万円

・白ネギの面積をさらに拡大し、農業所得600万越えを目指す。

・経営開始時から取り組んでいるハウスメロンは、営業の甲斐

があり固定客が着くようになったため、今の面積を維持して

継続的に取り組んでいきたい。

(営農類型:露地+施設野菜)(平地)

今後の取組

・さらに白ネギの栽培面積を拡大予定。

・6年目に認定農業者の認定を受ける。

・農業所得の目標は630万円

白ネギ 150aメロン 20a

白ネギ 300aメロン 20a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

白ネギ 350aメロン 20a

・2年目に白ネギ用の調製機械を導入。

・農業所得は約-45万円・農業次世代人材投資資金や妻

の農外所得で生計を立てる。

・経営初期の所得補てん・青年等就農資金により、白ネギ調製施設、乗用管理機等の導入

・経営開始時はメロン・ニンジンの栽培に取り組んでいたが、平成25年から露地の白ネギ栽培に取り組み始めた。

・その後、経営の中心を白ネギに切り替え、年々栽培面積を拡大。平成29年には3.0haを作付け。

・白ネギの大規模栽培に対応するため、経営体育成支援事業や県単事業、4年目に青年等就農資金を活用して、調製作業場、乗用管理機等を導入し、白ネギの機械化栽培体系を確立。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・4年目に白ネギ用の調製作業場や乗用管理機を導入。

・4年目から妻が本格的に農業に従事するようになる。

・農業所得は約220万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

こばやし ひろのり

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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横矢 大介 さん (40歳)

経営の推移と今後

イチゴ 13a

・ハウスを増設・イチゴ狩り園経営の安定・売上は約2,500万円

新規就農までの経緯・背景会社員から一念発起して、農業の世界に。収益性の点からイチゴ栽培を

選び、消費者と直接つながることのできるイチゴ観光農園を目指す。

阿久比町のイチゴ観光農園で1年間研修後、離農したイチゴ農家のハウス

(13a)を紹介され、平成22年7月に東浦町で就農。

経営発展のポイント

愛知県 知多郡東浦町

・7品種を栽培し、特徴あるイチゴ狩り園を経営

・売上は約3,000万円

(営農類型:野菜(イチゴ))(平地)

今後の取組

・法人化を図り雇用環境を整備・社員の雇用・ハウスを増設し生産力アップ

イチゴ 30a イチゴ 35a

経営初期(1~2年目) 4~5年目 現在(8年目) 今後の目標(10年目)

イチゴ 50a

・平成22年に経営開始・中古ハウスの活用により

初期投資を抑制

・農業次世代人材投資資金は、生計の維持に活用。

・就農支援資金は、就農時の中古ハウス購入、就農3年目のハウス増設に活用。

・JAあいち知多営農アドバイザーの協力により、平成25年に融資を受けてハウス17aを増設、経営の安定を図った。

・平成27年にもハウス5aを増設し規模拡大。・平成27年には農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)準備型の

県認定研修機関となり、研修生を受け入れ、独立を支援。自らの体験を活かした助言や指導を実施。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・法人化により雇用環境の整備を図り、魅力ある雇用の場としたい。

・ハウスを増設し、生産に注力する。・売上4,000万円を目指す。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

よこや だいすけ

ちたぐんひがしうらちょう 平成30年度更新

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 70: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

長屋 建志 さん (31歳)

経営の推移と今後

小菊 16a

・平成26年に結婚し、家族経営協定を締結

・妻と共同で農業経営を開始

・農業所得は約150万円

新規就農までの経緯・背景祖父が中山間地域の活性化と休耕田の活用を目的として、シキミや小

菊の生産組合を立ち上げ栽培する背中を見て育ち、小さい頃から作業を手伝ってきた。やがて高品質な小菊を育てることに魅力を感じ、自分でも育ててみたいと思うようになり、平成24年に経営を開始した。

経営発展のポイント

岐阜県揖斐川町

・規模拡大、電照による作期分散の試験的導入

・気象災害でハウス倒壊や土砂流入、冠水等が発生し苦戦

(営農類型:花き)(中山間)

今後の取組

・小菊の一層の生産拡大と安定出荷

・ハウスを活用した補完品目の導入

・シキミやサカキ等の生産

小菊 50a 小菊 120a

経営初期(1~2年目) 4~5年目 現在(7年目) 今後の目標(8~10年目)

小菊 180a

・平成24年に経営開始・初年度の農業所得は

少なく、農業次世代投資資金で生計

規模拡大に伴う資材費や機械導入などに活用した。

・当初16aで経営を開始したが、補助事業を活用し選花機を導入するなど就農計画より早く規模拡大し、また品種を組み合わせ作期分散にも努めている。高品質な花き生産を目指し、病害虫についても早期発見対応を徹底している。

・地域の生産者の集荷もかねて栽培指導なども実施しており、地域に溶け込み、組合員からの信頼も厚い。

・販売は、祖父らが立ち上げた生産組合のブランド「奥揖斐の花」として全量JA共販出荷しており、市場評価も高い。

農業次世代人材投資資金

の活用例

経営開始10年目までには、小菊の一層の生産拡大とハウス導入等による補完作目の組み合わせにより、経営を安定させたい。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ながや たつし

いびがわちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 71: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

さかの あきら

阪野 彰 さん (46歳)

経営の推移と今後

イチゴ 13a(土耕 13a)

・高設栽培で規模拡大・阪野氏が生産する「古

都華」が平群町の認定制度である「平群ブランド」に認定される

非農家出身で食品メーカーに勤務していたが、自分の手で何か作っていきたいという思いを持っていたことから、奈良県が実施する研修制度(農業新規参入者支援事業)に応募。研修過程でイチゴ栽培に興味を持つ。1ヶ月間の基礎研修、1年間の産地実践研修を経て、平成24年に就農。

新規就農までの経緯・背景

・研修先であった農家の紹介により、地域のイチゴ生産グループへ所属でき、速やかに地域へ浸透することができた。

・土耕栽培から高設栽培へ移行することで、作業性・労働環境を改善。・県普及指導員と連携して天敵製剤を導入し、効率的なハダニ防除を実施。

・市場や小売店の評価が高い奈良県育成のイチゴの品種である「古都華」を中心とした品種構成とすることで、販路を拡大。

経営発展のポイント

へぐりちょう

奈良県平群町

・「奈良県プレミアムセレクト」認証等を活用してブランド力の強化を図り、販路拡大、単価向上を目指す。

・高設栽培の規模を拡大し、農業所得600万円を達成する。

・土耕の一部を高設に切り替え

・優良経営の結果、4・5年目は経営開始型資金の交付を受けずに営農

(営農類型:野菜)(平地)

今後の取組

・高設栽培の規模を拡大するとともに、品種を「古都華」に絞ることにより売上の増大を図る

・農業所得の目標は600万円

イチゴ 22a(高設9a、土耕13a)

イチゴ 22a(高設14a、土耕8a)

経営初期(1年目) 2~3年目 4年目~現在(6年目) 今後の目標(7~9年目)

イチゴ 40a(高設 40a)

・平成24年に経営開始

・「古都華」「ゆめのか」「章姫」といった品種を栽培

農業次世代人材投資資金を活用することで、イチゴの高設栽培導入にかかる経費を補うことができた。

農業次世代人材投資資金の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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福谷 雄一郎 さん (45歳)

経営の推移と今後

葉物野菜 13a(ハウス6棟)

・県単事業を活用して施設整備

・認定農業者(経営5年目)

新規就農までの経緯・背景

出身は鳥取県で元々農業に関心はあったが、大阪で就職した。大阪で開催された新・農業人フェアに訪れ、縁あって安来市のブースで相談し、就農地を決めた。様々な作物で研修する中で、有機農業を行う指導農業士に出会い、有機農業で就農することを決意した。(平成23年経営開始)

経営発展のポイント

島根県安来市

・リースハウス事業が開始し、さらに施設投資

・販売額は600万円超

今年度整備予定のハウスを含めると農地面積が30aを超えるため、販売額1,000万円を目指して、栽培を行う。

(営農類型:有機葉物野菜)(平地)

今後の取組

・リースハウス事業で設備投資・指導農業士として研修生を受

け入れる・販売額1,000万円を見込む

葉物野菜 18a(ハウス8棟)

葉物野菜 24a(ハウス11棟)

経営初期(1~3年目) 4~5年目 6年目 現在(8年目)

葉物野菜 40a(ハウス15棟)

・平成23年に経営開始・概ね計画通りに経営・補助金や資金を活用して

施設投資

・経営開始時に県の補助事業や資金等を活用し比較的充実した施設で営農を開始。

・師匠である指導農業士に習い有機JAS認証を取得し、後続の新規就農者などとロットをそろえての共同出荷を行い販売単価が安定。

・平成29年に指導農業士に認定され、研修生受入用のハウスを整備し受入も開始。

農業次世代人材投資資金

の活用例

農機具や資材費にあてていた。そのほかでは出荷に欠かせない箱バンを購入できたのは大きかった。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ふく たに ゆう いち ろう

やすぎし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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宮本 克己 さん (43歳)

経営の推移と今後

はくさい15a、キャベツ40a、とうがん20a

・販売額 約1,100万円・認定農業者(経営4年

目)

新規就農までの経緯・背景

地元企業に勤めていたが、地域の農家の高齢化が問題となっており、少しでも生まれ育った地域に貢献したいと思い就農を決意した。非農家出身のため、地元の農家で2年間研修を受け、平成24年に経営を開始。

経営発展のポイント

岡山県瀬戸内市

・販売額 約1,400万円

労力に少し余裕があるので、はくさい、キャベツの規模拡大(20a)を行いたい。あわせて、病害虫の被害を軽減し、収量・秀品率を向上する。

将来農業を目指す若い生産者がいれば力になりたい。

(営農類型:露地野菜)(平地)

今後の取組

・販売額の目標は1,800万円

はくさい40a、キャベツ80a、とうがん30a

経営初期(1~3年目) 4~5年目 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

経営面積180aを目指す

・前年の所得が250万円未満であった経営初期(1~3年目)のみ農業次世代人材投資資金を受給。

・主に運転資金として活用。・地域の特産物であるはくさい、キャベツ、とうがんは古くからの産地

でブランド力があり、JAへ出荷することで、有利販売することができた。

・経営開始1年目は、気象災害や病害虫の発生で目標の生産量を確保できなかったが、研修先の農家や地域の方、農協の指導で4年目からは安定した生産が行えるようになり、認定新規就農者から認定農業者に移行した。

・自分の頑張りが認められ、地域の方から農地を任されるようになり、早期に規模拡大を行うことができた。

農業次世代人材投資資金

の活用例

はくさい50a、キャベツ80a、とうがん30a

・平成24年に経営開始・農業所得 250万円未満・認定新規就農者

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

みや もと かつ み

せとうちし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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福田 雄志・沙織(30歳)さん

経営の推移と今後

水稲 0.3haキャベツ 1haアスパラガス 0.2ha

・夫婦で共同経営し高収益作物であるアスパラガスの作付を増やし、収入確保

・農業所得は約180万円

新規就農までの経緯・背景

実家は農家で、父親が営農していた。学生時代に「形になるもので自営したい。」という思いや、地域の高齢化や後継者不足の実態をみて、承継及び近隣農地の集積を進めていけば、農業で自立できると判断し、平成23年に認定農業者として就農。

経営発展のポイント

広島県世羅町

アスパラガスを主軸とし労働時間を確保するため、キャベツ(秋取り)の面積を減らす。作業分散として白菜の植え付けを増やす見込み。人材確保が難しいため、播種機やラジコン動噴など機械化を進め、さらに作業効率を上げる。

・その他野菜の白菜、レタスが好調。白ねぎも新たに取り組み開始。

・農業所得は約290万円

(営農類型:水稲・露地野菜)(中山間)

今後の取組

・露地アスパラガスへハウスを設置し、安定収量を確保

・農業所得の目標は夫婦共同経営で800万円

水稲 0.5haキャベツ 0.5haアスパラガス 0.6ha

水稲 0.5haキャベツ 0.8haアスパラガス 0.6ha

経営初期(1~2年目) (3~4年目) 現在(5~8年目) 今後の目標(9年目)

アスパラガス 0.6haキャベツ 0.3ha白ねぎ 0.3ha

・平成23年に経営開始・農業機械施設の投資

に当てたため、初年度の農業所得は約50万円

・水稲以外に野菜を取り入れ、農業経営の安定に取り組んだ。・町補助事業の活用により、アスパラガスの灌水施設を整備。・機械整備を図り、効率的な作業実施で農地面積を拡大。・ハーフソイラの導入により排水対策の実施。・作物の等級により出荷先を変え、収入を確保した。・品種の種類を増やすことで作業をずらし、労働力を分散。・結婚後、妻と共同経営の形を取った。

農業次世代人材投資資金、の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ふく だ ゆう し

せらちょう

さ お り

キャベツ・アスパラガスの拡大のため,機械・設備費に充当

(営農開始3年目から活用4年目で結婚し妻と共同経営)

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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浅樋 真一 さん (42歳)

経営の推移と今後

農地購入 30a高設栽培いちごハウス新設 20a

・栽培は順調、収量は10a4,500→6,000kg程度

・夫婦での農業経営は順調・農業所得は約200万円

新規就農までの経緯・背景徳島市の非農家出身。大学卒業後、民間企業に勤めていたが、自らの

考えで経営できる農業に魅力を感じ就農した。平成20年に県内一の技術と思った小松島市のイチゴ農家に弟子入りした。平成21年には徳島県立農林水産総合技術支援センターで1年間研修を受け、徳島市から紹介された、現在の農地を購入し、ハウスを新設し平成22年度に就農した。

経営発展のポイント

徳島県徳島市

・経営も安定し、夫婦の労働力で経営できる作り方を確立できた。

・農業所得は約250万円

借入金の返済は来年度に終了するため、その後は所得も向上し経営に余裕も生まれる。

海外に輸出するなどの新たな取り組みを行い、農業所得向上を目指す。目標は10a800万円以上の売上げ、そして夫婦2人で所得1,000万円。

(営農類型:施設園芸(イチゴ))(平地)

今後の取組

・「さちのか」に変わる大玉の品種を導入し、友人と一緒に海外輸出。

・農業所得は夫婦で1,000万円

高設栽培いちご 20a(ハウス1棟)

高設栽培いちご 20a(ハウス1棟)

経営初期(1~3年目) 4~7年目 現在(8年目) 今後の目標(9~10年目)

高設栽培いちご 20a(ハウス1棟)

・平成22年に新設施設で経営開始・栽培は比較的順調、10a3,500kg

程度の収量であった・農業所得は約150万円

農業次世代人材投資資金を2年受給し、農機具の購入に活用した。扶養家族がいるので助かった。

・社会人時代の貯蓄があり、農地の購入やハウスの新築等をほぼ自己資金でまかない、不足分はJAの資金を利用した。

・農業技術を教わったイチゴ農家及び県の機関での研修が身についていたことと本人の努力により、就農1年目から大きな問題も無く栽培を行い、農業経営は順調である。

・労働力は夫婦2人、労働力に合わせて出荷時期を平準化し、所得を確保している。

・新規参入でも、地域の青年農業者と協調出来ており、農業青年クラブの会長として活動するなど地域に定着している。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

あさ ひ しん いち

とくしまし

農業次世代人材投資資金の活用例

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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松永 佳之 さん (50歳)

経営の推移と今後

養液栽培トマト 16a

• 経営体育成支援事業を活用し、自動谷換気装置を導入

• 販路を拡大し、2社に出荷• 売上は、約800万円

新規就農までの経緯・背景

民間企業(建設コンサルタント)に20年間勤めていたが、残業・休日出勤が常態化した生活からの脱却と、農家の長男であり、いずれは実家に帰らなければという思いから、地元での就農を決意した。就農にあたっては、農業法人で研修を受け、両親からは独立した形で平成24年に農業経営を開始した。

経営発展のポイント

徳島県阿波市

• 県単事業を活用し、光合成促進機、環境モニタリング装置を導入

• 売上は、約1,000万円• 認定農業者(2年目)

• 適切な環境制御を行うことにより、収量増、品質向上を図る。

• 当面の目標として、中玉トマトで20t/10a、ミニトマトで15t/10aの収量を目指す。

(営農類型:施設野菜(トマト)(平地)

今後の取組

• 環境制御システム導入により適切な環境制御を行い、品質および収量を向上

• 付加価値の高い品種の選定• 売上目標は1,200万円

養液栽培トマト 16a 養液栽培トマト 16a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

養液栽培トマト 16a

• 平成24年9月に経営開始• 地元農業法人1社に出荷• 初年度は、ハウス工事の

遅れ等により管理が遅れてしまい、収量減となる

• 両親が洋ランを栽培していたハウスの一部を譲り受け、増築を行うとともに養液栽培システムを導入し、面積16aで栽培を開始。

• 経営開始型の資金や経営体育成支援事業等を活用し、循環扇、自動谷換気装置、光合成促進機、環境モニタリング装置等を導入。

• 県および民間企業が開催する講習会等に参加し、栽培技術の向上に努めた。

• 徳島県独自の認証制度である「とくしま安2GAP」の認定を受け、農作物の安全性の向上、作業の効率化を図った。

農業次世代人材投資資金(経営開始型)は、経営初期の生活費、運転資金として役立った。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

まつ なが よし ゆき

あわし

農業次世代人材投資資金の活用例

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 77: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

山田 良二 さん (32歳)

経営の推移と今後

施設ニラ 20a(ハウス1棟)

・中古ハウスで規模拡大・農業所得は大幅にアップ

新規就農までの経緯・背景

農家出身ではないが、農業に興味をもち、県外の農業法人で1年間農業の勉強をした。その後地元に帰り、町の基幹品目であるニラでの就農を目指し、ニラ農家で7ヶ月間研修、平成24年4月に妻とともに就農した。

経営発展のポイント

高知県四万十町

品質の良いニラを作れるよう取り組む。そのために、GAPにも積極的に取り組んでいきたい。

(営農類型:施設ニラ)(中山間)

今後の取組

・規模拡大・反収10t/10a

施設ニラ 39a(ハウス2棟)

施設ニラ 39a(ハウス2棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(7年目) 今後の目標(10年目)

施設ニラ 50a(ハウス3棟)

・平成24年に経営開始

農業次世代人材投資資金は運転資金として活用した。

無利子融資は中古ハウスの修繕、被覆資材、灌水設備の整備、動力噴霧器の購入等に活用した。

・平成24年に中古ハウスを活用して就農。中古ハウスの修繕は県単補助事業も活用し、就農時の施設整備のコストを抑えることができた。・平成26年度に中古ハウスで規模拡大。県単補助事業を活用して修繕。・ニラは、調製・出荷作業の労働力確保ができるかどうかが、出荷量に大きく

影響する。そのため、平成28年度に水圧式ニラそぐり機をJAグループの事業を活用して導入するなど、作業の効率をあげている。

・ニラは地域の基幹品目だったので、就農してからも近隣の先輩農家からアドバイスをもらうことができた。

・そぐり機を導入し、調製作業を効率化

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

やま だ りょう じ

しまんとちょう

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・認定農業者(平成29年5月、経営7年目)

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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安達 彩 さん (44歳)

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

福岡県大牟田市

(営農類型:施設野菜)(平地)

今後の取組

農業次世代人材投資資金

の活用例大牟田市出身(実家は非農家)。関東で働いていたが、子どもを保育園に預けることができず、就業意欲に反して仕事ができない状況となった。それを打開するため、以前から興味のあった農業であれば、仕事と子育てが両立できると考え、大牟田市に戻って平成23年に農業経営を開始した。

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

イチゴ 10a イチゴ 19.5a イチゴ 19.5a イチゴ 29.5a

・経営開始 平成23年8月・土耕栽培から高設に移行

し、作付面積を19.5aに拡大

・ハウス内、育苗床を改善し、作業環境向上を図る

・雇用労働者の教育・出荷ロスの軽減

・所得増加と安定を図る・規格外品を利用した加工

販売に挑戦する

・技術面、作業面をさらに効率化し、経営面の負担軽減

・法人化し、ハウス面積を10a増加

・正規社員の雇用・加工販売事業を軌道にのせ

・作業環境の整備費・ハウスの整備費・加工販売事業の支度金

規模拡大を行い、法人化して正社員を雇用する。パッケージ業務の委託を行い、無理せず効率のよい営農を目指す。規格外品を使った加工販売事業を拡大する。

・新規就農時より、雇用を導入し、徐々に規模拡大を図るとともに、労働の効率化を図ったこと。

・子育て中でも、無理なく長期的な経営ができるように、パッケージ業務の委託や、高齢者や育児中の女性等を労働力として 大限に活用。

・農業次世代人材投資事業(準備型)の研修生を受け入れ、指導を行い地域における新たな人材を育成していること。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

あだち あや

おおむた平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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金田 憲明 さん (38歳)

経営の推移と今後

施設きゅうり 14a

・計画どおりの経営により18t/10a達成。目標は20t/10a。

・農業所得は約120万円

新規就農までの経緯・背景

兵庫県出身で、以前は服飾関係の営業・販売を行っていた。農業を始めたきっかけは、祖父が農業を営んでおり、その手伝いを行っているなかで農業の楽しさを感じたこと。平成24年に経営開始。

・中古ハウス8a+増築6aで経営を開始。・長期促成つる下ろし栽培により、雇用や種苗代を抑えた。・地域の農業者とのコミュニケーションを密にし、情報交換等を行うこ

とにより、農業経営に活かすことができた。

経営発展のポイント

宮崎県綾町

・計画どおりの経営・農業所得は約370万円

現在、農業収入が800万円程度。将来は1,000万円以上の農業収入を目指す。

(営農類型:施設きゅうり)(平地)

今後の取組

・農業収入の目標は1,000万円

施設きゅうり 14a 施設きゅうり 14a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

施設きゅうり 14a

・平成24年に経営開始・ハウス工事の遅れで定植

が遅れたため初年度の農業所得は 約-90万円

ハウス購入に活用(初期投資の軽減が図られた)

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

かねだ のりあき

あやちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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とこう けんじ

都甲 健二 さん (48歳)

経営の推移と今後

水耕トマト 20a(ハウス1棟)

・東京圏への出荷を拡大し経営が安定。・農業所得は約350万円。・農業次世代人材投資資金を就農初期

の運転資金とした。(平成24年~)

新規就農までの経緯・背景

実家は農家ではなく民間企業に勤めていたが、知人の紹介で水耕栽培による高糖度トマトに出会い、「自分で作りたい」という気持ちが高まり、日向市の農業法人に就農し技術を習得。その後、耕地面積の多い川南町で農地を取得し平成22年に独立・自営就農。

経営発展のポイント

かわみなみちょう

宮崎県川南町

・新たにハウスを整備し規模拡大を図る。

・出荷量増に伴い農業所得目標は約500万円。

2年後には、800万円以上の所得目標を立て、夫婦で農業法人を設立予定。

(営農類型:施設野菜)(平地)

今後の取組

・更に規模拡大。・農業法人の設立を予定。・農業所得の目標は800万円。

水耕トマト 20a(ハウス1棟)

水耕トマト 40a(ハウス2棟)

経営初期(1~2年目) 3~7年目 現在(8年目) 今後の目標(9~10年目)

水耕トマト 50a(ハウス3棟)

写真

・平成22年に経営開始。

運転資金として活用

・経営1年目に、病害虫の発生等の影響で収量は低かったが、苗木を1本1本注意して観察し、毎日圃場を見廻りすることで病気の発生の防止に努めた。

・圃場内の苗定植~収穫までの栽培サイクルを一定することで、収量・品質が安定。高糖度(6度以上)の割合が増加した。

・地域の行事に参加し、地域に溶け込み色んな方から助言をもらえた。・東京圏への出荷を拡大し、3年目に収入が安定した。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 81: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

久保宮 修一 さん (38歳)

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

宮崎県高原町

・農業所得は約260万円・平成29年6月に認定農業者になる。今後の目標(7年目)生姜、加工キャベツの作付面積を拡大し、経営の安定を図る。

(営農類型:露地野菜、施設園芸)(中山間)

今後の取組

29年1月~6月ほうれん草30a、生姜15a、ごぼう25a、加工甘藷50a、ブロッコリー15a

7~12月里芋20a、加工人参20a、生姜15a、甘藷(原料)50a、加工キャベツ50a

経営初期(1~2年目) 3~5年目

6年目

経営資金の補てんに活用。

・生産方法等について普及指導員、JA営農指導員等の指導を受け、その都度解決している。

・経営改善について、JA等の関係機関からの指導を受け入れ、取り組んでいる。

・甘藷部会、生姜研究会の視察研修などに積極的に参加した。

農業次世代人材投資資金

の活用例義父が農業をしているところを見たり、手伝いをしているうちに農業に興味が湧き、自身も農業経営をしていきたいと思うようになる。平成23年から義父のもとで農業の知識・技能・経営を学び、平成24年から独立して経営を開始する。(非農家出身)

24年9月~12月ほうれん草20a、生姜10a加工人参55a、加工甘藷1a

25年1月~7月加工用人参70a、加工用ほうれん草40aごぼう30a、里芋30a、生姜10a

28年1月~6月ほうれん草60a、加工用人参25a、ごぼう20a、里芋10a

7~12月ほうれん草35a、加工用人参20a、里芋30a、ブロッコリー10a、キャベツ20a、生姜10a、ごぼう30a

・早だし作物の面積拡大

・収穫時の労働力の確保

・種子、苗を自家保存し経費を抑える。・農業所得は約99~145万円

・有害鳥獣対策に力を入れる。・農業所得は約110~309万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

くぼみや しゅういち

たかはるちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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愛甲 真一 さん (39歳)

経営の推移と今後

ばれいしょ 80a露地いんげん 20aにがうり 3a

・ハウスを整備し新規品目導入、規模拡大

・総売上は約1,300万円

新規就農までの経緯・背景

親は非農家(会社員)。当初は運送業に従事していたが、定年まで続けられるか不安を抱き、長く続けていける「農業」に魅力を感じたため、平成23年に就農した。

経営発展のポイント

鹿児島県南大隅町

・ハウスを更に整備し、規模拡大

・総売上は約1,500万円

・機械作業が出来る常時雇用者を1名確保し、作業効

率を上げることで単収向上を図る。

・収益が高い品目を選び、その規模を検討し、より

安定的に収益確保に努めたい。

(営農類型:施設野菜・露地野菜)(中山間)

今後の取組

・常時雇用を確保し単収向上・高収益品目及び規模拡大の検討・総売上目標は2,000万円

ばれいしょ 130a根深ねぎ(ハウス) 10a露地いんげん 10a施設いんげん 6a

経営初期(1年目) 2~6年目 現在(7年目) 今後の目標(8~10年目)

・初年度の総売上は約300万円

・施設や機械の取得費用・資材購入等の営農資金

・JAの品目部会や地元の青年クラブに所属し、積極的に参加することで、先輩農家、役場、農業委員、JA、県等から、品目や技術、農地等の情報提供等の支援を受けることが出来た。

・計画的な農地購入や施設・機械の整備を行い、新規品目の導入や既存品目の拡大が図られ、安定的な収益が見込めるようになった。

農業次世代人材投資資金

の活用例

ばれいしょ 130a根深ねぎ(ハウス)10a露地いんげん 10a施設いんげん 13a

ばれいしょ 110a根深ねぎ(ハウス) 10a露地いんげん 20a施設いんげん 13a

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

あいこう しんいち

みなみおおすみちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 83: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

鎌田 嗣海 さん(41歳)

経営の推移と今後

オクラ 30aスナップえんどう 30a

・葉物野菜中心の品目に転換・平成26年4月に経営を法

人化・地域の若手農業法人等で販

路拡大を目的とした共同出荷グループを結成

新規就農までの経緯・背景実家は建設業であり、高校卒業後、12年ほど建設業に従事していた

が、人間にとって大切な「食」に関わる仕事がしたいと考え、就農を決意し、平成23年に経営開始。

鹿児島県指宿市

キャベツ 4 haレタス 5.5ha

経営初期(1年目) 2~4年目 現在(5~7年目) 今後の目標(6~8年目)

経営発展のポイント

・地域の栽培者が多いオクラ、スナップえんどうを作付。初年の売上は100万円程度

キャベツ 20haレタス 10haオクラ 90aその他露地野菜10ha

・外国人研修生の受け入れ・農薬、肥料の業者と共同で

低コストかつ安心安全な野菜作りを模索中

・売上は約8千万円

キャベツ 22haレタス 11haオクラ 90aその他野菜20ha

・施設園芸に挑戦・新規品目の導入・軽労働作業での高齢者雇用・目標売上は1億円

・就農1年後に、機械化による規模拡大が可能な品目に転換し経営発展。・行政・JA・農業者等との繋がりを大切にし、情報を収集。・県単事業等を活用し、規模拡大に必要な農業機械の導入や農地の確保。・農業次世代人材投資資金等を活用することで、設備投資による経営基

盤づくりが可能となり、計画以上の経営拡大を実現することができた。就農当初は家族経営だったが、雇用労働力を活用した法人経営を目指し、就農3年目の平成26年4月に株式会社「カマタ農園」を設立。

(営農類型:露地野菜)(法人・平地)

設備投資等、経営基盤作りの資金として活用。

農業次世代人材投資資金

の活用例

• 積極的に新規作物の栽培に取り組む。

• 新たな雇用を創出できるような仕組みの構築。

• 社員、研修生と共に地域の方々とふれあいを大切にし「地域ぐるみでの農業」の取り組みを目指す。

今後の取組

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

かまた つぐみ

いぶすきし

後列中央が鎌田さん

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 84: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

高井 啓さん・美奈子さん

経営の推移と今後

施設ミニトマト5a、露地モモ20a(収穫無)等(ハウス2棟)

・3年目から技術向上を実感。単収3→7t/10a

・臨時雇用1名から3名に増加、制度資金も活用

・農業所得100万円超

新規就農までの経緯・背景

夫は自動車鈑金、妻は保育士として民間企業に勤めていたが、農業という仕事に将来性を感じ、夫婦で就農を決意。市の担当者の紹介により、近隣の農業者の元で1年間研修。研修中に農業委員会に通いつめ、農地を見つけ平成24年春に就農。

経営発展のポイント

青森県平川市

・モモを初めて収穫・ミニトマトジュース

づくりに試行錯誤・農業所得300万円超・現在も農閑期はアルバイト

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:施設野菜、露地果樹)

今後の取組

・通年雇用できる体制を構築・ミニトマトの加工のため、

作業場・加工場の建設を検討・農業所得の目標は500万円

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

施設ミニトマト14a、露地モモ20a等(ハウス5棟、加工場等)

・生活費1年分位を用意して就農したが、農閑期のアルバイト等で生計を維持

・毎年少しずつハウス増設するなどして経営規模を拡大。・経営3年目から、生産技術の向上が実感でき収量、品質も安定。・5年目にミニトマトジュースの委託加工・販売を開始。・妻が食品衛生責任者の資格を取得し、市の共用の加工場を活用して

ミニトマトジュースの品質向上を検討。・食害・雪害により、モモの生育管理がうまくいかなかったが、管理

防除の徹底により、6年目に初めてモモを収穫。

資金の活用例

施設ミニトマト12a、露地モモ20a (収穫無)等(ハウス4棟)

施設ミニトマト14a、露地モモ20a(販売無)等(ハウス5棟)

(48歳) (48歳)

・ハウスの取得費用

・運転資金

・通年で販売・雇用ができるよう、ミニトマトの加工施設を整備し6次産業化に取り組みたい。

・モモの生産を軌道に乗せたい。

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

Page 85: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

小林 章悟 さん (32歳)

経営の推移と今後

ニラ 22a(ハウス12棟)

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

群馬県伊勢崎市

・契約栽培による所得確保でパート2名を安定雇用。

・売上は約1,200万円

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:ニラ)

今後の取組

ニラ 10a → 34a(3年目にハウス全壊)(2年かけてハウスを再建)

ニラ 38a(ハウス1年株:9棟

2年株:9棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

ニラ 50a(ハウス25棟)

・平成24年2月に経営開始・JAのハウスリース事業を

活用して、ハウスを取得・農業所得は0~100万円程度で推移

・地元の青年農業者の会やJA青年部に所属することで、幅広く情報を収集するとともに、試験圃場を設置して栽培技術を改善。

・インターネットを活用し、トラクターを中古で導入したり、資材の廉価品を調達するなど、運転資金に負担をかけない経営を実践。

・ぐんま農業フロントランナー養成塾に参加し、群馬県の経営指導を受けて経営計画を作成・実行。

・先進地調査等を行い、栽培技術向上により多収量を実現し、業務用の契約栽培により周年出荷体系を構築。

資金の活用事例

・点在している農地を集約化・更なる収量増加に向けて、資材

の選定や栽培技術の向上を検討・契約栽培比率を高め、安定した

周年出荷と周年雇用を実現・農業所得の目標は、1,000万円

・経営初期の運転資金や生活費の支えとなった。

・H26年2月の雪害の際には、資金があったお陰で、営農を継続することが出来た。

保育士資格を取得し託児所経営をしていたが、近隣農家から地域の農業者の高齢化の話を聞き、農業への転職を決意。先進農家で半年間の研修中に、農業の可能性や独立志向への想いが日増しに強くなり、平成24年に就農。

・契約販売、農協及び個人店など幅広く販路を開拓し、安定した収入を実現する。

・農業の可能性を広く伝えていき、将来は人材育成を図りたい。

・平成26年2月の大雪で営農継続の危機。

・雪害を受けたニラの株を再生させ、農業所得を確保。

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

Page 86: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

藤谷 龍太さん(35歳)

経営の推移と今後

施設花き・トマト(ハウス18a)露地野菜(30a)

・ラナンキュラス主体に経営転換

・JAの紹介で農地を拡大・農業収入は約2千万円まで

増加するも、設備投資を行い農業所得は約100万円

新規就農までの経緯・背景

民間会社に就職したが、親の農業経営(花き、水稲)が縮小していくのを見て、もったいないと感じ、就農を決意。浜松市内の農業法人で1年間トマトの研修をした後、知人から農地を貸借して平成24年に就農。

経営発展のポイント

静岡県浜松市

・JAの紹介で農地をさらに拡大しハウスを増設

・補助事業を活用し、ハウス加温機、肥料散布機を導入

・農業所得は約250万円

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:施設花き・トマト、露地野菜)

今後の取組

・坪単価の向上・雇用者の技術向上等のマネ

ジメント能力を研鑽・ラナンキュラスの観光農園

を開設・売上目標は3千万円

経営初期(1~2年目)3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

・スイートピー主体の経営・未熟な花き栽培技術につ

いては、親、JA部会、花き研究会から習得

・県主催の経営講座を受講

・県主催の経営講座を受講し、経営ノウハウを向上。・経営2年目に、種苗会社の勧めで浜松市では生産が少ないラナンキュ

ラスの栽培を開始するため、静岡市の農業者の元に通い技術を習得。・就農支援資金(無利子融資)、経営体育成支援事業等を活用し、機

機・施設を整備。調整作業等の機械化により、生産コストを削減。・48aから153aに経営規模を拡大(親の経営面積もほぼ継承)。・多種類の品種の生産や旬の時期のイベント企画等で売上額を向上。・労働力は、夫婦、パートの7人体制を確保。雇用労働の確保のため、

短時間勤務や柔軟な休日取得など働きやすさに配慮。

資金の活用例

施設花き・トマト(ハウス22a)露地野菜(110a)

施設花き・トマト(ハウス33a)露地野菜(120a)

施設花き・トマト(ハウス33a)露地野菜(120a)

・ハウス等の取得費用

・運転資金

・ラナンキュラスの観光農園を開設し、売上3千万円を目指したい。

・5年間で規模拡大を済ませることができたので、今後も坪単価の向上や人材育成等により生産性を高め、さらに利益率を向上させたい。

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

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荒木 喜裕さん(37歳)

経営の推移と今後

菌床しいたけ、露地野菜(15a)

・経営開始型の資金を活用し育苗ハウスや軽トラックを購入

・売上が約1千万円に到達し、農業所得200万円超

新規就農までの経緯・背景農業資材メーカーに勤務していたが、ある取引先との出会いがきっか

けで、就農を決意。新・農業人フェアに参加して就農に向けての情報収集を踏まえ、北海道と静岡県で合わせて約3年間のしいたけと露地野菜の研修をした後、地元の浜松市で平成24年に就農。

経営発展のポイント

静岡県浜松市

・経営6年目に法人化・菌床製造に必要な設備の

一部を導入・露地野菜の経営規模を拡大

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:菌床しいたけ、露地野菜)

今後の取組

・菌床製造の設備を完成させ、生産コストを低減

・しいたけ以外の品種の栽培を検討

・栽培技術の向上に取り組み、収量と販売単価を向上

・売上目標は1200万円

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

・飛び込み営業で販路拡大に取り組む

・1年目は害虫発生により3割ほど廃棄

・研修先に相談したり、文献を調べ、2年目からは病害虫の発生を回避

・浜松市の研修先の紹介で、以前しいたけ生産をしていた中古施設(栽培用施設・出荷調整用施設)を取得。

・自己資金として準備した300万円と、経営開始型の資金を活用し中古施設の修繕等に充てて経営開始。これまで無借金経営。

・県、市の主催する経営講座に参加し、経営ノウハウを向上。・JA、仲卸、産直、スーパー、飲食店、病院などに販路を拡大。・規模拡大に伴い、労働力として短期雇用含め4人を確保。・6年目に法人化し、株式会社アラキファームを設立。

資金の活用例

菌床しいたけ、露地野菜(22a)

菌床しいたけ、露地野菜(52a)

菌床しいたけ、露地野菜(52a)

・1、2年目:生活費のほか施設の修繕費等に活用。

・3年目以降:中古機械の購入、農地の取得、菌床設備の内製化等に活用。

・他社から購入しているしいたけの菌床を自社で内製化することで、コスト削減・利益率の向上を図りたい。

・しいたけ以外のきのこや野菜の栽培技術を向上し、年間を通した作業を確保することで、所得を向上させ、正社員が雇える経営にしていきたい。

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

Page 88: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

山川 真一さん・直子さん(37歳) (41歳)

経営の推移と今後

アスパラガス、カボチャ 16a

新規就農までの経緯・背景実家は壱岐市の非農家。壱岐島で宅配業をしていたところ、JA壱岐

市のアスパラガスの部会長からアスパラガスが儲かるとの話を聞いたことや、定年退職を迎えた親と一緒に仕事をしたいとの思いがあり、就農を決意。1年間JA壱岐市の研修を受けた後、空いている農地を賃貸借契約し、平成24年に就農。

経営発展のポイント

長崎県壱岐市

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:アスパラガス(施設))

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・経営1年目はアスパラガスの株の育成期間のため、カボチャで収益を補てん

・市の圃場整備事業、県のハウス建設補助事業を活用

・地域の交流会には、ほぼ全て参加

・就農前の研修は、座学のほかに農家研修を行い、就農後もすぐに相談できる関係性を構築。

・ハウス毎の収量を日々記録し、年毎の収量・規格の割合を比較したり、周辺の農家の販売単価と比較することによって、経営意識を向上。

・県や市の補助事業を活用して計画的に規模拡大できるように、市の担当者と小まめに相談。

資金の活用例

アスパラガス 28a アスパラガス 40a

・経営1年目の圃場整備費用等に充てられたため、うまくスタートダッシュできた。

・もし資金がなければ、現在の規模では農業ができていなかった。

・先進的な取組をしている同分野の経営者のセミナー等に参加し、経営ノウハウや栽培の知識を高めたい。

・土作りの徹底や省力化に取り組み、単価の高い高品質なアスパラガスを生産し、所得を増やしたい。そして壱岐でも新規参入で農業ができることを示していきたい。

・経営3年目にも、県のハウス建設補助事業を活用して規模拡大

・10a当たり収量で、島内の平均収量超を達成

・収量向上により経営が安定化

・繁忙期には1~2名の雇用を開始

・アスパラガス部会で若手の意見交換会を開催

・栽培の知識や技術を高め、品質・収量を向上

・法人化も視野に入れた規模拡大

・売上目標は1400万円

アスパラガス 28a

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

Page 89: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

穂波 真一さん・実花さん(33歳) (33歳)

経営の推移と今後

スイカ 55aホウレンソウ 30aトマト 20a

新規就農までの経緯・背景菊池地域のJAで9年間(そのうち資材関係5年間)働いていたが、

そこで同年代の農業者と話す中で、農業を始めたいという思いが強まり、合志市の知人から貸借した農地を主として平成25年に就農。

平成28年からは、優良農地が確保できた菊池市に移り、トルコギキョウの生産を開始。

経営発展のポイント

熊本県菊池市

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

(営農類型:施設花き)

今後の取組

スイカ 55aホウレンソウ 15aトルコギキョウ 10a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

・合志市で経営開始・春作はスイカ、秋作は

ホウレンソウを栽培・トマトは、競合する農業者

が多かったので、トルコギキョウへの作目変更を模索

・経営4年目から、農作業の負担軽減や反収向上を考慮し、困ったときでも周囲の農家から栽培のアドバイスを受けられるトルコギキョウを選択。

・前職での現場対応の経験もあり、わからないことはすぐに農家へアドバイスをもらいに行く重要性を認識しており、農家との信頼関係を重視。

・生産技術に関する知識や技術を向上させるために、他のトルコギキョウ産地の農家訪問や、地域の交流会に積極的に参加。

資金の活用例

スイカ 12aトルコギキョウ 25a水稲 30a

・施設や資材の購入等の費用に充てた。

・資金がある安心感により、交流会や勉強会にも積極的に参加することができた。

・菊池市での経営に移行・トルコギキョウの栽培を

開始し、主作物にすると決意・農地は前職の知人の斡旋に

より確保

スイカ 20aトルコギキョウ 60a

・農地の拡大と法人化・台風に強い施設の導入や、

リスク回避に新たな作物の栽培にも挑戦

・売上目標は3,000万円

・所得の見通しが立ち始め、規模拡大と家族との時間のの確保のため、アルバイト4名とパート3名の雇用を開始

・10年先も家族を養うことを見据え、法人化や新たな作物の生産を開始するとともに、トルコギキョウの農地面積60aを目指し、売上を増大させたい。

・すでに農業大学校の学生から、トルコギキョウを栽培したいとの相談も受けており、今後の新規就農者を牽引する経営を目指したい。

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

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及川 勇一さん・綾さん

経営の推移と今後

施設メロン等 ハウス4棟露地野菜 200a

・天候不順もあったが、周囲の農家からの協力に助けられた

・近所の農家から中古のパイプハウスを譲り受ける

新規就農までの経緯・背景神奈川県で11年間自動車整備業で働いていたが、家族がいつも一緒に

いることができる自営業に憧れがあった。以前バイクでツーリングをしていた北海道での就農を検討。その後、新・農業人フェアで情報収集をしながら、いくつかの農業法人で就業し、 終的に就農場所として多角経営が可能な名寄市で研修を開始。研修2年目に離農する人がおり、その人から第三者継承を受け、平成24年に就農。

経営発展のポイント

北海道名寄市

・離農者から農地を賃借して面積を拡大

・栽培技術の向上により、生産量が増加したが、人手が足らずに収穫しきれなかったものもあった。

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:施設野菜、露地野菜)

今後の取組

・家族を安心して養えるように、拡大した農地と労働力のバランスがとれた農業経営を実現し、さらに収益を高めた農業を目指す。

施設メロン等 ハウス6棟露地野菜 200a

施設メロン等 ハウス8棟露地野菜 400a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

施設メロン等 ハウス8棟露地野菜 400a

・平成24年に経営開始・初期の経費がかかったた

め赤字・メロンとスイートコーン

の作業が重なり苦心した

・生活費や経営費用に充てている。給付金がなかったら、来年の農業が不安になった場面もあった。

・離農者から農地、機材等を引き継ぎ、初期投資を抑制。・中古の農機やハウスの導入を積極的に行い、自動車整備業の経験を活か

したコスト削減を実践。・4軒の農家とコンバインを共同購入し、導入コストを削減。・メロンの直接販売に取り組むとともに、スイートコーンの安定生産に

努めることにより、収入を安定化。

給付金の活用

・過疎化が進んでいる地域であり、農地の預け先として期待されている。また、機械オペレーターとして地域の農業の一翼を担っている。

・一方で、夫婦2人だけでは規模拡大に限界がある。労働力に合った規模拡大を実現するため、工夫して人手を確保し、さらなる所得の増大を図りたい。

(45歳) (34歳)

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

Page 91: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

深沢 英明 さん (42歳)

経営の推移と今後

トルコキキョウ 10a(ハウス4棟)

・県単事業でビニールハウスを導入し、規模拡大

新規就農までの経緯・背景

民間会社に18年勤めていたが、農地の贈与を機に、家族といる時間を増やすため、美郷町で妻とともに平成24年に就農。

経営発展のポイント

秋田県美郷町

・県単事業でトラクターを更新し、主な経営資産は取得

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:花き)

今後の取組

・経営面積を増やし、さらなる規模拡大

・農業収入目標は400万円

トルコキキョウ 12a(ハウス6棟)

トルコキキョウ 12a(ハウス6棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

トルコキキョウ 15a(ハウス8棟)

・平成24年に経営開始・県単事業でビニール

ハウスを導入・経営初期から4年目の農業所得は

マイナス

・経営1年目は、品質も悪く、適正な出荷時期も分からなかったため、農業収入も低かったが、先輩花き農家の助言を得ながら、高値のつく時期や品種、形状を考慮した栽培に取組み、収入を向上。

・経営当初は、苗を全量購入して花を栽培していたが、年々育苗を増やし経費を削減。

・出荷している花き市場の販売数量、販売単価、平均単価等のデータを収集し、集積したデータを分析し活用。

給付金の活用

• 主に5年後の経営を見据えた設備投資

・経営面積を増やすとともに、栽培技術の向上に取り組んでいきたい。

・集積した価格動向のデータを活用し、高値となる出荷時期や人気の品種を考慮した栽培に組んでいきたい。

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

Page 92: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

宮﨑 章央さん (41歳)

経営の推移と今後

施設イチゴ(ハウス1棟)露地野菜 計30a

・直売所の販売方法が委託販売から買取販売に変更(売れ残りリスクがなくなる)

・自己資金でハウスを増設

新規就農までの経緯・背景

民間企業退職後に海外生活を経験。帰国にあたって、自分で経営できる産業に興味を持ち、就農を決意。兵庫県楽農生活センター(就農コース)で1年間の実践研修を受けた上で、平成24年度に就農。

経営発展のポイント

兵庫県神戸市

・農業収入が伸び農業所得が黒字化

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:施設野菜、露地野菜)

今後の取組

・更なる規模拡大が目標・夏野菜では多品目の栽培を目

指す・農業所得の目標は600万円

施設イチゴ(ハウス2棟)露地野菜 計40a

施設イチゴ(ハウス3棟)露地野菜 計40a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

施設イチゴ(ハウス5棟)露地野菜 計70a

・平成24年に経営開始・経営初期の農業所得は

マイナス

・給付金を農業用機械、軽トラックの整備などとして活用。

・給付金がなければ、就農時に必要な農業機械への投資ができなかった。

・農業経営の軸となる施設野菜(イチゴ)の栽培をメインにしつつ、夏野菜の栽培も開始。

・農地の借り先である地主に、近隣で農地の斡旋を予め依頼していた結果、隣接地の農地を確保でき、スムーズに規模拡大。

・周辺に直売所が複数あり、住宅地も近いので消費者も多く、就農地が好立地。

・更に規模拡大を図っていきたい。

・夏野菜では多品目の栽培を目指し、そのためには人手も増やして行きたい。

給付金の活用

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

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眞辺 高平 さん (45歳)

経営の推移と今後

施設ニラ 20a→30a露地ニラ 5a→15a

・コスト削減と栽培技術向上の取組を推進

・農業所得は約180万円

新規就農までの経緯・背景

NPO法人で森林ボランティア等をしていたが、契約期間終了のタイミングで、地元のニラ栽培農家が、栽培を引き継いでくれる人を探していることを知り、第三者継承で就農。

経営発展のポイント

高知県佐川町

・県単事業で、環境制御装置を導入。

・農業所得は約530万円

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:施設ニラ、露地ニラ)

今後の取組

・高品質、高収量栽培技術の確立

・農業所得の目標は600万円

施設ニラ 30a露地ニラ 23a

施設ニラ 30a露地ニラ 23a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

施設ニラ 30a露地ニラ 23a

・平成24年に経営開始・ハウスを贈与により取得・農業所得は約50万円

・以前、ゴルフ場で芝の管理の仕事をしていた時に、農薬管理士の資格を取得。当時の農薬散布や農業機械の取扱い経験をそのまま農作業に活用。

・栽培技術や経営ノウハウについては、JAの営農指導員、部会の先輩農家、県の普及指導員等からの助言や、勉強会等で習得。

給付金の活用

・ 当初の設備投資で自己資金がほとんど底をついたとき、給付金があることが、大きな心の支えになった。

・栽培技術の向上や環境制御装置の効果的な活用等により、収量アップと品質の向上を図り、所得増を目指したい。

・臨時雇用も取り入れながら、無理のない範囲で規模拡大にも取り組みたい。

・販売、物流についての知識を深めたい。

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

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高崎 翔平さん (31歳)

経営の推移と今後

ミニトマト 25a(ハウス1棟)

・通年雇用を目指し、夏トマト用の中古ハウスを取得

・良食味品種の「ピッコラカナリア」の作付け開始

・収益性はあまり上がらず、農業所得は0~100万円程度で推移

新規就農までの経緯・背景トマトが大好きで子供の頃からトマト農家になるのが夢で、大学卒業

後、雇用就農を約4年間しながら、独立に向けた技術習得や資金を準備。独立時には、県の普及指導員の案内でミニトマト農家を見学したり、雇用就農先からハウスの紹介してもらう等の支援を受けて就農。

経営発展のポイント

宮崎県西都市

・経営目標を反収増加に重点化し、規模縮小する代わりに、収益性の高い品種「小鈴」に品種転換し、収益改善を図る

・新たな販路として、ふるさと納税の返礼品向けを開拓

・農業所得は350万円を予定

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:施設野菜(ミニトマト))

今後の取組

ミニトマト 55a(ハウス2棟)

ミニトマト 25a(ハウス1棟)

経営初期(1~2年目) 3~4年目現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

ミニトマト 25a(ハウス1棟)

・平成24年5月に経営開始・経営2年目に市の補助事業で

ハウス循環扇を設備投資・ハウスの改修費等の影響で、

給付金がなければ赤字経営

・ハウス施設の修繕経費・食味は良いが栽培管理が

難しい品種「ピッコラカナリア」の導入にチャレンジした際、収量が減少した分の所得の補てん

・経営開始2年目に、ハウス内を省エネルギーで温度管理するために、市の補助事業を活用して循環扇を12台導入。

・経営2~4年目の売上は、約500万円/10aで、目標の7割。5年目は収益性の高い品種「小鈴」を導入し、収益改善を推進。

・資材メーカーが主催する環境制御技術(温度やCO2濃度を 適化し光合成効率を 大限にする技術)のセミナーに参加し、栽培技術の向上や今後の設備投資についても検討中。

・H28年から、ふるさと納税の返礼品向けに新たに販路開拓し、市の特産品の1つとして、地域のPR活動に貢献。

給付金の活用

・「小鈴」よりもさらに収益性の高い品種を導入し、売上げ700万円/10aを実現

・農閑期を利用して、県外の資材メーカーで 先端の研修施設で栽培技術を向上

・給付金で5年間支援を受けたので、6年目から自立していく自信はある。

・今後の取組は、先ずは、今の規模の経営を確立し収益基盤を立てること。そして将来的には、現在勉強している環境制御技術を 大限に発揮できる硬質ハウスを導入して、売上1,400万円/10aを目指したい。

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

Page 95: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

野口 拓朗 さん (35歳)

経営概況

就農までのみちすじ

アスパラガス ハウス8棟(20a)ブロッコリー 250aジャガイモ等 60a

平成22年就農を決意退職

平成23年農協でインターン

儲からない? やってみなければわからない!

自動車整備会社に勤務していましたが、自分自身が経営者となって独立したいと思うようになり、祖父がやっていた農業がその選択肢の一つになりました。

「農業は儲からない」との周囲の声に反発する形で、就農を決意しました。やってみなければわからないですから。

雇用を確保しつつ、規模拡大

就農するに当たって、高松市に相談したところ、農協へのインターンを薦められました。そこで施設アスパラガスを学び、平成24年度から経営を開始しました。

今後は施設を増設するなど規模拡大を図っていく予定ですが、一人でできることには限界があるので、雇用も検討しています。また、飲食店など新たな販路も拡大し、アスパラガスを幅広く販売していきたいと考えています。

香川県高松市

これから就農する方へのメッセージ平成24年就農

青年就農給付金(経営開始型)のぐち たくろう

天候不順など自分の思いどおりにいかないこともありますが、自分の『商品』が収穫できたときの喜びを味わってもらいたいです!

たかまつし 平成30年度 更新

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

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【愛媛県】営農類型:野菜・中山間(馬鈴薯)

横田 一樹 (37 歳) 新規参入

喜多郡内子町

1 就農の動機・理由

高校卒業後、農林水産関連の卸売会社

に就職。当時、外まわりの仕事で生産現

場を目にする機会が多く、一生懸命、農

業に取り組んでいる方々の姿を見てきた。

幼い頃から植物を育てることが好きだっ

たこともあり、次第に農業への興味が増

し、やがて憧れに変わってきた。その想

いが募り、非農家出身ではあったものの、

農業の自立経営を目指すことを決意した。

はじめに、県の窓口に就農相談。その

後、県外の農業法人においてばれいしょ

栽培を一から学んだ。当初から県内での

就農を考えていたため、松山市(消費地)

に近く、新規就農希望者への支援が充実

している内子町に就農することに決めた。

2 農業経営の概要

○経営の展開

就農前の経営

現在の経営

(平成 30 年)

将来の経営

(平成 35 年)

男1人(本人)

女1人( 妻 )

男1人(本人)

女1人( 妻 )

畑 95a 畑 95a

経営内容

ばれいしょ 春15a秋15a にんじん 春 15a 秋 25a とうもろこし

15a その他野菜(ス

イスチャード、ミ

ニきゅうり等) 10a

ばれいしょ 春15a秋15a にんじん 春 15a 秋 25a とうもろこし

15a その他野菜(ス

イスチャード、ミ

ニきゅうり等)

10a

○農業用施設

倉 庫 2棟

○主要農業機械

トラクター 1台、2tトラック 1台

収穫機 1台、ばれいしょ磨機1台

ばれいしょ選別機1台、 管理機3台

運搬車 1台、動力噴霧機 2台

予冷庫 1台

3 あしあと

(1) 就農までの主な経歴

出 身 地 愛媛県松山市

職 歴 農林水産関連卸売

農業法人(鹿児島県)

就農研修歴

営農インターン推進事業(えひめ農

林漁業振興機構事業)

(平成 23 年 12 月~25 年 2 月)

内子町新規就農研修支援制度

(平成 23 年 10 月~25 年 10 月)

就農年月 平成 25 年 3 月

(2) 就農後の経営の展開過程

国営パイロットで、ばれいしょの栽培

を始め、その後、にんじんやとうもろこ

し等の野菜栽培に取り組んできた。いず

れも栽培管理技術の向上や安定生産に力

を入れている。

ばれいしょやにんじんは、主に地域の

学校給食や市場に出荷し、その他の野菜

は直売所に出荷している。

4 就農時の取り組み

(1) 就農地の確保

内子町農村支援センターの斡旋によ

「県内一のばれいしょ生産農家を目指す!」

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【愛媛県】営農類型:野菜・中山間(馬鈴薯) り、町内の国営パイロット内に約 80aの

農地を借入れ就農開始。その後更に農地

を借り、土壌改良をしつつ徐々に栽培面

積を増やしてきた。

(2) 技術・経営能力等の習得

ばれいしょの栽培は、鹿児島県の農業

法人で基本技術を習得。その後は、就農

地で周辺農家や普及機関の方々から指

導を受けながら、ばれいしょやにんじん

等の栽培に取り組み、その土地に合った

栽培方法を実践的に身に付けた。

(3) 資金の確保

青年就農給付金(経営開始型)を受給

し、関係機関と相談しながら、農業経営

に必要な農業機械・施設等の整備を計画

的に進めた。

(4) 住宅の確保

内子町新規就農研修支援制度を活用

し、研修施設に入居。この間に、現在の

住居を探すことができた。

(5) その他

平成 25 年度より、内子町青年農業者

協議会に入会し、会員相互の情報交換や

仲間づくりに努めている。

5 農業経営の特徴

就農当初から、ばれいしょの栽培にこ

だわった農業を展開。品種は、内子町の

気候や土地条件、出荷先を考慮して選抜

し、2L~L階級の高品質生産に努めて

いる。安定生産に向け、ソルゴーなどの

緑肥を積極的に投入し土壌改良に取り組

んでいる。

6 今後の経営目標

今後は、更なる栽培技術向上を図り、

生産量を増加、安定させ、ばれいしょで

地域ブランドが確立できるような経営を

目指している。連作障害の対策のために

も、借地面積を増やし、休耕地を含んだ

輪作体制を確立したい。また、地域にお

ける中心的な担い手となれるよう努力し、

耕作放棄地の解消などにも尽力したい。

7 成功したキーポイント

内子町や普及機関の方と相談しつつ、

農業経営に取り組めたこと。

8 就農を目指す方へのアドバイス

新規参入の場合、農業に対するやる気

や思いは当然必要ですが、想像以上に大

変な職業だと思います。実際に一年間、

農業体験をしてから就農することをお勧

めします。

○指導機関からのひとこと

新規に農業参入されたことから農地の確

保や農業機械の整備など、苦労が多かった

と思いますが、持ち前の行動力で、これら

の課題を乗り越えてこられました。今後と

も、地域農業を支える若い担い手の一人と

して、更なるご活躍を期待しています。

執筆機関

愛媛県南予地方局産業経済部八幡浜支局

地域農業育成室 大洲農業指導班

電話番号 0893-24-4125

自慢のばれいしょ

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24年度採択(果樹)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例です。

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荒 真仁 さん (36歳)

経営の推移と今後

生食用ぶどう 180a

・醸造用ぶどう棚を整備・ワイン製造販売会社と

の契約栽培を開始・農業所得は約100万円

新規就農までの経緯・背景

不動産関連の会社で働いていたが、ものづくりに興味を持ち、農業への転職を決意。栽培技術習得の為、町内の義理の祖父の果樹園を手伝う傍ら、町内で農地を探していく中で、ぶどうの栽培に適した農地と出会い、平成22年に就農。

経営発展のポイント

北海道余市町

・醸造用ぶどうの栽培面積を拡大

・酒類販売業免許を取得・農業所得は約250万円

・雇用人数を増やして栽培面積を拡大したい

・自身の畑で栽培されたぶどうを原料としたワイン

を委託醸造して自分で販売したい

(営農類型:果樹)

今後の取組

・栽培技術の更なる向上・品質の良いぶどうを作りブラ

ンド化を目指す・農業所得の目標は500万円

生食用ぶどう 230a醸造用ぶどう 215a

生食用ぶどう 170a醸造用ぶどう 300a

経営初期(1~3年目) 4~6年目 7年目~現在(9年目) 今後の目標(10年目~)

生食用ぶどう 170a醸造用ぶどう 300a

・平成22年に経営開始・既に植栽されていた生

食用ぶどうを販売・農業所得は約50万円

農業資材・機械の購入費

・生食用と醸造用ぶどうを生産。デラウエアやケルナーのほか、余市町では珍しいシルバーナという品種も手掛け、差別化を図る。

・平成25年度に経営体育成支援事業を活用し、スピードスプレーヤーを導入することで作業の効率化と効果的な病害の防除を図り、安定的な収量の確保に努める。

・平成28年度まで余市町農業協同組合青年部の部長を務め、地域の若手農業者との交流や連携に努める。

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

あ ら ま さ ひ と

よいちちょう

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成30年度作成

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佐藤 志峰 さん (37歳)

経営の推移と今後

リンゴ 50a

・新たにモモを植栽して園地を拡大した。

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

秋田県鹿角市

・4年目にリンゴ50aを新たに新植し、園地を拡大した。

(営農類型:果樹)(中山間)

・リンゴ:ふじ、昴林、トキ、シナノスイート等

・モモ:川中島白桃、あかつき等

リンゴ 50aモモ 50a

リンゴ 100aモモ 50a

経営初期(1年目) 2~3年目 現在(7年目) 目 標

リンゴ 100aモモ 100a

・平成23年に離農者からリンゴ園地を借りて営農を開始した。

・就農当初は、少量多品種のリンゴ栽培とし、直売所で販売していたが、面積、生産量の増加に併せて直売所、贈答用、JA等市場向けにも販路を広げ、価格変動リスクも意識し、リンゴとモモの栽培を行っている。

・鹿角地域は、気温の日較差が大きく、高品質の果実が生産できる。・直売所などの地元消費者から直接取引や市場出荷など多様な消費者

ニーズに対応できるよう、総合的に考えた品種構成とし、安定した生産、収益の確保に心掛けている。

・「自分で作ったものを、自分で売ってみたい」という思いがあり、果樹は水稲のように大規模な機械等も必要としないことから、非農家の自分にも出来るのではと就農を決意。

・鹿角市研修制度を活用し、地元の果樹農家で2年間、リンゴ栽培を学んだ後、平成23年に就農した。

今後の取組・今後は、無袋栽培等、コスト労力の削減が可能な品種の導

入を行い、目標所得600万円を目指して規模の拡大を行いたい。

・園地の規模拡大に伴い、繁忙期には、パートタイム雇用を確保する必要がある。

・雇用者が働き易い環境とするため、作業日を柔軟にし、休日が取れるような就業条件を考えたい。

・改植や新植を適切に行い、園地の生産性を高め、納得のいく品質と収量が得られるようにしたい。

農業次世代人材投資資金の活用例

・農業次世代人材投資資金でモモやリンゴを新植する際の苗木購入資金として有効に活用することが出来た。

さとう しほう

かづのし

農業経営改善計画の認定状況:経営開始1年目に認定済み

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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国重 左門さん(40歳)・妙子さん (40歳)

経営の推移と今後

果樹 135a

・良品以外の販売にも力を入れる(家庭用商品の導入、直売所の活用)

・りんごジュースや秘伝豆の味噌など生産した農作物の加工、販売にも取り組む

新規就農までの経緯・背景大阪府でサラリーマンをしていた山口県出身の左門さんは、脱サラして農業

を専業化した義父の影響で農業に興味を持ち、山形の大規模な農業に魅力を感じ、結婚を機に妙子さんの実家のある寒河江市に移住。隣町の河北町で2年間研修中、子育てに専念していた妙子さんは農家との交流を通して、成功している農家の多くが夫婦で力を合わせていると気づき、就農を決意。その後、夫婦で平成20年に就農。

経営発展のポイント

山形県寒河江市

・これまで定着してきた顧客の口コミや贈答先からの注文により新規顧客を獲得

・加工用桃の成木化に伴い収量増加

(営農類型:果樹)(平地)

今後の取組

・スーパーや業者など、自分で決めた価格で販売できる販売先を拡大

・農業所得の目標は1,000万円

果樹 200a 果樹 200a

経営初期(1~5年目) 6~10年目 現在(11年目) 今後の目標(12~14年目)

果樹300a

写真

・平成20年に経営開始・借入した農地の状態や経験不足の

ため病害虫の発生により就農当初は収量ほぼなし

・農業次世代人材投資資金の給付が始まるまで、貯蓄を切り崩し生活

・就農初年度からホームページやダイレクトメールの活用に取組み、4年目で黒字経営

農業次世代人材投資資金を農業機械格納庫の建設費用に活用

・安心・安全でおいしく食べられる作物をという信念のもと、農薬の使用は極力減らし、100%有機質の肥料を使用している

・経営初年度からホームページやダイレクトメールを駆使し、農園の四季や農作業、旬の果物について紹介し、顧客とのつながりを大切にしている

・自らが食べておいしいと思ったものを作付品種として選択し 、その中には市場にあまり出回っていない品種も含む。 (桃約10品種。うち加工用3品種)

・市場での流通が少ない品種をインターネットで検索された際に、当農園のホームページが上部に表示されるため、知名度もアップ

農業次世代人材投資資金

の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

くにしげ さもん

さがえし

たえこ

農業経営改善計画の認定状況:経営開始6年目に認定済み

認定農業者としてスーパーL資金等を利用し、作業の機械化を行い、効率化を図る。

農業所得1,000万円を目標。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 102: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

関根 幹弘 さん (47歳)

経営の推移と今後

モモ50a、カキ40a、ブドウ15a• モモが排水不良で5

0%程度枯死。• ブドウは高温による着

色不良。• カキ順調。

農業関連の仕事をする中で果樹に興味を持つ。農産物に自分で価格をつけられる直売が理想と合い就農を決意。果樹関連の仕事をしていたことから栽培管理など基礎知識は習得しており、平成22年から果樹栽培を開始した。

新規就農までの経緯・背景

• 果樹関連の仕事をしていたことから栽培や経営の基礎知識は習得済み。• 県農業技術センターで開発されたモモの根域制限栽培を導入し高糖度

なモモを販売。• カキは樹上脱渋技術による高品質高付加価値化。• ブドウは他県農家の先進的技術を取り入れる。• 高付加価値化により贈答用を中心に全量直売を行っている。• 研修生を受け入れ新規就農者の独立支援を行っている。

経営発展のポイント

群馬県太田市

• 付加価値の高い栽培技術の確立はできたが、生産が安定していないので労務管理も含め高品質安定生産を図る。

• 研修生を受け入れ就農希望者の独立支援を行い、地域のリーダーとなるような担い手を育てたい。

(営農類型:果樹)(平地)

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~7年目 現在(8年目) 今後の目標(9~10年目)

果樹は所得が得られるまで4~5年かかるため、生活費としても大変助かった。経営初期は栽培が思うようにいかず資金繰りが大変だったので、資金がなければ経営継続が難しかったかもしれない。

農業次世代人材投資資金

の活用例

モモ50a、カキ40a、ブドウ15a• モモは排水不良を改善し

独自の技術開発を図る。• ブドウは品種を切り替え。• カキは一部加工を開始。

モモ50a、カキ40a、ブドウ15a• 栽培技術が確立できモモ、

ブドウともに生産が安定。• 全量直売している。• 近代化資金で直売所を新設。

モモ50a、カキ40a、ブドウ15a• 樹が育つとともに生産

量の増加が見込まれるため安定生産を図りたい。

• 売上目標1,500万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

せきね みきひろ

おおたし平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 103: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

酒井 啓充さん (44歳)・ 良子さん(46歳)

経営の推移と今後

イチジク 45a

・露地野菜(キャベツ等)栽培面積を拡大、JA出荷

・キウイフルーツ園を借受・農業所得は約250万円

新規就農までの経緯・背景

大学農学部森林資源科学科を卒業、ドイツ留学を経験。

農業に魅力を感じ、常滑市のイチジク農家で1年間の研修後、

平成21年11月に常滑市内に就農。

経営発展のポイント

愛知県 常滑市

・果樹・野菜の複合経営・ジャムなどの加工品・農業所得は約400万円

(営農類型:果樹、野菜)(平地)

今後の取組

・付加価値を高める家族経営・加工品売上の向上・農業所得の目標は600万円

イチジク 45aキウイフルーツ 17a露地野菜 50a

イチジク 15aキウイフルーツ 17a露地野菜 150a

経営初期(1~2年目) 4~5年目 現在(9年目) 今後の目標(15年目)

イチジク 15aキウイフルーツ 17a露地野菜 150a

・平成21年に経営開始・JA部会のサポートにより

イチジク栽培技術を習得・農業所得は約60万円

・農業次世代人材投資資金は、生計の維持に活用。・就農支援資金は、就農当初のイチジク開園、露地野菜規模拡大のための機械購入など経営発展のポイントで活用。・研修先農家をはじめJAあいち知多いちじく部会のサポートや研修会等

でイチジク栽培技術を向上。白イチジクや黒イチジクも栽培。・就農3年目から露地野菜(キャベツ)の栽培も始め、就農5年目には

野菜移植機などを購入、露地野菜を規模拡大。JA部会での栽培支援。・補助事業の活用によりイチジク雨よけハウス設置や野菜移植機等の購入、

地元の営農組織からトラクターなど農業機械をリース。・高齢化した生産者のキウイフルーツ園を借受。・夫婦二人三脚で経営計画を作成し実践。・イチジク・キウイフルーツジャムの加工と販売(直売)。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

・イチジク、キウイフルーツ、露地野菜の複合経営により経営安定を図る。

・露地野菜については市場からの需要の高い品目を栽培する。・加工所を設置し、ジャム等加工品の売上向上を目指す。・家族経営で高付加価値生産による所得向上を目指す。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

さかい ひろみつ

とこなめし

りょうこ

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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片山 篤 さん(52歳)

経営の推移と今後

・6年目に販売を行う株式会社を設立

・農業所得は約150万円

新規就農までの経緯・背景実家は兼業農家。実家の農業を手伝うかたわら民間企業に勤務。農業

へのあこがれが強く、農業大学校の社会人向け週末コース受講を経て、平成22年度地元で就農。

経営発展のポイント

きのかわし

和歌山県紀の川市

・地域で農業塾を立ち上げ、新規就農者育成に取り組む。

・売り上げの約半分はSNS等ネットを活用した個人向け直販。

・農業所得は約250万円(平成27年)

(営農類型:果樹,水稲(平地))(中山間)

今後の取組

・雇用等による新規就農者支援・首都圏への新たな販路開拓・農業所得の目標は500万円

モモ 85aその他果樹 81a水稲 200a

経営初期(1~4年目) 5~6年目 7年目~現在(9年目) 今後の目標(10~12年目)

・初年度の農業所得は約-50万円。2年目からネット販売を開始

生活費のほか、農機具等の購入に活用

・就農後自然農法と出合い、無肥料・無農薬栽培(桃以外)を開始。桃、柑橘類、米、野菜、梅など、多品目を栽培している。

・経営開始直後は卸やJAへ販売するが、経営2年目に県主催のネットショッピングサイトで販売を開始し、サイトの研修会等で得た知見を活用して販売促進を図る。同じく2年目には首都圏での直売や桃・酒米の収穫体験等、消費者との交流についても開始。

・無肥料・無農薬で取り組む地元生産者と団体を立ち上げ、共同販売やPR活動を行う。

・地元での新規就農者育成や地元大学とのタイアップによるサツマイモの水耕栽培など、様々な取組を積極的に行っている。

農業次世代人材投資資金

の活用例

モモ 85aその他果樹 81a水稲 200a

モモ 48aその他果樹 81a水稲 116a

モモ 9aその他果樹 18a水稲 50a

就農希望者を雇用し、その後の独立を支援することで、近隣の担い手不足解消に貢献できればと考えている。

また将来的には新規就農者を含む生産者を組織化し、自身は販売に特化、首都圏での直売等の新たな販路拡大を図りたい。

右から2人目が本人

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

かたやま あつし

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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中下 祐介 さん (29歳)

経営の推移と今後

ぶどう(ピオーネ、シャインマスカット)37a露地野菜(キャベツ、なす)100a

・ぶどうが成園化・リースハウス活用により10a

規模拡大・農業所得は約450万円

新規就農までの経緯・背景

実家は農家であり、中学生の頃から農業を職業として考え、農業高校、農林大学校へと進学した。農林大学校在学中に認定就農計画の認定を受け、農林大学校卒業後、観光農園「ベリーネ」で1年間の研修を行い、平成22年に就農に至った。

経営発展のポイント

島根県浜田市

・妻に専従者給与を支給している

・農業所得は約250万円・認定農業者になる

ぶどうハウスの二重被覆やCX-10を用いた早期出荷による高単価での出荷を継続して行う。

専門家による経営診断により、経営の見直しを行っていく。

(営農類型:ぶどう)(中山間)

今後の取組

ぶどう(ピオーネ、シャインマスカット)47a露地野菜(キャベツ、なす)100a

経営初期(1~3年目) 4~8年目 現在(9年目) 今後の目標(10年目~)

・平成22年に夫婦で経営開始・農業次世代人材投資資金や

露地野菜の売上等で生計

ぶどう成園化までの未収益期間においての資金繰りに活用した。

・市が整備した農業生産拠点「新開団地」に、有機野菜生産で規模拡大を目指す2名の認定農業者とともに、有限責任事業組合「グリーンフロンティア」を設立した。ハウス付帯設備を国及び県の補助事業を活用して整備を行ったことで、就農開始時の初期投資額を軽減することができた。

・ハウスの二重被覆やCX-10(植物成長調節剤)を用いた方法で早期出荷による高単価での出荷を行っている。

・島根県農業協同組合が建設したぶどうのリースハウスを活用し、規模を拡大することができた。

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

ぶどう(ピオーネ、シャインマスカット)47a露地野菜(キャベツ、なす)100a

ぶどう(ピオーネ、シャインマスカット)47a露地野菜(キャベツ、なす)100a

・早期出荷による高単価の維持・専門家指導のもと、経営改善を

図る

なか した ゆう すけ

はまだし

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

Page 106: 青年就農給付金を活用した先輩農業者のすがた (農業経営に取り … · 面積の一部を受けてもらえないかとの話が飛び込み、親とは別経営で平成

角井 雅之 さん (33歳)

経営の推移と今後

柑橘 132a

・凍害のリスク分散のためハウス栽培を開始

・規模縮小農家から農地を借り、規模拡大

・農業売上は約300万円

新規就農までの経緯・背景

幼い頃から帰省先の祖父母のみかん畑で農作業を手伝い、農業へのあこがれはあったものの一旦は就職。就職後も農業への思いは変わらず、1年間、町やJAの研修事業を活用し、平成24年度に就農。

経営発展のポイント

山口県周防大島町

・規模拡大に伴い、融資資金を借り入れ、作業用倉庫を建設

・収量、販売単価がよく農業売上は約800万円

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

・品種構成の見直しを行い、更なる生産性及び収益性の向上

と農作業の分散化を図る予定。

・糖度等の出荷基準を厳格化するなど、「周防大島町」のブラ

ンド化を進めたい。

(営農類型:柑橘)

今後の取組

・山口県オリジナル品種「せとみ」の生産のためハウスの増棟を検討。

・町としてのブランド化を推進・農業売上の目標は1,000万円

柑橘 272a(加温ハウス2棟含む)

柑橘 272a(加温ハウス2棟含む)

経営初期(1年目) 2~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

柑橘 290a(加温ハウス5棟含む)

・平成24年に経営開始・当面の生活費は準備して

就農したが、運転資金に山口県の県単資金を活用

・複数の農家の下で研修を行ったことで様々な技術を習得するとともに、地域や部会等との人間関係も構築。

・地元のJA青壮年部や消防団に所属し地域の行事には積極的に参加するなど、地元とのつながりを大切にし、また、山口県農林総合技術センターの試験検討会等に参加するなど 新技術情報も積極的に収集。

・町、JA、県で運営する周防大島担い手支援センターの「農機具バンク」により中古農機具を格安で取得。

資金の活用例

・肥料代、資材費、改植用苗代等運転資金

・雇用賃金 等

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

平成29年度 作成

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清水 優一郞さん(35歳)・由枝さん(34歳)

経営の推移と今後

梨 70a作業受託 50a

・農業用機械一式を取得・給付金の他、経営体育成

事業の活用でコンバインを購入し、作業受託を行う「農援隊」の活動を活性化

新規就農までの経緯・背景土産品の製造販売会社で約10年働いていたが「生まれ育った地域を守

りたい」という強い思いにより、地元にもどっての就農を決意。元々実家は農家であるが、親元就農はせず、平成24年に飯田市内の担い手のいない梨ほ場を借りて就農。

経営発展のポイント

長野県飯田市

・地域の信頼も得られ、徐々に農地が拡大

・「農援隊」の収入も好調・農業所得は200万円

の見込み

(営農類型:果樹(梨、梅))(中山間)

今後の取組

・通年雇用の従業員採用による果樹生産及び「農援隊」活動の更なる拡大

梨、梅 90a作業受託 400a

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~9年目)

・平成24年に経営開始・経営1年目の農業所得は

設備投資のためマイナスだが、2年目以降黒字化

・2年目から果樹の「梅」を開始し、経営を多角化

・地域の行事に多く参加するなど、地域住民との交流を積極的に図り、周囲からの信頼を獲得し、農地を拡大。

・稲刈りや田植えなどを請け負う組織「農援隊」を設立。高齢化で十分な農作業ができなくなった農家の役に立てるよう取り組んでおり年々、

「農援隊」への依頼が増え、経営的にも安定収入に寄与。・栽培技術の悩み等は、主にJAの営農指導員に相談。定期的にJAの

果樹部会で勉強会を行い、栽培技術を向上。・平成26年に、梨の樹体ジョイント仕立てを導入。

農業次世代人材投資資金の活用例

• 全額を農業用機械や軽トラックの購入に使用。給付金を活用した先行投資を行えたおかげで、現在の経営が維持できている。

梨、梅、桃 180a柿、ぶどう、水稲他 85a 作業受託 600a

梨、梅、桃 180a柿、ぶどう、水稲他 85a作業受託 700a

・通年雇用の若い従業員を採用し、更なる規模拡大を図っていきたい。

・今までどおり地域に密着した農業を行い、代表的な担い手として活躍していきたい。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ゆういちろう

いいだ

よしえ

平成30年度 更新

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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川瀬 量哉 さん (44歳)

経営の推移と今後

果樹(なし、ぶどう等)75a(ハウス1棟他)、うち成園15aで経営開始

・自己資金でトラクター購入・青年等就農資金で作業小屋

を改装、加工所設置・農業所得は4年目より黒字

新規就農までの経緯・背景県外民間企業に勤めていたが、農業への強い思いから、働きながら就

農に向けてのセミナーに参加するなどし、新潟県でIターン就農を決意。県、市、指導農業士等によるチームの支援を受けて、果樹園を経営する法人で研修し、研修中に農地を確保し平成24年に就農。

経営発展のポイント

新潟県新潟市南区

・認定農業者となる・直売の固定客が増加・目標農業所得(新潟市

基本構想水準)を達成

8年目で、すべての果樹が成園となるので、経営がより安定する見込み。経営面積は十分な栽培管理が可能な範囲としつつ、所得向上のためにぶどうの加工(ジャム、干しぶどう)にも本格的に着手し、経営の多角化を目指す。今後も自分の農園のファンをふやしていきたい。

(営農類型:果樹)(平地)

今後の取組

・家族の協力を得ながら、ぶどう加工に取り組む

・販売収入の目標は1,000万円

果樹(なし、ぶどう等)108a(ハウス1棟他)

果樹(なし、ぶどう、いちじく、キウイ等)110a(ハウス1棟他)

経営初期(1~2年目) 経営中期(3~5年目) 現在(6年目) 今後の目標(7~8年目)

・県単事業、自己資金でパイプハウス等を整備

・農業次世代人材投資資金、農閑期のアルバイトで生計を維持

・経営1~2年目は、園地の整備、成園の栽培管理作業が中心で、3年目から徐々に収量が増加。

・経営初期はアパートからの通い農業だったが、農地近隣に作業小屋のある住宅を購入し、効率的な栽培管理・経営が可能になった。

・県単補助事業、自己資金、青年等就農資金等を活用し、パイプハウス、スピードスプレイヤー等の主要な経営資産を導入。

・栽培技術や経営上の悩みは、親身になって対応してくれる近隣の農家や普及指導員に相談し解決。

• 果樹の収量が安定するまでは、生活資金や農園設備等に活用。

• 収穫が安定してからは、先を見据えた機械・施設整備に活用。

• 青年等就農資金で作業小屋を改装、加工所を設置。

果樹(なし、ぶどう、いちじく、キウイ等)128a(ハウス1棟他)

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

か わ せ か ず や

にいがたしみなみく平成30年度 更新

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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太田 勝豊さん・佳美さん(42歳) (34歳)

経営の推移と今後

ピオーネ 20a

・農業所得※は約140万円

新規就農までの経緯・背景

和歌山の果樹経営の農業法人で農産物加工部門を立ち上げ、ドライフルーツづくりを行うなど、加工技術を中心に技術習得に努めていたが、子どもが出来たこともあり、父親の地元である岡山へ移住し、新規就農。

経営発展のポイント

岡山県吉備中央町

・スイーツやドライフルーツなどの加工品の販売を軌道に乗せている

・農業所得※は約115万円

青年就農給付金(経営開始型)

(営農類型:果樹(ピオーネ))

今後の取組

・更なる販路拡大に向け、商談会等の積極的活用

・お菓子で外国人に向けて日本文化の素晴らしさを発信

・農業所得※の目標は300万円

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5年目) 今後の目標(6~8年目)

新たな樹園地を探し中

・平成25年に経営開始・初年度の農業所得は約40万円・消費者の反応を見ながら加工品

づくりを試行錯誤

・お菓子を中心とした農産物加工に、どのようにつなげていくかを考えながら経営を行い、経営上の課題が見つかったら、徹底的に調べ、対面販売を中心にトライアル&エラーを繰り返しながら改善。

・語学に堪能なことを活かし、留学生受入のホストファミリーとしても活動。留学生に農作業を体験してもらう等、国際感覚をもって営農。

・勝豊さんは大阪、佳美さんは福岡で暮らした経験があり、都会で受け入れられるスイーツや加工品は何かを肌感覚で理解した上で経営方針を立案。

給付金の活用

・ 菓子工房設置

・ 加工品保管庫

・ 軽トラックの導入等(初期投資)

ピオーネ 20a ピオーネ 20a

・販売力に自信はあるので、生食も加工もそれぞれ3本柱と言えるような複数の品種、フルーツ加工品を持つことにより経営を安定させたい。

・加工を中心に果物の新たな魅力を伝えること、ライフスタイルも含め、後に続く農業者のモデルケースとなりたい。

※青年就農給付金の交付対象者は、勝豊さんのみ。

※勝豊さんの農業所得とは別に、佳美さんのフルーツ加工事業による所得あり。

青年就農給付金給付開始年度:平成24年度

平成28年度 作成

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【愛媛県】営農類型:平地・果樹(キウイ・カキ・ブドウ等)

「農業で家族と生きていく」

金光 祐二(40歳) 西条市【新規参入】 1 就農の動機・理由 果樹栽培技術の習得、生産物販売、又生産者対応を中心に業務遂行する中で栽培を

する楽しさ、厳しさ、販売する難しさを改めて知った。独立し、専業農家をすること

で農業でも生活できる経営の実施並びに産地維持を図りたいと思い就農した。 2 就農までの足跡 (1)就農までの主な経歴 愛媛県内の農業高校を卒業し、農業大学校へ進学。 卒業後は JA へ果樹営農指導員として勤務。 平成 24 年 10 月就農。 (2)就農に向けて不安に思ったこととその対策 将来への設備投資も進める中で農業だけで家族を

養って行けるのかが一番の不安。勤めていた時程の 収入を得ることを目標にし、栽培管理では重要ポイントをおさえることにより余

裕ができ面積拡大が図れた。 3 就農時の取り組み (1)就農地の確保

実家は今治市であり、所有農地は無かった。しかし、14 年間勤務により農家

との繋がりが密になり、農地を借りることができた。 (2)農業機械・施設の確保 年々、農業機械は導入しているが、知り合い農家からの貸し出しも受けている。

ハウスは新たに建設した。 (3)技術・経営能力等の習得 果樹研究センター、東予地方局、地域の生産者の方に教えて頂いている。 県内だけでなく県外の生産者の方とも交流を持ち、ご教授頂いている。 (4)資金の確保 青年就農給付金(経営開始型)を受給し、ハウス整備については JA の事業を

活用し、金融公庫からの借入を利用している。 (5)住宅の確保 就農してから農業機械等も増え、園地近辺の中古住宅を購入。

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【愛媛県】営農類型:平地・果樹(キウイ・カキ・ブドウ等)

4 農業経営の概況 ○経営の展開過程

少しの園地面積からの開始であったので更なる面積拡大を図った。 就農前の経営

(平成 24 年) 現在の経営

(平成 30 年) 将来の経営

(平成 35 年) 労 働 力

男 人( ) 女 人( )

男 1 人(本人) 女 1 人(妻)

男 1 人(本人) 女 1 人(妻)

経 営 耕 地

水田 a 畑 a 合計 a

水田 a 畑 164.4a 合計 164.4a

水田 a 畑 147.4a 合計 147.4a

経 営 内 容

ゼスプリゴールドキウイ 20a レインボーレッドキウイ(ハウス) 10a ヘイワードキウイ 10a 太天柿 20a 愛宕柿 38a 横野柿 32a 葡萄(ハウス/未結果樹) 12a 葡萄(トンネル/未結果樹)15a 不知火(未結果樹) 5a 利休草(加温ハウス) 2.4a

レインボーレッドキウイ(ハウス) 10a ヘイワードキウイ 40a 太天柿 20a 愛宕柿 23a 横野柿 15a 葡萄(加温ハウス) 12a 葡萄(トンネル) 20a 不知火 5a 利休草(加温ハウス)2.4a

○農業用施設

レインボーレッドキウイ屋根掛けハウス、葡萄加温ハウス、葡萄トンネル、 利休草加温ハウス

○主要農業機械 スピードスプレーヤー、乗用草刈機、高所作業台 5 農業経営の特徴 レインボーレッドキウイではかいよう病対策の為、平成 27 年に屋根掛けハウス栽培を導入し

た。柿等に於いても収量より品質重視で栽培をしている。冬季から春季にかけて利休

草、今後は夏から初秋にかけては葡萄というように年間を通し収入を得られるよう品

目選定をしている。 6 今後の経営の目標と課題 秋口に集中することなく、年間を通して「美味しい」と言って頂ける品目を栽培す

る。又レインボーレッドキウイは屋根掛けハウスによる特徴を生かし栽培・販売し、葡萄はレ

ベルの高い栽培技術を習得すること。

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【愛媛県】営農類型:平地・果樹(キウイ・カキ・ブドウ等)

7 就農を目指す方へのアドバイス 地元でもなく、農地や機械も無い状態からのスタートであったが、14 年間営農指

導員として生産者と接し、技術習得した部分が就農に大きく役立った。しかし、それ

が一番大切なことであり、周りの農家の人々、地域との関わりが就農するにあたって

重要なポイントであると思う。人と人との関係を大切にすることで県内・外の農家さ

んとも交流が持て、又栽培技術の向上ともなる。ハウスや機械導入の資金は計画性を

もった上で将来への投資と考え、目標に向かって精一杯管理をしていくことが大切だ

と思う。 執筆機関 愛媛県東予地方局産業振興課地域農業育成室 電話番号 0898-68-7322

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24年度採択(畜産)

※親元就農のリスク要件が導入される

以前の事例です。

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渡邉 剛 さん (42歳)

経営の推移と今後

飼養頭数 70頭(うち経産牛頭数 57頭)出荷乳量 360t耕地面積 75ha

新規就農までの経緯・背景

民間企業に勤めていたが、生き物を飼って生活する酪農に関心を持ち、名古屋で開催された北海道農業担い手育成センターの就農相談会への参加をきっかけに北海道での就農を検討。北海道内の複数の市町を見学後、研修牧場がありJAの面倒見の良さや町の助成制度に魅力を感じ、平成19年に浜中町に移住し、約4年間浜中町の研修牧場で研修後、平成23年就農。

経営発展のポイント

北海道浜中町(営農類型:酪農)

今後の取組

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(8年目) 今後の目標(10年目)

・東日本大震災の影響で、販売子牛の個体価格が大暴落。1年目の農業所得は、マイナス。

・就農時の牛の購入資金(次世代資金)

・バルククーラー等の導入(就農支援資金)

農業次世代人材投資資金、無利子融資の活用例

飼養頭数 81頭(うち経産牛頭数 67頭)出荷乳量 490t耕地面積 65ha

飼養頭数 103頭(うち経産牛頭数 69頭)出荷乳量 510t耕地面積 95ha

飼養頭数 130頭(うち経産牛頭数 100頭)出荷乳量 740t耕地面積 95ha

・良質粗飼料を安定的に確保できるよう、計画的に草地更新を実施。

・和牛の導入

・離農者から機械を引き継ぎ、初期投資を抑制。・農場リース事業で土地を引き継いだが、農場から遠い土地は売却し、

近くの離農者の土地を借り、作業効率が改善。・昼夜放牧により労働時間の短縮と、コストを節減。・2年目より、妻の出産を機に従業員1名を雇用し、労働負荷の軽減と

労働時間の短縮を図っている。

・乳牛価格の高騰を機に、自家育成を開始

・離農者から土地を賃貸し面積を拡大

・現施設を最大限有効活用、

増頭し所得を確保していく。・負債償還後所得目標1千万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

わ た な べ たけし

はまなかちょう平成30年度 更新

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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田原 正太 さん (31歳)

経営の推移と今後

○繁殖牛 52頭○子牛販売 17頭全て未経産だったため分娩事故も多く、知識・技術不足のため難産等で助けられないこともあった。販売額は600万円を超えたものの所得はゼロ。

新規就農までの経緯・背景父親が和牛繁殖経営をしており、幼いころからその姿を見て育った。

手伝いをするうちに牛に興味を持った。学校では畜産を学び、卒業後は県内の大型牧場で3年研修。就農する場所を探すのに時間がかかったが、関係機関の協力もあり平成24年4月に就農した。

経営発展のポイント

島根県益田市

• 法人化へ取組み、300頭規模の和牛繁殖経営を目指したい。

• 人手不足のため雇用を充実させたい。

• 研修生の受け入れを行いながら、仲間を増やしたい。

(営農類型:繁殖牛)(中山間)

今後の取組

○繁殖牛 65頭○子牛販売 42頭目標の60頭を超え、計画より販売頭数も増加。草地作付面積4haに拡大。所得は500万円超。

○繁殖牛 70頭○子牛販売 59頭市場出荷頭数が安定してきた上、販売額4,500万円超。研修生の受け入れも行っている。認定農業者(経営6年目)

経営初期(1~2年目) 3~4年目 現在(5~6年目) 今後の目標(7~8年目)

○繁殖牛 150頭○子牛販売 130頭法人化への取り組み。規模拡大を図り、雇用を充実していきたい。販売額の目標は1億円。

農業次世代人材投資資金・優良雌牛の導入青年等就農資金・牛舎・機械設備の取得・受精卵移植技術を利用して、優良牛を確保。

・価格が安く発育の良い牛の導入。

・草地を活用した粗飼料生産を行い、良質牧草の確保・コストの削減を行う。

・病傷・疾病等、早期発見・早期治療に努め管理体制を徹底。

○事業の活用(農業次世代人材投資事業、青年等就農資金を除く)

・平成24年度 肉用牛経営安定対策補完事業

・平成24年度 新農林水産振興がんばる地域応援総合事業

・平成24年度 経営体育成支援事業

・平成24年度 農業近代化資金

農業次世代人材投資資金、

無利子融資の活用例

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

た ばら しょう た

ますだし 平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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貞光 雅彰 さん (30歳)

経営の推移と今後

新規就農までの経緯・背景

経営発展のポイント

福岡県直方市

(営農類型:養蜂)(平地)

今後の取組

農業次世代人材投資資金

の活用例実家はイチゴを主体とした複合経営(イチゴ、トルコギキョウ、水稲、養蜂など)。農業大学校に通い、卒業後はイチゴ栽培を引き継ごうと考えていたが、養蜂を手伝っているうちに面白いと感じ、本格的に養蜂を行うことを決意した(平成24年に経営開始)。

・資金を活用し、計画的に施設増設及び機械購入を行い、着実に経営規模を拡大している。

・販売先については、直売所のほか、ふるさと納税の返戻品など複数確保している。

巣箱や遠心分離機などの購入、作業場である倉庫を建設。

経営1年~2年目

採蜜15箱、貸蜂49箱・経営開始 平成24年10月

・初年度はスズメバチ被害により生産量が目標に届かなかった。販売金額 約220万円

経営3年~4年目

採蜜100箱、貸蜂114箱

・箱数を増加し規模拡大を図った。

販売金額 約650万円

現在(5年目)

採蜜120箱、貸蜂105箱

・さらに規模拡大を図り、販売先も増やした。

販売金額 約980万円

経営6年目以降

採蜜300箱、貸蜂120箱

・規模拡大を目指す。・販売単価を上げて所得

を増やしたい

目標販売金額 2000万円

・蜜源である花の栽培を増やして生産量増加を図る。・さらに規模拡大し、販売金額、所得を向上させる。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

さだみつ まさあき

のおがた平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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高岩 寿志 さん (31歳)

経営の推移と今後

鶏 6,000羽(3年目)鶏卵 521個/日(3年目)

・契約先が少なく、700個/日しか出荷ができなかった。

・所得は約93万円

新規就農までの経緯・背景

父が経営する地鶏専門店で地鶏の質の高さに惹かれ、ブランド力の高い品目として、自分で地鶏を生産したいと思うようになる。就農にあたり、高原町の先進農家で地鶏養鶏(名古屋コーチン)について研修を受け、雛の仕入れから出荷に至るまでの作業を学び、平成24年に独立して経営を開始する。(非農家出身)

経営発展のポイント

宮崎県高原町

・鶏の育成率の安定、卵の出荷率が向上し廃棄数が減少した。

・所得は約487万円

・将来的には現在借りている鶏舎を買い上げて、近くの

土地に食肉処理場と加工施設を併合して建設したい。

(営農類型:養鶏)(畜産)

今後の取組

鶏 8,000羽(5年目)鶏卵 2,300個/日(5年目)

鶏 8,000羽鶏卵 2,300個/日

経営初期(1~3年目) 4~5年目 6年目

・初めて冬を迎えたが、雛が寒さにより予想以上に死亡してしまった。

・3年目に有害鳥獣等による被害で飼養頭数が減少した。

・所得は0円(赤字)

経営資金の補てんに活用。

・経営初期は知名度を高めるため、価格帯を抑えて出荷した。

・経営5年目に鶏の飼養管理に従業員を雇い、本人は営業に力を入れた。

・ブランド力の強化により、現在の飼養頭数では足りないくらい需要がある。

農業次世代人材投資資金

の活用例

今後の目標(7年目)

・県外に高原町の農畜産物をPRに営業へ行く予定。

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

たかいわ ひさし

たかはるちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度

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福元 敏郎 さん (38歳)

経営の推移と今後

繁殖牛 25~42頭飼料作 900a

新規就農までの経緯・背景

父親の死をきっかけに畜産を仕事として意識するようになり、父親の残してくれた牛や田畑を守っていこうと考え就農。母親から技術継承し、平成22年経営開始。(農家出身)

経営発展のポイント

宮崎県高原町

(営農類型:和牛繁殖)(畜産)

今後の取組

繁殖牛 52頭飼料作 900a

経営初期(1~4年目) 5~6年目

・牛のセリ価格の高騰により売上は計画どおりであったが、増頭計画に支障が出た。

・所得は約0円(赤字)

経営資金の補てんに活用。

・飼養管理を徹底し、売却価格の向上に努めた。

・就農計画に基づいた、堅実な経営を行っている。

・肉用牛農家の若手団体に参加し、研修会や情報交換等を行った。

農業次世代人材投資資金

の活用例

7~8年目

・牛体の観察をこまめに行い事故のないよう努め、経営の安定を図る。

繁殖牛 46頭飼料作 900a

・平成27年1月 認定農業者となる。・水稲については、長雨の

影響で実が入らず売り上げ減少につながった。

・所得は約349~460万円

・高齢母牛の更新・高能力牛の導入・出荷日齢の短縮

今後の目標(9年目)

・出荷までの日齢短縮による経費削減に取り組む

・所得は約881~918万円

(注)青年就農給付金は現在の名称「農業次世代人材投資資金」として記載。就農支援資金又は青年等就農資金を「無利子融資」と記載。

ふくもと としろう

たかはるちょう平成30年度作成

農業次世代人材投資資金採択年度:平成24年度