国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3....

42
3 国際的な環境ラベル制度の動向分析

Transcript of 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3....

Page 1: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

第 3 章

国際的な環境ラベル制度の動向分析

Page 2: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調
Page 3: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

査や文献調査に基づいてとりまとめた。その際、各制度の特性や運用状況等において、我が

国における製品環境情報開示の在り方を検討する際の参考材料として整理した。また、認知

度・普及度の高い環境ラベル制度に関しては成功に導いた施策などについての調査も行った。 3.1 背景 (1) 時代の要求による環境ラベルの出現

欧州では環境の焦点として、政治的な消費者(保護)運動及び消費者責任の重要性が近年

高まってきた*1。これは従来、企業の生産活動による産業汚染管理からより持続可能な消費

パターンへ変換してきたことを意味している。ドイツ連邦環境庁は、全ての環境問題の 30~40%は直接的にも間接的にも既存の消費パターンの結果であると推定している。現在の

消費パターンが持続可能でないという認識によって、環境に配慮した消費が高まってきた。

それが独立の第 3 者により基準が評価される環境ラベル(タイプ I ラベル)によって奨励

されてきたのと、自己主張企業スキーム(タイプ II ラベル)の急増となった。

一方、米国では優れたエネルギー効率を通して環境を保護し、ビジネス及び個人を支援

する政府支援プログラムである Energy Star が生まれた。米国では当時、電気代が安価な中

でコンピューターの普及が早く、就業時にコンピューターの電源を切らずに帰宅すること

が極当り前であった。

米国の政府支援プログラムである Energy Star と同様、カナダ政府に属し、プログラム自

身はテラチョイス( TerraChoice Environmental Marketing )により運用されている

Environmental Choice Programがある。政府に属する EcoLogoマークがあり、現在GEN(Global Ecolabelling Network)のメンバーでもある。政府支援と無関係で非営利団体(Nonprofit Organization)により 1989 年創設された代表的な環境ラベルの1つに米国の Green Seal があ

る。 環境ラベルのモデルとなったドイツ Blue Angel が導入されて(1978 年)以降、世界各国・

地域における環境ラベルの発展(OECD 資料)につき、表 3.1 に示す。

49

Page 4: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

表 3.1 地域環境ラベルの発展*2

プログラム 国 製品カテゴリー 製品数 導入時

Blue Angel ドイツ 75 3206 1978 Environmental Choice カナダ 48 1600 1988 Nordic Swan 北欧 45 >1000 1989 Eco-Mark 日本 71 2023 1989 Good Green Buy スウエーデン 27 695 1990 Green Seal 米国 19 318 1990 Environmental Choice ニュージーランド - - 1990 Environmental Choice オーストラリア - - 1991 Ecomark インド - - 1991 NF-Environment フランス 5 200 1991 Austrian Eco-label オーストリア - - 1991 Ecomark 韓国 - - 1992 GreenLabel シンガポール - - 1992 Milieukeur オランダ - - 1992 European Union Eco-Label EU 11 24 1992

【出典】 *1 Jordan, Andrew et al. (2003); ‘Consumer responsibility-taking and eco-labeling schemes in

Europe’, in M. Micheletti, A. Follesdal and D. Stolle (eds) Politics, Products, and Markets. Exploring Political Consumerism Past and Present, Somerset, NJ: Transaction Publishers

*2 OECD. Eco-labelling: Actual effects of selected programmes (OCDE/GD(97)105). Paris: OECD, 1997

(2) 国際貿易上(WTO)の環境ラベル

国際自由貿易を推進する WTO にとっても環境は重要な政策である。WTO は各国及び国

際環境ラベルプログラムは、環境保護への要求及び環境政策の改善と拡大に努めるのが目

的であるとしている。従って、環境にやさしい製品を輸入し、上市することが肝要で、そ

の為に国際貿易と環境政策の間で争いが生じてはならないとしている。この代表的な事例

として、”dolphin-friendly tuna” program がある。メキシコの漁民はキハダマグロを捕獲し米

国へ輸出するのを糧としているが、キハダマグロに平行して遊泳するイルカの習性から、

キハダマグロ捕獲時にイルカも一緒に捕獲することで、米国の環境保護団体から政府にメ

キシコからのキハダマグロ輸入禁止の圧力がかかった。この問題は GATT に提訴されたが、

米国の敗訴となった事件である。同様に米国がマレーシアから輸入する海老も、海がめを

一緒に捕獲することで事件となった。 (3) 環境ラベルの混在と消費者の認識度

世界で最初の環境ラベルは 1978 年ドイツで導入された Blue Angel であり、その後導入さ

れた多くの国の環境ラベルのモデルとなった。シンボルマークは国際連合の環境ロゴを使

50

Page 5: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

用したため国民から Blue Angel と呼ばれた。ドイツの環境ラベルの導入後 1990 年代にかけ

て多くの環境ブランドが世界各地域・国で導入された(表 3.1-1 参照)。 欧州では European Union Eco-Label(フラワーマーク)及び加盟国の環境ラベル及び北欧

5 カ国で運用する環境ラベル(Nordic Swan)などが導入された。米国では政府(EPA・DOE)推奨の環境ラベルや NPO 推奨の環境ラベルが導入された。加えて ISO14000 シリーズの1

つに環境ラベルがあり、3 つのタイプの環境ラベルが導入された。多くの環境ラベルの出

現で、中にはフリーライダー(ただ乗り:労せずしてただ儲けする者)も現れ環境ラベル

の信頼性低下につながり、消費者の認識度にも影響を与えている。 (4) 環境ラベルの今後の考察

①標準化と統合化

国際環境ラベル(FSC、Forest Stewardship Council、International Energy Star )、地域環境

ラベル(European Union Eco-Label)、多国間環境ラベル(Nordic Swan 5 カ国)、各国環境ラ

ベル(政府支援、Blue Angel)、各国環境ラベル(NPO、米国 Green Seal)などに加えて ISOの規格に準拠したタイプ I、II、III が存在する。環境ラベルの大半は ISO のタイプ I に準拠

している。 このような環境ラベルの現状から新しい動きがいくつか見られる。 1 つには環境政策の中で他の環境ラベルを導入する動きがあることで、エネルギー効率

を政策や規制する目的で、EU が米国の Energy Star プログラム使用の合意を得て、再導入

することが決定している。昨年第 1 回目の導入期間が無効になり、再度の合意で事務機器

の省エネを目的に導入する。 2 つ目には、各国環境ラベルの相互認証の動きである。日本のエコマークが部分的に北

欧の Nordic Swan と、韓国、タイ、マレーシアなどの環境ラベルと相互に認証するスキー

ムを推進している。但し、ドイツの Blue Angel などとは基準がそれぞれ異なるため推進が

遅れている。

②法律の引用文 従来は法的拘束力がなかった環境ラベルも法律の文中に引用された場合、その環境ラベ

ルは法律の持つ同等の拘束力が発生する。最近では中国版 RoHS に既存の包装材リサイク

ルマーク標準が引用され RoHS と同じ拘束力を持つことになる。また、欧州の EuP 指令(エ

ネルギー使用機器指令)では European Union Eco-Label(フラワーマーク)が引用され、既

にこのラベルを取得している企業の製品は市場で優位に立つことになる。

(5) 欧州における製品環境情報の課題*1

2006 年 11 月の IPP Working Group on Product Information では、製品環境情報の提供と使

用における障壁とギャップについて言及している。

①環境に生かす製品情報 ⅰ)製品の環境パフォーマンスを改善する有効な政策にとって良い製品情報は必要条件

51

Page 6: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

である。しかし、環境に影響を与える製品情報の可能性は、10 年以上情報があるにも拘

らず期待する達成から程遠いと言える。製品情報に賭ける努力は政策の推進や市場効率

の改善に対して、コスト的に非常に効率的であり得る。しかしながら、現状を見ると、

市場では良い製品情報が見られない:この分野の障壁は険しく、そしてドライバー(誘

導する人、牽引者)が弱い。正確な枠組みを創り、必要な影響を応用する作業は必要で

ある。 ⅱ)製品情報にとっての枠組は環境改善を推進するよう可能性に道を開くために政府レ

ベル(EU 及び加盟国)でリーダーシップと行動が必要である。考えられることだが、

このことは環境に優しい生産や持続可能な消費の政策目標を普及させるため、効率

のよい競合的に運用する市場にし、そして市場に活気を与える。

②製品環境情報の提供と使用における障壁とギャップ(相違)

○ 提供側 ― 知識、能力、理解力にギャップがある、実際、たくさんのビジネスでは関連すると

思われる情報を提供できない。また、現在ある製品の多くのタイプに関して、どん

な情報が最も関係して、有用なのか合意がとれていない。 ― サプライチェーンで使用されるデータのいくつかは容易にアクセスできないか、個

人のデータベースに保管されている。 ― 品質情報の発信や推進のコストが多くの場合回収されない。

例;市場は商業報酬を提供しない。 ― 唯一の商業報酬の可能性は製品にとって環境便益を伝達できるときに存在する。平

均以下のパフォーマンスを表示する情報の発信や推進にはインセンティブはない。

実際問題、ある分野の統括部署では製品の情報や大衆の評価を許す手法の共有には

抵抗があるかもしれない。 ― グリーンマーケットの質(品質)の管理は一般的に弱く、そのため短期的な視点で

単純なキャンペーンにより便益や競合を表すほうが、ライフサイクルの視点で製品

の真の便益を伝達する試みより簡単である。 ― 企業へのリスクまたは、ブランド評判へのリスク回避を望むより自衛的なビジネス

スタンスに情報入力はあるが、積極的な情報伝達にならない。

○ 需要側 ― 関連情報を要求するポジションにいる人の中で知識、能力や理解力にギャップがあ

り、そのため彼らは実際、情報に対して具体的な要求ができないか、彼らが既に持

っている情報を活用できると感じない。 ― 多くのプレーヤーは情報を提供する人から情報を要求する強い立場にない。また、

他の地域では環境情報のアクセスがあるのに、EU では上市された製品の環境影響に

関して情報を要求する公民権がない。 ― 異なるプレーヤーが異なる理由で情報を必要とし、また 1 人のプレーヤーが同時に

52

Page 7: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

異なるドライバー(誘導する人、牽引者)に働きかけている場合があり、そのため

環境パフォーマンスはプレーヤーのアジェンダ(検討課題)として決して高くない。

これは一般にグリーン製品情報を要求する力が弱いということである。 【出典】 *1 IPP Working Group on Product Information, Making Product Information Work for the

Environment, November 2006

53

Page 8: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

3.2 国際的な環境ラベル制度の概要

環境ラベル制度は欧米・アジア諸国を中心に各国で導入されているが、文化、習慣などの

違いにより環境ラベル制度の内容は異なっているのが現状である。 そこで製品環境情報開示の在り方を検討していくにあたり、諸外国における各環境ラベル

制度につき、表 3.3 に示す項目に視点をおき、調査分析を実施した。

表 3.3 各国環境ラベル制度の調査取り纏め時に視点をおいた項目一覧

(1) 各 ISO 分類の特徴

ISO(国際標準化機構)では、環境ラベルをタイプ I、II、III の 3 種類に分類している。

これらの特徴を表 3.4 に示す。 ①タイプ I ラベルの特徴

タイプ I ラベルは、ドイツの Blue Angel、北欧 5 カ国の Nordic Swan、EU 連合の European Union Eco-Label 等が有名であり、ラベル取得によって各事業者のビジネスに大きな影響を

持っているのが特徴である。タイプ I ラベルは、ISO14024 で規定されており、各環境ラベ

ルの基準をパスしているかどうかを第三者の認定機関が審査することによってラベル認定

の有無が決定する仕組みになっている。製品分類及び判定基準は運営機関によって決定さ

れている。 ②タイプ II ラベルの特徴

タイプ II ラベルは、事業者の自己宣言による環境主張を基本にしているのが特徴である。

ISO14021 の要求事項に合わせて各事業者が自己基準を設定し、その基準に適合しているか

どうかでラベル認証を決定するため、第三者による認定はない。ラベルのマークも各事業

者が自由にデザインできるため、様々なタイプ II ラベルが市場に流通している。 ③タイプ III ラベルの特徴

タイプ III ラベルは、製品の定量的な環境負荷データの開示を目的にしているため、合格

/不合格の判定を行わない点が特徴である。スウェーデンの Environmental Product Declarations 等が知られているが、タイプ III ラベルは、残り 2 つのラベルと比べて全般的

に普及度が低い。

各 ISO 分類の特徴 国際的な環境ラベル制度

- 調査項目(対象国/ラベル名/ISO 分類/制度開始年/認定製品) 冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビに関する環境ラベル制度 認知度・普及度の高い環境ラベル制度の概要

54

Page 9: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

表 3.4 各 ISO 分類の特徴(資料*1 を一部改変)

ISO 分類 基本 特徴 タイプ I (ISO 14024)

第三者認証 ・基準に対し合格/不合格を第三者が判定。 ・製品分類と判定基準を運営機関が決める。 ・事業者の申請に応じて審査し、マーク使用を 認可する。

タイプ II (ISO 14021)

事業者の自己宣言に

よる環境主張 ・製品の環境改善を市場に対して独自に主張する。

・宣伝広告にも適用される。 ・第三者による判断は入らない。

タイプ III (ISO 14025)

定量的製品環境負荷

データの開示 ・合格/不合格の判定はしない。 ・定量的環境負荷データを開示する。 ・評価は読み手に委ねられる。

【出典】 *1 社団法人 産業環境管理協会ウェブサイト

http://www.jemai.or.jp/ecoleaf/brief/index.cfm#goto_3

55

Page 10: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(2) 国際的な環境ラベル制度

国際的な環境ラベル制度について、表 3.5 に示す項目にて調査分析を実施した。なお、

環境ラベル制度の最新の情報を得るために、インターネットによる調査を中心に行った。

表 3.5 各国環境ラベル制度の分析項目

さらに Fairtrade および Forest Stewardship Council の各ラベル制度について、各国・地域の

ラベル制度ではないものの、同ラベルの認知度が高く世界的に成功したラベル事例である

ことから、今回同時に調査分析を実施した。 上記調査結果を表 3.6 に示す。1978 年にドイツで開始した Blue Angel を筆頭に、環境ラ

ベルが 1980 年代後半から 1990 年代にかけて急速に普及した。Energy Star ラベルに関して

は、35000 以上もの製品が認定されており、普及度が高い。また、日本のエコリーフ、韓

国の Environmental Declaration of Products は 2002 年から開始された。

対象国 ラベル名(英語、日本語) ISO 分類 制度開始年 認定製品

56

Page 11: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

表 3.6 国際的な環境ラベル制度の特徴

No 国 英語名 日本語名ISO分類

制度開始年

認定製品

出典

1 ドイツ Blue Angel ブルーエンジェル タイプⅠ 1978 3652 1,2,3

2 カナダEnvironmental ChoiceProgram 環境チョイスプログラム タイプⅠ 1988 3000- 1,2

3 北欧5カ国 Nordic Swan ノルディックスワン タイプⅠ 1989 3000- 1,24 米国 Green Seal グリーンシール タイプⅠ 1989 300- 1,25 日本 Eco-mark エコマーク タイプⅠ 1989 4807 1,26 ニュージーランド Environmental Choice 環境チョイス タイプⅠ 1990 200- 1,27 インド Ecomark エコマーク タイプⅠ 1991 3 1,28 フランス NF-ENVIRONMENT NF環境マーク タイプⅠ 1991 300- 1,2,49 EU諸国 European Union Eco-Label EUエコラベル タイプⅠ 1992 24 1,2

10 韓国 Korea Eco-labeling Program 韓国環境ラベルプログラム

タイプⅠ 1992 2446 1,2

11 台湾 Green Mark Program グリーンマーク タイプⅠ 1992 2718 1,212 スウェーデン BRA MILJOVAL グッド環境チョイス タイプⅠ 1992 700 1,213 スウェーデン TCO 品質&エコラベル タイプⅠ 1992 1975 1,514 シンガポール共和国 GreenLabel グリーンラベル タイプⅠ 1992 130 1,215 オランダ Milieukeur ミュルケル タイプⅠ 1992 70 1,2

16 クロアチア共和国Environmental Label AwardScheme

環境ラベルアワードスキーム

タイプⅠ 1993 17 1,2

17 チェコ共和国

National Programme forLabelling EnvironmentalFriendly Products

環境ラベル タイプⅠ 1994 187 1,2

18 スペイン AENOR-Medio Ambiente AENOR環境マーク タイプⅠ 1994 436 1,219 タイ Thai Green Label グリーンラベル タイプⅠ 1994 169 1,2

20 中華人民共和国China EnvironmentalLabelling Scheme 中国環境表示計画 タイプⅠ 1994 8000- 1,2,6

21 スロバキア共和国

National Programme ofEnvironmental Assessmentand Ecolabelling

環境影響評価及び環境ラベル国家プログラム

タイプⅠ 1997 93 1

22 ポーランド Eco-mark エコマーク タイプⅠ 1998 12 1

23 香港 HKGLS 香港グリーンラベルスキーム タイプⅠ 2000 - 1

24 オーストラリア Environmental Choice 環境チョイス タイプⅠ 2001 250- 125 米国 Energy Star エネルギースター タイプⅡ 1992 35000- 726 米国、日本 International Energy Star 国際エネルギースター タイプⅡ 1995 17279 8

27 スウェーデンEnvironmental ProductDeclarations 環境製品宣言 タイプⅢ 1998 95 9

28 日本 Eco Leaf エコリーフ タイプⅢ 2002 421 10

29 韓国Environmental Declarationof Products 環境製品宣言 タイプⅢ 2002 22 11

30 全世界 Fairtrade フェアトレード その他 1989 - 1231 全世界 Forest Stewardship Council 森林管理協議会 その他 1994 - 13

(出典については次ページを参照)

57

Page 12: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

【出典】 *1 環境省 総合環境政策局ウェブサイト http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/c01_02.html *2 日本機械輸出組合、世界の主要な環境ラベルの動向 ~制度の概要と問題点~

(1996 年 6 月) *3 Blue Angel ウェブサイト http://www.blauer-engel.de/willkommen/willkommen.htm *4 EPA, FRANCE’S NF-ENVIRONNEMENT MARK http://www.epa.gov/epp/pubs/envlab/france.pdf *5 TCO ウェブサイト http://www.tcodevelopment.com/index.html *6 財団法人 日本環境協会, 2006 年 6 月 1 日, JEA NEWS, No. 37 http://www.jeas.or.jp/news/pdf/jea037.pdf *7 Energy Star ウェブサイト http://www.energystar.gov/ *8 国際 Energy Star ウェブサイト http://www.eccj.or.jp/ene-star/ *9 Environmental Product Declarations ウェブサイト http://www.environdec.com/ *10 エコリーフウェブサイト http://www.jemai.or.jp/ecoleaf/index.cfm *11 Environmental Declaration of Products ウェブサイト http://www.edp.or.kr./eng_index.asp *12 Fairtrade ウェブサイト http://www.fairtrade.net/index.html *13 Forest Stewardship Council ウェブサイト http://www.fsc-japan.org/index.html

58

Page 13: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(3) 冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビに関する環境ラベル制度

代表的な環境ラベル制度において、「冷蔵庫」「洗濯機」「エアコン」「テレビ」の 4 品目

についての運営状況にかかる調査分析を実施した。 分析結果を表 3.7 に示す。 対象 4 品目全てにおいて基準がある制度は、韓国の Korea Eco-labeling Program および

Environmental Declaration of Products、台湾の Green Mark Program、米国の Energy Star、スウ

ェーデンの Environmental Product Declarations、日本のエコリーフであった。しかしながら、

日本のエコリーフにおいては、基準はあるものの、登録は現在されていないといったケー

スもあった。スウェーデンの Environmental Product Declarations におけるエアコンも同様で

あった。 また、オーストラリアの Environmental Choice は、現在テレビの基準に関するドラフト版

を作成中である。環境配慮製品への取り組みが進行することによって、今後さらに基準が

策定される可能性がある。

59

Page 14: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

表3.7

冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビに関する環境ラベル制度概要

○:

制度あ

り、-

:制度

なし

英語

名En

viro

nmen

tal

Cho

ice

Envi

ronm

enta

lC

hoic

e Pr

ogra

m

Envi

ronm

enta

lLa

bel A

war

dSc

hem

e

Nat

iona

lPr

ogra

mm

e fo

rLa

belli

ngEn

viro

nmen

tal

Frie

ndly

Pro

duct

s

Euro

pean

Uni

onEc

o-La

bel

Blu

e An

gel

HK

GLS

Kor

ea E

co-

labe

ling

Prog

ram

日本

語名

環境

チョ

イス

環境

チョ

イス

プロ

グラ

ム環

境ラ

ベル

アワ

ード

スキ

ーム

環境

ラベ

ルE

Uエ

コラ

ベル

ブル

ーエ

ンジ

ェル

香港

グリ

ーン

ラベ

ルス

キー

ム韓

国環

境ラ

ベル

プロ

グラ

国オ

ース

トラ

リア

カナ

ダク

ロア

チア

共和

国チ

ェコ

共和

国EU

諸国

ドイ

ツ香

港大

韓民

国IS

O分

類タ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

I冷

蔵庫

--

--

○-

○○

洗濯

機-

--

-○

-○

○エ

アコ

ン-

--

--

-○

○テ

レビ

△ド

ラフ

ト版

--

-○

--

○(出

典)

1,2

34

56

78

9,10

英語

名En

viro

nmen

tal

Cho

ice

Nor

dic

Swan

Gre

en M

ark

Prog

ram

AEN

OR

-Med

ioAm

bien

teB

RA

MIL

JOVA

LTC

OTh

ai G

reen

Lab

elG

reen

Sea

l

日本

語名

環境

チョ

イス

ノル

ディ

ック

スワ

ング

リー

ンマ

ーク

AE

NO

R環

境マ

ーク

グッ

ド環

境チ

ョイ

ス品

質&

エコ

ラベ

ルグ

リー

ンラ

ベル

グリ

ーン

シー

国ニ

ュー

ジー

ラン

ド北

欧5カ

国台

湾ス

ペイ

ンス

ウェ

ーデ

ンス

ウェ

ーデ

ンタ

イ米

国IS

O分

類タ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

I冷

蔵庫

-○

○-

--

○-

洗濯

機-

○○

--

--

-エ

アコ

ン-

-○

--

-○

-テ

レビ

-○

○-

-○

○-

(出

典)

1112

1314

1516

1718

英語

名Ec

o-m

ark

Gre

enLa

bel

Ener

gy S

tar

Inte

rnat

iona

lEn

ergy

Sta

r

Envi

ronm

enta

lPr

oduc

tD

ecla

ratio

nsEc

o Le

afEn

viro

nmen

tal

Dec

lara

tion

ofPr

oduc

ts

日本

語名

エコ

マー

クグ

リー

ンラ

ベル

エネ

ルギ

ース

ター

国際

エネ

ルギ

ース

ター

環境

製品

宣言

エコ

リー

フ環

境製

品宣

国日

本シ

ンガ

ポー

ル米

国日

本・米

国ス

ウェ

ーデ

ン日

本大

韓民

国IS

O分

類タ

イプ

Iタ

イプ

Iタ

イプ

IIタ

イプ

IIタ

イプ

IIIタ

イプ

IIIタ

イプ

III冷

蔵庫

-○

○-

○○

○洗

濯機

-○

○-

○○

○エ

アコ

ン-

○○

-○

○○

テレ

ビ-

-○

-○

○○

(出

典)

1920

2121

2223

24

60

Page 15: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

【出典】 *1 Environmental Choice ウェブサイト

http://www.greenprocurement.org/database/main.jsf *2 環境省 総合環境政策局ウェブサイト

http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/world/australia.html *3 Environmental Choice Program ウェブサイト

http://www.environmentalchoice.com/English/ECP%20Home/Products%20&%20Criteria *4 Environmental Label Award Scheme ウェブサイト

http://www.mzopu.hr/doc/Specificcriteria.pdf *5 環境省 総合環境政策局ウェブサイト

http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/world/czech.html *6 European Union Eco-Label ウェブサイト

http://ec.europa.eu/environment/ecolabel/product/index_en.htm *7 Blue Angel ウェブサイト

http://www.blauer-engel.de/englisch/navigation/body_blauer_engel.htm *8 HKGLS ウェブサイト

http://www.greencouncil.org/eng/greenlabel/cert.asp *9 Korea Eco-labeling Program ウェブサイト

http://www.koeco.or.kr/eng/business/business01_03.asp?search=1_3 *10 環境省 総合環境政策局ウェブサイト

http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/world/korea.html *11 Environmental Choice ウェブサイト

http://www.enviro-choice.org.nz/specifications_products.html *12 Nordic Swan ウェブサイト

http://www.svanen.nu/Eng/criteria/ *13 Green Mark ウェブサイト

http://greenmark.epa.gov.tw/english/criteria.asp *14 環境省 総合環境政策局ウェブサイト

http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/world/spain.html *15 BRA MILJOVAL ウェブサイト

http://www.snf.se/bmv/english.cfm *16 TCO ウェブサイト

http://www.tcodevelopment.com/index.html *17 Thai Green Label ウェブサイト

http://www.tei.or.th/greenlabel/pdf/TGL_Name_May2006_eng.pdf *18 Green Seal ウェブサイト

http://www.greenseal.org/findaproduct/index.cfm *19 エコマークウェブサイト

http://envfor.nic.in/cpcb/ecomark/criteria.html に Electrical/Electronic Goods

61

Page 16: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

*20 GreenLabel ウェブサイト http://www.sec.org.sg/greenlabel_htm/greenlable_frameset.htm

*21 Energy Star ウェブサイト http://www.eccj.or.jp/ene-star/prog/pdf/001-010.pdf

*22 Environmental Product Declarations ウェブサイト http://www.environdec.com/page.asp?id=105&menu=2,15,0

*23 社団法人 産業環境管理協会 エコリーフ事業センター、エコリーフ環境ラベル http://www.jemai.or.jp/JEMAI_DYNAMIC/data/current/dataobj-77-datafile.pdf

*24 Environmental Declaration of Products ウェブサイト http://www.koeco.or.kr/eng/business/business02_03.asp?search=2_3

62

Page 17: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(4) 認知度・普及度の高い環境ラベル制度の概要 本項では、特に国際的に認知度・普及度の高い環境ラベル制度に対して、更なる調査取

り纏めを実施した。対象とした環境ラベル制度及び調査項目については、下記の表 3.8 に

示すとおりである。 なお表 3.8 内の「その他のラベル:Globally Harmonized System of Classification and Labelling

of Chemicals」につき、今後世界中に普及することが予測されることから、参考として記載

した。

表 3.8 国際的に認知度・普及度の高い環境ラベル、およびそれらへの調査項目

ISO分類 ラベル名 国・地域

① Blue Angel ドイツ

② Nordic Swan 北欧5カ国

③European UnionEco-Label EU諸国

④ Energy Star Program 米国

⑤InternationalEnergy Star Program 7カ国(米国を含)

タイプⅢ ⑥EnvironmentalProduct Declarations 7カ国(スウェーデンを含)

⑦ Fairtrade 世界58カ国

⑧ForestStewardship Council 世界72カ国

Globally HarmonizedSystemof Classification andLabelling of Chemicals

全世界

・制度概要及び 対象カテゴリー

・家電4品目

・認定製品

・認知度

・コスト

・ウェブサイト

調査項目

タイプⅠ

タイプⅡ

その他のラベル

・制度名称

・ISO分類

・マーク

・対象国

・制度開始年

・運営主体

各ラベルにかかる取り纏め結果を、表 3.9 から 3.17 に示す。

63

Page 18: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

①Blue Angel

表 3.9 Blue Angel の概要

名称 Blue Angel(タイプ I)

マーク

対象国 ドイツ 制度開始年 1978 年 運営主体 ・連邦環境庁:FEA(Federal Environmental Agency)

・ドイツ品質保証・ラベル協会:RAL(German Institute for Quality Assurance and Labelling) ・独立した意思決定機関である審査会(Jury Umweltzeichen)

概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

世界で初めて導入されたエコラベル制度 <対象カテゴリー> ・紙製品、オフィス用品、家具 ・電気製品 ・暖房設備、ソーラー技術 ・建設・改築 ・衛生用品 ・食堂・台所用品 ・園芸 ・運輸 ・電池 ・サービス ・その他

家電 4 品目 - 認定製品 (2006 年 7 月現在)

認定製品数:3,652 認定企業数:529

認知度 ・連邦環境庁が発行したドイツの環境意識に関する調査(2004)による Blue Angel の認知度:83% ・一般家庭の 49%が Blue Angel 適合製品に留意して購入

コスト 申請費:EURO 250 年間ライセンス料:売上によって変化 EURO 270-6,000

ウェブ

サイト

http://www.blauer-engel.de/willkommen/willkommen.htm

64

Page 19: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

②Nordic Swan

表 3.10 Nordic Swan の概要

名称 Nordic Swan(タイプ I)

マーク

対象国 北欧 5 ヶ国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイ

スランド) 制度開始年 1989 年 運営主体 ・北欧エコラベル委員会:(Nordic Ecolabelling Board)

・各国担当組織 概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

世界で初めて導入された多国間エコラベル制度 <対象カテゴリー> ・建材、装飾製品 ・オフィス製品 ・自動車用品 ・紙パルプ製品 ・家庭用化学品 ・サービス ・家庭用暖房器具 ・雑貨 ・機器 ・その他 ・オフィス機器

認定製品 (2005 年 12 月現在) 認定商品数:3,000 以上 ライセンス数:1,137

家電 4 品目 冷蔵庫、洗濯機、テレビ 認知度 ・Nordic Swan による 2000 年における Nordic Swan のラベルの認知度:

スウェーデン 91%、 ノルウェー85%、 フィンランド 75%、 デンマーク 56%、 アイスランド 52% ・一般家庭の 60%が Nordic Swan 適合製品に留意して購入

コスト デンマーク:申請費 3,500 DKK. 年間ライセンス料 売上高の 0.4%、最大 250,000 DKK.

フィンランド:申請費 2,000 EURO. 年間ライセンス料 売上高の 0.4%、最小 EURO 675 最大 EURO 34,000.

アイスランド:年間ライセンス料 売上高の 0.4% ノルウェー:申請費 12,000 NOK. 年間ライセンス料 売上高の 0.4%、最小 NOK 10,000 最大 NOK 300,000. スウェーデン:申請費 18,000 SEK. 年間ライセンス料 売上高の 0.3%、最小 SEK 9,000 最大 SEK 350,000.

ウェブサイト http://www.svanen.nu/Eng/default.asp

65

Page 20: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

③European Union Eco-Label

表 3.11 European Union Eco-Label の概要

名称 European Union Eco-Label(タイプ I)

マーク

対象国 EU 諸国 制度開始年 1992 年 運営主体 ・欧州委員会:EC(European Commission)

・EU エコラベリング理事会:EUEB(European Union Eco-labelling Board) 概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

EU 諸国を対象とするエコラベル <対象カテゴリー> ・寝具 ・履物 ・日曜大工製品 ・サービス ・園芸 ・家電機器(冷蔵庫など) ・電子機器(パソコンなど) ・清掃 ・潤滑油 ・繊維製品 ・紙類

家電 4 品目 冷蔵庫、洗濯機、テレビ 認定製品 (2007 年 2 月現在)

認定企業数:336 認知度 ・BEUC(欧州消費者協会)が 2002 年に行った調査によると、消費者の 38%

が European Union Eco-Label を認知 ・European Union Eco-Label 製品をどこで購入したらよいか分からない人

は全体の 74% コスト 申請費:€300~€1,300(中小企業・開発途上国の場合、25%割引)

年間使用料:当該製品の EU 域内における売上額の 0.15%であり、製品グ

ループ当たり€500~€25,000 となる。(中小企業・開発途上国の場合、25%割引、EMAS 登録を行って

いる企業及び ISO 14000 取得企業の場合、15%割引) ウェブサイト http://ec.europa.eu/environment/ecolabel/index_en.htm

66

Page 21: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

④Energy Star Program

表 3.12 Energy Star Program の概要

名称 Energy Star Program(タイプ II)

マーク

対象国 米国 制度開始年 1992 年 運営主体 ・米国 - 米国環境保護庁(EPA)、エネルギー庁(DOE) 概要及び 対象カテゴ

リー

省エネルギー機器の表示制度 <対象カテゴリー> ・ 家電製品 ・ 冷暖房機器 ・ 包装材 ・ 家庭用電子機器 ・ オフィス機器 ・ 照明器具 ・ 商業用食品サービス ・ その他

家電 4 品目 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ 認定製品 (2006 年 3 月現在)

認定製品数:35,000 以上 認定企業数:約 1,500

認知度 2004 年に消費者の 60%以上が ENERGY STAR ラベルを認知

コスト 申請費:無料 ウェブサイ

ト http://www.energystar.gov/

67

Page 22: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

⑤International Energy Star Program

表 3.13 International Energy Star Program の概要

名称 International Energy Star Program(タイプ II)

マーク

対象国 日本、米国(相互承認) 制度開始年 1995 年 運営主体 ・米国 - 米国環境保護庁(EPA)、エネルギー庁(DOE)

・日本 - 経済産業省 概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

世界における省エネルギー機器の表示制度。日本・経済産業省と米国・

環境保護庁との相互承認のもとに実施 <対象カテゴリー> ・コンピューター ・ディスプレイ ・プリンター ・スキャナ ・ファクシミリ ・複写機 ・複合機

家電 4 品目 - 認定製品 (2007 年 2 月現在)

認定製品数:17,279 認定企業数:132

認知度 - コスト 申請費:無料 ウェブサイト http://www.eccj.or.jp/ene-star/index_esj.html

68

Page 23: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

⑥Environmental Product Declarations

表 3.14 Environmental Product Declarations の概要

名称 Environmental Product Declarations(タイプ III)

マーク

対象国 スウェーデン、イタリア、ベルギー、ポーランド、日本、韓国 制度開始年 1998 年 運営主体 ・スウェーデン環境管理評議会:The Swedish Environmental Management

Council ・スウェーデン適合性認定協会:SWEDAC(The Swedish Board for Accrediation and Conformity Assessment) ・審査登録機関

概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

タイプ III 環境ラベル制度 <対象カテゴリー> ・食品、飲料 ・事務機器及びコンピューター ・木材及び木材製品 ・機械装置 ・パルプ、紙、紙パルプ製品 ・電気機器 ・化学薬品及び化学製品 ・ラジオ、テレビ及び通信設備 ・ゴム及びプラスチック製品 ・電気、ガス、水道 ・その他非金属鉱物性生産品 ・陸上交通 ・卑金属 ・郵便及び電気通信 ・組立金属製品 ・卸売業及び仲介貿易 ・ごみ処理、公衆衛生及び類似した活動

家電 4 品目 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ 認定製品 (2007 年 2 月現在、製品数)

ベルギー:18 イタリア:30 日本:20 韓国:1 ポーランド:1 スウェーデン:25

認知度 ヨーロッパ企業 16 社の EPD への取組状況についてヒアリングを行った結

果、「一般市民の注目度が低い」という回答が 9 割 LCA を用いた環境情報開示の新戦略より引用

コスト 申請費:SEK 10,000. 年間ライセンス料

製品またはサービスの売上高の SEK 1,000 当たり 0.1 とする 最低 SEK 10,000、最高 SEK 25,000.

ウェブサイト http://www.environdec.com/

69

Page 24: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

⑦Fairtrade

表 3.15 Fairtrade の概要

名称 Fairtrade(その他)

マーク

対象国 58 カ国 制度開始年 1989 年 運営主体 FLO(Fairtrade Labeling Organizations International) 概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

フェアトレードの推進を目指したラベル フェアトレードでは、下記の項目を保証している ・生産者へのフェアトレード価格 ・生産者の社会的な発展 ・生産者の経済的な発展 ・生産者の労働環境と労働条件 ・生産地の環境保全 <対象カテゴリー> コーヒー、紅茶、バナナ、マンゴー、パイナップル、オレンジジュース、

ココア、チョコレート、はちみつ、砂糖、サッカーボール、バレーボー

ル、ワイン、ナッツ、胡椒、生花、綿製品 家電 4 品目 - 認定製品 (2006 年 7 月現在)

58 カ国、508 の認定生産者団体が加盟 認知度 2004 年末現在、約 100 万世帯の農民と労働者が加盟している

MORI(Market and Opinion Research International)によるイギリスの 2005年における認知度:50% 項目 2002 2003 2004 2005 認知度 20% 25% 39% 50% 発展途上国の生産者の保証という認識 24% 33% 42% 51%

コスト フェアトレード価格=FOB(Free on Board:生産地の港での買い取り価格)

+プレミアム(買い取り価格とは別に生産者に支払われるべき報奨金) 品目によってコストが異なる。 例:果物(マンゴー) 1kg=0.51$(約 71 円)+プレミアム 1kg につき約 14 円 (1 ドル=140 円で計算)

ウェブサイト http://www.fairtrade.net/index.html

70

Page 25: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

⑧Forest Stewardship Council

表 3.16 Forest Stewardship Council の概要

名称 Forest Stewardship Council(その他)

マーク

対象国 全世界(72 カ国、2006 年 7 月現在) 制度開始年 1994 年 運営主体 ・FSC 国際本部(FSC International Center)

・FSC 地域事務所(Regional Office) 概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

・世界中全ての森林を対象とし、環境保全の点から見て適切で、社会的

な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的 <対象カテゴリー> 森林

家電 4 品目 - 認定製品 (2006 年 7 月現在)

全世界で 72 カ国、839 カ所、認証面積 76,538,363ha 日本は 25 カ所、認証面積 277,436ha

認知度 - コスト 会費及び認定料(森林のサイズにより決定) ウェブサイト http://www.fsc-japan.org/index.html

71

Page 26: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

⑨Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals

表 3.17 Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals の概要

名称 Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals (その他)

マーク

など

対象国 全世界 制度開始年 2003 年

2008 年までの実施を目標 (APEC 加盟国に関しては 2006 年までの実施を目標)

運営主体 ・国連欧州経済委員会(UNECE, United Nations Economic Commission for Europe)

概要及び

対 象 カ テ ゴ

リー

2003 年 7 月に国際連合から勧告がなされた化学品の分類及び表示に関する

世界調和システム ・世界的に統一されたルールに従って化学品を危険有害性ごとに分類し、

その情報を一目で分かるようなラベルの表示や安全データシートで提供す

ることを目的 ・各国は、国連勧告を受けて、今後、化学品の分類や表示を適切に行って

いくよう努力することが求められている <対象カテゴリー> 化学品

家電 4 品目 - 認定製品 (2007 年 1 月現在)

日本では 1383 物質の分類終了 (1500 の化学品を対象にする予定)

認知度 - コスト - ウェブサイト http://www.unece.org/trans/danger/publi/ghs/ghs_welcome_e.html

72

Page 27: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

3.3 特に認知度・普及度の高い環境ラベル制度の成功理由

前述の認知度・普及度の高い環境ラベル制度に引き続き、これらの中でも特に認知度・普

及度の高い環境ラベル制度についての成功のための施策を本節で報告する。

(1) Blue Angel Blue Angel は世界で初めて導入されたエコラベル制度であり、その知名度は他の環境ラ

ベル制度と比べて高い。 Blue Angel ウェブサイトでは、産業界・消費者へのメリットを記載している*1。産業界へ

のメリットとしては、Blue Angel ラベルの貼付により市場での製品の差別化へとつながり、

製品の競争力が向上することとしている。また、消費者へのメリットとしては、高品質、

長い耐用年数、省エネルギー性能である製品を購入することによって節約することが可能

なことである。 ドイツ消費者センター総連盟(Federation of German Consumer Organisations)の Edda Müller

氏は、ラベルプログラムの成功理由として、Blue Angel の 3 つの目標が関係しているとコ

メントしている*2。

<3 つの目標> 1.消費者にとって有益、かつ、分かりやすいこと 2.環境配慮製品の革新及び普及により製品に起因する環境汚染を減らすこと 3.製造者にとってプログラムに対応することによって経済的なインセンティブが

十分に得られること

なお、1つ目の目標を達成するために Blue Angel では新しいロゴをデザインせず、環境

において親しみのある UNEP のロゴを使用することに決定した。 国連環境計画(UNEP、United Nations Environmental Programme)では、エコラベル普及

の理由について記載している*3。Blue Angel 製品のラベルがわかりやすく、かつ、特有の環

境の改善に関係しているということを理由の一つとして挙げている。また、Blue Angel のラベルを貼付することによって、ユーザーの利益になることを挙げている。実際、病院の

そばなどでは騒音の出る機械は使用することができないが、Blue Angel ラベルが貼付され

た低騒音の建設機械については使用が許可されている。 経済協力開発機構(OECD、Organization for Economic Cooperation and Development)も

UNEP 同様に Blue Angel の普及理由について記載している*4。Blue Angel の普及の理由の一

つとして、メディア(特に地方メディアや専門印刷物)による環境意識向上への寄与を挙

げている。また、メディアと消費者団体が共同で環境にやさしい製品の普及に努めた。そ

の一つとして、Blue Angel が環境にやさしい製品としての教育ツールとして使用されると

ともに、消費者団体からの消費者への自己認証ラベル製品の不買運動を促した。また、公

的調達ガイドラインによる環境配慮製品の購入推進のため、Blue Angel が普及した。 Blue Angel の認知度を高めるために、キャンペーンも積極的に行われている*5,*6。2003 年

6 月に Blue Angel は 25 周年を迎えた。これに伴い、Blue Angel、連邦環境庁、連邦環境自

然保護原子力安全省:FMENCNS(Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation

73

Page 28: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

and Nuclear Study)は記念キャンペーンを行うことを決定した。このキャンペーンの目標は、

ブランドとしての Blue Angel の認識のサポート・強化、優位性のあるラベルシステムから

差別化するための消費者や産業へ向けての明白な位置づけ、イメージの提供などであった。

2003 年 6 月 3 日にベルリンの有名なウンテル・デン・リンデン通りで何百人もの消費者の

写真が入っている 210m2 のポスターを掲示して広告を行ったことにより、消費者に刺激を

与えた。また、企業では、アクションブルー(Blue Angel の連携及び普及のためのプラッ

トホーム)を社員に認知してもらう活動や、インターネットを使ってキャンペーンを促進

させる活動を行った。産業界のキャンペーンの一番のメリットは、環境や技術部門から、

マーケティング・セールス部門への環境の展開であった。 財団法人日本環境協会によって、エコマークシンポジウムが 2005 年 6 月に開催された。

この中で連邦環境庁のボルフガング・ローラー氏は、「ドイツエコラベル“ブルーエンジェ

ル”の今後の展開」についての基調講演を行った*7。そのポイントは以下の通りである。

(a)制度スタート当時、ドイツでは環境や健康に対する不安が高まっていた。 Blue Angel では有害化学物質に関する研究結果を踏まえ、早期に基準に反映した結果、

Blue Angel は、製品を通じて環境保全に貢献するための重要なツールとして社会

的に認知されるようになった。 (b)消費者への積極的なアピールが必要である。新たな認定基準の決定やラベル制度

に関する設立記念日など、あらゆる機会をとらえてアピールすることが重要であ

る。 (c)Blue Angel は、2003 年に 25 周年記念を大々的に祝ったことにより、その次の年の

2004年に実施した調査では、認知度が前年度よりも 10%上昇した。また、Blue Angel表示に留意して購入するという回答は 9%増加した。

(d)連邦環境庁では、2004 年から Blue Angel に関する電子ニュースレターを発行して

いる。 (e)消費者がエコラベルのある製品を意識して選択するようになるためには、環境面

の効果だけでなく、消費者個人にとってのメリットをより明確に伝えることが必

要。健康を害する物質の削減といった観点ももちろん重要だが、よりアピール性

が高いのは経済的な側面である。特にエネルギー効率や資源効率の高い製品は、

環境負荷の低減と同時に、製品のライフサイクル全体をとらえた場合のコストも

小さくなる。

74

Page 29: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

【出典】 *1 Blue Angel ウェブサイト http://www.blauer-engel.de/englisch/navigation/body_blauer_engel.htm *2 Edda Müller, 2002, Environmental Labelling, Innovation and the Toolbox of Environmental

Policy, Lessons Learned from the German Blue Angel Program *3 United Nations Environment Programme, 2005, The Trade and Environmental Effects of

Ecolabels: Assessment and Response *4 Organization for Economic Co-operation and Development, 1997, Eco-labelling: Actual

Effects of Selected Programmes, OCDE/GD(97)105, Paris, France *5 Christian Loewe and Martin Lichtl, Overcoming the Communication Gap, Public-private

partnerships towards sustainable lifestyles *6 Blue Angel ウェブサイト

http://www.blauer-engel.de/aktionblau/top/finale.php?AKB=e80854d8ef87d516eee341d0731d1cc5

*7 (財)日本環境協会エコマーク事務局、エコマークニュース: 連邦環境庁 プロセス・製品基礎科学技術部 ボルフガング・ローラー氏による特

別講演「ドイツエコラベル“ブルーエンジェル”の今後の展開(エコマークシンポジ

ウム)」、No.58、p. 2-4 (2005)

75

Page 30: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(2) Nordic Swan Nordic Swan ウェブサイトにおいては、Nordic Swan のミッション及び製品の宣伝を行っ

ている*1。 Nordic Swan のミッションは、環境に関する消費者の負荷を減らすことに寄与することで

ある。エコラベルを用いることによって、消費者に環境意識を持ってもらい、より良い社

会を形成することに寄与することを期待している。また、エコラベルを通して、生産者に

環境に良い製品やサービスを提供することを期待している。また、Nordic Swan では、「Let the Swan do the job (スウェーデン語)」をインターネット上で公開しており、その中におい

て Nordic Swan 製品の写真を掲載することによって、製品のアピールを行っている。

図 3.1 Nordic Swan ウェブサイトにおける広告例

76

Page 31: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

家電 4 品目に関しては、スウェーデンの Cylinda 社が洗濯機の Nordic Swan ラベル認証を

行っている。Cylinda 社は、ウェブサイトのトップページにおいて、ノルディックスワンの

宣伝を行っているとともに、製品紹介においても洗濯機に Nordic Swan ラベルが貼付され

ていることをアピールしている*2。

図 3.2 Cylinda 社 ウェブサイト トップページ

図 3.3 Cylinda 社の製品紹介(FT46)

77

Page 32: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

また Nordic Swan は、エコマークと Nordic Swan との部分相互認証を、複写機について行

うことにより、認知度・普及度の向上を図っている*3。北欧エコラベリング委員会と財団法

人日本環境協会は、「複写機」のエコラベル認証基準の部分相互認証を 2002 年 4 月より開

始した。Nordic Swan 制度の「複写機・プリンタ・ファックスおよび複合機」とエコマーク

制度の「複写機」についての複写機の共通基準を共同で開発している。部分相互認証の導

入によって、審査や試験手続きの簡略化、認証までのスピードアップ、コストの軽減など

が図られ、エコマークと Nordic Swan の双方の取得を希望する企業にとっては大きなメリ

ットがある。また、認証基準の要求事項及びその証明方法が全く同一である場合にはどち

らか一方の機関での審査の結果のみで複数のラベルを取得することが可能になる。 【出典】 *1 Nordic Swan ウェブサイト

http://www.svanen.nu/Eng/default.asp *2 Cylinda 社ウェブサイト http://www.cylinda.se/ *3 財団法人 日本環境協会ウェブサイト http://www.ecomark.jp/sougo2.html

78

Page 33: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(3) Energy Star Program

Energy Star ウェブサイトでは、Energy Star プログラムの成功の理由及び消費者アンケー

ト結果について以下のように報告している*1。 <Energy Star プログラムの成功の理由>

(a) 10 億以上の Energy Star 製品が今まで米国で販売されてきた。 (b) 35 以上の Energy Star 製品のカテゴリーがある。 (c) 平均して毎月 600 の Energy Star についての印刷記事が掲載されており、流通量は毎

月 5000 万枚に達する。 (d) 7000 以上の印刷広告が毎月 Energy Star 製品を掲載している。 (e) Energy Star ウェブサイトは毎月平均で 12 万ものインターネットヒット数がある。 (f) 照明装置のリーディングメーカーである Sylvania では、電球型蛍光灯の Energy Star

製品の売上が 2002 年に 85%以上増加した。2001 年、2002 年に行われた「電球を変

えよう」というキャンペーンで売り上げがそれぞれ 120%、300%増加した。 (g) Energy Star プログラムに熱心な地域の洗濯機のマーケットシェアは国家平均と比べ

て 10-15%高い。 (h) 160 の公共施設・事業所が国の 60%近くをカバーする地域において Energy Star を促

進した。これは、6200 万世帯に相当する。 (i) 1250 以上の Energy Star 製造事業所が製品の差別化に Energy Star を使っている。 (j) 600 以上の企業が毎月紙上にて Energy Star 製品の広告を行っている。 (k) 毎年 EPA及び米国エネルギー省共催によって優れた Energy Star製品についての表彰

を行っている。 <消費者アンケート結果>

(a) Energy Star についての情報提供後、93%の消費者が将来 Energy Star 製品を探すと回

答した。 (b) Energy Star を認知している 82%の消費者は少なくとも過去 12 ヶ月で Energy Star の

製品を少なくとも一つは購入している。 (c) 84.7%の消費者が、電化製品、電子機器、空調システム、照明装置が Energy Star ラ

ベルを持つべきであることに同意した。 (d) 93%の消費者が、省エネルギーは環境と家計の両方にとって重要であると思ってい

る。 (e) 最近 Energy Star 商品を購入した 50-60%の消費者は Energy Star マークが購入決定に

影響したと回答した。 (f) 最近 Energy Star 製品を購入した 95%の消費者は、将来的に Energy Star マークのある

製品を購入したいと回答した。 (g) 71%の消費者が、Energy Star を友人に勧めたいと回答した。 (h) Energy Star 商品を購入した 66%の消費者は財政的なインセンティブがなくても製品

を購入すると回答した。 (i) 95%の消費者が、エネルギーの使用について責任をもたなければならないと信じて

79

Page 34: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

いる。 (j) 91%の消費者が、Energy Star の”I care about protecting the environment”というステート

メントに同意している。 (k) 72%の消費者が、エネルギー効率の良い製品を探すのに特別な努力をしている。 (l) 78%の消費者が、エネルギー効率が購入決定と同じくらい重要であると位置づけて

いる。 (m) エネルギー効率については 71%、電気代節約には 66.7%の消費者が電化製品の購入

にとても重要であると回答している。 (n) 80.3%の消費者が、Energy Star 認証が電化製品について重要であると述べている。 (o) 58.5%の消費者が、エネルギー効率の良い製品を使用すると回答している。

Energy Star はキャンペーン活動も積極的に行っている。例えば、Energy Star のキャンペ

ーンにおいて、5 段階の活動を行うことにより、エネルギー、お金、環境を救うことがで

きると 2004 年に EPA 及び Energy Star は発表している*2, *3。 <エネルギー効率を高めるために全ての人ができる 5 段階の活動>

1. 【5 つの照明機器を交換】 最も頻繁に使用する 5 つの照明機器をエネルギーラベルの貼付されている

ライトに交換 2. 【Energy Star ラベル製品を探す】

照明機器や家電製品を含めた 40 以上の製品カテゴリーから利用可能 3. 【賢い暖房及び冷房】

冷暖房機器についてフィルターを定期的に交換し、古い機器の交換時期に

は Energy Star ラベルモデルを選択 4. 【家の目張り】

空気の漏れを塞ぎ、断熱材を加え、Energy Star ラベルの貼付された窓を選択 5. 【家族や友人への伝達】

エネルギー効率は家及び環境に良い一方、月々のエネルギー費を減らすこ

とができると口頭にて伝達 2002 年 2 月の国家エネルギー計画において、ブッシュ大統領は Energy Star プログラムの

公共の意識を増やし、消費者や企業に利益をもたらすことを要求した。また、食料品店、

病院、ホテルを含めたビルについても Energy Star ラベルを拡大することを要求した。 2003年において、Energy Starプログラムにおいて、2000万世帯のエネルギーを節約でき、

1800 万台の自動車からの温室効果ガス排出量に等しい量を削減できたと報告している。ま

た、合計 90 億ドルを節約できたと記載している。 家電 4 品目に関しても、Energy Star のウェブサイトで宣伝を行っている。冷蔵庫に関し

ては、Energy Star ラベルが貼付されている製品は標準製品と比べてエネルギー使用量が

15%、2001 年に販売された一般製品と比べて 40%少ないとしている。洗濯機に関しては、

Energy Star ラベルが貼付されている製品は標準製品と比べてエネルギー使用量が 50%低く、

80

Page 35: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

また、1994 年以前に製造された製品と比べて Energy Star 製品は光熱費を 1 年当り 110 ドル

節約できるとしている。エアコンに関しては、Energy Star ラベルが貼付されている製品は

標準製品と比べてエネルギー使用量が 10%低く、また、10 年前に製造された製品を現在の

Energy Star 製品に置き換えることによって光熱費を 1 年当り 25 ドル節約できるとしている。

テレビに関しては、Energy Star ラベルが貼付されている製品は標準製品と比べてエネルギ

ー使用量が 30%低いとしている。

図 3.4 Energy Star ウェブサイト(テレビ)

【出典】

*1 Energy star, The Value of the ENERGY STAR Market *2 EPA, New Five-Step ENERGY STAR Campaign Can Save Energy, Money, Environment --

Average Home Can Cause More Greenhouse Gas Emissions than Average Car *3 Energy Star, PROTECTING OUR ENVIRONMENT STARTS AT HOME. 5 STEPS YOU

CAN TAKE TO REDUCE AIR POLLUTION. < *3 については、次ページ「参考」も参照)>

81

Page 36: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

【参考】エネルギー効率を高めるために全ての人ができる 5 段階の活動

図 3.5 エネルギー効率を高めるために全ての人ができる 5段階の活動(表紙)

図 3.6 エネルギー効率を高めるために全ての人ができる 5段階の活動(活動事例)

82

Page 37: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(4) Fairtrade 財団法人フェアトレード・ラベル・ジャパンでは、パンフレットを用いてフェアトレー

ド製品の普及を行っている*1。 欧米では多くの行政機関や企業が職場の飲み物にフェアトレード製品を採用しているこ

とを紹介している。マイクロソフト社、メリルリンチ社、フォルクスワーゲン社、IBM 社

などの事例紹介をしている。また、米国では 300 校以上の大学の食堂や売店でフェアトレ

ードコーヒーが販売されている。これは、学生が中心となり、署名運動や試飲のキャンペ

ーンを実施して学校側や業者に要求し、実現させたことが理由である。 また、イギリスのフェアトレードウェブサイトでは、フェアトレードに関する

MORI(Market and Opinion Research International)による消費者調査結果を記載している*2。 2002 年に MORI がどのようにしてフェアトレードマークを初めて認知したかについてア

ンケートを行った結果、43%が買い物で、20%が新聞や雑誌で、14%が家族や友人からの口

コミで伝わったと回答した。2004 および 2005 年に口コミについて同様の質問を行った結

果、それぞれ、16%、23%と増加傾向にあった。この増加の理由はフェアトレードに関する

何万もの運動家の職場、学校、大学、教会、労働組合、地域団体における精力的な努力に

よるものである。またフェアトレードマークを認識する人の 8 割は、発展途上国の生産者

に対する公正な待遇の保証はたいへん重要であると考えている。 2005 年イギリスでは、100 以上の市町村がフェアトレード都市宣言を行った。これらの

市町村では、公共機関でフェアトレード商品を提供し、フェアトレード商品の販売を促進

するなど、地方自治体が率先してフェアトレード商品の販売をバックアップしている。 【出典】 *1 財団法人フェアトレード・ラベル・ジャパン、パンフレット資料「フェアトレード

で国際協力を」 *2 Market and Opinion Research International, consumer research about Fairtrade in the UK

83

Page 38: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(5) Forest Stewardship Council クリスティン・ケルン氏らは、2001 年 4 月にグルノーブルのワークショップにおいて、

Forest Stewardship Council の発展についての論文を公表した*1。本論文の中で成功理由を記

載している。 Forest Stewardship Council は異なる領域の約 150 団体の代表によって設立された。Forest

Stewardship Council ラベルの流通は多くの NGO によって支援を受けてきたが、これは主に

WWF のキャンペーンによるものである。 エコラベルは製品標準であり、Forest Stewardship Council ラベルは製造標準である。一般

的に製品標準は製造標準と比べて流通が速いため、Forest Stewardship Council ラベルはエコ

ラベルと同じ位の速さで流通するとは思われていなかったが、Forest Stewardship Council は流通が速かった。Forest Stewardship Council は一つの製品カテゴリーに関連している一方、

多くの製品カテゴリーを構成しているエコラベルはより多くのステークホルダーを巻き込

まなければならないことが理由である。 【出典】 *1 Kristine Kern et al., 2001, Ecolabeling and Forest Certification as New Environmental

Policy Instruments. Factors which Impede and Support Diffusion, ECPR Workshop on “The Politics of New Environmental Policy Instruments”

84

Page 39: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

3.4 消費者が客観的に比較可能な環境ラベル制度

(1) 米国 EnergyGuide Label 本ラベル制度は、US DOE(Department of Energy:米国エネルギー庁)により制定された

製品規格プログラムである。生産者は DOE が制定した計測規格を使用するとともに Energy Star 取得の製品は EnergyGuide ラベルを貼付しなければならない

EnergyGuide のラベル上には、年間の電気消費量(742-836kWh/year)が表示されている

ため、それが同類の製品全体の中でどのレベルに位置しているか判断できる。また、年間

の電気代が表示され、コスト面で製品比較が可能なところが特徴である。 カナダの EnerGuide においては、年間エネルギーコスト($)=Rating(kWh) × Local

Electricity Cost($/kWh)として産出している。また、年間エネルギーコストに製品予想寿命を

かけることによって生涯にわたるエネルギーコストを算出することも可能である。なお、

製品予想寿命は、冷蔵庫:17 年、冷凍庫:21 年、皿洗い機:13 年、乾燥機:18 年、洗濯

機:14 年と設定されている。

図 3.7 EnergyGuide Label(米国)

85

Page 40: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(2) 欧州 The EU Energy Label 本ラベル制度は、エネルギー消費効率レベルを製品毎に A~G の 7 段階に分け、その製

品がどこに位置するのか表示するものであり、以下の内容について記載している。 ・ 製造者名およびモデル番号 ・ エネルギー消費効率 <効率レベル:A~G>

A は最も効率高、G は最も効率低;例外として冷蔵庫は A++まで。 ・ エネルギー消費量及びランニングコスト

通常使用条件における年間消費電力量(kWh/year)を表示 (洗濯機は kWh/cycle 表示)

表 3.18 旧型および新型製品とのコスト比較例

旧型 新型 エネルギー消費(kWh/yr) 500 300 年間ランニングコスト

@7.9p/kWh £40 £24

コスト削減額 - £16

図 3.8 The EU Energy Label(欧州)

86

Page 41: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調

(3) オーストラリア Approved Energy Label オーストラリアでは、以下の製品について承認されたエネルギーラベルを貼付すること

が義務化されている。

・冷蔵庫及び冷凍庫

・洗濯機

・乾燥機

・自動食洗機

・エアコン

1999 年 10 月 1 日よりオーストラリアで生産又は輸入される冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵

庫は、エネルギーパフォーマンス要求に順守することが求められている。図 3.9 に冷蔵庫

の例を示すが、エネルギー効率のレベルについて 6 つの星で表示され、また、年間消費電

力量(kWh/year)も表示される。また、将来的には、テレビも対象になる見込みである。

図 3.9 Approved Energy Label(オーストラリア)

87

Page 42: 国際的な環境ラベル制度の動向分析 - Minister of …...3. 国際的な環境ラベル制度の動向分析 欧米・アジア等の国際的な環境ラベル制度の動向について、インターネットによる情報調